巨人(☆6対5★)中日 =リーグ戦20回戦・東京ドーム=
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中日
00101 0030 5170
巨人
00001 000 6110
勝利投手:中川 皓太(1勝0敗1S)
敗戦投手:R.マルティネス(1勝3敗0S)
  DAZN
◆巨人は4点を追う9回裏、陽、長野、大城、田中俊の4者連続適時打で試合を振り出しに戻す。なおも1死一三塁の好機から、マギーの適時打が飛び出し、サヨナラ勝利を収めた。投げては、4番手・中川がプロ初勝利。敗れた中日は、先発・藤嶋が好投を見せるも、9回に救援陣がつかまった。

◆2軍調整中の巨人のアレックス・ゲレーロ外野手が1軍に合流した。  試合前練習に参加し、左翼でノックを受けた後、フリー打撃を実施。47スイングで柵越えは12本。左中間席最上段への当たりを放つなど、好調さをアピールした。「1軍のみんなに会えて気分がいいね。調子はいいよ。2軍では今の状況を受け入れてやってきた。言われたところでやるだけ」と心境を口にした。この日の1軍登録はなく、練習参加のみとなった。  コンディション不良のため、6月15日に登録を抹消。同月21日のイースタン・リーグのロッテ戦で実戦復帰し、2軍戦では25試合に出場。打率2割3分3厘、3本塁打、6打点を記録している。

◆巨人が5者連続の適時打でサヨナラ勝ちを収めた。4点を追う9回。先頭打者の阿部が中日岩瀬から死球を受けて出塁。1死後、山本が四球を選び一、二塁とした。  代打陽岱鋼が右中間を破る適時打を放つと、中日はR・マルティネスに投手を交代。勢いは止まらず、続く長野が遊撃への適時内野安打で2点差に迫った。  なお一、三塁で代打大城が右翼への適時二塁打を放ち1点差。押せ押せムードの中、続く田中俊はたたきつけるような打撃で一塁手の頭上を越し、右翼線への適時打で同点とした。  最後は1死二、三塁からマギーが三遊間を破り、サヨナラ勝ち。最終回に5安打を集めて4点差をひっくり返した。  高橋由伸監督は「決めたのはケーシーだけど、そこまでよくね、諦めずによくつないだと思う。粘りと集中力と、本当にいいものを出してくれた」と選手をたたえた。

◆9回表までの4点リードを守りきれなかった。アウト3つが取れず、中日が今季6度目のサヨナラ負けを喫した。  9回のマウンドを託したのはプロ通算990試合登板のベテラン岩瀬。しかし、低めに攻めた球がボールと判定され、熟練の技が狂った。先頭阿部に死球を与え、1死は取った。しかし、山本に四球、代打陽岱鋼に右前適時打を許し降板。1死二、三塁からバトンを受けたR・マルチネスが4連打を浴びてゲームセット。7回1失点と先発した2年目藤嶋の力投に白星をつけられなかった。「ノーコメント。いろいろあるでしょ。(リリーフが苦しいのは)向こうもこっちもいっしょ」と森監督。今季29度目の逆転負けでCS進出が遠のいた。

◆巨人が9回裏に5点を挙げてサヨナラ勝ち。最終回の一気逆転サヨナラの最大差は93年6月5日近鉄がダイエー戦で記録した6点差(2-8→9-8)だが、巨人の4点差逆転サヨナラは46年7月28日パシフィック戦(2-6→7-6)00年9月24日中日戦(0-4→5-4)に次いで3度目の球団タイ記録だ。  00年は巨人がM1で迎えた試合で、9回裏1死から6番江藤の満塁本塁打で追い付き、続く7番二岡がサヨナラ本塁打を放って優勝を決めた。今回のように本塁打なしで4点差逆転は、3安打、1四球と相手の2失策でひっくり返した46年パシフィック戦以来だった。

◆巨人が「ミレニアムV」のサヨナラ劇を再現した。本拠地での中日戦は9回まで1-5の完敗ムード。最後の攻撃でルーキーコンビの大城、田中俊の適時打などで追いつき、最後はマギーが5連続適時打となる左前打で劇的に今季2度目のサヨナラ勝ちを収めた。最終回4点ビハインドからのサヨナラ劇は、長嶋茂雄監督(当時)が監督生活最後の優勝を決めた00年9月24日の中日戦以来。18年ぶりに起こした「奇跡」を勢いに変換する。  高橋監督が率いてきた中でも極上の結末だった。就任3年目で通算14度目のサヨナラ劇も最終回に4点差をひっくり返したことはない。18年前の「ミレニアムV」以来。当時サヨナラ弾を放った二岡打撃コーチは「古いの出してきたね。覚えてるけど、覚えてない」と記憶の片隅を突かれ、笑った。間違いなく同じなのは、誰もサジを投げなかったこと。指揮官は「決めたのはマギーだけど、そこまで諦めずによくつないだ」と、たたえる連打だった。  劇的な空気感は薄かった。先発今村が7回13安打2失点も、8回に3点を失った。だが最後にドラマが待っていた。先頭の阿部が死球で出塁。1死後、山本も粘って歩いた。代打陽が「阿部さんが出て雰囲気が変わった」と右中間適時二塁打。長野が食らいつき、適時内野安打で2点差とした。 ベテランのお膳立てをルーキーが継いだ。代打大城が「後ろにつなぐ気持ちで」と右翼線へ適時二塁打で1点差。「勇気づけられた」と田中俊はたたきつけて右前に運び、ついに同点とした。最後に決めたのは甲子園大会にはまり、金足農・吉田輝星の投球に心打たれたマギー。三遊間を射抜き、劇的に決めた。「感銘を受けるのは、球児たちの全力で諦めない姿。秋田の学校も知らないが、ああいう子が出ると学校に興味を持つ。そのくらいすごい」と日本の伝統を体現した。 変えられない伝統がある。今夏は猛暑で甲子園も屋外開催の是非を問われた。自身も球児で出場した高橋監督の思いはシンプルだった。「この暑さが大変なことは間違いない。でも場所を変えるのはね。甲子園はそれだけ積み重ねてきた場所だから」と論じた。 名門として、数々の奇跡の1ページをしるしてきた。この日、起こした伝統の奇跡を勢いに変えられるか。「普通に勝てるのが一番いいが、チームに勢いがつく。はずみにしたい」。シーズンの最終章に向けて転換の1勝とする。【広重竜太郎】
 ▼巨人が9回裏に5点を挙げてサヨナラ勝ち。最終回の一気逆転サヨナラの最大差は93年6月5日近鉄がダイエー戦で記録した6点差(2-8→9-8)だが、巨人の4点差逆転サヨナラは46年7月28日パシフィック戦(2-6→7-6)00年9月24日中日戦(0-4→5-4)に次いで3度目の球団タイ記録だ。00年は巨人がM1で迎えた試合で、9回裏1死から6番江藤の満塁本塁打で追い付き、続く7番二岡がサヨナラ本塁打を放って優勝を決めた。今回のように本塁打なしで4点差逆転は、3安打、1四球と相手の2失策でひっくり返した46年パシフィック戦以来だった。

◆巨人3年目左腕の中川がプロ初勝利を挙げた。4点を追う9回に登板。7球で3者凡退に抑え、直後のサヨナラ劇を呼び込んだ。  7月中旬に阿部から「肘を下げてみたら?」と助言を受け、上手からサイド気味に腕を振るフォームに即変更。効果はてきめんで球威が増し、プロ39戦目での初白星につなげた。「ラッキーでした。野手のみなさんのおかげです」と味方に感謝した。

◆中日4点リードの9回。勝利まであとアウト3つから暗転した。マウンドには前人未到の通算1000試合登板まであと10と迫った岩瀬。セーフティーリードかと思われたが、低めの球が微妙判定でボールとされ、熟練の技が狂った。  先頭阿部に死球。続く亀井は一邪飛に仕留めたが、右打者の山本でも続投し、四球を出した。代打陽岱鋼には右翼へ適時二塁打されて降板。1死二、三塁からバトンを受けたR・マルティネスも勢いを止められず4連打を浴び、今季6度目のサヨナラ負けを喫した。  7回1失点の好投を見せた藤嶋の2勝目も消滅。岩瀬は責任を背負い「藤嶋をどうしても勝たせてやりたかった。(中継ぎ陣が)頑張っていかないといけない」と悔しさをにじませた。藤嶋は7回無失点だった前回ヤクルト戦でも救援陣の失敗で勝ち星が消えていた。それだけに、プロ2年目の奮闘に応えたかった。  この日は9回に4点差をひっくり返された。近藤投手コーチは「仕方ないで済まされない。全ては(ブルペンを)預かっているボクの責任だ」と顔色を失っていた。森監督は「ノーコメント。いろいろあるでしょ」と口を閉ざした。今季29度目の逆転負け。ショックの大きい、重い1敗になった。【伊東大介】

◆巨人は今村、中日は藤嶋が先発した。先制したのは中日、三回一死二塁から、大島が左越え適時二塁打を放った。

◆巨人・重信慎之介外野手(25)が19日、中日20回戦(東京ドーム)に「1番・中堅」で先発出場。2点を追う五回二死二塁から右前適時打を放ち、1点を返した。  "早慶コンビ"でもぎ取った。この回先頭、慶大出身の山本が中前打で出塁。続く小林の3球目に盗塁を決め、好機を演出した。そして、二死後に早大出身の重信が、相手先発・藤嶋が投じた4球目、137キロの内角高めの直球を右前に運んだ。  2人は同期入団で、ともに今季3年目を迎えた。若き"早慶コンビ"がこれからの巨人を引っ張っていく。

◆巨人・今村信貴投手(24)が19日、中日20回戦(東京ドーム)に先発。7回109球を投げ、13安打を浴びるも2失点と粘りの投球を見せた。  テンポ良く投げ込んだ。好調の今村は序盤から中日打線に安打を許すも、得点を与えず。三、五回に1点を失ったが、大崩れはしなかった。だが、点を失った回はともに先頭・平田を出塁させており、好調のリードオフマンを止められなかった。  それでも最少失点で抑えた今村。反撃を信じ、7回でマウンドを降りた。

◆巨人が2連勝。4点ビハインドの九回に集中打で一挙5点を奪い、劇的なサヨナラ勝利を収めた。  巨人は今村、中日は藤嶋が先発した。先制したのは中日、三回一死二塁から、大島が左越え適時二塁打を放った。五回には大島が中前適時打を放ち、1点を追加した。  巨人は五回に重信の右前適時打で1点を返したが、中日は八回に3得点。中日は九回に3番手・岩瀬を登板させたが、巨人は陽岱鋼が右中間適時二塁打。さらに4番手のR.マルティネスから代打・大城が右翼線適時二塁打、田中の適時打で同点に追いつくと、最後はマギーの左前適時打で試合を決めた。  先発の今村は7回12安打2失点。この後は池田、田原、中川と継投した。九回に登板し、1回無失点の中川はプロ初勝利を挙げた。 サヨナラ打を放ったマギーの話 「自分の前を打つ野手が繋いで同点まで持ってきたので、自分で決めようと思っていました。巨人2年目でサヨナラは初めて、素晴らしい雰囲気でした。負けられない中で今村も粘って、ピッチャーもがんばっている中で、自分は2回ほど得点できるチャンスで凡退したので、最後に仕事ができてよかった」

◆中日の藤嶋は再三のピンチをしのいで7回6安打1失点と好投し「あまり調子はよくなかった。(捕手の)松井雅さんが引き出してくれて、粘り強く投げられた」と話した。  前回登板した12日のヤクルト戦も7回無失点ながら白星がつかなかった。この日も勝ち投手の権利を持って降板後、救援陣が打たれて6月17日以来、2カ月ぶりのプロ2勝目とはならなかった。

◆巨人の3年目左腕、中川がプロ初勝利を挙げた。1-5の九回に4番手で登板し、三者凡退と好投するとその裏の集中打で逆転サヨナラ勝ち。白星が転がり込んだ。  広島・山陽高から東海大を経て2016年に入団し、通算39試合目の登板だった。「点差があったので、初勝利になるとは思わなかった。みなさんのおかげです。ラッキーでした」と予想外の白星を喜んだ。

◆同じことの繰り返しだ。5-1の九回、救援した岩瀬とR・マルティネスがつかまり5失点で今季6度目のサヨナラ負け。残り1イニング、4点差さえ守れない衝撃的な結末に森監督は「ノーコメント」とぶぜんとした表情で球場を後にした。逆転負けはリーグ最多の29度目となった。リリーフ陣が次々と2軍落ちし、抑え不在の苦しい状況。岩瀬は「藤嶋にどうしても勝たせてやりたかった」と好投した高卒2年目右腕にわびた。 ブルペンを担当する中日・近藤投手コーチ 「預かっている僕の責任」 7回6安打1失点と好投した中日・藤嶋 「あまり調子はよくなかった。(捕手の)松井雅さんが引き出してくれて、粘り強く投げられた」 3打数3安打で八回には犠飛も放った中日・平田  「打てる球を思い切り振りにいった」

◆九回一死一、三塁から左前適時打を放ったマギーは「野手がいい流れを持ってきて、みんなでつないで勝てた」と笑みを浮かべた。最近のマイブームはテレビでの高校野球観戦で「ゲームセットまで諦めずに全力でやっているのに胸を打たれる。そういう気持ちを思い出させてくれる」。注目は秋田・金足農高のエース、吉田で「興味を持つぐらい素晴らしいものを持っている」と絶賛した。

◆巨人は19日、中日20回戦(東京ドーム)に6-5でサヨナラ勝ちし、4カードぶりの勝ち越しを決めた。4点を追う九回に5者連続の適時打が飛び出す劇的勝利。代打のドラフト3位・大城卓三捕手(25)=NTT西日本、同5位・田中俊太内野手(25)=日立製作所=ら若い力が躍動し、最後はケーシー・マギー内野手(35)が決勝打。球団では2000年9月24日の中日戦以来18年ぶりとなる九回裏の4点差逆転勝利を飾った。  割れんばかりの大歓声が、東京ドームを包んだ。九回一死一、三塁。マギーの打球が三遊間を抜けると、ナインはベンチを飛び出し、グラウンドで歓喜の輪をつくった。  「決めたのはマギーですけど、諦めずにみんながよく攻めてくれた。粘り強く、集中力とか、本当にいいものを出してくれた」  劇的勝利に、高橋監督の舌も滑らかだった。  まるで、高校野球だ。九回攻撃前の点差は4。先頭のベテラン・阿部が代わったばかりの中日・岩瀬から死球を受けて出塁すると、一死後、山本の四球で一、二塁。ここから猛攻が始まった。  まず代打・陽岱鋼が右中間適時二塁打を放って3点差。長野が代わったR・マルティネスから遊撃適時内野安打を放ち、2点差。さらに"若い力"がつないだ。代打・大城が、一、二塁間を破る適時二塁打を放って1点差とすると、続いたのは前日18日が25歳の誕生日だった田中俊だ。  「勢いよく回ってきたので、それに乗っていけば打てると思っていた。(大城が)二、三塁にしたのは大きかったし、僕も勇気づけられた」  大きくはねた打球は、一塁手の頭上を越える同点の右前適時打。2人のルーキーが躍動し、マギーを含めた5者連続適時打で試合を決めた。  田中俊は3安打の活躍。早出特打で、投球マシンに正対してカーブ打ちを重ねるなど日々の努力が実り、4カードぶりの勝ち越し、2年連続の中日戦のシーズン勝ち越しに導いた。  「こういう勝ちもチームに勢いがつくと思いますし、また来週に向けて弾みにしたい」と高橋監督。いい風を受け、ラストスパートをかける。 (赤尾裕希) 九回に4番手で登板し通算39試合目で初勝利を挙げた巨人・中川 「僕の中では珍しく3者凡退に抑えられた。野手の方のおかげ」 九回一死一、三塁から代打で右翼線適時二塁打を放った巨人・大城 「1アウトなので後ろにつないでいこうと思っていた」 7回13安打2失点の巨人・今村 「きょうは反省。もう少し内(内角)にも攻めていけた。阿部さんから『腕の振りが弱い』と指摘していただいた」

◆3人で終えた巨人の八回の攻撃を見る限り、勝負は決したと感じていたが、巨人の選手は違っていたようだ。九回は、それぞれが高い集中力で打席に立ち、仕事をした。4点差をひっくり返すなんて、簡単にできることではない。大きな1勝だ。  若手の成長を感じた攻撃だった。九回一死一塁で山本が四球、代打・大城が1点差に迫る適時二塁打、田中俊が同点打。自信になるだろう。特に、この日3安打の田中俊は15日に先発で起用されてから攻守に目覚ましい活躍を見せている。プロ野球に慣れ、落ち着いてプレーできているように感じる。  投手では今村の粘投が収穫だろう。13安打されながら7回を2失点でしのいだ。直球は140キロ前後で、これといった決め球もないが、ゆったりとしたフォームは打者の打ち気をそらし、どの球種も制球がいい。調子が悪くても、この日のように大崩れしないタイプだ。  今後、巨人が浮上するためには、菅野、山口俊が投げる試合に必ず勝ち、その他の投手が投げる試合を勝率5割でしのぐこと。その点でも今村の存在は重要になる。(サンケイスポーツ専属評論家)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
624120.602
(↑0.004)
0
(-)
38540
(+9)
462
(+7)
135
(+1)
62
(+1)
0.266
(↑0.001)
4.03
(↓0.03)
2
(-)
ヤクルト
515210.495
(↑0.005)
11
(-)
39480
(+8)
500
(+5)
98
(+2)
56
(+1)
0.268
(↑0.001)
4.38
(-)
3
(-)
巨人
545620.491
(↑0.005)
11.5
(-)
31502
(+6)
457
(+5)
115
(-)
51
(+1)
0.261
(↑0.001)
3.89
(↓0.01)
4
(-)
阪神
485210.48
(↓0.005)
12.5
(↓1)
42403
(+5)
448
(+8)
62
(-)
51
(-)
0.25
(↑0.001)
4.02
(↓0.03)
5
(-)
DeNA
465820.442
(↓0.005)
16.5
(↓1)
37421
(+7)
499
(+9)
128
(+3)
60
(+1)
0.251
(↑0.001)
4.39
(↓0.04)
6
(-)
中日
486110.44
(↓0.004)
17
(↓1)
33454
(+5)
498
(+6)
69
(-)
51
(-)
0.264
(↑0.002)
4.36
(↓0.02)