ヤクルト(☆5対4★)中日 =リーグ戦16回戦・明治神宮=
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中日
11110 0000 4110
ヤクルト
30100 001× 561
勝利投手:近藤 一樹(2勝3敗1S)
(セーブ:石山 泰稚(3勝0敗14S))
敗戦投手:又吉 克樹(2勝3敗0S)
  DAZN
◆ヤクルトは3-3で迎えた3回裏、バレンティンの適時打で勝ち越しに成功する。その後同点を許すも、8回に山田哲のソロが飛び出し、再びリードを奪った。4番手・近藤が今季2勝目。敗れた中日は、先発・大野雄が振るわず、最後は4番手・又吉が痛恨の一発を浴びた。

◆THE RAMPAGE from EXILE TRIBE の川村壱馬(21)が始球式を務めた。  背番号1のヤクルトのユニホーム姿で登場。103キロの直球を高めに勢いよく投げ込み、観客の拍手を浴びた。「めちゃくちゃ緊張しましたけど、貴重なお時間をいただけて、やらせていただけて光栄でした。(球速は)とりあえず100キロ以上を出せたので良かったです」と笑顔で振り返った。  現在ツアー中で、9月12日にはファーストフルアルバム「THE RAMPAGE」をリリースする予定。

◆中日ソイロ・アルモンテ外野手(29)が22日、コンディション不良のため初めて出場選手登録を抹消された。前日21日のヤクルト戦(神宮)で6回の第3打席で空振り三振したあとにベンチに下がっていた。故障個所は明らかにされていない。  今季加入したアルモンテは開幕から主軸として活躍。5月には月間MVPを受賞した。シーズン序盤は打率リーグトップを走っていたが、6月以降調子を落としていた。21日現在の成績は打率3割、11本塁打、50打点。

◆中日大野雄大投手(29)は5度目の先発でも今季初勝利をつかめなかった。5回4失点で、同点の状況で降板した。  初回にバレンティンに浴びた3ランが痛かった。3回にもまたバレンティンに左翼越え適時打を許した。球数は86球とまだ余裕があったが、今季の信頼の薄さからか、あっさりと交代させられた。「先発投手としてもう1イニング投げなければいけなかった」と反省した。  バレンティンに打たれたのは、ともに厳しいボール気味の直球だった。3ランは外角低めを狙って、内寄りに入った。打ったバレ砲の技あり打とも言えたが、左腕は「逆球でした。しっかり外に投げていればああいう結果にならなかった。外か内かの2分割くらいは投げ分けないといけない」と投げミスを悔やんだ。

◆中日が3タテを食らい、神宮での連敗も7に伸びた。4-4の8回、4番手又吉が山田哲に決勝ソロを許した。  アップダウンの激しい1日だった。この日、開幕からクリーンアップを打ってきたソイロ・アルモンテ外野手が故障で出場選手登録を外れた。攻撃力低下が懸念される中、普段は代打で控えるスティーブン・モヤ外野手が代役で「6番左翼」に。すると2回に2号ソロ、4回も同点ソロ。アルモンテの穴を埋めて余りある活躍だった。  だが、再び状況が暗転した。モヤは8回の第4打席、ファウルチップを打った際に、顔をゆがめ、振り切ったバットをぽとりと落とした。そのまま打席途中のカウント1-1から代打藤井が送られた。  右手にアイシングを施したモヤは「自分でも何が起きたのか分からなかった。どこを痛めたかも分からない。前のスイングまではよかったが、あそこで問題が起きた。無事を願っている」と浮かない表情。かりに長期離脱となれば、一気に助っ人野手2人を欠く緊急事態。森繁和監督は「いるものでやっていくしかないでしょう」と語ったが、本人と同様に、まずは軽傷であることを願っていた。

◆ヤクルトのブルペン陣が、3連勝への道筋をつくった。  先発ハフが4回4失点で降板すると、2番手に大下が登板。「必死でした」と2回無失点で、同点のまま勝利の方程式へ。中尾、近藤と1回無失点でつなぐと、8回に山田哲が決勝の22号ソロ。9回は守護神石山が締めた。  石山は「粘っていれば打ってくれる。1点でも少なくやっていきたい」と投手陣の総意を代弁。小川監督は「逆転を許さなかったのが一番。大下が大きかった。後ろの3人も毎日使ってしまったが、よく頑張ってくれた」とねぎらった。

◆トリプルスリーへ、視界良好だ。ヤクルト山田哲人内野手(26)が4-4の8回1死、3戦連発となる決勝の22号ソロを放った。全4打席で出塁し、二盗を2度成功。20日からの中日3連戦で4本塁打4盗塁と打って良し、走って良しの活躍だ。チームは3連勝を飾り、単独3位となって2位巨人とは1・5ゲーム差。夏男の山田哲が、ヤクルトをけん引していく。  5回終了時に300発も打ち上がった神宮の花火のフィナーレを飾ったのは、夏男の山田哲だった。8回1死、中日又吉の内角直球を軸回転ではじき返した。打った瞬間に本塁打を確信し、バットを手放して左翼方面の夜空に目をやった。本塁打王争いでトップに立ったバレンティンに並ぶ一撃を、「自分でもまさか本塁打になるとは。内角も頭にあった分、反応できた」と汗だくで振り返った。  空中だけでなく、地上でも観客を魅了した。3回の四球後に今季20盗塁目となる二盗に成功。5回は内野安打で出塁すると「走れ」コールの中で再び二盗を決めた。本塁打と同じく、盗塁も3試合連続と勢いが止まらない。「いける自信があったのでいきました。体が動いている。盗塁も積極的にいけている。体に疲れを感じていないですね」。  夏場を乗り切る"山田哲の流儀"がある。夏バテ防止法は「休むこと(笑い)」。練習中も時間を見つけては大型扇風機の前で風を受ける。ただ「休む=サボる」ではない。「疲れをとるというよりも、いかに体力をキープできるかが大事になると思うんです。僕も5年間出続けていますからね」。この日の練習ではトス打撃のスイング量を減らした。「疲れちゃうから。でも大丈夫ですよ」。経験と豊富な練習量に裏打ちされた自信があるからこそ、今季は勇気を持って「休む」ことができる。昨年は2割4分7厘だった7月の打率は、今年はここまで4割3分8厘。山田哲流の方法を実践し、記録的猛暑の中でも本来のパフォーマンスを発揮している。  後半戦を5勝1敗と好スタートを決め、明日24日からは2位巨人と3連戦。ゲーム差は1・5と背中が見えてきたが、山田哲は「まだ60試合残っている」と引き締めた。「結果が出ているので調子がいいと思うししっかり仕留められている。長く続けられれば」。3度目のトリプルスリーと昨季96敗からの逆襲へ向け、山田哲が走攻守で夏の夜を彩る。【浜本卓也】

◆救世主と思ったら...。中日はヤクルトに3タテを食らい、神宮でついに7連敗。借金も今季最多を更新する「10」になった。  まず痛かったのはアルモンテの負傷離脱だ。現時点で復帰の見通しは不明で、攻撃力ダウンは必至になった。その不安を吹き飛ばしたのが、普段は代打要員のモヤだった。2回に2号ソロ、4回も同点ソロ。久しぶりの大爆発でアルモンテの穴を補い、ベンチをひと安心させた。  だが状況は突如として暗転した。モヤは8回の第4打席、ファウルを打った際に右手を痛め、そのまま打席途中で交代した。その裏に4番手又吉が山田哲に決勝弾を浴びた。  右手にアイシングを施して出てきたモヤは「自分でも何が起きたのか分からなかった。どこを痛めたのかも分からない。チームの役に立ちたい一心でやってきたので、無事を願っている」と肩を落とした。  詳しい症状は今日23日以降でないと分からないが、ただでさえ負けが込んでいるだけに、助っ人のダブル離脱となれば痛い。森監督は「いる者でやっていくしかないでしょう」と語った。今は2人が軽傷であることを祈るしかない。【柏原誠】

◆中日のモヤが来日初の2打席連続本塁打を放った。二回に「良いスイングができた」と速球を右中間に突き刺す2号ソロ。四回も「うまく反応できた」と変化球を大きく打ち上げ、右越えに3号ソロを放った。  この日は主軸のアルモンテが登録抹消となった。6月26日以来の先発出場を果たしたモヤは、見事にその穴を埋める活躍を見せた。

◆同点の八回に4番手の又吉が山田哲に痛恨の被弾。又吉が「あの1球だけ...。甘く入ってしまった」と後悔した失投を、好打者は見逃してくれなかった。注意していたはずの3番打者にこの3連戦で4本塁打、4盗塁を許すなど好き放題にやられて、神宮球場では7連敗となった。後半戦に入って1勝5敗と大きく負け越し、借金は今季最多の10となった。

◆4番打者も好調を維持。バレンティンは、山田哲とともにリーグトップの22号3ランを含む2安打4打点。リーグ最多の打点を74まで伸ばし、5年ぶりの本塁打王と自身初となる打点王の2冠を視界に捉えた。それでも「すごくいい野球ができている。試合に勝てているのがいいこと」と強調。山田哲との本塁打王争いにも「山田が打てば自分もうれしい。チームが勝てばもっとうれしい」と殊勝だった。バレンティンはこれで7試合連続安打。"同期入団"の「ヤマ・バレ」が打線を引っ張っている。

◆ヤクルトは22日、中日16回戦(神宮)に5-4で勝ち、3連勝でセ・リーグ単独3位となった。山田哲人内野手(26)が、八回に2016年6月以来の3試合連発となる決勝ソロを放ち、チームを勝利に導いた。22号はウラディミール・バレンティン外野手(34)に並ぶリーグトップ。2盗塁も決め、こちらもリーグトップの21盗塁。トリプルスリー(同一シーズン打率3割、30本塁打、30盗塁)はおろか、プロ野球史上初のフォーティー・フォーティー(40本塁打、40盗塁)への期待も高まってきた。  快音だけがグラウンドに響いた。"キング"にふさわしい左翼席への美しい放物線。五回終了時に3日連続で神宮の夜空に上がった300発の花火の締めは、山田哲が打ち上げた。  「自分でも、まさかホームランになるとは思わなかった。内角の直球はノーマークにしないようにしていた」  4-4の八回、2ストライクと追い込まれたが、中日・又吉の148キロの内角直球を狙い澄ましたように振り抜いた。打球を見ることなく感触で確信したリーグトップに並ぶ22号。三回には二盗を決めて追加点につなげ、五回にも二盗で今季21盗塁目をマーク。こちらは2位に「5」差と突き放した。  試合前は「毎日がしんどいよ」と真夏の暑さをぼやいていたが「体自体はよく動いている」と胸を張る。7月は打率・416、5本、5盗塁と絶好調。冬は冷え性に悩まされる体が夏を迎えて温まってきた。  活躍を後押ししているのはアディダス社製の新スパイクだ。その名も「T3モデル」。T3とはトリプルスリーを意味し、走攻守でさらに高いパフォーマンスを発揮できるよう山田哲のために開発された。従来のものから軽量化され、歯の本数が減り、配置も変更。守備、走塁では前への推進力、打撃では左足を上げて踏み込んだ際の力の伝わりやすさをアシストする効果があり「しっくりきている」と手応えを得ている。  最近3試合で4本塁打、4盗塁と勢いに乗り、開幕前から目標に掲げる自身3度目となるトリプルスリーに、また大きく近づいた。本塁打は37本、盗塁は36個ペース。このところの量産態勢から、プロ野球史上初のフォーティー・フォーティーへの夢も広がる。  同一カード3連戦3連勝で後半戦を5勝1敗とし、チームは単独3位となった。24日からは、1・5ゲーム差に詰め寄った2位・巨人との3連戦(倉敷、京セラ)。さらなる上位進出を視界に捉え、小川監督は「逆転を許さなかったのがよかった。打つべき人が打っている。山田(哲)はいい状態で入ってくれている」とうなずいた。  「個人的目標としてトリプルスリーというのはある」。自身2年ぶりの快挙達成へ、背番号1は最後に改めて言い切った。"夏男"の打棒と快足が燕を加速させる。 (横山尚杜)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
483310.593
(↑0.005)
0
(-)
61414
(+8)
357
(+6)
100
(+5)
48
(+2)
0.261
(↓0.001)
4.03
(↓0.01)
2
(-)
巨人
434410.494
(↓0.006)
8
(↓1)
55405
(+6)
365
(+8)
86
(+2)
45
(+1)
0.26
(-)
3.99
(↓0.04)
3
(-)
ヤクルト
394310.476
(↑0.007)
9.5
(-)
60370
(+5)
399
(+4)
76
(+2)
43
(+2)
0.261
(-)
4.33
(↑0.02)
4
(↑1)
阪神
374210.468
(↑0.006)
10
(-)
63309
(+11)
345
(+7)
50
(+4)
44
(-)
0.244
(↑0.002)
3.85
(↓0.04)
5
(↓2)
DeNA
384420.463
(↓0.006)
10.5
(↓1)
59331
(+7)
371
(+11)
102
(+2)
53
(+1)
0.248
(-)
4.06
(↓0.08)
6
(-)
中日
384810.442
(↓0.005)
12.5
(↓1)
56348
(+4)
404
(+5)
58
(+2)
42
(+1)
0.262
(↑0.001)
4.47
(↓0.01)