ヤクルト(☆7対5★)中日 =リーグ戦15回戦・明治神宮=
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中日
02001 0011 5100
ヤクルト
00000 220 7120
勝利投手:石山 泰稚(3勝0敗13S)
敗戦投手:鈴木 博志(4勝4敗3S)
  DAZN
◆ヤクルトが劇的なサヨナラ勝ち。ヤクルトは1点を追う9回裏、畠山の適時打で同点とする。その後は1死一塁から、川端が値千金の2ランを放ち、試合を決めた。投げては、5番手・石山が今季3勝目。敗れた中日は、9回にリードを奪うも、6番手・鈴木博が誤算だった。

◆ヤクルト雄平外野手の連続代打安打記録が6で止まった。  2-3と1点差に迫った直後の6回裏1死一、二塁で8番中村悠平の代打で登場。フルカウントから二塁ゴロに倒れ、80年松原(大洋)03年初芝(ロッテ)が持つ7打数連続のプロ野球に並ぶことはできなかった。

◆ヤクルト山田哲人内野手が、リーグトップに並ぶ21号本塁打を放った。  6回、先頭打者として中日小笠原の144キロ直球をバックスクリーン左へ運んだ。「力負けすることなく、しっかりと自分のスイングができました」と振り返った。これで2試合連続アーチ。調子を上げてきた。

◆中日はショックの残るサヨナラ負けを食らった。  4-4の9回、福田永将内野手がこの日2本目となる8号ソロ。あとは逃げ切るだけだったが抑えの鈴木博志投手がその裏に追いつかれ、最後は川端にサヨナラ2ランを浴びた。  森繁和監督は「又吉、鈴木博とつなぐのがうちの形。それができなかった。それをしてくれないと」とうめいた。先発の小笠原が5回まで好投。3-0で入った6回に突如崩れ、2失点で途中降板した。このピンチは佐藤と岡田の小刻み継投で断ったが、7回は4番手祖父江が2失点した。小笠原は「僕のせいです」と責任を背負い込んだ。  神宮では6連敗。昨年も同時期の神宮3連戦で計31失点と打たれまくり、3連敗した苦い経験がある。初戦の9失点は昨年と同じ。2戦目に逆転サヨナラを食らったところまで一緒になった。

◆ヤクルト川端がプロ初のサヨナラ本塁打を放った。1点差の9回、畠山の右前打で同点に追いついた直後。カウント2-1から147キロの内角直球を右翼席にたたき込んだ。「正直、イメージしていた通りになった。初球からずっと真っすぐを思い切り引っ張ってやろうとしていた。最高ですね。本当にびっくり。まだ興奮が収まらない」。クラブハウスに戻っても、上気したままだった。  前日は決勝3ランを打っており、連日の大活躍となった。秘訣(ひけつ)は過去の自分。前々日に打率3割を残した14~16年のビデオを見直した。「今年と足の上げ方と下ろし方が全然違った」。当時は無意識に円を描くように下ろしていたが、今年は「スッといってしまっていた」と気が付き、ためをつくるよう修正していた。  これでチームは後半戦に4勝1敗で3位タイに浮上。川端は「勢いに乗っていきたい。とにかく明日勝ちたい」と結んだ。

◆中日福田の目覚めの2発も空砲になった。2回、中堅左に6月10日以来となる先制2ラン。同点の9回には8号ソロを放って勝利を引き寄せた。が、その裏に鈴木博が逆転サヨナラを許し、和製大砲の活躍も水泡に帰した。中日の神宮での連敗は6に伸びた。  東都の竜党の励ましを聞きながら球場を立ち去った背番号55。笑顔はなかった。「とにかく結果を出さないと僕は試合に出られないので。続けていかないといけない」。7月に入って調子を落とし、先発落ちも増えてきた。早出特打を繰り返し、ついにはフォーム改良に着手した。投手側に体を開いて構えるルーティンを数年ぶりに省き、左足の踏み込み方を変えた新フォームで結果を出した。「試行錯誤して、いろいろやりながらです。今日はたまたま結果が出た。とにかくイチからです」。敗れはしたが、福田の復調は好材料になる。  昨年の同時期には同じ神宮で計31失点の3タテを食らった。初戦の9失点は昨年と同じ。2戦目の逆転サヨナラ負けも同じ...。何ともゲンの悪い2試合になった。今年も負けっ放しのようでは、他5球団の背中が遠くなっていく。【柏原誠】

◆中日の福田が二回に先制の7号2ランを放った。1死二塁から低めの変化球をすくって中越えへ突き刺し「積極的にいこうと思っていた。甘いボールを一発で仕留められてよかった」と語った。  6月10日の交流戦、ソフトバンク戦以来となる久しぶりのホームランで、3試合ぶりとなる先発起用に応えた。

◆ヤクルトが今季5度目のサヨナラ勝ち。1点を追う九回に畠山の適時打で同点とし、川端の3号2点本塁打で試合を決めた。救援の石山が3勝目。中日は九回、福田がこの日2本目となる8号ソロでリードしたが、鈴木博が打たれた。

◆中日の小笠原は104球を投げ、5回1/3を6安打2失点だった。走者を残し、3戦続けて回の途中で降板したこともあり、悔しさをにじませた。  中盤に球威が落ちた。六回は山田哲にソロ本塁打を浴び、西浦に適時打を許したところで交代。「粘れなかった」と話した。 中日・朝倉投手コーチ(打たれた鈴木博に) 「先頭への四球が全て」

◆ヤクルトの山田哲が本塁打と盗塁でチームに貢献し「(ホームランで)チームを勢いづけられたと思う。きょうの盗塁も価値がある」と自賛した。  0-3の六回に先頭打者として打席に入ると、リーグ最多に並ぶ21号ソロを中越えに放ち、反撃ののろしを上げた。4-5の九回も先頭で四球を選び「走ると決めていた」とすかさず今季19個目の盗塁を決めて二塁へ。1死三塁から畠山の適時打で同点のホームを踏んだ。持ち味の打力と走力を発揮し、勝利を呼び込んだ。 畠山(九回1死三塁で同点右前打) 「球種を絞るのは難しかったが、どんな球でも当てようと思っていた」 小川監督(サヨナラ勝ちに) 「投げる方も打つほうも最後まで諦めなかった。みんなでつかんだ勝利。大きいね」

◆今季4度目のサヨナラ負け。九回に福田のソロで1点をリードした後、新守護神のD1位・鈴木博(ヤマハ)が崩れた。サヨナラ2点本塁打を浴びた右腕は「自分の中で整理できていない」と顔色を失った。チームはこれで神宮球場で6連敗。鬼門で今季8試合を戦って56点を奪われ、1試合平均7失点と投手陣が踏ん張れない。森監督は「1点とか3点とかのゲームではないと思っていたけど...」と渋い表情だった。

◆山田哲が、土壇場で"神盗塁"を見せた。4-5の九回、先頭で四球で出塁すると、バレンティンの打席の初球に二盗を決めた。「あそこでちびっていたらスタートは切れない。絶対に行くと決めていた」と今季19個目の盗塁に胸を張った。その後、畠山の同点適時打を呼び込み「価値のある盗塁だったと思う」と自画自賛だった。六回にはリーグトップタイとなる21号ソロ。ここ2戦3発と好調で「スイングの軌道がいいから角度がついている」と"夏男"の本領を発揮した。

◆ヤクルトは21日、中日15回戦(神宮)に7-5で今季5度目のサヨナラ勝ち。川端慎吾内野手(30)が、5-5の九回一死一塁で、自身初となるサヨナラアーチを右翼席へかけた。  2試合連続アーチの秘密に、打撃フォーム修正があった。川端は休養日だった19日、自宅で2014-16年の自身の打撃フォームを見直し、右足のタイミングの取り方が違うことに気づいた。以前は足を上げてから円を描くイメージで足を降ろしていたが、足を上げてから間が取れていない、と修正していた。

◆天才打者が完全復活だ!! ヤクルトは21日、中日15回戦(神宮)に7-5で今季5度目のサヨナラ勝ち。川端慎吾内野手(30)が、5-5の九回一死一塁で、自身初となるサヨナラアーチを右翼席へかけた。昨年は椎間板ヘルニアに悩まされ、プロ入り初の1軍出場がなかった男が、2試合連続の決勝弾。チームは2カード連続で勝ち越し、3位タイに浮上した。  緑色に染まった神宮の右翼席へ、白球が一直線に飛んでいった。川端が振り抜いた打球が着弾した瞬間、今季最多の観衆3万1182人が立ち上がった。どでかい花火を打ち上げた興奮は、すぐには収まらなかった。  「最高です!! ビックリしました。正直、ああなってくれればいいな、と。思っていた通りの打球がいきました」  1点を追う九回、畠山の適時打で同点とした後の一死一塁で、劇的なサヨナラ2ラン。前夜、決勝アーチの後に語った「忘れかけていた感触」を、2015年に首位打者となった天才打者が完璧に思い出した。「今まではなかった感覚。これを続けていきたい」と2試合連続で試合を決めた手応えをかみしめた。  昨年の7月は、2軍施設のある戸田にいた。2016年の沖縄・浦添キャンプで椎間板ヘルニアを発症。症状は改善せずに、ただ時間だけが過ぎた。来る日も来る日も、戸田球場近くの階段をひたすら登り降りした。しかし、痛みやしびれはなくならなかった。  「俺、何やってんのやろ-」。何もできない自分に絶望した。くしゃみをするだけで腰が痛む。激痛で朝起きることさえできない。7つの病院へ行ったが、ほとんどの医師からは手術はすすめられなかった。それでも「これだけやって駄目なら手術するしかない」。最終手段だった。同年8月に手術を受けて復帰を目指した。だが、昨年はプロ入り初の1軍出場なしに終わった。  家族の支えもあった。この日もスタンドから見守った妻・今日香さんには、野球ができないもどかしさから、当たってしまうこともあった。だが「そんなときも受け止めてくれた」と感謝は忘れない。「もう息子は自分がどんな仕事をしているかわかっている。早く元気な姿を見せたい」と、3歳の長男にも開幕前に決意を語った。  五回終了時に300発が打ち上がった「神宮花火ナイター」2戦目は、川端の花火で締めた。小川監督は「みんながすごく粘ってくれた。投げるのも打つのも最後まで諦めなかった結果」と、選手の執念をたたえた。  負ければ最下位だった試合で、後半戦2カード連続の勝ち越しを決め、3位タイに浮上。川端は「とにかく次の試合。勢いに乗って3連勝できるようにやっていく」と締めた。完全復活した男が、燕打線を引っ張る。 (横山尚杜)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
473310.588
(↑0.006)
0
(-)
62406
(+7)
351
(+5)
95
(-)
46
(+1)
0.262
(↑0.001)
4.02
(↑0.04)
2
(-)
巨人
434310.5
(↓0.006)
7
(↓1)
56399
(+5)
357
(+7)
84
(-)
44
(-)
0.26
(-)
3.95
(↓0.04)
3
(-)
DeNA
384320.469
(↓0.006)
9.5
(↓1)
60324
(+5)
360
(+7)
100
(+2)
52
(-)
0.248
(-)
3.98
(↓0.04)
3
(↑1)
ヤクルト
384310.469
(↑0.006)
9.5
(-)
61365
(+7)
395
(+5)
74
(+2)
41
(+1)
0.261
(↑0.001)
4.35
(↓0.01)
5
(-)
阪神
364210.462
(↑0.007)
10
(-)
64298
(+7)
338
(+5)
46
(+3)
44
(-)
0.242
(-)
3.81
(↓0.02)
6
(-)
中日
384710.447
(↓0.005)
11.5
(↓1)
57344
(+5)
399
(+7)
56
(+2)
41
(-)
0.261
(-)
4.46
(↓0.03)