1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
巨人 |
0 | 0 | 0 | 4 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 4 | 9 | 1 |
阪神 |
0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 5 | 0 |
勝利投手:ヤングマン(3勝0敗0S) (セーブ:マシソン(0勝2敗7S)) 敗戦投手:岩田 稔(0勝1敗0S) |
◆巨人は4回表、亀井の適時二塁打とヤングマンの適時打で一挙4点を先制する。投げては、先発・ヤングマンが7回4安打2失点10奪三振で今季3勝目。その後は上原、マシソンとつないで逃げ切った。敗れた阪神は、先発・岩田が試合をつくれず、打線も振るわなかった。
◆5連勝中の巨人は新外国人のテイラー・ヤングマン投手(28)が先発する。同投手はこれまで1日中日戦、9日ヤクルト戦に登板して勝利。巨人の外国人投手でデビューから3戦3勝となると、88年ガリクソン(4戦4勝)に次いで球団2人目となる。
◆打撃不振のため2軍調整中だった阪神ウィリン・ロサリオ内野手が17日、1軍に復帰した。 調子の上がらないマルコス・マテオ投手に代わり昇格したもので、16日は福岡・筑後での2軍戦に出場していたが、この日、甲子園での試合前練習に合流した。フリー打撃では柵越え4本を放つなど鋭い打球を飛ばした。 ロサリオは「体力的にも精神的にも100%で戻ってきた。チャンスをくれたチームに感謝したい。下でやってきたことが結果につながったので、続けてきたい」と意欲満々。2軍では打率3割を超えるなど結果を残してきた。片岡ヘッド兼打撃コーチは、得点力不足に苦しむ打線のカンフル剤として「期待しています」と話した。
◆阪神先発岩田稔投手は5回7安打4失点で降板した。 3回までで6三振を奪う抜群の立ち上がりも、4回に打者9人の猛攻を受け、4安打で4失点。先制点を許した。 今季初勝利はお預けとなり「序盤はリズムよく投げることが出来ましたが、失点を許してしまった4回に粘りきることが出来ませんでした。全体的にボールが高く、自分の持ち味である、ゴロを打たせる投球をすることが出来ませんでした」と振り返った。
◆阪神梅野隆太郎捕手の大飛球は悲鳴とともにフェンスを背中につけた左翼亀井のグラブに収まった。 2点を追う9回2死満塁。マシソンのスライダーをとらえたように見えた。だが巨人の守備は外野手の位置を下げて、同点まではOK、長打警戒=逆転サヨナラを防ぐ体形に変わっていた。「抜けてくれという気持ちだけでした」と梅野は口元を結んだ。 阪神は初対戦だった巨人先発ヤングマンの攻略にてこずった。0-4の5回に初めてチャンスが訪れた。1死満塁で、梅野は高めの直球をとらえて左中間に2点二塁打を放っていた。得点は結局、この2点だけ。6月下旬から調子を上げている「恐怖の8番」の存在感が増している。
◆阪神が敗れ、借金は5。首位広島とのゲーム差は9となった。 先発岩田が投手のヤングマンに2点適時打を浴びるなど4回に4点先取を許す苦しい展開。打線は5回にナバーロ、伊藤隼の連続安打などで好機をつくり、梅野の2点適時二塁打で追い上げたが及ばなかった。初対戦のヤングマンのカーブ、スライダーに手を焼いた。 9回は巨人マシソンから2死満塁の好機をつくり、最後は梅野がフェンス際まで飛ばしたものの左翼亀井にキャッチされ、ゲームセットとなった。 金本知憲監督はヤングマンについて「球も速いしね。カーブも良かったから。そういう意味ではよく2点取ったなと思ったんだけど。5回にもう1点? あそこもな。言ったらきりがない」と振り返った。
◆打撃不振のため2軍調整中だった阪神ウィリン・ロサリオ内野手が17日、1軍に復帰した。 調子の上がらないマルコス・マテオ投手に代わり昇格したもので、16日は福岡・筑後での2軍戦に出場していたが、この日、甲子園での試合前練習に合流した。 ロサリオは「体力的にも精神的にも100%で戻ってきた。チャンスをくれたチームに感謝したい。下でやってきたことが結果につながったので、続けてきたい」と意欲満々。2軍では打率3割を超えるなど結果を残してきた。この日の巨人戦はベンチ入りしたが、出番はなかった。
◆巨人高橋由伸監督が、この日発表された老川祥一取締役オーナーの辞任についてコメントした。 試合後に報道陣から問われると、「我々の選手というか、現場で起きてしまったことですので、当然、我々も含めたみんなが責任を感じていますし、そういうところは本当に申し訳ない気持ちでいっぱいですけども。まだまだシーズンもありますし、とにかくファンの皆様だったり、いろんなところでの信頼回復するために、我々はグラウンドで一生懸命野球をやって、とにかく1戦1戦、一生懸命勝つために努力していきたいと思います」と話した。
◆巨人亀井善行外野手(35)が超好捕で勝利をつかんだ。 2点リードの9回2死満塁で阪神梅野の大飛球を左翼フェンスにぶつかりながらもジャンピングキャッチ。抜ければサヨナラ負けもあり得た場面をスーパープレーで救った。「緊張して全然飛べていなかった。ギリギリのところで勝った」と胸をなで下ろした。
◆巨人坂本勇人内野手が17日、出場選手登録を抹消された。16日の阪神戦で左脇腹を痛めたため。08年にレギュラー定着以降は、15年4月28日の中日戦で左ふくらはぎの張りを訴えて途中交代し、翌29日に抹消されて以来3年ぶり2度目となる。この日は球場入り後にバットを持って室内ブルペンへと向かったが、約10分でロッカーへと戻り、全体練習開始前に球場を後にした。 今季は6月24日のヤクルト戦を体調不良で欠場したのみで、前日16日まで83試合中82試合で先発出場していた。主に「1番遊撃」としてチーム最多の打率3割2分8厘、107安打、56打点でけん引。前日16日の阪神戦ではフル出場し、歴代3位の早さで1500試合出場を達成していた。 高橋由伸監督は「代わりはいないので、みんなで我々もいろいろ考えてやっていかないといけないと思っているし、選手もある意味、出場するチャンスではあると思うので、出た選手は頑張ってほしい」と話した。
◆巨人上原浩治投手(43)が8回1イニングを3者凡退に抑え、今季9ホールド目をマークした。 日米通算ホールドは99となり、日米史上2人目の通算100勝100セーブ100ホールドの「トリプル100」に王手をかけた。 2点リードの場面でマウンドに上がった。代打大山を136キロの直球で三ゴロ、糸原を125キロのフォークで左飛に抑えると、北條はこの日最速の138キロ直球で中飛に抑えた。「ゼロに抑えられたので最高ですね」とグラブを何度もたたいて、喜びを全面に出した。 それでも、大記録の達成を間近に「まずは目先の試合。先を見ずに明日の試合を頑張ります」と平常心。頼もしい右腕がチームの6連勝につながった。
◆巨人テイラー・ヤングマン投手が投打の活躍で来日3連勝を果たした。 序盤から落差の大きいカーブで阪神打線に的を絞らせず、三振を量産した。5回に連打と四球で走者をためて2点を失うも、安定感は抜群。中盤以降は最速149キロの直球と130キロ台のスライダーを駆使し、7回を投げて4安打10奪三振の快投を見せた。 打撃でも4回2死満塁から三遊間を破る2点適時打を放ち、自らを援護した。来日後、3戦3勝は88年のガリクソン以来、球団では2人目の快挙。「30年ぶりの3勝というのは非常にうれしいです。(初ヒットのボールは)取っておきます。カバンの中にしまったよ」とうれしそうだった。
◆巨人上原浩治投手(43)が阪神14回戦の8回に登板し3者凡退に抑え、今季9ホールド、日米通算99ホールド目(日本18、米国81)を挙げた。日米通算134勝、128セーブを挙げており、プロ野球では誰も記録していない、勝利、セーブ、ホールドの「トリプル100」に王手となった。チームは6連勝で、5月25日以来の「貯金1」をマークした。 憧れた地で、全力を出し切った。2点リードの8回。上原の名のコールに敵地・甲子園もざわめいた。「10年前の方が、ヤジもすごかったからね」。渦巻く熱気も意に介さず、簡単に2アウト。最後は北條をこの日最速138キロ直球で中飛に抑えた。「ゼロに抑えられたから最高です」。今季9ホールド目で日米通算ホールドは99。日米史上2人目の「通算100勝100セーブ100ホールド」へ王手をかけた。 プロへの道は、出遅れから始まった。高校時代は関西の東海大仰星で控え投手。「投手は最後の夏で少しやっただけ。自分の中で高校野球はやってないことになってるよ(笑い)」。最後の夏が終わると、大学受験勉強の日々。「勉強してこなかった、つけがまわってきちゃったね」と楽しい思い出は、ほとんどない。だからこそ思うことがある。「甲子園は全野球人が憧れる場所。だけど高校球児には『野球が全てじゃないよ』と言いたい。野球バカになってほしくない」。浪人から大学を経てプロ入り。苦労の数だけ、思春期の貴重な時間が身に染みた。 43歳の今は結果を求め、自分のために時間を使う。春季キャンプを経ずに、10年ぶりに日本球界へ復帰。4、5月は別メニューで走り込み、6月から通常メニューに戻っても、自ら負荷をかけた。「わがままの分、結果で返していかないと」。開幕当初は勝利の方程式入りも不調で外れた。それでもカミネロの不調に自身の復調もあり、再び方程式へ。4月5日中日戦以来の、ホールドシチュエーションでの8回を任されるまでに信頼を回復した。 勝利に貢献し続けたからこその偉業達成が見えてきた。「先発の時もプライドはあったし、今もプライドがある。先のことより明日の試合を頑張るだけです」。日米カード別最多の阪神戦11ホールド目も通過点に、新たな歴史を作る。【桑原幹久】 ▼上原が日米通算99ホールド目(日本18、米国81)。日米通算134勝、128セーブを挙げており、勝利、セーブ、ホールドの「トリプル100」に王手となった。この3部門で100以上は日本プロ野球では誰も記録しておらず、大リーグでもトム・ゴードン(138勝、158セーブ、110ホールド)がマークしているだけ。
◆巨人ヤングマンが投打の活躍で30年ぶりの快挙を遂げた。最速149キロの直球と打者の肩口から落ちる落差の大きいカーブを主体に10奪三振。7回4安打2失点と抜群の安定感で3連勝した。デビューから3戦3勝は球団では88年のガリクソン(4戦4勝)に次いで2人目。「ガリクソンは分からないけど、30年ぶりの記録は非常にうれしい」と満面の笑みを浮かべた。 バットでも魅せた。2点リードの4回2死満塁で打席に立つと阪神岩田の127キロスライダーをとらえ、三遊間を破る2点適時打。米国時代は投手が打席に立つナ・リーグのブルワーズで、15年に37打数10安打と打率2割7分を記録。好打者としての実力を発揮した。日本での初安打に「いいスイングができた。徐々にアジャストできた」と胸を張った。記念の初安打のボールは「取っておくよ」と大事にカバンの中にしまい、バスへと乗り込んだ。【島根純】 ▼巨人ヤングマンが来日初登板の1日中日戦から3戦3勝。巨人の外国人投手が初登板から3戦3勝は、88年ガリクソンが4月に4戦4勝をマークして以来、30年ぶり2人目。
◆阪神ナバーロが2戦連続マルチ安打を放った。 5回1死から右前打で出塁し、打ちあぐんだ巨人ヤングマンから2点を奪うきっかけを作った。9回にも2死から中前打を放ち、満塁の好機へつなげた。ナバーロは「全体的に感触はいいし、球を見極めて打っていく中で結果が出たのは大事なこと。状態はすごくいい。スコアラーさんから情報をいただいているので、参考にしながらやっていきたい」と前向きに話した。
◆逆転満塁サヨナラ弾!の夢は幻に終わった。2点を追う阪神は9回2死満塁の好機をつくり、梅野隆太郎捕手(27)が左中間へ大飛球。観客総立ちの弾道だったがフェンス際で巨人亀井に好捕され、後半2連敗発進&借金5の重苦しさだけが残った。この日緊急昇格したウィリン・ロサリオ内野手(29)も出番なく、伝統の一戦は連夜の競り負けで、首位広島とは今季最大の9ゲーム差。逆転Vへ崖っぷちに立たされた。 梅野が高々と弧を描いた間、一塁ベンチの誰もが逆転サヨナラ劇を夢見た。2点を追う9回、2死からマシソンを1安打2四球と攻め立てて満塁。追い込まれてから3球ファウルで粘り、甲子園のボルテージが一気に高まる中、最後は左翼フェンス際に大飛球。だが、巨人が敷いていた深めの守備位置にのみ込まれた。左翼亀井がジャンピングキャッチ。金本監督は試合終了直後、「最後は向こうの守備位置が...。同点オッケーの後ろだったから」と悔しさを隠しきれなかった。 序盤は初物に苦しんだ。右腕ヤングマンは198センチから投げ下ろす140キロ後半の直球、驚くべき落差のカーブ、鋭く大きく曲がるスライダーともに絶品。それでもチーム1安打で迎えた4点ビハインドの5回、打線は反発力を見せた。低めに落ちるカーブに必死でこらえて好球必打を敢行。2安打1四球で1死満塁とし、8番梅野が追い込まれながらも食らいついた。高め146キロを強振。左中間フェンス直撃の適時二塁打を決め、力強いガッツポーズが反撃ムードを一気に高めた。「盛り上げられたらと思った。点を取れないときは何かきっかけがないといけない。そういうところからやっていきたい」。 ただ、終わってみれば得点はこの2点のみ。ヤングマンに10奪三振を許し、チームは3連敗を喫した。2点を返した直後の5回1死二、三塁でもう1点でも取れていれば...。そんな問いかけに、指揮官は「言ったらきりがない」と多くを語らず。「球も速いしね。カーブも良かったから。そういう意味ではよく2点取ったなと思ったんだけど」と表現した。冷静に振り返れば、この日は相手が悪かったと切り替えた方が得策なのかもしれない。 後半戦開幕から宿敵に2連敗し借金は5。首位広島に今季ワーストの9ゲーム差、2位巨人にも3ゲーム差をつけられた。今日18日の巨人先発は左腕メルセデス。この日1軍復帰したロサリオがスタメンに名を連ねる可能性も十分ある。9回に見せた粘りと勢いを、今度はゲーム序盤からぶつけたい。【佐井陽介】
◆決めにいった阪神岩田のボールは、むなしくも高めに浮いた。2点を先取された後の4回2死満塁。打席には巨人先発ヤングマン。カウント1-2と追い込み、4球目だった。選択したスライダーは大きく浮き、バットの軌道と合わさった。三遊間を鋭く抜け、左翼ナバーロのファンブルも重なり2点が入った。 投手に打たれた2点適時打。これが事実上の"決勝点"だった。投手に打たれてはいけないという鉄則、変化球の選択...。金本監督はすべてを含めて「あそこが今日のすべてでしょう。2死満塁で追い込んで、あそこに変化球というのは...。今日はあれがすべて。流れどころか、あれが決勝打(みたいなもの)だから」と厳しく切り捨てた。 3回までに6三振と抜群の立ち上がりを見せ、序盤はヤングマンとの投手戦を演じた。ただ持ち味のゴロアウトは少なく、4回には粘りきれなかった。岩田は「投手に打たれたのが...。全体的に高いので、やっぱり低めに集めないと全然だめですね」と視線を落とした。5回7安打4失点で今季初黒星。修正し、大量のゴロアウトでリズムをつかむ投球を取り戻す。【池本泰尚】
◆阪神岩崎が1軍復帰マウンドで、2回をパーフェクトで抑えた。 2番手で6回から登板し、下位打線を3者凡退で抑えると、7回も上位打線を3者凡退に斬った。キレを取り戻した直球で押し「続けていけるように頑張ります。(先頭を抑えたのも)これからも大事にしていきたい」と振り返った。
◆この日27歳の誕生日を迎えた阪神4番陽川は無安打に終わった。 唯一の出塁は2点を追う6回2死。ヤングマンの真ん中低め変化球をとらえ、打球は三塁へ。マギーが打球を後逸し、二塁まで進塁した。ほかの打席は2三振など不発に終わった。「切り替えて明日やるしかないです」と悔しさをにじませた。
◆巨人が6連勝で貯金1とした。亀井の2点二塁打で先制した4回、価値ある2点打を放ったヤングマンが投げても7回2失点、10三振を奪い、1日中日戦、9日ヤクルト戦に続いて無傷の3勝目。88年ガリクソン(4戦4勝)に次いで球団2人目となるデビュー3戦3勝を飾った。 岩田が粘れなかった阪神は5回に2点を返したが、一押しが足りず3連敗。
◆巨人・亀井善行外野手(35)が17日、阪神14回戦(甲子園)に「5番・左翼」で先発出場。四回一死一、二塁から右中間を破る先制の2点二塁打を放った。 若手が好機を演出した。この回先頭の23歳・吉川尚が中前打で出塁すると、マギーの一ゴロで一死二塁。続く22歳・岡本が四球を選び、ベテランの一打につなげた。 この日、主将の坂本勇が左脇腹痛で出場選手登録を抹消された。攻守の要が不在の中、力を合わせて戦う。
◆巨人のテイラー・ヤングマン投手(28)が17日、阪神14回戦(甲子園)に先発。三回まで1人の走者も許さない完璧な投球を見せ、四回の攻撃時にはバットで魅せた。 亀井の右中間二塁打で2点を先制。亀井は二塁と三塁の間でタッチアウトとなり、二死走者なしからだ。陽岱鋼の四球、中井の中堅への二塁打で二、三塁。宇佐見が申告敬遠の四球で満塁となり、助っ人に打席が回ってきた。カウント1-2と追い込まれてからの4球目。フルスイングし、左前2点打を放った。 その裏、先頭・糸原にこの日初安打となる右前打を浴びるも、後続を斬って無失点に抑えた。
◆今季2度目の先発だった阪神の岩田は5回4失点で降板し、初勝利を逃した。三回まで4者連続を含む6三振、被安打1の好投だったが、四回に突如崩れ「粘り切ることができなかった」と悔やんだ。 四回は一死一、二塁で亀井に右中間を破られて2失点。2死後に四球と二塁打で二、三塁を招き、宇佐見を申告敬遠として満塁策を採ったが、投手のヤングマンに左前に2点打を浴びた。球が全体的に浮き「自分の持ち味であるゴロを打たせる投球ができなかった」と思い返した。
◆巨人のテイラー・ヤングマン投手(28)が17日、阪神14回戦(甲子園)に先発。7回103球を投げ、4安打2失点10奪三振の好投を見せた。 1メートル98の長身から直球、変化球を操り、阪神打線を封じた。一回、先頭・糸原を空振り三振に取ると、三回までパーフェクト投球。五回に四球を挟む3連打などで2点を失ったが、安定感のある投球で追加点を与えなかった。 八回は、2番手として上原が登板。1回を3者凡退に抑えた。
◆巨人・上原浩治投手(43)が17日、阪神14回戦(甲子園)の八回から2番手として登板。1回を3者凡退に抑えた。 まずは代打・原口を三ゴロに打ち取ると、続く糸原を左飛に。最後は北條を中飛に抑え、前日16日に続き、パーフェクト投球を見せた。
◆巨人が逃げ切り、6連勝とし、貯金「1」とした。亀井の2点二塁打、さらに先発のヤングマンの左前2点打で四回に4点を奪った。ヤングマンは7回を投げ10三振を奪うなど4安打2失点で3勝目(無敗)を挙げた。ヤングマンの後は八回に上原、九回にマシソンとつないだ。攻守の要となる主将の坂本勇がこの日、左脇腹痛で出場選手登録を抹消されたが、チーム一丸となって勝利をつかんだ。 猛暑の伝統の一戦。巨人は、四回若手が好機を演出した。この回先頭の23歳・吉川尚が中前打で出塁。マギーが倒れた後、22歳・岡本が四球を選び一死一、二塁の好機を演出。ベテラン亀井の右中間を破る先制の2点二塁打をにつなげた。さらに二死満塁で、ヤングマンが左前2点打を放ち、4-0とした。 阪神は五回、梅野の2点二塁打で2点差に詰め寄ったがその後は打線がつながらず、巨人に連敗を喫した。最後は、九回二死満塁で梅野が左中間に大飛球を放ったが、亀井のジャンピングキャッチに阻まれた。 無傷の3勝目を挙げたヤングマンの話 「自分の活躍だけではなく、守備に助けられたり打線の援護なども含め、チームがひとつになって勝つことが出来て嬉しい」
◆2軍で調整していた阪神のロサリオはこの日、1軍に昇格したが、6月1日以来となる出場はなかった。試合前にはフリー打撃で持ち味の長打力を発揮し「体的にも、精神的にも100パーセントで戻ってきた。下でやってきたことが結果につながったので、それを続けたい」と話した。 前半戦は打撃の調子が上がらなかった新外国人に対し、片岡ヘッド兼打撃コーチは「期待してますよ」と話した。 ナバーロ(2試合連続で2安打) 「球を見極めながら打っていく中で、結果が出ているのはいいこと」
◆巨人の上原が八回に2番手で登板して三者凡退と好投し、今季9個目のホールドを記録した。これが日米通算99ホールド目となり、既にクリアしている100勝、100セーブに加え、100ホールドにも迫った。 以前から、脇役とされがちなリリーフの重要性を訴えている。節目の数字を前に「メディアのみなさんが大々的に報じてくれれば、中継ぎのモチベーションも上がると思う」と改めて思いを述べた。
◆巨人は攻守の要の坂本勇が左脇腹痛で離脱する事態に見舞われたが、代役の選手の活躍で連勝を6に伸ばした。遊撃に就いた吉川尚は四回に中前打で攻撃の口火を切って先制のホームイン。二塁に入った中井も二死後に二塁打でつなぎ、この回に計4点を奪った。 20日からの首位広島との3連戦は、坂本勇を欠いたまま戦うことになる。高橋監督は「なかなか代わりはできないけど、みんなでカバーしていく。選手にはある意味チャンス。頑張ってほしい」と奮起を求めた。 亀井(九回二死満塁で梅野の左翼フェンス際への飛球を好捕) 「ぎりぎりのところで捕れて良かった」
◆亀井が攻守に勝負強さを見せた。三回一死一、二塁から「後輩たちがチャンスを作ってくれたので」と岩田のスライダーを捉え、右中間へ先制の2点二塁打を放った。守っては2点リードの九回二死満塁のピンチに、梅野の左翼を襲った大打球をジャンプしてグラブの先で好捕。「緊張した。(自分の体は)全然飛んでいなかったね」と笑った。
◆よっしゃ~、虎の暑い熱い夏が来たでェー!! 2点ビハインドの九回に3番・福留、4番・陽川の連続三振で万事休す...と肩を落としていたら、ナバーロのヒットに伊藤隼、鳥谷の四球で二死満塁。そして当たってしまいましたアー!! ちょっと早い虎のサマージャンボ宝クジクラスの梅野の逆転サヨナラ満塁アーチ!! 虎の夏だ、わっしょい、わっしょい!! ダンカンさん、もしかして熱中症でっか? 最後の梅野大きなレフトフライでゲームセット!! 今夜も負けましたから...頭大丈夫かいな? 分かっとるわーい!! 猛暑の中、昼間汗だくで働いている全国の虎党のために一服の清涼剤のフェイクNEWSやないかア!! 「ダメ! いくら熱い虎党でも新聞にウソはダメ!!」(編集部)。よく言うわ。17日付の紙面で、ソフトバンクが8アーチのフェイク花火記事出しとったやないか~!! 1試合8本塁打って...わが阪神の総数に5試合で追いつくやないかー!! えっ、ホント? じゃあ、本塁打もなく本日わずか5安打で負けた虎って何? 仕方ねー。開き直って、チーム名を『阪神ソフトバンク5軍タイガース』で出直しや!!
◆阪神の原口、大山、OBでは川藤幸三会長、八木裕氏(サンケイスポーツ専属評論家)らが参加して西日本豪雨の被災者支援の募金活動を行い104万1251円が集まった。
◆先発した岩田は5回7安打4失点で今季初黒星を喫した。三回までは6三振を奪うなど好内容も四回にピンチをしのげず。「全体的に高めにいってしまった。低めに集めないと全然ダメですね」。一死一、二塁で亀井に中越え適時二塁打、宇佐見を敬遠した後の二死満塁では投手のヤングマンに追い込んでから変化球を投げて、左前適時打を浴びて計4失点。金本監督は「それがきょうのすべて」とバッサリ。香田投手コーチは今後について「いいものを出してくれなかったのはちょっと残念でした」と話し、登録抹消の可能性が高まった。 岩田について阪神・香田投手コーチ 「ボールが高かった。持ち味のゴロを打たせて取るという投球ができていなかった」
◆ --あと一歩のところまでいった 金本監督 「まあ最後はなぁ...向こうの守備位置がな。同点オッケーで後ろだったからね、そこでしょう」 --初対戦のヤングマンは打ちづらそうな投手だった 「球も速いしね、カーブもよかったから。それでもよく2点取ったなと思ったんだけど」 --岩田は四球が絡んだのが痛かったか 「いや、そこじゃないでしょ。ヤングマンのアレでしょ、それがきょうのすべてでしょう。追い込んで。ツーアウト満塁でさ。追い込んで、あそこに変化球っていうのは、もうきょう、まずもうそれがすべて」 --あそこで流れを渡してしまった 「結果的に、流れどころか、(追い上げたことも考えれば)あれが決勝打だから」 --昇格させたロサリオは状態を見ながらか (うんうんとうなずきながら席を立つ)
◆17日の阪神-巨人(甲子園)の試合前に、阪神創世期にエースとして活躍した若林忠志氏の長男、若林忠雄氏(83)がファーストピッチセレモニーを行った。
◆6月3日以来の1軍だったロサリオだが、最後まで出番はなかった。試合前のフリー打撃では37スイングで4発。「身体的にも精神的にも100%の状態で戻ってきたので、チャンスを与えてくれたチームに感謝したい」と肩をグルグルに回していたが...。2-4の九回二死満塁でも、ネクストバッターズサークルには俊介の姿。R砲は下を向き、悲しそうな表情で引き揚げた。
◆27歳の誕生日を迎えた陽川は、バースデーヒットならず。二回先頭の第1打席では超満員のスタンドからバースデーソングの祝福を受け打席に入ったが、空振り三振。六回二死では三塁の失策で出塁も、4打数無安打2三振。快音を響かせることはできなかった4番は「切り替えてやるしかないです」と前を向いた。
◆コンコンチキチン...コンチクショウめ...え、何のお囃子やと思われるでしょうが、この17日は京都・祇園祭のハイライト山鉾巡行ですが、甲子園の若虎巡行も四回に好投岩田が一転してコンチクショウめ...となりまして4失点。 本日はあのロサリオが1カ月半ぶりに1軍に戻って来たのでヨシ! さぁこれからやと思いました。だからといって、金本監督はスタメンには彼の名前を書き入れてはいません。さすがに沈着冷静でシロウトの私めのように待ってましたロサリオ...とは思わなかったようです。巨人先発のヤングマンのカーブをみるとそれも当然か...。 「試合前の練習で金本監督は三遊間の若手たちにセッセと入念にノックをしてました。やっとナバーロとロサリオのそろい踏みですがアッと驚くような変化を阪神にもたらしてくれるかどうか...」と虎番サブキャップ長友孝輔記者の電話も暑さのせいか少し威勢がよくない。そういえばこの日の当番デスクの大澤謙一郎もエアコンのかけすぎでガラガラ声だ。みんなどこか炎熱地獄に悩まされている。それ以外のことにも...。 「祇園さん...となると俺はジッとしとれんのですヮ。しかしそうもいっとれんはなぁ。祇園祭やから休みをくれなんて俺は気が小さいからよう言わんし...」とは京都出身の編集委員上田雅昭。この日は強い浜風が吹いてイヤーナ感じ。五回にはその浜風に影響されたか突如としてヤングマンのカーブが決まらず阪神が鳥谷の四球をはさみ3長短打で2点差とジリッ。 「ところで今日は7月17日。先輩はもうアノ1971年西宮球場の球宴第1戦の『江夏9連続三振』の快投を何回も書いてるからもうネタはありませんやろ」という。いやまだ紹介していない話はあるぞといったらベテランの上田記者がエッという反応。それで『江夏9連続三振記念日』でもあるのであえて江夏豊という怪物の一端を紹介しておきたい。 7・17に全パ強力打線相手に9人に41球。この時の江夏投手は実はニトログリセリンを離せない状態で「心室性期外収縮続発による頻脈」という心臓病をかかえていた。当然、専属トレーナーが常時チェックをするという状態でのマウンドだった。それにこの夜の相棒・田淵幸一捕手とのバッテリーはこのシーズンのなんと初コンビ(田淵がじん炎のためこの日がこの年初めて)それで試合直前の打ち合わせでは「ストレートとカーブだけというサイン」だった。しかし江夏は試合後に「長池さん(阪急)にはフォークを使わせてもらった」とコメントしたが、それを聞いた田淵はキョトンとしてエッという反応を示した。 そして...実は江夏投手はその前夜に知人と徹夜で麻雀をしている。彼は「どうせアレコレ考えて一晩寝られへんのや。それであの時は徹マンやった...」。何たる大胆不敵。それであの球史にのこる怪投...。 それから比べると...現代の伝統の戦いの舞台にはいささか粒が小さい。最終回に阪神は相手投手の自縛作用でもしや! というところまでいったように見えるが...攻めた感覚は残らなかった...。それが無念なのだ。
◆漂い始めた劣勢ムードを振り払うかのように、一心に左腕を振った。6月29日のヤクルト戦(神宮)以来の1軍登板となった岩崎が2回をパーフェクト投球。五回まで7安打を放っていたG打線を静まりかえらせた。 「(真っすぐのいい手応えを)続けていけるようにしたいです」 2番手として六回からマウンドに上がり、三者凡退。七回一死では、吉川尚は142キロ直球で見逃し三振。さえわたる真っすぐで打者6人を完璧にねじ伏せた。 6月30日に登録抹消。それまでチームトップの30試合に登板し、1勝2敗8ホールドとブルペンを支えていたが、防御率は5・46まで落ち込んでいた。リフレッシュの意味も含めての抹消を経て完全復活。この感触を確かな自信に変え、苦境の虎を鉄腕が救う。 (織原祥平)
◆先発した伊藤隼が、おぜん立ての一打を放った。五回一死一塁、ヤングマンの144キロを右前へ。一、三塁と好機を広げ、その後の梅野の2点二塁打を呼び込んだ。「緩急のあるピッチャー。割り切りというか、代打じゃなかったので思い切って狙い球を絞っていきました」。先発出場は6月23日の広島戦以来(甲子園)、自身10試合ぶり。「1本なので。出るところで期待に応えられるように」と満足感はなかった。
◆どんな劣勢でも、徳俵に足をかけても、この男は押し返す。ナバーロの辞書に「あきらめる」という文字はなかった。悔しすぎる後半戦2連敗スタートとなったが、N砲だけは2戦連続マルチ安打と大ハッスルだ。 「全体的な感触はよかった。ボールを見極めながら、その中で結果が出ているのでよかった。状態はすごくいい。スコアラーさんからいい情報をもらっているので」 「5番・左翼」で6試合連続で先発出場。三回まで完全投球を見せた巨人先発のヤングマンに、第1打席こそ二ゴロに倒れたが、必死に対応してみせた。0-4の五回一死走者なしで鮮やかなライナーを放ち右前打。ここから、梅野の2点二塁打まで四球を挟み3連打とつながった。 打って、引きずり降ろさなくてはならない相手だった。ヤングマンは2011年に米国ドラフトで、ブルワーズにドラフト1位(全体12番目)で指名された"金の卵"。対するナバーロは、07年に50巡目(全体1453人中1450番目)でエンゼルスから指名された"たたき上げ"だった。 歯を食いしばって上を目指してきた野球人生の通り、決してあきらめない。だから、2点を追う九回二死走者なしでも、中前打を放った。すでに日本で絶対的な成績を残しているマシソンを、二死満塁まで追い詰めたのも、すべてはN砲の意地からだった。 2戦連続、先発出場6試合目で早くも3度目のマルチ安打で、打率も・348と上昇中だ。 「打てていないボールもあるので。修正していきたい」と、力強くさらに前を向く。あきらめない姿勢は、ビハインド時は打率・385(13打数5安打)にも現れている。今まさに逆境にあるチームも、ナバーロがここから救っていく。 (長友孝輔) 7回2失点に抑えられたヤングマンについて阪神・片岡ヘッド兼打撃コーチ 「カーブがよかった。(四回の攻撃前の円陣は)初対決やから」
◆巨人・上原浩治投手(43)が17日、阪神14回戦(甲子園)で2点リードの八回に2番手で登板。3者凡退に仕留めて今季9ホールド目を挙げ、日米通算100ホールドまであと「1」とした。 テンポ良く、12球で相手の反撃ムードを断ったベテランは「(1回無失点で)最高です」。日米通算134勝、128セーブと合わせ、プロ野球では初、米大リーグでも通算890試合に登板したトム・ゴードン(ダイヤモンドバックスなど)しか達成していない"トリプル100"に王手をかけた。 「(トリプル100が)もっと大々的に報じられれば、連盟表彰になれば、中継ぎのやりがいになる」。大記録を目前とした右腕は、セットアッパーの地位向上にも言及した。 (谷川直之)
◆夜空を舞う打球に、誰もが夢を抱いた。頼む、抜けてくれ-。虎党の願いと視線が集まるボールは、はかなく左翼手・亀井のグラブにおさまった。土俵際に追い込まれても、梅野が最後の最後までファイティングポーズを取った。 「抜けてくれという思い...それだけでした」 2-4の九回。安打と2四球でGの守護神・マシソンを攻め立て、二死満塁の大チャンス。ここで梅野が打席へと向かった。剛球に必死に食らいつく。迎えた9球目、大歓声とともに弾き返したが、巨人の外野は深く守っていた。金本監督は「まあ最後はなぁ...向こうの守備位置がな。同点オッケーで後ろだったからね」とかばった。 聖地を大歓声に埋めつくしたのも梅野だった。0-4の五回に2安打と四球で一死満塁とし、打席に入った。カウント1-2からの4球目。146キロ直球を豪快に弾き返した。4日の中日戦(甲子園)以来の打点。初対戦の難敵をとらえ、塁上では夜空に拳を突き上げた。 バットで見せ場を作った正妻だが、信条は守り。最大の強みの強肩を発揮するために、今季から新プロテクターを導入した。関係者は「昨年、盗塁阻止率が1厘差(379)で2位だったのが相当悔しかったみたい」と振り返る。メーカーとも話し合いを重ね、従来のものよりも小さめに改良。フィット感を出すことで動きをスムーズにするのが狙いだが、梅野がこだわるのは"ここ一番"だ。 「(盗塁阻止率は)もう結果だから。企画数も違うし、単純に比較できないからね。それよりも大事な場面で刺せること。接戦だったらピッチャーを助けることにもつながるしね」。九回に二盗を阻止。セーフと判定されたが、リプレー検証で覆った。メーカーと二人三脚してきた結果を、黄色一色に染まった聖地でお披露目だ。 「何かきっかけがないと...。チームの一員としてやっていきたい」 最後まで下を向くことはなかった。ユニホームは真っ黒。執念あふれる選手会長が、反攻の先頭に立つ。 (竹村岳)
◆巨人は17日、阪神14回戦(甲子園)に4-2で勝ち、4月20-30日の8連勝以来、今季2度目の6連勝を飾った。先発のテイラー・ヤングマン投手(28)が7回4安打2失点、10奪三振の好投で3勝目。来日1年目の外国人選手による初登板からの3戦3勝は、球団では1988年のガリクソンが記録した4戦4勝以来、30年ぶりとなった。相次ぐ不祥事で、老川祥一オーナー(76)の引責辞任が発表された中、グラウンドでは結果を出して5月25日以来の貯金生活に入った。 揺れる巨人が、一丸となって勝利をもぎ取った。試合前、最近続いた不祥事の責任を取り、老川オーナーが辞任すると発表。連勝中のチームの勢いに影響しかねない衝撃的なニュースだったが、力を結集した。 「現場で起きてしまったことなので、われわれも含め、みんなが責任を感じています。申し訳ない気持ちでいっぱい。信頼を回復するため、われわれはグラウンドで一生懸命野球をやって、勝つために努力していきたい」 試合後、高橋監督は神妙な顔で話した。逆風を受けても、前を向くしかない。そんな状況での敵地・甲子園での阪神戦で、ヤングマンが躍動。救世主が7回4安打2失点の好投で、チームを6連勝に導いた。 「1イニングだけピンチがあったけど、乗り越えられて、いい投球ができてうれしい」 頼りになる新助っ人だ。序盤から最速149キロの直球や、山なりのカーブで阪神打線を困惑させた。2失点した後の五回一死二、三塁では、序盤に多投したカーブではなくスライダーを選択して代打・原口を空振り三振に封じ、続く1番・糸原はカーブで空振り三振。来日最多の10三振を奪う快投だった。 打撃でも輝いた。2-0の四回二死満塁で、岩田の直球を左前に2点打を放ち「いいスイングができたよ。ラッキーだった」。この日、坂本勇が左脇腹痛で出場選手登録を抹消された。軸をしばらく失うことになった攻撃陣をも救った。 1メートル98の長身右腕は、初登板から負けなしの3勝目。来日1年目の外国人選手による初登板からの3戦3勝は、球団では1988年のガリクソン以来、30年ぶりだ。 偉業達成を、天国の恩師も喜んでいるに違いない。米テキサス大時代に指導を受けた、アギー・グリードさんが今年3月、79歳で亡くなった。米大学球界で名高い名将の訃報を、学生時代の仲間からの連絡で知ったが、日本にいたため葬儀には出席できず。「心の準備ができていなかった」と悲しみに暮れた。 『自分がコントロールできることに集中しろ』 ヤングマンが今も大事にしている、師からもらった言葉だ。1軍に呼ばれるまで時間がかかったが、胸に刻んだこの言葉を唱えて集中し、2軍で結果を出し続けた。「彼からは、野球だけでなく人生のことも教わった。日本で頑張ることが恩返しになると思う」と、異国での奮闘を誓う。 新助っ人の投打の活躍に、亀井の2打点などで白星をつかみ、5月25日以来の貯金1。広島以外のセ・リーグ球団が貯金を作るのは、6月1日のDeNA以来だ。6ゲーム差の首位・広島に食い下がるため、前に進むしかない。 (赤尾裕希)
★1988年のガリクソンVTR ヤンキースから巨人入りした右腕、ビル・ガリクソン(当時29歳)は開幕2戦目、4月9日のヤクルト戦で来日初登板を果たし、3安打2失点完投で勝利。同月27日のヤクルト戦まで4連勝した。6月30日の阪神戦から7月19日の阪神戦では、シーズン2度目の4連勝。この年26試合に登板して14勝9敗、防御率3・10の成績を残し、リーグ最多の14完投。チームは中日に続く2位。
★1988年のガリクソンVTR ヤンキースから巨人入りした右腕、ビル・ガリクソン(当時29歳)は開幕2戦目、4月9日のヤクルト戦で来日初登板を果たし、3安打2失点完投で勝利。同月27日のヤクルト戦まで4連勝した。6月30日の阪神戦から7月19日の阪神戦では、シーズン2度目の4連勝。この年26試合に登板して14勝9敗、防御率3・10の成績を残し、リーグ最多の14完投。チームは中日に続く2位。
◆きょうこそ使ってや!! 阪神のウィリン・ロサリオ内野手(29)が17日、出場選手登録されたが、巨人戦(甲子園)では出番がなく、チームは3連敗で借金は5まで膨らんだ。阪神OBのサンケイスポーツ専属評論家、八木裕氏(53)と虎番20年の上田雅昭編集委員(55)が緊急チェック。3連敗で首位広島に9差とがけっぷち。4番・陽川の調子下降が明らかで、助っ人の積極起用を求めた。 上田 あと一歩やったなあ。最後(九回二死満塁)の梅野の打球、抜けていれば...。フェンスを越えていれば...。 八木 紙一重でしたね。五回の2点二塁打もフェンス直撃。越えていれば...ですよね。 上田 ただ、1つ気になるのは、ロサリオ。緊急1軍昇格させた助っ人が、最後まで出番なし。"切り札"を使わずに負けたのは、もったいなかった、という気がする。 八木 実は僕も、どういう起用をするか、興味があったので、試合前に首脳陣に尋ねたんです。最初は厳しい場面ではなく、打てそうな相手投手の時に行かせたい、というのが答えでした。 上田 前日(16日)の2軍戦で3三振。決して絶好調で昇格してきたわけではないから、使う側は気をつかう必要はあるんでしょうね。 八木 首脳陣の考え方は理解できます。そういう視点で試合を振り返ると、五回一死二、三塁で原口を送り出した場面は...違いますよね。相手は難敵ヤングマンですから。八回無死も回の先頭だから大山で正解でしょう。九回も伊藤隼や梅野は前の打席までの内容がいいから代えられない。 上田 でも、最後の場面(九回二死満塁、打者梅野)でネクストバッターズサークルにいたのは俊介。えっ、ここでもロサリオじゃないの? と驚いたな。 八木 相手がマシソンですから、難しい場面ではありますよね(笑)。ただ、難しいといっても慣れている外国人同士の対決です。さすがにロサリオでもいいのでは? と思いました。 上田 このまま、比較的楽な場面を待っていたら、出番がなくなりますよ。いつまで経っても出られないかも。 八木 そう、首脳陣の考え方は分かりますが、「そうは言っても」なんです。この先は使わざるを得なくなるのは間違いないですから。 上田 というと? 八木 4番で頑張っている陽川の調子が、明らかに落ちてきているんですよね。 上田 下降線だと見極めるポイントは? 八木 彼の場合、三振が増えてくると、調子が良くない証拠です。 上田 つまり、4番問題が再燃する? 八木 ロサリオを4番に戻すタイミングは、考えなければいけない時期が近づいています。もう、楽な場面、なんて言ってる状況ではないですね。 上田 広島とは9ゲーム差。後ろ姿もかすんで見えない。追いつくには劇的なヒーローの登場しかないよな。そんな爆発力を期待できるのはロサリオしかいない。きょうは打席に立ってもらいたい。楽な場面、なんて言ってないで。きょうからは勝負どころで投入してほしい。 八木 期待しましょう。
◆勝った勝った、で喜ぶだけではいかん。ヤングマンと宇佐見のバッテリーには、1球のシビアさを感じ取ってほしいよ。 五回、梅野に許した2点二塁打。真っすぐかスライダーか、いずれにしても真ん中の高めに抜ける球だった。 一死満塁で、打率.224の8番打者。最も併殺を狙いやすいところで、逆に追撃打。原因は、そこまでの3球のうち、1球も内角を突いていないからよ。だから抜け球を、捉えられてしまったわけだ。 ただでさえヤングマンは、長身の上にインステップ投法。右打者の梅野からすれば、頭の方にボールが向かってくる恐怖心があるはず。それこそが持ち味。1球でも内角にシュート系を投げておけば、防げた安打だよ。 投手は勝負どころで甘くなってしまいがち。そのほとんどが抜け球。だから、ここ一番で甘くなる...と最悪の予測を立てながら、予防策として布石を打っておく。それが、内角を突くことだったんだ。 ヤングマンがこの先、もっと勝てるようになるには、1球の怖さ、勝負どころの大事さを、かみしめる必要がある。若い捕手陣ともども、反省と検証を重ねてほしいね。 (サンケイスポーツ専属評論家)
<セ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (-) |
広島 | 45 | 32 | 1 | 0.584 (↑0.005) | 0 (-) | 65 | 389 (+5) | 332 (+1) | 92 (-) | 43 (-) | 0.263 (-) | 4 (↑0.04) |
2 (-) |
巨人 | 42 | 41 | 1 | 0.506 (↑0.006) | 6 (-) | 59 | 380 (+4) | 337 (+2) | 81 (-) | 44 (-) | 0.259 (-) | 3.85 (↑0.02) |
3 (-) |
阪神 | 35 | 40 | 1 | 0.467 (↓0.006) | 9 (↓1) | 67 | 285 (+2) | 318 (+4) | 42 (-) | 44 (-) | 0.242 (↓0.001) | 3.72 (↓0.01) |
4 (-) |
DeNA | 36 | 42 | 2 | 0.462 (↓0.006) | 9.5 (↓1) | 63 | 302 (-) | 348 (+6) | 93 (-) | 51 (-) | 0.246 (↓0.001) | 3.98 (↓0.03) |
4 (↑2) |
ヤクルト | 36 | 42 | 1 | 0.462 (↑0.007) | 9.5 (-) | 64 | 347 (+6) | 379 (-) | 68 (+1) | 39 (-) | 0.261 (↑0.001) | 4.33 (↑0.06) |
6 (↓1) |
中日 | 37 | 45 | 1 | 0.451 (↓0.006) | 10.5 (↓1) | 60 | 330 (+1) | 383 (+5) | 54 (-) | 41 (-) | 0.26 (↑0.001) | 4.42 (↑0.01) |
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