DeNA(★2対5☆)ヤクルト =リーグ戦12回戦・横浜スタジアム=
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ヤクルト
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DeNA
00000 1001 250
勝利投手:中尾 輝(7勝3敗0S)
敗戦投手:山﨑 康晃(2勝3敗19S)
  DAZN
◆ヤクルトは1点を追う9回表、山田哲の適時二塁打で試合を振り出しに戻す。さらに、1死満塁の好機から、代打・谷内の2点適時打が飛び出し、勝ち越しに成功した。投げては、2番手・中尾が今季7勝目。敗れたDeNAは、守護神・山崎が5失点と大誤算だった。

◆この日に26歳の誕生日を迎えたヤクルト山田哲人内野手が、幸運な"バースデープレゼント"をゲットした。  0-1の9回無死一塁。二遊間に放ったゴロが二塁を直撃。打球が右翼前へ転がる間に一塁から青木が同点の生還を果たした。ここから好機を広げ、一挙5得点で逆転に成功。今月初勝利で、チームの連敗も8でストップ。「いい誕生日になりましたね」と満面の笑みを浮かべた。  つなぎの意識が、野球の神様を振り向かせた。9回の打席では、カウント2ストライクからコンパクトに打ちに行っていた。「大きいのは狙ってません。サイクル安打と同じで、欲がないと、いいことがおきますね」と納得の表情。「まだ1勝。明日からもあるし、スタートダッシュが決められるように、あと2試合、頑張ります」と同一カード3連勝へ向けて、表情を引き締めた

◆ヤクルト谷内亮太内野手(27)が、勝負強さを発揮した。1-1に追いついた9回1死満塁、代打をコールされた。マウンドにはDeNA山崎。  谷内は通算3打数2安打1本塁打と、DeNAの守護神とは好相性だった。  カウント1ボール2ストライクからの6球目に食らいつくと、打球は左翼前へ。2者を本塁に迎え入れた。「みんなが必死につないでくれたので、何とかしたかった」と、興奮気味に振り返った。  早出練習はもちろん、結果を残すべく2軍でも努力を重ね、この日に1軍に登録。与えられたワンチャンスを、極限の集中力でものにした。「1プレー、1プレー、必死にやっている結果、いいところで打てて良かった」と声を弾ませた谷内に、小川監督も「追い込まれたけど、何とか必死になって食らいつく姿が出ていた。いい打撃だった。いい仕事をした」と賛辞を惜しまなかった。

◆ヤクルトが今月初勝利で、連敗を8で止めた。先発小川が7回1失点と好投しながらも、打線は8回まで沈黙。だが9回に山田哲人内野手の適時二塁打で追いつくと、1死満塁から代打谷内亮太内野手が決勝の2点適時打。中村悠平捕手の2点適時二塁打でダメ押しした。  後半戦初戦を白星スタートで決めた小川淳司監督は、「(9回は)見事な攻撃だったと思う。すごく執念というか、つなぐ意識が出ていた攻撃だった。小川はよく投げた。勝ちをつけたかった。今日の勝ちを生かすには明日が大事になる」と話した。

◆DeNAが逆転負けを喫し、後半戦黒星スタートとなった。1点リードの9回に抑え山崎がまさかの5失点。打ち取った当たりが捕手前への内野安打となり、中前への打球が二塁ベースに当たって二塁打となるなど不運も重なった。  アレックス・ラミレス監督は「ベストなクローザーが打たれて負けたが、野球では起こり得ること。アンラッキーな部分もあった」と守護神を気遣った。トレード加入後、初マスクでフル出場した伊藤については「配球のコンビネーションも含め非常によかった。これを続けてくれれば」と評価した。

◆ヤクルトが土壇場で逆転に成功し、今月初勝利を挙げて連敗を8で止めた。0-1の9回無死一塁、この日26歳の誕生日を迎えた山田哲が放った中前に抜けそうなゴロが二塁ベースを直撃。打球は角度を変え、ゆっくり右翼前を転々とした。その間に一塁走者の青木が生還。ラッキーな同点適時二塁打で息を吹き返すと、チームは一気に5得点。山田哲は「大きいのを狙わずコンパクトに打ちにいった結果。サイクル安打と同じで欲がないと、いいことが起きますね」とほおを緩めた。  14年の誕生日に巨人菅野から本塁打を放っているが、誕生日にいい思い出はないという。だが、この日は敗戦濃厚な9回に、野球の神様から"誕生日プレゼント"を贈られ「いい誕生日になりました」と喜んだ。  後半戦初戦で負の連鎖を断ちきった。先発が粘って接戦に持ち込み、打線が集中打で得点するのは、最高勝率を達成した交流戦の勝ちパターンと同じだ。小川監督は「執念とつなぐ意識が出た。見事な攻撃だった。今日の勝ちを生かすには明日が大事」と言えば、山田哲も「まだ1勝。スタートダッシュを決められるように、あと2試合頑張りたい」と同一カード3連勝を思い描いた。【浜本卓也】

◆DeNAのバリオスは先発したが、二回に先頭打者の雄平の打球を左脚に受けて降板した。

◆ヤクルトが0-1の九回に5長短打を集めて5点を奪って逆転し、連敗を8で止めた。  先頭打者の青木が捕手の前に転がった打球をしぶとく内野安打にすると続く山田哲の打球は二塁ベースに当たって右翼付近を転々とする。青木が一気に三塁を蹴り、気迫のヘッドスライディングで生還して同点。さらに一死満塁として代打谷内が左前へ2点適時打を放って勝ち越すと、中村も2点二塁打で続いた。  黒星が続いても、小川監督は「諦めずに執念を持って戦う」と言い続けていた。その言葉をナインが体現した。

◆DeNAの山崎がまさかの大乱調だった。1-0の九回に登板。先頭打者の青木の打球が捕手前への内野安打となり、山田哲の打球は二塁ベースに当たって右翼まではねて同点打となった。不運が続いたピンチを断ち切れず、プロ4年目で自己ワーストの5失点でKOされた。  今季33試合目の登板。「毎年夏場に良くないと言われている。壁を乗り越え、もっと成長しないと」と雪辱を誓った。ラミレス監督は「アンラッキーだった。全く心配していない」と変わらぬ信頼を口にした。 倉本(六回に今季1号ソロ) 「ピンチを併殺で切り抜けて流れが良かったので、思い切って振った」

◆ヤクルトの小川は勝ち星こそ付かなかったが7回1失点の力投でチームの勝利を呼んだ。「連敗が止まったのが一番良かった。絶対に負けられないという気持ちだった」と素直に喜んだ。  六回に先頭打者の倉本にソロを浴びて先制されたが、直後にマウンドに来た捕手の中村から「ここで食い止めよう」と激励され、切り替えられたという。後続を三者凡退に抑えて勝機をつないだ。小川監督も「よく投げてくれた」とねぎらった。 山田哲(26歳の誕生日に、二塁ベースを直撃する同点二塁打を放ち) 「ラッキーしかない。いい誕生日になった」 中村(九回に2点二塁打) 「直前で谷内が粘って打ってくれたので、勇気が出た」 中尾(救援投手ながらチーム単独トップの7勝目) 「打者の方々がすごいだけ。チームの連敗が止まって良かった」

◆オリックスからトレードでDeNAに加入した伊藤が初出場し、二回の第1打席で中前打を放った。新天地での初安打が、昨年9月9日の楽天戦以来、50打席ぶりの安打となった。  11日に入団記者会見を行ったばかりでオリックス時代の防具で出場。二回に二盗を刺し、八回までは5投手をリードして無失点と存在感を発揮した。2014年のベストナイン捕手は「勝てていないので良くはないけど、自分の中で不安が消えた部分はある」と手応えを強調した。 ラミレス監督(移籍後初出場の伊藤に) 「配球、球種の使い方も非常に良かった。これを続けていってほしい」

◆DeNAのエディソン・バリオス投手(29)がヤクルト12回戦(横浜)の二回に雄平の打球を左ふくらはぎに受け、負傷交代した。17日に出場選手登録を抹消し、ホセ・ロペス内野手(34)が昇格する予定。

◆1点リードの九回に登板した守護神、山崎が炎上。青木、山田哲と不運な当たりが続いて同点に追いつかれると、谷内、中村の連続適時打で自己ワーストの5失点。「夏場に成長しろ、ということだと思う。この壁を乗り越えたい」と雪辱を誓った。ラミレス監督は「ベストなクローザーが打たれて負けた。不運な部分もあるので全く心配していない」と信頼を強調した。

◆後半戦開幕投手を任された小川は勝ち星こそつかなかったが7回4安打1失点の好投。「絶対に負けられないという気持ちだった」と投球術がさえた。六回には創価大の同級生、DeNA・倉本にソロを本塁打を浴びたが、直後に女房役の中村から「ここで食い止めよう」と言葉をかけられ奮起した。「連敗が止まったのが一番よかった」とホッとした表情を見せた。

◆1-1の九回、一死満塁で小川監督はDeNA・山崎と相性のいい谷内を代打に送った。過去の通算成績は3打数2安打1本塁打。決め球のツーシームをしぶとく左前に運び「追いこまれてゾーンを上げました。本塁打を打ったときも覚えていますし、いいイメージがあります」と笑顔がはじけた。指揮官も「相性がよかったので」と、してやったりの表情だった。

◆プロ野球は16日、各地で6試合が行われ、後半戦がスタート。ヤクルトは、DeNA12回戦(横浜)に5-2で逆転勝ち。連敗を8で止めた。0-1の九回無死一塁で山田哲人内野手が放った中前へ抜けようかという当たりが、二塁ベースに直撃し、打球が二塁後方に転々。その間に一走の青木が同点のホームイン。その後、打線がつながり4点を加え逆転した。この日、26歳の誕生日を迎えた山田哲の幸運な一打で、幸先よく後半戦のスタートを切った。  マウンドにはDeNAの守護神・山崎。0-1の九回無死一塁、山田哲の打席で野球の神様が、"バースデープレゼント"を授けた。中前へ抜けようかという当たりが二塁ベースに直撃。打球が二塁後方へ転々としている間に一走・青木が生還。まさかの同点打だった。  「いい誕生日になりました。ラッキーしかないです。サイクルヒットを打ったときみたいに、欲を出さないでいったのがよかった」  ヘッドスライディングで赤土にまみれた青木は「気持ちが入っていた。ベースを抱きしめにいきました。まだまだ若いと思っているから」と36歳は全力疾走の生還を笑って振り返った。青木の当たりも捕手前のボテボテのゴロが内野安打となった珍しい出塁だった。  2つの"ミラクル"から一気に流れが傾いた。なおも一死満塁となり代打・谷内の左前2点打で勝ち越し。続く中村も左中間への適時二塁打でこの回、一挙5点。打線がつながり、7月に入って初めてのビッグイニングで7月初勝利となった。  ミラクルを呼んだのも野球に対する真摯(しんし)な態度があったから。山田哲は前半戦の中で「納得のいく打席はなかった」と言い切る。自身初のサヨナラ本塁打、サイクル安打、8打数連続安打...と前半だけでこれだけの功績を残してきたにもかかわらず、だ。  普段、報道陣には技術論やトレーニングのことなど、野球のことを語ろうとしない。「好きじゃないから」と笑ってごまかすが、夢の中ではよく、打席に立っている自分に遭遇する。無意識の中では24時間、野球のことを考えているからだ。サッカーW杯ロシア大会やリラックスできるネット動画など、いつも野球以外の話題が盛り上がる。仕事を忘れられる瞬間でもあるからだ。それほど野球にストイックに向き合っている。親交がある選手が多く集まった球宴でさえ、誰とも野球談議は交わさなかった。  山田哲だけじゃない。決勝打を放った谷内や若手野手陣は、試合後、着替えずにベンチ裏でバットを振り込んだ。本拠地・神宮では日課。ビジターでも時間さえあれば、振り込みの鍛錬を怠ることはない。チーム全体で積み重ねてきた1スイングが結果になった。  小川監督は「見事な攻撃だった。すごく執念を感じた試合だった。つなぐという意識が出ていた」と九回の逆転劇を称賛。26歳になった山田哲も「まだ後半戦で1勝しただけ。あと2つ勝ってスタートダッシュを決めたい」と力をこめた。後半戦の逆襲へ、"ミラクル打"で、幸先のいいスタートを切った。 (横山尚杜)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
443210.579
(↑0.006)
0
(-)
66384
(+5)
331
(+1)
92
(+2)
43
(-)
0.263
(↑0.002)
4.04
(↑0.04)
2
(-)
巨人
414110.5
(↑0.006)
6
(-)
60376
(+4)
335
(+3)
81
(+1)
44
(+1)
0.259
(↓0.001)
3.87
(↑0.02)
3
(-)
阪神
353910.473
(↓0.006)
8
(↓1)
68283
(+3)
314
(+4)
42
(-)
44
(-)
0.243
(-)
3.71
(↑0.01)
4
(-)
DeNA
364120.468
(↓0.006)
8.5
(↓1)
64302
(+2)
342
(+5)
93
(+1)
51
(-)
0.247
(↓0.001)
3.95
(↓0.01)
5
(-)
中日
374410.457
(↓0.006)
9.5
(↓1)
61329
(+1)
378
(+5)
54
(-)
41
(-)
0.259
(-)
4.43
(↓0.01)
6
(-)
ヤクルト
354210.455
(↑0.008)
9.5
(-)
65341
(+5)
379
(+2)
67
(-)
39
(+1)
0.26
(-)
4.39
(↑0.04)