パ・リーグ(☆7対6★)セ・リーグ =マイナビオールスターゲーム2018・1回戦・大阪ドーム=
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セ・リーグ
03200 0010 6102
パ・リーグ
50000 200× 7140
勝利投手:宮西 尚生(1勝0敗0S)
(セーブ:増井 浩俊(0勝0敗1S))
敗戦投手:ガルシア(0勝1敗0S)
  DAZN
◆全パは初回、秋山の先頭打者本塁打と森友の3ランなどで一挙5点を先制する。その後は同点を許すも、6回裏に代打・デスパイネと山川の連続適時打で勝ち越しに成功した。投げては、3番手・ボルシンガーが2回無安打無失点。敗れた全セは、3本塁打などで6点を奪うも及ばなかった。

◆7月13日、2012年以来6年ぶりに京セラドーム大阪で「マイナビオールスターゲーム2018」第1戦が開催された。試合前には今年、野球殿堂入りした原辰徳氏、金本知憲氏、松井秀喜氏の表彰式が行われ、先輩たちの貴重なコメントに出場選手たちは表情を引き締め、満員の観衆からは拍手が送られた。  徐々に熱気が高まる球場内。センターから先発出場選手がグラウンドに現れるなど、盛大なセレモニーで幕が開けると、セ・リーグは松坂大輔(中日)、パ・リーグは菊池雄星(西武)と、ともにファン投票で選出された両投手が"夢の舞台"の先発のマウンドへ。  菊池は初回を三者凡退に斬ると、12年ぶり9度目の球宴出場となった松坂の登場に大歓声が沸き上がる。だが、パの一番・秋山翔吾(西武)が松坂の立ち上がりを一閃。フルカウントからの9球目のカットボールを右翼席に運び、昨年の第1戦に続く、球宴史上初となる2年連続の初回先頭打者弾でゲームを動かすと、以降もパは攻撃の手を緩めず。近藤健介(日本ハム)の中前打、中田翔(日本ハム)の死球で一死一、二塁とし、吉田正尚(オリックス)の中前打で1点を追加。さらに七番・森友哉(西武)も右翼席へ3ランをたたき込み、初回に2本塁打を含む4安打で5点を奪った。  追うセも、すぐさま反撃に出る。2回表、一死から鈴木誠也(広島)がソロ本塁打を放つと、バレンティン(ヤクルト)が二塁打で続き、宮﨑敏郎(DeNA)が左翼5階席への特大2ランで3点を返す。3回表には、先頭打者の山田哲人(ヤクルト)が中前打で好機を演出すると二死三塁から四番・筒香嘉智(DeNA)が左中間への2ランを放って試合を振り出しに戻した。  3回まで両軍計5本塁打が飛び出す乱打戦も、以降は両軍ともに無得点で試合は中盤へ。そんな中で、ゲームを動かしたのは、パだ。  6回裏、セの3番手・ガルシア(中日)の3イニング目に集中打を浴びせる。一死から代打・外崎修汰(西武)、中村晃(ソフトバンク)の連打で一死一、二塁とし、代打・デスパイネ(ソフトバンク)が左前打で勝ち越しに成功。続く山川穂高(西武)にも中前適時打が飛び出し、リードを2点に広げた。  再び追う展開となったセは、7回・森唯斗(ソフトバンク)、8回・内竜也(ロッテ)と、パ各球団のクローザーの前に、8回表に平田良介(中日)の遊ゴロ間に1点を返すのみ。最終回は地元・オリックスの守護神・増井浩俊に対して小林誠司(巨人)が二死から二塁打を放つも、最後は山田が遊ゴロに倒れて7対6でゲームセット。序盤の空中戦から一転、"連打"で勝ち越し、盤石リレーでつないだパが昨年の第1戦、第2戦に続き、3連勝を飾った。  なおMVPは、本塁打を含む2安打3打点の森友哉が受賞。「めちゃくちゃうれしいです」と話し、第1打席の本塁打に対し「狙っていました」と笑顔を見せた。敢闘賞には、勝ち越し打を放ったデスパイネと、本塁打を放った筒香、鈴木の3選手が選ばれた。

◆「マイナビオールスター2018」第1戦は今日13日、京セラドーム大阪で午後7時から行われる。  巨人上原浩治投手がまたひとつ、球史に名を刻む。43歳3カ月での球宴登板となれば、05年に巨人工藤(現ソフトバンク監督)が記録した42歳2カ月の最年長記録を更新する。中日松坂との"世界一リレー"の期待に「リレーになるかは分からないし、意識はしていない」と話しつつ、「2人で投げることでファンの人が喜んでくれたらうれしい」と夢を与えることが使命だと感じている。  同期入団の縁がある。2人は99年にプロ入り。大卒の上原が20勝、高卒の松坂は16勝を挙げ、ともに最多勝、新人王を受賞した。メジャーには松坂が07年、上原が09年に挑戦。ともにレッドソックスで世界一を経験したが、同時に在籍した期間はなく、リレーは実現しなかった。メジャーでは14年に出場し、日本では11年ぶりの晴れ舞台で"競演"のチャンスが巡ってきた。  選出直後は「複雑な気持ちが一番」ともどかしさを抱えた。それでも「4月とは比べものにならないくらい球威は良い」と、6月8日西武戦から7試合連続無失点など、結果が伴ってきた。「出るからには結果を出したい。抑えられるように頑張ります」。1球に魂を込め、パ・リーグの強打者をねじ伏せる。【桑原幹久】

◆松坂が今日13日、12年ぶりに夢舞台へ帰ってくる。「マイナビオールスター2018」第1戦(京セラドーム大阪)の全セ先発は、ファン投票で選出された中日松坂大輔投手(37)だ。「直球勝負」を宣言した右腕は、14日の第2戦(リブワーク藤崎台)では代打出場も検討されている。西日本豪雨の被災者への思いも胸に、平成の怪物が、平成ラストの球宴で大暴れする。  松坂が、06年以来となる球宴マウンドを目前に言い切った。  「直球勝負で」  ただ、12年前の西武時代と、日本球界復帰4年目で復活ロードを歩んでいる現在とは、スタイルの違いがある。返す刀で、ちゃめっ気たっぷりの一言を付け加えた。  「僕の真っすぐは動きますけどね」  全盛期の150キロ超えの直球はない。それでも、140キロ台の直球はツーシーム、フォーシームを織り交ぜ、手元で微妙に動く。今季7試合に登板し、3勝3敗、防御率2・41。得点圏での被打率はわずか1割1分6厘。投球術、勝負強さでファンを魅了し、セ・リーグ先発投手部門で最多得票。6月17日に背中を捻挫し、西武戦の登板を回避した右腕はその後、回復に努めてきた。いよいよ復帰のときが来る。  「ブルペンで何回か投げただけで不安はあるけど、しっかり投げられるところを見せたい」  被災者への思いを背負い、腕を振る決意だ。16年の熊本地震を経験。被災したリブワーク藤崎台には1000万円を寄付している。今回の西日本豪雨の被災者にも気遣いを見せる。  「球宴というお祭りのようなイベントだけど、少しでも気持ちが明るくなる人がいてくれたら。少しでも笑顔になってくれたらいいなと思う」  夢舞台は2部構成になりそうだ。松坂が打者での出場にも意欲を示しているという話を振られた全セの指揮を執る広島緒方監督は、熊本での第2戦(14日)で代打起用を検討する姿勢をみせた。松坂は言う。  「(打席に)立ってみるかと言われたら、喜んで」  シーズン中、試合前練習後に室内でマシン相手の打撃練習も欠かさない。実現すればどんな打球を飛ばすだろうか。平成最後の球宴の主役は「平成の怪物」がふさわしい。【伊東大介】  ◆松坂のオールスター 西武では99年から06年までの8年間、すべてメンバーに選ばれ、そのうち6度はファン投票選出(02、03年は故障のため辞退)。04年(1)戦(ナゴヤドーム)では3回から登板し、2回を被安打0、4奪三振に抑え、初勝利を挙げMVPに選ばれた。通算6試合で1勝3敗、防御率9・00。

◆「マイナビオールスター2018」第1戦は今日13日、京セラドーム大阪で午後7時から行われる。  全セ先発は、ファン投票で選出された中日松坂大輔投手(37)だ。「直球勝負」を宣言した右腕は、明日14日の第2戦(リブワーク藤崎台)では代打出場も検討されている。

◆セ・リーグが誇る「点取り屋」の二遊間コンビが、西野ジャパンのような感動を呼ぶプレーを見せる。ファン投票で選出されたヤクルト山田哲と巨人坂本勇が、球宴に契約するアディダス社の「ロシア・ワールドカップ 日本代表」カラーの道具で臨むことになった。  ベスト16と日本中を熱狂させた日本代表に敬意を表し、スパイクや打撃用手袋などに代表カラーの「青」と開催地ロシアの「赤」を融合させた配色の特注アイテムを用意した。サッカー好きの山田哲は「青はヤクルトの色でもありますし、何よりも日本代表を見て僕も頑張ろうと思った。侍ジャパンのように、打つのも守るのも走るのも、球宴を見ている人に喜んでもらえるプレーをしたい」と誓った。現在打率トップの坂本勇と、3度目のトリプルスリーを狙える位置につける山田哲の2トップが、ゴールラッシュで盛り上げる。

◆全パのソフトバンク柳田が球宴で全セ菅野との真っ向勝負を受けて立つ。菅野が選出時に「柳田さんとは全球ストレートで真っ向勝負したい」と話したことを受けて、「球界を代表する投手にそう言ってもらって光栄。当てにいくことなく、本塁打か三振くらいの勝負をしたい」とフルスイングを約束した。これまで球宴では3度対戦し3打数無安打。昨年は7月15日の第2戦で空振り三振に倒れた。「めっちゃ速かった。覚えている。(バットに)当たらなかった」と苦笑いした。  柳田は前半戦を打率3割4分7厘(パ・リーグ3位)20本塁打(同2位)58打点(同5位)で終え、初の3冠王も狙える位置につけている。「数字的には想像より打てたというのはある。まだまだという部分も感じています」と振り返る。巨人のエースを撃ち、球宴で大暴れして後半戦に向けて勢いをつける。

◆全セの巨人菅野が球宴での初受賞を狙う。12日はジャイアンツ球場で調整を行い「体の状態はいい。これまで賞を取れてないので、今年は取りたい」と意気込んだ。昨年は前半戦終盤に登板間隔が狭まり、球宴には中2日で臨んだ。今年は6日の広島戦から休養十分。「球宴は小、中学生の時に見に行って上原さんの登板も見た。(ファンに)抑えて格好いいところを見せたいですね」と夢舞台で示す。

◆全パの西武浅村が球宴用グラブを手にした。「派手なものを」という本人の要望に応え、久保田運動具店(スラッガー)がグレーの迷彩柄を提供。担当者は「表面に特殊加工を施し、柄をプリントしました。しっとり感のある手に吸い付く感じに仕上がっています。また、ロゴ部分はラメになっています」と説明。プレーでもド派手な活躍を見せる。

◆球宴に出場する阪神4選手が、オールスター仕様の用具で臨む。糸井はアンダーアーマー社のグラブやスパイク、バットを「赤」と「青」の2色に染める。担当者は「ヒーローになるため、力強い"レッド"と冷静な"ブルー"を身にまとい、圧倒的なパワーを解き放つというコンセプトです」と説明。同社のグラブを使用している岩貞も赤と青の2色グラブでマウンドに向かう。  来日9年目で初出場のメッセンジャーは、シーズン中は黒一色のグラブに金色を入れた。ローリングス社の担当者は「初めてですから。黒とゴールドを用いて、エレガントに見えるようにデザインしました」と話した。また、初選出された糸原はミズノ社から巨人坂本勇と同タイプのグラブを納品されている。

◆骨折の超人・阪神糸井嘉男外野手(36)が、今日開幕する「マイナビオールスターゲーム2018」(第1戦=13日・京セラドーム大阪、第2戦=同14日・リブワーク藤崎台)に"強行出場"することが12日、分かった。6月30日ヤクルト戦(神宮)で右膝付近に死球。7月2日に大阪府内の病院で右足腓骨(ひこつ)骨折と診断され翌3日に出場選手登録を抹消されていた。現在は球宴明けの復帰を目指して懸命にリハビリ中。一部の打撃練習を再開しているとはいえ、骨折を抱えての出場は超人的だろう。  ギリギリまで判断を待った。ただ野球協約第86条に、オールスターを辞退した選手は球宴後の公式戦10試合は登録できないと定められている。以前に金本監督は「みんなが思っているより早く復帰できると思う」と語り「オールスター明けぐらいから」と見通しを語っていた。借金3の3位から巻き返しを狙う後半戦。糸井なしでの10戦は、チームとしても避けたいところだった。  もちろん手負いだろうと最大限のパフォーマンスをする。球団関係者は「チームに迷惑をかけている。球宴明け10試合以内では復帰したい。(全セの)緒方監督やセ・リーグのメンバーには少し迷惑をかける形になり、本当に申し訳ないが、出来る範囲で球宴には出場したい、と糸井選手本人は言っている」と語った。10年連続10度目の出場で、球団としても阪神の代表として後押しする。  金本監督は後半戦へ向け「最後は自分たちが勝つんだ、自分たちが優勝するという気持ちを、僕も選手たちも持っている」と意気込み、「得点力を上げていかないことには、どこにも打開策はない」と語っていた。糸井の早期復帰は一番の材料。超人がファンに夢を与え、虎の逆襲を引っ張る。超人伝説をさらに増やしていく。

◆阪神金本知憲監督が13日、球宴第1戦の前に行われた野球殿堂入り表彰式に出席した。  今年1月、世界記録の1492試合連続フルイニング出場などがたたえられ、競技者表彰のプレーヤー部門で選ばれていた。この日は元巨人の松井秀喜氏、原辰徳氏とともに並び、野球殿堂博物館の野球殿堂ホールに掲げられるレリーフのレプリカを贈呈された。京セラドーム大阪で行われた受賞スピーチは以下の通り。  「このたびは野球殿堂入りという、素晴らしい、名誉ある表彰をしていただきまして、本当にうれしく思うとともに、ここまで僕の野球人生に関わったすべての人たちに心より感謝申し上げたいと思います。  自分が殿堂入りといいますか、自分より素晴らしい成績を残した選手がたくさんいらっしゃると思いますけれど、本当に恐縮な思いでいっぱいです。  いま、タイガースの監督という、非常に厳しい環境のもとに指揮を執らせてもらっていますけれど、野球界の発展ということにも尽力していきたいと思っています。まずは子どもたちに野球の楽しさ、素晴らしさを伝えていき、いま、指導者として現場にいますけれど、その子どもたちが憧れるような選手を育てていきたいなと思っております。  松井秀喜選手と原監督に挟まれてのタイガースの選手としての表彰で、非常に心苦しかったんですけど、タイガースの地元である大阪で授与式を行えたことをうれしく思います。今日はありがとうございました」

◆中日松坂大輔投手が12年ぶりとなる球宴のマウンドに立った。ファン投票で選出され全セの先発として登板。先頭打者の全パ西武秋山に右翼へ本塁打を浴びる立ち上がり。2番ソフトバンク柳田は三振に仕留め笑顔を見せたが、3番日本ハム近藤に安打、4番日本ハム中田には死球を与え一、二塁のピンチを背負うと、5番オリックス吉田正に中前に運ばれ2点目を奪われた。2死までこぎつけたが、7番の西武森に右翼へ弾丸ライナーの3ランを浴びた。  松坂は1回で降板し、2回は2番手の阪神メッセンジャーが登板。心待ちにしていた西武時代の06年以来となるマウンドは大乱調に終わった。  ◆松坂のオールスター 西武では99年から06年までの8年間、すべてメンバーに選ばれ、そのうち6度はファン投票選出(02、03年は故障のため辞退)。04年(1)戦(ナゴヤドーム)では3回から登板し、2回を被安打0、4奪三振に抑え、初勝利を挙げMVPに選ばれた。

◆球宴初出場のオリックス安達了一内野手(30)が持ち味を発揮した。9番遊撃で出場し、2回の第1打席に阪神メッセンジャーから右前打。続く秋山の2球目に盗塁を決めた。5回守備ではヤクルト山田が放った打球をジャンピングキャッチした。  最後の出場選手を決める「プラスワン投票」で選ばれた安達は「ファンの方のおかげ。打撃というよりも守備が持ち味。いい守備ができるようにしたい」と話していたが、その言葉通りに本拠地京セラドームで躍動した。

◆DeNA宮崎敏郎内野手が球宴初本塁打を放った。2回1死二塁で西武菊池の直球を左翼スタンド上段へ運ぶ特大2ラン。  菊池雄星からアーチは自身2度目の球宴出場で、初安打初ホームランとなり「フルスイングすることを決めていて、完璧に捉えることができました。緊張することなく、ワクワクしながら打席に入れました」と、楽しんでいるようだった。

◆来日9年目にして球宴に初出場した阪神ランディ・メッセンジャー投手が、2イニングを2安打無失点に抑えた。  全セで先発した中日松坂に代わって2回に2番手として登板。先頭のオリックス安達に右前打を浴びるも、西武秋山、ソフトバンク柳田、日本ハム近藤の好打者を直球でねじ伏せた。  3回は2死から味方の失策で出塁を許し、西武森に右翼線への二塁打を打たれるも、楽天今江を捕邪飛にしとめ、失点0で切り抜けた。「お客さんの反応がすごくてスタジアムの雰囲気が最高だったよ。リリーフとして投げるのも2010年シーズン以来だったからね」。終わってみれば、全29球オール真っすぐの強気の投球。虎の大黒柱が初球宴で輝きを放った。

◆全セの4番・筒香嘉智外野手が、大先輩の黒星をかき消す同点2ランを放った。  3回に、山本の151キロの直球を左中間スタンドへ運んだ。9球目でアーチを描き「山本選手のストレートに対して、なかなか捉えることができませんでしたが、最後はしっかり捉えることができました。手応え十分です」と満足の1発。初回に全セで先発した松坂大輔が5失点許す立ち上がり。横浜高の大先輩を、球宴の舞台で、敗戦投手にするわけにはいかなかった。

◆日本ハム近藤健介捕手が「神」とあがめる、先輩打ちを果たした。  1回1死走者なし、全セ先発の中日松坂から中前打を放った。球宴初打席初安打を、母校横浜の大先輩から刻んだ。「僕にはレジェンドではなく、神のような存在です」と敬う相手からの一打。「胸を借りるつもりで打席に入りました。対戦したくても、今までできなかった方。記憶に残る1本の安打になりました」と大喜びしていた。

◆全パ先発の西武菊池雄星投手は、2回3安打3失点だった。  初回は内野ゴロ3つで終えたが、2回につかまった。1死から鈴木にソロ。140キロをバックスクリーン右に運ばれた。さらに、バレンティンに左中間二塁打を打たれ、宮崎に左越えへ2ランを浴びた。5階席に飛び込む特大弾だった。  「緊張はありませんでした。セ・リーグの打者は、皆さん、すごいバッターばかりなので対戦が楽しみでした。打たれたホームランは、ガッツリいかれました」と振り返った。 実は、家を売りました...27年前の家が3800万円!その理由とは...? イライラする人・しない人との違いって? イライラ原因の新事実! 口臭がゴッソリ取れる!?実感率91%のお手軽ケアがすごかった 妻も驚き?男の自信を取り戻す秘訣...まずは980円でお試し! Sponsored もう、後がないブル男です。 関連キーワードで検索 プロ野球 西武 菊池雄星 関連ニュース 【野球】西武森MVP「一生の思い出に」松坂から300万弾 [2018年7月13日] 【野球】阪神糸井「やりたい」球宴出場へ骨折後初フリー打撃 [2018年7月13日] 【野球】巨人小林「悔しい」土壇場バット投げ完璧打も届かず [2018年7月13日] 野球最新ニュース アマ野球大学日本代表、延長の末勝利 ハーレムベースボール[7月14日1:05] プロ野球広島会沢「いい思い出に」松坂と初バッテリーに感激[7月13日23:54] プロ野球ソフトバンク森0封「松田さんがエラー」先輩いじる[7月13日23:53] ニュース一覧 写真ニュース一覧 スコア速報 おすすめ情報PR 「嘘だろ...」中性脂肪が... トクホを1日1本続けて驚愕の結果!? 「中性脂肪対策でよくある間違い」と、 多くの方が続けている「驚きの対策」をご紹介 今、あなたにオススメ[PR] ハイアットリージェンシー ワイキキで一生の思い出を Hyatt Regency Waikiki 関節痛・神経痛の原因と予防方法!しっかり理解して早めの対応を X-voice うえっ!くさ~い口臭のかんたん対策 fromCOCORO 動画サービスに迷っているアナタ向け!絶対に間違えない選び方 X-voice 最新コラム 野球の国から 高校野球編 ドラフト「国籍」消滅 静岡商・新浦/静岡2[7月13日06:00] サトのガチ話 中日に怪物!セ通信簿&交流戦見どころ/里崎智也[5月29日14:17] 野球の国から 高校野球編(取材後記) 高校野球「47都道府県物語」編/29日から連載[5月7日14:57] 熱投野球論 巨人 広島に勝ち越すも救援陣に不安残った/西本聖[7月9日08:53] プロ野球番記者コラム 震災を経験した阪神馬場、青森での登板で感じた幸せ[7月13日11:00] 高原のねごと 松坂世代をみて思う...まだまだ「おっさん」じゃない[6月26日13:24] 鳴尾浜通信 阪神大山、今度こそ 試行錯誤の末に取り戻した自信[7月9日19:45] 記録室から どうなるヤクルト原、白星に歴史的な「運のなさ」[5月28日17:17] ふくださんの高校野球が好き 大阪桐蔭、創成館が横綱 今年も予想メール届く[6月23日18:16] いま、会いにゆきます 東筑3季連続逃し涙も文武両道から得たもの/北福岡[7月12日16:33] 引退後の世界 コンタクトで達川さんに叱られて 元広島川島堅氏2[7月13日11:01] イップスって何? ボールを持っていない感覚に...増渕竜義氏/第25回[7月10日11:01] 野球手帳 八王子学園八王子の"親子鷹"が挑む最後のチャンス[7月13日08:07] ヨシネーのひとりごと 成田高、冬の砂場トレーニングに参加してみた![12月31日14:32] コラム一覧 野球コンテンツ 契約更改 トップ ニュース 球団別 ドラフト会議2017 速報 ニュース 写真 過去のドラフト 戦力外・移籍・退団 球団別 プロ野球歴代記録 首位打者 本塁打王 打点王 最優秀防御率 最多勝 MVP 特集一覧 photo 写真ニュース 広島会沢「いい思い出に」松坂と初バッテリーに感激 ソフトバンク森0封「松田さんがエラー」先輩いじる 西武森MVP「一生の思い出に」松坂から300万弾 巨人小林「悔しい」土壇場バット投げ完璧打も届かず 西武秋山翔吾、史上初2年連続初回先頭弾も賞空振り 野球プロ野球高校野球大学・社会人 アマ野球大学日本代表、延長の末勝利 ハーレムベースボール プロ野球広島会沢「いい思い出に」松坂と初バッテリーに感激 プロ野球ソフトバンク森0封「松田さんがエラー」先輩いじる プロ野球西武森MVP「一生の思い出に」松坂から300万弾 プロ野球巨人小林「悔しい」土壇場バット投げ完璧打も届かず プロ野球西武秋山翔吾、史上初2年連続初回先頭弾も賞空振り プロ野球広島鈴木誠也、球宴初弾「喜んでもらえて良かった」 プロ野球中日ガルシア「やり返したい」同郷デスパイネに痛打 記事一覧 野球ランキング 記事 写真 Facebook 1松坂12年ぶり球宴5失点「直球系勝負で返り討ち」 2巨人小林「悔しい」土壇場バット投げ完璧打も届かず 3西武森MVP「一生の思い出に」松坂から300万弾

◆オリックス山本由伸投手(19)がDeNA筒香に2ランを浴びた。  3回から2番手で登板。2死三塁から4番筒香を迎えると、3球目には153キロを記録した。最後は9球目をはじき返されて左越え本塁打を被弾したが、「対戦したい」と話していた大砲にオール直球で挑んだ。

◆右足腓骨(ひこつ)を骨折している阪神糸井嘉男外野手(36)が、6月30日の故障後、初めてフリー打撃を行った。  「ちょっと迷惑は掛けますが、できる限りやりたい。自分もどれぐらいできるか、わからないので」  ミート重視を心掛けた振りで、計10スイング。安打性は3本だった。試合前練習では左翼フェンス付近でトレーナーに見守られながら、ゆったりとジョグ走行。6月30日の故障後、超人が初めてグラウンドを走った。

◆ホームランダービーは、ファン投票で選出されたセ、パ4人ずつが出場。オールスターの試合前に2日間を通したトーナメント方式で1人の優勝者を決める。  今年からルールが変わり、3分間の球数無制限で本数を競う。同点の場合、1分間の延長。延長でも同本数の場合は投票数上位の選手が勝ち上がる。優勝賞金100万円。  この日、試合前に行われたホームランダービーではDeNA筒香が勝ち抜き、決勝に進出した。 【第1戦(13日)京セラドーム大阪】 (1回戦)オリックス吉田正尚(12本=投手はオリックス安達)-ヤクルト山田哲人(5本=投手は巨人坂本勇人) (1回戦)日本ハム中田(2本=投手はオリックス清田ブルペン捕手)-DeNA筒香(9本=投手はDeNAロペス) (準決勝)オリックス吉田正尚(10本=投手同じ)-DeNA筒香(14本=投手同じ)

◆トーナメント方式で争うホームランダービー準決勝は、全パのオリックス吉田正尚外野手VS全セのDeNA筒香嘉智外野手。  吉田正の打撃投手は、1回戦に続きオリックス安達が務めた。29スイングで10本のフェンスオーバー。  筒香の打撃投手は、1回戦に続きDeNAロペスが務めた。25スイングで14本のフェンスオーバー。  筒香が勝利し、14日の第2戦前に行われる決勝に進んだ。  14日は、1回戦が、広島鈴木誠也外野手VS西武山川穂高内野手と、ヤクルト・ウラディミール・バレンティン外野手VSソフトバンク柳田悠岐外野手。勝者が、筒香との決勝に臨む。

◆トーナメント方式で争うホームランダービー1回戦第2試合は、全パの日本ハム中田翔内野手VS全セのDeNAの筒香嘉智外野手。3分間、振り続けた。  中田の打撃投手は、オリックス清田ブルペン捕手が務めた。18スイングで、2本のフェンスオーバー。  筒香の打撃投手は、DeNAロペスが務めた。27スイングで、9本のフェンスオーバー。  筒香が勝利し、オリックス吉田正との準決勝に進んだ。

◆トーナメント方式で争うホームランダービーは、まずは、全パのオリックス吉田正尚外野手VS全セのヤクルト山田哲人内野手。各自が3分間、振り続けた。  吉田の打撃投手は、オリックス安達が務めた。24スイングで12本のフェンスオーバー。  山田の打撃投手は、巨人坂本勇が務めた。22スイングで、5本のフェンスオーバー。  吉田正が勝利し、2回戦に進んだ。

◆ホームランダービーは、ファン投票で選出されたセ、パ4人ずつが出場。オールスターの試合前に2日間を通したトーナメント方式で1人の優勝者を決める。  今年からルールが変わり、3分間の球数無制限で本数を競う。同点の場合、1分間の延長。延長でも同本数の場合は投票数上位の選手が勝ち上がる。優勝賞金100万円。  この日、試合前に行われたホームランダービーではDeNA筒香が勝ち抜き、決勝に進出した。

◆右足腓骨(ひこつ)を骨折している阪神糸井嘉男外野手(36)が、代打で登場した。  「代打・糸井」がコールされると場内はどよめいた。  6回1死一塁、かつての本拠地である京セラドーム大阪の人工芝をゆったりと踏みしめて打席へ。打席の土を整えた右足は骨が折れている。  マウンドには、かつてのチームメートである日本ハム宮西。初球のストライクを見逃すと、2球目をスイングした。真ん中低め138キロ直球を、ふわりと打ち上げた。二飛に終わるも、一塁に向かう際はゆっくりと走った。アウトを確認してベンチに戻る際も、足を引きずることもなく、ダグアウトに戻った。  試合前には6月30日の故障以降、初めてのフリー打撃を行っていた。「ちょっと迷惑は掛けますが、できる限りやりたい。自分もどれぐらいできるか、わからないので」。超人を一目見ようと楽しみにしていた野球ファンに雄姿を届けた。

◆日本ハム宮西尚生投手が、元チームメートの先輩を封じた。  6回に4番手で登板。対戦を熱望していた筒香に右前打を許し「日本の4番。打撃技術が高かった」と、たたえた。代打で登場した元チームメートの先輩糸井からは「真っすぐ、ここにこいよ」と挑発的なジェスチャーを受け、笑みを見せた場面も。「糸井さんは全部、真っすぐでいこうと決めていた」と直球138キロで、二飛に打ち取った。  「前回は肘を痛めて、消化不良だった。今回は、これ以上になく楽しかった」と満足げだった。

◆新人で唯一選出されたDeNA東克樹投手が、緊張マックスでマウンドに上がった。  「シーズンの100倍」という緊張の中、4番手で7回から登板。緊張のあまり1イニング目は、バッテリーを組む小林のサインをすべて間違え「小林さんに申し訳ない」と恐縮。それでも安打と四球で1死一、二塁としたが、外崎を三ゴロ併殺に打ち取り得点を与えなかった。イニング間に食べるバナナのもぐもぐタイムは「自粛しました」とベンチ裏で敢行。すると8回には西武の山川を空振り三振に仕留め「あの真っすぐだけは覚えている。気持ちよかった」と、初球宴を振り返った。

◆ロッテで公式戦10連勝中のボルシンガーが、持ち味を存分に発揮した。  4回から登板し、打者6人でピシャリ。両軍11人の投手が投げた中で、唯一無安打だった。三振こそなかったがゴロを打たせ、外野に打球を運ばせなかった。  「雰囲気や声援がすごくて、観客がいい人だった。一体となっていて素晴らしい。普段マリーンズもすごい応援だけど、敵地のはずの大阪ドームが自分の球場みたいだったよ」と笑顔で振り返った。  12球団トップの11勝を挙げているイケメン右腕は、オールスターならではの応援風景を楽しんでいた。

◆全セの先発、中日松坂大輔投手が12年ぶりの球宴マウンドに上がった。直球勝負にこだわり、予定の2回には達せず、1回5失点で降板。試合後は反省と納得の入り交じった表情だった。  「宣言通り、直球系で勝負にいって、見事に返り討ちにあいました。こういう(打ち合いの)試合展開になるきっかけを作ってしまい、申し訳ないです。もう少し長いイニング、まともな球を投げたかった。悔しいというより、パ・リーグの打者のスイングを見て、すごいなと感じさせられました」  誰よりも大きな歓声を浴びて、初回のマウンドに向かった。いきなり秋山翔吾に先頭打者弾を浴びたが、続く柳田悠岐を「気持ちよかった」と外角高めの137キロで空振り三振。満足そうに口元をゆるめた。  その後、横浜高の後輩近藤健介に中前打され、中田翔には死球。吉田正尚には中前に適時打を打たれ、2死後には森友哉に右越え3ランを打たれた。1回5失点。30球を要し、予定していた2イニング目のマウンドには上がらなかった。  「直球勝負。僕の直球は動きますが」と宣言していた通りの投球内容。得意のスライダーや落ちる球を完全に封印した。フルスイングで立ち向かってくるパ・リーグの打者に打たれても、変えなかった。  「びっくりするような数の票を入れていただいた」と感謝する。セ・リーグの先発部門で2位の巨人菅野を引き離す39万4704票。だが、横浜高、西武、レッドソックスやWBC日本代表で見せてきた、全盛時の打者をねじふせるような速球は投げられない。試合前には正直に打ち明けた。「期待に応えたいけど、どうやって投げようか悩んでいます」というのは本音だったはずだ。  これが復帰戦だった。6月17日の西武戦の試合直前に背中を捻挫し、登板回避。慎重に調整を続け、晴れ舞台に合わせた。コンディションに問題はないことは証明した。後半戦再開後は先発ローテの1人として再出発する見込みだ。  たび重なる右肩故障などを乗り越え、新天地の中日で復活した「平成の怪物」。打たれはしたが、球宴の舞台で、あらためてその名前を全国のファンに示した。

◆2年ぶりに指揮を執った全パ工藤公康監督が、監督として球宴初勝利を挙げた。「本当にうれしいです」。15年は連敗、16年は1敗1分けだった。  初回は秋山、森友の西武勢の2本塁打などで5点を奪った。「西武打線は強力ですね。自分のスイングがちゃんとできる」と驚いた。打ち込んで1回KO? を食らわせた全セ先発の松坂に対しては「ああやって投げてくれたことが何より大事。復活した姿を見せてくれて本当によかった。(ソフトバンク時代に)一時期はもう投げられないかもという話をした。あきらめないで続けてくれればという話もした。まだまだ勝って勇姿を見せてほしい」と、昨年までの苦しさを知っているだけに、復活を喜んだ。  勝利監督インタビューでは代打で6回に決勝打を放ったデスパイネに対し「シーズン中もよろしくお願いします」とおねだりし、ファンを沸かせていた。

◆中日のオネルキ・ガルシア投手が、投手陣でただ1人、3イニング投げた。  4回からマウンドに上がり6安打2失点、51球を投じた。「試合が始まる前に3イニングあるかもと言われていた。(同郷キューバの)デスパイネに打たれたのが悔しい。(来年に)もう1回チャンスがもらえたら、やり返したい」とテンションは高かった。

◆全セの広島鈴木誠也外野手が、3年連続3度目の大舞台で初本塁打を放った。  2回1死から西武菊池の直球を、バックスクリーン右まで運ぶソロアーチ。「うれしいですね。いい感触だった」と喜んだ。3回もオリックス山本から右前打でマルチ安打をマーク。その裏の守備から交代したが、存在感を示した。  西日本豪雨によって本拠地のある広島は大きな被害が出ているが「1本でも出て、喜んでもらえて良かった」。今後も全力プレーで明るい話題を届ける。

◆西武秋山翔吾外野手が、史上初となる球宴での2年連続初回先頭打者アーチを放った。  1回、全セ先発の中日松坂から粘って9球目、低めのカットボール134キロを右翼席に運んだ。「夢中にやっていたので、前に飛ばさないといけなかったんですけど、なかなか飛ばなかった」と、がむしゃらに立ち向かい結果につなげた。快挙達成ながら、タイトルは獲得出来ず。「僕らしいですね...」と自虐的に笑っていた。

◆全セの巨人小林誠司捕手(29)が、1点を追う9回2死から"同点弾未遂"の二塁打を放った。  7回から途中出場でマスクをかぶり、9回に初打席に立った。1ストライクからオリックス増井の151キロをフルスイング。完璧な当たりにファンがわき、味方ベンチも総立ち。だが、打球はスタンドまで1歩届かず、左中間フェンス上段へ直撃した。「もう少しだったので、悔しいです」と苦笑いも「明日も頑張ります」と切り替えた。

◆西武森友哉捕手が、第1戦の最優秀選手賞に輝いた。  1回2死一、三塁で、対戦を熱望していた全セ先発松坂から右越え3ランを放った。3打数2安打、両チーム最多3打点で勝利に導き、MVPを獲得。賞金300万円をゲットした。  「めちゃくちゃうれしいです。(松坂との対決は)本塁打を狙って打席に立ちました」と会心の一発。MVPには「これは一生の思い出になるなと思いました」と胸に刻んでいた。

◆全パの5番手森唯斗投手(26)が1イニングを無失点に抑えた。  1死後、会沢の三遊間のゴロに三塁手松田が飛び込んだが、はじいて内野安打に。森唯は「先輩の松田さんがエラー(記録は三塁内野安打)してしまいましたが、何とか0点で抑えられてよかったです」と冗談で仲のいい先輩をいじった。  この日は徳島から両親も駆けつけた。夫人や子どもも観戦する中で「0」をスコアボードに刻んだ。「よかったです。楽しめました。走者を出しても抑えられた。これをきっかけにシーズンにつなげたい」と、鷹の守護神は早くも後半戦を見据えていた。

◆全セの会沢翼捕手が、松坂との初バッテリーに感激した。1回5失点と打たれたが「すごく、いい思い出になりました。ありがとうございました」と感謝した。  松坂が事前に「直球勝負」と話していたのは知っていた。試合前には「直球系を中心で」と話し合って決めていた。スライダーやチェンジアップ、カーブを投げたいときは「首を振ってくださいと言いました」。両者は30球のうち1度も緩い球を選ばなかった。  7回には三塁への内野安打。「独特の雰囲気を楽しめた。ヒットも打ててよかったです」と充実の表情を浮かべた。

◆西武秋山翔吾外野手(30)が全パの「1番中堅」で出場。初回、全セ松坂から右越えへソロを放った。先頭打者本塁打は、昨年の球宴第1戦でも放っている。2年連続で放つのは、プロ野球史上初だ。  ▼パ・リーグは秋山の先頭打者本塁打などで初回に5得点。球宴の初回先頭打者本塁打は17年(1)戦に秋山が記録して以来10度目で、2度マークしたのは秋山が初めてだ。また球宴で初回に5得点以上は、63年(2)戦セ・リーグ(6点)70年(1)戦パ・リーグ(8点)に次いで48年ぶり3度目。

◆12年ぶりに選出された全セの中日松坂大輔投手(37)は1回4安打5失点だった。「返り討ちに遭いました」と語った直球勝負にファンへの思いが込められていた。  ▼松坂が西武時代の06年(1)戦で先発して以来、12年ぶりの球宴出場。球宴出場のブランクは06年木田(ヤクルト)の16年ぶりが最長で、他には78年高橋重(大洋)と01年加藤(オリックス)の13年ぶりがあるが、先発登板のブランクとしては83年松岡(ヤクルト)97年大野(広島)15年黒田(広島)の10年ぶりを抜いて最長となった。また、松坂は通算7試合目で先発は5試合目。先発登板の最多記録は村山(阪神)米田(阪急)の7度で、松坂の5度は10位タイ。平成になってから5度先発は松坂が初めてだ。  ▼松坂は5失点で降板し、球宴通算成績は13回を投げて防御率11・77。通算10イニング以上投げて防御率10点以上は松坂だけと、球宴では7試合のうち6試合で失点している。

◆松坂さんを負け投手にするわけにはいかない! 全セのDeNA筒香嘉智外野手(26)が球宴で3年連続となる本塁打を放った。2点を追う3回、全パの山本から同点2ランを左中間に運び、横浜高の先輩松坂の黒星を消した。試合前のホームランダービーでは1回戦で日本ハム中田に9-2で圧勝し、準決勝でオリックス吉田正を14-10で退けて今日14日の決勝に進出。計24発でホームラン・ショーの主役を張った。  怪物のために、怪物のバットが火を噴いた。3回の第2打席。筒香は狙っていた。オリックス山本は直球勝負。「フルスイングする姿を見てもらえたら」。その言葉通り、150キロを超える直球に何度もフルスイングした。なかなか捉えきれないバットが9球目に牙をむく。左中間スタンドに運ぶ同点2ラン。「最後はしっかり捉えることができました。手応え十分です」。満足の1発だった。  守る左翼からマウンドで投げる松坂の姿を見つめていた。「あの景色は今日1日を絶対に忘れないくらい幸せな時間でした」。夢にも思わなかった松坂との競演。だが初回に5点を失う立ち上がり。このまま負ければ12年ぶりに球宴の舞台に立った大先輩が、敗戦投手になってしまう。黙っているわけにはいかない。3年連続球宴弾で松坂の黒星を消した。  球界を代表する怪物打者にも、怪物だと思える存在がいた。18歳で迎えた初めての春季キャンプ。当時横浜(現DeNA)の4番を張った村田修一の姿に目を奪われた。「キャンプ入りしたときは軽く振っている感じだったんだけど、オープン戦にかけてどんどん振っていくのを見て衝撃を受けましたね」。異次元のパワーを目の当たりにし「こんな世界で自分が通用するんかな?」。プロ入り初めて出会った怪物が目標になった。  だからグラウンドに立つと、子供たちを意識する。豪快な本塁打で野球の魅力を伝えるためだ。試合前のホームランダービーでは計23発で今日14日の決勝進出。「明日もたくさんのファンの皆さん、子供たちが球場に足を運んでくれると思うので、生きる活力だったり、ああいう選手になりたいと思えるプレーをしたい」。筒香は子供たちの怪物であり続ける。【栗田成芳】

◆「平成の怪物」が、平成最後の球宴でこだわりの直球勝負に徹した。「2018」第1戦(京セラドーム大阪)で、12年ぶりに選出された全セの中日松坂大輔投手(37)は1回4安打5失点だった。「返り討ちに遭いました」と語った直球勝負にはファンへの思いが込められていた。試合は全パが7-6で勝ち、通算成績を83勝78敗11分けとした。第2戦は今日14日、熊本市のリブワーク藤崎台球場で開催される。  松坂はわずかに口元を緩めていた。初回2死一、三塁から森友の打球は右翼ポール際に消えた。3ランで計5失点。秋山の先頭打者アーチに始まり、4安打1死球。30球を要して予定していた2イニング目は投げなかった。  「宣言通り、直球系で勝負にいって、見事に返り討ちに遭いました。真っ向勝負するには難しい球でした。あらためて緩急の大事が分かりました。悔しさというより、パの打者のスイングはすごいなと感じさせられました」  5失点はしても力勝負の楽しさをあらためて味わった。得意のスライダーを封印。落ちる球も投げなかった。捕手会沢とはカーブも含め全球種のサインを決めていたが、どれだけ打たれようとプランは変えない。そんな中、柳田から137キロで空振り三振を奪った。「気持ち良かったです」と振り返った。  「びっくりするような数の票を入れていただいた。その期待に応えたいけど、どうやって投げようか、正直悩んでいます」。先発部門で巨人菅野を大きく引き離す、39万4704票。感謝の一方で複雑な気持ちがあった。ファンが思う「松坂像」と現在のスタイルには違いがある。球宴という特別な舞台で「主役」として何を見せるべきか。出した答えは直球勝負だった。  1カ月ぶりの復帰戦。不安はあった。6月17日の西武戦の試合直前に背中を捻挫し、登板回避。昨年まで3年間ほとんど試合で投げなかった反動が出ている可能性が高かった。新天地の中日で7試合に先発して3勝3敗、防御率2・41。久しぶりのフル回転で体が思わぬ形で悲鳴を上げた。この日、久しぶりの実戦を終えて「投げられたのでよかったんじゃないか。後半戦はしっかりチームの力になりたい」と力強く語った。  球宴前の復帰もできたが、首脳陣の理解も得て球宴での復帰を目指した。直前には西日本豪雨被害があり、胸を痛めていた。  「言葉にすると軽く聞こえてしまう気がする。映像を見て、言葉がないです。多くの人が無事であってほしいと心から願っています。球宴では勝ち負けを度外視して、個々の勝負を楽しみます。それを見て、少しでも笑顔になってくれる人がいたらいいですね」  誰よりも大きな拍手と歓声の中、球宴のマウンドに立った。「平成の怪物」は平成最後の球宴で、あらためて大きな存在感を示した。【柏原誠】

◆小さな怪物が本家を打ち砕いた! 全パの西武森友哉捕手(22)のフルスイングがさく裂した。2点リードの1回2死一、三塁。マウンドには西武の先輩にもあたる松坂。「ホームランか三振でいい。ホームランを狙って打席に立ちました」と腹は決まっていた。高めに浮いた135キロカットボールを見逃さなかった。強烈なライナー性の打球を右翼ポール際に打ち込んだ。「打ったコースは全く覚えてませんが、感触は完璧でした」と悠々とダイヤモンドを周回した。  スターぞろいの夢舞台で、大きな足跡を残した。3回にはメッセンジャーの高めの148キロを強引にフルスイング。ドライブがかかった打球で右翼線二塁打とした。インパクトのある2打席に工藤監督も「自分のスイングをできることが大事」と目を丸くした。  MVPに選ばれ、賞金300万円を獲得。プロ2年目だった15年以来3年ぶり2度目の球宴で輝いた。「松坂さんはオールスター前から対戦したい投手だったのでむちゃくちゃうれしいです。一生の思い出になると思います」。高校時代は松坂と同じように甲子園に愛された。ともに西武ドラフト1位としてプロ入り。怪物の背中を追ってきた森友の自信が確信に変わろうとしている。【為田聡史】

◆球界屈指のリードオフマンが史上初の快挙を成し遂げた。全パの1番中堅で先発出場した西武秋山翔吾外野手(30)が初回、松坂からソロ本塁打を放った。昨年の第1戦に続く2年連続の初回先頭打者本塁打で打線に勢いを与え、全パ勝利に導いた。  怪物を上回る粘り腰だった。初回先頭。秋山は松坂に3球で追い込まれたが、簡単には終わらない。ボール、ファウル、ボール、ファウル、ファウルと続けた。「なかなか前に飛ばない。少し、ポイントを早めに」と修正を試みた。9球目、膝元に食い込んできた134キロを捉え、ライナーで右翼スタンド最前列へ突き刺した。プロ野球史上初、球宴で2年連続先頭打者本塁打が生まれた瞬間だった。  試合前の心がけと一見、違ったように見える。球宴は勝ち負けを度外視し「ホームランか、三振か」と、とにかくフルスイングで臨む打者も少なくない。秋山は違う。「僕がフルスイングをやっても、誰も気がつかないでしょ」とおどけるが、真意はこうだ。  秋山 後半戦が始まるんですよ。ここで打撃が崩れたら、元も子もない。フルスイングして変な打撃になったら、戻すことが難しくなる。普通に、シーズン中と同じように打ちますよ。変に、遠くに飛ばそうとは思いません。貴重な実戦と思っています。  前半戦だけでリーグトップ114安打を重ねた首位打者の矜持(きょうじ)だった。ところが、結果は1発になった。もちろん、狙ったわけではない。「初回、落ち着かない感じで打席に入ってしまった。夢中にやった。たまたま、ホームラン。まあ、打てないよりは良かったです」と、控えめに喜んだ。  松坂は西武の大先輩。予定されていた交流戦の対戦も、松坂が直前で登板回避のため流れた。「対戦する機会は正直、ないと思ってました。新鮮な気持ちがありました」と感慨深げだった。その先輩から放った1本。「明日も丁寧に、いつもの打撃ができれば」。1発を打ったからと浮つかない。戒めで締めた。【古川真弥】

◆西武菊池雄星投手(27)の"幸せな時間"は、ちょっぴりほろ苦かった。初めてファン投票で出場。全パ先発としてマウンドに上がったが、2回につかまった。1死から鈴木にソロ、宮崎に2ラン。いずれも特大弾で、2回3安打3失点。中4日登板で、最速は144キロにとどまった。しかも、スライダー1球をのぞき、残り20球は全て直球。「ガッツリいかれました」と、苦笑いした。  それでも、幸せだった。全セ先発が松坂だったからだ。「僕が野球を始めた時から、ずっとプレーされていた。生で試合を見ていたし、憧れていた人。そういう方と同じ球場で時間を共有できる。こんな幸せなことはありません」と打ち明けた。99年、8歳になる年に地元の岩手・盛岡の見前タイガースで野球を始めた。同じ年、松坂はプロ入り。菊池少年は「1年目から最多勝。本当にすごい投手だな」と思っていた。  中学3年だった06年4月21日が忘れられない。盛岡での楽天戦に西武松坂が先発。「日本一の投手が見られる」と勇んで出かけたが、気温5度の冷え込み。「こんな寒い中では絶対投げないだろう」と諦めた。だが、松坂は出てきた。7回5安打1失点、11奪三振で勝利。155キロを連発する姿に「本当にすごかった。夢みたいな数字でしたから」と昨日のことのように話した。初めてプロのスピードを実感した瞬間だった。  幸せをかみしめるように言った。「明日、話をしてみたいですね」。少年の顔だった。【古川真弥】

◆全セの広島鈴木が待望の球宴1号を放ち、敢闘選手賞に選ばれた。2回1死で西武菊池の直球をバックスクリーン右への特大ソロ。「うれしい。いい感触だった。長打狙いは頭に入れていた。一流の方が集まる最高の舞台。1本打てて、いい思い出になった」。3年連続3度目の選出。「本塁打を打ってみたい」と宣言して臨んでいた。  対戦したい投手に菊池を挙げていた。昨年も球宴で左翼二塁打を放っていた。「今年も対戦できれば、思い切って速い真っすぐを狙っていきたい」。これも描いた通りだった。  赤ヘル打線の4番に君臨。豪快なイメージがあるが、シーズン中は「本塁打はほとんど狙わない」とチーム打撃に徹する。だが球宴は特別。「こういう時しか狙えない」と自我を解放した。今日14日のホームランダービーにも「このイメージでいきたい」と勢いがついた。【大池和幸】

◆全セのDeNA筒香嘉智外野手(26)が球宴で3年連続となる本塁打を放った。2点を追う3回、全パの山本から同点2ランを左中間に運び、横浜高の先輩松坂の黒星を消した。  ▼筒香が16年<1>、<2>戦、17年<1>戦に次いで3年連続4本目の本塁打。球宴で3年以上続けて本塁打を打ったのは81~85年山本浩(広島=5年)97~01年松井(巨人=5年)62~64年山内(大毎→阪神)80~82年掛布(阪神)92~94年佐々木(ダイエー→西武)に次いで6人目。16年<1>戦は打順5番で記録したが、残り3本は4番でマーク。3年続けて4番で本塁打は81~85年山本浩以来、球宴史上2人目だ。

◆「平成の怪物」が、平成最後の球宴でこだわりの直球勝負に徹した。「マイナビオールスターゲーム2018」第1戦(京セラドーム大阪)で、12年ぶりに選出された全セの中日松坂大輔投手(37)は1回4安打5失点だった。「返り討ちに遭いました」と語った直球勝負にはファンへの思いが込められていた。  バットでリベンジ? 緒方監督が第2戦での代打起用を検討していることに松坂は「どうですかね。余裕があれば(打席に)立っておきたいかな」と話した。状況次第では打席に立つ可能性もありそうだ。

◆平成最後のオールスターに「平成の怪物」こと松坂が出場した。横浜高では甲子園春夏連覇。西武で日本一、日本代表でWBC優勝、メジャーではワールドシリーズ制覇と数々の栄光を手にした。「怪物」には「得体の知れない不気味な生き物。ばけもの」の他に「理解しがたいほどの不思議な力をもっている人や物。また、とび抜けた実力や強い影響力・支配力をもつ人物」(三省堂・大辞林)という意味がある。今、野球人が抱く「怪物」に迫った。【プロ野球取材班】 <怪物とは、松坂大輔である。>  「高校時代から注目され、プロでも第一線。ケガしても戻ってこられた。ファンの方も見たい」(楽天今江)。  「そのまま、怪物」(ソフトバンク甲斐)と文句なしに挙がる。  98年夏の甲子園のPL学園戦では延長17回、250球で完投した。  当時7歳だった西武の後輩にあたる浅村も「すごいという印象しかない」。  松坂世代の阪神藤川も「そりゃあ、みんなが言うように、あいつでしょ。"怪物"が似合うのは大輔しかいない」と即答。  さらに、オリックス・アルバースも「日米で素晴らしい成績を残した選手。話を聞いてみたいね」。  ファンだけではない。国境を超え、野球人にとっても松坂は怪物なのだ。 <怪物とは、江川卓である。>  「子どもの頃、江川さんは本当にインパクトがあった」(日本ハム栗山監督)。  「プロに入って対戦したけど、俺の時は(力を)抜いていたよ」(ヤクルト小川監督)。  「平成の」を外せば、やはりこの人だ。<怪物とは、怪獣ゴジラである。> 「子供の頃、よく映画を見ました。いろんな攻撃をする。しっぽや口からはいたり」(西武外崎)。 「テレビ画面からでも、街が小さく見えるぐらいでかい。迫力が伝わる」(巨人岡本)。 「やっぱり人じゃないでしょ(笑い)。ゴジラに勝る怪物とは出会ってないです」(ヤクルト山田哲)。 さすが、日本が誇るゴジラ。野球人の口調も熱い。でかい。強い。それが怪物だ。 「恐竜ですね。映画のジュラシックパークも好き」(ソフトバンク松田)。 「夢の中で追いかけられて怖かった。ゴジラみたいな怪物」(中日平田)。 「対戦ゲームのゴモラ。何回やっても倒せない」(中日藤嶋)。 ちなみにキューバ出身の中日ガルシアは「キングコング」だった。<怪物とは、野球界の先輩である。> 「ゴジラの異名を持つ松井(秀喜)さんも怪物だと思う」(巨人岡本)に異論はないだろう。考えてみれば、プロ野球界は常人には不可能なことをやってのける人たちの集まり。怪物だらけだ。特に先輩のことは、そう思えて当然。 「清原さん。小学生の時、東京ドームで初めて生で見たら、でかかった」(西武山川)。 ヤクルト宮本ヘッドコーチも「清原さん。真剣に野球を見始めてから強烈な印象が残りすぎている」。怪物に憧れ、迷わずPL学園に進んだ。 まだまだいる。「松井稼頭央さん。格好良いから」(楽天岸)。 「プロ入りして、村田修一さんを見た時のことは今でも忘れられない。こんな世界で自分が通用するんかな? て思いましたもん」(DeNA筒香)。 「川上憲伸さん。エースの風格があった。後ろで守っていても、安心感がありました」(中日荒木)。<怪物とは、対戦相手である。> 「田中将大。高校で対戦して、こういうのがすごいやつなんだと思わされた」(巨人坂本勇)。 「広島の丸さん。この前2本もホームランを打たれて。どこに投げても打たれそうで...」(阪神岩貞)。 「ダルビッシュ、マー君(田中将大)、大谷(翔平)だね。1人、選ぶならダルビッシュ。メジャーに行く前の年は、あれは打てないって思った」(阪神平野打撃コーチ)。 「(巨人)吉川光夫ですね。ボーイズリーグでよく対戦したけど、打てる気が全くしなかった。中学生で140キロくらい出てたんじゃないかな」(DeNA宮崎)。 「高校で対戦した関西高は怪物でした。日本ハムにいたダース・ローマシュ匡やヤクルトの上田剛史。岡山県内最強でしたね」(中日亀沢)。 じかに相対したからこそ、びしびし"すごみ"が伝わってくる。<怪物とは、同僚や後輩そして家族である。> 「(大谷)翔平。すごく速い球を投げてすごく打球も飛ばして、意味が分からない(笑い)」(日本ハム上沢)。 「大谷ですね。投げても打っても何じゃこらってね。誰が見てもすごい。同じアスリートから見てもすごい」(オリックス増井)。 「(西武)森友哉です。中学3年の夏に代表合宿で初めて会った。小柄なのにパワー、スイングスピードがすごすぎた」(DeNA東)。 「おやじでしょ。昔は、ばり怖かったですもん。顔を合わせたくなかった。どんな投手よりも怖かったですね」(ヤクルト中村)。 身近だから分かる怪物っぷりがある。<怪物とは、???である。> 「悪霊です! (前投手コーチの落合)英二さんが霊感強くて『お前が一番悪霊がついてる』って言われて。自分では何も感じないですけど、僕はそのせいでケガしてたと思ってます」(ロッテ内)。 今年は、元気です。もう、たたられませんように...。<怪物とは、観念である。> 「目に見えないものではなく、目に見えるもの。イメージの中のものではなく、実在するものだと思う。遠くに飛ばす意味では(ソフトバンク)柳田さん、筒香。速いボールでいえば大谷」。(巨人菅野)。 「速い球を投げる、遠くに飛ばせる人が怪物。誰とかはない。生まれ持ったものもあるし、そういう努力をしているということもある」(巨人上原)。 「僕は体力がなかったので、半面というか、自分にできないことをやっている人たちは怪物ですね。金本監督、(広島)新井、黒田(博樹)。底なしの体力を持っている」(阪神高橋2軍投手コーチ)。 それぞれの野球人が、それぞれの怪物を心に抱き、プレーする。ファンは、こよいも怪物に酔いしれる。

◆阪神金本監督は糸井の後半戦からの復帰時期について、慎重に見極める方針だ。球宴第1戦の試合後に「まだ、もう少しかかるでしょう。守りが、やっぱりな。回転とか、切り返しとか、まだ、もうちょっとみたいやな」と説明した。  球宴に強行出場したことで、後半戦開幕から10試合欠場はまぬがれるが、ベンチ入りについて「人数の関係にもよるしな。ポジションとかな。まだ、分からない」と話した。打撃も本調子ではなく「まだ振れてない」とも評した。

◆超人が夢舞台でグラウンドに帰ってきた。右足腓骨(ひこつ)を骨折している阪神糸井嘉男外野手(36)が「マイナビオールスターゲーム2018」第1戦(京セラドーム大阪)で強行出場した。6回1死一塁に代打で登場。二飛に倒れたが、虎の後半戦巻き返しキーマンが、10年連続10回目の大舞台で、予告通りの驚異的な回復力を披露した。試合は全パが7-6で勝ち、通算成績を83勝78敗11分けとした。  「代打・糸井」がコールされると、場内がどよめいた。もちろん、右足の骨折は完治していない。だが、超人はグラウンドに戻ってきた。「ちょっと迷惑は掛けますが、できる限りやりたい。自分もどれぐらいできるか、分からないので...」。そう試合前に語り、オールスターで実戦復帰を果たした。  かつての本拠地・京セラドーム大阪の人工芝をゆっくり踏みしめて打席へ向かった。6回1死一塁、日本ハム宮西の初球138キロ直球を見逃すとストライク。ふーっと息を吐いてバットを構えた2球目。真ん中低め138キロ直球を打ちに出て、二飛。「ちょっとまだ、走るのが...」と語るが、足踏みはしない。ベンチに戻る際も、足を引きずることもなく、ダッグアウトに戻った。「打ちたかったですけどね...」。野球人として、夢舞台で快音を響かせたかった。骨折したままの出場とはいえ...。そんな思いが言葉ににじむ。  後半戦開幕10試合の欠場を回避するため、決死の球宴強行出場。今日14日の第2戦を終えれば、いよいよ大勝負も目前。球宴明け初戦、16日巨人戦からの復帰について、試合後「無理やろ...。何日あると思ってるの」と話しつつも「良くなってないです、ウッソー」とおどけるなど、明るさも見せた。後半戦スタートまで中2日。糸井自身が言葉ににじませるように、後半戦開幕には間に合わないかもしれない。患部の回復ぶりをチェックしながら慎重に復帰時期を見定める。7・16より後にずれ込もうとも、後半戦のキーマンであることは間違いない。  阪神のチーム打率2割4分3厘、同280得点、同42本塁打はいずれもセ・リーグワースト。糸井のバットにかかる期待は大きい。実際に試合でスイングした意味も小さくはない。試合前には故障後、初のフリー打撃で10スイング。「(打撃は)全然大丈夫です」。約30メートルのキャッチボールも行い、復活への道は歩んでいる。揺るぎないものがある。1日でも早く、チームに戻るという糸井の決意だ。【真柴健】

◆球宴初出場の全パ5番オリックス吉田正が中日松坂からタイムリーを放った。  1回1死一、二塁から外角球を中前に運んだ。「勢いです。ヒットゾーンに飛んでくれて良かった」。5回にはガルシアから左前にポトリと落とすヒットを放ち2安打1打点。ホームランダービーでも山田、筒香との対戦で計22本の柵越えを記録するなど、持ち味のフルスイングでファンを沸かせた。

◆中日松坂大輔投手(37)が全セの先発として登板。12年ぶりの球宴マウンドは予定の2回を投げられず、1回4安打5失点だった。 ◇  ◇  ◇  意外なほど素直な言葉だった。  「1度くらい、しっかり仕事をしているところを見せたいですよね、父親としても...」。  今年1月。中日の入団テストに備え、米ロサンゼルスで自主トレに励んでいた松坂は、日米通算プロ20年目への思いを口にした。ソフトバンクに在籍した3年間で公式戦の登板はわずか1試合。メジャーでの最後の2年間も、納得できる成績を残せなかった。11年6月に「トミー・ジョン」と呼ばれる右肘手術を受け、日本球界復帰後は右肩痛に見舞われた。12歳の長女、10歳の長男はともかく、8歳の次女の前では、しっかりとした仕事を見せることができていなかった。「1度くらい」は、飾ることのない、本音だった。  12年ぶりの球宴には、夏休みで帰国中の妻倫世さんと子供たちも応援に駆け付けた。すでに長男は、自宅のあるボストンで野球チームに所属。投手と遊撃手を務めており、「センスはどうなんですかね...」と話す松坂の表情も自然と緩む。今回はファン投票選出での先発。スポットライトを浴びる夢舞台は、松坂家にとっても忘れられない試合となった。【MLB担当=四竈衛】

◆全パ柳田が松坂と対決し空振り三振に切られた。「当たらんかった」と6球目の外角高め137キロカットボールを豪快に空振りし三振。「動く真っすぐという感じ。マジで打ちたかった」と悔しがった。1回4安打、2本塁打で5失点の松坂から奪われた唯一の三振となったが、真剣勝負を楽しんだ。  試合前には「松坂さんのオーラがやばい。怪物がマウンドにいるだけで、もう負けでしょ」と笑いながら、そのすごさを口にした。以前も「やっぱ、かっこいい。スーパースター。小学4年くらいじゃないですか。松坂さんとかを見て甲子園に出たいと思いました」と本格的に野球の道へ導いてくれたことを明かした。交流戦では3打席対戦し、2三振1四球だった。  柳田は3年連続両リーグ最多得票で選ばれた。柳田も怪物と呼ばれてもおかしくないほどの成績を残して球宴に乗り込んできた。工藤監督もシーズンでは起用したことがない「2番」で怪物との対決を演出。2打席で交代したが、その後も一塁コーチを務め、ベンチで大声を出した。今日14日はホームランダービーにも出場。左中間にあるクスノキ群へのアーチを狙う。柳田は「暑そうなので、水分補給をしっかりしないと」と熊本へ気持ちを切り替えた。【石橋隆雄】

◆全パ工藤監督が球宴5試合目の指揮で初めて白星を飾った。初回に2本塁打で5点を奪うも3回に追いつかれる展開。6回に代打デスパイネの左前打で勝ち越した。工藤監督は「シーズン中もよろしく」と感謝。  出場選手の出身地や年齢などを自ら調べ、悩みに悩み抜いたオーダーを組み、野手は全員起用した。大阪での地震や西日本豪雨での被災者には「できることをしっかりやりたい。野球の力を届けたい」と話した。

◆中日松坂大輔投手(37)が全セの先発として登板。12年ぶりの球宴マウンドは予定の2回を投げられず、1回4安打5失点だった。 ◇  ◇  ◇  松坂は「ベテラン」扱いを楽しんでいるように見える。試合前、上原に「大輔もヒゲをはやして貫禄が出てきた」と言われると「上原さんは集合写真のときに『よっこいしょ』って言ってました」と暴露して、盛り上げた。  プロ入りした20年前は高校3年。18歳の松坂は驚いたという。「西武には伊東勤さん、金村義明さん、投手では新谷博さんがベテランでいらした。伊東さんは何か、お父さんみたいでした(笑い)。でも今思うと皆さん、37歳までいってなかったんですよね...」  当時を思い返して、若い投手が多い中日入り後、本気で心配していた。「今の自分がどう見られているのか気になる」。打ち解けて、周囲が見えてくると肩の力が抜けた。後輩に声をかけ、チームスタッフも気軽に食事に誘う。周囲と壁を作らない努力もしてきた。「ベテラン」の肩書を受け入れたことで新境地に入ったスーパースター。後輩だらけの球宴も、かつてとは別の次元で楽しんだはずだ。【柏原誠】

◆高校野球ファン垂ぜんのシーンが、20年ぶりによみがえった。  松坂大輔(中日)が12ぶりに、全セの先発として球宴の舞台に戻ってきた。この場面で三塁コーチを務めたのが、平石洋介監督代行(楽天)。松坂世代の同級生で、PL学園の主将だった。  2人には因縁がある。98年夏の全国高校野球準々決勝。松坂は春夏連覇を目指す横浜のエースとして、平石は三塁コーチとして対戦した。平石は捕手小山良男(後に中日)の構えが、直球と変化球で異なることを見抜いていた。直球なら「行け行け」、変化球なら「狙え狙え」と声を出し、打者へ球種を伝達していたのだ。延長17回の死闘は、甲子園史上に残る好ゲームとして高校野球ファンの記憶に残っている。  平石監督代行は当初、三塁コーチに立つ予定はなかったという。だが松坂の登板に合わせ「ノブ(ソフトバンク松田宣浩)秋山(西武)今江(楽天=平石のPL学園の後輩)がグルになって『(全国高校野球が)100回記念大会なんだから行かなあかんだろ』と言ってきたので」と急きょ、選手を立たせるはずだったコーチスボックスに追い立てられたのだ。  20年ぶりに、松坂を同じ位置から見た。「あんな所から見られて懐かしかった」。松坂は大リーグを経て、肩のけがや移籍を乗り越え、セ・リーグに移籍して大舞台に復帰した。先に現役を引退した平石はヘッド兼打撃コーチだったが、今季途中から監督代行として指揮を執っている。楽天が昨年3位になっていなければ、監督代行に就任していなければ、立っていない場所だった。偶然が重ならなければ、こんな再現はなかったのだ。「何人が(因縁に)気が付いていましたかね」と言ったが、高校野球ファンならば、思わず膝を打った人も多かっただろう。  松坂は直球系ばかりを投げ込んだ。平石監督代行は「禁止ですから」と打者へ球種の伝達をしなかった。プロ野球の申し合わせ事項で、球種の伝達は禁止されている。「楽しかった」と突然のお膳立てを振り返った。オールスターには、いろんなドラマが隠されている。【斎藤直樹】

◆球宴初出場の全セ・岡本(巨人)が12日、"本塁打デビュー"を予告した。今季は4番に定着し、打率・297、16本塁打、50打点と大ブレークし、ファン投票で初選出され、「(本塁打を)打てなくて終わったらつまらない。狙える球が来たら、狙いたいですね」と意欲的。バットやグラブはアンダーアーマー社製の特別仕様で開催地の大阪、熊本のシンボルマークをイメージした赤、青の華やかな秘密兵器を準備している。

◆投げて、打って-。13日の第1戦に先発する全セの中日・松坂大輔投手(37)が12日、ナゴヤ球場で"二刀流"を宣言。14日の第2戦(リブワーク藤崎台)では打席に立ちたいと熱望した。  「なにかできないかな、とは思っていますね。(打席に)立てるかといわれれば、喜んで立つでしょう」  ソフトバンク時代の2016年に熊本地震が発生。施設が破損した同球場の復旧のために1000万円の義援金を贈った縁もあり「できれば投げたかった」という。  だが、6月17日の西武戦(メットライフ)を試合直前に登板回避。背中の捻挫と診断され、球宴第1戦は6月8日のソフトバンク戦(ナゴヤドーム)以来の実戦マウンドとなる。体調の問題もあって、連投は無理...。だが代打ならば、出場は可能だ。  西日本豪雨の被害を受けた人へも、「しっかり投げられるところを見せたい。オールスターを見て少しでも気持ちが明るくなってくれる人たちがいてくれたらいいなと思う」とメッセージ。12年ぶりの夢舞台で、新たな"松坂伝説"をつくる。 (三木建次) 松坂の起用法について全セ・緒方監督(広島) 「あしたは素晴らしい投球をしてくれると思います。(打者は)森監督の了承をもらうことができれば(第2戦の)熊本かな」 初出場の全セ・東(DeNA) 「マックス(152キロ)を更新したいですね。短いイニングなので出せる力で真っ向勝負をしたい」 第1戦に先発する全パ・菊池(西武) 「松坂さんとは、同じマウンドに上がるだけでも夢のようなこと。けがなく楽しんで、たくさんのことを吸収したい」

◆マイナビオールスターゲーム2018(13日=京セラ、14日=リブワーク藤崎台)に監督推薦で選出され、13日の第1戦に登板する予定の阪神のランディ・メッセンジャー投手(36)が12日、サンケイスポーツの単独インタビューに激白。来日9年目で初出場する夢舞台で巨人・上原浩治投手(43)、中日・松坂大輔投手(37)との"おっさん談義"実現へ胸躍らせた。(聞き手・新里公章、箭内桃子) (1)ふざけあうような、雰囲気が楽しみ  --いよいよ、初球宴。これまで球宴休みは家族サービスしていた  「子どもがちょうど学校が夏休み期間中なので、いつもお父さんの休みとしてどこかに行くのを楽しみにしていたから。そこは残念ではあるけど、オールスターでお父さんが投げているところを見せられるというのは、良かったのかなと思うね」  --球宴はリーグ戦で相性の悪い筒香(DeNA)たちと同じベンチに座る。他チームの打者からみた自身のイメージを聞ける機会  「チームで3番目くらいの年齢になるのかな。いずれにしても、おじさんチーム、おじさん側になる。自分のことを聞くというよりも、他の選手たちとふざけあうような、そんな雰囲気が楽しみ。でももし、自分に対していろんな質問があればそこは全然、惜しまずに答えたいと思う。松坂さん、上原さんともね」  --球宴に出れば、ロペス(DeNA)もおじさん側  「ロペスもちょっと若いしね。年上のほうになるし、自分のことというよりは。メジャーの時間はロペスのほうが長いかもしれないけど、日本ではこっちのほうが長いしね」  --先輩だ  「そう、"センパイ"だ。だから本当に、何でも聞いてもらえたら、何でも答えたい。投球であれ何であれ、自分のことを知りたいというよりはそっちのほうが強いかな。まあ、何にしても楽しみたいね」  --上原、松坂ら長いキャリアを重ねてきた投手陣との会話は楽しみ  「楽しみだね。そういう楽しみはもちろんある。アメリカに行った人たちにね、それで日本に帰ってきてまたこうやってオールスターに選ばれているし、その長いキャリアを続けている人たちといろんな話ができる。そこは本当に楽しみだね」  --第一線で活躍している人に話を聞ける、勉強の場にもなる  「自分自身が信じてやまないのが、いつまでもよりよい投手になれるということ。本当に、練習量とか、一生懸命練習することで、才能だとか、そういうものを超える。そこは信じてやまないから、もちろんそういう人たちと話をして、自分がよりよくなれるなら、そんな話も聞いてみたい」 (2)ホームランダービーに出るのが夢だった  --子どもの頃のオールスターの思い出は?  「オールスターでホームランダービーに出るのが夢だった。近所の友達で、誰かの家に集まってバーベキューをしながら見てた。その後、自分たちでもホームランダービーをしたね。選手のまねをしたり、そういう楽しみ方をしていた。僕? もちろん勝ったよ。ホームラン王だね」  --米国で、3Aなどの球宴に出場したことは?  「2Aとかでは出たはず。3Aでは何度かチャンスはあったんだけど、メジャーに呼ばれるか呼ばれないかくらいのタイミングだったこともあって(出られなかった)。2009年だったかな。たしかそういうチャンスがあったんですよ。そのときは3Aで結構セーブを挙げていたから」  --日本、米国の違いはあれど、熱い戦いを見せたいという思いも  「交流戦で対戦したばかりとはいえ、パ・リーグのオールスターチームと対戦するというのは違う感じもある。初めての経験だし、楽しみたいという部分もあるにはあるし、いい対決を見せられたらというのはあるね」  --ホームランダービーで投げる機会があれば  「そしたらナックルボールを投げようかな(笑)。ホームランダービーとかそんな雰囲気を味わうのは非常に楽しみ」  --球宴後、後半戦に向けて  「後半戦も前半戦同様に、自分にできる限りのことをしてチームの勝利に貢献することは変わらずやっていきたい。暑くなるから、必要以上に汗もかくし、好きというわけではないけど、夏場は結構好投できることが多い。ベストを尽くせるように頑張っていきたい。応援よろしくお願いします!」

◆阪神・糸井嘉男外野手(36)が13日、選手間投票で選出された「マイナビオールスターゲーム2018」に出場。死球で右足腓骨を骨折しながらも、強行で、10年連続出場を果たした。  金本監督も見守る中、フリー打撃では10スイング。サク越えはなかった。「(球宴でも)迷惑をかけてしまっている。できる限り、いいプレーができるようにしたい。自分もどれぐらいできるのか(楽しみ)」と話し、最後に「じゃ、9月に!」と、ジョークを飛ばして、試合に備えた。

◆本塁打競争は準決勝で、全セ・筒香(DeNA)が14本で、10本の全パ・吉田正(オリックス)を下し、14日(熊本)に行われる決勝進出を決めた。  この日は1回戦2試合が行われ、それぞれの勝者が準決勝で対決。1回戦第1試合では吉田正が全セ・山田哲(ヤクルト)を下した。同第2試合は、全セ・筒香(DeNA)が全パ・中田(日本ハム)を下して、準決勝に駒を進めていた。

◆全パの西武・秋山翔吾外野手(30)が一回、全セの中日・松坂大輔投手(37)から右越えに先頭打者本塁打を放った

◆全パのオリックス・吉田正尚外野手(24)が一回一死一、二塁から、全セの中日・松坂大輔投手(37)から中前適時打を放ち、2-0とリードを広げた。全パは西武・秋山翔吾外野手(30)の右越え先頭打者本塁打で先制した。

◆全パの西武・森友哉捕手(22)が一回二死一、三塁で、全セの中日・松坂大輔投手(37)からライトポール際へ3点本塁打を放った。全パはこの回、5点を奪った。  全パは西武・秋山翔吾外野手(30)の右越え先頭打者本塁打で先制すると、一回一死一、二塁からオリックス・吉田正尚外野手(24)が中前適時打を放ち、2-0とリードを広げた

◆ファン投票で選出され12年ぶりに球宴のマウンドにあがった中日・松坂大輔投手(37)は、西武・森に3ラン本塁打を浴びるなど、1回4安打5失点の内容だった。球数は30。  ファンの大歓声に迎えられて、99番が夢舞台に帰って来た。ところが、いきなり先頭の秋山(西武)にフルカウントから、右越えソロを浴びる。2番・柳田(ソフトバンク)は137キロの外角速球で空振り三振に仕留めるも、横浜高の後輩、近藤(日本ハム)に中前打を許す。続く中田(日本ハム)へは死球を与え、一死一、二塁から吉田正(オリックス)に中前適時打を浴びて追加点を与えた。さらに二死一、三塁から森(西武)に右翼ポール横へ3ランを浴び、この回5失点となった。  背中の捻挫で6月17日の西武戦(メットライフ)を試合直前に登板回避した松坂。この日の球宴が6月8日のソフトバンク戦(ナゴヤドーム)以来の実戦マウンドとなった。

◆全セのDeNA・筒香嘉智外野手が(26)が2点ビハインドの三回一死三塁の場面で、全パの2番手オリックスの2年目右腕・山本由伸投手(19)から左中間スタンドへ同点2ランを放った。  全セは5点を追う二回一死から鈴木(広島)が中越えソロで4点差。さらにバレンティン(ヤクルト)の中越え二塁打、宮崎(DeNA)の左越え2ランで3-5としていた。  筒香は試合前に行われた本塁打競争にも出場。準決勝で14本を放ち、全パ・吉田正(オリックス)を下し、14日(熊本)に行われる決勝進出を決めていた。

◆今年、新たに野球殿堂入りした日米通算507本塁打の松井秀喜氏、阪神の金本知憲監督、原辰徳前巨人監督の表彰式が13日、大阪市の京セラドーム大阪でのオールスター第1戦の試合前に行われた。1月の通知式に欠席した松井氏は後輩でもある巨人の坂本勇人内野手から花束を受け取り「光栄な気持ち。野球人として最高の栄誉だと思う」と言葉に実感を込めた。  現在は米大リーグ、ヤンキースのゼネラルマネジャー(GM)特別アドバイザーを務めており「これからまだまだ日本の野球のために頑張っていきたい。全ての方々に感謝申し上げたい」と12球団のファンの前で宣言した。  1492試合連続フルイニング出場のプロ野球記録を持つ阪神の金本監督は「野球界の発展にも尽力していきたい。子どもたちの憧れるような選手を育てていきたい」と後進の育成に意欲を見せ、巨人の監督としてリーグ優勝7度、日本一3度の原氏は「ファンの皆さまと野球に感謝。全てそこに集約されていると思う」と感無量の様子だった。

◆「マイナビオールスター2018」第1戦が京セラドームで行われ、全セの筒香嘉智外野手(26)=DeNA=が3-5の三回に同点となる2号ランを放った。  全パの山本由伸投手(19)=オリックス=が投じた外角の151キロの直球に逆らわず、左中間スタンドにたたき込んだ。トラックマンのデータでは飛距離126メートル、打球速度は165キロ、打球角度は28度だった。  三回までに筒香の本塁打を含め、両軍で計5本塁打が飛び出した。

◆西武の菊池は全パの先発を務め、2回3失点だった。一回こそ8球で3人をいずれも内野ゴロに仕留めたが、二回は1死から鈴木(広島)にソロ、バレンティン(ヤクルト)に二塁打、宮崎(DeNA)に2ランと3者連続で長打を許した。  8日の楽天戦で9回を投げていた。「最後の試合から4日しかたっていないので、ぶいぶい投げられるわけではない」と話したように最速は144キロ。本来のスピードは影を潜め「打たれたホームランはがっつりいかれた」と苦笑いした。

◆日本ハムの近藤が一回にオールスター戦初打席で安打を放った。松坂(中日)の速球をコンパクトなスイングで捉えて中前打。神奈川・横浜高の大先輩からの一打に「僕には神のような存在。記憶に残る安打になった」と喜びを隠さなかった。  昨年は選手間投票で選ばれながらも腰部椎間板ヘルニアの手術を受けたために出場を辞退した。昨季の悔しさを打席で晴らした。

◆全パが5-5の同点で迎えた六回、ソフトバンクのアルフレド・デスパイネ外野手(32)、西武の山川穂高内野手(26)の連続タイムリーで7-5と勝ち越した。  全パはこの回、一死から外崎(西武)の右前打、中村晃(ソフトバンク)の左前打で一、二塁とすると、デスパイネの左前適時打で6-5と勝ち越し、さらに一、二塁から山川の中前適時打で1点を追加し、7-5とリードを広げた。

◆右腓骨を骨折している全セの糸井嘉男外野手(36)=阪神=が六回一死一塁で代打で登場。全パの宮西(日本ハム)と対戦し、二飛だった。10年連続出場。金本監督も見守る中、フリー打撃では10スイング。サク越えはなかった。「(球宴でも)迷惑をかけてしまっている。できる限り、いいプレーができるようにしたい。自分もどれぐらいできるのか(楽しみ)」と話し、最後に「じゃ、9月に!」とジョークを飛ばして、試合に備えていた。

◆「マイナビオールスター2018」第1戦が京セラドームで行われ、全パの代打・アルフレド・デスパイネ外野手(32)=ソフトバンク=が5-5の六回、一死一、二塁から勝ち越しの適時左前打を放った。  さらに、続く山川穂高内野手(26)=西武=も中前適時打を放ち差を広げ、六回を終え全パが7-5とリードしている。

◆阪神のメッセンジャーは9年目で念願の初出場を果たすと全球直球勝負で2回を投げて得点を許さなかった。「真っすぐばかり投げて疲れた。お客さんも打者が打つところを見たいだろうし、向かっていった」と汗を拭った。  二回、先頭打者の安達(オリックス)の右前打と盗塁で無死二塁とされたが、威力ある球で後続を打ち取った。5-5に追い付いた三回は2死二、三塁のピンチで、今江(楽天)を高々と上がった捕邪飛に仕留めた。「(ファンの)反応もすごくて、スタジアムの雰囲気が最高だった」と球宴を満喫した。

◆全パが5-5の同点で迎えた六回、ソフトバンクのアルフレド・デスパイネ外野手(32)、西武の山川穂高内野手(26)の連続タイムリーで勝ち越した。  全セの中日・松坂大輔投手(37)から豪快な3ランを放った全パの西武・森友哉捕手(22)がMVPを獲得。2-0の一回二死一、三塁で高めの球を体いっぱいに使って振り抜き、右翼ポール際へ運んだ。2015年以来となる球宴での一発に、「これは一生の思い出になる。試合前から対戦したいと思っていたので、打ててよかった」と笑みを浮かべた。  球界屈指の「打てる捕手」がレギュラーシーズンと変わらない打棒を発揮し、「あすも本塁打を狙う」と宣言した。

◆全パが乱打戦を制した。一回に全セ先発の松坂(中日)から5点を奪い、主導権を奪った。これで通算成績を83勝78敗11分けとした。MVPは一回の3ランなど2安打を放った森(西武)が選ばれた。第2戦は14日に熊本で行われる。  全パは一回、先頭・秋山(西武)の右越えソロで先制。一死後、単打と死球で一、二塁とし、吉田正(オリックス)の中前適時打で追加点を挙げた。なおも一死一、三塁で浅村(西武)は右飛に倒れたが、森が右越え3ランを放って5-0とした。  全セは二回一死、鈴木(広島)が菊池(西武)から中越えソロを放ち、1点を返した。さらにバレンティン(ヤクルト)の中越え二塁打、宮崎(DeNA)の左越え2ランで3-5とした。  全セは三回、先頭の山田哲(ヤクルト)が中前打。二死後、筒香(DeNA)が左越え2ランを放って5-5に追いついた。全パは六回、一死一、二塁から代打・デスパイネ(ロッテ)が左前に勝ち越し打。続く山川(西武)も中前適時打を放ち、7-5とリードした。全セは八回、先頭の田中(広島)が中前打、二盗を決め無死二塁。筒香の一ゴロで一死三塁から、平田(中日)の遊ゴロの間に田中が生還して、1点差に迫った。しかし、反撃もそこまでだった。

◆全パが5-5の同点で迎えた六回、ソフトバンクのアルフレド・デスパイネ外野手(32)、西武の山川穂高内野手(26)の連続タイムリーで勝ち越した。  全パを率いたソフトバンク・工藤公康監督(55)は、「一人の野球ファンとして、ベンチで楽しませてもらった」と両軍合わせて5本塁打の乱打戦に笑顔。決勝打を放ったデスパイネには「シーズン中もよろしくお願いします」とおねだりしていた。

◆ファン投票で選出され12年ぶりに球宴のマウンドにあがった中日・松坂大輔投手(37)は、西武・森に3ランを浴びるなど1回4安打5失点の内容だった。以下はテレビのインタビューに応えた松坂の一問一答。  --今日のマウンドは  「背中の故障もあって、なんとか投げられるようにと思って今日まで待ちましたけど、もう少し長いイニングを投げたかったなっていうのと、もう少しまともなボールを投げたかったなと。たくさん票を入れてくれたファンの方々にも申し訳ない気持ちですね」  --すごい歓声だった  「(球場)全体から温かい声援を頂いて、自分自身も少し驚きましたね」  --松坂さんと対戦したいという投手がたくさんいてみんな思いっきり振ってきました(テレビ解説の古田敦也氏)   「事前に聞いていて、僕もそれに乗っかって直球勝負、力勝負という話をしましたけど、ちょっと緩いボールを投げにくい雰囲気になってしまいましたね」  --後半戦に向けて投げられるんじゃないかと思ったのですが(古田氏)  「結果はこんなですけど、ゲームに投げられるかどうかは正直わからなかったので、そういう意味では良かったと思いますし、今日をきっかけに後半戦、しっかりチームの力になりたいなと思います」  --上原選手(巨人)は「ベンチに居場所がない」と話していた。若いメンバーがたくさんいるが今回の雰囲気は  「僕もどこに座っていいかちょっとわからないですね」  --話してみたい選手、交流してみたい選手は  「今日一日たてば慣れると思うので、明日はゆっくり試合中にいろんな選手と話ができればいいなと思います」

◆オリックスの吉田正がプロ3年目で初出場し2安打をマークした。1-0の一回1死一、二塁の初打席で松坂(中日)の136キロの球を中前へ運び適時打とした。交流戦での対戦で無安打に終わり「打てなかったので打ち返したい」と意気込んでいただけに「しっかりスイングができたので良かった」と喜んだ。  五回1死ではガルシア(中日)の速球を捉え左前打。本拠地球場の大歓声に迎えられ「すごく新鮮で楽しめた」と充実感に浸った。

◆今季、米大リーグから復帰したヤクルトの青木は希望していた菊池(西武)との対戦で速球に詰まって二ゴロに倒れるなど3打席とも内野ゴロに倒れた。7年ぶりの球宴出場で3度目の最優秀選手(MVP)への意気込みは空回りに終わったが「久しぶりに雰囲気も味わえて楽しかった」と充実感をにじませた。  試合前には同じくメジャーを経験して日本球界に戻った松坂(中日)、上原(巨人)と並んで取材を受け「すごい幸せ。ここにいられて不思議な感じ」と笑顔だった。

◆ルーキーでただ一人の出場となったDeNAの東は2回2安打無失点と上々の球宴デビューを飾った。しかし、四球を与えるなど自慢の制球にはズレが生じ「緊張し過ぎて全然覚えていない。サイン間違いばかりで(捕手の)小林さん申し訳ありませんと。頭が回らなかった」と苦笑いした。  立命大からドラフト1位で入団し、チーム最多の6勝を挙げているサウスポー。パの本塁打トップの山川(西武)から直球で空振り三振を奪った場面は「気持ち良かった」と笑顔で振り返った。

◆広島の鈴木が3度目の出場で初アーチを記録し、2度目の敢闘選手賞に輝いた。0-5の二回1死走者無しで、中堅右に豪快なソロを放ち「ほとんどが真っすぐなのであまり当てに行きたくなかった。しっかり振れて良かった」と声を弾ませた。  「打ってみたい」と意欲を燃やしていた本塁打を、対戦を希望していた西武のエース菊池から記録した。「一流選手の集まる最高の舞台なので、そういう中でこういう一発は思い出になります」と言葉に実感を込めた。

◆全セの4番に座ったDeNAの筒香が球宴で3年連続となる本塁打を放ち、敢闘選手賞を獲得した。  菊池(西武)との同学年対決は左飛に倒れたが、2番手の山本(オリックス)と圧巻の力勝負を披露。全球150キロを超える速球を投げ込まれながらも9球目を2ランにし「直球一本でもなかなか捉えられなかった。これからどうなっていくか楽しみ」と19歳の若手投手の速球をたたえた。  試合前の本塁打競争でも特大弾を連発して沸かせたスラッガー。神奈川・横浜高の先輩に当たる松坂(中日)のバックで初めて守り「あの景色は忘れない。幸せな時間だった」と感慨に浸った。

◆オリックスの増井は7-6の九回に登板し、無得点に抑えてセーブを挙げた。「1点リードで回ってくるとは思っていなかったけど、真っすぐでいくと決めていた」と全球直球で勝負した。  糸原(阪神)を1球で一ゴロに抑えると、岡本(巨人)を空振り三振。小林(巨人)にはフェンス直撃の二塁打を打たれて「どきっとした」と冷や汗をかいたが、山田哲(ヤクルト)を150キロで遊ゴロに抑えて締めた。日本ハム時代から数えて3度目の球宴に「年齢も上の方だったので、前の時より気持ちが楽だった」と笑顔を見せた。

◆西武の山川が初出場し貴重な適時打を放った。六回、デスパイネの適時打で1点を勝ち越してなお一、二塁で変化球を中前へ打ち返し「本塁打を狙うでもなく、普通に打ちにいった」とうなずいた。  前半戦はともにリーグトップの23本塁打、70打点をマークし好調なチームの象徴的な存在となった。第2戦では試合前の本塁打競争に出場する。「めちゃくちゃ打てるか、めちゃくちゃ打てないかのどちらかでは」と思いを巡らせた。

◆試合前、両チームの選手が横一列になって西日本豪雨の犠牲者へ黙とうをささげた。全パの工藤監督は「一日でも早い復旧をと、ここにいる選手だけじゃなく12球団の選手が同じ思いをしている。被災されて苦しんでいる方に、少しでも野球の力を届けたい」と話した。

◆ソフトバンクのデスパイネが勝ち越し打を放ち敢闘選手賞に輝いた。5-5の六回1死一、二塁から代打で出場し、ガルシア(中日)の内角球に少し詰まりながらも三遊間を抜いて適時打とした。八回も中前打を放ち2打数2安打だった。  昨季の本塁打、打点の2冠王は厳しい内角攻めに苦しんだ時期があり、前半戦は打率2割2分1厘と低迷した。それでも勝負強さを発揮し「最高の舞台なので、とにかく楽しんで打席に入った」とうれしそうだった。

◆全パの工藤監督(ソフトバンク)は昨年までチームメートだった松坂(中日)が登板したことに「復活した姿をファンの皆さんに見せられて良かった」と感慨深げだった。  右肩手術の影響で、ソフトバンクに在籍していた昨季までの3年間は1試合の登板に終わった。苦しいリハビリ生活を間近で見てきただけに「諦めないでやってきたことで、ここに立てるまでになった。これからも負けないで野球を続けてほしい」とエールを送った。

◆...右腓骨を折り、出場選手登録を外れている阪神の糸井が5-5の六回に代打で登場した。1死一塁で指名打者のバレンティン(ヤクルト)に代わって打席に立つと、日本ハムの宮西の速球を捉え切れず、二飛に倒れた。  既に打撃練習を再開しているが、本来の力強い振りは影を潜めた。痛みを押しての強行出場に「打ちたかったが」と悔しさを押し殺した。

◆球宴初出場の全セ・岡本(巨人)は「8番・一塁」でフル出場も、4打数無安打に終わった。だが、試合前にベンチ前の円陣で声出し役を務めるなど、チームを盛り上げた22歳は「(広島の)菊池さんとかがイジってくれて、みなさん、すごく話しやすかった。打てなかったけど、楽しかった」と笑顔で振り返った。

◆(殿堂入り表彰式の後に)  金本監督「やっぱり光栄ですし、光栄であり恐縮だし、自分よりいい数字を残した人も他にいると思うんですけど、その中で選んでいただいて感謝申し上げます」  --阪神で、子どもたちが憧れるような選手を育てたいと  「陽川の顔じゃ、無理かな(笑)。俺も他人のこと、言えんけど(笑)」  --原氏、松井氏とは  「控室でね。(話を)ちょこちょこね」  (試合後)  --糸井はひと安心か  「まぁ...動きが、まだ。まだ、もう少しかかるでしょう」  --しっかり走れるようにならないと  「守りがなぁ。回転とか切り返しとか、もうちょっとかかるみたいやな」  --16日の巨人戦からベンチに入れるだけでも  「人数の関係にもよるしな。ポジションとかな。まだまだ、わからん。(打つ方も)まだ全然、振れてないもん」  --メッセンジャーは後半戦の大事なところを任せる  「かな。(ローテの)順番みてないけど」

◆立ち上がり、西武の菊池雄星は8球。ほとんどストレート。37歳の松坂大輔は30球。あらゆる変化球を駆使して5失点...。誰もがもう憧憬(あこがれ)の彼方に置く松坂ではないのだけれど...熱いものがこみあげる。ホームランが乱れ飛んだ...。人生に"ソノ時"というのは必ずやってくる。でもさりげなくロマンチックな景色を持ち続けたいものであるが。  「今年は阪神はスーパーヒーローはいません。だから逆に"初々しさ"で勝負するんです。金本監督も覚悟の上で。むしろ僕はそのハツラツとした若虎連中に期待しますよ」とトラ番キャップ阿部祐亮は京セラドームから熱い電話。しかし少し...寂しい。  球宴となると必ず思い出すソノ時がある。不世出の資質を持つ大投手が選んだ「1球」...という含蓄(ふくみ)のあるテーマだ。同時にそれはいずれもその瞬間の「男の選択」を取材するチャンスに恵まれた。  それは「ど真ん中のストレート」でありもう、1球は「ワンバウンドしそうなカーブ」。  まず「ど真ん中の速球」を選択したのは江夏豊。1971年7月17日西宮球場での球宴第1戦に先発した彼は、超ド級と言われた全パ打線をほとんど速球のみでバッタバッタと三振にとり(実はなんと江夏は筆者に、ファン投票1位で選出された7月9日の時点で9者連続三振をマジで予告していた)。その年はそれまで6勝9敗。ライバルの巨人堀内は10勝3敗で快調だったから選ばれるハズはない。しかも...心臓病で常に球団トレーナーが登板時には1回ごとに脈を計測し、たまにストップをかけたほどの状態。  1日80本のヘビースモーカー。禁酒。こんな体調なのに「ファンは俺をトップに選んでくれたんや...」と江夏は身震いするほど感激し、甲子園の誰もいない通路で筆者に「今まで誰もやってへんことはなんや?」と尋ねた。"どうせ出来ない"と腹のなかでせせら笑いながら「そりゃ9人全部三振にとることサ」と言ったら、彼はコトもなげに「ほなソレいこ!」と言ったのだ。  そして7月17日の西宮球場で当時のセ・リーグ会長鈴木竜二が「もう2度と起こらないこと」と評した江夏豊の阿修羅の「9連続三振」-。  その9人目の打者は当時阪急の強打者加藤秀司で、カウント1-2から江夏は迷わず「最もストレートに強い」といわれた打者にど真ん中の速球を選んだ。加藤のバットは空を切った。この時、作新学院高の1年生投手が江川卓。翌年、栃木予選で「完全試合」をやって注目されるのだ。  江夏の快挙から13年後の84年7月24日、ナゴヤ球場での球宴第3戦に、29歳の江川は右肩痛をかかえながら2番手として四回から登板し、福本から阪急勢を、五回は落合、石毛...そして六回に9人目の打者として近鉄大石大二郎...。騒然たる中で0-2と追い込んでから彼が選んだのはカーブ。それもワンバウンドになりそうな...大石の打球は二ゴロとなった。  あの時、速球だったら「僕は三振していた」と大石。江川は少し苦笑いして「ワンバウンドのカーブで振り逃げとなったら次の打者を三振で『連続10三振』じゃないですか...」と言った。

◆2年連続出場となった全セ・宮崎(DeNA)が二回一死二塁で、菊池(西武)から左翼5階席に飛び込む特大2ランで球宴初安打を飾った。「去年は打てなかったので、1本打ててよかったです。しっかりフルスイングしようと思っていました。手応えは完璧です」。ファン投票では初出場となり、見事な"御礼弾"だった。

◆全セ・坂口(ヤクルト)は五回の守備から出場し1打数無安打。「3球で終わっちゃったので、もう少しボールを見たかったです」と悔しがった。オリックス時代の"庭"だった京セラドームの中堅に立つと大声援で迎えられた。「センターは懐かしい感じがしました。大声援も聞こえていました」と最後は笑顔だった。

◆増井(オリックス)が7-6の九回に登板。オール直球で1回を1安打無失点で試合を締めた。ただ、二死から小林(巨人)に左中間フェンス直撃の二塁打を許し、3度目の球宴でついに初被安打。「悔しいですね」と苦笑いし、「まさか1点差で回ってくると思わなくて余裕はなかったですけど、真っすぐ勝負と決めていたので、がんばりました」と充実感をにじませた。

◆監督推薦で初の球宴出場を果たした糸原(阪神)は四回の守備から出場。2打席で無安打も、三塁守備では軽快に打球をさばいた。「すごく楽しかったです」。試合前にはテレビ番組を通じて恩師の開星高元監督、野々村直通氏(66)から「手考足思」(手で考え足で思うという意味)というメッセージが書かれた直筆サイン色紙をプレゼントされる一幕も。地元関西とあり、大歓声で迎えられたが「最高はヒットでしたけど。あしたまた頑張ります」と気合を入れた。

◆全セ・松坂(中日)が2006年第1戦(先発で勝敗つかず)以来の球宴登板。12年ぶりの球宴登板は木田優夫の16年ぶり(1990年巨人→06年ヤクルト)に次ぐ2番目のブランク登板。  球宴で一回に5失点以上した投手は、63年第2戦の米田哲也(阪急、1/3回6失点)、70年第1戦の渡辺秀武(巨人、0/3回5失点)に次いで48年ぶり3人目。  全セは17年第1戦から3連敗。全セが3連敗以上したのは、87年第1戦-88年第1戦(4連敗)以来30年ぶり。

◆2011年以来の出場となった全セ・青木宣親外野手(36)=ヤクルト=は、「2番・中堅」で先発出場。二ゴロ、一ゴロ、一ゴロと3打数無安打だったが、7年ぶりに元気な姿を球宴で披露した。  「久しぶりの雰囲気で楽しかった。ベンチの中でも、裏でも、他球団の選手とざっくばらんな話で盛り上がりました」と、満足そうな表情を浮かべた青木。試合前のアップ中に、以前食事をしたことがあるという糸原(阪神)と打撃について語り合うなど、球宴ならではの交流をした。  14日は地元・宮崎に近い熊本での試合。「友人も来ますし、なじみのある場所でもある。いいプレーを見せられたらいいです」と意気込んだ。過去2度のMVPを獲得している"持っている"男が、熊本で輝く。 (横山尚杜) フル出場で5打数1安打だった全セ・山田哲(ヤクルト) 「1本打てたので十分です。あす(14日)も打てるように頑張ります」

◆宣言通りのフルスイングでバックスクリーンに放り込んだ。全セの「5番・右翼」で先発出場した鈴木(広島)が球宴初本塁打を含む2安打1打点で、自身2年ぶり2度目の敢闘賞に輝いた。  「ホームランを狙うことはずっと頭に入れていました。本当に、最高の舞台でホームランを打てて、いい思い出になりました」  0-5で迎えた二回一死からの1打席目、菊池(西武)の真ん中直球を振り抜いた。球宴前に「(対戦したいのは菊池さんです。速い真っすぐを狙っていきたい」と宣言していた通り、見事に仕留めた。  23歳にして球宴3度の出場を誇る"お祭り男"は三回にも山本(オリックス)から右前打を放ってマルチ安打。これで通算成績を12打数6安打2打点とした。  いつも以上に気合が入っている。本拠地の広島は西日本を襲った記録的な豪雨で甚大な被害を受けた。「1本打てて、(被災者が)少しでも喜んでもらえたらいい。あしたも熊本がある」。14日には本塁打競争にも出場する予定。カープの顔としてさらなる大暴れを目指す。 (柏村翔) 全セ・緒方監督(広島) 「いいゲームだった。ファンの方にも喜んでもらえたと思う。(広島の鈴木は)よう打ったわ」

◆全パの「5番・左翼」で先発出場した吉田正尚外野手(24)=オリックス=は一回、1点先制し、なお一死一、二塁の場面で中前適時打。全セ先発・松坂(中日)のツーシームをひと振りで仕留めた。  「勢いでいきました。ほぼ真っすぐを投げていたので、ちょっと動いてましたけど、ヒットゾーンに飛んでくれて良かった」  初出場の球宴の初打席でタイムリーを放つと、五回の第3打席でも左前へ運び、マルチ安打もマークした。試合前の本塁打競争では決勝進出は逃したが、1回戦の山田哲(ヤクルト)、準決勝の筒香(DeNA)との対決で計22本のアーチ。他球団のファンにも強烈なインパクトを与えた。  2度の対戦で計6分間バットを振り続け、試合にもフル出場。「疲れました。ホームラン競争から出ていたので」と疲労感を口にしつつ、笑顔で球宴デビューを終えた。 (西垣戸理大)

◆全パは秋山(西武)の初回先頭打者本塁打を皮切りに一回に5得点。秋山の球宴での初回先頭打者本塁打は昨年第1戦以来通算2本目で、2年連続、通算2本はともに球宴史上初。  一回に5得点以上マークしたのは1963年第2戦の全セ(表に6点)、70年第1戦の全パ(表に8点)に次いで48年ぶり3度目で、裏に5得点は初めて。  両軍合わせて5本塁打は16年第1戦(全セ=坂本、筒香、バレンティン、全パ=長谷川、栗山)以来2年ぶり。

◆第1戦が行われ、全パが7-6で勝った。全セのランディ・メッセンジャー投手(36)=阪神=は二回から2番手で登板。来日9年目でオールスター初出場となった虎のエースは、29球オール直球勝負で、2回2安打無失点。初めての夢舞台の経験を胸に、中2日で後半戦の開幕となる16日の巨人戦(甲子園)に先発する。  来日9年目、待ちわびた球宴の舞台-。地元関西の大歓声を受けて京セラドームのマウンドに上がったメッセンジャーが、アツすぎる直球勝負を披露した。  「投げる時はいつでもゼロに抑えたいと思っているので。2イニング無失点と思うと、初オールスターとしてはまあまあよかったと思います」  先発の松坂(中日)の後を受け、二回から登板。"平成の怪物"からいきなり5点を奪ったパの猛者たちに、真っ向勝負を挑んだ。  先頭の安達(オリックス)に右前打を浴びたが秋山(西武)、柳田(ソフトバンク)、近藤(日本ハム)とパ・リーグの打率上位3人を次々と料理。三回も失策などで二死二、三塁のピンチを招いたが、今江(楽天)を145キロで捕邪飛。全29球、オール直球で、2回2安打無失点だ。  最速149キロ。「若かりし頃ほど球速は出ていませんが」と苦笑いも、近年は緩急自在に勝ち星を重ねてきた右腕が若返ったような投球。「オールスターだから。お客さんもバッターが打つところを見たいというのもあると思う。そういう意図で真っすぐで向かっていったよ」と満足げな表情で振り返れば、金本監督は「何を考えとるんか(笑)。昔の自分に戻りたかったんかな」と、うれしそうに話した。  やっと手にした切符だった。好成績を残しながら選出されてこなかった8年間。「正直(球宴に)興味を失ってしまった部分もあったよ」。休日となっていたこれまでの球宴期間は、家族と過ごした。試合をテレビ観戦することはなく、弁当を持って白浜や淡路島のビーチへ。「今年は(子どもたちに)今まで見たことがないお父さんを、見てもらえるね」。言葉通り、球場に招待した家族を、投げる背中で楽しませた。  「この2日間も体を動かして、しっかり練習してきたので。しっかり体をケアすれば戦っていける。もう後半戦が待ち遠しいくらいです」  気迫のストレートでファンを魅了した虎の大黒柱だが、力勝負はこの日限り。ここから中2日で16日の後半戦開幕、大事な巨人戦の先発マウンドに立つ予定だ。エースとして、7ゲーム差で首位広島を追う戦いを、引っ張っていく。 (箭内桃子)
★熱心にサイン!!  練習から、球宴ならではの空気を満喫していたメッセンジャー。試合前は左翼や中堅でフリー打撃の打球を追うと、時折外野スタンドを振り返って、ファンに手を振るなど楽しそうな様子。練習後にベンチへ引き揚げる際にはサインにも熱心に応じて、「来年も(球宴に)戻って来てほしいなと思ってもらえるように、サービスしました」とニッコリだ。

◆ドームの屋根を破るかのような大歓声だった。さすがに無理だろう、と多くの人が思っていたはずだ。まさにサプライズ登場。骨が折れているとは思えない。糸井が10年連続10度目の球宴で打席に立った。飛ばせた。  「打ちたかったですけどね...」  試合後の駐車場で悔しさを隠しきれなかった。  三回まで5アーチが飛び出し、全セが5点ビハインドを追いつく乱打戦。六回一死一塁。日本ハム時代に同僚だった左腕・宮西相手に6月30日のヤクルト戦(神宮)以来となる出番だった。初球を見逃しストライク。そして真ん中低めにきた138キロ直球。鋭い眼光とともにバットを反応させたが二飛...。それでも右腓骨が折れているとは思えないほどの動きに、拍手が降り注いだ。  「リスペクトする選手が多いし、楽しみです」  試合前のフリー打撃。10スイングでサク越えはなかったが、筒香(DeNA)、松田(ソフトバンク)らと談笑しながら胸を高鳴らせた。しかし、その一方で「迷惑をかけてしまっている」とポツリ。患部の状態についても「一番はまだ...走るのが...」と漏らした。  球宴明け10試合以内に1軍復帰するための強行出場。では後半戦開幕となる16日の巨人戦(甲子園)から、1軍に戻れるのか-。糸井は「無理やろ。(骨折して)何日やと思ってるねん」と苦笑い。金本監督も「まぁ...動きが...まだ。もう少しかかるでしょう。守りがなぁ...。回転とか、切り返しとか、もうちょっとかかるみたいやな。(打撃も)まだ全然、振れてないもん」と慎重な姿勢だった。  首位広島とは7ゲーム差。この日のように代打の切り札として、ひと振りにかけるだけでも、ありがたいが...。さらなる超回復を祈るのみだ。 ★糸井の故障からの経過  ◆6月30日 ヤクルト戦(神宮)の八回、風張の147キロを右膝付近に受けて、途中交代。試合後は足を引きずりながらも「病院やな」  ◆7月1日 すねに腫れがあり、チーム宿舎などで静養に努めた  ◆2日 大阪府内の病院で検査を受け、3日に球団が「右足腓骨の骨折」と発表。  ◆5日 鳴尾浜でリハビリ開始。「(けがの状態は)痛いに決まってるやろ! 腫れはない。今からトレーニングしてくるわ!」と超人節を披露。すでにトス打撃を再開していることも判明。金本監督は「オールスター明けぐらいに」。  ◆12日 オールスター出場が判明。球団関係者が「球宴明け10試合以内には復帰したい、と。迷惑をかける形になり、本当に申し訳ないが、できる範囲で球宴には出場したいと、本人は言っている」と説明

◆筒香は本塁打競争で、14日に行われる決勝に進出した。今年から8選手がトーナメント方式で2日間に渡って優勝を争い、球数無制限の3分間で本数を競う形に変更。1回戦で中田(日本ハム)に9-2で完勝すると、準決勝では10本の吉田正(オリックス)に対し14本を放って歓声を浴びた。計23本を放ったスラッガーは「(投手役を務めた)チャモ(ロペス)が打ちやすいボールを投げてくれたおかげ」と同僚に感謝。決勝に向け「フルスイングで優勝できるように頑張ります」と宣言した。

◆「平成の怪物」が平成最後のオールスター戦で戻ってきた。全セ・松坂大輔投手(37)=中日=は1回5失点と打ち込まれ、予定していた2イニングを投げ切れずに降板。12年ぶりの球宴を「マウンドに立ててよかったが、(リードを許す展開にして)申し訳ない」と振り返った。  一回、いきなり秋山(西武)にカットボールを右翼席へ運ばれた。続く柳田(ソフトバンク)をカットボールで空振り三振に斬ったが、なお一死一、二塁で吉田正(オリックス)に適時打を許し、森(西武)には3ランを浴びた。それでも「直球系で勝負にいって返り討ちにあったが、柳田選手からの三振は気持ちよかった」と汗を拭った。  6月17日の西武戦(メットライフ)の登板を、背中を痛めて回避し"ぶっつけ本番"で臨んだ舞台。試合前には同じ年にプロ入りした43歳の上原(巨人)に「お互い年をとったな」と声を掛けられ「上原さんも(記念撮影で)『よっこいしょ』と言ってましたね」。そんなやり取りで周囲を爆笑させるなど、久しぶりの晴れ舞台を楽しんだ。  日本球界復帰後、昨季までは右肩の故障に苦しみ、テストを受けて今季入団した中日では7試合で3勝、防御率2・41と復活の兆しを見せる。セ先発部門で最多の39万4704票を集め「いっぱい声援をいただいて自分自身、驚いた」と松坂。37歳で戻った輝けるステージ。かみしめるような30球だった。 (三木建次) ★「代打で出て」  球宴第2戦が行われる熊本・リブワーク藤崎台球場の関係者は「本当は熊本で投げてほしかった。松坂さんには代打で出場してほしい」と訴えた。2016年の熊本地震で同球場は壊滅的な被害を受けた。その復旧費用として当時ソフトバンクに在籍していた松坂は1000万円を寄付した。当日は外野を無料開放して熊本県内の3500人の子供たちを招待するという。 ★松坂とオールスター  ◆初出場 1999年の第1戦で高卒新人では34年ぶりに先発。同じ新人の上原(巨人)と投げ合った。松井(巨人)を左飛に打ち取ったが、3回2失点で敗戦投手となった。  ◆MVP 2004年第1戦は三回から登板。2回無失点で勝利投手となり、MVPに輝いた。  ◆実は苦手!? 99、00、01年と3年連続で敗戦投手。これはワースト記録。  ◆通算成績 7試合で1勝3敗、13イニングを投げて13奪三振、防御率11.77。

◆全セ・筒香(DeNA)が三回に同点2ラン。球宴での本塁打は2016年第1、2戦、17年第1戦に次ぐ3年連続で通算4本目。3年以上続けて本塁打を放ったのは、1962-64年の山内一弘(大毎→阪神、3年)、80-82年の掛布雅之(阪神、3年)、81-85年の山本浩二(広島、5年)、92年-94年の佐々木誠(ダイエー→西武、3年)、97-01年の松井秀喜(巨人、5年)に次いで17年ぶり6人目で、DeNAでは前身球団を含めて初めて。

◆今年1月に野球殿堂入りした阪神・金本知憲監督(50)、松井秀喜氏(44)、原辰徳前巨人監督(59)の表彰式が13日、「マイナビオールスターゲーム2018」の第1戦(京セラ)前に行われた。控え室で松井氏に「大変そうですねえ」と心配された金本監督は、「子どもたちが憧れるような選手を育てていきたい」と宣言。改めて若手育成を誓い、後半戦に臨む。  決意を新たにする、夢舞台となった。原氏、松井氏という巨人のレジェンドと再会した京セラドームの控え室。金本監督は、日本時代にしのぎを削った日米通算507発の"ゴジラ"から心配されたことを明かした。  「『大変そうですね』『大変ですか?』と言われたんかなぁ。どういう意味か(笑)」  人気球団の阪神を指揮して3年目。勝負の年と位置づける今年は前半戦3位も、借金3だ。何より、チーム打率がリーグ最低の・243-。  「あぁ。打てんから、大変や」  金本監督はジョークで返して、松井氏を笑わせたというが...。11日の前半戦の総括会見では「野手に関しては計算違いが多い」と吐露した。育成の道のりの厳しさは身に染みてわかっている。だからこそ、挑む。直後の殿堂入り表彰式。キラキラとした目で球宴に駆けつけた子供たちを前に、力強く宣言した。  「野球界の発展ということでも尽力していきたい。まずは子どもたちに野球の楽しさ、素晴らしさを伝えていき、今、指導者として現場にいますが、子どもたちが憧れるような選手を育てていきたいと思っております」  4人が出場している球宴だがファン投票では球団9年ぶりに0だった。それが現実。しかしスター候補がいないわけではない。「陽川の顔じゃ、無理かな?」。売り出し中の"虎のゴジラ"を引き合いに笑ったが、すぐに真顔になった。  「スター性をもった選手はいると思う。名前は挙げませんけど。ファンが見たがるような、その選手の打順がまわるごとに(テレビの)チャンネルを変える(合わせる)ような。俺もそういう経験があるから。そういう選手を作っていきたいという思いもあるし、なって欲しいと思う」  あえて名前は挙げなかったのは、全員に可能性があるからだ。陽川や高山、大山、北條、中谷ら期待の若手はいる。簡単には成長できなくても、地道に継続すれば必ず花は咲くと信じている。  自身が初めて親に買ってもらったグラブは原氏のモデルだったという。  「原さんにも憧れていたし、もちろん(地元)カープの(高橋)慶彦さんとか(山本)浩二さんにも憧れた」  ちょうど1年前。同じ殿堂入りで表彰された元阪神監督の恩師、星野仙一氏(享年70)も生前、野球人気の上昇、底辺拡大を訴え続けていた。その思いを受け継ぐ。  自らのレリーフに「実感あるね。重たい」と目を細めた。この感触こそ野球界発展に貢献しなければいけない重みだ。7ゲーム差で首位広島を追い、16日の巨人戦(甲子園)から後半戦に突入する。13年ぶりのリーグ優勝へ。虎からスターを輩出し、そして勝つ。自らの信念を改めて、胸に刻んだ。  (阿部祐亮) ★今後は「考え中」  巨人、ヤンキースなどで日米通算507本塁打を記録した松井氏は、後輩の巨人・坂本勇から花束を受け取り、「野球人として最高の栄誉」と実感を込め、師弟関係にあった巨人・長嶋茂雄終身名誉監督に感謝した。自身の今後については「まだ考え中。今の自分の役割、やらなくてはいけないこと。それが将来にどうつながるか分からないけど、考えなくてはいけない」と話した。 ★金本監督、前半戦総括VTR  借金3の3位で前半戦を終えた11日、金本監督は「想像していたよりは厳しい前半戦になったのかなと思っています」と総括。「守備面でのミスからの失点と打つ方ですかね。野手に関しての手応えは、実はあまり感じてない。就任して3年目なんですけど、1、2年目と特に若手の底上げに取り組んできたんですけど、なかなか...。何人かの期待した選手は伸び悩んでいる、と。計算違いというか、野手に関しては多いですね」。あえて名前は伏せたが、厳しい言葉で若手の奮起を促した。 ★金本監督と松井氏  金本監督は1992年D4位で広島に入団し、2003年に阪神へ移籍(通算476本塁打、2539安打)。松井氏は1993年D1位で巨人に入団し、2003年に米大リーグ、ヤンキースへ移籍(日米通算507本塁打、2643安打)。02年まで広島と巨人の主砲としてしのぎを削り、左打ちの外野手、素振りを大切にするなど共通点が多い。また金本監督は1492試合連続フルイニング出場の世界記録を持つが、松井氏も06年に骨折で途切れるまで日米通算1768試合連続出場の"鉄人"だった。

◆今年、新たに野球殿堂入りした松井秀喜氏(44)、阪神・金本知憲監督(50)、原辰徳氏(59)の表彰式が13日、オールスターゲーム第1戦(京セラ)の試合前に行われた。  巨人、ヤンキースなどで日米通算507本塁打を記録。1月の通知式を欠席していた松井氏は、後輩の巨人・坂本勇から花束を受け取り「野球人として最高の栄誉」と実感を込め、師弟関係にあった巨人・長嶋茂雄終身名誉監督(82)に感謝した。自身の今後については「まだ考え中。今の自分の役割、やらなくてはいけないこと。それが将来にどうつながるか分からないけど、考えなくてはいけない」と話した。  巨人監督として7度のリーグ優勝、日本代表監督として2009年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で優勝した原氏は、14年に78歳で死去した父・貢さんとの思い出を振り返り「天国で喜んでくれていると思います」と感無量の様子だった。

◆全パが全セに7-6で勝ち、昨季からの連勝を3に伸ばした。全パの「7番・捕手」で先発出場した森友哉捕手(22)=西武=が、2点リードの一回に3ランを放つなど、2安打3打点の活躍で最優秀選手(MVP)を初めて獲得した。「1番・中堅」の秋山翔吾外野手(30)は史上初となる2年連続の先頭打者本塁打を放ち存在感。真夏の祭典も「獅子おどし打線」が席巻した。 試合後 記念撮影に臨む最優秀選手賞の全パ・西武の森友哉(前列中央)、敢闘選手賞の全パ・ソフトバンクのデスパイネ(後列左)、全セ・DeNAの筒香嘉智(同中央)、広島の鈴木誠也【拡大】  腕がちぎれんばかりのスイングで22歳の若獅子、森が自身初のMVPをつかみ取った。  「全部真っすぐできていたので、フルスイングしようと思っていた。松坂さんとはずっと対戦したかった。一生の思い出になると思います」  2点を先制し、なお二死一、三塁で西武の大先輩、松坂と対峙(たいじ)。真ん中高めの137キロをガツンとたたき、右翼ポール際に3ランを運んだ。地元・大阪出身。スタンドから両親が見守る中での一発に「これ、いけるんちゃうかな」とMVPを予感し、全パが1点リードの九回二死無走者で小林(巨人)が左中間に大きな飛球を放った場面を「『入らんといてー』と思いました」と振り返り、笑いを誘った。  2015年の第2戦(マツダ)に続く自身2戦連発。15歳下の森にとって松坂のイメージは「西武時代の印象はないけれど、メジャーでバリバリやっていたテレビの中の人」だという。6月17日の交流戦(メットライフ)では松坂が試合開始直前に背中の張りを訴えて登板を回避。待望の初対戦で結果を出した。 カコーン、カコーン。前半戦のパ・リーグを席巻した西武・辻監督命名「獅子おどし(本来の表記は鹿威し)打線」が球宴でも快音を響かせた。  2年連続で真夏の祭典の号砲を鳴らしたのは全パの1番・秋山だ。一回先頭で松坂の内角低めの球をすくい上げ、右翼席へ運び、昨年の第1戦(ナゴヤドーム)に続く初回先頭打者本塁打。球宴史上初の2年連続の劇弾にも「いいポイントで打てたけど、もう一本打てればよかった」と悔しさをにじませた。  球団として、パ・リーグを3連覇した1992年以来となるファン投票での6人選出を果たした今年の西武。浅村、外崎も安打を放ち、六回には山川が7点目となる中前適時打と全パの7打点のうち5打点を西武勢が挙げた。12球団トップのチーム打率・276、436得点を誇る強力打線は、スターが集う舞台でも、ひと際輝いていた。 (花里雄太)

◆オールスター男だ!! 全パが7-6で全セに勝ち、通算成績を83勝78敗11分けとした。全セの筒香嘉智外野手(26)=DeNA=は、本塁打競争で計23本をマークし決勝に進出。「4番・左翼」で先発出場した試合では三回に2ランを放った。1997-2001年の松井秀喜(巨人)に次いで17年ぶり6人目となる3年連続本塁打で、敢闘選手賞(賞金100万円)を獲得した。第2戦は14日、16年に起きた熊本地震の復興支援の一環として熊本市のリブワーク藤崎台球場で行われる。  圧巻の力勝負に、見事な一振りで完勝した。2点を追う三回二死三塁。筒香は、全球150キロ超えの直球で挑んできた山本(オリックス)の151キロの真っすぐを捉え、左中間席へたたき込んだ。"日本の4番"と19歳の若武者。男と男のぶつかり合いに、3万3497人が酔いしれた。  「最後は、しっかり捉えることができた。手応え十分です」  剛速球に最初は手を焼き、8球目まで6本のファウルと2つのボール。だが、最後の9球目。外角の球を逆らわずに振り抜き、悠然とダイヤモンドを一周した。  大先輩の負けを消す一撃となった。この日は、横浜高で11学年上の松坂が12年ぶりとなる球宴で先発。一回に5失点し、敗戦投手になる"危機"にいた先輩を救う一時同点のアーチに、筒香は「結果的に、そうなってよかった」と笑った。  高校時代の松坂の雄姿に憧れ、和歌山県出身ながら横浜高へ進学した。4月30日に初対戦が実現し、今度は初の共闘。マウンドに立つ松坂を左翼から見守り「あの景色は絶対に忘れない。幸せな時間だった」と心を震わせた。恐れ多くて会話を楽しむ余裕はなかったというが、球宴ならではのひとときを存分に味わった。  もう一人、憧れの人も試合を見守っていた。試合前の野球殿堂入りの表彰式に松井秀喜氏が出席。筒香が理想の4番に挙げる存在で、2015年2月にはDeNAの臨時コーチとして沖縄・宜野湾キャンプで直接指導を受けた縁もある。  そんな松井氏の"御前"で、同氏以来17年ぶりとなる3年連続の球宴弾を達成。「一緒にプレーすることはかなわなかったけど、少しでも追いつけるように頑張りたい」。言葉に強い思いがあふれた。  日頃から野球人口の減少を危惧する。サッカーW杯ロシア大会で日本代表が16強に進出し、日本中がフィーバーに沸く中で「W杯が終わっても、このままサッカー人気が上がっちゃいますかね」とつぶやいた。野球も負けていられない。2年後の東京五輪で「日本の4番」と期待される26歳は、少しでも多くの人に野球の楽しさを伝えるため、この夢舞台でも全力を尽くす。  試合前の本塁打競争では1回戦、準決勝の6分間で計23本のアーチを描いた。直後の試合で、今度は3年連続弾。その姿は、球場に駆けつけた子供たちの心を捉えたに違いない。  「明日(14日)も、たくさんのファンの皆さん、子供たちが球場に足を運んでくれると思うので、フルスイングでたくさん本塁打を見せられたらと思います」。熱い思いと責任感を胸に、筒香は球宴、球界を盛り上げる。(伊藤昇) 筒香に2ランを浴びた全パ・山本(オリックス)  「(直球勝負と)決めてはいなかったけど、いけるところまで真っすぐで、と」 ★筒香球宴VTR  2015年から4年連続でオールスター戦に出場しており、16年の第1戦で初本塁打を放つと、2戦目でもアーチを掛け敢闘選手賞に選ばれた。17年の第1戦では、史上2位に並ぶ3試合連続本塁打をマーク。今年も1本塁打を放ち、3年連続本塁打を記録した。 ★主なオールスター男  ◆清原和博 西武時代の1986年に高卒新人ながら初出場し、第2戦で本塁打を放ちMVPを獲得。西武、巨人、オリックスで計18度出場し、43試合で打率.365、13本塁打をマークするなど活躍し、MVPは球宴史上最多の7度。  ◆松井秀喜 巨人でプロ2年目の94年に球宴に初出場。翌95年の第2戦で3安打1打点で初めてMVPを獲得した。97-2001年には5年連続で本塁打を放つなど22試合で打率.321、8本塁打、18打点と本塁打で球宴を盛り上げた。

◆球宴と呼ばれるオールスターは文字通り、球界のお祭り。常連も初出場も「楽しい」と口をそろえ、リラックスした笑顔が印象的だ。「結果を気にしなくていい。ノープレッシャーです」。そんな談話が目立つ中、1人だけ、いや、2人だけは違う。6チームの一流選手を率いる監督は想像以上に大変な仕事だ。  京セラドームでの第1戦で、全パの工藤公康監督(55)=ソフトバンク=が決めた先発メンバーは、単純にファン投票選出者を並べただけではなかった。「1番」から「3番」に打率・350前後のリーグ上位。注目は「4番」以降だ。大阪桐蔭高OBの中田(日本ハム)、浅村(西武)、森(西武)とPL学園高出身の今江(楽天)。そしてオリックスの吉田正と安達。すべて大阪に縁のある選手を選んだ。第2戦は震災からの復興を目指す熊本。熱心な支援を続けるソフトバンクナインは今季、雨天中止で公式戦を戦えなかった。「ホークスの選手はできるだけ熊本で」と話していた。  「せっかく出るんだから、できるだけみんなが平等に、いい形で試合に出られるようにしたい」  直前まで何度も再考した起用法には「やり過ぎ」といわれてもおかしくないほどの気遣いが込められている。事前に、自ら各球団のホームページをのぞいたという。プロフィルで出身地や経歴を確認。「ロッテさんなんか、趣味まで書いてあったから読んじゃったよ」。家族や親戚(しんせき)がどちらの試合を観戦するのかも確認しながら、29人の出番を決めた。  監督推薦の選抜も「成績も人気も」と熱心に悩む姿が印象的だった。選手の体調やチーム事情も考え、各球団の監督に相談。いい返事をもらう度に、本当に喜んでいた。  何よりも大切なのは、選手を無事に送り返すこと。第1戦の終了直後には吉田正(オリックス)を呼ぶと、脱帽して頭を下げた。唯一のフルイニング出場。試合中も「大丈夫か」と何度も確認したという。この日は球宴通算5試合目の指揮で「初勝利」のご褒美がもらえた指揮官。本当にご苦労さまです。(安藤理)