ヤクルト(★3対6☆)巨人 =リーグ戦13回戦・明治神宮=
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巨人
01220 0100 6110
ヤクルト
00000 1110 3121
勝利投手:メルセデス(1勝0敗0S)
(セーブ:マシソン(0勝2敗5S))
敗戦投手:ブキャナン(6勝6敗0S)
  DAZN
◆巨人が一発攻勢で3連勝。巨人は2回表、長野のソロで先制に成功する。続く3回にマギーが2ランを放つと、4回には坂本勇の2ランが飛び出し、リードを広げた。投げては、来日初先発のメルセデスが5回無失点で初勝利。敗れたヤクルトは、打線が終盤に追い上げを見せるも、及ばなかった。

◆巨人が8日、育成選手のクリストファー・クリソストモ・メルセデス投手(24)と支配下選手契約を結んだことを発表した。背番号は95。契約金、年俸ともに5万ドル(約550万円)。  メルセデスは来日2年目、ドミニカ共和国出身の最速152キロ左腕で、今季は2軍で先発3試合を含む6試合に登板し、防御率2・05。東京ドームで会見を行い、持ち味は「角度、スピード、コースを突ける真っすぐ」とアピール。明日10日ヤクルト戦に1軍先発デビューすることが濃厚だ。また、前半戦最終戦となる11日同戦は中5日で山口俊が先発。広島3連戦でベンチ入りのルーキー鍬原は中継ぎ待機する。(金額は推定)

◆8日に育成から支配下登録選手となった巨人クリストファー・クリソストモ・メルセデス投手(24=ドミニカ共和国)が来日初登板初先発し、5回5安打無失点で、勝利投手となった。育成出身のプロ初登板初先発初勝利は、プロ野球史上初となる。  テンポよくストライクゾーンへ投げ込んだ。初回2死から山田に左前打を打たれるが、バレンティンを二ゴロに打ち取った。2回は3者凡退に切ったが、3回以降は毎回安打を許した。それでも、5点リードの5回2死二塁のピンチも西浦を遊ゴロに打ち取り、しのいだ。  最速147キロの直球、130キロ前半のカットボールと120キロ中盤のスライダーを織り交ぜ、両コーナーを突いた。無四球で88球を投げきり、役目を十二分に果たした。

◆8日に育成から支配下登録選手となった巨人クリストファー・クリソストモ・メルセデス投手(24=ドミニカ共和国)が来日初登板初先発し、5回5安打無失点で、勝利投手となった。育成出身のプロ初登板初先発初勝利は、プロ野球史上初。  試合後のヒーローインタビューでは初々しく帽子をとって日本語で「アリガトウゴザイマス」と頭を下げて表情を緩めた。「1軍でこういう結果が残せてハッピー。とにかくコースをついて四球を出さないことを意識した。コースをついて投げきることができた」と投球を振り返った。  テンポよくストライクゾーンへ投げ込んだ。初回2死から山田に左前打を打たれるが、バレンティンを二ゴロに打ち取った。2回は3者凡退に切ったが、3回以降は毎回安打を許した。それでも、5点リードの5回2死二塁のピンチも西浦を遊ゴロに打ち取り、しのいだ。  最速147キロの直球、130キロ前半のカットボールと120キロ中盤のスライダーを織り交ぜ、両コーナーを突いた。無四球で88球を投げきり、役目を十二分に果たした。

◆ヤクルト先発のデービッド・ブキャナン投手が、5回7安打5失点でKOされた。低めに制球できず、2回に長野に7号ソロ、3回にはマギーに9号2ラン、4回には坂本勇人に13号2ランを浴びた。  6連敗中のチームに主導権を持ってくることはできず、2試合連続の5回降板。「今日は高めの球をうまく打たれてしまい、なかなか修正できなかった。チームを良い流れに持って来られなくて申し訳ないです」と反省した。

◆ヤクルトが今季初の7連敗で、6月4日以来となる単独最下位に転落した。  先発ブキャナンが5回までに3本塁打で5失点で降板。打線も12安打を放ちながら好機を生かし切れず、3得点に終わった。  小川淳司監督は「本塁打3本はちょっとね。ブキャナンはコースが高いし、甘い。今日は制球が定まっていなかった。打線はここで1本ってところでなかなか出ていない状況がここのところ多い。守りや走塁のミスも重なっている。いろんなものをしっかりやらないといけない。とにかく明日、総力戦でなんとか勝ちにいかないといけない」と話した。

◆8日に育成から支配下登録選手となった巨人クリストファー・クリソストモ・メルセデス投手(24=ドミニカ共和国)が来日初登板初先発し、5回5安打無失点で、勝利投手となった。育成出身のプロ初登板初先発初勝利は、プロ野球史上初となる。  先発はヤクルトがブキャナン。巨人は2回に長野が7号先制ソロ。3回にマギーの9号2ランで加点。4回に、坂本勇が13号2ラン。ヤクルトは6回に畠山の適時打で1点を返した。巨人は7回2死満塁、代打阿部の適時内野安打でダメ押した。ヤクルトは今季初の7連敗。

◆巨人がヤクルト・ブキャナンを1発攻勢で攻略した。まずは2回。長野久義外野手(33)が口火を切った。1死走者なしから右翼席最前列へ先制となる7号ソロ。「風です、風」と振り返ったが、打球はグンと伸びた。  3回はケーシー・マギー内野手(35)が続いた。2死一塁から右翼席最前列へと運ぶ9号2ラン。「メルセデスが初登板なので、先に点を取って、楽に投げさせてあげたいと思っていた」とリードを3点に広げた本塁打を喜んだ。  最後は坂本勇人内野手(29)が放った。1死一塁から146キロの内角球をとらえて左翼席中段へとぶち込んだ。5点差となる13号2ランに「低めのボールをしっかりととらえられました。手応えも良かったですし、いい角度で上がってくれました」と振り返った。  3本の本塁打で連勝を3とした。

◆巨人に燃費抜群の"育成車"が誕生した。9日に育成から支配下登録された巨人クリストファー・クリソストモ・メルセデス投手(24=ドミニカ共和国)が来日初登板初先発。188センチ左腕は最速を147キロに抑えて5回5安打無失点で勝利投手となり、チームを2位に導いた。育成出身の初登板初先発初勝利はプロ野球史上初。年俸2万ドル(当時約230万円)から2シーズンで日本式装備を積んだ外国製ボディーで、後半戦へ名門のエンジンをフルスロットルにする。  夢のような瞬間だった。メルセデスはウイニングボールを手に高橋監督とまばゆいフラッシュを浴びた。「とてもハッピーな気持ち。ボールは母に渡したい」。母国ドミニカ共和国にいる母ノルマさんへ感謝し、表情が和らいだ。プロ野球史上初の育成出身の初登板初先発初勝利の偉業を成し遂げ、白い歯がこぼれた。  繊細に攻めた。188センチの長身から長い腕を振った。「コースをついて、四球を出さないように」と来日から磨いた低めへの制球力で、最速147キロの直球を両端へ集めた。130キロ台前半のカットボールで右打者の内角をえぐり、120キロ台中盤のスライダーを決め球にした。5回2死二塁も、西浦をスライダー1球で遊ゴロに。「ピンチは形にこだわらず、アウトを目指した」。5回5安打無四球で、燕打線をゼロに封じた。 ハングリーに牙をといだ。昨年1月に来日。同い年の妻カロリーナさんと昨年誕生した息子クリストファーJrくんを母国に残した。気分転換は同じ寮生で6月に支配下登録されたアダメス、育成のマルティネスとの食事。「マクドナルドではハンバーガー(100円)、サイゼリヤではチキンステーキ(499円)を食べるよ」。育成の肩書が取れ、年俸2万ドルから5万ドル(約550万円)に。「妻と息子によりよい生活をさせるために頑張る」と一家の大黒柱としても役割を果たした。 未来が開けた。外国人枠の兼ね合いもあるが、高橋監督は今後へ「投げると思うよ」と後半戦のローテ入りの可能性も十分とした。チームは近年、若手の育成に尽力。岡本らに加え、中米での発掘テストを経て、育成で獲得した外国人も台頭し「(2軍で)結果を残してきた選手が1軍でも結果を残すとチームとしても大きい」と手応えをつかんでいる。「もっと練習して長い回を投げたい」と貪欲な助っ人左腕の存在が、浮上のきっかけになる。【桑原幹久】
 ◆クリストファー・クリソストモ・メルセデス 1994年3月8日、ドミニカ共和国生まれ。12年から15年までレイズ傘下のマイナー球団でプレー。17年1月に巨人と育成契約。今季は2軍で先発3試合を含む6試合に登板し、防御率2・05。9日に支配下登録された。背番号95。契約金、年俸ともに5万ドル(約550万円)。188センチ、82キロ。左投げ左打ち。

◆巨人・長野久義外野手(33)が10日、ヤクルト13回戦(神宮)に「6番・右翼」で先発出場。二回一死から、右翼席へ先制の7号ソロを運んだ。  この日の先発は、8日に支配下登録選手となったドミニカ共和国出身のメルセデス。「多少は緊張すると思う」と話していた24歳の助っ人左腕を援護する一撃となった。

◆巨人のケーシー・マギー内野手(35)が10日、ヤクルト13回戦(神宮)に「3番・三塁」で先発出場。1点リードの三回二死一塁から右翼席への9号2ランを放った。  「メルセデスが初登板なので、先に点を取って、楽に投げさせてあげたいと思っていた」  後輩思いの助っ人だ。8日に支配下登録となったメルセデスは、この日が初登板先発。1点でも多くの援護点がほしい中、35歳のベテラン助っ人が序盤で貴重な追加点を挙げた。

◆巨人・坂本勇人内野手(29)が10日、ヤクルト13回戦(神宮)に「1番・遊撃」で先発出場。3点リードの四回一死一塁から、左翼席中段への13号2ランを放った。  完璧な一撃だった。打った瞬間スタンドインと分かる打球に、ヤクルトの左翼手・バレンティンは一歩も動かなかった。試合前まで6連敗中のヤクルトを相手に、序盤からリードを広げた。

◆巨人のクリストファー・クリソストモ・メルセデス投手(24)が10日、ヤクルト13回戦(神宮)に初登板先発。5回88球を投げ、5安打無失点と好投し、マウンドを降りた。  テンポ良く投げ込んだ助っ人左腕。二回以外は走者を許すも、武器である角度のある直球でヤクルト打線を翻弄した。序盤から援護点をもらい、順調にアウトを重ね、チームにいい流れを呼び込んだ。

◆ヤクルトのブキャナンは3本塁打を許して5回5失点と先発の役割を果たせなかった。「高めの球をうまく打たれてしまい、なかなか修正できなかった」と肩を落とした。  二回1死では長野への外角速球が浮き、三回2死一塁ではマギーへのカットボールが高めに入り、ともに右越えのアーチを許した。四回には坂本勇に左越えの2ランを浴びた。前半戦最後の登板で勝ち星はならず「チームにいい流れを持ってこられなくて申し訳ない」と悔しそうだった。

◆巨人が逃げ切り、3連勝。来日2年目で初先発のクリストファー・クリソストモ・メルセデス投手(24)が5回88球を投げ、5安打無失点無四球と好投し、デビュー戦を白星を飾った。  ドミニカ共和国出身の左腕はウイニングボールを手に笑みを浮かべた。試合後、神宮球場で高橋監督とのツーショットに収まった。  この試合、先制したのは巨人。二回、一死から長野がブキャナンから右越え7号ソロを放った。巨人は三回二死一塁から、マギーが右越え9号2ランを放ち、3-0とした。四回には一死一塁から坂本勇が左越え13号2ランを放ち、5-0とした。  ヤクルトは六回、一死から山田哲が遊撃内野安打。その後二死二塁から、畠山が中前に落ちる適時打で1点を返した。巨人は七回、二死満塁とし、代打・阿部の二塁への適時内野安打で6-1とした。ヤクルトはその裏、上田の右中間適時二塁打で1点を返した。八回にも雄平の適時打で1点を返したが、及ばず。チームの連敗は7となった。
巨人・メルセデスの話 「非常にいまハッピーな気持ちです。初登板初勝利、しかも1軍で結果が残せたので非常にうれしく思います。とにかくコースに突いて四球を出さないことを意識しました。ちょっとスリーボールになったところもありましたけど、コースを突くことを忘れずに投げ切ることができた」

◆巨人が逃げ切り、3連勝。来日2年目で初先発のクリストファー・クリソストモ・メルセデス投手(24)が5回88球を投げ、5安打無失点無四球と好投し、デビュー戦を白星を飾った。ウイニングボールを手にしたメルセデスは試合後、喜びに浸った  --初登板初勝利、いまどんな気持ち  「非常にいまハッピーな気持ちです。初登板初勝利、しかも1軍で結果が残せたので非常にうれしく思います」  --ピッチングを振り返って  「とにかくコースに突いて四球を出さないことを意識しました。ちょっとスリーボールになったところもありましたけど、コースを突くことを忘れずに投げ切ることができた」  --味方打線も援護してくれた  「3本、本塁打を打ってくれて非常に助けてくれました。ナイスバッティングだと思います」  --故郷、ドミニカの家族にどんな報告を  「初登板初勝利の非常にいいニュースを家族に報告したい」  --ファンに一言  「熱い声援ありがとうございました。これからも引き続きがんばりますので、応援よろしくお願いします」

◆巨人は一発攻勢で得点を重ねた。二回に長野の右越えソロで先制し、三回にもマギーが右翼へ2ラン。四回には坂本勇が2ランを放ち、1軍初登板のメルセデスを力強く援護した。  坂本勇はブキャナンの膝元の球を豪快に左翼席へ運んだ。「低めの球をしっかり捉えられた。手応えも良かったし、いい角度で上がってくれた」と納得の表情だった。
高橋監督(メルセデスに) 「制球が良かった。次も期待したい」

◆ヤクルトは投打がかみ合わず、今季初の7連敗で6月3日以来の単独最下位に転落した。小川監督は「好機はつくったが、ここで一本というのが出ていない」と12安打で3点止まりの拙攻を嘆いた。  前日9日に初のサイクル安打を達成した山田哲は2試合連続の4安打で打率を3割に乗せ、気を吐いた。自身の打撃には「甘い球を仕留められている」と手応えを口にしたが、表情はさえない。前半戦最後の11日の試合に向け「とにかくそれ(勝つ)しかない。頑張る」と話した。
畠山(メルセデスに) 「打てないのが悪いけど、いい投手だと思う」 上田(七回に適時二塁打) 「打者有利のカウントだったので思い切って打ちにいった」 ヤクルト・田畑投手コーチ(ブキャナンに) 「根気よく投げてほしかった」

◆脳振とう特例措置で出場選手登録から外れているヤクルトの青木が11日の試合で復帰する見込みになった。6月30日に頭部に投球を受け、脳振とうの症状を訴えていたが、試合前の全体練習に参加し、「大丈夫。症状は出ていない」と話した。  チームは青木が負傷した試合から7連敗と元気がない。青木は「状況は分かっている」ともどかしそうだった。

◆D2位・大下(三菱重工広島)が、11日の巨人戦(神宮)でプロ初先発する。「先発へ向けての準備は、やれることはやってきた」と気を引き締めた。試合前には西日本豪雨の被害者支援のための募金活動が行われ、甚大な被害を受けた広島出身の大下も小川と参加。「生まれも育ちも広島なので、早く普通の日常に戻ってほしいです」と語った。巨人の菅野、内海も参加した。

◆前日9日に4打数4安打でサイクル安打を記録した山田哲がこの日も広角に打ち分け、第4打席まですべて安打。第5打席は三ゴロで、連続打数安打は8で止まったが、打率を再び3割(・302)に乗せた。「調子はいいわけではないけれど、スイングがいいんだと思う」。それでも7連敗に表情は険しく「勝つしかないです。頑張ります」と次の試合を見据えた。

◆ヤクルト・荒木貴裕内野手(30)が10日の巨人戦の八回に、巨人・沢村の151キロの直球を左手に受ける死球で途中交代。東京都内の病院で検査を受けた結果、「左手小指付近の骨折」と診断された。小川監督が明らかにした。11日に出場選手登録を抹消され、D7位・松本直樹捕手(24)=西濃運輸=が1軍に昇格する。

◆ヤクルトは巨人に3-6で敗れ、今季ワーストの7連敗。6月3日以来の単独最下位に沈んだ。  相手を上回る12安打を放ちながら、得点はわずか3。小川淳司監督(60)は「チャンスは作れていたけど、ここというところで一本が出なかった」と苦い表情を浮かべた。  代打を含む1、3、5、7、9番の奇数打順の打者で全12安打を放ったが、偶数打順の打者は無安打と、つながりを欠いた。投手陣も精彩を欠いた。7連敗中はいずれも先制点を許しており、試合の主導権を握れない。この日も先発のブキャナンが5回までに3発を浴びて5点を失った。  11日には、頭部死球を受けて脳振とうの症状があったため登録を抹消されていた青木が再登録される見通しで、山田哲は2日連続の4安打と明るい材料もある。指揮官は「総力戦じゃないけれど、なんとか勝ちにいかないといけない」と視線を鋭くした。オールスター戦の休養前、前半戦最後の試合で意地を見せる。 (横山尚杜)

◆巨人は10日、ヤクルト13回戦(神宮)に6-3で勝利。打線が一発攻勢を見せ、初登板のメルセデスに初白星をプレゼントした。  薄暮の神宮に白球が舞った。長野が二回、右翼席へ先制の7号ソロを放つと、三回はマギーが初球攻撃。右翼席へ2戦連発となる9号2ランを運んだ。  「(相手先発のブキャナンは)楽な相手じゃない。打てる球は積極的にいこうと思っていた」とマギー。続けて「メルセデスは多少の緊張はあったと思う。援護できたことで落ち着けたならよかった」と気遣った。  3本目のアーチは坂本勇だ。四回、低めの速球を仕留めた打球は、左翼席中段に飛び込む13号2ラン。打った瞬間、スタンドインと分かる打球に左翼手・バレンティンは一歩も動かなかった。  「低めのボールをしっかり捉えられました。手応えもよかったですし、いい角度で上がってくれました」と坂本勇。三回の遊撃内野安打と八回の三塁安打を含め、3安打の固め打ちだった。  「いい攻撃ができたし、いいところで一発が3本出ましたね。(七回に代打で適時内野安打の阿部)慎之助も大きかった」と高橋監督。11日が前半戦ラストゲーム。4連勝締めで後半戦に突入する。 (吉村大佑)

◆巨人は10日、ヤクルト13回戦(神宮)に6-3で勝ち、3連勝でセ・リーグ2位に浮上した。クリストファー・クリソストモ・メルセデス投手(24)が先発で初登板し、5回88球を投げて5安打無失点で初勝利。昨年、育成契約で入団し、今月9日に支配下登録が公示されたばかりの左腕が、育成出身選手としてはプロ野球初となる先発での初登板勝利を達成した。試合のなかった首位・広島とは6・5ゲーム差。新戦力の台頭が、逆転Vを引き寄せる。  異国の地で一歩目を踏み出した。1万3000キロ以上離れたドミニカ共和国からやってきたメルセデスが初登板勝利。G党からの大歓声に、満面の笑みで応えた。  「試合終了の瞬間は、とてもハッピーな気持ちで興奮しました」  持ち味を発揮した。1メートル88の長身を生かした角度のある直球、スライダー、チェンジアップを低めに集め、15個中11個(併殺打を含む)がゴロアウト。二回以外は走者を背負ったが「アウトを取ることだけに集中した」と冷静だった。  昨季、育成選手として入団し、前日9日に支配下登録を公示されたばかり。イースタン・リーグで結果を残し、チャンスをつかんだ。育成出身選手の先発での初登板勝利はプロ野球初。今月1日には来日1年目のヤングマンが初登板勝利を挙げており、同一シーズンに2人の外国人投手がマークするのは球団史上初の快挙となった。首位・広島追撃へ、不安定だった先発陣に"救世主"が続けて現れた。  「一瞬一瞬、その日その日は長く感じるときもあったけど、振り返ればあっという間だった」と、左腕は支配下登録までの道のりを振り返る。支えとなったのは2016年に結婚した夫人のカロリーナさん(24)。無料通信アプリ「Whats App」を使い、母国にいる愛妻と1、2時間ほど話すのが日課で、契約が決まった際にも「うれしかったみたいで泣いていた」という。昨年には第1子も誕生。「ファミリーをこっち(日本)に呼ぶために頑張ってきた」と24歳のパパは奮闘する。  休養日には"庶民派グルメ"を楽しんでいる。同郷のアダメス、育成のマルティネスとイタリアンレストラン「サイゼリヤ」に行き、チキンのグリルを決まって頼む。ラーメン、うどんなど日本食も好む親日家で、ファンには名前の頭文字を取り「『C.C』と呼んでくれ」とアピールした。  チームを3連勝での2位浮上に導いたのはドイツの高級車...ではなく、年俸550万円と"格安"の助っ人、メルセデスだ。「いいピッチングでした。また次も期待したい」と高橋監督。後半戦へ、巨人に反撃のピースがそろいつつある。 (赤尾裕希)
メルセデスについて巨人・斎藤投手総合コーチ 「何も言うことがない。5回無失点だよ。育成から上がってきて、これだけのピッチングができたのはすごいこと」 メルセデスに対し2打数無安打だったヤクルト・畠山 「いい投手でした。速い感じはなかったけれど、直球も動いていた」
★記念球は母に  ウイニングボールを手にしたメルセデスは「初勝利なので、このボールは母にあげたい」と故郷のドミニカ共和国に住む母・ノルマさんに渡すことを明かした。ヒーローインタビューでは「いいニュースなので家族に報告したい」と宣言。左腕は4人兄弟の末っ子で32歳、29歳、27歳の兄がおり、プロになったのは自身だけ。愛妻や母だけでなく、かつて同じプロの道を目指した兄たちにも最高の報告ができそうだ。

◆  若松 「メルセデスはスピード、制球とも素晴らしく、右打者の内角を突ける。後半戦からローテに入るだろう」  大久保 「テンポが良く打者に考える間を与えない。外国人が苦手なクイックも速く、手元の計測では最も遅くても変化球で1・36秒。ほとんど1・2秒以内でスーパークイックも披露した。巨人は3軍制を敷きながら、上手に戦力の入れ替えができない印象があったが、この活躍は編成面でもプラスになる」  若松 「ヤクルトは守備の甘さが目立った。遊撃内野安打が3本。三回の坂本勇をアウトにしていたらマギーの一発はない。ブキャナンの球は動くので打球方向が偏る。それを察知して三遊間寄りに守るなど守備に工夫ができたはず」  大久保 「試合前にプランを組んで共通認識を持ち、試合中も周りを見て自分が何をすべきか判断できる-。本来ヤクルトは、それができるところに強さがある」  若松 「前半戦の最後は絶対に勝って連敗を止めないと、このままズルズルいってしまう可能性もある」  大久保 「逆に巨人は落ち着きが出てきた。大きいのは不振の岡本を使い続け"峠"を越えたこと。打順をいじる必要がなくなり、選手も役割に集中できるようになった。陽や長野を配して下位打線にもう一つの中軸を作り、代打には準備を怠らないベテランの阿部。広島を追いかけられるのは巨人、と思わせるチームになってきた」

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
433210.573
(-)
0
(-)
67379
(-)
330
(-)
90
(-)
43
(-)
0.261
(-)
4.08
(-)
2
(↑1)
巨人
394110.488
(↑0.007)
6.5
(↑0.5)
62365
(+6)
329
(+3)
77
(+3)
43
(-)
0.259
(-)
3.9
(↑0.01)
3
(↓1)
DeNA
363920.48
(↓0.006)
7
(↓0.5)
66299
(+8)
335
(+13)
91
(+2)
51
(+1)
0.249
(↑0.001)
3.96
(↓0.09)
4
(-)
阪神
353810.479
(-)
7
(-)
69280
(-)
310
(-)
42
(-)
44
(-)
0.243
(-)
3.72
(-)
5
(↑1)
中日
364310.456
(↑0.007)
9
(↑0.5)
63326
(+13)
372
(+8)
53
(+4)
40
(-)
0.26
(↑0.001)
4.46
(↓0.04)
6
(↓1)
ヤクルト
344110.453
(↓0.006)
9
(↓0.5)
67333
(+3)
370
(+6)
67
(-)
38
(-)
0.259
(↑0.001)
4.4
(↓0.01)