阪神(★1対3☆)ロッテ =交流戦3回戦・阪神甲子園球場=
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ロッテ
21000 0000 3100
阪神
00010 0000 190
勝利投手:石川 歩(8勝3敗0S)
(セーブ:内 竜也(1勝2敗15S))
敗戦投手:メッセンジャー(8勝4敗0S)
  DAZN
◆ロッテが3連勝。ロッテは初回、中村と角中の連続適時打で幸先良く2点を先制する。続く2回表には、荻野の適時打で追加点を挙げた。投げては、先発・石川が5回1失点で今季8勝目。敗れた阪神は、先発・メッセンジャーが試合をつくるも、打線がつながりを欠いた。

◆阪神は19日、前日18日に大阪で起こった地震の影響で試合開催の可否を検討していたロッテ戦(甲子園)を実施する方向だと説明した。  地震が発生したため、18日は球場職員が甲子園球場の状態をチェック。実際にバックスクリーンなどを作動させていた。公共交通機関や余震の状況などから19日朝に可否を判断するとしていた。ただ、神戸地方の天気は下り坂で、雨天の懸念がある。

◆阪神-ロッテ3回戦の観客が、阪神の甲子園での主催試合としては05年の実数発表後では最少となる2万4127人だった。これまでの最少は、11年10月20日の横浜戦での2万4688人。交流戦での最少動員数は、14年5月27日ロッテ戦の2万6441人だった。  この日は雨天中止による振り替え開催だったことや、雨が降ったりやんだりの悪天候、前日18日に大阪北部を襲った地震の影響、サッカーW杯の日本代表が初戦を戦うことなどの条件が重なった。スタンドの空席が目立つ、甲子園には珍しい光景だった。

◆阪神は難攻不落のロッテ先発石川を崩せなかった。  1回無死一塁の好機で植田がバントで送れず、チャンスを築けない。3点を追う3回には無死一、三塁の好機をつくったが後続がつながらなかった。4回に高山の右前適時打で1点をかえすのが精いっぱい。この日は5度、イニングの先頭打者が出塁したが、得点につながらなかった。石川は交流戦で勝利数、防御率で2冠と好調だ。  金本監督は「得点圏でしっかり、走者をかえす打撃を。そんな力まないように。(気負わずに)『楽に』と言ったら、おかしいけど」と振り返った。チームは連敗し、20日オリックス戦の交流戦ラストゲームへ。交流戦最下位こそ楽天との直接対決で勝ち越しているため、まぬがれているが、白星で終わりたいところ。指揮官も「締めくくりたいですね。ルーキーに期待です」と語気を強め、先発するドラフト1位新人の馬場に託した。

◆阪神高山俊外野手(25)が、チーム唯一の得点となる適時打を放った。  3点を追う4回2死一、二塁で打席へ。ロッテ先発石川の投じた外角低め128キロシンカーに懸命に手を伸ばすと、打球は右中間芝生に弾んだ。  3回には先頭打者として左二塁打を放ってチャンスメーク。12日の日本ハム戦(札幌ドーム)以来今季7度目のマルチ安打を記録し「今日はよかったですね」と話した。  この日の2安打で、1割台に低迷していた打率も2割に乗った。「また明日は明日ですね」。20日オリックス戦でも、高山が存在感を示していく。

◆ロッテ石川歩投手が5回を5安打1失点にまとめ、自身5連勝となる8勝目を手にした。交流戦4勝は、18試合制となった05年以降では初の快挙となった。  本調子ではなかったが、3回無死一、三塁のピンチを無失点にしのぐなど上下左右に丁寧に投げ分けた。井口監督は「明日、あさっては試合がないので」と6回から中継ぎ陣を投入。石川は今季自己最短の5回で降板したが、最少失点で役割を果たした。  チームを3連勝と、2カ月ぶりの貯金生活に導いた右腕は「4勝できたのは、前回まで状態が良かったから。今日は野手の方に助けられたのでラッキーでした。真っすぐもいってなかったし、相手の打ち損じが多かったので、自分で抑えた感はないです」と淡々。  ロッテは11勝7敗で交流戦を終えた。

◆阪神ランディ・メッセンジャー投手(36)が7回3失点と力投も、4敗目を喫した。  立ち上がり、先頭の荻野への四球から1死二塁のピンチを招き、中村、角中に連続適時二塁打を浴びて2点を失った。2回も2死二塁から荻野に三遊間を破られ、3点目を奪われた。3回以降はロッテ打線を散発4安打無失点に抑えるも、阪神打線もロッテの継投の前に1点に抑えられた。  メッセンジャーは「試合を壊さずに7回まで投げることができた。(相手打線に)うまく打たれてしまった」と、リーグ戦再開後の巻き返しを誓った。

◆ロッテ石川歩投手(30)が「日本生命セ・パ交流戦」最多勝となる4勝目を挙げた。阪神打線を5回5安打1失点に抑え、チームを勝利に導いた。18試合制となってから交流戦4勝は初の快挙。4番角中勝也外野手(31)は3安打1打点で締めて、打率4割1分2厘は交流戦首位打者に立った。投打の主役が活躍し、リーグ再開に向けて弾みをつけた。  本調子でないなりに、石川はきっちり最少失点に抑えた。初めて立つ甲子園のマウンドは低く、投げにくく感じた。「真っすぐが全然いってなかった。相手の打ち損じが多かっただけで、自分で抑えた感はないです」と反省した。投球回は今季自己最短の5回。それでも3回無死一、三塁のピンチではカットボールをコーナーに操り、本塁を踏ませなかった。  これが勝ち頭たるゆえんだ。女房田村は「コントロールがいい。交流戦の勝ち星もそこに尽きる」と言った。「今日は調子が良くなさそうだったから、球を増やしたら苦しくなる」。球威がない時、球種を絞ってもきっちり四隅に投げられる。打ち損じ"させる"投球ができる。  7回を無失点に抑えた前回DeNA戦を筆頭に、過去3試合は「すごい良かったと思います」と自画自賛の好調ぶりだった。だが状態に関係なくゲームをつくる方が重要。5月22日の日本ハム戦から自身5連勝。交流戦4勝は、雨天順延など日程の巡り合わせも手伝って18試合制となった15年以降初の記録となった。  これでチームは交流戦を3連勝締め。4月18日以来の貯金を手にした。井口監督は「ようやく貯金ができました。これからリーグ戦に戻りますけど、残りの試合も彼の働きはもっと大事になる」と全幅の信頼を置く。ボルシンガーと並んで早くも8勝目。石川は「自分で今日の課題もわかってますし、パ・リーグの打者は甘い球を逃してくれない。調整し直して、また状態を上げてきます」と頼もしかった。【鎌田良美】  ▼ロッテ石川が交流戦4勝目。交流戦が18試合制になった15年以降、投手の4勝は初めて。今季8勝はリーグトップのアルバース(オリックス)ボルシンガー(ロッテ)に並んだ。ロッテの投手2人が6月までに8勝を挙げたのは、05年の渡辺俊、小林宏(ともに9勝)以来13年ぶり。  ▼ロッテは4月18日(8勝7敗)以来の勝ち越し。パ5球団の貯金は15年4月18日にオリックス以外が勝ち越して以来。全チーム60試合以上消化では13年7月5日(オリックス以外に貯金)以来になる。

◆阪神が交流戦セ・リーグ球団の中では最下位が決まった。5度、イニングの先頭打者が出塁しながら9安打で1点止まりだった。金本監督は「得点圏でしっかり、走者をかえす打撃を。そんな力まないように。『楽に』と言ったら、おかしいけど」と振り返った。  この日は雨天中止だった11日の代替試合。前日18日に大阪で起きた地震やサッカーワールドカップ・コロンビア戦と重なり、雨の降る悪天候の影響で、観衆2万4127人。05年の実数発表以降、最少だった。

◆阪神梅野が、14日の日本ハム戦以来のマルチ安打を放った。3回無死二塁で左前打で好機を広げ、7回も先頭で中前にはじき返した。「(打撃の状態は)上がってるのは上がっていると思う」と手応え。  ただ序盤3失点のメッセンジャーについては「(立ち上がり)ポンと行ければ尻上がりによくはなると思うんですけど。ゲームが決まってしまったのは、立ち上がり。気をつけないといけない」と女房役も反省した。

◆阪神糸井が4回に14個目の盗塁を決め、セ・リーグトップのヤクルト山田哲に2個差と迫った。バットでも今季21度目のマルチ安打をマークし、気を吐いた。  試合後は雨中での試合について「風邪ひいてます」と自嘲気味に話してクラブハウスへと向かった。

◆この日27歳の誕生日を迎えた阪神岩崎が9回に登板し、無失点で切り抜けた。  先頭の角中に中前打を許すなどして、1死二、三塁のピンチを招くも後続を断ち切り、0点で締めた。「粘れたのはいいですけど、先頭をしっかり抑えられるようにしたい」と話した。

◆大阪府北部地震から一夜明けた19日、兵庫県西宮市の甲子園球場ではプロ野球の阪神-ロッテが予定通り実施された。交通機関が一時大きく乱れ、試合開催も危ぶまれたが、午後6時に開始。しかし球場を訪れたファンからはさらなる揺れを心配する声が上がった。  大阪府守口市に住む阪神ファンの主婦(47)は自宅に大きな被害はなかったそうだが「阪神大震災のことがあるからちょっと怖い」と不安な表情。チケットを以前から持っていたため訪れたといい「余震があって甲子園で野球を見ている気分ではないけど、試合をやるなら頑張ってほしい」と話した。  夜中に余震のために2、3度は目が覚めたという大阪市西淀川区の男性介護職員(26)は「地震前にチケットを買っていたので無駄にしたくなかった」と語った。

◆阪神はメッセンジャー、ロッテは石川が先発した。ロッテは一回、一死二塁とし、中村が右中間へ適時二塁打を放ち先制。その後、角中も右中間に適時二塁打を放ち、2-0とした。ロッテは二回、二死二塁とすると、荻野の左前適時打で1点を追加した。  阪神は四回、二死一、二塁とすると、高山が右中間適時打を放ち、1点を返した。

◆阪神のランディー・メッセンジャー投手(36)がロッテ戦に先発し、7回8安打3失点で降板した。9勝目はならなかった。  メッセンジャーは一回、一死二塁から中村に適時二塁打を浴び先制点を許すと、なおも二塁から角中に右中間に適時二塁打を浴び2点目を奪われた。二回は二死二塁から荻野に左前適時打を浴び0-3。その後は追加点を与えなかった。 打線は四回、二死一、二塁から高山が右中間へ適時打を放ち1点を返した。

◆ロッテが3連勝。一回、中村と角中の適時二塁打で2点を先制し、二回に荻野の適時打で加点した。石川は5回1失点でリーグトップに並ぶ8勝目。阪神はメッセンジャーが立ち上がりに失点し、4敗目。打線もつながりを欠いた。

◆9安打を放った阪神は、四回の1点だけにとどまり、メッセンジャーを援護できなかった。金本監督は「いけると思ったけど、いけなかった」と息をついた。  再三、得点圏に走者を進めたが、石川を攻略しきれなかった。金本監督は「得点圏でしっかりできるように。そんなに力まないように。楽にと言ったらおかしいけど、かちかちにならずに」と好機での姿勢の改善を求めた。 梅野(捕手としてメッセンジャーに) 「立ち上がりがずっとよくない。立ち上がりをぽんぽんといければ、尻上がりにいけると思ったけど」

◆ロッテは一回に2点を先制した。1死二塁から中村が右中間二塁打。「交流戦最後のゲームなので、石川さんに勝ちをつけられるように」と喜んだ。  続く角中も右中間へ二塁打。「1、2、3番が仕事をしたので、自分もその流れに乗せてもらった」と話した。
井口監督(石川に) 「球が高かった。交流戦の期間中、しっかり(ローテーションを)回ってくれた」
荻野(二回に適時打) 「いい流れで打席に入らせてもらった」

◆--メッセンジャーは珍しく立ち上がりから苦しかった  金本監督「だね。立ち上がりが悪かったな」  --打線はヒットは出ているが  「得点圏でしっかりできるように。しっかりランナーをかえす打撃というかな。そんなに力まないようにね。楽にといえばおかしいけど、カチカチにならずにね」  --一回の攻撃の流れで試合が決まったのでは  「そりゃ、まぁ...そんなことは思わないけど」  --植田が送れず三振  「練習するしか...。ま、(植田が見逃したのは)ちょっと際どい球だったけどね。ボールといえばボールに見えたけどね、俺も」  --高山は1軍に戻ってきて、状態は上がっている  「どうやろうな。きょう2本打ったしね」  --高山は追い込まれてからでも、粘ったり  「出たんかなぁ。何かつかんだのかわからんけど、何かこれというものをつかんで打てるようになってほしいけどね」

◆先発の石川は5回5安打1失点。5月29日のヤクルト戦(神宮)から4戦全勝だ。それでも「(初の甲子園は)マウンドも低くて風景がちょっと...。状態もよくなかった。もっと長いイニングを投げないといけない」と反省が口をついた。8勝目は同僚のボルシンガーらと並ぶリーグトップ。「修正する部分は分かっている。もう一度しっかり調整していかないと」と再開するリーグ戦に意識を切り替えた。
二回に適時打のロッテ・荻野  「(投手の)石川もバントを決めてくれたので、いい流れで打席に入らせてもらった。走者をかえせてよかった」

◆阪神は19日、ロッテ戦(甲子園)を予定通り開催した。前日18日の大阪北部地震を受け、実施の可否について、この日に判断するとしていた。球団関係者によると午前9時半から会議を開き、公共交通機関の影響などを踏まえた上で決定したという。

◆下馬評なんて関係ありませんゾ。所詮は予想。当たることもあれば、外れることも。4年前のブラジルW杯でコテンパンにやられたコロンビア相手に、急造西野ジャパンが勝つなんて...コアなサッカーファンほど思っていなかったでしょう。  それにしても先制攻撃は鮮やかだった。香川のあのシュート、ハンドで止めなきゃ、完全に枠内に飛んでいたからなぁ。大阪北部地震から一夜明けて、被災地はもちろん、日本に、これ以上ない勇気と感動を届けてくれました。  サッカーのゴールは幅7メートル32で、高さが2メートル44。大きくも感じるが、この枠に入れるのは容易ではない。野球のルールもよくできていて、塁間90フィート(27・4メートル)は微妙なところで内野安打にはならない距離だ。阪神タイガースの攻撃の時だけ塁間を短くできたら、もうちょっと阪神も点が取れるかも...なんてつい思ってしまう。  それというのも1846年のこの6月19日は「ベースボール記念日」で、ニューヨークのニッカボッカー・クラブが初めて現行のルールに近い形で試合をした。いまや日本の野球はメジャーでも堂々たるものですが、日本の甲子園のチームにはもちっと「迫力」を求めたいのは私のゼイタクなのか。  実は俺より"かくれタイガース"のデスク澄田垂穂がこの日の当番。前日の大阪北部地震で、澄田は堺の自宅から徒歩で大阪・難波の我が社まで出勤した。  「いやぁ、ああいう場合はポジティブ(積極的)に考えて『ちょうどいい機会だから健康のために社まで歩こう』と決めまして12キロ。いい運動になりました」とはさすがだ。もっとも彼は長男遼真が小学4年で、地震でブロック塀が崩れて犠牲になった少女と同じ。だから胸が痛むのだ。 こうした悲しみを少しでも和らげるには、西野ジャパンの快挙だけじゃなく、阪神もパーッと派手な勝利でムードを変えてもらいたい。そんな単純なことで...というなかれ。これでも我々は本気でそう思っとります。ポジティブ...ポジティブ...グスン(泣いてなんかいないぞ)  新外国人ナバーロの初練習(室内)を取材した新里公章によると「きのうの地震は驚いたと思いますが、それでも自宅近くのジムで体を動かしたそうです」とのこと。  実は43年前の1975年のこの6月19日。中日戦(中日球場)で七回、阪神の4番田淵幸一はプロ野球史上"最速"の通算200号本塁打(714試合)を放った。7年目29歳。ホームランキングの道を独走してきた王貞治は35歳。開幕前に左足を痛めていた。いよいよ"田淵時代"が...と思わせた。亡き父の墓前に本塁打王のタイトルを...という熱い田淵の思いはそこから阿修羅の如くホームランを量産する。  田淵は14年連続のタイトルを狙う世界の王貞治の野望についにストップをかけ、43号で初の本塁打王になる。あの時の田淵がこの夜のロッテ戦にいたらなぁ! 甲子園の雨は情け容赦なく胸を濡らして...こんな女々しい私に誰がしたぁ...。

◆甲子園)ひ、ひどい!! ひど過ぎるぜ阪神タイガース!! 先発のメッセンジャーが一、二回でいきなり3点を奪われたけれど、終わってみれば7回その3点だけのクオリティスタートだからこれは許しちゃ~う!!  打線は再三のチャンスにもう1本が出なかったけど、まあこれは昨日今日はじまったことじゃないし、八回無死一塁のチャンスで糸井のヒット性の打球をベース寄り、すべりながらバックトスという敵ながらウットリ●(=ハートマーク)の酔わせる平沢のプロ最高級ダブルプレーもあったし、大サービスで許したるわー!!  そして...。野球の試合終了は9時6分。すぐさま日本中が注目のサッカーW杯の日本-コロンビアにチャンネルをまわしたら...え、え、えーっ!! ほぼ同時刻の9時6分に香川のPKで奇跡的なゴ------ル!!だって。いやあ、日本が結局、2-1で勝ち点3! オメデトウ!!

◆植田は0-2の一回無死一塁で初球からセーフティーバントを仕掛けたがファウルになり、最後はバントの構えから5球目を見送って三振に倒れた。「(初球は)セーフティーで(自分も)生きようと...。決めれなかった。それが僕の仕事。流れを作れなかった」と猛省した。3点を追う三回は二死二、三塁で一ゴロと凡退したが、失敗を引きずらずに五回にはきっちり投前犠打を決めた。反省も糧にして成長を目指す。

◆高山のバットが、チーム唯一の得点を生んだ。0-3の四回二死一、二塁。先発・石川の外角シンカーをバットの先で拾った。打球は右中間に弾み、二走・糸井が生還。三回先頭でも左中間へ二塁打を放ち、今季7度目のマルチ安打をマークした。「きょうはよかったです。あしたはあしたですね」と淡々と振り返り、ロッカーへと引き揚げた。

◆九回に3番手で登板した岩崎は、先頭の角中に中前打を打たれると、清田の犠打などで一死二、三塁のピンチを招いたが、後続を断ち無失点で切り抜けた。「1日1日が勝負なので、粘れたのはいいですけど、先頭を抑えられるようにしたいです」と反省した。

◆糸井はマルチ安打&盗塁と気を吐いた。試合途中から降り続いた強い雨の中、足とバットでチームを鼓舞した。  「風邪引いてまんねん、風邪」  試合後は、思わずそう漏らしたが、グラウンドではハッスルだ。まずは四回一死、先発・石川のシンカーを左前に落とし出塁。二死後、今季14個目となる二盗を決めると、高山の右前適時打でホームを踏んだ。六回先頭でも低めの直球を拾い、痛烈な右前打。今季21度目の複数安打を記録した。  勝手知ったるパ・リーグとの戦いも、20日のオリックス戦(甲子園)で最後。「最後にいい勝ち方で交流戦を締めくくりたい」という問いかけに、小さく「はい」と答えた。交流戦期間で打率・333(60打数20安打)と絶好調の超人が、打線を引っ張る。 (竹村岳)

◆ロッテは19日、阪神最終戦(甲子園)に3-1で勝利。交流戦を3連勝、4月18日以来の貯金1で締め、22日の西武戦(ZOZOマリン)からリーグ戦再開に臨む。 井口監督が「相手もいい投手なので早めに点を取りたい」と思い描いた通りの展開だった。一回一死二塁から3番中村が「メッセンジャーは本調子じゃなかったのかも。甘い球をうまくとらえられた」と先制の右中間二塁打。さらに4番角中が「1、2、3番がおぜん立てしてくれたから」と右翼線への適時二塁打で続き、主導権を握った。  先発の石川も5回1失点と好投して、3連勝。交流戦では角中の打率・412、チーム打率・278(ともに19日現在)が12球団1位をマークした。それでも指揮官は「取れる試合もあったし、交流戦優勝も狙えた。リーグ戦に戻ってもしっかりやりたい」と気を緩めない。勢いを保ったまま、今度はパ・リーグで5位からの浮上を目指す。 (芳賀宏)

◆ユニホームで汗をぬぐい、険しい表情でマウンドを降りる。立ち上がりに失った3点が、回を追うごとに重たくのしかかった。メッセンジャーが二回までに3失点。終わってみればこの3点が勝敗を決してしまった。  「試合を壊さず、仕事はできたと思います。いい投球をしても、うまく打たれたという感じでした」  7回3失点と試合をつくったが、やはり先制パンチが尾を引いた。一回、先頭の荻野にいきなり四球。犠打で一死二塁とされてから、中村と角中に連続で適時二塁打を浴びて2点を先制された。さらに二回にも二死二塁から荻野に左前打を浴び、あっさりと1失点。バッテリーを組んだ梅野も「立ち上がりがずっとよくないので、なんとかしたかったんですけど...」と悔しさをにじませた。  前日18日には最大震度6弱の大阪北部地震の影響で、道路が大渋滞。甲子園で行われた投手指名練習を欠席した。「それは全然関係ないです」と首を横に振ったが"ぶっつけ本番"の調整の難しさもあったはず。「(地震については)いろいろわかりますけど、試合に集中していました」と切り替えてはいたが、広島・大瀬良に並ぶハーラートップタイの9勝目はならなかった。  次回登板からは交流戦から通常のリーグ戦に戻る。次戦に切り替えて向かうのみか? の問いに「そうですね」ときっぱり答えた。ここから再び白星を積み重ねていく。 (箭内桃子)

◆チャンスでカチカチやん!! 阪神はロッテ相手に9安打を放ちながら、わずか1得点の拙攻、拙攻...。チャンスに打てない打線に、金本知憲監督(50)は「力まないように」と苦言。20日の交流戦最終オリックス戦(甲子園)は絶対に勝ってな~!! シトシトと降り続いていた雨は、予報通りに最後はジャジャ降りに。もどかしい。ジメジメと、うっとうしい。今の虎の打線を象徴していた。金本監督の言葉にも"不快指数"がにじんだ。  「(3点ビハインドも)いけると思ったけどね。ま、いけんかったな。そんなに力まないようにね。楽にといえばおかしいけど、カチカチにならずにね」  チームとして9安打も放った。でも、奪えたのは四回二死一、二塁から高山が右前に運んだ適時打の1点のみ。一回先頭・糸原が四球を選んだが続く植田が犠打を失敗し、見逃し三振。三回も先頭・高山が二塁打、梅野が三遊間を破って無死一、三塁としたが、そこでもホームが遠かった。  一、二、九回以外は「H」ランプを灯せていたのだから、決定力不足といわざるを得ない。12日の日本ハム戦(札幌ドーム)では10得点。翌13日の同戦でも今季最多の16安打を放った打線はどこに...。最近3試合で2点、0点、1点。逆にロッテ打線はメッセンジャーの低めを捨て、高めを狙うという徹底したベンチワークで3点をもぎ取っていた。お互い打線に外国人はいない。あまりにも対照的だった。その特効薬は力みをなくすことなのか-。 20日のオリックス戦(甲子園)が交流戦最終戦。1試合を残して、中日、広島と並んでセ・リーグ最低勝率は確定した。最終戦で負ければ6勝12敗。楽天と並ぶが直接対決で勝ち越しているため、交流戦最下位は免れるものの、セ・リーグでは単独最下位となる。  22日の広島戦(甲子園)から、またリーグ戦が再開する。開幕から低調だった打線に、快音は出始めた。だが、これを得点につなげなければ勝てない。ここぞのチャンスで力んでは、13年ぶりのリーグ優勝も遠い。  「もちろん、勝って、締めくくりたいですね。ルーキー(先発のD1位・馬場)に期待します」  借金3でリーグ4位に転落。最後は笑って、次に向かいたい。勝つしかない。 (阿部祐亮)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
342810.548
(-)
0
(-)
80293
(-)
283
(-)
65
(-)
34
(-)
0.256
(-)
4.22
(-)
2
(-)
DeNA
293120.483
(↓0.009)
4
(↓0.5)
81238
(+1)
251
(+7)
73
(-)
42
(-)
0.248
(↓0.001)
3.68
(↓0.04)
3
(↑2)
巨人
303310.476
(-)
4.5
(-)
79284
(-)
252
(-)
60
(-)
30
(-)
0.266
(-)
3.73
(-)
4
(↓1)
阪神
293200.475
(↓0.008)
4.5
(↓0.5)
82201
(+1)
234
(+3)
31
(-)
37
(+1)
0.238
(-)
3.41
(↑0.01)
4
(↓1)
ヤクルト
293210.475
(↓0.008)
4.5
(↓0.5)
81263
(+4)
288
(+5)
53
(-)
35
(+1)
0.252
(-)
4.2
(↑0.01)
6
(-)
中日
293510.453
(-)
6
(-)
78261
(-)
296
(-)
45
(-)
35
(-)
0.262
(-)
4.34
(-)

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
西武
372600.587
(-)
0
(-)
80355
(-)
279
(-)
72
(-)
78
(-)
0.276
(-)
4.1
(-)
2
(-)
日ハム
372800.569
(-)
1
(-)
78280
(-)
255
(-)
73
(-)
50
(-)
0.245
(-)
3.72
(-)
3
(↑1)
福岡
343000.531
(↑0.007)
3.5
(↑0.5)
79280
(+5)
262
(+4)
87
(+1)
40
(-)
0.254
(↑0.001)
3.93
(↑0.04)
4
(↓1)
ORIX
343010.531
(-)
3.5
(-)
78246
(-)
238
(-)
52
(-)
38
(-)
0.235
(-)
3.47
(-)
5
(-)
ロッテ
323100.508
(↑0.008)
5
(↑0.5)
80250
(+3)
247
(+1)
29
(-)
65
(+1)
0.258
(↑0.001)
3.53
(↑0.04)
6
(-)
楽天
234110.359
(↑0.01)
14.5
(↑0.5)
78201
(+7)
267
(+1)
53
(+1)
37
(+3)
0.232
(↑0.001)
3.87
(↑0.04)

<交流戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
12600.667
(↓0.039)
0
(-)
078
(+4)
64
(+5)
14
(-)
8
(+1)
0.251
(↓0.002)
3.38
(↓0.04)
2
(-)
ORIX
11600.647
(-)
0.5
(↑0.5)
175
(-)
55
(-)
17
(-)
10
(-)
0.25
(-)
3.16
(-)
3
(-)
ロッテ
11700.611
(↑0.023)
1
(↑1)
059
(+3)
49
(+1)
7
(-)
17
(+1)
0.278
(↑0.002)
2.4
(↑0.08)
4
(-)
福岡
11700.611
(↑0.023)
1
(↑1)
081
(+5)
77
(+4)
30
(+1)
10
(-)
0.235
(↑0.003)
3.83
(↑0.17)
5
(-)
日ハム
10800.556
(-)
2
(↑0.5)
0104
(-)
79
(-)
24
(-)
16
(-)
0.267
(-)
4.14
(-)
6
(-)
西武
10800.556
(-)
2
(↑0.5)
0101
(-)
88
(-)
26
(-)
22
(-)
0.268
(-)
4.59
(-)
7
(↑1)
巨人
81000.444
(-)
4
(↑0.5)
066
(-)
59
(-)
20
(-)
9
(-)
0.248
(-)
3.13
(-)
8
(↓1)
DeNA
81000.444
(↓0.027)
4
(-)
062
(+1)
81
(+7)
20
(-)
13
(-)
0.241
(↓0.001)
4.33
(↓0.11)
9
(-)
中日
71100.389
(-)
5
(↑0.5)
067
(-)
88
(-)
12
(-)
7
(-)
0.26
(-)
4.95
(-)
10
(-)
広島
71100.389
(-)
5
(↑0.5)
077
(-)
104
(-)
19
(-)
8
(-)
0.26
(-)
5.6
(-)
11
(-)
阪神
61100.353
(↓0.022)
5.5
(-)
156
(+1)
74
(+3)
7
(-)
10
(+1)
0.256
(↑0.001)
3.87
(↑0.06)
12
(-)
楽天
61200.333
(↑0.039)
6
(↑1)
050
(+7)
58
(+1)
13
(+1)
14
(+3)
0.242
(↑0.005)
3.08
(↑0.13)