1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
阪神 |
0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 1 | 0 | 1 | 4 | 8 | 0 |
楽天 |
0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 | 0 |
勝利投手:藤浪 晋太郎(1勝2敗0S) 敗戦投手:辛島 航(3勝6敗0S) |

◆阪神は0-0で迎えた6回表、中谷の2ランで試合の均衡を破る。その後、7回に糸原、9回には俊介が適時打を放ち、リードを広げた。投げては、先発・藤浪が7回途中無失点の好投を見せ、今季初勝利をマーク。敗れた楽天は、打線がわずか5安打と振るわなかった。
◆阪神藤浪晋太郎投手(24)が407日ぶりの勝利を飾った。楽天戦に先発し6回1/3を無失点の力投。今季初勝利となった白星は実に昨年5月4日のヤクルト戦以来。ようやく長いトンネルを抜けた。 雨のマウンドで直球とカットボールを軸に楽天打線を封じ込めた。1、2回を無失点、4三振を奪う立ち上がり。3回1死満塁のピンチを背負っても3番指名打者島内に対し、0-1から真ん中低めのカットボールで三ゴロ併殺に切り抜けた。5回まで被安打3、四球2、8奪三振の安定した投球。6回には中谷が先制3号2ランで援護した。7回1死、アマダーに四球を与え、茂木に中前打を許したところで降板。口を真一文字に結んで無念の表情を見せ、ベンチの最前列で立ったまま祈るように試合を見つめた。この回2死満塁とされながら2番手岩崎、3番手桑原が無失点で切り抜けたのを見届けると両手をたたいた。 マウンドでしっかり役目を果たし、ファンがチームが待つ完全復活に近づいた。
◆阪神藤浪晋太郎投手(24)が407日ぶりの勝利を飾った。楽天戦に先発し6回1/3を無失点と好投を見せた。白星は昨年5月4日のヤクルト戦以来。ようやく長いトンネルを抜け、今季初勝利を手にした。 試合後の藤浪は「もう少し粘りたかった。うれしい気持ちと悔しい気持ちで複雑です」と話した。悔やむのは無失点で迎えた7回。1死からアマダーに四球を与え、続く茂木に中前打を許したところで降板となった。「あのイニングは自分でしっかり投げないと」と振り返った。 それでもマウンドでしっかり役目を果たした。「いろんな方に勝ちをつけてもらった。次は自分がチームを助けるように一生懸命頑張りたい」。ファンがチームが待つ完全復活が近づいた。
◆阪神藤浪晋太郎投手(24)が407日ぶりの勝利を飾った。楽天戦に先発し6回1/3を無失点と好投を見せた。白星は昨年5月4日のヤクルト戦以来。ようやく長いトンネルを抜けた。 雨のマウンドで直球とカットボールを軸に楽天打線を封じ込めた。1、2回を無失点、4三振を奪う立ち上がり。3回1死満塁のピンチを背負っても3番指名打者島内に対し、0-1から真ん中低めのカットボールで三ゴロ併殺に切り抜けた。5回まで被安打3、四球2、8奪三振の安定した投球。6回には中谷が先制3号2ランで援護した。7回1死、アマダーに四球を与え、茂木に中前打を許したところで降板。この回2死満塁とされながら2番手岩崎、3番手桑原が無失点で切り抜けたのを見届けると両手を叩いた。マウンドでしっかり役目を果たし、ファンがチームが待つ完全復活に近づいた。
◆阪神中谷将大外野手(25)が先制点となる今季3号2ランを放ち、先発した藤浪晋太郎投手(24)の今季初白星をアシストした。 6回1死二塁、外角高めにきた135キロ直球を振り抜いた。打球は左翼奥にある観覧車に向かって伸びた。左翼スタンドに着弾するのを確認すると、一塁ベースをまわったところで何度も両手をたたいて喜びを爆発させた。 「晋太郎が頑張っていたし、なんとか打ちたかった。なかなか捉えきれない状況が続いていたところで、甘くなったボールをしっかりと自分のスイングで仕留めることができました」 藤浪の407日ぶり勝利を呼び込むアーチとなった。
◆阪神能見篤史投手と藤川球児投手のベテランリレーが実現した。 円熟味ある左右のベテランが8、9回を無失点に抑え、先発した藤浪晋太郎投手の今季初白星を後押しした。 8回を任された能見は「点差も(3点)あったので1人ずつ行こうと思った」と冷静に振り返り、最終回にマウンドに上がった藤川は「勝てばなんでもいいです」と笑顔を見せてチームバスに乗り込んだ。
◆阪神藤浪晋太郎が、昨年5月4日のヤクルト戦(神宮)以来となる白星を挙げた。6回3分の1を投げ、4安打無失点の力投。7回1死からアマダーを四球で歩かせ、茂木に中前打を浴びたところで降板した。 「内容が内容ですし...。内容が良くても感傷に浸るようなことはないかなと思います。久しぶりだな、ぐらいで」。407日ぶり、今季初勝利に金本監督は「チームとしても、ひと安心ですし、本人はどうやろう。うれし恥ずかしかな。彼の力からすれば、うれし恥ずかしでしょうね」と藤浪の心中を思いやっていた。
◆最下位楽天に非常事態発生だ。 ゼラス・ウィーラー内野手が15日、阪神1回戦(楽天生命パーク宮城)で左手人さし指を剥離骨折した。 2回2死一塁で盗塁を試みてヘッドスライディング。手を地面に突いた際に負傷し、3回の守備から三好と交代した。仙台市内の病院で競技復帰まで8週間と診断された。 楽天は打線の得点力が低い中、三塁のレギュラー選手離脱は痛い。
◆好機で打席に入り、狙い球が来たからといって、打てるとは限らない。 楽天は3回1死から9番嶋と1番田中の連続安打、2番銀次の四球で満塁とした。相手投手は今季未勝利の藤浪。先制するには絶好機だった。 打席には3番島内宏明外野手が入った。「変化球がくると思っていた」。田中の安打、銀次の四球はいずれも最終球が直球だった。 狙いが当たった。初球はひざ元へのカットボール。いいコースに来た球を仕留めきれず、ファウルした。2球目。またもカットボールが、低めのボールゾーンに落ちてきた。「しっかり振り切らないと。ああいうスイングをするとチームが波に乗れない」。相手が前進守備を敷く中、弱いスイングで三塁ゴロを打ってしまった。三-捕-一と送球が渡り、併殺打という最悪の結果を招いてしまった。 梨田監督は「島内に期待したけど。流れを持ってこれなかった。(藤浪は)まだ勝ってない投手。先に点を取りたかった。ゲッツーは想像していなかった」と嘆いた。 最大の好機を逃した楽天は、7回にも2死満塁で無得点に終わり、今季8度目の完封負けを喫した。
◆長かった。阪神藤浪晋太郎投手が、昨年5月4日から遠ざかっていた白星をつかんだ。楽天戦に先発し、7回途中無失点。雨が降り続けた中、藤浪が躍動した。 -約1年ぶりの勝利 藤浪 素直に勝ちをつけてもらったことはうれしいですし、ただもうちょっとしっかり粘れたらなあっていう気持ちと、うれしい気持ちと悔しい気持ちと、複雑です。 -ファンからも大歓声 藤浪 今日は気温も低いですし、雨降ってる中、たくさんの方に足運んでいただいたんで、応援が力になりました。うれしかったです。 -雨の中好投 藤浪 内容的に全然悪くないんですけど、自分の中であのイニング(7回)しっかり自分で投げないと、という気持ちが強いので、次しっかりああいうところで粘れるようにこれから頑張りたいと思います。 -リリーフがつなぎ、打線は援護した 藤浪 野手の方もしっかり守ってもらいましたし、リリーフの方にも抑えてもらいましたし、点もたくさん取ってもらったんで、いろんな方に勝ちつけてもらって、次は自分でそれを、自分の力でお返しできるようにしたいと思います。 -この勝利を、今後どうつながっていく 藤浪 勝ちがつくというのは個人的にすごくうれしいことですし、気持ちも楽になるので、次以降につなげられるようにしたいと思います。 -ファンにひとこと 藤浪 これからしっかり勝っていけるように、チームに助けてもらうんではなくてチームを助けられるように、一生懸命頑張っていきたいと思います。
◆長かった。阪神藤浪晋太郎投手が、昨年5月4日から遠ざかっていた白星をつかんだ。楽天戦に先発し、7回途中無失点。雨が降り続けた中、藤浪が躍動した。 -約1年ぶりの勝利 藤浪 素直に勝ちをつけてもらったことはうれしいですし、ただもうちょっとしっかり粘れたらなあっていう気持ちと、うれしい気持ちと悔しい気持ちと、複雑です。 -ファンからも大歓声 藤浪 今日は気温も低いですし、雨降ってる中、たくさんの方に足運んでいただいたんで、応援が力になりました。うれしかったです。 -雨の中好投 藤浪 内容的に全然悪くないんですけど、自分の中であのイニング(7回)しっかり自分で投げないと、という気持ちが強いので、次しっかりああいうところで粘れるようにこれから頑張りたいと思います。 -リリーフがつなぎ、打線は援護した 藤浪 野手の方もしっかり守ってもらいましたし、リリーフの方にも抑えてもらいましたし、点もたくさん取ってもらったんで、いろんな方に勝ちつけてもらって、次は自分でそれを、自分の力でお返しできるようにしたいと思います。 -この勝利を、今後どうつながっていく 藤浪 勝ちがつくというのは個人的にすごくうれしいことですし、気持ちも楽になるので、次以降につなげられるようにしたいと思います。 -ファンにひとこと 藤浪 これからしっかり勝っていけるように、チームに助けてもらうんではなくてチームを助けられるように、一生懸命頑張っていきたいと思います。
◆阪神藤浪晋太郎投手(24)が、ついに勝った。「日本生命セ・パ交流戦」楽天戦(楽天生命パーク宮城)に先発。昨年5月4日ヤクルト戦(神宮)以来、勝ち星から見放されていたが、6回1/3無失点の好投で、実に407日ぶりの勝利投手となった。雨の中、粘りの投球を見せ、復活の1勝をつかみ取った。 仲間とのハイタッチに入ってようやく、藤浪は表情を緩めた。407日ぶりの白星。「もうちょっと粘れたらなと...。うれしい気持ちと悔しい気持ちと、複雑です」と苦笑いした。 気温12度。雨と風に身震いする仙台でも最速154キロ。3回1死満塁で3番島内を三ゴロ併殺打に仕留めると、以降は安定感が増した。7回途中を3四球にまとめ、被安打4の9奪三振で無失点。やっと心のもやもやに別れを告げられた。 「心残りがあるんです」そうつぶやいたのは2軍暮らしが続いていた昨夏のこと。1年前の6月、父方の祖父・功さんが享年84歳で亡くなっていた。 「後悔しかないんです。もっとおいしいモノを食べさせてあげたかったとか、無理やりでもゴルフに誘っておけば良かったって...」 小さいころは岸和田の実家を訪ねれば、近所の駅まで「列車見学」に連れて行ってくれた。大阪桐蔭時代もプロ入り後も、暇があれば投球を見に来てくれた。いつも味方だった功さんは、テレビで阪神戦を観戦しながら息を引き取ったという。 「最後に見てもらった僕の登板は、2軍に降格する試合だった。それが申し訳なくて...。ずっと楽しみにしてくれていたのに」 強い後悔は心と体を突き動かした。 制球難に苦しんだ昨季。精神面の不安を度々指摘され、2軍戦では危険球退場も経験した。 「技術的にも、もうどうすればいいのか分からなくなって。野球が好きなのに、野球から離れたくなった時期はありました。でも、お酒や趣味に逃げても変わらない。野球の借りは野球でしか返せないので」-。 1年以上、懸命にフォームを固めてきた。突如制球を乱す姿とは、もうおさらばだ。 「いろんな方に勝ちつけてもらった。次は自分の力で恩を返せるようにしたい」 苦悩との決別から、再起の道のりは始まる。【佐井陽介】
◆阪神藤浪晋太郎投手(24)が、「日本生命セ・パ交流戦」楽天戦(楽天生命パーク宮城)に先発。昨年5月4日ヤクルト戦(神宮)以来、勝ち星から見放されていたが、6回1/3無失点の好投で、実に407日ぶりの勝利投手となった。雨の中、粘りの投球を見せ、復活の1勝をつかみ取った。 大阪桐蔭時代の恩師・西谷浩一監督のコメント 先日の西武戦で、森(友哉、藤浪の1学年後輩で、春夏連覇時にバッテリー)と対戦したとき、これをきっかけにしてくれないかなと思っていました。ちょうど担当の畑山スカウトがグラウンドに来てくれて「だいぶ良くなっていますよ」とも言ってくれていました。チームの皆さんが「藤浪を勝たせてやろう」としてくださっているのは感じていましたし、本人も感じていると思う。何よりここからが大事。いいきっかけにしてほしいと思います。
◆楽天は今季8度目の完封負けで、12球団最速で40敗を喫した。借金は今季最多タイの19。打線は3回に1死満塁を島内の三塁ゴロ併殺でつぶすなど、相手先発の藤浪に手を焼いた。 6回途中まで粘りの投球だった辛島を援護できず、梨田監督は「ゲッツーは想像していなかった。藤浪は四球があってもストライク先行。完全なボール球を振らされた」。霧雨が降り続き、12度まで冷え込んだ気温のような打線を嘆いた。
◆阪神藤浪晋太郎投手(24)が「日本生命セ・パ交流戦」楽天戦(楽天生命パーク宮城)に先発。昨年5月4日ヤクルト戦(神宮)以来、勝ち星から見放されていたが、6回1/3無失点の好投で、実に407日ぶりの勝利投手となった。 ◇ ◇ ◇ ◇ 「キズナだ! キズナだ! キズナ差し切ってゴール!」。熱い実況に何度胸を熱くしただろうか。苦悩にまみれた1年1カ月の間、藤浪が心の支えにした動画がある。13年の競馬・日本ダービー。武豊騎乗のキズナが大外から豪快に差し切ったレースだ。 当時、天才ジョッキーは10年の落馬負傷から不振がささやかれ続けていた。完勝で周囲を黙らせた名場面。「ゴールの後、豊さんのグッと小さくかみしめるようなガッツポーズに、どれだけの感情がこもっていたんだろう、と思うと...。自分も頑張れます」。いつだって、あの右手の握り拳を見れば心を強く保てた。 制球難に苦しみ、各方面から不調の要因を精神面と結論づけられた。藤浪は「精神的な問題なら、もうとっくに投げられなくなっていますよ」と苦笑いする。開幕前の3月、テレビ放送の企画で野球評論家・桑田真澄氏と対談。「藤浪くんに足りないのは技術力」と言い切られて「納得できた」と言う。「僕は、技術は精神面を凌駕(りょうが)する、と思っている。技術を上げるしかない」と、最善のフォームを模索した。 5月、藤浪は武豊と食事を共にし「頑張ってな」と言葉をかけられた。2人の絆を白星で表現し、藤浪は再びゲートから飛び出した。【阪神担当=佐井陽介】
◆阪神藤川が9回のマウンドを任された。 4点リードのマウンドだったため、セーブがつくことはなかったが、守護神ドリス不在の窮地で存在感を示した。最終回を3者凡退に打ち取り「勝てばなんでもいいです」と笑顔を見せてチームバスに乗り込んだ。金本監督も「全盛期に近い球を投げてますから」と、最終回に起用した理由を説明した。
◆阪神・藤浪晋太郎投手(24)が楽天戦に先発し、6回1/3を投げ9三振を奪うなど4安打無失点の好投で今季初勝利。昨季5月4日のヤクルト戦(神宮)以来、407日ぶりの勝利で復活の兆しを見せた。ヒーローインタビューに臨んだ藤浪はファンの声援を浴び、喜びをかみしめた。 --久しぶりにウイニングボールを手にして、今どんな思いが 「そうですね、まあ本当。素直に、勝ちをつけてもらったことがうれしいですし、ただねえ、もうちょっとしっかり粘れたらなあという気持ちと、まあなんかうれしい気持ちとちょっと悔しい気持ちと複雑です」 --雨の中応援されたタイガースファンからも大歓声が起こりました。どうでしたか 「そうですね、本当にこう、今日は本当に気温も低いですし、雨も降ってるなか、たくさんの方に足を運んでいただいたので、応援が力になりましたし、本当にうれしかったです」 --今日はずっと、雨が降り続く中のコンディションでしたが、七回途中、4安打無失点9奪三振。このピッチングは 「まあ内容的には全然悪くないんですけどね。もう本当、自分のなかで『あのイニングしっかり、やっぱり自分で投げないと』という気持ちがすごい強いので。次ね、しっかりああいうところで粘れるように、これからがんばりたいと思います」 --その後、リリーフ陣もリードを守ってくれました。打線の援護もありました。そのあたりはどうでしょうか 「本当にねえ、野手の方もしっかり守ってもらいましたし。リリーフの方にも抑えてもらいましたし、点数も取ってもらったので。本当、いろんな方に勝ちをつけてもらって。次はね、それを自分の力で恩を返せるようにしたいと思います」 --藤浪投手にとって、少しブランクが空いての勝利になりました。この勝利はこの先にどうつながっていきますか 「本当、勝ちがつくというのはね、すごい個人的に嬉しいことですし、気持ちもちょっと楽になるので、次以降につなげられるようにしたいと思います」 --タイガースファンの皆さんは、藤浪投手の逆襲を期待していると思います。この先に向けて 「これからね、しっかり勝っていけるように。チームに助けてもらうんじゃなくてチームを助けられるように。一生懸命がんばっていきたいと思います」
◆楽天は5安打に終わり、今季8度目の零敗を喫した。0-0の三回に一死満塁の好機を得たが、島内が三ゴロ併殺打で無得点。梨田監督は「最悪の結果。流れを持ってこられなかった」と悔やんだ。 程よく荒れた藤浪を攻略できず、梨田監督は「割とストライク先行で、ボール球の変化球を振らされた」と振り返った。七回二死満塁でも嶋が中飛。今季は好機を生かせない戦いぶりが続き、好転の兆しが見えない。 辛島(六回途中2失点で6敗目) 「(中谷の2ランは)逆球だった。絶対にボール球を投げようと思っていたけど。もったいない」 田中(二回に中堅守備で左中間への飛球をダイビングキャッチ) 「守備は絶対にミスをしてはいけないので必死だった」
◆阪神の中谷が六回に2点本塁打で均衡を破った。四球を選んだ糸原を山崎がバントで送った一死二塁から、辛島の高めに浮いたストレートを左翼席に運び「甘くなった球をしっかり自分のスイングで仕留めることができた」と満面の笑みを見せた。 5月22日に1軍昇格して以来、先発出場を続ける25歳。控えに回った福留に代わって今季初の3番起用に応え、チームを3位に押し上げた。「(藤浪)晋太郎が頑張っていたし、しっかり(走者を)かえそうと思った」と誇らしげだった。 金本監督(昨年5月4日以来の白星を挙げた藤浪に) 「彼の力からすればうれし、恥ずかしでしょうね」 阪神・香田投手コーチ(藤浪に) 「非常に良かった。テンポも良かったし、彼に勝ちが付いたのが大きい」
◆楽天のウィーラーが二回の攻撃で二盗を試みてヘッドスライディングをした際に左手の人さし指を痛めて途中交代した。仙台市内の病院に行き、剥離骨折で競技復帰まで8週間と診断された。
◆阪神・藤浪晋太郎投手(24)が楽天戦に先発し、6回1/3を投げ9三振を奪うなど4安打無失点の好投で今季初勝利。昨季5月4日のヤクルト戦(神宮)以来、407日ぶりの勝利で復活の兆しを見せた。 勝利の瞬間、藤浪はベンチで何度もハイタッチをかわした。杜の都で笑みがはじける。ヒーローインタビューでは「素直にうれしいです」とうなずいた。 藤浪は三回に一死満塁のピンチを迎えたが、島内を三ゴロ併殺打で仕留めた。五回には一死から、聖沢を空振り三振、続く嶋は見逃し三振に仕留めた。七回、先頭打者ディクソンを空振り三振。続くアマダーに四球を与え、茂木に安打を許し一死一、二塁となったところで降板した。2番手で登板した岩崎、桑原がこの回を無失点で切り抜けた。藤浪の球数は108、3四球だった。 打線は六回一死二塁から中谷が左越えの3号2ランを放ち先制。七回には糸原の適時二塁打で1点を追加した。九回には二死満塁から俊介の右前適時打で突き放した。
◆阪神・藤浪晋太郎投手(24)が楽天戦に先発し、6回1/3を投げ9三振を奪うなど4安打無失点の好投で今季初勝利。昨季5月4日のヤクルト戦(神宮)以来、407日ぶりの勝利で復活の兆しを見せた。ヒーローインタビューに臨んだ藤浪はファンの声援を浴び、喜びをかみしめた。 --久しぶりにウイニングボールを手にして、今どんな思いが 「そうですね、まあ本当。素直に、勝ちをつけてもらったことがうれしいですし、ただねえ、もうちょっとしっかり粘れたらなあという気持ちと、まあなんかうれしい気持ちとちょっと悔しい気持ちと複雑です」 --雨の中応援されたタイガースファンからも大歓声が起こりました。どうでしたか 「そうですね、本当にこう、今日は本当に気温も低いですし、雨も降ってるなか、たくさんの方に足を運んでいただいたので、応援が力になりましたし、本当にうれしかったです」 --今日はずっと、雨が降り続く中のコンディションでしたが、七回途中、4安打無失点9奪三振。このピッチングは 「まあ内容的には全然悪くないんですけどね。もう本当、自分のなかで『あのイニングしっかり、やっぱり自分で投げないと』という気持ちがすごい強いので。次ね、しっかりああいうところで粘れるように、これからがんばりたいと思います」 --その後、リリーフ陣もリードを守ってくれました。打線の援護もありました。そのあたりはどうでしょうか 「本当にねえ、野手の方もしっかり守ってもらいましたし。リリーフの方にも抑えてもらいましたし、点数も取ってもらったので。本当、いろんな方に勝ちをつけてもらって。次はね、それを自分の力で恩を返せるようにしたいと思います」 --藤浪投手にとって、少しブランクが空いての勝利になりました。この勝利はこの先にどうつながっていきますか 「本当、勝ちがつくというのはね、すごい個人的に嬉しいことですし、気持ちもちょっと楽になるので、次以降につなげられるようにしたいと思います」 --タイガースファンの皆さんは、藤浪投手の逆襲を期待していると思います。この先に向けて 「これからね、しっかり勝っていけるように。チームに助けてもらうんじゃなくてチームを助けられるように。一生懸命がんばっていきたいと思います」
◆楽天は5安打に終わり、今季8度目の零敗を喫した。0-0の三回に一死満塁の好機を得たが、島内が三ゴロ併殺打で無得点。梨田監督は「最悪の結果。流れを持ってこられなかった」と悔やんだ。 程よく荒れた藤浪を攻略できず、梨田監督は「割とストライク先行で、ボール球の変化球を振らされた」と振り返った。七回二死満塁でも嶋が中飛。今季は好機を生かせない戦いぶりが続き、好転の兆しが見えない。 辛島(六回途中2失点で6敗目) 「(中谷の2ランは)逆球だった。絶対にボール球を投げようと思っていたけど。もったいない」 田中(二回に中堅守備で左中間への飛球をダイビングキャッチ) 「守備は絶対にミスをしてはいけないので必死だった」
◆阪神の中谷が六回に2点本塁打で均衡を破った。四球を選んだ糸原を山崎がバントで送った一死二塁から、辛島の高めに浮いたストレートを左翼席に運び「甘くなった球をしっかり自分のスイングで仕留めることができた」と満面の笑みを見せた。 5月22日に1軍昇格して以来、先発出場を続ける25歳。控えに回った福留に代わって今季初の3番起用に応え、チームを3位に押し上げた。「(藤浪)晋太郎が頑張っていたし、しっかり(走者を)かえそうと思った」と誇らしげだった。 金本監督(昨年5月4日以来の白星を挙げた藤浪に) 「彼の力からすればうれし、恥ずかしでしょうね」 阪神・香田投手コーチ(藤浪に) 「非常に良かった。テンポも良かったし、彼に勝ちが付いたのが大きい」
◆楽天のウィーラーが二回の攻撃で二盗を試みてヘッドスライディングをした際に左手の人さし指を痛めて途中交代した。仙台市内の病院に行き、剥離骨折で競技復帰まで8週間と診断された。
◆阪神・藤浪晋太郎投手(24)が、楽天相手に6回1/3を4安打無失点で、9奪三振の快投。2017年5月4日以来、407日ぶりの勝利を手にした。 -久しぶりのウイニングボールを手にして、今どんな思い 藤浪 「本当に素直に勝ちをつけてもらったのはうれしいですし、もうちょっと粘れたらなという気持ちと、うれしい気持ちと、ちょっと悔しい気持ちと、複雑です」 -雨の中のファンからも大歓声 「気温も低いし、雨が降っている中、たくさんの方に足を運んでもらったんで、応援が力になりましたし、本当にうれしかったです」 -自分のピッチングはどう? 「内容的には全然悪くないんですけど、本当に自分の中で、あの(七回の)イニングは自分で投げないと、という気持ちが強いんで。次はしっかり、ああいうところで粘れるように、これからがんばりたいと思います」 -リリーフ陣もリードを守ってくれ、打線の援護もあった 「野手にしっかり守ってもらいましたし、リリーフの方にも抑えてもらったし、点数もとってもらったんで本当、いろんな方に勝ちをつけてもらったんで、次はそれを自分の力で恩を返せるようにしたいです」 -この勝利はこの先、どうつながっていく? 「勝ちが付くのは個人的にすごくうれしいことですし、気持ちもちょっと楽になるので、次以降にしっかりつなげられるようにしたいです」 -ファンは藤浪投手の逆襲を期待している 「これからしっかり勝っていけるように、チームに助けてもらうんじゃなくて、チームを助けられるように一生懸命頑張っていこうと思います」
◆どうして2位の次の日に5位になるんだ? 小雨がパラつく中、楽天生命パークへ向かいながら、トラ番サブキャップ長友孝輔とベテラン編集委員上田雅昭がこんな会話をしていました。 「きのうの今の時間は2位だったんですよ」 「なあ。それが、なんできょうは、やれ5位だの、最下位だのと心配せないかんのや」 セ・リーグは首位の広島を除く5球団がすべて勝率5割以下で、2位から下は大混戦。前日14日の試合前に借金2で2位だった阪神は、ひとつ負けて借金3になっただけで5位に転落。この日も負けていたら、最下位に転落する可能性があったのです。 「だから、交流戦で残り試合いくつ勝てば5割復帰だとか、まったく頭に浮かんでこん。一喜一憂せず、ひとつひとつや」 そんな中で、この日は上本が左膝の手術、石崎が右肘の手術を受けたことが発表され、上本は今季絶望、石崎も長期離脱が決定的となりました。 「上本の場合は、診断結果(左膝前十字靱帯損傷)が出たときに、復帰に時間がかかるのはわかっていた。急にピンチがきたわけじゃない。いまいるメンバーで、やっていかなしゃあない」 上田が普段以上に達観した口調で話しているころ、元気いっぱいにスタンドの最上段に上っていって感激している男がおりました。 「この球場、いいですねえ」 若手のトラ番竹村岳です。交流戦は、それぞれの本拠地での3連戦を隔年で実施する形で計18試合が行われます。昨年の楽天3連戦は甲子園球場でしたから、2年目の竹村は楽天生命パークを訪れるのは今回が初めてでした。 「レフトの後方の観覧車も楽しそうです。座席が赤で統一されていてきれいだし、傾斜がきつくてスタンドも高いので、最上段からの景色も最高です」 楽天生命パークのスタンド最上段は高さ約20メートルで、ビルでいえば7階。三塁側スタンドの最上段には「イーグルブリッジ」というアトラクションがあって、外に突き出ている橋の上を歩いたり、"空中ブランコ"を楽しむことができます。その見晴らしのいい球場で、昨年5月4日以来勝ち星がなかった藤浪が好投しました。 「僕がこの仕事を始めて、初めて鳴尾浜で藤浪投手のキャッチボールを後ろからみたときの驚きは忘れません。この仕事始めて良かった~!! って思ったことを今でも鮮明に覚えています。ブルペンで投げているときも、2軍で調整登板していたときも。きょうこそは勝ちますよ、きょうこそは。藤浪投手が投げるボール、本当にすごいんです。どこのチームが相手でも勝てるボールなんです!!」 楽天の本拠地球場の美しさに感動していた竹村は、試合後は藤浪の投球に感激していました。 あ、広島とヤクルトとDeNAと中日が負けた。5位だった阪神が、ヤクルトと並んで3位タイに浮上です。 俺は一喜一憂するぞ!! 藤浪、おめでとう。これから頼むで。
◆--藤浪はかなり投球が安定していたが 金本監督 「そやね。でも球数が増えてくると急にバランスのスタミナといえばおかしいけど、ちょっと疲れてくると、最後は抜け始めるからね。もう少しやね。スタミナというか」 --次はローテに組み込むか 「う~んとね...次はどうやったかな。抹消するんかな、1回。一応、予定組んでいるのがあるからね。ちょっとまだわからんけど。リリーフも今、多めにおいておかないとアカンから。その関係もあるやろ」 --3点差でも、最後は藤川を投入だった 「そうそう」 --状態のよさをみて 「全盛期に近い球がきてますから」 --継投も細かかった 「3点差だったからね。細かくというか、大事に大事にいきましたけどね」
◆おーい、虎国のみんな~! わが白星から黒星に連れ去られたシンちゃん(藤浪)が407日ぶりに帰ってきたぞー!! 「ほ、ほんまや...。あの三振をポンポンと奪う(本日6回1/3で9奪三振)虎国のヒーロー、シンちゃんが戻って来よった?!」 「いや、そー素直に信じたらアカンでェ。まだノーコンエイリアンに体を支配されとるんとちゃうか?」 「ハハハ...。皆さんの心配はごもっとも! 確かに本日も3四球は出しましたが、最大のピンチの三回一死満塁で楽天の3番・島内に対し、今までなら強引に三振を取りにいく『シンタロウチカラマカセビーム』で勝負していたのに、『カンキュウ5-2-3フラッシュ』の変化球でゲッツーをとったところ。あれが♪シン、シン、シンタロー♪の真骨頂なのでありまーす!!」 オー、よく言ったア!! あんたが大将!! 「そして最後に一言、古い昭和のセリフで僕もあまり分からないのですが...。僕は負けましぇ~ん!! 今までの分、407日負けましぇ~ん」。クーッ、そりゃ杜の都・仙台に、うれし涙の雨が降り続けたわけだわ...。
◆今季8度目の零敗で、借金は最多タイの19に膨らんだ。先発の辛島は、5回1/3を2安打2失点で6敗目。五回まで無失点だったものの、六回に四球の後、中谷に先制2ランを許し「ボール球を投げようとしたら抜けた。本当にもったいなかった」と悔やんだ。2安打での降板について、梨田監督は「本塁打直後の(5個目の)四球で代えざるを得なかった」と説明した。 三回一死満塁の好機に三ゴロ併殺打に倒れた楽天・島内 「しっかり振り切らないと。ああいう(中途半端な)スイングをすると、チームが波に乗れない」
◆完封リレーの4番手は能見。3点リードの八回に登場し、いきなり田中に左前打を浴びたが、冷静に後続を3人抑えた。「点差もあったんで、1人1人という気持ちで投げました」。すっかり勝利の方程式の一員となったベテランだが、報道陣が集まってくると「何も言うことはないよ」とクールを装った。それでも、藤浪の初勝利を問われると「晋太郎、良かったね」。自分のことには無表情だったが、後輩の初勝利には心からうれしそうだった。
◆牛タンもお寿司もうれしいけど、やっぱり、球児の笑顔がイチバン!! マテオもいない。守護神・ドリスまで体調不良で戦線から離脱。そんなピンチを救ってくれたのだから、伊達政宗も地団駄を踏んだに違いない。 「勝てば何でもいいので~」 球児は弾むように帰りのバスへと乗り込んだ。 先発・藤浪が3点リードの七回一死後に四球と単打で一、二塁のピンチを招いた。金本監督は代打・藤田に合わせて、岩崎をワンポイントで投入。桑原がバトンをつなぎ、八回は中継ぎに配置転換した能見が1回1安打無失点。そして最後の九回、山崎、茂木、藤田の3人で片づけたのが、我らが背番号「22」だ。 金本監督は「3点差だったからね。細かくというか大事に大事にいきました」と振り返る。"ポスト・ドリス"について「全盛期に近い球がきている」と球児と桑原の二者択一であることを明言しているが、いきなりこの作戦がハマったのだから、そぼ降る雨も歓喜のシャワーになるはずだ。 ちなみに球児はこの日、球場入りすると、直接グラウンドの状態を確認。雨天中止を危惧するチーム関係者には「楽天の担当記者に聞くのが確実」と"餅は餅屋"であることを強調。いかに仙台が雨に強い場所であるかを把握し、スタンバイしていた。 九回の攻撃が無得点であれば球児に2016年8月10日の広島戦(マツダ)以来674日ぶりのセーブがついていたが、それは次回以降のお楽しみ-。ブルペン陣の結束で、火事場を乗り切る。 (阿部祐亮)
◆降りしきるみちのくの冷たい霧雨も、均衡も、うなりを上げる白球で一気に突き破った。3番に座るにふさわしい、値千金の一発だ。中谷が架けたドでかい一発は、チームにも、藤浪にも大きな一発になった。弾むような足取りで三塁ベースを踏みながら、思わずバシッと手を叩いた。 「(藤浪)晋太郎が頑張っていた。前の打席、凡退したので。(足の上げ方を変えたのかと問われ)前に突っ込み過ぎていたので。後ろからボールを見られるように」 0-0の六回。糸原が四球を選び、山崎が投前犠打とおぜん立てして、一死二塁になった。福留の休養日ということもあり今季初めて「3番」に名を連ねた中谷だが、投ゴロ、二ゴロと、サッパリな内容で2打席凡退。何かを変えたかった。ボールを見る意識から変えて、打席に入った。 粘投を続ける楽天・辛島をにらみつけ、迎えたカウント2-1からの4球目。外角高めへ浮いてきた直球を、夢中で捕まえた。左中間にそびえ立つ名物の観覧車の足元、キラキラと回るメリーゴーラウンドの目の前まで、一気に運び去った。12日の日本ハム戦(札幌ドーム)での2号弾以来3戦ぶりの3号弾、貴重な2点を生んでみせた。 これまでなかなか見られなかったような勝負を決める一撃。金本監督も思わずうなる。「昨日もいった通りヒットは出るけど、あとは得点圏。きょうは得点圏で、結構早いうちからね。中谷も(走者が)二塁にいたしね、あのホームランのときも」とたたえる。昨年2017年も4度「3番」に抜てきされていたが、今季こそはと"一発回答"だ。 実はもっと以前にも、クリーンアップに"指名"されていた。金本監督がまだ現役選手だった12年。高卒2年目にして2月の沖縄・宜野座キャンプに抜てきされていた中谷は、当時在籍していた森田とともに鉄人に食事に連れ出され「持ってるモンはいい。3番、4番を打つようになる」と期待をかけられていた。関係も指揮官と選手に変わり、必死で食らいつき、ひと振りでチームを救う男に、少しずつなろうとしている。 「臨機応変にやっていきたいです」 もっともっと、対応力も磨き、チームを勝たせる。活気づき始めた打線の中心にいるのは、間違いなく中谷だ。 (長友孝輔)
◆やっと、やっと勝った! 阪神・藤浪晋太郎投手(24)が、楽天相手に6回1/3を4安打無失点で、9奪三振の快投。2017年5月4日以来、407日ぶりの勝利を手にした。今季6度目でつかんだウイニングボールに「楽になった」。チームの連敗を2でストップし、3位浮上。虎も、藤浪も、ここから逆襲や~! ついにこの日がやってきた。ウイニングボールを受け取り、心からの笑みがこぼれる。小雨が降る杜の都で、藤浪が光り輝いた。1年以上離れていた白星。忘れかけていたその味は、格別だった。 「素直に勝ちをつけてもらえてうれしいです。うれしい気持ちと悔しい気持ちと、複雑です。久しぶりだな、という感じです」 最大のピンチは三回。2安打と四球で一死満塁とされるも、ギアをあげた。フォークで島内を三ゴロ併殺に仕留めた。走者を出してから崩れる姿はもうない。四回から六回までは1人の走者も許さなかった。七回一死から安打と四球で岩崎にバトンを託したことに悔しさをにじませたが、堂々の6回1/3を4安打無失点。108球の熱投に、虎党から万雷の拍手が送られた。 見守った金本監督も「チームとしてもひと安心ですし、本人はどうやろ、うれし恥ずかしみたいな...407日ぶり? 彼の力からすればうれし恥ずかしでしょうね」。過去2年、7勝、3勝と期待を裏切られてきた右腕の逆襲の合図に、大きくうなずいた。 開幕2戦目の巨人戦のマウンドを託され、完全復活を期待された今季だったが、勝てない。2軍で結果を残しても、1軍では悪癖の制球難に陥り、マウンドで自分をコントロールできなくなる。その繰り返しだった。 「勝てない藤浪」-。屈辱のファームでも下を見ることなく、若手に混じって鳴尾浜で必死に汗を流した。ブルペンでは後輩に決め球の一つでもあるカットボールを惜しげもなく伝授。「自分はこういうやり方だけど、自分に合う握りや方法が絶対あるから」。教えることで、自らの投球を振り返ることにもつながった。 19歳の才木が「引き出しの一つになりました」と話せば、20歳の望月も「自分から聞きにいきました。力の入れ方とかリリースとか。練習から試したい」。打者を抑えるために貪欲な年下の姿を目の当たりにし、原点に戻ることもできた。そんな後輩のためにも、ふがいない姿をみせ続けるわけにもいかなかった。 4月20日の巨人戦(甲子園)で5回6失点で2軍落ちしたが、「厳しいコースにいかなくても、それなりのボールを投げれば抑えられる」との手応えもあった。投げ合った巨人・菅野が変化球でカウントを取っていた。その姿も手本にもなった。ブルペンで重点的に変化球を投げ込んだ。「曲がらなくてもいいから、どんどんストライクをとること」。周囲から厳しい声が聞こえる中、苦悩を乗り越え、かつての輝きを取り戻した。 「勝ちが付くと気持ち的に楽になる。次につなげたい」 呪縛は取れたが、今後は一度登録を抹消予定。この日はエフレン・ナバーロ内野手(32)=カブス傘下3A=の獲得が発表された。今季の鍵を握る右腕と新助っ人。虎の逆転優勝への布陣が整った。 (竹村岳)
★登板の度にデータチェック 藤浪は昨オフに球団が、投球の回転数や打球の角度などを測定できる弾道測定器「トラックマン」を導入することを知ると、すぐさま足を運んだ。悪癖の制球難の原因を知りたかった。「自分の球が打者からどう見えているかとか、あとはシュート回転が一概に悪いわけではないことがわかった。直そうとして良さをなくすんじゃなくて、生かしていくことを考えたほうがいい」。登板の度にもデータをチェック。感覚と数字をすり合わせ、自分自身と向き合ってきた。
★登板の度にデータチェック 藤浪は昨オフに球団が、投球の回転数や打球の角度などを測定できる弾道測定器「トラックマン」を導入することを知ると、すぐさま足を運んだ。悪癖の制球難の原因を知りたかった。「自分の球が打者からどう見えているかとか、あとはシュート回転が一概に悪いわけではないことがわかった。直そうとして良さをなくすんじゃなくて、生かしていくことを考えたほうがいい」。登板の度にもデータをチェック。感覚と数字をすり合わせ、自分自身と向き合ってきた。
◆1年以上勝てなかった藤浪にとっては、どんな形でも1つ勝つことが何よりも大事だった。それが七回途中で交代したとはいえ、無失点。気分的に楽になったはずだ。 前回登板(3日、西武戦)から、これまで見られなかった「落ち着き」を取り戻しており、続けられればいいな、と思っていたが、期待通りの投球だった。走者がいない時はバランスを意識して、走者を背負ってクイックになったときは力を込めて抑えに行く。この切り替えがうまくできていた。 もともと微妙な制球で抑えるタイプではないが、序盤の2四球は球が暴れてではなく、際どいコースが外れての四球だったことも、復調を感じさせた。初めて、球が暴れて許した四球が七回のアマダー。この危険信号にベンチがすぐに反応した。直後に茂木に中前打を浴びると、迷うことなく交代。藤浪復活へ向けて、この判断も素晴らしかった。 今後は、もう少し長いイニングを投げ、球数が増えてきた時、この日の六回までと同じ投球ができれば、真の復活といえる。真価を問われる次回登板だ。 (サンケイスポーツ専属評論家)
<セ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (-) |
広島 | 33 | 26 | 1 | 0.559 (↓0.01) | 0 (-) | 83 | 276 (-) | 267 (+8) | 60 (-) | 32 (-) | 0.256 (↓0.002) | 4.16 (↓0.08) |
2 (↑2) |
巨人 | 30 | 31 | 1 | 0.492 (↑0.009) | 4 (↑1) | 81 | 283 (+5) | 249 (-) | 60 (+1) | 30 (-) | 0.268 (-) | 3.79 (↑0.07) |
3 (↑2) |
阪神 | 28 | 30 | 0 | 0.483 (↑0.009) | 4.5 (↑1) | 85 | 198 (+4) | 222 (-) | 31 (+1) | 36 (+4) | 0.239 (↑0.001) | 3.39 (↑0.06) |
4 (↓2) |
ヤクルト | 28 | 30 | 1 | 0.483 (↓0.008) | 4.5 (-) | 84 | 253 (+4) | 280 (+11) | 53 (-) | 34 (-) | 0.251 (-) | 4.29 (↓0.13) |
5 (↓2) |
DeNA | 27 | 29 | 2 | 0.482 (↓0.009) | 4.5 (-) | 85 | 231 (+3) | 235 (+7) | 70 (+1) | 37 (-) | 0.254 (↑0.001) | 3.68 (↓0.05) |
6 (-) |
中日 | 28 | 34 | 1 | 0.452 (↓0.007) | 6.5 (-) | 80 | 248 (+2) | 284 (+3) | 43 (+1) | 35 (+2) | 0.262 (↓0.001) | 4.28 (↑0.03) |
<パ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (-) |
西武 | 36 | 24 | 0 | 0.6 (↑0.007) | 0 (-) | 83 | 341 (+3) | 262 (+2) | 66 (-) | 75 (+1) | 0.275 (↓0.001) | 4.08 (↑0.04) |
2 (-) |
日ハム | 35 | 27 | 0 | 0.565 (↑0.008) | 2 (-) | 81 | 271 (+11) | 247 (+4) | 68 (+1) | 48 (-) | 0.242 (↑0.001) | 3.77 (↓0.01) |
3 (-) |
ORIX | 33 | 29 | 1 | 0.532 (↑0.007) | 4 (-) | 80 | 239 (+7) | 236 (+3) | 52 (+1) | 35 (-) | 0.236 (↑0.001) | 3.56 (↑0.01) |
4 (-) |
福岡 | 32 | 29 | 0 | 0.525 (↑0.008) | 4.5 (-) | 82 | 265 (+8) | 243 (-) | 81 (+4) | 39 (-) | 0.254 (-) | 3.87 (↑0.07) |
5 (-) |
ロッテ | 29 | 31 | 0 | 0.483 (↓0.009) | 7 (↓1) | 83 | 244 (-) | 245 (+5) | 29 (-) | 61 (+1) | 0.257 (↓0.001) | 3.68 (↓0.03) |
6 (-) |
楽天 | 21 | 40 | 1 | 0.344 (↓0.006) | 15.5 (↓1) | 81 | 185 (-) | 264 (+4) | 49 (-) | 33 (-) | 0.229 (↓0.001) | 4.01 (-) |
<交流戦順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (-) |
ヤクルト | 11 | 4 | 0 | 0.733 (↓0.053) | 0 (-) | 3 | 68 (+4) | 56 (+11) | 14 (-) | 7 (-) | 0.248 (↑0.001) | 3.56 (↓0.56) |
2 (-) |
ORIX | 10 | 5 | 0 | 0.667 (↑0.024) | 1 (↑1) | 3 | 68 (+7) | 53 (+3) | 17 (+1) | 7 (-) | 0.257 (↑0.003) | 3.49 (↑0.04) |
3 (-) |
西武 | 9 | 6 | 0 | 0.6 (↑0.029) | 2 (↑1) | 3 | 87 (+3) | 71 (+2) | 20 (-) | 19 (+1) | 0.263 (↓0.004) | 4.61 (↑0.23) |
4 (↑1) |
福岡 | 9 | 6 | 0 | 0.6 (↑0.029) | 2 (↑1) | 3 | 66 (+8) | 58 (-) | 24 (+4) | 9 (-) | 0.232 (↑0.002) | 3.6 (↑0.26) |
5 (↑1) |
日ハム | 8 | 7 | 0 | 0.533 (↑0.033) | 3 (↑1) | 3 | 95 (+11) | 71 (+4) | 19 (+1) | 14 (-) | 0.26 (↑0.002) | 4.45 (↑0.04) |
6 (↓2) |
ロッテ | 8 | 7 | 0 | 0.533 (↓0.038) | 3 (-) | 3 | 53 (-) | 47 (+5) | 7 (-) | 13 (+1) | 0.28 (↓0.005) | 2.73 (↓0.16) |
7 (-) |
巨人 | 8 | 8 | 0 | 0.5 (↑0.033) | 3.5 (↑1) | 2 | 65 (+5) | 56 (-) | 20 (+1) | 9 (-) | 0.252 (-) | 3.3 (↑0.22) |
8 (-) |
DeNA | 6 | 8 | 0 | 0.429 (↓0.033) | 4.5 (-) | 4 | 55 (+3) | 65 (+7) | 17 (+1) | 8 (-) | 0.26 (↑0.003) | 4.54 (↓0.16) |
9 (-) |
広島 | 6 | 9 | 0 | 0.4 (↓0.029) | 5 (-) | 3 | 60 (-) | 88 (+8) | 14 (-) | 6 (-) | 0.264 (↓0.006) | 5.61 (↓0.22) |
10 (-) |
中日 | 6 | 10 | 0 | 0.375 (↓0.025) | 5.5 (-) | 2 | 54 (+2) | 76 (+3) | 10 (+1) | 7 (+2) | 0.258 (↓0.005) | 4.78 (↑0.13) |
11 (-) |
阪神 | 5 | 9 | 0 | 0.357 (↑0.049) | 5.5 (↑1) | 4 | 53 (+4) | 62 (-) | 7 (+1) | 9 (+4) | 0.261 (↓0.001) | 3.89 (↑0.3) |
12 (-) |
楽天 | 4 | 11 | 0 | 0.267 (↓0.019) | 7 (-) | 3 | 34 (-) | 55 (+4) | 9 (-) | 10 (-) | 0.229 (↓0.005) | 3.51 (↓0.03) |
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