阪神(★2対3☆)ヤクルト =リーグ戦14回戦(2020.09.02)・阪神甲子園球場=
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ヤクルト
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阪神
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勝利投手:石山 泰稚(3勝1敗9S)
(セーブ:近藤 一樹(0勝0敗1S))
敗戦投手:馬場 皐輔(1勝1敗0S)

本塁打
【阪神】サンズ(14号・7回裏2ラン)

  DAZN
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◆ヤクルトは1点を先制して迎えた3回表、1死一二塁から山田哲が適時打を放ち、リードを広げる。その後同点を許すも、延長10回に山田哲の犠飛で勝ち越しに成功した。投げては、4番手・石山が今季3勝目。敗れた阪神は、5番手・馬場が誤算で、打線もつながりを欠いた。

◆阪神先発のオネルキ・ガルシア投手(31)が、今季限りでの引退を発表した同僚藤川の登場曲「every little thing every precious thing」(リンドバーグ)で初回のマウンドに上がった。 今季は人気曲「パプリカ」(Foorin)を登場曲としていた。1日に引退会見を行ったチームメート藤川への思いから、本人の希望で変更した。 リンドバーグの同曲といえば、守護神藤川が試合を締める際に流れるため、ファンの間では「勝利の歌」とされる。いつもは最終盤に流れるメロディーが試合前に流れ、球場の拍手はより大きくなった。 トレードマークのモヒカンを前回登板の8月26日中日戦(甲子園)から赤髪に染め上げた助っ人左腕は、6回2失点で今季2勝目。中日時代の18年から甲子園で先発した試合は12戦で勝ち星がなかったが、13戦目で待望の白星が付いた。この日も幸運を運ぶ赤色モヒカン姿で、「勝利の歌」を力に連勝を目指す。

◆阪神先発のオネルキ・ガルシア投手(31)は6回5安打2失点で降板。登板前には今季限りでの引退を発表した同僚藤川に粋な計らいを見せたが、リードを許して交代となった。 初回は3者凡退で立ち上がったが、続く2回。先頭の4番村上に中越え三塁打を浴び、5番塩見の二ゴロ間に先制を許した。3回には1死から遊撃木浪の失策で走者を出した。青木に安打でつながれ、3番山田哲に中前適時打を浴びて2点目を失った。 4回以降は踏ん張り、6回107球2失点。打線がヤクルト先発の技巧派山中の前に無失点に抑えられる中、先発としての役割は果たした。 今季は登場曲に人気曲「パプリカ」(Foorin)を使用していた左腕だったが、藤川の登場曲「every little thing every precious thing」(リンドバーグ)を使用。チームメート藤川への思いから、本人の希望で登場曲を急きょ変更していた。

◆阪神の4番ジェリー・サンズ外野手(32)が値千金の3試合連続アーチで、試合を振り出しに戻した。 2点を追う7回。先頭の3番糸井が安打で出塁。サンズはヤクルト先発山中の外角109キロスライダーを強振し、左中間席に運ぶ14号同点2ラン。前日1日には劇的サヨナラ弾を放った男が、この日も快音を響かせた。 「山中投手にずっといいピッチングをされていた中で、糸井さんが出塁してくれたからかえしたいと思っていた。珍しく甘く入ったボールを一発で仕留めることができて良かったよ」 打線は下手投げの技巧派山中の前に6回まで2安打無失点を抑えられていたが、4番の1発で右腕をマウンド上から引きずり下ろした。

◆阪神が今季5度目の延長戦で初めて競り負けた。ここまで4試合は1勝3分だったが、この日は延長10回1死二、三塁からヤクルト山田哲人内野手に勝ち越しの中犠飛を許した。連勝は3でストップし、貯金は再び1となった。 阪神は今季初対戦のヤクルト先発・アンダースローの山中浩史投手にてこずるが、2点を追う7回、無死一塁から4番ジェリー・サンズ外野手が3試合連続となる14号2ランを放ち同点に追いついた。 阪神先発のオネルキ・ガルシア投手(31)は3回までに2点を失うが、その後6回まで粘りの投球を続け6回5安打2失点と先発の役割を果たした。救援陣も毎回走者を出しながらも0を重ね、延長戦へ持ち込んだ。だが、5番手の馬場皐輔投手がつかまった。

◆ヤクルトは2回無死三塁から内野ゴロの間に1点先制。3回には山田哲の中前適時打で1点を追加。阪神は3回まで無安打。 阪神は4回1死一、二塁の好機も4番サンズ二飛、5番大山捕邪飛で無得点。ヤクルトは4回以降、追加点を奪えず。 阪神は7回、サンズの3試合連続となる14号2ランで同点に追いつく。その後、両チーム勝ち越し点が奪えず、延長戦に突入した。 ヤクルトは10回1死二、三塁、山田哲の犠飛で勝ち越した。阪神は4連勝ならず。4番手で登板した石山が3勝目、近藤は1セーブ目。阪神馬場が今季初黒星。

◆阪神が延長10回、最下位ヤクルトに痛い競り負けを喫した。5番手馬場が決勝点を献上し、連勝は3でストップ。首位巨人とのゲーム差は7・5に開き、6日にも自力V消滅の危機に立たされた。救いは絶好調の4番ジェリー・サンズ外野手(32)の一時同点2ラン。来日初の3戦連発で希望をともした。4番が来日初の3戦連発を決め、敗戦の中に希望をともした。2点を追う7回無死一塁。サンズが山中の外角109キロスライダーを左中間席へ運ぶ14号同点2ランを放った。「山中投手にずっといい投球をされていた中で、糸井さんが出塁してくれたからかえしたいと思っていた。珍しく甘く入ったボールを、一発で仕留めることができてよかったよ」。絶好調4番が一時試合を振り出しに戻した。 打線は過去4勝7敗と苦手にしている下手投げ右腕、山中にこの日も苦戦。100キロ台のスライダーと120キロ台の直球を主体にタイミングを外され、6回まで2安打無得点。両リーグトップの得点圏打率を誇るサンズも、4回1死一、二塁の好機は103キロのスライダーで二飛に倒れた。だが、失敗は繰り返さない。続く第3打席はカウント3-1まで全球見逃し。甘い球を待ち、この打席初めて投じられた5球目のスライダーを、完璧に仕留めた。 前日1日の同カードは、チーム全3得点をたたき出す先制打&サヨラナ弾。この日も同点2ランがチーム唯一の得点となった。矢野監督もあらためて勝負強さをたたえた。「自分の形を変えない部分もあるし、駆け引きもある。チャンスに強いというのは1つのことだけではそうならない。いろんな部分が優れている」。試合内での対応力など総合力を評価した。 8月20日の巨人戦(東京ドーム)で4番に座って以降の12試合で、打率3割2分6厘、5本塁打、14打点の絶好調。打線の呼応も待ちつつ、頼れる助っ人のバットは当分、止まりそうもない。【奥田隼人】 ▼阪神選手の3試合連続本塁打は、大山が今季8月8日広島戦から10日DeNA戦で3試合連発して以来。外国人選手では、ゴメスが15年9月19日DeNA戦から21日ヤクルト戦の3戦連続以来。 ▼阪神は最短6日に今季の自力優勝の可能性が消える。3日ヤクルト戦●で4~6日巨人戦●●●なら、7日以降の54試合に先勝しても最終成績は84勝33敗3分けで勝率7割1分8厘。巨人は阪神戦の11試合に全敗しても、他球団との44試合に全勝すれば7割2分6厘となり、阪神を上回るため。

◆阪神糸井嘉男外野手が今季7度目のマルチ安打を放った。4回の中前打に続き、2点を追う7回にも中前安打。 続くサンズの同点2ランにつなげた。8回は2死一、三塁の場面で左翼フェンスギリギリの飛球に倒れ勝ち越しとはならなかった。それでも、8月15日広島戦以来、10戦ぶりの複数安打で気を吐いた。

◆9回に4番手で登板した阪神ロベルト・スアレス投手が、無失点に抑えて6ホールド目を記録した。 1死後、山崎に遊撃への内野安打を許したが、続く中村を直球2球で追い込んで最後は外のスライダーで遊ゴロ併殺に仕留めた。12球中9球が直球で、いずれも150キロを超える剛球だった。

◆阪神が今季5度目の延長戦で初めて競り負けた。ここまで4試合は1勝3分だったが、この日は延長10回1死二、三塁からヤクルト山田哲人内野手に勝ち越しの中犠飛を許した。連勝は3でストップし、貯金は再び1となった。 矢野燿大監督の一問一答は以下の通り。 -最後まで粘った 矢野監督 いやいや、それはもう、勝負いってるんで。しゃあないよ。 -その前にもっと攻めたかった 矢野監督 まあ、もちろん、もちろん。 -ヤクルト山中に苦戦した 矢野監督 横から見てるとね、そんなにね、すごみっていうのはないんだけど。丁寧に投げられたり緩急を使われたりしてるところで、みんなタイミング合ってなかったんでね。うまく投げられたっていうのはもちろんあるにしても、何とかしないとね。そこらへんは課題かな。 -先発ガルシアは力投 矢野監督 ガルシアはよく投げてくれたよ、うん。ガルの時はちょっと援護も少ないんでね。そういうところでは、あの回で、球数も100球くらいいってたのでね。先頭打者だったんで、代えるしかなかったけど、内容的にはしっかり投げてくれたと思います。 -サンズは変則右腕も打った 矢野監督 うん、まあね。状況もいいしね、打っている中身というか、ここで打ってほしいというところで打ってくれているというすごさもある。もちろん対応というところと、何て言うのかな、自分の形を変えない部分もあるし、また駆け引きもあるし。総合的に本当に。チャンスに強いというのは一つのことだけではそういうことにはならないんでね。いろんな部分が優れているかなと思います。 -中継ぎも7回以降つないでつないだ 矢野監督 それは出したピッチャーがね、頑張ってくれるしかないので、みんな粘ってくれたし、まあ、能見もあそこで1点で頑張ってくれたから、最後何とかという雰囲気を作れたんでね。まあピッチャーに関してはみんなよく頑張ってくれたんじゃないかな。 -また明日切り替えて 矢野監督 一戦必勝なんで、それしかないので。先を考えるとどうしても連戦とかなるし、何とか明日は打線が点とってね、ちょっとピッチャーを休ませるぐらい、打線が点をとってくれたらなと思います。

◆阪神6番手の能見篤史投手は粘りの投球だった。延長10回、1点を勝ち越されて、なおも2死三塁で救援登板。 村上、塩見に連続でストレートの四球を与えて満塁のピンチを背負ったが、エスコバーを低めフォークで遊飛に詰まらせた。矢野監督は「能見もあそこで(加点させず)1点で頑張ってくれたから、最後何とかという雰囲気を作れた」と評価した。藤川が前日1日に引退を表明。1学年上のベテラン左腕が意地を見せた。

◆阪神岩崎優投手が"1イニング4アウト"で無失点に抑えた。 先頭の青木には粘られながら、10球目のど真ん中への直球で遊ゴロ。山田哲には4球全て直球を投げ込み空振り三振。続く村上を振り逃げで出塁させたが、最後は塩見から外低めいっぱいの直球で見逃し三振を奪った。結果的に敗れはしたが、同点に追いついた直後に役割を果たした。

◆7試合連続スタメン二塁を守った阪神小幡竜平内野手が好守備を連発した。4回1死一塁では中村のライナーをダイビングキャッチ。 5回2死では山田哲の中前へ抜けようかというゴロを逆シングルで捕球し、体をひねった送球でアウトにした。「良いプレーをすることができた場面もありましたけど、自分は守備で信頼を得なければいけない選手なので、もっと練習します」。自分に厳しかったが、2年目19歳の若虎が守りでチームを支えた。

◆阪神は救援陣が崩れ、延長戦を落とした。暗転したのは10回だ。5番手馬場がヤクルト打線を抑えられない。1死一、三塁のピンチを招くと山田哲に中堅への勝ち越し犠飛を許してしまった。万事休す...。3連勝で止まり、首位巨人と7・5ゲーム差に広がった。 この日も合言葉は「球児魂」だった。先発ガルシアがその心意気を体現する。序盤に2点を失ったが中盤以降、尻上がりに球威がアップ。5回は青木にファウルで粘られながら146キロツーシームで空を切らせ、6回も村上を149キロ速球で空振り三振だ。2イニング連続3者凡退の意地だ。 踏ん張らなければならない理由があった。この日のプレーボール直前。虎党なら誰もが知るメロディーが甲子園に流れた。ガルシアが、前日1日に今季限りの引退を表明した藤川の登場曲「every little thing every precious thing」(リンドバーグ)を選んでいたのだ。今季は「パプリカ」(Foorin)を使用していたが去りゆく仲間への思いを込め、強く希望して急きょ曲を変更していた。 「今日は球児さんの登場曲を使わせてもらって、球児さんの思いを背負ってマウンドに上がったよ。先制はされてしまったけど、粘りの投球はできたと思う」 ガルシアが6回2失点でしのぐと、7回以降は継投に入る。まずは藤川と1月に合同自主トレを行う望月が登場。恩返しの力投で1イニングを抑えると、8回は岩崎が封じ、9回はスアレスが無難に片づけた。バックネット裏にはレプリカユニホームとみられる「FUJIKAWA 22」が掲げられるなか、投手陣は必死に抑えにかかった。 4連投の岩貞はこの日、疲労を考慮しての温存とみられる。13連戦2戦目は打線が援護できず、6人でつないだリレーは報われなかった。矢野監督は「みんな粘ってくれた。投手に関してはみんなよく頑張ってくれた」と振り返った。これ以上、離されるわけにいかない後半戦は、前を向いて戦う。

◆高めの真っすぐに体が反応した。同点の延長10回1死二、三塁。ヤクルト山田哲人内野手の打球は中堅フェンスぎりぎりまで天高く飛んだ。「追い込まれたので、どの球でも対応できるように。バットに当てることだけ考えました」。勝ち越しの犠飛となり「走者をかえす打撃ができたので、100点満点です」と笑った。 9回以降に勝負が決まる連日の接戦。負ければ5カード連続の負け越しが決まってしまう。前夜はサヨナラで落とした。高津監督は「こういう僅差の試合をいかに取れるか、昨日みたいに1発食らって終わるのか」。中軸から始まる9回に守護神石山を投入し、延長戦に望みをつないだ。 3試合連続の3番で起用された山田哲は3回にもチーム唯一の適時打を放ち、2打点を挙げた。「今日みたいな粘り強い野球。これがスワローズの野球だと思う。続けて明日からも頑張りたい」。1点を守り、1点を奪い、1つでも上位へ。明日も明後日も、それを積み重ねる。【鎌田良美】

◆阪神が延長10回、最下位ヤクルトに痛い競り負けを喫し、連勝が3で止まった。安定感の光った岩貞祐太投手(28)は4戦連続登板を考慮して温存したもようだが、5番手馬場皐輔投手(25)が決勝点を献上した。首位巨人とのゲーム差は7・5に開き、6日にも自力V消滅の危機に立たされた。救いは絶好調の4番、ジェリー・サンズ外野手(32)の一時同点の14号2ラン。来日初の3戦連発で希望をともした。救援陣が崩れ、阪神が延長で競り負けた。暗転したのは2-2で迎えた10回だ。5番手馬場がヤクルト打線を抑えられない。1死一、三塁のピンチを招くと山田哲に勝ち越し犠飛を献上。その裏攻撃陣が1死一、二塁のチャンスを作ったが、近本が遊ゴロ併殺でゲームセットとなった。もう少し早く打線がつながれば違った展開に...。「タラ」、「レバ」を嫌う矢野監督は「まあ、もちろん(そう)」と言葉をのみ込んだ。 過去4勝7敗のサブマリンに、今季初対戦のこの日も手こずった。山中に6回まで2安打。4回には1死一、二塁の好機でサンズと大山が凡退。7回にようやくサンズの2ランが飛び出したが、あとが続かなかった。「丁寧に投げられたり緩急を使われたりしてるところで、みんなタイミングが合ってなかった。うまく投げられたっていうのはもちろんあるにしても、何とかしないと。そこらへんは課題」。指揮官の言葉にはもどかしさがにじんだ。 ブルペン陣のやり繰りも悩ましい。この日はガルシアが先発。外国人枠の関係で、9ホールドのガンケルはベンチ外だった。13連戦のまだ2戦目。安定感が光る一方、4試合連続登板中だった岩貞の投入も簡単ではない状況だ。矢野監督は「ピッチャーに関してはみんなよく頑張ってくれたんじゃないかな」と、責めることはないが、連戦が続く中で苦慮するポイントだ。 2位阪神の連勝は3で止まり、首位巨人とは7・5ゲーム差に拡大。早ければ6日にも自力Vが消滅する危機に陥った。矢野監督は「一戦必勝なんで、それしかないので。先を考えるとどうしても連戦とかなるし、何とか明日は打線が点取ってね、ちょっとピッチャーを休ませるぐらい、打線が点を取ってくれたらなと思います」と力を込めた。セ界の火は消せない。4日からは直接対決4連戦が控える。何としても今日勝って、巨人戦にはずみをつけたい。【桝井聡】 ▼阪神は最短6日に今季の自力優勝の可能性が消える。3日ヤクルト戦●で4~6日巨人戦●●●なら、7日以降の54試合に先勝しても最終成績は84勝33敗3分けで勝率7割1分8厘。巨人は阪神戦の11試合に全敗しても、他球団との44試合に全勝すれば7割2分6厘となり、阪神を上回るため。

◆阪神が延長10回、最下位ヤクルトに痛い競り負けを喫した。5番手馬場が決勝点を献上し、連勝は3でストップ。首位巨人とのゲーム差は7・5に開き、6日にも自力V消滅の危機に立たされた。救いは絶好調の4番ジェリー・サンズ外野手(32)の一時同点2ラン。来日初の3戦連発で希望をともした。▼阪神は最短6日に今季の自力優勝の可能性が消える。3日阪神△または●で巨人○、さらに阪神が4~6日巨人戦●●●が条件。いずれのケースも、阪神が7日以降の54試合に全勝しても、巨人が阪神戦以外の44試合に全勝すれば勝率で阪神を上回るため。なお、シーズン143試合だった昨季は、86試合目の7月16日中日戦に敗れ、自力優勝が消滅した。

◆阪神のオネルキ・ガルシア投手(31)が、今季限りでの現役引退を発表した藤川球児投手(40)の登場曲、LINDBERGの「every little thing every precious thing」に乗って、先発マウンドに向かった。ガルシアの通常の登場曲はFoorinが歌う「パプリカ」。この日は、本人の希望でレジェンドの曲を流し、また虎に勢いがついた。

◆ヤクルト・山田哲人内野手(28)が2日、阪神14回戦(甲子園)に「3番・二塁」で先発出場。1点リードの三回1死一、二塁から中前適時打を放った。先発・ガルシアのチェンジアップを捉え「チャンスだったので、ランナーをかえすことだけを考えて打席に入りました」。好投を続けている山中を援護した。

◆、14回戦、7勝7敗、2日、甲子園)ここ6試合で5勝1敗と好調の阪神が延長戦で力尽きた。2ー2で迎えた延長10回、5番手の馬場が2安打などで1死二、三塁のピンチを招き、山田哲に決勝の中犠飛を許した。  流れは阪神に傾いていた。2点を追う七回無死一塁からサンズが3試合連続となる14号2ラン。「打ったのはスライダー。(前の打者の)糸井さんが出塁(中前打)してくれたから返したいと思っていた」とコメント。最終回の攻撃も1死一、二塁で近本がまさかの遊ゴロ併殺でゲームセット。後味の悪い敗戦となった。   先発して6回2失点(自責1)だった阪神・ガルシア 「今日は(現役引退を表明した藤川)球児さんの登場曲を使わせてもらって、球児さんの思いを背負って、マウンドに上がったよ」

◆ヤクルトが延長戦で阪神に競り勝った。勝負を決めたのは山田哲人内野手(28)の犠飛だった。  阪神・ガルシアとヤクルト・山中の投げ合い。先制はヤクルトで二回、先頭の村上が中越え三塁打を放つと、続く塩見の二ゴロの間に、1点を先取。三回には1死一、二塁のチャンスで、山田哲が中前適時打を放って2点目を挙げた。  山中は変幻自在の投球で阪神打線を翻弄。0を並べたが、七回に捕まった。無死一塁でサンズが左中間へ14号の同点本塁打。一発で追いつかれ、山中は降板した。その後、両チームはチャンスを作るも決定打は出ず、延長戦へ。ヤクルトは十回、馬場を攻め立て1死二、三塁のチャンスを作ると復調気配の山田哲が中犠飛を放ち、決勝点を奪った。その裏、5番手の近藤が1死一、二塁のピンチを招いたが、近本を遊ゴロ併殺に打ち取り、逃げ切った。

◆、14回戦、7勝7敗、2日、甲子園)阪神・矢野耀大監督(51)は延長戦の末に競り負けた試合後、報道陣の取材に応じた。  --最後まで走者を出して粘った  「いやいや、それはもう、勝負いってるんで。しゃあないよ」  --山中に苦戦した  「横から見てるとね、そんなにね、すごみっていうのはないんだけど。丁寧に投げられたり、緩急を使われたりしてるところで、みんなタイミング合ってなかったんでね。うまく投げられたっていうのはもちろんあるにしても、何とかしないとね。そこらへんは課題かな」  --先発のガルシアは  「よく投げてくれたよ、うん。ガルの時はちょっと援護も少ないんでね。そういうところでは、あの回で、球数も100球ぐらい、いってたんでね(6回2失点で107球)。(六回の攻撃ではガルシアが)先頭打者だったので、代えるしかなかったけど、内容的にはしっかり投げてくれたと思います」  --サンズは変則右腕にも対応  「うん、まあね。状況もいいしね。打っている中身というか、ここで打ってほしいというところで打ってくれているというすごさもある。もちろん対応というところと、何ていうのかな、自分の形を変えない部分もあるし、また駆け引きもあるし。チャンスに強いというのは、一つのことだけでは、そういうことにはならないんでね。いろんな部分が優れているかなと思います」  --リリーフも七回以降、粘ったが、延長十回に悔しい失点  「いやいや、それは出したピッチャーがね、頑張ってくれるしかないので。みんな粘ってくれたし、まあ、能見もあそこで1点で頑張ってくれた(延長10回に、1点を奪われた後に登板し、後続を断つ)から、最後に何とかという雰囲気を作れたんでね。まあピッチャーに関してはみんなよく頑張ってくれたんじゃないかな」  --明日また気持ちを切り替えて  「いつも一緒なので、それしかないので。先を考えるとどうしても連戦とかなるし、何とか明日は打線が点取ってね、ちょっとピッチャーを休ませるぐらい、打線が点をとってくれたらなと思います」

◆"虎キラー"が粘りの投球を披露した。ヤクルトのサブマリン右腕・山中が阪神戦に先発。地上約10センチから浮き上がる球で、阪神打線を手玉に取った。  前回、8月16日のDeNA戦(横浜)で701日ぶりに勝利。登板機会がなく、翌17日に出場選手登録を外れたが「立ち上がりが課題なので、そこをしっかり潰し込みができたらと思う」と状態を整えてきた。試合前の時点で通算17勝中7勝が阪神戦、そのうち5勝が甲子園でのもの。この日は有言実行の投球で、凡打の山を築いた。  一~三回までは1人の走者も許さない完全投球。球速は最速120キロ台だが、左右、奥行きを自在に使って的を絞らせない。四回1死から木浪に初安打となる左前打を許し、続く糸井に中前打とされたが、サンズを二飛、大山を捕邪飛に打ち取り、ピンチを脱した。  昨季はわずか4試合の登板で未勝利。オフは、故郷・熊本で再起をかけた。新たに取り入れたのがヨガ。全身の可動域を広げるため、練習前に約1時間半汗を流した。さらに「とにかく衰えないように、追い込むことで本当にきついときにマウンドで出る。精神的にも追い込んだ」と練習量も例年の約1・5倍に増量。必死だった。  六回までスコアボードに「0」を並べたが、七回にサンズに中越え2ランを被弾し、降板。6回0/3で4安打2失点と試合を作ったが、今季2勝目はお預けとなった。(赤尾裕希)

◆ヤクルトが延長戦で阪神に競り勝った。勝負を決めたのは山田哲人内野手(28)の犠飛だった。  山田哲は三回1死一、二塁のチャンスで、中前適時打を放って2点目を挙げると、延長に入った十回、勝ち越しの犠飛を放った。  お立ち台に上がった山田哲は「本当に粘り強い野球ができて最後に勝ててよかったと思います」と安心した表情。延長十回に打席に入ったときの心境を聞かれると、「追い込まれるまではしっかりボールを捉えてヒットを打ちに行くつもりで打席に入っていたんですけど。追い込まれてしまったので、何が来ても、どんなボールが来ても対応できるようなことを考えながら、食らいついていった」と振り返った。  さらに「本当厳しい状況だったんですけど。バットに当てることだけを考えていた。高めの真っすぐに反応し、犠牲フライにすることができた。ランナーを返すことだけを考えていたので100点満点です」と胸を張った。

◆阪神のガルシアは6回2失点と踏ん張った。本人の希望で、先日、今季限りでの現役引退を表明した藤川の登場曲で登板。「球児さんの思いを背負って、マウンドに上がった。粘りのピッチングはできた」と感慨深げに語った。  140キロ台後半の速球で押し、尻上がりに調子を上げた。勝ち星はまだ二つだが、安定した投球を続けている。矢野監督は「援護が少ないので。内容的にもしっかり投げてくれた」と評価した。

◆小幡が二塁で好守備を連発した。まずは四回1死一塁で、中村が二遊間に放ったライナーを横っ飛びでキャッチ。五回2死走者なしでは、山田哲の中前に抜けそうなゴロを捕球し、素早く一塁にワンバウンド送球。ヒット2本を阻止した。7試合連続で先発出場の19歳は「いいプレーをすることができた場面もありましたが、併殺を取り損ねそうになったシーンもあった。自分は守備で信頼を得なければいけない選手。もっと練習します」と浮かれることはなかった。

◆甲子園に渦巻くため息を一瞬で歓声に変えた。サンズが3試合連続ホームラン。悔しい敗戦のなか、虎の4番が一矢報いた。  「糸井さんが出塁してくれたから、かえしたいと思っていた。珍しく甘く入ったボールを一発で仕留めることができて、よかったね」  0-2の七回。無死一塁から、山中の外角に逃げていくスライダーを振り切った。8月30日の広島戦(マツダ)での先制3ラン、そして前日1日のヤクルト戦でのサヨナラ本塁打に続く、14号2ラン。前夜の一撃と全く同じ軌道を描き、左中間スタンドにぶち込んだ。  これで打点(45打点)に加え、本塁打数でもチーム単独トップに浮上。今季、自己最長の6試合連続安打と好調を維持している。  「山中投手にずっと良いピッチングをされていたからね」  今季初対戦だった山中は先発として、昨年まで阪神戦の防御率1・64。虎を幾度となく手玉に取ってきた難敵だった。珍しいサブマリン右腕に、サンズも0-2の四回1死一、二塁の好機で、二飛に倒れていた。  やられたらやり返す-。半沢直樹ばりの"倍返し"と、たぐいまれな対応力で山中をノックアウト。4番を任されてから12試合で打率・326、5本塁打、14打点と、その座を完全に"指定席"とした。  2日連続でチーム全打点をたたき出す活躍に、矢野監督も「打って欲しいというところで打ってくれているというすごさもある。いろんな部分が優れている」と、全幅の信頼を寄せている。  「後半戦はいっぱい勝っていかないといけないからね」  シーズンの折り返しに勝ち星量産を誓っていた助っ人。その打棒で、最後まで虎を引っ張り続ける。(原田遼太郎)

◆勝利を呼ぶ白球が、中堅へ上がった。ヤクルト・山田哲人内野手(28)が2-2の延長十回1死一、三塁から決勝犠飛。接戦をものにした一振りに、ヒーローは自画自賛した。  「ほとんどフォークボールを意識していたんですけど、高めの真っすぐが来たので反応で打つことができました。ランナーをかえすバッティングができたので、100点満点だと思います」  ここぞの場面で結果を残すのが、燕の背番号1だ。三回には8試合連続安打となる中前適時打。最高の立ち上がりを見せた山中を援護するために、追加点をもたらした。  前夜(1日)はサヨナラ負けを喫したが、この日は7月25日の巨人戦以来の1点差勝利。高津監督は「僅差のゲームで、いかにもう1点を取るか、もう1点を防ぐかが永遠の野球のテーマであり、難しいところ。哲人にああいう形(十回の勝ち越し機)で回ったら、必ず点が入るものだと思って信じていました」と振り返った。  依然として最下位だが、シーズンは残り58試合。山田哲は「きょうみたいな粘り強い野球を。これがスワローズの野球だと思うので、続けて頑張りたい」と宣言した。(赤尾裕希)

◆痛恨の1敗、遠のくGの背中...。阪神はヤクルトに延長十回、2-3で敗れ、連勝は3でストップ。首位巨人とのゲーム差は「7・5」に広がった。最短で6日にも自力優勝の可能性が消滅する。前日1日に引退会見を行った藤川球児投手(40)の強い思い、優勝には、大型連勝は不可欠。矢野燿大監督(51)は打線の奮起を求めた。  土壇場で虎党のボルテージは高まり、大逆転の空気は生まれたが...。結果は、紙一重で連勝ストップ。最後の打者の近本は天を仰ぎ、ベンチに戻れなかった。矢野監督は誰を責めることもなく、結果を受け止めた。  「いやいや、それはもう、勝負にいっているんで。しゃあないよ」  1点を追う延長十回、梅野と中谷の連打で1死一、二塁を作ったが、近本が遊ゴロ併殺で万事休す。8月は自己最多の月間38安打を放った男が11試合ぶりに無安打。最後は今季初の併殺打で終わった。昨年9月28日のDeNA戦(横浜)以来、267打席ぶりの珍しいシーンで幕が下りたが、最下位ヤクルトに競り負けた原因はなによりも、序盤のゼロ行進。将も悔しそうに振り返った。  「(序盤の攻撃が痛いのは)もちろん、もちろん。うまく投げられたのはもちろんあるにしても、何とかしないと。そこらへんは課題かな」  先発の山中に三回まで走者も出せず、六回まで無得点に抑えられた。通算17勝のうち7勝(4敗)が阪神戦の虎キラーに、今季初対戦も苦戦。直球は120キロ台前半ながら、下手投げから緩急自在に打ち取られた。  決してチーム状態は悪くない。貯金1で2位のまま、3日に勝てば、4カード連続の勝ち越し。それでも、状況は数字以上に厳しい。4連勝の巨人と8月21日以来の7・5ゲーム差。3日の燕との3戦目の後、4日から甲子園で直接対決(4連戦)を控えるが、互いの勝ち負けで、最短6日に自力優勝の可能性が消滅するところまで離された。  指揮官は8月末に「連勝が欲しい。巨人を追い越していくためには、そういうことが必要」と話していた。前日1日に今季限りでの現役引退の会見を行った藤川も「(打倒巨人は)ファンの思い」と鼓舞。「僕が入ったときに3回優勝すると言って、2回(03年と05年の)しかしていない。3回目のチャンスが来ている」と悲願のV奪還を最後の使命として、ナインに号令をかけていた。  そんな守護神の思いを背負い、前夜のサヨナラ勝ちで加速したかったが、4連勝には届かなかった。延長十回、4試合連投中だった岩貞を温存し、馬場が1点を失ったが、救援陣はこの日の九回まで9イニング連続無失点。指揮官は「投手に関しては、みんなよく頑張ってくれた」と労い、打線に奮起を促した。  「一戦必勝なので。いつも一緒、それしかないので。なんとか明日は打線が点を取ってね。ちょっと投手を休ませるぐらい点を取ってくれたら」  62試合。まだシーズンを折り返したばかりとはいえ、現実は、もう正念場だ。13連戦の真っ最中。勝ち続けるしかない。歩みを止められる余裕は、少しもない。(安藤理)

◆阪神打線は山中に対して、最後までタイミングが合わないままだった。真っすぐは最速125キロ。ところが、真っすぐの前後に投げる変化球の使い方が巧妙で、125キロが140キロ以上に感じながら振っている印象を受けた。そこに緩い球が来ると、待ちきれないようなスイングになる。緩急、揺さぶりに完全にしてやられた。  私も現役時代は下手投げ。150キロ超の球を投げたくても投げられない。ならばどうするか? いかにタイミングを外すかに細心の注意を払った。全盛時の王貞治さんとの対戦は、タイミングを外すこと1点に集中して勝負したもの。フルスイングさせない。これができた時は、投球術の醍醐味を味わったものだ。  逆に言えば、狙い球を絞って、タイミングを合わされることが、山中のようなタイプが一番嫌がる。この日でいえば、木浪、糸井が絞ってセンター返しを心掛けていた。あの打撃が攻略の糸口。次回の対戦での阪神打線の奮起を期待したい。(本紙専属評論家)

◆ウギャ~!  1点を追う延長十回1死一、二塁。打者は俊足の近本...。ムフフ...。ゲッツーはないし、連日のサヨナラ勝ちや~!!と左ウチワでいたら、まさかまさか、今季初の併殺打でゲームセット...。  ウ、ウソやろ~!!と絶叫しながら、俺はサンズのことで青ざめたのだった...。前夜にサヨナラホームランを放ったサンズが七回に同点2ラン。  If? もし? サンズが「ニホンノ、ヤキュウ、アキタ~」と突然の帰国とか...。ま、それはないだろうけど、アクシデントで欠場とかになったらど~すんの!?という試合だったのだ。  そんな中、一服の清涼剤を! 同点の九回、サンズからはじまる阪神打線に向けて、CSスポーツチャンネル「スカイA」で実況を務めた中井雅之アナがこう言った。  「かつて『♪15、16、17と~』という藤圭子さん(宇多田ヒカルの母ちゃんだよ)の大ヒット曲がありましたが、『♪14、13、12と~』当たりが出ませんかね~?」(14本塁打のサンズ、13本の大山、12本のボーアに打ってほしいという意味です)  オールドファンには大ヒット!! 負けて、どこか楽し!!と思わなきゃ、やっとれるか~!!

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
37213 0.638
(↑0.006)
-
(-)
59289
(+3)
204
(+1)
80
(+1)
37
(-)
0.259
(-)
3.290
(↑0.04)
2
(-)
阪神
30293 0.508
(↓0.009)
7.5
(↓1)
58262
(+2)
242
(+3)
59
(+1)
40
(-)
0.242
(-)
3.470
(↑0.03)
3
(-)
DeNA
31303 0.508
(↓0.009)
7.5
(↓1)
56257
(+1)
237
(+3)
62
(-)
13
(-)
0.266
(↓0.003)
3.580
(-)
4
(-)
中日
28334 0.459
(↓0.008)
10.5
(↓1)
55219
(+5)
272
(+9)
34
(-)
17
(-)
0.239
(↓0.001)
3.880
(↓0.07)
5
(-)
広島
25316 0.446
(↑0.01)
11
(-)
58268
(+9)
283
(+5)
66
(+3)
25
(-)
0.264
(↑0.002)
4.180
(↓0.01)
6
(-)
ヤクルト
25325 0.439
(↑0.01)
11.5
(-)
58264
(+3)
321
(+2)
55
(-)
39
(+1)
0.250
(↑0.001
4.740
(↑0.05)