広島(★3対5☆)阪神 =リーグ戦14回戦(2020.08.30)・MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島=
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阪神
30000000025611
広島
00003000003701
勝利投手:岩貞 祐太(4勝2敗0S)
(セーブ:スアレス(0勝0敗12S))
敗戦投手:フランスア(1勝2敗7S)

本塁打
【阪神】サンズ(12号・1回表3ラン)
【広島】菊池 涼介(6号・5回裏3ラン)

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◆阪神が接戦を制した。阪神は初回、サンズの3ランが飛び出し、先制に成功する。その後同点とされるも、延長10回表に大山が値千金の2点適時打を放ち、再びリードを奪った。投げては、4番手・岩貞が今季4勝目。敗れた広島は、3番手・フランスアが誤算だった。

◆広島安部友裕内野手(31)が30日、1軍に昇格した。開幕1軍入りはしていたが、出場23試合で打率2割2分6厘、0本塁打、2打点と本領を発揮できず、7日に出場選手登録を抹消されていた。 2軍では28日中日戦(ナゴヤ)で右越え本塁打を放つなど状態を上げ、1軍再昇格切符をつかみ取った。代わって羽月隆太郎内野手(20)が出場選手登録を抹消された。

◆両チームのスタメンが発表された。先発は阪神が秋山拓巳投手(29)、広島が遠藤淳志投手(21)。 秋山は今季、広島相手に3戦2勝。4度目の登板でも、相性の良さを発揮できるか。阪神は勝率5割で、シーズン折り返しとなる60試合目。勝利すれば、2年連続の貯金ターンとなる。

◆阪神ジェリー・サンズ外野手(32)がまた得点圏に走者を置いた場面で打った。 1回1死一、二塁。フルカウントから右腕遠藤の高め143キロ直球を強振し、左中間席に12号3ランを運んだ。 「近本と糸井さんが出塁してくれたから、なんとかホームまでかえしたいと思っていたよ。真っすぐを仕留めることができて、先制点を取ることができて良かったね」 これでリーグトップを走る得点圏打率は41打数20安打で打率4割8分8厘。球界屈指の勝負強さが際立っている。

◆8月に入って好調な阪神近本光司外野手(25)が今月ラストゲームでも安打を記録した。 初回、先頭での第1打席。広島遠藤から三遊間方向への打球を放ち、ショート内野安打。これが8月38本目の安打。月間38安打は03年7月今岡、05年5月金本と並んで球団9位タイで、第2打席以降でも安打が出るか注目される。 近本は初回の安打で9試合連続安打もマーク。8月は1日~15日に自身最長タイの13試合連続安打を記録するなど打撃復調。今月26試合でヒットが出なかったのは、わずか3試合だった。

◆広島菊池涼介内野手(30)が試合を振り出しに戻す同点の6号3ランを放った。 3点を追う5回2死二、三塁で阪神秋山の外角変化球を捉え、打球は左翼スタンドに着弾した。「遠藤も初回以降立ち直って頑張っているし、何とか追いつけてよかったです」。28日以来の同一カード2発目。初回1死からの第1打席でも右中間への二塁打を放っており、出場2戦連続のマルチ安打を記録するなど、調子を上げてきた。

◆阪神秋山拓巳投手(29)は6回3失点(自責0)でマウンドを下り、自身5連勝はまたもお預けとなった。 1回表に3点リードをもらい、序盤は要所を締める投球を継続。4回までは毎回走者を置きながらも無失点投球を続けた。 だが、3点リードの5回に落とし穴が待っていた。安打と味方失策から2死二、三塁となり、2番菊池涼の左越え3ランで試合を振り出しに戻された。 「なかなかテンポよく投げることができなかった中で、なんとか粘ることができていただけに、あの1球が悔やまれます。あそこを抑えなければ勝つことはできないので、悔しいです」 被安打6で無四球と試合を作ったが、同点の状況で降板して勝ち負けはつかず。これで登板3試合連続で白星なしとなった。

◆先発は広島遠藤、阪神秋山。阪神は初回1死二、三塁からサンズの左中間への12号3ランで3点を先制。広島は3回まで無得点。 広島は5回、2死二、三塁から菊池涼が左越えの6号3ランで同点に追いついた。阪神は2回から6回まで追加点を奪えず。 阪神は9回に2死一、二塁のチャンスを作るも得点につながらず。広島は6回以降1安打に抑えられ、延長戦に突入した。 阪神は10回2死一、二塁、大山の三塁打で2点を勝ち越し。貯金を再び1とした。岩貞が4勝目。スアレスが12セーブ目。広島フランスアは2敗目。

◆広島は接戦をものにできず、痛い連敗を喫した。 3-3の同点で迎えた延長10回、守護神ヘロニモ・フランスア投手が先頭近本に四球を与えるなどしてピンチを招いた。 2死一、二塁から大山に右中間へ痛恨の2点適時三塁打を浴び、力尽きた。佐々岡監督は「先頭よ、先頭。そこが相手投手とは違うところ」と嘆いた。打線も8試合連続1桁安打とピリッとしない試合が続いている。この日で60試合を消化し、30敗目。借金6でシーズン折り返しとなった。

◆広島は痛恨の連敗で、借金6での折り返しとなった。先発遠藤が初回、サンズに12号3ランを被弾。5回に菊池涼の6号3ランで追いつくも、その後打線が沈黙。10回に登板したフランスアが大山に決勝打を浴び、登板2試合連続で救援に失敗した。 24勝30敗6分けでのターンに佐々岡監督は「チーム状態がよくない中で、1つずつ借金を返さないといけない。投手中心の守る野球が基本だけど、打って勝って勢いに乗っていきたい」と切り替えた。

◆阪神岩貞祐太投手に2夜連続で白星がついた。同点で迎えた9回裏にマウンドへ。6番坂倉を二ゴロ、7番ピレラを右飛に仕留める。 四球で2死一塁とした後も、代打磯村を落ち着いて遊ゴロに打ち取った。サヨナラ劇を期待する敵地の雰囲気に惑わされず、1イニングを無安打無失点。直後の10回表に味方打線が勝ち越し、今季4勝目を手にした。 前日29日広島戦は先発藤浪の後を受け、1点リードの5回2死満塁から登板。1回1/3を無安打無失点と完璧にリリーフし、チームを救っていた。敵地マツダスタジアムで3日連続登板。「僕が先発している時に中継ぎ陣が3連投してくれたおかげで勝てている試合がたくさんある。何連投でもやるしかないと思う。全然、苦じゃないです」。仲間を思って腕を振り、2日連続で勝利の立役者となった。

◆阪神の守護神ロベルト・スアレス投手が3人斬りで延長戦を締めた。 2点リードの10回に5番手で登板し、大盛、菊池涼と自慢の直球で連続空振り三振。長野も直球で押し込み、三ゴロに抑えた。「これだけ長く、大変な試合だったんですけど、何より勝てたことが本当に大きい。どんどんセーブを増やしていければ貢献できると思うので、頑張ります」。 連投も苦にせず、10球でリーグトップの12セーブを挙げた。

◆阪神大山悠輔内野手(25)が試合を決めた。同点で迎えた延長10回2死二塁で、広島ベンチは4番サンズを敬遠。大山が右中間への適時2点三塁打を放ち、意地を見せた。阪神は3カード連続の勝ち越しで1カ月ぶりとなる貯金1。2位DeNAに1差に迫り、シーズンを折り返した。過酷な連戦が待つ勝負の9月に突入する。大山は目の前の1球だけに集中していた。同点の延長10回2死一、二塁。3ボールからの4球目だった。甘く入ってきた直球をはじき返した。 大山 見逃すという気はなかったので、狙い球、コースを絞って、思い切っていきました。 凡退すれば勝利の可能性がなくなる打席だった。直前には4番サンズが3ボールから申告敬遠されていた。 大山 二塁になったところで、勝負は僕だろうと思っていたので、打つしかないと思って準備していました。次につなげるというよりは自分が決めるという気持ちで打席に入りました。 強い思いを乗せた打球は右中間ではずんだ。1球で仕留めきっての決勝2点三塁打だった。 マウンドにいたフランスアとは、これで今季3打数3安打。抜群の相性を誇るが「相性どうのこうのではなく、今日は今日。必死に食らいつきました」という。マツダスタジアムでも33打数14安打(打率4割2分4厘)だが、目の前の戦いだけに神経を研ぎ澄ましている背番号3は、同じ思いだろう。 8月ラストゲームで、チームは苦しかった試合をモノにした。初回にサンズの3ランで先行したが、その後は追加点を奪えなかった。二の矢、三の矢を放つことが出来ず、同点に追いつかれていた。一方で先発秋山は勝ち越しを許さず、救援陣は無失点で踏ん張っていた。1点を争う展開で巡ってきたラストチャンスを大山が制し、3カード連続勝ち越し。なにより、7月29日以来の貯金生活。60試合を終えて2年連続の貯金ターンも同時に決まった。 いよいよ勝負の9月戦線を迎える。1日からは13連戦も待ち受けている。矢野監督は「ここからまたスタート。1日1勝しかできない。それを積み重ねるしかない。みんな目の前(の試合に)精いっぱいトライしてくれている。そういう試合を続けていくしかないと思っています」。もちろん期待したい1人は、7月に8本塁打20打点、8月にも5本塁打15打点を稼いだ大山に違いない。 大山 厳しい戦いが続くと思いますが、1試合1試合、全員一丸となって戦うだけだと思いますので、頑張ります。 勝利の余韻にひたることなく、勝負のときへ、ヒーローは表情を引き締め直した。【松井周治】

◆阪神ジョー・ガンケル投手は1イニングを完全投球して流れを引き寄せた。 同点の8回、クリーンアップ相手に登板。3番長野を見逃し三振、4番鈴木誠を右飛、5番松山は中飛と付け入るスキを与えなかった。「同点の緊迫した場面で、3人で抑えることができて良かった」。夏場のフル回転が続いている。

◆粘投も報われず-。広島遠藤淳志投手(21)が1回に3失点する立ち上がりから尻上がりに調子を上げ、7回まで118球を投げ切った。ボール先行で3安打1四球3失点の1回から、2回以降は7回まで1安打1四球無失点。別人のような投球で先発としての役割を果たしたが、チームは連敗。シーズン折り返しの60試合目に30敗目を喫した。プレーボールから20分、1回だけで球数39球を要した。ボール先行の投球で滑り出した遠藤。しかし、その姿は2回以降なかった。ストライク先行となり、ボール球が続いても崩れない。切れ、制球ともに別人のような投球で、7回までの6イニングは1安打1四球しか許さず、得点を与えなかった。 1回は別の顔を見せた。先頭近本に安打を許すと、1死後糸井を2球で追い込みながら4球連続ボールで四球。4番サンズにはフルカウントから高く浮いた真っすぐをバックスクリーン左に運ばれた。登板10試合で、序盤3回までの1イニング複数失点は4度目。立ち上がりが課題だっただけに「自分の未熟さが出てしまった。初回の入りがこれからも課題になる」と反省の弁を口にした。 課題克服のため黒田流で臨んだ。登板前の登場曲をBGMに、自身の投球映像を編集したモチベーション映像でスイッチを入れた。体力の消耗が激しい夏場対策に「意識して(春先と)同じくらい食べるようにはしています」と体重維持に努める。フォームもセットポジション時に膝を少し曲げて重心を落とすように微修正した。 1回3失点でも7回までマウンドを託され、追加点を許さぬ投球で応えた。3点を追う5回無死一、二塁でも代打を出されることなく、きっちり犠打を決め、菊池涼の同点弾をお膳立てした。エース大瀬良に並ぶ6度目のクオリティースタート(投球回6回以上、自責点3以下)達成となった。「3点を取ってもらって勝てないのはまだまだ」。粘りはしたが、試合のリズムを悪くした投球に満足はしていない。 来週は13連戦が控える。「中継ぎの負担を減らせるように、責任感を持って長い回を投げられるようにしたい」。21歳の右腕に芽生えた自覚は、決して小さくはない希望の光だ。【前原淳】

◆阪神近本光司外野手(25)が8月38本目の安打を放ち、月間安打で球団9位の記録に並んだ。1回表無死、右腕遠藤に2ボール2ストライクと追い込まれながら、カーブに対応して三遊間に転がした。9戦連続安打となる遊撃内野安打で出塁した後、4番サンズの3ランで先制のホームイン。この日もリードオフマンとしてチームを勢いづけた。 前日29日の試合後には「8月は(フォームの部分で)大きいところは変えないでおこうと思っている」と説明していた。軸を貫いた結果、リーグトップの月間38安打は03年7月今岡、05年5月金本と並んで球団9位タイ。月間打率3割5分2厘もリーグトップの数字となった。8月26試合のうち無安打はわずか3試合。6月の月間打率1割2分8厘、7月の2割7分6厘から一気に状態を上げ、再び欠かせない存在まで上りつめた。 同点の10回には先頭で左腕フランスアから四球を選び、5番大山の2点三塁打で勝ち越しのホームも踏んだ。再び貯金1をもぎ取り、シーズン後半に突入。完全復調を遂げた男の勢いは、9月も止まりそうにない。

◆広島のセットアッパー塹江敦哉投手が回またぎのリベンジに成功した。8回に2番手で登板。150キロ超の直球を軸に、まずこの回を無失点。9回のマウンドにも上がり、2死一、二塁のピンチを招いたが、中谷を空振り三振に切り、2回を1安打無失点で切り抜けた。25日DeNA戦では回またぎで9回にサヨナラ打を浴びていただけに、「2イニング目も行くとなった時に、今日は抑えようと思ってマウンドに上がった。前回できなかったことの反省を生かせたと思う」と振り返った。

◆9月も頼んまっせ! 阪神ジェリー・サンズ外野手(32)がリーグトップタイとなる月間6本目のアーチで、先制点をあげた。 先発遠藤の不安定な立ち上がりを攻めた。初回、近本の安打、糸井の四球で1死一、二塁。得点圏で、4番サンズが無双の勝負強さを発揮した。フルカウントから真ん中高め143キロ直球を振り抜いた。打球は左中間席に飛び込む12号3ラン。3試合ぶりの1発で、先制パンチに成功した。 「近本と糸井さんが出塁してくれたから、何とかホームまでかえしたいと思っていたよ。真っすぐを仕留めて、先制点を取ることができて良かったね」。月間6本塁打はDeNA佐野と並んでリーグトップ。月間21打点は、佐野に次ぐリーグ2位だ。今季の得点圏打率は41打数20安打で両リーグトップの4割8分8厘。同2位の広島松山が4割1分1厘で、サンズの数字が際だつ。走者なし時の打率は2割3分1厘も、打点の匂いをかぎつけると神経をさらに研ぎ澄ませる。相手バッテリーの配球を読み、待ちかまえたボールを一振りで仕留める。 60試合を終え、シーズンも折り返し。開幕2軍スタートだった新助っ人は、今や打線に欠かせぬ存在となっている。20日巨人戦(東京ドーム)からは4番を任され、10戦で10打点。昨季は韓国球界で打点王を獲得したが、実力面で日本球界とのレベルの差もささやかれた。しかし、その声も堂々の結果ではねのけている。 本塁打後にはベンチ前で手をブラブラさせたチームメートに出迎えられた。商品化もされている独特のエアーハイタッチ「ハッピーハンズ」で、ムードも盛り上げた。勝負の9月。シーズンも終盤にさしかかり、チームは13連戦や9連戦と正念場を迎える。8月好調の得点圏男が勢いそのまま、9月も打線をけん引していく。【奥田隼人】

◆阪神大山が試合を決めた。同点で迎えた延長10回2死二塁で、広島ベンチは4番サンズを敬遠。大山が右中間への適時2点三塁打を放ち、意地を見せた。矢野燿大監督の一問一答は以下の通り。 -延長10回は大山はカウント3-0から思い切って 矢野監督 思い切りも何も、決めなあかんしね。 -勝負強さを求めてきた。この結果は大きい 矢野監督 まぁまぁね。いろんなことで自信ってついてくると思うけど、もちろん、あいつもそういう風に思って臨んでくれてる。1個1個自信にしたり悔しさをまたパワーに変えてやっていくしかないので。それの繰り返しなので。後から成長していってくれたらいい...。まぁ、いいときもあるしね。どっちもプラスにしてくれたらいいけど。 -1戦目を前にアドバイスもしていたと思うが、状態は上向いてきている 矢野監督 まぁ1年間やってる間に俺らも、やろうとしたことができないとか、自分の意識してることが過度になったり、いろいろするから。気づいたことは伝えていこうと思って。まぁ伝えて。それがすぐ結果として出るとかわからないけど。迷わすことはしたくないんだけど、伝えることだけは伝える。試合になれば、2個も3個も考えながら打てないんでね。 -救援陣の奮闘 矢野監督 アキ(秋山)も点を取られた後、次の回も頑張ってピシャッといってくれたしね。ホームラン打たれたというのはアキ自身残念やったと思うけど。全体的に本当によく粘ってくれた。それがなかったら、この試合はないんでね。岩貞も2日で2勝。リュウヘイ(小幡)もちょっとラッキーボーイ的な存在になってくれているけど。そういう人が出てきてくれるとうれしい。中継ぎでしっかりしたボールを投げてくれているんでね。本当にみんな頼もしい。 -シーズン貯金ターン 矢野監督 まあまああんまり振り返りたくはないけど。まだまだここからまたスタートなんで。1日やって2勝は出来ないんで。1日やって1勝しか出来ないんで。それを積み重ねるしかない。正直みんな疲れも出てくるし。次は13連戦やし。あんまり先のこと考え過ぎても、星勘定してもあれなんで。みんな目の前、精いっぱいトライしてくれているんで、こういう試合を続けていくしかないかなと思います。

◆2試合ぶり先発の広島菊池涼が出場2戦連発の6号同点3ランを放った。3点を追う5回2死二、三塁から阪神秋山のカットボールを捉えて左翼席にたたき込んだ。 試合中に「遠藤も初回以降立ち直って頑張っているし、何とか追いつけて良かったです」と談話を残した。打撃の状態が上向き、2試合連続複数安打。7月10日まで2割を切っていた打率を徐々に上げ、2割4分9厘とした。

◆28日の同カードでサヨナラ打を浴びた阪神岩崎が、借りを返した。 中1日で同点の7回に2番手で登板。死球と安打で1死一、二塁のピンチも、2日前にサヨナラを打たれた代打上本を右飛。無失点で3番手ガンケルにつないだ。

◆阪神は一回1死一、二塁で、サンズが12号3ランを放って先制した。フルカウントから遠藤の高めの直球を左中間へ。「近本と糸井さんが出塁してくれたから、なんとかホームまでかえしたいと思っていたよ。真っすぐを仕留めることができて、先制点を取ることができてよかったね」と好機での強さを発揮した。試合前の時点で得点圏打率・475は、同・411で2位の広島・松山を大きく離してリーグトップを快走している。

◆阪神が接戦を制し、3カード連続の勝ち越しを決めた。3-3の延長十回2死一、二塁で大山が右中間に勝ち越しの2点三塁打を放った。  一回にサンズの12号3ランで先制。好投した先発の秋山が五回に菊池涼に同点3ランを浴びた後は互いに攻め手を欠いていたが、最後の攻撃で競り勝った。九回を無失点に抑えた4番手の岩貞が2日連続の白星を挙げた。  過去3度は引き分けていた延長戦で、今季初勝利。8月も13勝12敗1分けとして、2カ月連続の勝ち越しを決めた。

◆広島は延長十回にフランスアが先頭近本への四球からピンチを招き、大山に2点三塁打を浴びた。五回に菊池涼が同点3ランを放っても勢いに乗れず、佐々岡監督は「追い付いても追い越すことができない。追い越せないと上がっていけない」と頭を抱えた。  この3連戦初戦でサヨナラ勝ちしながら連敗を喫し、負け越し六つを抱えてシーズンを折り返すことになった。首位巨人とは再び10ゲーム差に開き、監督は「チーム状態が良くない中で、一つずつ借金を返していかないといけない」と視線を上げた。

◆広島が阪神に2連敗を喫し、2カード連続の負け越し。シーズンの折り返しとなる60試合目を終えた広島・佐々岡真司監督(53)のコメントは下記の通り。  --3-3の延長十回に投入した守護神・フランスアが先頭・近本への四球から2死一、二塁を招き、大山に決勝の2点三塁打を許した  「ああいうところで投げる投手は先頭。相手ピッチャーとの違いはそこ。先頭打者というのはずっと言っている。1点を争うゲームでのフォアボールはこういうことになる」  --シーズンの半分となる60試合を終えた  「チーム状態がよくないところでひとつずつ借金を返さないといけない」  --打線は3点のビハインドを追いついた  「点が取れていない分、なかなか追い越せていないところ。先発が頑張らないといけない。いきなりの3失点は厳しい」  --後半戦の戦い方は  「ピッチャーを中心の守る野球が基本だけど、打って勝って勢いに乗りたい」  --前日の試合中の守備で左足首をひねり、この日は欠場した堂林の状態は  「大丈夫」

◆九回を無得点に抑えた阪神の岩貞が29日に続く白星で4勝目。「抑えるにしても打たれるにしても自分のベストボールと思って投げた。三つのアウトを取ることに集中した」と言う。2死から四球を出しても慌てず、代打磯村を遊ゴロ。勝ち越し劇につなげた。  開幕ローテーションに入ったものの殻を破れず、8月途中から中継ぎに配置転換。新たな持ち場で奮起し、28日から3日連続登板だった。「僕が先発をしている時に中継ぎ陣が3連投して勝てた試合もたくさんある。何連投でも苦ではない」。頼もしいサウスポーがブルペンを力強く支えている。 矢野監督 「まだまだここからがスタート。みんな目の前のことに精いっぱいトライしてくれている。そういう試合を続けていくしかない」

◆9日以来の5勝目を目指した阪神の秋山は6回3失点(自責点0)で勝敗は付かず「あそこ(五回)を抑えなければ勝つことはできないので悔しい」と振り返った。  一回に3点先行してもらってマウンドへ。「逃げ腰にならず、しっかり腕を振ることは常に意識して投げたい」と言っていた通り、走者を背負っても粘り強く、切り抜けた。悔やまれるのは五回。安打とボーアの失策などで招いた2死二、三塁から菊池涼に左に同点の3点本塁打を喫した。両膝に手を置き、うなだれた姿にショックの大きさがにじんだ。

◆広島・遠藤淳志投手(21)が30日、阪神14回戦(マツダ)に先発し、7回118球を、4安打3失点。本拠地初勝利はならなかったが、粘った。  「3点を取られたことはしようがないと切り替えて、試合を作ることを考えた。粘れたが、2点以内に抑えられなかったことは悔しい」  一回1死一、二塁でサンズに先制3ランを浴びたが、二回以降は修正した。最近3試合はすべて6回以上を投げている右腕は9月1日から始まる13連戦に向け「長い回を投げて、中継ぎの負担を減らしたい」と頼もしかった。

◆3番手の阪神・ガンケルが広島のクリーンアップをあっさり封じた。「同点の緊迫した場面で、3人で抑えることができてよかったね」。3-3の八回に登板して、先頭の長野を外角の直球で見逃し三振。鈴木を右飛、松山も中飛に打ち取って13球で役目を果たした。2試合連続無失点で、連夜のホールドを挙げた。

◆好調の阪神・近本が先制の起点になった。一回先頭で遊撃内野安打。カウント2-2からカーブにタイミングを合わせ、三遊間に強い打球を放った。遊撃の田中広が追い付いたが、俊足で悠々セーフ。延長十回も先頭で四球を選び、大山の勝ち越し打で決勝のホームを踏んだ。9試合連続安打で、自己最高の球団9位となる月間38安打で8月を終えた。

◆阪神の守護神スアレスは2点を勝ち越した十回裏に登場。大盛、菊池涼から連続空振り三振を奪うと、最後は長野を三ゴロ。3人締めで2試合連続の12セーブ目をマークした。「長く、大変な試合だったけれど、勝てたことが本当に大きい」。セーブ王争いでは、2位との差を「3」に広げて、独走状態に。「その数字をドンドン伸ばしていけるように、自分の仕事をして、セーブを増やしていきたい」と笑顔だった。

◆勝利の方程式の間に組み込まれた阪神・岩貞がバトンをつなぎ、勝利をたぐり寄せた。同点の九回、3連投でマウンドに上がり無失点。直後の延長十回に大山がV打を放ち、2日連続の白星をゲットだ。  「中継ぎを始めて間もないですけど、3つのアウトを取るということは変わらないので。そこを集中して梅野と呼吸合わせながら投げられてよかったです」  追加点が奪えず、中盤から重苦しい展開が続いた中で七回から継投。岩崎-ガンケルと勝ちパターンが無失点でつないだが勝ち越せず、九回を託された。2死から田中広に四球を出したものの、続く代打・磯村をフォークで遊ゴロ。仕事を果たすと、打線がフランスアを打ち崩し、白星が転がり込んだ。それでも「先発していれば勝ちはうれしいですけど、中継ぎしていればチームが勝つことを最優先に考えてやっている」とリリーフの心構えを説いた。  矢野監督も「岩貞も2日で2勝。竜平(小幡)もちょっとラッキーボーイ的な存在になってくれているけど、そういう人が出てきてくれるとうれしい」と勢いをもたらす存在になっていることを実感。8月10日のDeNA戦(横浜)で黒星を喫してから中継ぎ転向。そこからまだ20日だが、これだけ大事な場面を任せられるほど評価はうなぎ上りだ。  「先発しているときに中継ぎ陣が3連投してくれたおかげで勝てた試合がたくさんあるので。何連投でもやるしかない。全然苦じゃないです」  初の3連投にも涼しい顔。反攻の後半戦へ、タフネス左腕がキーマンになりそうだ。(大石豊佳)

◆3夜連続の熱戦の火ぶたは、力強い一発で幕を開けた。誰も勝負強さを疑う者はいない。最初の好機で、阪神・サンズが連勝への突破口を開いた。  「近本と糸井さんが出塁してくれたから、なんとかホームまでかえしたいと思っていたよ。真っすぐを仕留めることができて、先制点を取ることができてよかったね」  一回1死一、二塁。近本の遊撃内野安打と糸井の四球で生まれた先制機を生かした。フルカウントで遠藤の高めの直球に反応した。力勝負を制して左中間へ。先制の12号3ランで、先発の秋山を勇気づけた。  12球団トップの得点圏打率・488は2位の広島・松山(・411)を大きく引き離す。日本一勝負強い男は、延長十回2死二塁でも威圧感たっぷり。3ボールに持ち込み、申告敬遠で大山の決勝打につないだ。  井上打撃コーチは「いろんな選手と接するけどサンズは賢い」と目を細める。相手の研究に励むだけでなく、分析能力が高い。「『このケースではこうした方が確率が高い』と自分の中で分析できる」。本人も「好機といっても、いろいろな状況があるからね。事前の準備、考えることを毎回心がけているよ」と胸を張るが、豪快かつクレバーな打撃は常に健在だ。  先制弾の後はおなじみの「ハッピーハンズ」。顔の前で両手を振ってベンチ前を駆け抜けた。24日にパフォーマンスをイラストにしたタオルが発売後も、好調をキープしている。6試合で22打数8安打、3本目のアーチで9打点。チームもこの間、6試合連続で本塁打が生まれた。2017年の7試合連続以来。ボーアも含めた両助っ人の加入の効果は明らかだ。  9月1日から13連戦で後半戦の幕が開ける。大きな山の出発点となるヤクルト戦(甲子園)も、S砲の見せ場だ。対戦打率・419は5球団で最高。さらに火曜日に同・560と無類の強さを誇る"ミスター・チューズデー"が打線の起爆スイッチを押す。(安藤理)

◆貯金ターンや!! 阪神は広島戦に5-3で競り勝ち、7月29日以来の貯金1。3-3の延長十回に大山悠輔内野手(25)が決勝の2点三塁打を放った。チームはシーズン半分の60試合を終えて勝ち越しで折り返し。勝負の9月から首位巨人を猛追する。  俺をナメるな! 大山の意地が最後の最後で鯉を飲み込んだ。マツダの夜空に舞った白球が、右翼手・鈴木誠のグラブをすり抜ける。一気に三塁まで駆けた背番号「3」から、とびきりの笑みがこぼれた。  「二塁になったところで、勝負は僕だろうと思っていた。次につなげるというよりは、自分が決めるという気持ちで打席に入りました」  3-3で迎えた延長十回だった。2死二塁の場面で、広島ベンチは4番・サンズを申告敬遠。大山との勝負を選択した。打たなければチームの勝ちは消える。このまま抑えられてたまるか-。バットを握る両手に力がこもった。  カウント3-0から、フランスアの149キロを強振。前進守備の外野手は打球を捕球できず、決勝の2点三塁打だ。今季初の延長戦を制する殊勲打に、お立ち台では「『サンズ走ってくれー』と思っていました」と再び白い歯をのぞかせた。  この日が今季60試合目。シーズン前半戦の締めくくりだった。勝率5割で迎え、勝つと負けるでは大違い。今季延長戦4試合で初めて勝利し、29勝28敗3分けで2年連続の前半戦勝ち越しを決めた。首位巨人と6・5差、2位DeNAとは1差の3位で突入する後半戦へ、貯金1でターン。勢いに乗るにはこれ以上ないほど最高の勝ち方を大山がもたらした。  「いろんなことで自信ってついてくると思うけど、一個一個自信にしたり悔しさをまたパワーに変えてやっていくしかない。それの繰り返し。プラスにしてくれたら」  若き主砲の発奮に誰よりうなずいたのが矢野監督だった。カード初戦の28日の試合前練習では、打撃の状態が上向いてこなかった大山に直接アドバイスを送った。「気づいたことは伝えていこうと。すぐ結果にでるとか俺らもわからんけど。伝えることだけは伝える」。二人三脚で歩む後半戦。また一つ、大きくなった背番号「3」が、頼もしく映った。  「まだまだここからまたスタートなんで。あんまり先のこと考え過ぎて、星勘定しても。みんな目の前を精いっぱいトライしてくれているんで、こういう試合を続けていくしかない」  あす9月1日から始まる後半戦は、いきなり地獄の13連戦が待っている。同4日からは甲子園で巨人との4連戦もある。上だけを見て、勝利を積み重ねていく。  「まだまだ先はあるんで。ほんと1試合1試合、先じゃなくて目の前の1試合を全力で戦うだけ。また頑張ります」  大山も指揮官の思いに呼応するように力を込めた。一つ一つ階段を上り切った先に、巨人の背中が見えてくる。(原田遼太郎)

◆最悪のシーズン序盤から60試合でよくここまで盛り返した、という印象だ。  前半戦のMVPはサンズ。外国人枠の関係もあって1軍構想に入るか微妙な状況から、相手にとって最も怖い打者になった。柔軟な打撃と勝負強さ。4番には最適だ。  大山に注文するとすれば、カウント3-0から狙うのであれば引っ張ってほしいということぐらい。相手に強さを示すことができれば打率も本塁打数もさらに向上する。よほど調子が落ちなければ4番サンズ、5番大山、6番ボーアの並びは最後まで固定してほしい。3番は日替わりでもいい。近本が流れを作る攻撃が機能している以上、動かす必要はない。  投手陣は西勇、青柳、高橋がいかに勝ち星を積み重ねるかがカギとなる。そのためにはセットアッパーの選定は大切で、たとえば岩貞に勢いがあるのであれば勝ち試合を任せるのも一手だ。  巨人を追い越すためには守り勝つことを目指すべき。打線には見通しが立った。少ないチャンスを確実にものにし、投手陣で抑える。本来の阪神の野球ができるかどうかにかかっている。 (本紙専属評論家)

◆「秋山、お前もかー!!」  前日(29日)、藤浪が5点のリードをもらいながらコントロールを乱して自滅し、自身の白星をポロリと落としてしまったのだ...。  本日の秋山は四回まで無失点。3-0でリードしていたのに、五回、勝利投手の権利を得るまであとアウト1つの場面で菊池涼に同点3ランを浴びた...。  打線は一回のサンズの3ラン以降、全く元気がなく、このまま引き分けか...。  諦めかけた延長十回、大山が前進守備だった外野手の頭を越える2点三塁打。貯金が舞い込んできてくれたのだー!!  岩崎-ガンケル-岩貞-スアレスの救援陣が無失点リレーし、勝利を引き寄せてくれた!! さあ、9月は虎の貯金月間にするでェ!!

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
35213 0.625
(↑0.007)
-
(-)
61283
(+3)
201
(+2)
78
(-)
37
(-)
0.260
(↑0.001)
3.370
(↑0.04)
2
(-)
DeNA
31283 0.525
(↓0.009)
5.5
(↓1)
58254
(+4)
231
(+6)
62
(+2)
13
(-)
0.270
(-)
3.580
(↓0.04)
3
(-)
阪神
29283 0.509
(↑0.009)
6.5
(-)
60258
(+5)
238
(+3)
57
(+1)
40
(-)
0.242
(↓0.001)
3.550
(↑0.07)
4
(-)
中日
27324 0.458
(↓0.008)
9.5
(↓1)
57209
(+2)
263
(+3)
34
(-)
16
(+1)
0.239
(↓0.001)
3.870
(↑0.01)
5
(-)
広島
24306 0.444
(↓0.009)
10
(↓1)
60259
(+3)
273
(+5)
63
(+1)
25
(-)
0.265
(↓0.001)
4.140
(-)
6
(-)
ヤクルト
24315 0.436
(↑0.01)
10.5
(-)
60260
(+6)
317
(+4)
55
(+1)
38
(+1)
0.251
(↑0.002)
4.830
(↑0.01)