広島(★5対6☆)阪神 =リーグ戦13回戦(2020.08.29)・MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島=
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阪神
03200001061101
広島
0001300015830
勝利投手:岩貞 祐太(3勝2敗0S)
(セーブ:スアレス(0勝0敗11S))
敗戦投手:大瀬良 大地(5勝3敗0S)

本塁打
【阪神】近本 光司(3号・8回表ソロ)

  DAZN
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◆阪神が接戦を制した。阪神は2回表、小幡のセーフティスクイズなどで3点を先制する。続く3回には、サンズと小幡の適時打で2点を加え、リードを広げた。投げては、2番手・岩貞が今季3勝目。敗れた広島は、中盤以降に追い上げを見せるも、あと一歩及ばなかった。

◆両チームのスタメンが発表された。先発は阪神が藤浪晋太郎投手(26)、広島が大瀬良大地投手(29)。 中7日の藤浪は21日ヤクルト戦(神宮)で692日ぶりの白星。約2年ぶりとなるマツダスタジアムのマウンドで、2連勝を狙う。打線では糸井が6試合ぶりの先発出場。今季は大瀬良に対し7打数4安打と好相性で、藤浪を援護できるか。

◆高卒2年目の阪神小幡竜平内野手(19)が、絶妙セーフティースクイズでプロ初打点を挙げた。 0-0の2回、7番梅野の一ゴロで先制に成功(記録は野選)。なおも1死一、三塁の好機で8番小幡は初球に仕掛けた。先発大瀬良の投球と同時にバットを寝かせ、一塁線にセーフティースクイズ。三走大山を返して、プロ初打点となった。さらには打球を処理した一塁手松山が一塁に悪送球する間に一走梅野も生還。小幡も一気に三塁まで到達し、ラッキーボーイのバットがこの回の3点先制に大きく貢献した。 「いい所に転がすことができましたし、(打球が)切れなくてホッとしました。1点で終わらずに、追加点を取ることができて良かったです。次の打席も頑張ります」 売り出し中の小幡は26日中日戦(甲子園)のプロ初スタメンから4試合連続の先発出場。指揮官の期待に絶妙な小技で応えた。

◆得点圏男の阪神ジェリー・サンズ外野手(32)が追加点となる適時打を放った。 3点リードの3回無死一、三塁。相手先発大瀬良に追い込まれながらも、内角低め146キロ直球を軽打。腕を畳んでコンパクトに引っ張り、三遊間を破った。 「(安打で出塁の)木浪と糸井さんがいい仕事をしてくれたから、ランナーをかえすという自分の仕事に集中していたよ。2ストライクと追い込まれていたけれど、うまく反応できて良かったね」 試合前まで得点圏打率は両リーグトップの4割6分2厘。この日も驚異の勝負強さを発揮して、4番の仕事を果たした。

◆広島は拙守が響き、試合序盤に阪神に主導権を握られた。 2回、先発大瀬良がサンズ、大山に連打を浴び、無死二、三塁のピンチを招いた。1死二、三塁から梅野の内野ゴロを一塁松山が本塁へ送球し、野選で先制点を献上。続く小幡には一塁線へのスクイズを決められさらに1点。松山の一塁への悪送球の間に一塁走者梅野も生還し、この回3点を失った。 3回には大瀬良がサンズ、小幡の適時打で2失点。大瀬良は3回を投げ7安打5失点(自責点4)で降板した。

◆高卒2年目の阪神小幡竜平内野手(19)が、執念のヘッドスライディングで2打席連続打点を挙げた。 4点リードの3回2死満塁。先発大瀬良から一、二塁間にゴロを放った。二塁手羽月の一塁送球と競争になり、小幡は懸命のヘッドスライディング。一度はアウト判定となって天を仰いだが、矢野監督のリクエストが成功して追加点となる適時内野安打となった。 「とにかくセーフになりたい一心で、無我夢中で走りました。満塁のチャンスで追加点を取ることができて良かったです」 売り出し中の若虎は26日中日戦(甲子園)のプロ初スタメンから4試合連続の先発出場。2回1死一、三塁の第1打席では、絶妙なセーフティースクイズを一塁線に転がしてプロ初打点を記録。相手の失策も誘い、結果的に一塁走者も生還した。ラッキーボーイが小技、快足で躍動し、指揮官の起用に応えた。

◆阪神先発の藤浪晋太郎投手(26)は5回途中4失点で降板。2勝目の権利まであと1アウトというところで無念の降板となった。 中7日での登板。初回から150キロ超の直球を主体に、4回まで1失点。打線から序盤に5点の援護をもらって盤石と思われたが、4点リードの5回に落とし穴が待っていた。 先頭大盛への四球から無死二、三塁のピンチを招き、2番羽月の投ゴロで1点をかえされた。さらに1四球でピンチを広げ、5番松山、6番ピレラに連続適時打を浴びて1点差。続く2死一、三塁では、7番会沢へスライダーがすっぽ抜けて肩口への死球となった。2死満塁となったところで矢野監督は交代を決断。勝利投手の権利を得る5回を投げきれず、6安打5四死球4失点で降板となった。 前回登板の21日ヤクルト戦(神宮)では、692日ぶりの白星を挙げた。約2年ぶりとなるマツダスタジアムで連勝を目指したが、制球を乱して悔しいマウンドとなった。

◆広島松山竜平外野手(34)が序盤のミスを取り返す2打席連続適時打を放った。5点を追う4回、1死一、二塁から阪神藤浪の152キロ直球を捉え、左前へ運び1点を返した。 3点を追う5回2死一、三塁の打席では155キロ直球を再び左前へはじき返し、自らのバットで2点を返した。「チャンスだったので積極的に打ちにいきました。ランナーを返すことができて良かったです」。2回には自らの野選や失策が3失点につながっていただけに、守備でのミスをバットで挽回した。

◆阪神近本光司外野手(25)が、今季3号で貴重な追加点を挙げた。 1点リードの8回2死無走者。フルカウントから広島5番手薮田の148キロ直球を捉え、右翼席に運んだ。8試合連続安打となる1発は、7月10日DeNA戦(甲子園)以来のアーチ。打線は先発大瀬良から3回までに5点を奪ったが、4回以降は無得点。1点差に追い上げられていただけに、大きな得点となった。

◆阪神糸井嘉男外野手が19打席ぶりの安打を放った。3番右翼で22日ヤクルト戦以来となる先発出場。3回無死一塁で中安打。 18日巨人戦の第1打席にヒットを打って以来の安打で追加点の好機を広げていた。

◆阪神先制点は梅野隆太郎捕手のバットから生まれた。2回1死二、三塁。外角の変化球に食らいつき、一、二塁間方向に転がした。 打球を処理したファースト松山が本塁送球も間に合わず(記録は松山の野選)、最初の1点が刻まれた。

◆阪神は2回、広島守備のミスが重なり3点を先制。3回にも2点を追加。広島大瀬良は3回5失点で降板。広島は3回まで無得点。 広島は4回、松山の適時打で1点をかえした。5回には松山、ピレラの連続適時打などで1点差。阪神は4回から6回まで無得点。 阪神は8回、近本の3号ソロで追加点。9回に1点差とされたが逃げ切った。岩貞が3勝目。大瀬良は3敗目。

◆セ・リーグ5位の広島が、3位の阪神と対戦。2回に小幡のセーフティースクイズなどで3点を先制。3回にはサンズと小幡の適時打で2点を追加。8回には近本の本塁打でダメ押し。藤浪は5回途中で降板したが、継投で逃げ切り勝率5割復帰を果たした。広島は序盤の守備の乱れが響いた。

◆阪神が執念の継投で逃げ切った。矢野燿大監督の一問一答は以下の通り。 -どちらに転ぶか分からないしんどいゲーム 矢野監督 中盤からはずっと押されていたのでヒヤヒヤだったけど。サダ(岩貞)がやっぱり、今日の中では一番殊勲というかね。流れの中であそこをしっかり止めた、プラスアルファ、次の1イニングをしっかり抑えてくれたのが一番。貢献度というか、みんな頑張ってるんだけど、誰かを挙げろと言われたら、岩貞かなと。それぐらい大きい、流れの中の投球だったかなと。 -藤浪は我慢しながらだったが、ランナーが出てからの部分 矢野監督 それもあるし先頭打者も四球だし、いろいろ課題はまだあるしね。まだまだ成長していかないとダメな投手なんで。四球も出すけど、その後なんとか頑張ればいいし。その前に、まず先頭打者を出さないようにやっていかないとあかんし。まだまだ課題はあるんでね。やろうとしてるところからしっかり結果に結びつけていかないと、こういう試合になっちゃうので。 -救援陣が流れを引き戻した 矢野監督 サダ(岩貞)と(その後)いったメンバーが引き戻してくれた。それと、やっぱり点が取れていなかったので、近本の2死からのホームランというのも。あの1点が向こうの攻める気持ちを止める1本にはなったと思うんでね。そういう流れはあったかな、と。 -小幡は若さが出ている 矢野監督 ラッキーボーイだよね。今日も内野安打ももちろんあれだし、その前の打点もそうやし。ラッキーボーイ的なところを発揮してくれている。守備範囲も結構、広い。守備でもしっかり普通に捕っているけど、あいつだからしっかり追いついているというのはあるんでね。自分の特長生かしながら、打つ方もまだまだ成長していかないとダメなんだけど、自信つけていってくれたらと思います。

◆阪神藤浪晋太郎投手(26)は交代を告げられると、グッと歯を食いしばった。 そのまま地面を見つめ続ける。その表情がすべてを物語っていた。4回2/3で102球を要して6安打5四死球4失点。「序盤に大量得点を取ってもらった中で、本来はもっと長いイニングを投げなければいけない展開でした」。チームの勝利に救われたものの、投球内容に課題を残した。 4点リードの5回裏、制球が乱れた。先頭の9番大盛をフルカウントから歩かせ、リズムが崩れる。無死二、三塁から投ゴロの間に1失点。3番堂林にはスライダー、直球ともに大きく引っかけた後、ストレートの四球を許した。ここから直球を狙われ、不運な当たりも重なって2者連続適時打を献上。最後は7番会沢へのスライダーがすっぽ抜け、左肩付近に当ててマウンドを降りた。 1失点後の4回裏1死満塁では7番会沢を外角154キロ直球で空振り三振、8番田中広は外角155キロで見逃し三振に仕留めた。1度は大ピンチを脱していただけに、余計に悔しさが募る。際どい球を度々ボールと判定されて窮屈になったとはいえ、5点リードから1点差まで迫られての降板。「5回は先頭に四球を出したところからつけ込まれてしまい、悔しい投球になりました」と反省した。 前回21日ヤクルト戦で692日ぶりの復活星をゲット。自身2連勝で勢いに乗りたかったが、今季最短降板を余儀なくされた。矢野監督は「まだまだ成長していかないとダメなピッチャーなんでね」と次回の変わり身に期待。完全復活へ、立ち止まっている暇はない。【佐井陽介】

◆広島大瀬良大地投手が3回7安打5失点(自責点4)と苦戦し、今季3敗目を喫した。2回にサンズ、大山に連打を許し、味方の失策も重なりこの回3失点。3回には先頭からの3連打を浴びるなど、2点を追加され、この回でマウンドを降りた。 大瀬良は「先発としては物足りないイニングで降りてしまった。中継ぎにもビハインドの場面を作ってしまって、野手にも負担をかけてしまって申し訳ないです」と反省した。

◆広島が序盤2回に野選と失策が絡む拙守で4位浮上を逃した。広島山田和利内野守備走塁コーチ(2回の松山の野選について)「うまく捕ったけど、無理して投げる必要はなかった。あそこで超ファインプレーはいらない」

◆広島が序盤2回に野選と失策が絡む拙守で4位浮上を逃した。 エース大瀬良大地投手(29)が先発した一戦で、1死二、三塁から守りのミスが連鎖した。あっという間に3点を失い、大瀬良は3回5失点で降板。打線は中盤以降、足を絡めるなど粘り強く追い上げたが、序盤の大量失点が最後まで大きく響いた。点差が縮まれば縮まるほど、1点の重みが感じられた。最大5点差から4回に1点を返し、5回は打者9人がつないで3点を奪った。2イニング打者16人で4得点。終盤に2点差に広がっても、9回に再び1点差に迫った。ただ、あと1点届かなかった。序盤2回にミスが絡んで失った3点が最後まで重くのしかかった。 2回1死二、三塁から梅野の一、二塁間のゴロを松山竜平内野手が二塁方向に流れながら捕球。三塁走者生還を防げないタイミングで本塁に送って(記録は野選)先制を許し、1アウトのまま一、三塁に走者を残した。続く小幡の一塁線へのセーフティースクイズを捕球した松山は一塁へ悪送球。さらにカバーに入った鈴木誠也外野手の本塁への送球も大きく高く浮いた。 佐々岡真司監督が掲げる「投手を中心にした守り勝つ野球」がエースの登板試合で崩れた。本調子でなかった大瀬良は拙守に足を引っ張られ、立ち直ることができないまま3回5失点で降板した。無失策の試合は14勝13敗5分けと勝ち越している一方で、1試合複数失策の11試合では2勝8敗1分け。守備のほころびが勝利を遠ざけているだけに、佐々岡監督も「もう1回引き締め直さないと」と反省を促す。 広島は4位浮上を逃し、再び借金5。23日から〇●〇●〇●が続く。やられたらやり返すしかない。野選と1失策の松山は2本の適時打を放ち、悪送球した鈴木誠は7回に本塁へのレーザービームで補殺を記録した。「失敗した後のプレー、取り組む姿勢が大事」ということも、指揮官が就任当初から選手に求めていたものだ。30日でシーズン折り返し。やり返すチャンスは残っている。【前原淳】

◆阪神近本光司外野手(25)がダメ押し弾を放った。5-4の8回2死。フルカウントから5番手薮田の148キロ直球を捉え、右翼席へ3号ソロ。「自分の打てるタイミングできたので、しっかり振り抜けて良かった」。打線は先発大瀬良から3回までに5点を奪うも、4回以降はリリーフ陣の前に無得点。結果的に1点差でしのいだだけにこの1発は大きかった。 7月10日DeNA戦(甲子園)以来、43試合ぶりののアーチで、連続試合安打を8伸ばした。開幕後の不調から次第に調子を上げ、8月はリーグトップの月間37安打、月間打率はリーグ2位の3割5分6厘と記録的なペースだ。「今日はちょっとズレているなと思っても、自分のやることをしっかりやって。8月は(フォームの部分で)大きいところは変えないでおこうと思っているので」。4打席無安打の後、自分を信じて5打席目に結果を出した。 矢野監督も「あの1点が向こうの攻める気持ちを止める1本にはなった」と評価した。8月は残り1試合。1安打以上で、球団歴代の月間安打数10傑にランクインする。絶好調のリードオフマンが、そのバットで8月最終戦を締めくくる。【奥田隼人】

◆阪神が執念のリレーだ。傾き掛けた流れを引き戻したのは、決死の覚悟でマウンドに上がったブルペン陣だった。先発藤浪が1点リードの5回2死満塁で降板。あと1アウトで勝利投手の権利を獲得するという場面で下した矢野監督の重い決断。コールされたのは8月中旬から中継ぎに転向した左腕岩貞の名前だった。 「いつも丁寧に投げることを意識していますが、今日も丁寧に投げることができ、ゼロで抑えることができて良かったです」。8番田中広を内角をえぐるシュートで遊ゴロに仕留めてピンチを脱出すると、6回の打席ではビックリの左前打。その裏もマウンドに上がると、イニングまたぎで「0」を刻んだ。1回1/3を無安打無失点と踏ん張り、中継ぎでは初めて勝利投手になった。 矢野監督も賛辞を惜しまない。「中盤からはずっと押されてヒヤヒヤだったけど、サダ(岩貞)がやっぱり今日の中では1番、殊勲というかね。あそこをしっかり止めてくれて、プラスアルファ次の1イニングをしっかり抑えてくれたのが1番。誰か挙げろと言われたら岩貞かな」。影のヒーローとして名前を挙げた。 試合終盤に送り込まれたリリーバーたちも盤石だった。7回ガンケル、8回馬場がゼロを並べてホールドをマーク。9回には新守護神スアレスが1点を失うも勝ち越しを許さず、リーグ単独トップの11セーブとした。阪神は8月後半から9月前半まで7カード連続で屋外球場が続く。残暑が厳しい日本列島。中継ぎ陣の活躍が頼もしい。【桝井聡】

◆阪神高卒2年目の小幡竜平内野手(19)が、プロ初打点を含む2安打2打点の活躍。セーフティースクイズや、執念のヘッドスライディングで適時内野安打をもぎとるなど、チームの借金返済に貢献した。 プロ初のヒーローインタビューは以下の通り -プロ初打点おめでとうございます ありがとうございます。 -あの場面はセーフティースクイズ そうですね。セーフティースクイズでした。 -サインが出た瞬間は 一、三塁の場面だったのでそういうサインが来るだろうなと予想していたので、意外と冷静にいけました -初球で決められた 転がった瞬間は「何とか切れないでくれ」と思って走っていました。 -改めてプロ初打点 ああいう形でしたけど、初打点を取ることができてすごくうれしい気持ちです。 -ヘッドスライディングで2打点目 打った瞬間は「ちょっと抜けたかな」という気持ちになったんですけど、何とか1点でも多くということで、ただがむしゃらにいきました。 -広島のエース大瀬良からの打点 どんな投手であれ、すごく意識はしていなかったですけど、とにかく必死に食らいついた結果だったので良かったです。 -昇格から10日もたたないうちに初ものずくめ いろいろ出来すぎてすごくビックリはしていますけど(1軍に)上がってきて、この舞台でプレーしている姿を想像しながらベンチにはいた。いい形につながってきたと思います。 -高卒2年目は中日根尾、巨人戸郷、広島小園らがいる そうですね。去年からずっと同世代に対してはライバル心を持ってやっていたので。これからどんどん抜かして頑張っていきたいと思います。 -根尾世代と言われる いずれは...(小幡世代が)という形で、変わればいいなと思っています。 -タイガースファンに一言 2年目の小幡です。まだ19歳ですが、がむしゃらに若さを出して頑張っていきます。これからもよろしくお願いします。

◆この夏、虎の19歳が熱い! 高卒2年目の阪神小幡竜平内野手(19)が2打点の活躍で1点差勝利に大貢献した。広島戦に「8番二塁」で4戦連続スタメン。2回のセーフティースクイズでプロ初打点を挙げ、3回はヘッドスライディングで適時内野安打にした。阪神の10代野手による打点は25年ぶり。将来が楽しみな明るいニュースとともに、再び勝率5割に復帰した。若虎の奇襲が広島のエースを崩した。小幡は大瀬良の投球と同時にバットを寝かせた。「切れないでくれ、と思って走っていました」。一塁線に絶妙なセーフティースクイズを決め、三走の大山が生還。27日中日戦(甲子園)でプロ初安打を放ってからわずか2日後。売り出し中の19歳が、今度はプロ初打点を挙げた。 2回に1点を先制した直後、1死一、三塁。初球でスクイズを決め、さらに打球を処理した松山が一塁へ悪送球し、一走の梅野も生還した。一気に追加で2点をもぎ取った。「意外に冷静にいけました。1点で終わらずに追加点を取ることができて良かったです」。阪神の10代野手が打点を挙げるのは95年の平尾、高波以来25年ぶり。小技で歴史の扉をこじ開けた。 さらに小幡は泥臭い。4点リードの3回2死満塁では大瀬良から一、二塁間深くにゴロを放った。二塁手羽月の一塁送球と競争になり、小幡は執念のヘッドスライディング。「とにかくセーフになりたい一心で、無我夢中で走りました。がむしゃらにいきました」。1度はアウト判定となって天を仰いだが、矢野監督のリクエストが成功して適時内野安打。2打席連続打点で、4試合連続の先発起用に応えた。矢野監督も「ラッキーボーイだよね」と目を細めた。 飛躍の準備は万全だった。「絶対にチャンスは来る。そこで思い切ったプレーができるようにしたい」。今オフから入浴時間を多めにとった。起床後、練習後、夕飯後。「夕飯後が一番長いです。気が済むまで入りますね」。水風呂とお湯に交互に漬かり、1回の入浴で4セット。鳴尾浜の選手寮「虎風荘」で毎日行い、疲労回復に努めている。地元大分の実家に帰れば、源泉の湧き出る量が日本一といわれる別府温泉で体を癒やす。「お風呂の時間は僕にとって大事なんです」。日々の体のケアが全力プレーにつながっている。 この日は試合前のケータリング弁当で大分県産のから揚げを食べた。故郷の名産品パワーで2安打2打点と活躍し、チームの借金返済に大きく貢献。「まだまだ思い切ったプレーだったり、がむしゃらさを見てほしいです」。無邪気な小幡が頼もしい。【只松憲】

◆先発した阪神・藤浪晋太郎投手(26)がピンチを切り抜けた。四回、松山に適時打を許して1点を失い、ピレラに四球でなお1死満塁。ここで会沢はカウント2-2からの5球目、外角へ154キロ直球で空振り三振。さらに続く田中広は2球で追い込むと、1球ボールの後外角低めに渾身の155キロ直球を投げ込んで見逃し三振を奪った。今季2勝目に向けて大きなヤマを乗り越えた。  阪神は広島先発の大瀬良から三回までに5点を奪いKO。四回を終えて5-1とリードしている。

◆広島・堂林翔太内野手(29)が29日、阪神13回戦(マツダ)に「3番・三塁」でスタメン出場。五回2死でサンズの打球を弾き、ボールを見失った間に左足首をひねった。苦しそうな表情を浮かべ、トレーナーとともにベンチへ引き下がったが、数分後に三塁の位置に走って戻ると本拠地のファンから大きな拍手が沸き起こった。

◆先発した藤浪晋太郎投手(26)は4回2/3を6安打5四死球4失点で降板した。  三回までは鯉打線を1安打に抑えたが、5点の援護をもらった四回から乱れた。  1死から安打と四球で二、三塁とされると、松山に適時打を浴び失点。五回にも無死二、三塁で羽月の内野ゴロの間に1点を返された。その後も2死満塁とピンチを広げ、再び松山とピレラに連続で適時打を許した。続く会沢に死球を与えたところで交代が告げられた。  勝ち投手の権利を目前に無念の降板となり、今季2勝目を挙げることはできなかった。

◆阪神で売り出し中の小幡がプロ初打点をマークした。二回に野選で1点を先制し、なおも1死一、三塁で初球をスクイズ。一塁線に巧みに転がして内野安打とし、松山の悪送球も誘って一塁走者も生還した。「いいところに転がすことができた。切れなくてほっとした」と息をついた。  来月20歳になる2年目内野手は、4試合続けての先発起用に応えるように三回は2死満塁で適時内野安打をマーク。一、二塁間へのゴロで一塁へ頭から勢いよく滑り込み、二ゴロの判定がリプレー検証で覆った。「とにかくセーフになりたい一心で、無我夢中で走った」と振り返った。

◆阪神は広島に6-5で勝利した。  二回、連打で二、三塁の好機を作ると、梅野の内野ゴロで先制。続く小幡のセーフティースクイズで追加点を挙げた。三回にもサンズの適時打と小幡の適時内野安打で5点差とした。  先発の藤浪は三回まで1安打に封じたが、四回から乱調に。安打と四球で1死一、二塁とされると、松山の適時打で失点。五回も2死二、三塁で松山、ピレラに連続で適時打を許した。続く会沢に死球を与えたところで降板。4回2/3を6安打4失点で今季2勝目とはならなかった。  八回に近本の3号ソロで1点を追加し、九回は守護神・スアレスが1点を失いながらも逃げ切り勝ち。再び勝率を5割に戻した。

◆安定した立ち上がりで優位なゲーム展開を作りながら、中盤にまさかの大崩れ。自身の連勝の権利目前でアウトひとつが遠く、藤浪が唇をかんでマウンドを去った。  「チームの流れがすごくいいと思うので、その流れに乗って投げたい」  序盤の5点リードで楽に逃げ切りたかったが、5-1の五回に落とし穴が待っていた。先頭の大盛に四球、代打・曽根の左前打で無死二、三塁を招く。羽月の投ゴロで1点を失った後、堂林にも四球。ここで4番・鈴木は二飛に打ち取った。  しかし、松山に左前適時打。ピレラは完全に打ち取った打球が一塁手、二塁手、右翼手の真ん中にポトリ。連続適時打で1点差に迫られると、続く会沢には左肩あたりに死球を与え、満塁としたところで、矢野監督がベンチを出た。  21日のヤクルト戦(神宮)でチームの3連敗を止めて、自身2年ぶりの白星を挙げた。「1個勝って、自分自身の流れも変わってくると思う」と期待。有言実行を目指して順調に滑り出したが、勝利投手の権利目前で無念のKOだ。  マツダでは2018年9月22日以来、2年ぶりに登板。同日以来の広島戦の勝利を目指し、大瀬良と投げ合った。「いい投手なので余計な点数を与えないように」と冷静な投球で打線の援護も呼んでいただけに、4回2/3を4失点は悔しい結末だ。(安藤理)

◆エースが、藤浪との3年ぶりの投げ合いでまさかの大炎上だ。広島・大瀬良が3回7安打5失点で早々と降板した。  「藤浪くんは相当な気持ちでマウンドに上がってくる。それに負けないようにしっかりと対峙(たいじ)して投げ勝ちたい」  前回22日の巨人戦(マツダ)は8回5安打2失点で今季チームトップタイの5勝目を挙げた右腕だったが、二回に味方の守備の乱れでリズムを崩した。サンズ、大山の連打などで1死二、三塁のピンチを招き、梅野を打ち取ったが一塁・松山が間に合わないタイミングで本塁送球し、野選となる。なお一、三塁で小幡に一塁線へのバント適時打を決められ、打球を処理した松山の一塁への悪送球も重なり、この回3点を失った。  2015年、前田健太(現ツインズ)との合同自主トレで一緒になり、現在も親交が続く藤浪との投げ合いは、2017年8月16日の京セラドーム以来。そのときは二回の打席で左腕に死球を受けたが、直後に笑顔で対応して話題に。投げても5回2/3を7安打2失点と白星を飾ったが...。  0-3の三回には木浪、糸井、サンズの3連打で1点を失い、なお2死満塁では小幡の二塁適時内野安打で5点目を失った。三回1死の打席で代打を告げられ降板。コンディション不良で緊急降板した7月26日のDeNA戦(横浜)の2回5失点に次ぐ今季2番目に早い降板となった。(柏村翔)

◆勝てば8月月間勝ち越し&4位浮上の一戦を落とした佐々岡真司監督(53)のコメントは下記の通り。  --大瀬良が3回71球を7安打5失点で今季3敗目  「(二回に)守備のところで不運があったんだけどね。球数もいっていたので代えた。ボールの走り等々をみると、結構良いスイングをされていたので力がなかった感じがした」  --守備では二回1死二、三塁で梅野のゴロを捕った一塁・松山が間に合わないタイミングで本塁に送球し、野選で先制点を献上した  「1点もやらないというのはわかるが、まだ回が浅い中で、あの態勢ならね...。一生懸命やっているんだろうけど」  --最近、守乱が目立つ  「守備からしっかりというテーマを掲げている中で、1点が響く展開になっている。もう一回、引き締め直さないといけない」  --打線は阪神・藤浪を4回2/3を6安打4得点で攻略した  「対戦を重ねている中で、五回途中で下したのは良かった。たらればだけど四、五回の満塁でもう一押しできていれば。下位打線のところがなかなかつながっていない」

◆阪神が6-5で勝利し、勝率5割に戻した。高卒2年目の小幡竜平内野手(19)が二回にセーフティースクイズを決めてプロ初打点。三回には2死満塁から二塁へのゴロとなるも、ヘッドスライディングで内野安打として2打点目ももぎ取った。初めてヒーローインタビューに選ばれてファンへのメッセージを求められると「2年目の小幡です。まだ19歳ですが、がむしゃらに若さを出して頑張っていきます」と初々しく話していた。

◆広島・大瀬良大地投手(29)は阪神13回戦(マツダ)に先発し、3回71球を7安打5失点で今季3敗目を喫した。  「状態が悪いわけではなかったが、厳しい内角球を弾き返された。先発としては物足りないイニングになり、中継ぎや野手に負担をかけて申し訳ない」  二回に野選と失策が絡み3失点。三回にはサンズと小幡の適時打でさらに2点を失った。エースの炎上について、佐々岡監督は「守備では不運もあった。球数もいっていたので変えた。ボールの走り等々をみるとけっこう良いスイングをされていた。ボールに力がなかった気がした」と指摘した。勝てば4位浮上の一戦を落とし、8月月間勝ち越しは30日の3戦目に持ち越しとなった。

◆広島は阪神に5-6で落とし、今季10度目の1点差負けを喫した。山田和利内野守備走塁コーチ(55)は今季ワーストタイの3失策&1野選で流れを手放した守備陣に苦言を呈した。  「取れるアウトは確実に取る。みんなが納得するプレーをね。一度起こったことは二度と起こさないように次に生かすしかない。集中力を持ってもう一回、引き締めてやるしかない」  二回1死二、三塁では一塁・松山が梅野のゴロを捕球したが間に合わないタイミングで本塁へ送球し、野選で先制点を献上した。なお一、三塁では小幡の一塁線へのセーフティースクイズを処理した松山が一塁へ悪送球し、3点目を失った。同コーチは「超ファインプレーはいらない。(打撃では2適時打で)挽回した気になっているけどチームとして負けが付いているからね」と厳しかった。

◆阪神・サンズがまた勝負強さを見せつけた。3-0の三回無死一、三塁、大瀬良の146キロ直球を左前に運ぶタイムリー。「木浪と糸井さんがいい仕事をしてくれたから、ランナーをかえすという自分の仕事に集中していたよ」とうなずいた。二回先頭では中前打で先制のホームを踏み、2試合ぶりのマルチ安打。得点圏打率は・475で引き続きリーグトップだ。

◆阪神・岩貞が火消しに成功し、中継ぎ転向後初白星の3勝目をつかんだ。1点差に迫られた五回2死満塁で登板。田中広を遊ゴロに仕留め、続投した六回は振り逃げの走者を背負うも、無安打無失点に抑えた。嫌な流れを食い止め「丁寧に投げることができ、ゼロで抑えることがよかったです」。矢野監督は「サダ(岩貞)が今日の中では一番、殊勲というかね」と称賛を惜しまなかった。

◆八回に登板した阪神・馬場は三者凡退に抑えて守護神・スアレスにつないだ。「ボールを低めに集めることができたし、久しぶりに3人で抑えることもできたのでよかった」。先頭が左打者の田中広だったため、岩崎が登板するかと思われたが、矢野監督はその理由を問われると「いやいや。しゃべられへん。内緒」。何らかのアクシデントがあった可能性も考えられる。

◆無我夢中で一塁ベースへ飛び込んだ。小幡が気迫のヘッドスライディングで内野安打。土にまみれながら、大きな1点をもぎ取った。  「打った瞬間はちょっと抜けたかなという気持ちになったんですけど、何とか1点でも多くということで、ただがむしゃらにいきました」  4-0の三回2死満塁。大瀬良のカットボールを一、二塁間へ弾き返した。深い位置で捕球した二塁・羽月の送球が早いか、それとも小幡のヘッドスライディングか。際どいタイミングでアウトの判定。すぐさま矢野監督がリプレー検証を要求し、セーフに覆った。  27日の中日戦(甲子園)でも本塁へヘッドスライディングして得点。飛び込んで土まみれになる姿は、1990年前半に俊足巧打の外野手として新庄剛志とともに「亀新フィーバー」を巻き起こした球団OB・亀山努を思い起こさせる。  「もう、思い切りのよさだけ。それだけを思って試合に臨んでます」と本人も自覚する"武器"だ。打つのはもちろん守備でも走塁でも常にハッスルプレー。チームを盛り上げる高卒2年目の若虎に、矢野監督は「ラッキーボーイだよね。内野安打ももちろんアレだし、その前の打点もそうやし。ラッキーボーイ的なところを発揮してくれている」と目を細めた。  二回1死一、三塁では一塁線にセーフティースクイズを決めて、プロ初打点。俊足で揺さぶって悪送球も引き出し「いいところに転がすことができましたし、切れなくてホッとしました」と笑みがこぼれた。  故郷の味が大きな味方となった。この日のケータリングには出身地・大分の名物、大分唐揚げがあった。懐かしい味をほおばって「食べて力が出ました」。試合後には初めてヒーローインタビューに呼ばれた。終始落ち着いた口調は、19歳とは思えぬ堂々たるもの。ファンに向けての決意表明で、締めくくった。  「2年目の小幡です。まだ19歳ですが、どんどんがむしゃらに若さを出して頑張ります。よろしくお願いします」  4試合続けて「8番・二塁」を務める若虎の存在感は大きくなる一方。チームを上へと導く力になる。(菊地峻太朗)

◆突如乱れた。藤浪は正念場で踏ん張れず、4回2/3を4失点で降板。勝利投手の権利まであとアウトひとつで交代を告げられ、悔しそうにうつむいた。  「調子自体は悪くなかったのですが、五回の先頭打者に四球を出してしまったところからつけ込まれてしまい、悔しい投球になりました」  三回まで1安打に抑える順調な滑り出し。5点の援護をもらい、流れに乗りたかったが、四回から制球が乱れ始めた。1死から安打と四球で一、二塁とされ、松山の適時打で失点。五回も先頭の大盛に四球を与え、代打・曽根に左前打。羽月の投ゴロの間に1失点すると、堂林にまた四球。鈴木誠は二飛に仕留めたものの、松山とピレラに連続適時打。最後は会沢の左肩付近にぶつけたところで、ベンチからタオルが投げられた。  今季最短の4回2/3で102球を要し、6安打4失点。「序盤に大量得点を取ってもらったなかで、本来はもっと長いイニングを投げなければいけない展開でした」と反省しきり。矢野監督は「四球を出しても、その後、頑張ればいい。その前にまず先頭打者を出さないようにやっていかないとアカン」と大盛への四球を指摘。荒れ球は持ち味のひとつなので仕方がない。だが、荒れていいときと、荒れるとまずいときがある。  前回21日のヤクルト戦(神宮)では692日ぶりに勝利を挙げた。チームも上り調子のなか「自分がさらにいい流れを作れるように」と意気込んでいたが、まるで制球難に苦しんだ時期が突然舞い戻ったような投球。将は「いろいろ課題はまだあるしね。まだまだ成長していかないとダメなピッチャー」とそれ以上は責めなかった。名誉挽回のためにも、次回登板はきっちり試合を作る。(織原祥平)

◆値千金弾! 阪神は広島に6-5で競り勝った。いつ追い付かれるかとヒヤヒヤだった八回に近本光司外野手(25)がダメ押しの3号ソロ。九回に1点をかえされただけに、まさに貴重なホームランとなった。チームは2位と2ゲーム差の3位は変わらずも、また勝率5割に復帰。この週末に貯金生活へと返り咲くぞ~!!  乾いた打球音と虹のように美しく架かったアーチで、勝利がはっきり見えた。長距離打者も顔負けの豪快な弾道で、是が非でもほしかった1点。快速を封印し、ゆったりとダイヤモンドを回った近本は、拳を握った矢野監督に迎えられた。  「(感触は)よかったです。自分の打てるタイミングで、しっかり振り抜けてよかったです」  5-4の八回2死、フルカウントで薮田の148キロをフルスイング。悠々と右翼席に飛び込む3号ソロを見届けた。7月10日のDeNA戦(甲子園)以来、1カ月半ぶりの本塁打で2点差。九回に1点差に迫られた試合展開も振り返れば、値千金の追加点になった。  「流れも向こうにいきかけて、チャンスも作れなくて...」  序盤の5-0が一転、中盤は防戦一方だ。七回2死一、二塁で梅野の右前打は鈴木誠の本塁補殺に阻まれ、四回以降はホームが遠かった。攻撃前に円陣を組み、清水ヘッドコーチが「流れを呼び戻そう」と声をかけた直後の背番号5の打撃。結果的に連夜の1点差で、矢野監督は「ずっと押されてたので、ヒヤヒヤ。あの2死からの本塁打は結果的に見ても、そう(貴重)。あの1点が、向こうの攻める気持ちを止める一本になった」と貴重な一発をたたえた。  切り込み隊長は第5打席の一発で8試合連続安打もキープ。8月は37安打で、自身の月間最多を更新中。打率・288はチームトップの梅野に1厘差に迫る。7月半ばまでは1割台でリーグワーストに沈んでいたことが信じられない上昇。好調の要因は「いまやっていることを変えない」と胸を張った。  「きょうも4打席、打てなかったけど、最後まで変えないでいこうと思った。それがよかったと思います」  6、7月の不振は試合前にもロングティーに励むなど、練習法を試行錯誤して乗り越えた。成果が表れてからは、自分を信じるのみ。「8月は試合の中でズレていると思っても、やっていることを大きく変えないでいこうと思って」と地に足をつけて快音を量産した。  チームは勝率を5割に戻し、8月は12勝12敗とした。きょう30日が最終戦。2カ月連続と3カード連続の勝ち越しに挑戦するが、厳しい夏の戦いの先頭に立つ1番打者はさらに先も見た。  「9月に入ってから13連戦、9連戦をどう乗り越えるか。しんどいと思うけど、しっかりご飯を食べて、寝て回復するだけです」  打って、走って虎を引っ張る。指揮官からキーマンに指名され続けてきたリードオフマンの元気な姿は、巨人を追う絶対条件だ。(安藤理)

◆四球を与えそうになりながら踏ん張って抑えた三回までの藤浪が、四、五回にはストライクゾーン近辺に投げられなくなってしまった。藤浪はコメントで「五回の先頭打者への四球」を反省していたが、問題はそこだけではない。はっきり言えるのは、制球難で苦しんできた藤浪自身が、根本的な課題を今も解決できていないということだ。  いつどうなるか、分からない。五回も「あとアウト1つ」だから続投させたのだろうが、結果的には死球で交代せざるを得なくなった。藤浪の状態を見極めるのは、阪神ベンチも非常に難しい。復活の1勝はしたもののの、この日の投球を見せられると、これから先も予測がつかない投球を覚悟しなければいけない。  内容だけを見るなら、次の登板をどうするかが、俄然注目を集める時期だ。ベンチが必要と感じてローテーションを継続させるか。それとも別の先発候補がいて、1度先発を飛ばす、あるいはファームに落とすか。どの選択肢もありで、阪神ベンチ次第だ。  私個人は、現状の藤浪をファームに落としてもプラスになることは少ないように感じる。次回も1軍の試合で先発させるしかないと思っている。 (本紙専属評論家)

◆昔、昔、赤鬼ならぬ赤鯉を退治するために広い島(広島)へ向かったシン太郎は、見事に鯉を倒して矢野おじいさんとおばあさんのところへ帰ってきたのだった。  「おばあさん、セ界を3年連続でおびえさせた赤鯉に、もうおびえることはなくなりましたよ! このシン太郎がトコトン、痛めつけておきましたから!」  「そうかい、そうかい。では、赤鯉の宝物の白星を早速、見せてもらおうかね?」  「ドキッ! いや、それはまあ...、その...、イワサダくんにプレゼントしたというか...」  「シン太郎、いい加減にしなさい! 家来の虎打線たちが三回まで5点も取ってくれたのに、相変わらずの制球難で勝ち星を逃したのはSNSで知っているのよ」  「えー、ばあちゃん、SNSを使えるんだ、スゲー!!」  「関心している場合じゃないわよ。先日の燕退治で692日ぶりに白星のお土産を持ち帰ってくれたから、これでもうひと安心と思っていたババが情けなや~!!」  藤浪晋太郎ー! しっかりせんと、将来は「昔、昔、阪神に160キロを投げるのに勝てない天才がいました...」というおとぎ話になっちまーぞ!! 八回にソロを放った近本が、虎党の桃太郎に見えたよー!!

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
34213 0.618
(↑0.007)
-
(-)
62280
(+12)
199
(+3)
78
(+1)
37
(-)
0.259
(↑0.002)
3.410
(↑0.01)
2
(-)
DeNA
31273 0.534
(↑0.008)
4.5
(-)
59250
(+9)
225
(+3)
60
(-)
13
(-)
0.270
(↑0.002)
3.540
(↑0.01)
3
(-)
阪神
28283 0.500
(↑0.009)
6.5
(-)
61253
(+6)
235
(+5)
56
(+1)
40
(-)
0.243
(-)
3.620
(↓0.03)
4
(-)
中日
27314 0.466
(↓0.008)
8.5
(↓1)
58207
(+3)
260
(+12)
34
(+1)
15
(-)
0.240
(-)
3.880
(↓0.13)
5
(-)
広島
24296 0.453
(↓0.009)
9
(↓1)
61256
(+5)
268
(+6)
62
(-)
25
(+1)
0.266
(↓0.001)
4.140
(↓0.02)
6
(-)
ヤクルト
23315 0.426
(↓0.008)
10.5
(↓1)
61254
(+3)
313
(+9)
54
(+2)
37
(+1)
0.249
(↑0.001)
4.840
(↑0.01)