123456789
巨人
0100000012602
ソフトバンク
02000140X71011
勝利投手:千賀 滉大(1勝0敗0S)
敗戦投手:山口 俊(0勝1敗0S)

本塁打
【巨人】阿部 慎之助(1号・2回表ソロ),大城 卓三(1号・9回表ソロ)
【ソフトバンク】グラシアル(1号・2回裏2ラン)

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◆ソフトバンクが日本シリーズ第1戦を制した。ソフトバンクは先制された直後の2回裏、グラシアルが2ランを放ち、逆転に成功する。3-1で迎えた7回には、牧原と柳田の適時打などで4点を奪い、相手を突き放した。投げては、先発・千賀が7回1失点の好投。敗れた巨人は、投打ともに精彩を欠いた。

◆巨人阿部慎之助捕手(40)が、先制ソロを放った。 2回1死、ソフトバンク千賀の初球152キロ直球をフルスイング。打った瞬間、本塁打を確信する鮮やかな放物線を描き、右中間スタンドに飛び込んだ。「先制点が取れて、良かったです」とコメント。 今季限りでの現役引退を表明したベテランの1発で、日本シリーズのチーム初得点を刻んだ。

◆ソフトバンクのジュリスベル・グラシアル内野手(34)が逆転弾を放った。1点を先制された直後の2回裏。1死二塁から山口の直球を左翼テラス席に運ぶ1号2ランだ。 「打ったのはストレートだと思う。先制されてすぐに逆転できてよかった。少し詰まったけど入ってくれてよかったよ」。 この日は6番左翼で先発出場。頼れるキューバ砲が1発で試合をひっくり返した。

◆福岡・久留米市出身で19年世界柔道78キロ超級金メダリストの素根輝(19)が始球式に登場した。 柔道着の上に「SONE 1」と入ったユニホームを着用。ワンバウンドながら真っすぐ捕手のミットに投げ込んだ。「すごく貴重な体験。初めてあんな大勢の人の前に出て、緊張しました」。何度も世界の大舞台を経験しているが、大観衆に圧倒されていた。20年東京オリンピック(五輪)に向けて「目の前の大会1つ1つを大事に戦って、金メダルを取れるように頑張りたい」と意気込んだ。

◆巨人阿部慎之助捕手(40)が、先制ソロを放った。 2回1死、ソフトバンク千賀の初球152キロ直球をフルスイング。打った瞬間、本塁打を確信する鮮やかな放物線を描き、右中間スタンドに飛び込んだ。 ▼40歳6カ月の阿部が先制本塁打。シリーズで40代選手の本塁打は12年<3>戦稲葉(日本ハム)以来4人目となり、40歳6カ月は03年<7>戦広沢(阪神)の41歳6カ月に次いで2位の年長アーチ。阿部の本塁打は29歳7カ月で打った08年<5>戦、30歳7カ月の09年<3>戦、同<5>戦に次いで10年ぶり4本目。シリーズの本塁打ブランクは62年→77年張本(東映→巨人)の15年ぶりが最長で、10年ぶり以上は5人目。20代、30代、40代でそれぞれ本塁打を記録したのは阿部が初めてだ。

◆巨人が2回、阿部が右中間へソロを放って先制。ソフトバンクはその裏、グラシアルが左翼へ2ランを放ち逆転した。 ソフトバンクは6回、二塁打と2四死球で1死満塁の好機をつくり、中村晃の犠飛で1点を追加。3-1とリードを広げた。 ソフトバンクは7回にも4点を奪って第1戦の勝利を決めた。巨人は完敗。千賀の前に打線が7回3安打と沈黙した。

◆ソフトバンク打線が「低めゴメン」で難敵を打った。今季まで3年連続交流戦で白星を献上していた巨人山口を打ち崩した。 1点を先制された直後の2回だ。1死から中村晃が低めを見極めて、浮いた球を右翼線へ二塁打。続くグラシアルが内角寄りの高めの球を「少し詰まったけど入ってくれて良かった」と左中間テラス席まで運び、2ランですぐさま逆転した。3回以降は試合が膠着(こうちゃく)したが、6回に中村晃が犠飛で大きな3点目をもたらした。この3年で20回2得点。1試合で多くても1点しか取れていなかった苦手右腕を攻略した。 天敵に対し、立花打撃コーチは「低めにストライクが来たらしょうがない。割り切っていけるかどうか」と得意のフォークを警戒し、あえて低めを捨てることで対策した。この日は3回までに3つの見逃し三振を喫したが、そのリスクを覚悟した上の徹底した姿勢が実を結んだ。

◆巨人がヤフオクドームで敗戦。セ・リーグのチームは日本シリーズで13年第7戦以降、パの本拠地で16連敗となった。 原辰徳監督のシリーズ初戦は02年西武に○、08年西武に●、09年日本ハムに○、12年日本ハムに○、13年楽天に○と過去4勝1敗だったが、2度目の黒星スタートとなった。

◆まだ足は震えている。巨人阿部慎之助捕手(40)が、文句なしの1発で日本シリーズの開幕を告げた。 2回1死、ソフトバンク千賀の初球152キロを迎え入れた。「育成からはい上がってきた、すごい投手だと思うよ。俺はドラ1だから。ドラ1にはドラ1のプライドがある」。パ・リーグ最強右腕を見下ろした。心理的に差し込まれる要素を消し、令和の日本シリーズ1号を決めた。 プロ入り直後の若かりし頃も足が震えた。春季キャンプは通常メニューの後、夜間練習に明け暮れた。当時打撃コーチだった内田順三氏から過酷な練習量を課せられた。打撃マシンを1時間、打ちっ放しが日課だった。午後8時過ぎに宿舎に戻って「夜食はたこ焼き。夕食を食べると夜間練習で気持ち悪くなるから食べられなかった」。震える足で必死に踏ん張り、バットを振ってきた。 「この苦しい練習が、この先、必ず生きる。絶対に自分のためになって返ってくる。だから頑張れ」。耳にたこができるほど聞かされた内田氏の言葉は今でも離れない。一時代を築き上げ球界を代表する大打者になった。ベテランになって地味なトレーニングに費やす時間も増えた。体幹、肩肘の細かな筋肉を地道に鍛えた。打席に立つための準備には余念がない。 引退を意識するようになった近年も、足が震えた。「打席に入れば緊張する。大事な場面だと、今でも足が震える」。元同僚のサブロー氏から「打席で緊張しなくなったら終わり。俺はだから引退した。慎之助はまだ現役ができる」と言われた。今季限りでの現役引退を表明して臨む最後の真剣勝負。第1戦を落としたが「今日のことは忘れて、また明日から」と言った。最大でも残り6試合。阿部の足は震えた。まだ1敗。戦いは続く。【為田聡史】

◆巨人岡本和真内野手が4打数無安打に沈んだ。相手先発の千賀に封じられ「今日はダメでした。(千賀は)誰が見てもいい投手」と淡々と振り返った。 史上最年少でMVPを獲得したCSファイナルステージからの連続試合安打も止まった。

◆巨人大城卓三捕手が日本シリーズ初本塁打を放ち、意地を示した。6点を追う9回1死、ソフトバンク森のカーブを右翼のホームランテラス席に運んだ。 「積極的にいきました。明日につながればと思います」と話した。守護神からのアーチで、2戦目以降の流れを変える1発になりそうだ。

◆巨人山口俊投手が1発に泣いた。 1点を先制した直後の2回、グラシアルに逆転2ランを許した。プロ14年目で初めて日本シリーズのマウンドに立つも、6回3失点で降板。この日は元力士谷嵐の父久さんの命日だったが、白星を届けることはできなかった。「ホームランが反省点。初戦をとって勢いをつけたかった」と悔やんだ。 次回は中4日で第5戦に先発を予定している。

◆最高の先制点を挙げた巨人が、ソフトバンク千賀から追加点を奪えず、黒星スタートを喫した。2回1死の阿部のソロ以降、7回2死まで無安打。3回は2四球と暴投で2死一、三塁とチャンスをつくったが、岡本が156キロの内角球に詰まらされ、ボテボテの遊ゴロに倒れた。7回2死二、三塁では代打重信がカットボールで見逃し三振。パ・リーグを代表する右腕に屈した原監督は「結果的には大差になりましたけど、明日からまた仕切り直しですね」と冷静に言った。 先発山口は先制した直後の2回に逆転2ランを許すなど6回3失点。指揮官は「あの2球がね。多少本来のボールではなかった。ツーベースとホームランがね」と指摘。7回はマシソン、田口で流れを止め切れず、重い4点を失った。 これでセ・リーグ球団は、ヤフオクドームでの日本シリーズ13連敗となった。7回は内川の犠打、偽装スクイズなども絡められて失点を重ねた。相手の戦略、戦い方については「まだね」と観察を続けながら「フォアボール絡みになるとビッグイニングになるケースがあるね」と、自軍投手陣の修正を課題に挙げた。 7年ぶりの日本一へ向け、白星スタートとはならなかったが悲壮感はない。日本シリーズ開幕前から「もし結果が1勝1敗であるならば」と仮定した上で「2戦目を取りたい」と短期決戦のポイントに挙げていた。勢いを取り戻して本拠地に戻るためにも第2戦がより重要になる。「誰だって日本シリーズの第1戦は少々硬くなりますよ。今日のゲームはもう帰ってこない。糧として、我々はつなげるというところですね」と次の戦いに目を向けた。【前田祐輔】 ▽巨人丸(千賀に2打数無安打)「今日は直球より、左打者へのカットボールが多めだった。全体的に要所でしっかり投げられた」 ▽巨人田口(7回1死三塁から登板し3安打3失点)「切り替えてやっていくしかないです」

◆ソフトバンク工藤公康監督の「名タクト」が、さえわたった。2点をリードして迎えた7回に、一気の集中攻撃で4得点。「代走」「代打」「トリックサイン」と指揮官の采配がズバズバと当たった。「みんながつなぐ意識を見せてくれた。後半にそういう攻撃ができてよかった」。試合後の勝利インタビューでも声が弾んだ。 先頭打者・松田宣が二塁打で出塁するとスイッチを入れた。「代走周東」。俊足を送り出した。続く内川には送りバントのサイン。打球は投手正面でアウトのタイミングだったが、周東の俊足が生きて犠打になった。追加点を狙って、甲斐に代打長谷川。巨人が左投手へとスイッチすると、迷わず代打の代打「左殺し」の川島を告げた。 四球で1死一、三塁とチャンスを広げると、最後の「仕掛け」だ。牧原の初球に「偽装スクイズ」。わざとバントの空振りで、一塁走者の盗塁を援護。スクイズと思った巨人バッテリーは三塁走者を警戒したが周東はスタートを切っていなかった。まんまと1死二、三塁のチャンスをつくると、あとは打線に火がつくのを信じるだけだった。その期待に応えるように牧原、今宮、柳田と3連打。結局、この回に4点を奪った。 工藤監督 これからも後悔しないよう、しっかりと決断していきたい。1戦1戦、力を合わせて頑張ります。 監督就任後のヤフオクドームでの日本シリーズはこれで9連勝。進出した日本シリーズでは敗北がない。現役時代に11度の日本一。監督となって昨年まで3度日本シリーズを制している。短期決戦を知り尽くし「日本一3連覇」に執念を燃やす工藤監督の「名タクト」は、初戦からエンジン全開だった。【浦田由紀夫】 ▼ソフトバンクが第1戦に勝利。ヤフオクドームでは中日と対戦した11年第7戦から13連勝となり、昨年つくったシリーズの同一球場連勝記録を伸ばした。これでポストシーズンは楽天と対戦したCSの1S第2戦から7連勝。同一年のポストシーズンで7連勝は、75年阪急が近鉄とのプレーオフ●○○○、広島との日本シリーズ△○○△○○で7連勝して以来、44年ぶり2度目のタイ記録だ。なお、過去69度のシリーズで先勝したチーム(△○を含む)は43度優勝しており、V確率は62%。

◆ソフトバンクが快勝した。1点を先制された2回にグラシアルの2ランで逆転すると、6回に中村晃の犠飛で加点し、7回には牧原、柳田の適時打などで4点を挙げた。千賀が7回を3安打1失点と力投し、甲斐野、森とつないで逃げ切った。巨人は2回に阿部のソロで先制したが、その後は攻め手を欠き、救援陣が崩れて突き放された。

◆日本シリーズ初出場のソフトバンク牧原大成内野手が攻守で躍動した。 1番二塁で先発し1、2打席目は三振だったが「内川さん、(川島)慶三さんから『思い切っていけ』と言ってもらい、気持ちが楽になった」。6回先頭の二塁打は大きな3点目につながり、7回には2点適時打も打った。守っては7回1死、大城の中前へ抜けそうなライナーを横っ跳びで好捕。「めっちゃ緊張しました。結果を出さないといけないと思っていた」と必死でプレーした。

◆ソフトバンク千賀滉大投手(26)が巨人打線の前に立ちはだかった。「SMBC 日本シリーズ2019」がヤフオクドームで開幕。史上3人目となる3年連続日本シリーズ開幕投手を託された千賀は、2回に阿部の先制ソロを浴びたが、7回3安打1失点の力投。エースに導かれたチームは先勝し、日本シリーズ本拠地13連勝。ソフトバンクとしてセ6球団全制覇へ好スタートを切った。7回2死二、三塁のピンチで、代打重信を147キロカットボールで見逃し三振に仕留めると、千賀はグラブをパーンとはじいた。「調子はあまりよくなかったが、捕手の(甲斐)拓也が『全部の球種を使っていくぞ』と。信じて投げた」。最速159キロの直球に代名詞のお化けフォーク、カットボール、スライダーと持てる力をすべて出した。巨人打線を7回、106球で1失点に抑えた。 「先制されたのは反省。1、2、3で打たれた。めちゃくちゃ吹っ飛んでいったな」と2回に阿部に右中間スタンドへ先制ソロを許した。小さいころからプロの世界で中心にいた選手との対決は最初に1発を浴びたが、しっかりと残り2打席やり返した。3年連続の日本シリーズ開幕投手。勝つだけでなくシリーズ全体を考えてのマウンドでもあった。「2戦目以降へつなげるということは意識していた」。ポイントとなる上位打線、1番から4番までは無安打に封じた。「そこはまだ試合が残っているので」と言葉を濁したが、工藤監督も最も警戒する丸に徹底して内角を突いた。イニング間が長いなどの日本シリーズ特有の事象にも3年連続の経験で対応した。 ネット裏には愛知・蒲郡市から両親がかけつけていた。「こんな場所から初めて見ますよ。球の軌道がよくわかる」と言う父直伸さんの前で成長した投球を見せた。9月19日オリックス戦の3回に打球を右膝に受けた。父直伸さんは「いつもはどんな時でも心配して連絡すると『大丈夫』としか返事が返ってこないのに、その時だけは『痛い』って返ってきたんですよ」。それでも周囲には弱みを見せなかった。中4日で楽天戦に登板。6回2失点でV逸し、責任を抱え込んでいた。CSファーストステージ初戦でも4被弾で敗戦投手。悔しい試合が続いたが、11日のCSファイナルステージ西武戦では、山賊打線を8回2安打無失点に封じた。そして日本シリーズ白星発進。工藤監督も「よく粘ってくれた」と最敬礼だ。 千賀はお立ち台で「あと3つ勝って日本一になります」とファンに3年連続日本一を約束。自分の右腕で、しっかりとその道筋をつくった。【石橋隆雄】 ▼千賀が3年連続でシリーズ初戦に先発し、17年第1戦以来の通算2勝目。3年以上続けてシリーズ初戦で先発は、69~72年堀内(巨人=4年)76~78年山田(阪急)に次いで41年ぶり3人目で、ソフトバンクでは初めて。シリーズ初戦での勝利数は堀内(巨人)渡辺久(西武)の3勝が最多で、2勝以上は12、13年内海(巨人)以来12人目。チームでは南海時代の61、64年に勝利したスタンカ以来2人目で球団最多タイ。

◆勝利を呼ぶマスコット不在でのヤフオクドーム13連勝となった。 この日、ソフトバンクベンチから、お父さん犬のぬいぐるみがベンチから外れた。17年の日本シリーズではビジターからNPBによって出入り禁止を通達された。昨年はヤフオクドームはベンチ入りしていたが、今年は「自粛という形でベンチから外しています」(球団関係者)と、ベンチ裏で待機させた。

◆巨人田中俊太内野手が初出場で2安打。田中俊の兄・広輔(広島)も16、18年の日本シリーズに出場しており、通算12試合で12安打。 兄弟そろって日本シリーズでヒットを打ったのは、10年の堂上兄弟(兄・剛裕、弟・直倫=ともに中日)以来史上6組目。

◆まだ足は震えている。巨人阿部慎之助捕手(40)が、文句なしの1発で日本シリーズの開幕を告げた。2回1死、ソフトバンク千賀の初球152キロを迎え入れた。「育成からはい上がってきた、すごい投手だと思うよ。俺はドラ1だから。ドラ1にはドラ1のプライドがある」。パ・リーグ最強右腕を見下ろした。心理的に差し込まれる要素を消し、令和の日本シリーズ1号を決めた。 プロ入り直後の若かりし頃も足が震えた。春季キャンプは通常メニューの後、夜間練習に明け暮れた。当時打撃コーチだった内田順三氏から過酷な練習量を課せられた。打撃マシンを1時間、打ちっ放しが日課だった。午後8時過ぎに宿舎に戻って「夜食はたこ焼き。夕食を食べると夜間練習で気持ち悪くなるから食べられなかった」。震える足で必死に踏ん張り、バットを振ってきた。 「この苦しい練習が、この先、必ず生きる。絶対に自分のためになって返ってくる。だから頑張れ」。耳にたこができるほど聞かされた内田氏の言葉は今でも離れない。一時代を築き上げ球界を代表する大打者になった。ベテランになって地味なトレーニングに費やす時間も増えた。体幹、肩肘の細かな筋肉を地道に鍛えた。打席に立つための準備には余念がない。 引退を意識するようになった近年も、足が震えた。「打席に入れば緊張する。大事な場面だと、今でも足が震える」。元同僚のサブロー氏から「打席で緊張しなくなったら終わり。俺はだから引退した。慎之助はまだ現役ができる」と言われた。今季限りでの現役引退を表明して臨む最後の真剣勝負。第1戦を落としたが「今日のことは忘れて、また明日から」と言った。最大でも残り6試合。阿部の足は震えた。まだ1敗。戦いは続く。【為田聡史】 ▼40歳6カ月の阿部が先制本塁打。シリーズで40代選手の本塁打は12年第3戦稲葉(日本ハム)以来4人目となり、40歳6カ月は03年第7戦広沢(阪神)の41歳6カ月に次いで2位の年長アーチ。阿部の本塁打は29歳7カ月で打った08年第5戦、30歳7カ月の09年第3戦、同第5戦に次いで10年ぶり4本目。シリーズの本塁打ブランクは62年→77年張本(東映→巨人)の15年ぶりが最長で、10年ぶり以上は5人目。20代、30代、40代でそれぞれ本塁打を記録したのは阿部が初めてだ。

◆ソフトバンク千賀滉大投手(26)が巨人打線の前に立ちはだかった。「SMBC 日本シリーズ2019」がヤフオクドームで開幕。史上3人目となる3年連続日本シリーズ開幕投手を託された千賀は、2回に阿部の先制ソロを浴びたが、7回3安打1失点の力投。エースに導かれたチームは先勝し、日本シリーズ本拠地13連勝。ソフトバンクとしてセ6球団全制覇へ好スタートを切った。 7回2死二、三塁のピンチで、代打重信を147キロカットボールで見逃し三振に仕留めると、千賀はグラブをパーンとはじいた。「調子はあまりよくなかったが、捕手の(甲斐)拓也が『全部の球種を使っていくぞ』と。信じて投げた」。最速159キロの直球に代名詞のお化けフォーク、カットボール、スライダーと持てる力をすべて出した。巨人打線を7回、106球で1失点に抑えた。 「先制されたのは反省。1、2、3で打たれた。めちゃくちゃ吹っ飛んでいったな」と2回に阿部に先制ソロを許した。小さいころからプロの世界で中心にいた選手との対決。最初に1発を浴びたが、しっかりと残り2打席やり返した。 3年連続の日本シリーズ開幕投手。勝つだけでなくシリーズ全体を考えてのマウンドでもあった。「2戦目以降へつなげるということは意識していた」。ポイントとなる上位打線、1番から4番までは無安打に封じた。工藤監督が最も警戒していた丸に対しても、徹底して内角を突いた。イニング間が長いなど特有の事象にも経験で対応した。 ネット裏には愛知・蒲郡市から両親がかけつけていた。「こんな場所から初めて見ます。球の軌道がよく分かる」と言う父直伸さんの前で、成長した投球を見せた。9月19日オリックス戦の3回、打球を右膝に受けた。直伸さんは「心配して連絡すると、いつもは『大丈夫』としか返事が返ってこないのに、その時だけは『痛い』って返ってきたんですよ」。それでも周囲には弱みを見せなかった。 中4日で楽天戦に登板。6回2失点でV逸し、責任を抱え込んだ。CSファーストステージ初戦でも4被弾で敗戦投手。悔しい試合が続いたが、11日のCSファイナルステージ西武戦では8回2安打無失点。そして最高峰の舞台で白星発進。工藤監督も「CSの時から短い期間で投げてくれて疲労もある中、調整してくれた。調整の仕方も、マウンドでの集中も成長している。あらためて彼のすごさを感じた」と最敬礼だ。 お立ち台で「あと3つ勝って日本一になります」とファンに3年連続日本一を約束した千賀。自分の右腕で、しっかりとその道筋をつくった。【石橋隆雄】 ▼千賀が3年連続でシリーズ初戦に先発し、17年第1戦以来の通算2勝目。3年以上続けてシリーズ初戦で先発は、69~72年堀内(巨人=4年)76~78年山田(阪急)に次いで41年ぶり3人目で、ソフトバンクでは初めて。シリーズ初戦での勝利数は堀内(巨人)渡辺久(西武)の3勝が最多で、2勝以上は12、13年内海(巨人)以来12人目。チームでは南海時代の61、64年に勝利したスタンカ以来2人目で球団最多タイ。

◆誰よりも待ち望んでいた巨人との日本シリーズ。完勝したチームをたたえ、選手たちとハイタッチを交わすとソフトバンク王球団会長はベンチ裏からゆっくりと移動の車へと足を運んだ。「グラシアルがすぐに打ってくれたからね。みんながそれぞれ打ってくれたし、牧原も打ったしね」。満足そうに得点シーンを振り返りながら勝利の余韻に浸った。それでも気を緩めることはない。「うまく点につながったけど、4つ勝たないといけないからね」。まだまだ笑顔は封印といったところか。19年前に対決した「ONシリーズ」では2勝先勝しながら4連敗。涙をのんだ。ただ、躍動する選手たちを頼もしく静かに見守った。 「どうしても巨人とシリーズがしたい」。CS前からそう言った。19年前に敗れた悔しさもあろう。だが、球界における巨人の存在感を誰よりも知っている王球団会長だからこそ、再び戦いたかった。 「世界の王」が野球人として持つ最大の「誇り」は、868本塁打の大金字塔ではない。「僕はね。別にホームランがどうのこうのというのはないんだ。自分の中で一番は巨人のユニホームを着て一番試合に出ているということなんだ。それが一番の誇りなんだ」。巨人一筋2831試合の出場。歴代プロ野球選手の中で3位の記録。G戦士では長嶋さんにも650試合ほど差をつけるダントツの数字である。 巨人に誇りを持ち、その中で最多の試合出場を持つ。だからこそ、自らが育てたホークスと古巣巨人の対決が楽しみでならない。もちろん、巨人にも意地を見せてもらいたい。いろんな気持ちを交錯させながら、王さんは待望の決戦を見守っている。【ソフトバンク担当 佐竹英治】

◆巨人・阿部慎之助捕手(40)が19日、「SMBC日本シリーズ2019」のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)に「5番・DH」で先発出場。二回1死の第1打席に、右中間席へ先制のシリーズ1号ソロを放った。  阿部がバットを振り抜くと、打球は一直線にスタンドへと飛び込んだ。相手のエース・千賀が投じた初球だ。152キロの直球を一閃。今季限りでの現役引退を表明しているベテランが、7年ぶりの日本一への号砲となる一発を放ち、チームに勢いをもたらした。

◆ソフトバンクのジュリスベル・グラシアル内野手(34)が19日、巨人との日本シリーズ第1戦(ヤフオクドーム)の二回に日本シリーズ1号となる逆転の2ランを放った。  「すぐに逆転出来て良かった。少し詰まったけど、入ってくれて良かったよ。今日の初戦を絶対に勝ちたい」  阿部の先制ソロの直後の二回1死から中村晃が右翼線二塁打を放ち、グラシアルが打席へ。先発・山口の内角146キロの直球を左中間のホームランテラス席へ運び、1点差をひっくり返した。  クライマックスシリーズを含めて今ポストシーズン4本塁打目のキューバ人助っ人は日本一が決定した昨年の広島との同シリーズ第6戦(ヤフオクドーム)でジョンソンからソロをマーク。シーズンをまたいでの2試合連続本塁打で弾みを付けた。

◆ソフトバンク・中村晃外野手(29)が19日、日本シリーズ第1戦(ヤフオクドーム)の六回に中犠飛を放ってリードを2点に広げた。  2-1の六回、先頭・牧原が右翼線二塁打、今宮の送りバントで1死三塁と好機を広げる。柳田が四球を選び、続くデスパイネが死球をぶつけられて満塁となり、中村晃が打席に入った。先発・山口から放った打球は左中間へのやや浅めの飛球だったが、三走・牧原が快足を飛ばしてタッチアップで生還した。

◆SMBC日本シリーズ第1戦(ソフトバンク-巨人、19日、ヤフオクD)ソフトバンクの牧原が攻守に躍動した。  先頭で迎えた六回に初球をたたいて右翼線へ二塁打。その後1死満塁となり、中村晃の浅めの飛球で三塁から快足を飛ばして生還した。七回は1死二、三塁から変化球を中前へ痛烈にはじき返し、2点の追加点をもたらした。  16日に行った紅白戦で、一回に初球を振り抜き先頭打者本塁打を放っていた。守備でも七回に二遊間へのライナーを反応良くダイビングキャッチした。

◆SMBC日本シリーズ2019は19日、ヤフオクドームで第1戦が行われ、ソフトバンク打線が巨人投手陣を攻略して7-2で快勝した。7回を投げた先発の千賀は、3四球を出しながらも要所を締め、3安打1失点と試合を作った。 ソフトバンクはクライマックスシリーズファイナルステージの第3、4戦と同じく、中村晃を5番に、松田宣と内川をそれぞれ7、8番に据えるオーダー。巨人は5番・指名打者に阿部を置き、6番・一塁で大城を先発出場させた。試合開始前には台風19号の犠牲者を悼み、黙祷が捧げられた。福岡県出身の柔道家、素根輝の始球式が行われたのち、プレーボールの声がかかった。  千賀は一回、巨人打線を三者凡退に切って取る最高の立ち上がり。山口も2番・今宮に左前打を許しながらも、続く柳田を見逃し三振、さらにデスパイネの打席で今宮を牽制で刺し、無失点で一回を終えた。  先制したのは巨人。二回一死から阿部が右中間スタンドに突き刺さるソロ本塁打を放った。ソフトバンクもその裏、一死から中村晃が右翼線二塁打で出塁すると、続くグラシアルが左中間に運ぶ2点本塁打を放ち逆転に成功した。 2回裏、ソフトバンク・グラシアルが2ランホームラン=福岡県ヤフオクドーム(撮影・今野顕)  巨人は三回、2つの四球と暴投で二死一、三塁のチャンスを作るが、4番・岡本は遊ゴロに倒れ得点できなかった。ソフトバンクは三回から3イニング続けて山口の前に走者を出せず、ソフトバンクの1点リードで五回を終えた。 先発の巨人・山口=ヤフオクドーム(撮影・荒木孝雄)  ソフトバンクは六回、先頭の牧原が右翼線を破る二塁打を放つと、今宮の犠打で三進。これまで無四球だった山口が制球を乱し、柳田の四球、デスパイネの死球で一死満塁とすると、中村晃が中犠飛を打ち上げて追加点を挙げた。 投球する先発のソフトバンク・千賀=ヤフオクドーム(撮影・村本聡)  ここまで1失点と好投する千賀をバックも盛り立てる。七回には牧原が大城の痛烈なライナーを右に飛んて好捕。巨人も二死からゲレーロ、田中俊の連打で二、三塁とするが、代打の重信が見逃し三振に倒れ好機を逸した。  巨人は七回から先発の山口に替えてマシソンをマウンドに送る。ソフトバンクは先頭の松田宣が左越え二塁打を放つと、代走に周東。内川の犠打で一死三塁としたところで代打・長谷川勇を起用するが、巨人の投手が田口に代わり、代打の代打で川島が登場する。川島はストレートの四球で出塁し、続く牧原の打席で川島が二盗。その牧原が中前に運び2者が生還した。次打者・今宮の右前打で一死一、三塁とし、続く柳田の右前適時打で1点を追加。さらに代打・福田の二ゴロの間に今宮が生還し、この回計4点を加えて大きくリードを広げた。 ソフトバンクは八回から甲斐野が登板。一死から坂本勇に左前打を許したが、丸を空振り三振、岡本を中飛に打ち取った。九回は守護神・森がマウンドに上がり、大城にソロ本塁打を浴びながらも逃げ切った。

◆SMBC日本シリーズ第1戦(ソフトバンク7-2巨人、ソフトバンク1勝、19日、ヤフオクD)過去の日本シリーズで先勝したチームは69度のうち43度日本一に輝いており、確率は62・3%となる。  ソフトバンクが初戦を取ったのは南海とダイエー時代を含めて11度目で、これまでは6度日本一となり、4度敗退している。巨人は第1戦での黒星が過去17度あり、そのうち9度は逆転で日本一となっている。

◆SMBC日本シリーズ2019は19日、ヤフオクドームで第1戦が行われ、3年連続日本一を目指すソフトバンク(パ・リーグ2位)が7年ぶりの頂点を狙う巨人(セ・リーグ優勝)に7-2で快勝した。  ソフトバンクの王球団会長は快勝に上機嫌だった。7回1失点と力投した千賀を「プレッシャーのかかる一番大事なところでいい投球をしてくれた」と褒め、7得点した打線も「みんなそれぞれがよく打った」とねぎらった。  巨人と日本シリーズで対戦するのはダイエー時代の2000年以来。当時は監督として臨み、2連勝と好発進した後に4連敗を喫した。苦い経験があるだけに「とにかく四つ勝たないといけないから」と気を引き締めた。 ソフトバンク・工藤監督 「千賀が7回まで素晴らしい投球をしてくれた。プレッシャーの中、本塁打の後もよく辛抱してくれた。(打線は)CSの調子を維持してくれている。次へ次へつなぐ意識が初戦から出たのは大きい」

◆SMBC日本シリーズ2019は19日、ヤフオクドームで第1戦が行われ、3年連続日本一を目指すソフトバンク(パ・リーグ2位)が7年ぶりの頂点を狙う巨人(セ・リーグ優勝)に7-2で快勝した。  ソフトバンクは0-1の二回、グラシアルの2ランで逆転。六回に中村晃の犠飛で1点、七回には牧原の2点適時打と柳田の適時打などで4点を加えた。先発した千賀が7回1失点と好投した。巨人は二回に阿部のソロで先制したが、打線がつながりを欠いた。  20日の第2戦の先発はソフトバンクが高橋礼、巨人がメルセデスと発表された。  日本シリーズは全試合がナイターで行われ、どちらかが4勝した時点で終了する。第3戦からは東京ドームに舞台を移し、第6戦があれば再びヤフオクドームに戻る。 巨人・原監督 「結果的に大差になりましたけどね。誰だって日本シリーズの初戦というのは少々硬くなりますよ。仕切り直し。四球絡みになると少しビッグイニングになるケースがある。これを糧としてまた20日にフラットな形で戦いたい」

◆SMBC日本シリーズ第1戦(ソフトバンク-巨人、19日、ヤフオクD) 試合前のセレモニーでは両チームの監督、選手らが整列し、台風19号の犠牲者を悼んで黙とうがささげられた。  日本野球機構(NPB)は、日本シリーズの売上金の一部を義援金として被災地に送ると発表した。ヤフオクドーム内には募金箱も設置された。

◆v今季限りで現役を退く巨人の阿部が二回、日本シリーズで10年ぶり、通算4本目の本塁打を放った。1死無走者で千賀の外角寄り高めへの直球を捉えると、鋭い打球が右翼スタンドに飛び込んだ。  ただチームが敗れたこともあり、試合後は「今日のことは忘れてまた明日」と淡々とした口ぶり。第2戦目以降に向け「先頭打者が塁に出るとか、心掛けていけばいいんじゃない」と湿っていた打線を気遣った。

◆SMBC日本シリーズ第1戦(ソフトバンク7-2巨人、ソフトバンク1勝、19日、ヤフオクD)ソフトバンクのグラシアルが0-1の二回に2ランを放った。1死二塁で打席へ入ると、内角速球を非凡なバットさばきで振り抜く。ライナーで左中間へせり出すテラス席へ運んだ。先制を許した後だっただけに「少し詰まったけど入ってくれて良かった」と胸を張った。  クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージでは、いずれも重要な場面で3本塁打を放ったキューバ出身の強打者。日本シリーズの舞台でも、重苦しい雰囲気を振り払う一発となった。「メンタルの状態がいい。一試合一試合に集中していく」と頼もしかった。

◆SMBC日本シリーズ第1戦(ソフトバンク7-2巨人、ソフトバンク1勝、19日、ヤフオクD)巨人の大城が1-7の九回に日本シリーズ初安打となるソロ本塁打を放った。ソフトバンクで抑えを務める森の緩い変化球を捉えて右越えに運んだ。敗戦に笑顔はなく「積極的にいこうと思った。たまたま」と控えめに振り返った。  「6番・一塁」で起用され、持ち前の打撃力を見せた。「明日につながればいい」と前向きに話した。 丸(無安打2三振) 「短期決戦とはいえ長丁場なので。切り替えてやるしかない」 岡本(三回2死一、三塁で凡退するなど千賀を攻略できず) 「誰が見てもいい投手」 田中俊(チームでただ一人の2安打) 「反対方向に打てているので続けていきたい」

◆SMBC日本シリーズ第1戦(ソフトバンク7-2巨人、ソフトバンク1勝、19日、ヤフオクD)ソフトバンクの柳田が七回に適時打を放った。1死一、三塁で初球の速球を右前に運び「どんな当たりでもチームに点が入ればと思った」と柔和な笑みを浮かべた。  クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージは、打点がなかっただけに「久々の打点。リラックスしてやれていた。また勝てるように頑張る」と意気揚々と引き揚げた。 中村晃(六回1死満塁で中堅へ犠飛) 「(1点が)必要なのは分かっていた。マッキー(牧原)がよく走ってくれた」 デスパイネ(六回に投球を左肘付近に受け次打席で代打を送られ) 「すぐ次の試合があるので早めに治療した。(第2戦の出場は)状態次第で」 内川(七回無死二塁で投前へ犠打を決めて追加点につなげ) 「走者が周東で安心感を持ってやれた。でもあんなに強く転がるとは。周東のおかげ」

◆SMBC日本シリーズ第1戦(ソフトバンク7-2巨人、ソフトバンク1勝、19日、ヤフオクD)ソフトバンクの甲斐野が八回、初の日本シリーズのマウンドを無失点で締めた。1番からの好打順を迎え、1死から坂本勇に安打を許したが、丸は154キロで空振り三振。岡本も直球でねじ伏せ、中飛に打ち取った。「上位打線に投げられて、いい経験になった」と白い歯をのぞかせた。  1年目ながらチームトップの65試合に登板して救援陣を支え、クライマックスシリーズ(CS)は5試合に投げて2度勝ち投手になった。「鳥肌が立った」という日本シリーズの舞台でも強心臓を発揮。「緊張はあるけど、とにかく(失点)ゼロにこだわる」と言葉に力を込めた。

◆SMBC日本シリーズ第1戦(ソフトバンク7-2巨人、ソフトバンク1勝、19日、ヤフオクD)鈴木コーチの退団に伴い、日本シリーズから1軍の打撃コーチに昇格した村田修コーチがベンチ入り。これまで攻撃時にサインを出していた後藤コーチが鈴木コーチの代わりに一塁ベースコーチを務めたため、攻撃時は村田修コーチがベンチからサインを送った。「試合に出るより緊張した。(走者が出る場面が少なかったため)明日はサインが出る展開になるといい」と期待した。

◆SMBC日本シリーズ第1戦(ソフトバンク7-2巨人、ソフトバンク1勝、19日、ヤフオクD)日本シリーズが始まった...。いきなりホークスの先発千賀は159キロ。それを先頭亀井はフルスイングしてファウル。身震いがする。二回は阿部が先制のアーチ...そこからの脂ぎった攻守の野球はシロウトでもわかる。阪神の宿題は多いぞ...と強く思った。  ふり向くといろんなことがあった。まだ残る台風19号の爪痕の痛み。試合前の黙とう...始球式は柔道女子の素根輝(世界選手権78キロ超級金メダリスト)がワンバウンド...笑顔にフッと熱いモノがこみあげる。彼女のふっくらとした笑顔が...これからのわれわれの忘れてはならないモノをキチッと点灯した。  20日は京都競馬場でGIの「菊花賞」が行われる。好調のサンスポZBAT競馬は、本日は「日本一の相馬眼を持つ」岡田繁幸氏が満を持して今秋初登場。レース部長で昨日の総括土井高志はいつもクールな男だが「ぜひ岡田氏登場を強くレースファンの読者に強調しておいてくれ」とわざわざ夕方の編集局のレース部大忙しのなかで窓際「虎ソナ班」にまでやってきたほど。  その岡田繁幸氏の本命は(15)ホウオウサーベル。これについてはどうぞ1面でじっくりとお読みください。なにしろはったりなど一切ない男・土井部長が本日の紙面をまとめ上げる総括席に早くから陣取って決めたのだから...。  だけどなぁ...まったくのドシロウトのやじ馬ファンとしては、ドラフト会議で阪神が1位指名した創志学園高の西純矢投手のこともあるし「俺は〔1〕枠(2)番のニシ(西)ノデイジーがヒジョーに気になるんだョ」といったら、土井部長は「あ、それならちょうどよかった」と間髪入れずレース部の書類の影でパソコンに向かっていたずんぐり記者に声をかけた。  みると、元トラ番で足をこまめに使う取材で最近、好調の川端亮平がスックと立ち上がりこっちに向かってきた。なんだ川端君はそこにいたのか...だったら俺にコソッと教えてくれてもいいじゃねぇか...。「そうもいかんのです。川端は先週の台風襲来のなかで秋華賞を優勝したクロノジェネシスに◎を打ち、ズバッと的中。だから今週もすっかりソノ気なんですから」と土井部長。  それでトラ番のなじみからつい「おい、19日の君の記事ではニシ(西)ノデイジーを強調していたけど、俺もそう思う。だって阪神のドラ1の西(ニシ)だもんなぁ」といったらヤツは笑顔をすぐ渋面にして...「先輩、そういう遊び気分で横から割り込んできて...。案外ビギナーズラックになるかもしれませんが、ダメだったら編集局でスレ違ったときに冷ややかな目線で見るんでしょ。あのね、僕は最近の健康診断で少し腎臓の数値が悪くて、落ち込んでいるんですから...そう責めないでくださいョ」だと。  何、どこかに石でもたまってるのか...食い過ぎるからだ。料理上手の愛妻を持つからだ...とんだ方向に話が脱線したまんまでハッとわれに返ると、ヤフオクドームの日本シリーズは息づまる熱戦。これがなかなか脂っこい旬の『猪鍋』のような内容。  あ、それで思い出したのですが、最近コンビニや駅売店などに出ましたサンスポ特別版『矢野虎2019総集編』(税込み1000円)がこれがまたギトギトの猪鍋以上のコクと具だくさんでございますぞ。はっきりいって、あと一歩で虎は残念な敗退となったけれど、その内容のシリアスなこと、ド迫力の記事と編集はこれまでとは全然違います。  この日も甲子園の室内練習場などをマークしたトラ番新里公章も必死でした。でも、日本シリーズも見ながら「やはりすごい濃厚な戦いは来季の阪神にも参考になる...」とシミジミ。

◆SMBC日本シリーズ第1戦(ソフトバンク7-2巨人、ソフトバンク1勝、19日、ヤフオクD)ソフトバンクのアルフレド・デスパイネ外野手が六回、左肘に死球を受けて、七回の打席で交代した。20日の第2戦出場は当日の様子を見て決める。

◆SMBC日本シリーズ第1戦(ソフトバンク7-2巨人、ソフトバンク1勝、19日、ヤフオクD)ソフトバンク・王球団会長は試合前のグラウンドに現れなかった。来客などで多忙の一方、心遣いもあっただろう。3年前の交流戦で、当時の高橋監督を激励するために巨人のベンチ裏へ足を運ぶと選手、関係者の盛大な歓迎が待っていた。  自身が多くの人を動かしてしまうことは認識している。「ユニホーム組でやればいいんだよ」と前日18日の公式練習でも距離を置いて見守っていた。自身が指揮を執った2000年以来となる古巣との対決。19年前は2連勝後に4連敗を喫しただけに先勝しても「とにかく4つ勝たないといけないから」と気を引き締めた。

◆SMBC日本シリーズ第1戦(ソフトバンク7-2巨人、ソフトバンク1勝、19日、ヤフオクD)「6番・一塁」で先発した大城が6点を追う九回、右翼のテラス席に1号ソロ。相手の守護神・森から一発を放ち、「積極的にいった。明日につながれば」と振り返った。本職は捕手で長打力が武器。日本シリーズの初アーチが、「強打の捕手」として鳴らし、今季限りでの引退を表明している阿部とのアベック弾となった。 4打数2安打と気を吐いた巨人・田中俊 「反対方向に打てていたので、それを続けていきたい」

◆SMBC日本シリーズ第1戦(ソフトバンク7-2巨人、ソフトバンク1勝、19日、ヤフオクD)グラシアルが0-1の二回に逆転2ランを放った。1死二塁で打席へ入ると、巨人先発・山口の内角速球をライナーで左中間テラス席へ運んだ。先制を許した直後の一発に「少し詰まったけど入ってくれて良かった」と胸を張った。CSファイナルステージでは、いずれも重要な場面で3本塁打を放ったキューバ出身の強打者。日本シリーズでも、重苦しい雰囲気を振り払う一発となった。

◆SMBC日本シリーズ第1戦(ソフトバンク7-2巨人、ソフトバンク1勝、19日、ヤフオクD)一発に泣いた。先発で日本シリーズのマウンドに初めて上がった山口は6回81球を投げ、5安打3失点。8三振を奪ったが敗戦投手となり、悔しさをあらわにした。  「状態は悪くなかった。やっぱりあのホームラン。あそこですかね、反省は。点を取ってもらった次の回だったので」  二回、阿部の先制ソロで援護された直後だ。1死から中村晃に右翼線二塁打を浴び、続くグラシアルに146キロの内角直球を左中間テラス席に運ばれた。甘い球ではなかったが、相手先発はエースの千賀。「ロースコアのゲームになると分かっていた」と唇をかんだ。  この日は、谷嵐のしこ名で大相撲の関取として活躍し、2010年に58歳で亡くなった父・久さんの命日。白星で飾れず「初戦を取って勢いが付けばと思っていたんですけど」と山口。次は中4日で24日の第5戦に先発する可能性が高く、次こそチームを勝利に導く。 (赤尾裕希) 山口について巨人・宮本投手総合コーチ 「日本シリーズは一球の恐ろしさがある。まだまだ始まったばかりですから、切り替えていってほしい」

◆SMBC日本シリーズ第1戦(ソフトバンク7-2巨人、ソフトバンク1勝、19日、ヤフオクD)日本シリーズ初出場となったプロ9年目の27歳、牧原が攻守で同期を援護した。2安打2打点に美技もあり。大満足のデビューを飾った。  「めちゃくちゃ緊張しました。内川さんや(川島)慶三さんが『思い切ってやってこい』と言ってくださって、楽になりました」  「1番・二塁」で先発し、六回先頭で山口から右翼線へ二塁打。シリーズ初安打の後に今宮の犠打で三進すると、中村晃の中犠飛で生還。浅い飛球だったが、俊足を生かした。七回1死二、三塁では田口から中前に2点打。守備では、七回に大城の二遊間へのライナーを横っ飛びでつかんだ。  CSファイナルステージで打率・421と暴れた好調を維持した。そのCSでも千賀の登板した11日の西武戦(メットライフ)で本塁打を含む3安打4打点。育成選手として2011年同期入団(千賀が4位、牧原が5位)の右腕に、お立ち台で「マッキー(牧原)に助けられた」と感謝された。大舞台で再び輝いた。 (柏村翔)

◆SMBC日本シリーズ第1戦(ソフトバンク7-2巨人、ソフトバンク1勝、19日、ヤフオクD)巨人は千賀から阿部慎之助捕手(40)のソロによる1点しか奪えなかった。  ド派手な一発で"最終章"の幕を開けた。二回1死、阿部が振り抜いた打球はホームランテラスを越えて右翼席へ。先制ソロでナインを鼓舞したが、勝利には結びつかなかった。  「きょうのことは忘れてまた明日。先頭(打者)が塁に出ることとかを、みんなで心がけていけばいい」  千賀の初球、152キロの直球を狙い打ち。今季限りでの現役引退を惜しむように、左翼席のG党だけでなく四方のスタンドから拍手が送られた。日本シリーズで10年ぶり、通算4本目のアーチで「5番・DH」での先発起用に応えた。  福岡入りした前日18日の練習で阿部の引退を記念したTシャツが選手、首脳陣、スタッフに約250枚配られ、東京、宮崎(教育リーグ)にいる2、3軍も含めた全員が着用。ベテランの花道を飾ることがチームの合言葉となっている中、自ら突破口を開いた。  しかしその裏にグラシアルの2ランで逆転を許すと、終盤に大きく突き放された。打線は七回2死まで阿部の本塁打の1安打に封じられ、千賀に屈した。  原監督は「誰だって日本シリーズの第1戦というのは少々硬くなりますよ。仕切り直し。糧として、われわれはつなげる。明日フラットな形で戦うということ」と次戦を見据えた。阿部にとっては泣いても笑っても最後の戦い。燃え尽きるまで、最前線で引っ張り続ける。 (谷川直之) 千賀に巨人・吉村打撃総合コーチ 「いい投手というのは分かっていた。ボールになった球でもいいところに来ていたし、引きずってもしようがない」 3打数無安打に終わった巨人・丸 「短期決戦とはいえ長丁場なので。切り替えてやるしかない」 4打数無安打に終わった巨人・岡本 「(千賀は)誰が見てもいい投手。きょうは駄目でした」

◆SMBC日本シリーズ第1戦(ソフトバンク7-2巨人、ソフトバンク1勝、19日、ヤフオクD)プロ野球のSMBC日本シリーズ2019は19日、開幕。パ・リーグ2位からクライマックスシリーズ(CS)を勝ち抜いて出場し、3年連続日本一を目指すソフトバンクが、7年ぶりの頂点を狙うセ・リーグ覇者の巨人に7-2で勝った。本拠地ヤフオクドームでの日本シリーズに13連勝。先発の千賀滉大投手(26)が7回3安打1失点と好投した。巨人は千賀から阿部慎之助捕手(40)のソロによる1点しか奪えなかった。  正念場で集中力が満ちあふれた。ピンチをしのいだ千賀は、思い切りグラブをたたいた。回を追うごとに安定感を増したエースの力投で、ソフトバンクが先勝だ。  「(調子が)よくない中で、(捕手の甲斐)拓也がうまく攻めてくれました。『全ての球種を使っていくぞ』と」  一回の第1球に気合が表れた。この日最速159キロ。二回に浴びた阿部の先制ソロの後は三回から六回まで無安打と圧倒した。3-1の七回2死二、三塁では、代打・重信を見逃し三振。「しっかり決めるところで決められた」というカットボールを懐に投じた。7回3安打1失点で、2年ぶりに日本シリーズの白星をつかんだ。  チームはヤフオクドームでの日本シリーズにこれで13連勝。第1戦の無敗(3勝1分け)を継続した工藤監督は、「この舞台でいい投球をするのは、肉体的にも精神的にもきつい。疲労も取れていない中、一生懸命調整してくれた」と右腕を絶賛した。  2000年の「ON対決」以来の激突が注目されるシリーズ。工藤監督は19年前、巨人で開幕投手を務めた。シーズン終盤に右ふくらはぎを肉離れ。懸命にリハビリに励んでいると、長嶋監督に声をかけられた。「工藤、投げられるか。そうか。じゃあ、第1戦」。けが人の身で、あまりにもあっさり告げられた大役に拍子抜けした。今度は指名する立場となり、迷わず選んだ男を「素晴らしかった」と何度もたたえた。  3年連続で日本シリーズ第1戦の先発を務めたのは史上3人目で、1978年の山田久志(阪急)以来41年ぶり。球史に残る名誉にふさわしい好投を演じた背番号41は、胸をなで下ろした。  「独特だけど、初めてではないと、少し落ち着けました。頭(初戦)を取れてよかったです」  中4日で第5戦の先発が予想されるエースが、期待通りの投球。3年連続日本一を狙う常勝軍団が、鮮やかに白星発進した。 (安藤理)

◆SMBC日本シリーズ第1戦(ソフトバンク7-2巨人、ソフトバンク1勝、19日、ヤフオクD)プロ野球最高峰の舞台で、エース対決。日本シリーズの第1戦としては、あるべき姿の戦いで、千賀が勝ち、山口は負けた。端的にいうと、それが結論だよ。  千賀の勝因は、1番・亀井を抑えて、主軸と分断したこと。なおかつ、坂本勇、丸、岡本と、4番までノーヒットに封じたこと。そこに焦点を当て、集中し、戦略的に成功した。さすがエースだね。  山口がグラシアルに浴びた2ランは、内角への速球。やや遠慮したのか、甘く入った。六回の失点は、慎重になり過ぎて、走者をためて、カウントを悪くした。開き直りや大胆さが、欲しかった。何より、相手より1点でも少なく抑えて、1イニングでも長く投げないと。山口の力負けと、いわざるをえないよ。  まあ、それを含めて、第1戦を総括すると、クライマックスシリーズの戦いぶりが、そのまま出たということ。公式戦で貯金18で優勝した西武を、4連勝と蹴散らしたソフトバンク。貯金わずか1の阪神相手に、3勝1敗だった巨人。日本シリーズに至るまでのチーム状態と勢いが、違ったね。  もっとも、まだ1試合。巨人も九回、リリーフエースの森に、少しは抵抗した。そこを第2戦以降に、どうつなげていくか、注目しよう。 (サンケイスポーツ専属評論家)

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