広島(★3対13☆)阪神 =リーグ戦20回戦・マツダスタジアム=
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阪神
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広島
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勝利投手:才木 浩人(5勝7敗0S)
敗戦投手:岡田 明丈(7勝6敗0S)

本塁打
【阪神】福留 孝介(14号・6回表2ラン),陽川 尚将(5号・6回表ソロ),原口 文仁(2号・8回表3ラン)
【広島】丸 佳浩(33号・6回裏ソロ),丸 佳浩(34号・8回裏ソロ)

  DAZN
◆阪神は3回表、北條の適時打で先制に成功する。5回に糸井、陽川、大山、俊介の4者連続適時打で一挙5点を奪うと、その後も攻撃の手を緩めず、終わってみれば20安打で13得点を挙げた。投げては、先発・才木が今季5勝目。敗れた広島は、投手陣が崩壊した。

◆ 阪神は3回、2死からチャンスを作り北條の中前打で1点を先制した。先発の才木は3回まで被安打1、無失点の立ち上がり。 阪神は5回に糸井、陽川、大山、俊介の4連続適時打で5点。6回は福留14号2ラン、陽川5号ソロでさらに3点を加えた。 阪神が連日の大勝で2連勝した。才木は6回1失点で5勝目。広島は丸が2本塁打も投手陣が誤算。5回6失点の岡田は6敗目。

◆ 阪神が今季最多20安打を放ち、2戦連続2桁の13得点と大勝。1-0の5回に7安打を集めて5点を奪い、6回は福留と陽川の本塁打で3点。8回には代打原口が3ランを放った。才木が6回1失点で5勝目。広島は投手陣が総崩れ。

◆ 客の迷惑行為で、試合が中断するハプニングがあった。 5回の阪神の攻撃中、一塁側カメラマン席の屋根部分に男性客が上がり、一塁ベンチや客席に向かって何ごとかを叫んだ。気付いた審判団が試合を止め、しばらくして警備員が駆けつけて連行した。 0-1で入ったこのイニングは先発岡田が5失点と大崩れ。試合が止まったのは6連打目を浴びたタイミングだった。 移転前の旧広島市民球場では90年に、試合中に男性客がバックネット上部までよじ登り、巨人を批判する垂れ幕をかけ、試合が中断した「クモ男事件」の例がある。

◆ 客の迷惑行為で、試合が中断するハプニングがあった。 5回の阪神の攻撃中、一塁側カメラマン席の屋根部分に男性客が上がり、一塁ベンチや客席に向かって何ごとかを叫んだ。気付いた審判団が試合を止め、しばらくして警備員が駆けつけて連行した。 0-1で入ったこのイニングは先発岡田が5失点と大崩れ。試合が止まったのは6連打目を浴びたタイミングだった。 移転前の旧広島市民球場では90年に、試合中に男性客がバックネット上部までよじ上り、巨人を批判する垂れ幕をかけ、試合が中断した「クモ男事件」の例がある。 広島南署は広島-阪神戦で大声を張り上げ、試合を一時中断させたとして、威力業務妨害の疑いで、岡山県笠岡市笠岡の自営業坂本英喜容疑者(65)を現行犯逮捕した。同署によると同容疑者は当時酒に酔っていたといい、「自分がしたことに間違いない」と容疑を認めている。逮捕容疑は6日午後7時50分ごろ、試合中に大声を上げ、試合の運営を妨げた疑い。

◆ 赤丸急上昇! 広島丸佳浩外野手(29)が33、34号と2打席連続本塁打をかっ飛ばした。6回のソロでリーグトップのヤクルト・バレンティン、DeNA筒香と並ぶと、8回のソロで単独トップに立った。今季の進化を証明するように、いずれも逆方向にアーチをかけた。阪神に大敗したが、ヤクルトが敗れたことで優勝へのマジックは11となった。 右打者のような弾道と強さで、白球が降り続ける雨を切り裂いた。まずは6回。丸は阪神才木が2球続けた緩いカーブを捉えた。十分に引き付けて振り抜いたバットから弾かれた打球は、左翼席へ向かって一直線。劣勢の中で意地を見せると、8回には望月の152キロを完璧に仕留めた。外角低め真っすぐを強振。再び左翼席に突き刺した。 「どんな展開になっても、出来ることは限られている。しっかりできることを打撃でも守備でもやるだけです」 大差を追う展開でも集中力は途切れなかった。本塁打数は昨季の自己最多23本を更新し続け、2戦連発、1試合2発で34号とし、リーグトップだったバレンティン、筒香を抜いた。リーグ単独トップに「自分の中でもびっくりです。それはいいスイングができているということ。継続していくことが大事だと思っています」と謙虚に語った。 丸は今季ベンチで「"左本"狙ってきます」と宣言して打席に向かうことがある。"左本"とは「左翼への本塁打」という意味ではない。「左方向へ角度のある強い打球を打つ」という意味だ。迎打撃コーチは説明する。「いい打撃をすれば本塁打にはなる。いい角度で強い打球を打てるのはいい打撃。その意識付けもあって、口にしているのだと思います」。昨季打球の角度の付け方をつかみ、今季は左方向へ早くも15本塁打と量産している。 チームは敗れはしたものの、終盤に反発力を見せた。ヤクルトも敗れたため、マジックは1つ減り、11となった。先発が3戦連続5回降板の誤算も、この日は若手2投手でつなぎ登板過多の中継ぎ陣を休ませられた。緒方監督は「2試合続けてこういう展開になってファンの方には申し訳ない。また明日、切り替えてしっかり頑張ります」と口調を強くした。新キングとともに、広島は再び歩みを始める。【前原淳】

◆ アクシデント発生? 阪神糸井嘉男外野手が適時打を放った直後、代走江越を送られ、途中交代した。1点リードの5回、1死一、二塁から岡田が投じた真ん中高めの直球を振り抜き、右前に運ぶ適時打を放った。一塁を大きくオーバーランし、戻った直後だった。足に違和感を訴えた様子で、自分の足で歩きながらベンチ裏に下がっていった。 糸井は6月30日のヤクルト戦で死球を受け右足腓骨(ひこつ)を骨折。その後も完治していない状態で試合に出続けていた。今後の出場が心配される。

◆ 阪神北條史也内野手が、8月19日ヤクルト戦(神宮)以来、66打席ぶりの適時打で先制した。 両軍無得点で迎えた3回、2死走者なしから糸原が右中間への適時打を放ち、二塁打でチャンスを演出。カウント1-1からの3球目、147キロの真ん中低めの直球を中前に運んだ。「イト(糸原)さんが2ベースでチャンスを作ってくれたので、自分がランナーを返すという強い気持ちで打ちました。先制のランナーを返すことができて良かったです」。上位打線を担う若虎2人の活躍で、貴重な1点を作り出した。

◆ 阪神が首位広島のお株を奪う猛攻で、2試合連続の2桁得点で大勝した。 勝負が決まったのは1点リードの5回だ。6連打など7安打を集中して5点を奪い、先発岡田をKOした。その後も攻め手を緩めず、福留や陽川、代打原口が本塁打を放ち、20安打13得点を挙げた。 先発才木の力投も光り、マツダスタジアムでは16年以来、2年ぶりのカード勝ち越し。金本知憲監督も「投手陣が頑張ってくれたからね。マツダでは、みんな、結構打つんですよね。打たれてというのが、ここ何年かだけど。自信にしてほしい。個人個人の自信がチームの自信になると思うから」とうなずいた。

◆ 阪神糸井嘉男外野手が適時打を放った直後「右足ふくらはぎのハリ」のため途中交代した。 1点リードの5回、1死一、二塁から右前に運ぶ適時打を放った。一塁を大きくオーバーランし、戻った直後に違和感を訴えた様子で、自分の足で歩きながらベンチ裏に下がっていった。 糸井は6月30日のヤクルト戦で死球を受け右足腓骨(ひこつ)を骨折。その影響もあり大事をとっての交代となった。金本知憲監督は「ちょっとキュッと来ただけで。大事には至っていない。ピリッと来たとか、そんなのではない。大丈夫だと思います」と語った。

◆ 阪神才木浩人投手が首位を独走する広島の強力打線相手に6回3安打1失点と好投し、今季5勝目を挙げた。4回までわずか1安打に抑える上々の立ち上がり。5回先頭の田中に二塁打を浴び、無死二塁。磯村の打席で2球目を投じた直後、右足がつりかけたことにより、ベンチに下がるアクシデントが起こった。 治療を終え再びマウンドに戻ると、エンジンフル回転。磯村、バティスタ、野間を3者連続の空振り三振にきった。6回、丸に左翼席にソロ本塁打を浴びるも続く主砲鈴木を外角高めの直球で差し込み、一飛。松山を三ゴロに仕留め、後続を断ち切った。「自分の感覚は悪くなかったですけど、野手の方々が点を取ってくださったおかげで、楽に投げることができたので、野手の皆さんのおかげかなと思います」と声を弾ませ、頭を下げた。 期待の2年目右腕の力投に金本監督は「今日は心配せずに、見ていられた。ちょっと逆球が多いけどね。左打者のインサイドとか。あそこさえできれば、ゆうに2桁勝てる投手ですから」と称賛した。 成長著しい19歳の快投が光り、連日の大勝でカード勝ち越しを決めた。

◆ 阪神原口文仁捕手は今季2号を放ち、代打安打の球団記録到達に王手をかけた。 8回1死一、二塁で代打登場し、左中間に3ラン。今季代打で44打数22安打となり、球団2位の86年永尾泰憲に並んだ。08年桧山進次郎が持つ球団記録まであと1本となったが、「全然、意識はないです。出た場面でしっかり結果を出せるように、しっかり準備してやっていきたい」と地に足がついている。

◆ 阪神が今季最多の20安打、13得点で2試合続けて大勝、マツダスタジアムで2年ぶりにカード勝ち越しを決めた。 5回に7長短打を集め一挙5点を奪い、その後も攻撃の手を緩めなかった。 金本知憲監督は「よくつながりましたね。自信にしてほしい。個人個人の自信がチームの自信になると思うから」と納得。3位巨人に1ゲーム差とした。 その他の一問一答は以下の通り。 -マツダスタジアムでこういう戦いができた 投手陣が頑張ってくれたからね。マツダではみんな、結構打つんですよね。打たれてというのが、ここ何年かだけど。今日は才木がよく、心配せずにね、見ていられた。ちょっと逆球が多いけどね。左打者のインサイドとか。あそこさえできれば、ゆうに2桁勝てる投手ですから。 -福留は3試合「ムチを入れて」先発させた 1回、明日休んで、またムチを入れ直して。巨人戦、頑張りますよ。

◆ 阪神原口は今季2号を放ち代打安打の球団記録到達に王手だ。8回1死一、二塁で登場し3ラン。「本当にいいスイングが自分の中でできた。いいポイントでバットの芯で捉えられた」。 これで今季代打で44打数22安打となり、球団2位の86年永尾泰憲に並んだ。08年桧山進次郎が持つ球団記録まであと1としたが「全然、意識はないです。出た場面でしっかり結果を出せるように、しっかり準備してやっていきたい」と冷静だった。

◆ 阪神糸原が3安打2得点と1番打者の役割を果たした。 3回には2死から右中間への二塁打で出塁して北條の適時打で先制のホームを踏んだ。5回には二塁内野安打で5得点の口火を切った。「チームが勝ったので良かった。2死から1、2番で1点をとれたのは大きい」と振り返った。自身7戦連続安打、2試合連続の3安打と打撃好調だ。

◆ 41歳阪神福留は若虎に負けじと1試合4安打を達成した。1点先制直後の3回に中前打を放つと、1点リードの5回1死一塁で再び中前打。この1本から6連打が決まり、この回5得点でゲームの大勢は決した。さらに6点リードの6回無死一塁では14号2ランを右翼席中段まで届かせてダメ押し。7回にも中前に落ちるタイムリーを放ち、ベンチに退いた。4安打には「そういう時もある」と冷静だったが、ここ5試合で24打数13安打と絶好調だ。 首位広島3連戦は延長12回サヨナラ負けでスタートしながら2連勝フィニッシュ。「初戦はああいう形になったけど、切り替えてみんなでいいゲームができた。(マツダスタジアムでは)難しいかもしれないけど、選手1人1人が考えてやってくれているし、こういうゲームで勝てて良かった」と納得顔だ。 前日5日、広島新井が現役引退を表明した直後には強い口調でこう言った。「どんな時も常に前を向いてやっている姿というのは勉強になるし、やらないといけないことだと思います」。その言葉通りキャプテンが、がむしゃらにチームの先頭を走っている。

◆ 虎投に鯉キラー誕生の予感だ。2年目の才木浩人投手(19)がマツダスタジアムで初登板し、6回3安打1失点で今季5勝目を挙げた。5回には足のアクシデントで一時ベンチに下がったが、9奪三振の快投で今季広島戦2勝目。また後半戦はチームトップの3勝目と、その成長、とどまるところを知らない。 初めて上がったマウンドでのアクシデントも才木が乗り越えた。6点リードで迎えた5回無死二塁だった。磯村に対してカウント1-0からの2球目、外角直球で空振りをとったシーン。投げ終えた右腕がよろけた。右足がつってしまった。1度はベンチに下がったが、治療を終え、戻ってくると力強い直球を次々と投げ込んだ。 ◆磯村 高め直球で空振り三振 ◆代打バティスタ 完全なボール球だった高め直球のつり球で空振り三振 ◆野間 3球勝負の外角高め直球で空振り三振 3者連続三振で切り抜けると、振り返りざまに雄たけびを上げた。大勝に導く6回3安打1失点の力投。今季5勝目を手にした。 「今日は野手の方がたくさん点をとってくださったので、すごく投げやすい環境で投げさせてもらったので、それが結果につながってよかったと思います」 首位を独走する広島の強力打線を封じ込めた。特に鯉は37勝15敗2分けとホームでの力強さが際立っていたが、初回2死一塁で4番鈴木を147キロの直球で空振り三振に。3回には丸を、こちらも直球で空振り三振に仕留めた。 この日の勝利で今季広島戦2勝目。虎の日本人投手が同カード年間先発2勝は16年能見以来だ。これには本人も「真っすぐで押せたところはすごく自信にもなりましたし、まだまだこれから精度を上げていかないといけない。もっと上のレベルを目指してやっていきたいと思います」とうなずいた。 もちろん、まだ制球のブレなど課題はある。だが、ブレーキの利いたカーブも加え、3試合連続120球超とスタミナもつき始めている。金本監督も「今日は才木がよく、心配せずにね、見ていられた。ちょっと逆球が多いけどね。左打者のインサイドとか。あそこさえできれば、ゆうに2桁勝てる投手ですから」と成長著しい19歳右腕を絶賛。6回に丸に技ありの1発を浴びて0封は逃したが、虎の逆襲のカードとして欠かせない存在となりつつある。【古財稜明】 ▼才木は今季広島戦2勝目。阪神で広島戦に先発でシーズン2勝以上は、17年メッセンジャー(3勝)以来。阪神日本人投手では16年能見(2勝)以来。 ▼才木は今季、得点圏での被打率がわずか1割9分。この試合で6度あった得点圏に走者を置いての投球で、4奪三振を含むノーヒット(1四球)と、ピンチで無類の強さを見せている。 ▼才木はこの日、自身最多タイの1試合9奪三振。広島が今季マツダスタジアムで相手先発投手に奪われた最多タイの三振数でもあった(6月6日の日本ハム上沢が9奪三振)。

◆ 敵地マツダスタジアムで虎が猛打祭りだ。広島20回戦で今季最多20安打の13得点。5回に6連打を浴びせるなど5試合連続2桁安打をマーク。マツダスタジアムでの2試合連続2桁得点は球団初の猛攻だ。苦杯をなめ続けてきた同球場でのカード勝ち越しも2年ぶり。明日8日から甲子園で迎え撃つ3位巨人とは、これで1ゲーム差だ。 真っ赤に染まるマツダスタジアムが静まり返った。敵地は若虎たちの独壇場だった。やりたい放題に暴れ回る。一塁側ベンチで腕組みする敵将の緒方監督も渋い表情で動かない。スコアボードはせわしなく阪神の得点が刻まれていく。20安打13得点の爆発ぶりで、左うちわの大勝劇を演じた。 三塁側ベンチ裏。金本監督はえびす顔で「よくつながりましたね。(交代した糸井)嘉男が途中、心配やったけど。その後、陽川、大山、俊介も。いつも、これくらい気持ちよく打って欲しいけどね」と振り返った。広島で16年4月以来、2年ぶりのカード勝ち越しだ。しかも2試合連続2桁得点は09年に開場して10年目で初めての"快挙"だ。 不安定な先発岡田を沈めたのは5回だ。先頭糸原が二塁内野安打で出塁。1死後、福留が中前に運ぶと、打線に火が付いた。糸井が右前へ適時打を放つと、陽川も続く。1死一、三塁でスライダーを力まずにとらえて、中前に加点タイムリー。「追い込まれてしまいましたがコンパクトに打ち返すことができました」と声がはずむ。大山も勢いに乗じる。一、二塁で速球を豪快に仕留め、左中間フェンス直撃の適時二塁打。「いい流れのなかで自分のスイングで打てた」。一挙6連打などで5点を奪った。 今季は開幕から貧打で苦しんだが、確実に潮目は変わっている。壁にぶち当たっていた若手が目覚めつつあり、5試合連続2桁安打は16年以来、2年ぶり。9月に限れば4勝1敗で"単独首位"に浮上。月間打率3割4分7厘と猛攻を重ねる。●○○で会心のカード勝ち越しだ。広島での3連戦前、金本監督は「どの球団もあそこでほぼ負け越しているけど何とかうちは、と思っている」と闘志メラメラ。青写真通りだった。 多くのナインが「マツダは完全アウェーになる」と話すほど、重圧のかかるフィールドで躍動。強いカープをたたきのめした。2位ヤクルトと3ゲーム差、3位巨人と1ゲーム差に迫った。4年ぶりの20安打到達で、当初、今日7日に練習予定だった野手陣は急きょご褒美の休日に変わった。金本監督は「自信にしてほしい。個人個人の自信がチームの自信になると思うから」と話す。明日8日からはライバル巨人と2連戦。英気を養い、逆転でのクライマックスシリーズ進出に向かう。【酒井俊作】 ▼阪神がマツダスタジアムでの広島戦で同一カード3連戦に勝ち越したのは16年4月22~24日○●○以来、2年ぶり。また、同球場で2試合連続2桁得点は初となった。 ▼阪神の5試合連続2桁安打は、16年5月20日広島戦~25日ヤクルト戦5試合連続以来。また1試合20安打は今季初で、14年8月5日ヤクルト戦23安打以来、4年ぶり。

◆広島・岡田明丈投手(24)が6日、阪神戦(マツダ)の0-1の五回に7安打5失点の大炎上した。  先頭の糸原に二塁内野安打、一死後、福留に中前打で一、二塁とされて糸井に右前適時打を浴びて追加点を献上。さらに陽川、大山、俊介に連打を浴び、4点を失った。  右腕のふがいない投球に怒り狂ったオールドカープファンが、一般ファンが立ち入り禁止のエリアである一塁ベンチ側のカメラマン席上の屋根に乗って抗議をしたため、試合が一時中断するハプニングがあった。

◆大敗を喫した広島で丸が2打席連続本塁打と気を吐いた。34号は筒香(DeNA)とバレンティン(ヤクルト)を抜いてリーグトップ。「自分の中でもびっくりしている。それだけいいスイングができているということだと思う」と手応えを口にした。  0-9の六回は才木の緩いカーブを、2-13の八回には望月の152キロをともに逆方向の左越えに運んだ。大量リードを許しても集中を切らさず、好打を見せ「どんな展開であろうと、できることをやろうと思っていた」と話した。

◆広島の岡田は5回6失点の乱調で試合をつくれず、6敗目を喫した。0-1の五回に6連続長短打を浴びるなどして一挙5点を奪われ「高めに浮き出して、抑えが利かないようになってきた。それでも打ち取っていかないと」と悔やんだ。  前回登板で約2カ月ぶりとなる白星をマークしたが、いい流れを持ってこられず「低めに、自分の質のいい球を投げられるようにしないといけない」と反省ばかりが口を突いて出た。 緒方監督(優勝へのマジックナンバーは11になったが、本拠地でまたも大敗) 「2試合続けてこういう展開になって、ファンの方に申し訳ない」

◆阪神が、3本塁打を含む20安打の猛攻で2連勝。先発の才木は6回を投げ9三振を奪うなど3安打1失点と好投し、5勝目(7敗)を挙げた。  11得点を奪った前日に続いて虎打線がつながった。まずは三回二死二塁から、北條が中前適時打を放ち、1点を先制。さらに五回一死一、二塁から、糸井の右前適時打、陽川の中前適時打、大山の中越え適時二塁打で二、三塁とすると、俊介の右前2点打で4連続適時打となり、5点を追加した。六回には無死一塁から、福留の14号2ラン、陽川の5号ソロでさらに突き放した。  広島はその裏、丸が33号ソロを放ち1点を返したが、阪神は、七回二死一、二塁から、福留の中前適時打で突き放した。  広島はその裏二死一塁から、代打・会沢の中越え適時二塁打で1点を返した。阪神は八回一死一、二塁から、代打・原口の2号3ランで駄目を押すと、投手陣は才木から、岩崎、望月、岡本とつないだ。広島はその裏、丸がリーグ単独トップに立つ34号ソロを放ち、1点を返した。  広島は先発した岡田が5回を11安打6失点で6敗目(7勝)を喫した。

◆阪神の才木は6回を丸のソロ本塁打による1点に抑え、5勝目を挙げた。自慢の直球が走り、中盤以降は110キロ台のカーブを織り交ぜ、緩急を生かして9奪三振。「真っすぐで押せたのは自信になる。野手の方に点を取ってもらったおかげで楽に投げることができた」と笑った。  五回無死二塁の場面で「右脚がつりそうになった」といったんベンチへ。「トレーナーさんが素早く処理してくれたおかげ」と3者連続三振でこの回を切り抜けた。広島には前回対戦した8月15日に黒星を喫したが、敵地で躍動して見事にやり返した。 福留(14号2ランを含む4安打3打点) 「一人一人が考えてやってくれて、こういうゲームができて良かった」 陽川(5号ソロを含む4安打2打点) 「打席の中でしっかりスイングすることを心掛けている」 原口(代打で2号3ラン) 「いいポイントで、しっかり芯で捉えることができた」 金本監督(右ふくらはぎの張りで五回途中に交代した糸井に) 「大丈夫だと思う」

◆--五回の6連打が  金本監督 「(糸井)嘉男が途中心配やったけど、その後、陽川、大山、俊介も...。いつもこれぐらい気持ちよく打ってほしいけどね」  --陽川はセンター返しの姿勢が、本塁打につながっている  「それは本人じゃないとわからんけど。ランナーいないときとかは豪快に振っていいし、持ち味をどんどん出せばいいし」  --マツダでこういう戦い方ができなかった  「マツダでは結構打つんですよね。ただ、打たれてというのがね。きょうは才木もよく、心配せず見ていられたというか」  --2年ぶりのカード勝ち越し  「自信にしてほしいですね。個人個人の自信がチームとしての自信になると思うから」

◆思わぬ"珍客"だ。岡田が0-1の五回に一挙5点を奪われた直後、しびれを切らした男性のオールドファンが立ち入り禁止エリアの一塁側カメラマン席の屋根に上がり「緒方、早く投手代えろ!」と猛抗議。球場の警備員によって警察に引き渡されたが、一時試合が中断。鈴木球団本部長は「(旧市民球場の)クモ男以来かな。重大な場合は(出入り禁止)もありうる」とファンにモラルのある観戦を求めた。

◆どっちが首位か分からない!? 阪神は広島に金本阪神最多の20安打を浴びせて13点を奪い、大圧勝で連勝。2016年以来となるマツダスタジアムでの広島3連戦勝ち越しを決めた。福留孝介外野手(41)が五回6連打猛攻の口火を切るなど、4安打3打点と打線をけん引。  広島・新井の引退発表から一夜明け、福留は2013-14年にともに阪神で戦った戦友について「思い出というか、どんなときも常に前を向いてやっている姿」が印象深いと話していた。2006年のワールド・ベースボール・クラシックでは初優勝の美酒を味わうなど、かけがえのない時間を過ごし「がむしゃらにやって成績を残された方。下の者として、負けたくない気持ちでやってました」と明かした。

◆陽川は今季2度目の4安打。二回一死に右前打を放つと五回一死一、三塁では中前適時打。「追い込まれてしまいましたが、コンパクトに打ち返すことができました」。  六回には会心の5号ソロを左翼席上段に運び、九回二死では左翼線二塁打で締めくくった。6月27日のDeNA戦(横浜)以来の4安打。大事な時期に調子をあげてきた。

◆大先輩の記録に、ついに王手をかけた。小雨が降るマツダスタジアムに放物線をかけた。代打・原口が鯉を打ち砕く2号3ラン。ホームに帰ってくると表情が少しだけ、緩んだ。  「いいスイングが自分の中でできました。いいポイント、芯でとらえられたのでよかったです」  10-2と大勢が決まった八回。一死から大山が二塁打、俊介が四球を選び、原口の出番だ。低めの140キロ直球をすくい上げると、打球は左中間席ギリギリに着弾。代打弾&3打点は今季初。代打打率は再び5割(44打数22安打)に上昇し、神々しさすら漂ってきた。  積み重ねたシーズン代打安打は「22」となり、球団2位の永尾泰憲(1986年)と並び、桧山進次郎が持つ球団記録「23」にあと1本と迫った。打点「18」も永尾らの球団4位と並び、3位八木裕(サンケイスポーツ専属評論家)にあと「1」だ。  その先には"元祖・代打の切り札"の記録が待つ。代打でシーズン20打点を積み重ねた川藤幸三(1984年、球団2位=現OB会長)だ。世代を超えて同じひと振り稼業で結果を残す後輩に、大先輩がかけるハッパは愛情にあふれている。  「次に原口がせなアカンのは、スポーツ新聞の1面をとることやな」  ひと振りで決めてこそ代打。「俺なんか、そればっかり考えてたわ」と川藤氏。いいとこ取りをしろ! 状況に左右されるものの、今の原口ならきっとやってくれる。  「全然(記録への)意識はなくて。出た場面で結果を出せるように準備して、やっていきたいです」  あくまで自然体。それが原口。努力の先に、勲章が待っている。 (竹村岳)

◆アクシデントも突然の降雨にも動じず、王者を見下ろすような力投で金星をあげた。高卒2年目の才木が堂々のピッチングで、初めて投げるマツダで今季初の敵地でのカード勝ち越しに貢献。価値ある5勝目となった。  「野手の方が点をとってくれて、投げやすい環境を作ってもらいました。(マツダは)チャンスになると1球1球の(カープファンの)歓声がデカかったのですが、逆に僕が応援されている気分で投げました」  爽やかな笑顔で振り返った。一回二死から丸に四球を与えても、続く鈴木を直球で空振り三振、二回も二死一、二塁のピンチで岡田を134キロ変化球で空を斬らせた。三、四回は三者凡退と、序盤から流れにのった。  緊急事態が起きたのは五回無死二塁。磯村への2球目を投げ終わると、「つりそうになって...右足が」とトレーナーとともに一度ベンチ裏に下がった。それでも治療を終えてマウンドに戻ると、145キロ直球で空振り三振。後続も含めて3者連続三振でリズムを途切れさせなかった。突然の降雨のなか、六回に丸の33号ソロを浴びた失点のみに抑える6回3安打9奪三振1失点で、5勝目(7敗)を手にした。  ずっと続けてきた熱心な"取材"が結果につながる。プロ入り後は投手陣が練習場所を移動するわずかな時間にも、道具をまとめる先輩投手らにピッタリついて質問攻めにした。須磨翔風高時代には当時、上武大野球部に所属していた兄・智史さん(22)が実家に帰ってくると、トレーニング方法を聞いて体作りに役立ててきた。  貪欲で伸びしろ十分。だからこそ、金本監督は「左打者のインサイドがちょっと...あそこさえできれば、2桁勝てる投手ですからね」とあえて宿題を口にし、才木も「真っすぐで押せたことは自信につながります。精度をあげて、レベルアップしていきたいです」と前を見据えた。右肩あがりの成長を続け、虎の先発陣の柱になってみせる。 (新里公章) マツダで初登板だった才木について阪神・香田投手コーチ 「よく対応して自分の投球をしてくれた。経験値があがったと思います」

◆どっちが首位か分からない!? 阪神は広島に金本阪神最多の20安打を浴びせて13点を奪い、大圧勝で連勝。2016年以来となるマツダスタジアムでの広島3連戦勝ち越しを決めた。福留孝介外野手(41)が五回6連打猛攻の口火を切るなど、4安打3打点と打線をけん引。いや~痛快、爽快!8日からは本拠地で3位巨人をつかまえるで!!  さすが千両役者だ。相手が強ければ強いほど燃える。虎党が奏でる太鼓の音色が止まらない。首位広島に連夜の圧勝。降り注ぐ雨も、気持ちいい。逆襲の秋が、本格的に始まった!  「初戦、ああいう形(延長十二回サヨナラ負け)になったけど、切り替えて2試合、いい試合ができた」  猛攻をけん引した福留が振り返った。こんなに"鬼門"を楽しめたのは初めてだ。マツダで3連戦勝ち越しを決めるのは2016年4月22-24日(○●○)以来。金本政権最多20安打で13得点。2015年8月以来となるマツダでの連勝を飾ったハイライトは、一気に6-0まで持ち込んだ五回の打者10人の猛攻だ。  口火を切ったのは主将だ。一死一塁から中前に弾き返す。糸井が右前適時打で続き、陽川も中前適時打。大山の適時二塁打に俊介の2点打、梅野と炎の6連打。面白いようにHランプを灯し続け、一挙5点を奪った。  優勝を目前にして勝利を疑わない鯉党も、堪忍袋の緒が切れた。梅野の中前打の直後、一塁側カメラマン席の屋根に"乱入"。広島ベンチに向かって「緒方! はよ代えろ! ちゃんとせぇ!」と怒声を浴びせた。  六回無死一塁でも飯田から14号2ランを放ち、チームとしては11年以来の2試合連続2桁得点勝利。昨年9月5-7日に3連敗を喫し、リーグ優勝の可能性が事実上消えた悔しさを胸に、積極的休養をお預けにされた主将が今季初の1試合4安打で燃えに燃えた。  この展開になれば七回に中前打を放って、お役ご免。伊藤隼と入れ替わる形でベンチに下がったが、チーム、そしてナインの成長を感じた瞬間が訪れた。先発で6回1失点と好投した才木から「守っている側から見られて、どういう感じなのか教えてもらえませんか?」と頭を下げられた。  藤浪をはじめとする投手陣にもアドバイスを送ってきたが、我慢の限界がきて口を開いたことが多かった。19歳から41歳に投手と野手の垣根を越え、臆することなく質問する姿勢に、気がつけば口調も熱くなっていた。  「選手1人ひとりが考えて、いろいろなことを思ってやっているわけだから。こういうふうに勝ててよかった」  5試合連続2桁安打も16年以来、金本政権最長タイ。広島戦の今季負け越しを阻止し、8日から1ゲーム差と詰めている3位巨人との直接対決だ。金本監督は「1回、明日休んで」と、7日に予定していた野手指名練習を免除。「またムチ入れ直して、巨人戦頑張りましょう」と進軍ラッパを吹いた。  残り28試合。待っていたぞ、この流れ。盆と正月が一気にきた。クライマックスシリーズ進出へ、猛虎の大逆襲が始まる。 (阿部祐亮)

◆珍しいシーンを繰り返し見せてもらった。あの強力広島打線が高めの球を空振りしたり、力負けしてファウルになったり。才木の投げる球がそれだけ威力があった証明だろう。  ローテーションに入って、キッチリ間隔をもらって投げているためか、マウンドさばきに落ち着き、風格が出てきた。制球を乱して無駄な四球を許すこともない。しっかり腕が振れているから、球にキレがあり、結果、広島の打者が押されてしまうのだ。  相手にすれば一番やっかいなカーブも効果的に決まった。四回一死から松山を空振り三振に仕留めたシーン。あの緩急は脅威だろう。  さらに褒めたいのはリズムの良さ。テンポ良くドンドン投げ込むから、野手も攻撃のリズムが生まれて得点を重ねる。これは先発投手として勝っていくためには絶対に必要なこと。19歳にして、それを身につけている。この日の投球なら、再び広島戦に投げさせてほしい。3位争い、CSを見据えた時に、大きな戦力が出てきた感じだ。 (サンケイスポーツ専属評論家)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
72462 0.61
(↓0.005)
M11
(↑1)
23624
(+3)
552
(+13)
160
(+2)
76
(-)
0.267
(↓0.001)
4.19
(↓0.08)
2
(-)
ヤクルト
59591 0.5
(↓0.004)
13
(-)
24561
(+3)
584
(+9)
113
(-)
63
(-)
0.269
(-)
4.43
(↓0.04)
3
(-)
巨人
59633 0.484
(-)
15
(↑0.5)
18559
(-)
519
(-)
128
(-)
58
(-)
0.261
(-)
3.95
(-)
4
(-)
阪神
54601 0.474
(↑0.005)
16
(↑1)
28472
(+13)
499
(+3)
71
(+3)
61
(+1)
0.255
(↑0.002
3.95
(-)
5
(-)
DeNA
52642 0.448
(-)
19
(↑0.5)
25470
(-)
556
(-)
145
(-)
68
(-)
0.252
(-)
4.35
(-)
6
(-)
中日
54692 0.439
(↑0.005)
20.5
(↑1)
18533
(+9)
573
(+3)
85
(+1)
54
(+1)
0.265
(↑0.001)
4.39
(↑0.01)