西武(☆7対4★)ソフトバンク =リーグ戦13回戦・メットライフ=
このエントリーをはてなブックマークに追加

 123456789
福岡
00000 0004 4100
西武
00111 400× 7120
勝利投手:多和田 真三郎(11勝4敗0S)
敗戦投手:千賀 滉大(7勝4敗0S)
  DAZN
◆西武が一発攻勢で6連勝。西武は3回裏、メヒアのソロで先制に成功する。6回には秋山、浅村、山川にも本塁打が飛び出し、リードを広げた。投げては、先発・多和田が今季11勝目。敗れたソフトバンクは、最終回に中村晃の3ランなどで4点を返すも、反撃は及ばなかった。

◆西武先発の多和田真三郎投手(25)は今季10勝を挙げている。  内訳はオリックス戦4勝、楽天戦4勝、日本ハム戦1勝、ロッテ戦1勝で、ソフトバンク戦は0勝。ソフトバンク戦で勝ったのは16年8月18日の1試合だけだが、2年ぶりの白星を挙げられるか。

◆ソフトバンク打線が完敗ムードの中で意地を見せた。7点をリードされ、無得点のまま迎えた9回だ。先頭の上林が二塁打で出ると、続く今宮が完封阻止の適時二塁打。さらに1死一、三塁とチャンスを広げ中村晃の9号3ランで3点差まで詰めた。2死から牧原が二塁打で出塁したが、最後は途中出場の福田が凡退した。  工藤監督は9回の攻撃に「明日につながるというか、このままで終わらないというみんなの気持ちが出た」と評価。今宮は「明日につながるかはわからないが、なんとか勝ち越せるようにしたい」と話した。一方、中村晃は「明日は明日でしょう」と冷静だった。

◆ソフトバンク千賀滉大投手(25)に、倉野投手統括コーチが厳しく苦言を呈した。首位西武との重要な初戦の先発を任された千賀は、自己ワースト5被弾で自己ワーストタイの7失点。今季4敗目を喫し、チームも借金1に逆戻りした。  倉野コーチは千賀について「投球もそうですが、考え方を変えないと成長はないです。マウンドであんな姿を見せているようじゃ、プロとしてどうかというところ。マウンド上の態度が良くなかった。それだけ高いレベルを求めているわけだし、能力はある。今の考え方では、成長は頭打ちです」と厳しい口調で話した。

◆西武多和田真三郎投手(25)が2試合連続の完投勝利で11勝目を挙げた。8回まで無失点に抑える力投を見せたが、完封がかかった9回に1本塁打を含む5長短打を許し、4失点。「9回は(完封の意識が)少しありました。それがダメだったと思います」と反省した。  16日の同戦では4回途中11失点と大炎上。「やってやるぞという思いは大きかった」とリベンジを誓ったマウンドだった。味方の守りと、今季2度目の1試合5本塁打を放った打線の援護にも助けられ、「打ってもらい、楽な気持ちで投げることができました」と感謝を忘れなかった。  3位ソフトバンクとのカード初戦に勝ち、チームは6連勝。それでも「(カード頭の登板は)やりがいを感じている。いいときも悪い時も、チームを乗せていける投球ができたら」と気を引き締めた。辻監督も「9回は気持ちが急いだのか。それまでは完璧。ナイスピッチングだった」と評価。「(無四球は)リズムが生まれるし、守っている方もありがたい。今日のような投球が自信になってくれれば」と、さらなる活躍に期待を込めた。

◆山賊たちがアーチの競演でソフトバンクを沈めた。西武打線が今季2度目の1試合5発で千賀をKO。中村、メヒアの重量級8、9番コンビのソロ2本でリードを奪い、6回に秋山、浅村、山川の3振りでとどめを刺した。6連勝で貯金は18。辻監督も「大きい1勝でした」とうなずいた。  正念場の1週間を、らしい勝ち方で滑りだした。3位ソフトバンク、2位日本ハムと続く6連戦。7月7本目の22号2ランで同月5度目の猛打賞を決めた浅村は「今週は本当に大事な週になる。頭を取るという気持ちだけを胸に持っていました」と、主将としてチームの決意を代弁した。  思いは攻撃に表れた。ド派手な1発攻勢も個人技だけの結果ではない。今シーズン2戦2敗の千賀攻略に向け「いろんな球種がいいが、チーム全体で真っすぐを打ちにいく考えだった」(浅村)。5発中4発が直球を捉え、狙いを実践。7得点中6点が2死無走者からと、高い集中力も相手へのダメージを増幅させた。  首位をがっちりキープし7月を締めた。浅村は「みんなで1つになって戦っている成果が出ている」と力強くうなずいた。10年ぶりの頂点へ、この勢いのまま突き進む。【佐竹実】

◆ソフトバンク千賀滉大投手(25)が、自己ワーストの5被弾を西武打線に食らった。7失点もワーストタイ。6回でKOされた。5回まで3失点でこらえ、6回も2死走者なしだった。そこから秋山に15号ソロ、源田の右安を挟み、浅村にバックスクリーン右へ2ラン。続く山川には初球外角高めのカットボールを左翼席へ豪快に運ばれ、打球を振り返ることすらできなかった。  1イニング3被弾。「6回の本塁打はすべて甘かった。押し出しもしたし、情けない。それだけ。体(の異変)じゃない。僕の能力不足」。大事な西武との3連戦の初戦で打ち込まれ肩を落とした。7点中6点が2死からの失点。工藤監督は「2死だったので代えるタイミングを失った。申し訳ない」と悔やんだ。  12安打7得点の西武打線に対し、ソフトバンクも10安打で4点を奪った。9回に5安打を集中する粘りは見せたが、8回までは西武多和田に無得点だった。この日も柳田が首痛で5戦連続で欠場したことが痛かった。柳田は打率3割5分5厘、24本塁打、67打点、16盗塁とすべてチームトップ。状態は少しずつよくはなっているが、「迷惑をかけているし、情けない」ともどかしい思いを口にした。  借金1で首位西武と9・5ゲーム差。この3連戦で3連敗すれば明日2日に自力優勝が消える。今日1日の先発は育成ドラフト4位新人で支配下になったばかりの左腕大竹。工藤監督は「持っているものを出してもらえれば。結果は問わない」と送り出す。プロ初登板の23歳に頼らなければならないほど、連覇の道は険しくなった。【石橋隆雄】

◆西武の多和田が今季4度目の完投勝利でチームを6連勝に導いた。ただ、完封を目指した九回は中村晃に3ランを浴びるなど4失点。「(完封を)意識したのが駄目だった。無事終わって良かった」と、まず反省が口を突いて出た。  ソフトバンクには7月16日の前回対戦で四回途中11失点を喫した。雪辱を期して力強い直球と曲がりの大きいスライダーを投げ込み、八回まで三塁を踏ませない好投だった。辻監督は「それまでが完璧だったから九回は問題ない。ナイスピッチング」と絶賛した。 秋山(六回に15号ソロ) 「7月はあまり良くなかったが、最終日にいい仕事ができて良かった」

◆西武は下位に配置されたパワーヒッター2人が本塁打を放った。まずは三回、最近になって「9番・指名打者」での出場が増えたメヒアが8号ソロ。「打ったのはストレート。先制できて良かった」と一振りで均衡を破った。  四回は8番中村が2死無走者から効果的なソロで畳み掛けた。千賀が初球で不用意に投じた高めの直球を右翼席に放り込んだ。辻監督は「長打を警戒しないといけない相手にしてみたら(印象は)8、9番ではない」と、にんまり笑った。

◆ソフトバンクの中村晃が九回に9号3ランを放った。1死一、三塁から「三塁にランナーがいるので、外野フライでもいい」と思って振ると、高々と上がった打球は右翼フェンスをぎりぎり越えた。  オフは長打力向上を目指してトレーニングを積んできた。自身初の2桁アーチにあと1本となったことに「そういう打ち方をしているので(本塁打が)増えている」と冷静に分析した。 今宮(二塁打2本) 「いい打席が増えている」

◆恐ろしすぎる下位打線だ。三回に9番・メヒアが先制の8号ソロ。四回には8番・中村が滞空時間の長い11号ソロを右翼席に運んだ。7月8本目のアーチに中村は「いい場面で打てた。調子はいい」とニヤリ。一発のある2人を下位に据える打線が機能し、辻監督は「普通の下位打線ではないから、相手に与える重圧も大きかったと思う」と手応え十分だった。

◆千賀は高めの球をことごとく捉えられ、自己最多の5本塁打を浴びてワーストタイの7失点で4敗目。連勝中だった西武の勢いを止められず、「この打線を考えてしっかり投げないと」と肩を落とした。「悪い時にどうするかが課題」と考え込むように腕を組んだ工藤監督。7月は6勝11敗1分けと負け越し、西武とのゲーム差は今季最大の9・5に広がった。 九回の3ランで自身初の2桁本塁打にあと1本となったソフトバンク・中村晃 「そういう打ち方をしているので(本塁打が)増えている」

◆西武は31日、ソフトバンク13回戦(メットライフ)に7-4で快勝し、6連勝。3番・浅村栄斗内野手(27)が22号2ランを含む4安打を放つなど、チームは今季2度目の1試合5発でソフトバンク・千賀をKOした。  「(千賀の)一番いい球である真っすぐを打ちにいくことを、試合前からチーム全体で確認していた」  浅村は三回、追い込まれながらも外角の直球をしっかりと右前へ運んだ。リードを4点に広げた六回二死一塁では144キロの直球を狙い打ち。逆方向となる右翼席へ2ランをたたき込んだ。  7月(18試合)は打率・378(74打数28安打)、7本塁打と絶好調。辻監督は「非常に調子がいい。右方向へ長打が出るということは好調の証し」とうなずく。  大きな刺激がある。前日に母校・大阪桐蔭高が北大阪大会決勝で大院大高を23-2と圧倒し、2年連続10度目の甲子園出場を決めた。「自分たちが打てば大阪桐蔭の話題になるし、後輩たちも刺激になると思う」と浅村。絶好調の夏は原点を思い出すとともに、強豪高の誇りを再確認させてくれる季節でもある。  チームは2位・日本ハムとの3ゲーム差を守り「日本ハムのことは考えずに、自分たちの野球をやる」。夏男たちの"花火"連発で、歓喜の秋へ加速する。 (佐藤春佳)
完封を逃したが、今季4度目の完投勝利で11勝目の西武・多和田 「(九回は完封を)意識したのが駄目。無事終わってよかった」

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
西武
533510.602
(↑0.004)
0
(-)
54499
(+7)
422
(+4)
119
(+5)
96
(-)
0.276
(↑0.001)
4.42
(↑0.01)
2
(-)
日ハム
513910.567
(↑0.005)
3
(-)
52407
(+14)
358
(+1)
101
(+1)
59
(+2)
0.25
(↑0.003)
3.57
(↑0.04)
3
(-)
福岡
434410.494
(↓0.006)
9.5
(↓1)
55389
(+4)
389
(+7)
125
(+1)
56
(-)
0.256
(↑0.001)
4.24
(↓0.04)
3
(-)
ロッテ
434430.494
(↓0.006)
9.5
(↓1)
53362
(+1)
381
(+14)
45
(-)
90
(-)
0.257
(↓0.001)
3.87
(↓0.11)
5
(-)
ORIX
424740.472
(↓0.005)
11.5
(↓1)
50349
(+4)
364
(+6)
72
(-)
62
(+1)
0.241
(↑0.001)
3.7
(↓0.03)
6
(-)
楽天
395110.433
(↑0.006)
15
(-)
52342
(+6)
370
(+4)
87
(-)
47
(+1)
0.246
(↑0.001)
3.82
(-)