◆阪神は30日、この日の甲子園での巨人戦を台風10号の影響により中止すると発表した。阪神は前日のDeNA戦も中止となっており、これで2試合連続で試合がなかった。2日連続での中止は昨年5月6、7日の広島戦（マツダスタジアム）以来。選手や首脳陣は、前日午後の新幹線で無事に帰阪していた。

◆阪神は30日、台風10号の影響により同日の巨人戦（甲子園）の中止を発表した。また、日本野球機構（NPB）は、あらかじめ設けていた9月23日の予備日を、正式日程にすると発表した。9月23日の巨人戦は午後2時から甲子園で開催される。

◆阪神・岡田彰布監督（66）が30日、ブルペン陣の3連投の〝リミッター解除〟を宣言した。この日は台風10号の影響で午前11時に巨人戦の中止が決定。約1カ月ぶりに戻った甲子園での全体練習で、指揮官はナインの動きをチェックした。首位巨人を5ゲーム差で追う残り24試合。ブルペン陣をフル回転させて、逆転での連覇へ勝利を積み重ねる。虎の子のリードを必ず守り切る。追いつき、追い越そうとしてくるライバルの勢いをそいできた強力リリーフ陣のリミッターを、ついに解除するときがやってきた。岡田監督が疲労を考慮し、連投を制限してきた〝仏の顔〟から〝鬼の顔〟に変貌し、試合展開次第で積極的な投入を宣言した。「3連投ぐらい、別にどうってことないけど、そら。（これまでは基本的に）3連投ささんかったけどな、そんな無理してもと思ってたけど」この日は約1カ月ぶりに帰還した甲子園で首位巨人を迎え撃つはずが、台風10号の影響で午前中に中止が決定。湿気を含んだ風が吹くなか、午後に行われた全体練習に目を光らせ、今後の投手起用プランを口にした。27、28日のDeNA戦（横浜）は先発陣が崩れて痛い逆転負けを喫したが、投手力が岡田阪神の強みの一つであることは変わらない。〝勝利の方程式〟を担う岩崎、ゲラに加え、セ・リーグ最多56試合に登板している桐敷や、19試合連続無失点も記録した石井らの力を結集する。主導権をがっちりと握り続ける試合展開ではもちろん、状況によってはビハインドでもつぎ込み、逆転Vを目指す。

◆阪神戦は台風の影響で2試合連続、今季7度目の中止。代替試合は9月23日午後2時から開催される。岡田彰布監督（66）の主な一問一答は以下の通り。ーー前川の状態は「もう大丈夫みたいや。今日は使おうと思ってたから。走っているけど、ゲームになったら全然違うからな。元々調子が悪かったから外したんやで。腰がアカンくなった日も、元々レフトは島田やったんやで。調子が悪いから、外している時の腰やったから」ーーピッチャーもいろんな事が出来る「だからお前、明日からゲームをやれる予定で一応組んだけど、また明日アカンかったら、またちょっとな」ーー西勇はブルペンに入ったが、9月1日か「西は明後日。こっちはもう才木、西で行く予定やから。だから青柳、大竹が飛びになるからな。今日は青柳抹消した。次の甲子園までな、ちょうど10日行けるから」ーー大竹は中日戦に投げて、広島戦も行ける「今度は大竹も10日間くらい空いてしまうんよなあ。抹消出来へんし。明日がおかしなったら、代えるようなアレ、しゃあないわ」ーービーズリーの発熱もひどくはなかった「うん。ビーズリーも10日で投げさすよ」ーー日程も変わって来れば「そうやんなあ、変更になるやろなあ、これは」ーー相性も見て「そんなうまいこと、行くヤツもおるけどな。結構今年は固まっとったからな、才木なんか、あんまり広島投げてないからな」ーー2試合空くのは、なかなかない「そら、上手に使たかどうかは、お前、明日からの結果次第やん。分からへんやん、それは」ーー甲子園に帰ったことで選手は変わるか「そら変わるやろ。帰ってくる日は決まっていたわけやから、こっからまた仕切り直して地元のな、甲子園ゲーム多いしのお。そういうことはみんな分かってたことやからな」ーー残り試合でホームが多いのはプラス「そら絶対プラスになるよ。どこのチームも、みんな有利やんか。そら全然ちゃう」ーークリーンアップまで、どうつなげるか「あの打率であんなええんやな。俺もビックリしたけどな、なあ。（得点圏に）いてない時よっぽど打ってないいうことやな、通算打率からしたらな。そんなうまいこと、ランナーがいてる時ばっかり打たれへんで。俺もビックリしたわ」（得点圏打率はリーグトップから大山、森下、佐藤輝、近本で、5位がヤクルト・長岡）ーーブルペンも連投制限なしで「連投ぐらい別にどうってことないけど。3連投ささんかったけどな、そんな無理してもと思ってたけど」ーー石井と桐敷も「全然そら大丈夫よ。（登板間隔を）空けたらアカン。明日からまたアレや、及川を上げるから。1枚増やす。青柳の分があるからな」

◆マツダスタジアムの広島－ヤクルトも、バンテリンドームの中日－DeNAも、29日の段階で中止が決まっていたのに、甲子園の伝統の一戦は、30日朝の段階になっても何のアナウンスもなかった。「甲子園、できるんか？」虎ソナへの電話、LINEの問い合わせ、計5本。こちら、球団関係者でも、球場関係者でもない。つれない返答を繰り返していたら、午前11時に中止決定。まあ、やってくるのが台風だから、無理はできない。午後から、普通にグラウンドで練習していた阪神ナインを眺めながら「試合、できたんちゃうの？」と言ってはいけない。何度も書く。台風なんだから。それにしても、29日の横浜からの〝撤収〟は見事だった。ハマスタで練習してから関西に戻りたくなるものだが、脱兎のごとく帰ってきた。阪神ナインが全員、新大阪や新神戸にたどり着いたのに比べて、他球団は移動で随分と苦労していた。「俺がすぐに帰ろうと言ったんや」一塁側ベンチで報道陣に囲まれた岡田監督は、自身の名采配だったことを強調していた。相手は迷走台風だ。何が起きるか、分からない。ひらめきの名将の決断。この自画自賛には、拍手だ。日本中の虎党も拍手だ。おそらく。指揮官は、わずかの差で悲惨な目に遭ったトラ番記者の話に興味津々。乗った新幹線によって悲惨の程度は大きく差があったらしい。「間違いなく、ボクは一番の貧乏くじでした」そう振り返ったのはトラ番サブキャップ・原田遼太郎だ。