DeNA(7対7)阪神 =リーグ戦13回戦(2020.09.08)・横浜スタジアム=
このエントリーをはてなブックマークに追加

 12345678910
阪神
402010000071103
DeNA
000007000071201
勝利投手:-
敗戦投手:-

本塁打
【阪神】大山 悠輔(16号・1回表満塁),大山 悠輔(17号・3回表2ラン),サンズ(16号・5回表ソロ)
【DeNA】佐野 恵太(11号・6回裏3ラン)

  DAZN
チケットぴあ DeNA戦チケット予約 阪神戦チケット予約
◆阪神は初回に大山の満塁弾が飛び出すなど、5回までにリードを7点に広げる。一方のDeNAは6回裏、佐野の3ランなど打者一巡の猛攻で一挙7点を挙げ、試合を振り出しに戻した。その後は両チームの救援陣が踏ん張り、延長戦に突入した試合は規定により引き分けに終わった。

◆DeNAのドラフト6位ルーキー蝦名達夫外野手(22)が、プロ初の先発出場を果たす。この日、約2カ月半ぶりに1軍に合流。試合前にオンライン取材に応じたラミレス監督が「2軍ですごく良い結果を出している。スタメンで使う予定です」と明言した。 蝦名は開幕1軍に名を連ねたが、6月24日中日戦(横浜)に代打で1試合に出場したのみで(結果は二飛)、同25日に登録抹消となっていた。イースタン・リーグでは、23試合で打率3割3分3厘、6本塁打、16打点と好調だった。

◆DeNA-阪神のスタメンが発表された。 阪神は首位巨人との前カードを1勝2敗と負け越し、8・5ゲーム差の3位に転落。0・5ゲーム差で追う2位DeNAを相手に負けられない戦いが続く。 スタメンを固定できていない右翼には3番で中谷将大外野手(27)を起用。中谷は8月19日巨人戦以来、今季5度目の先発起用で期待に応えられるか。

◆阪神大山悠輔内野手(25)が値千金の満塁本塁打を放った。1回2死満塁。DeNA先発坂本の外角速球をとらえると、16号アーチが右翼席最前列に吸い込まれた。 プロ4年目で初のグランドスラムだ。9月も長打力をキープし、7試合で3発目。クリーンアップとして頼もしく存在感を示している。「チャンスの場面でしたし、相手より先に点を取っておきたかったので打つことができて良かったです。もっと援護できるように頑張ります」とコメントした。

◆阪神大山悠輔内野手(25)が2打席連続アーチの大暴れだ。1回2死満塁。DeNA先発坂本の外角速球をとらえると、16号アーチが右翼席最前列に吸い込まれた。プロ4年目で初の満塁本塁打だ。9月も長打力をキープし、7試合で3発目。クリーンアップとして頼もしく存在感を示している。「チャンスの場面でしたし、相手より先に点を取っておきたかったので打つことができて良かったです。もっと援護できるように頑張ります」と話した。 3回2死一塁。またも坂本のスライダーを強引にならずに振り切るとバックスクリーン最前列へ。貴重な17号2ランで一気にDeNAを突き放した。「追加点をほしかったので、打つことができて良かったです。次の打席も頑張ります」。2打席で6打点の荒稼ぎ。昨年4月18日ヤクルト戦以来の2打席連発だ。18年9月16日DeNA戦では、同じ横浜スタジアムで3本塁打7打点だったが、またも大爆発の予感が漂う。

◆阪神ジェリー・サンズ外野手(32)がトドメの一撃だ。6点リードの5回。先頭で打席に入ると、坂本の外角高め速球を逆方向に押し込んだ。打球を右翼席に運び、16号ソロ本塁打になった。 「強くたたける球だけを待っていたよ。その待っていた球をしっかり打つことができたね。風もうまく運んでくれて良かった。ハッピーハンズ!」と上機嫌にコメントした。

◆阪神オネルキ・ガルシア投手(31)が突如炎上し、6回途中6失点で降板した。 3回までに6点リードをもらう展開。5回まではテンポ良く無失点投球を続けたが、7点リードの6回、落とし穴が待っていた。 先頭から2者連続四球で無死一、二塁とされ、3番ソトに左翼線適時二塁打を許す。さらに4番佐野に3ランを浴び、5番宮崎、6番倉本にも連打されたところで、降板を告げられた。 2番手以降もDeNA打線の勢いを止められず、この回一挙7失点で試合を振り出しに戻された。ガルシアは5回0/3を7安打2四球6失点で勝ち負けはつかなかった。

◆阪神大山悠輔内野手が、横浜の夜空に2打席連続アーチをかけた。初回、近本と糸原の連打から好機をつくり1死満塁。大山がDeNA先発坂本の外直球を捉えた。打球は風に乗って、夕暮れのライトスタンドへ一直線。「チャンスの場面でしたし、相手より先に点を取っておきたかったので、打つことができて良かったです」。今季16号は、プロ4年目で初の満塁本塁打となった。 3回2死一塁の第2打席、今度は真ん中に入ったスライダーを振り抜いた。「追加点が欲しかったので、打つことができて良かったです」。バックスクリーンへ飛び込む17号2ランは、昨年4月18日ヤクルト戦(神宮)以来の2打席連発だった。 4日巨人戦(甲子園)で自己最多に並ぶ14号を放ってから、ここまで4戦で4発。前夜の7日巨人戦(甲子園)では、1点差の9回1死一塁で二ゴロ併殺打に倒れるなど4打数無安打に終わっていたが、その悔しさを豪快なアーチで晴らした。 試合は6回に先発ガルシアが連続四球から突如崩れ、この回一挙7失点。それでも序盤の大量リードのおかげで、逆転は許さなかった。【磯綾乃】

◆DeNAは、ルーキー2人がスタメンに名を連ねた。右足首捻挫から復帰のドラフト2位坂本裕哉投手(23)が、約2カ月半ぶりに先発。同6位蝦名達夫外野手(22)も約2カ月半ぶりに1軍復帰し、8番右翼でプロ初先発した。 坂本はプロ初登板初先発の6月25日中日戦で初勝利も、6回のベースカバー時に右足首を捻挫し長期離脱を強いられた。「リハビリ生活中、いろんなところを強化して成長できたところもある。そういうのを復帰登板で出していきたい」と意気込んだが、1回からつかまった。5番大山に満塁弾を浴びて4失点。3回にも大山に2打席連発となる2ランを献上。さらに5回にサンズのソロを被弾。5回9安打7失点で無念の降板となった。 蝦名も開幕1軍はつかんだが、6月24日中日戦に代打で1試合に出場したのみ(結果は二飛)で同25日に抹消。2軍では23試合で打率3割3分3厘、6本塁打、16打点と好調で1軍昇格を果たした。2回2死一、二塁の第1打席は、ガルシアの前に空振り三振。5回1死の第2打席もガルシアから空振り三振。3点差に追い上げた6回1死二、三塁では中井に代打を送られ途中交代。新人2人にとって悔しい復帰戦となった。

◆阪神が痛恨のドローゲームを演じてしまった。「楽勝ムード」だった最大7点のリードが暗転したのは6回だ。先発ガルシアが先頭から2連続四球、坂本の捕逸...。ミス連発で、一挙7点を失い、追いつかれていた。 打線は中盤以降、得点できず。救援陣も踏ん張ったが、しのぐのが精いっぱいだった。勝てば2位浮上だったが、かなわなかった。最短なら10日に自力優勝の可能性が消滅する。チームは連敗中で、なかなか窮地から抜け出せない。

◆阪神の抑え、ロベルト・スアレス投手(29)が今季初の2イニングを無安打無失点に抑え、引き分けに持ち込んだ。 7-7の9回に登板し大和、ソトを内野ゴロに打ち取り、4番佐野は3球目の158キロ直球で空振り三振。続けて10回のマウンドに上がると、わずか10球で3者凡退に抑えた。チームは序盤の大量リードを守り切れなかったが、同点で踏みとどまった。 スアレスは前回4日巨人戦(甲子園)で今季初のイニングまたぎで登板し、1回1/3を無安打無失点に抑えてから、この日は2戦連続のイニングまたぎ。5戦連続無失点と、守護神として安定感を見せている。

◆阪神ジャスティン・ボーア内野手が今季4度目の猛打賞をマークし、気を吐いた。 得点にはつながらなかったが、3回の2打席目以降、3方向に単打を打ち分けた。右前へ、左前へ運び、最後は中前に落とした。8月15日広島戦(京セラドーム大阪)以来の3安打。本塁打は8月26日中日戦を最後に11試合遠ざかる。サンズ、大山がアーチを量産するなかで、意地を見せた。

◆阪神は1回にDeNA先発坂本を攻め、大山の16号満塁弾で4点を先制。3回に大山の2打席連発となる17号2ランで加点した。 阪神は5回、サンズの16号ソロで加点。DeNAは6回にソトの適時二塁打や佐野の11号3ランなどで7点をかえし同点とした。 阪神は3番手の岩貞が踏ん張り追加点を許さず。DeNAも勝ちパターンのリリーフ陣を投入し、延長10回で引き分けた。

◆阪神近本光司外野手(25)が、汚名返上の好返球を見せた。6回、7点リードから1点差に迫られてなお2死二、三塁のピンチ。岩貞が大和に中前打を浴び、三塁走者の中井が同点のホームを踏んだ。さらに二塁走者の神里も三塁ベースを蹴ったが、近本がワンバウンドで本塁へストライク送球。「しっかり自分のできることをやろうと思って、それができたという結果。しっかり落ち着いてプレーできたことが良かったと思います」。DeNAベンチからリクエストによるリプレー検証を求められたが、判定は覆らず。1イニングで大量7点を失ったが、勝ち越しの8点目は許さなかった。 前日7日の巨人戦、両軍無得点の3回1死満塁で、近本は浅い中飛を捕球したが、本塁へ悪送球。首位との大事な一戦で痛恨の決勝点を与えた。4回にも1死二、三塁で浅い中飛を本塁送球したが、力のない返球で2点目を献上。7日の試合後に矢野監督は「近本で負けたかなと思ってます。残りの試合でどうやってチームを勝たせていくか」とゲキを飛ばされていた。 打っては1回先頭で中前打を放ち、4試合ぶりの安打。9回には四球で出塁し、リーグトップを独走する17盗塁目を決めた。指揮官は「中心というか、頑張ってもらわないといけない選手」と期待する。虎のリードオフマンが、走攻守でチームを引っ張っていく。【只松憲】

◆阪神中谷将大外野手の今季初3番起用は起爆剤にならなかった。 1回無死一、三塁でDeNA坂本の低め変化球を打ち上げて二飛に倒れた。その後の3打席も凡退。19年4月19日巨人戦以来の3番抜てきだったが4打数無安打に終わり、9回は代打福留を送られた。 今季、代打では打率3割1分3厘の好成績だが、8月19日巨人戦(東京ドーム)以来のスタメンでアピールできず、打率1割台に突入した。

◆近本とサンズからハイタッチを要求される。糸原には背中をさすられる。阪神大山悠輔内野手(25)は初めて走者3人から出迎えられ、思わず表情を緩ませた。プロ4年目で自身初の満塁弾。チーム全体を生き返らせる、価値ある先制アーチをかけた。 「昨日は昨日、今日は今日と、結果が良くても悪くても1日1日切り替えて臨んでいる。また新しい気持ちで打席に入りました」 前夜は甲子園で首位巨人に痛恨の惜敗。自身も4打数無安打で最後の打者となった。宿敵との本拠地カードに1勝2敗と負け越して、この日朝に横浜入り。食らったダメージを引きずらない術は、もう身につけていた。1回表1死満塁。浮足立ったDeNAルーキー左腕坂本の失投、外角高め146キロを見逃さない。逆らわず、それでいて強くたたき、右翼フェンスをギリギリでオーバーさせた。 「詰まりOK!」 それが合言葉だ。昨秋から熱心に指導を受け続ける新井打撃コーチとのイメージを体現できた。昨季までは前でさばく意識が強すぎたのか、変化球にバットが回る場面も少なくなかった。今季はミートポイントを捕手側にズラし、よりボールを引きつける打撃に改良中。「逆方向にいい打球が飛んでいるのはいいこと。そこは意識を持って取り組んでいる。それが今日の逆方向への打球につながったと思います」と納得した。 4点リードの3回2死一塁にも再びボールを引きつけた。真ん中スライダーを強引に引っ張らず、バックスクリーン左に2ランを運んだ。2打席連発は19年4月18日ヤクルト戦以来。自己最多をさらに更新する17号はチーム単独トップとなり、リーグ最多の巨人岡本にも2本差まで迫った。 現在、120試合シーズンでも30発ペース。85年の掛布(40本塁打)、岡田(35本塁打)以来となる生え抜き選手の30本塁打到達も現実味を帯びてきた。周囲からの期待値は高まるばかりだ。もちろん、痛い引き分けも次戦には引きずらない。一夜明ければ、2発6打点の勢いだけを加速させる。【佐井陽介】 ▼大山が1回の満塁本塁打に続き、3回の第2打席に2ラン本塁打。これで17号となり、シーズン120試合換算で30号となるペースだ。直近の阪神の年間30本塁打は10年ブラゼルの47本塁打で、日本人では07年金本知憲の31本塁打。生え抜き選手に限ると、85年掛布雅之40本、岡田彰布35本以来となる。 ▼満塁本塁打を含む1試合マルチ本塁打は、新井良太が13年7月24日ヤクルト戦で2ランと満塁本塁打を打って以来。満塁本塁打を起点に2打席連続本塁打となると、真弓明信が91年6月14日中日戦で満塁-ソロで記録して以来、29年ぶり。 ▼大山の同一試合での2打席連続本塁打は、18年9月16日DeNA戦、19年4月18日ヤクルト戦に次ぎ3度目。 ▼阪神は今季5本目の満塁本塁打。シーズン最多は77年の8本(ブリーデン3、片岡新之介2、掛布雅之、佐野仙好、田淵幸一各1)。今年はどこまで迫れるか。

◆「つなぎの4番」DeNA佐野恵太内野手(25)が3安打を放ち、打率3割5分1厘で首位打者を独走中だ。強力打線の中で「前にも後ろにもいいバッターがいるので、楽に打席に入れいています」と、開幕から存在感を発揮している。昨季は打率2割9分5厘、5本塁打、33打点だったが、ラミレス監督の大抜てきに応えて成長を続ける。 指揮官は筒香のメジャー移籍を見据え、昨季後半から佐野を4番で多く起用した。得点圏打率3割6分7厘。「チャンスに強いバッターは4番に向いている」と考え、早くから今季の4番候補にした。 ラミレス監督は常々「甘い球が来たら初球から」と口にするが実践するのは難しい。「打席に入る前の準備。ある程度、狙い球を絞り、プランを持つことが重要」という。実際、この日の11号3ランも初球を振り抜いた結果。佐野は「初球からしっかり自分のスイングができました」と振り返り、指揮官も「技術的には去年からいいものを持っていたし、メンタル的にも成長してかみ合っている。4番としてのあるべき姿を体現してくれたね」と最大級の賛辞を送った。 今季キャンプ前の指揮官の見立ては「打率2割9分、20本塁打、80打点は打てる能力がある」。予想を大きく上回る成績でチームをけん引する。【鈴木正章】

◆痛恨のドローだ。阪神が7点リードでも勝てなかった。6回に先発ガルシアがまさかの暗転で6失点。2番手能見も流れを止められず、一気に同点に追いつかれた。 矢野燿大監督の一問一答は以下の通り。 -引き分けをどう捉える 矢野監督 両方あるわ、両方。勝たなあかん試合やし。逆を言えばそういうふうに受け止めてやっていく、前向いてやっていかないとあかんし。両方やね。 -ブルペン陣は負担がかかったが頑張った 矢野監督 ほんと、ブルペンには申し訳ない。ガルシアも取られた方があまりにも悪いから。ボール、ボール、四球で(ストライク)取りにいってドンとね。流れがね、あの後にいく投手も大変やし。この点差でもうちょっと、せめて6回をしっかり、ゼロとは言わないにしても、悔やまれるような登板になって、流れがそういう風になっちゃったんで。 -パスボールなどのミスもあった 矢野監督 あれだけ点が入るというのは、フォアボール、ミスが絡むから。 -三嶋やエスコバーという勝ちパターンを攻め立てることは出来た 矢野監督 攻め立てたっていうとこまで行けたかどうか分からないけどね。せめてそこらへんの投手を出して、粘って引き分けたっていうのはあれやけど。何とも言いようがない試合をしてしまったんでね。言いようがないです。 -近本が気を吐いた 矢野監督 昨日の今日で、いきなりというところでは、チームの中心というか、頑張ってもらわないといけない選手なんで。初回も1本出て。いいプレーやったと思う。 -大山も明日につながる 矢野監督 まあね。しっかり捉えたというところは良かったと思うし、ああいう場面で打っていくことが悠輔自身が目指すところだし、チームとしても望んでいること。今日みたいな走者がいるところで打ってくれることを期待しています。

◆痛恨のドローだ。阪神が7点リードでも勝てなかった。6回に先発オネルキ・ガルシア投手(31)がまさかの暗転で6失点。2番手能見も流れを止められず、一気に同点に追いつかれた。2連敗の後の引き分けで3試合白星なし。首位巨人と9ゲーム差に開き、10日にも自力優勝の可能性が消滅する。徒労感が残った。延長10回。2イニング目のマウンドに上がった守護神スアレスが、代打乙坂を二ゴロに仕留めてゲームセット。笑顔なき今季4度目の引き分けは、7点差を追いつかれる痛恨のドローだった。勝てなかったのか? 負けなかったのか? 引き分けの捉え方を問われた矢野監督も険しい表情になった。 「両方あるわ。両方。勝たなアカン試合やし。逆に言えば、そういうふうに(負けなかったと)受け止めてやっていく。前を向いてやっていかないといけないし」 「楽勝ムード」だったゲームが暗転したのは6回だ。初回からゼロを並べていた左腕ガルシアが突如、崩れた。先頭梶谷、大和と2者連続四球を許すなどストライクが入らない。続くソトに左翼線へ適時二塁打を浴びると、佐野には右越え3ラン。1アウトも取れずにKOされると、代わった能見も勢いを止められない。ガルシア6失点、能見1失点。あっという間に追いつかれた。 勝ちゲームをつぶしてしまったガルシアは「野手の方にたくさんの援護をしてもらったのに、こういった展開にしてしまい申し訳ない」とうなだれた。矢野監督も安定感抜群だった助っ人左腕の変わり身に「取られ方があまりにも悪いからな。ボール、ボール、四球で(ストライク)取りにいってドンとね。流れがね。あのあとにいく投手も大変やし」と嘆いた。 阪神は13年8月20日DeNA戦で7点差逆転負けを食らっている。その7年前の06年8月18日ヤクルト戦(神宮)にも7点差をひっくり返される惨敗を喫した。今回は逆転されることはなかったが、決してありがたくない「魔の7年周期」がズバリ的中してしまった。 3試合白星がなく、首位巨人とのゲーム差は9ゲーム差まで広がった。最短10日にも自力Vが消滅する。矢野監督は「何とも言いようがない試合をしてしまった」。悔しすぎるドローで、猛虎が窮地に立たされた。【桝井聡】 ▼阪神の自力優勝消滅は最短で10日。仮に9日から阪神●●、巨人○○とすると、11日以降に阪神は残り51試合に全勝しても最終成績は83勝33敗4分けで勝率7割1分6厘。巨人は阪神戦残り11試合に全敗しても、他球団との41試合に全勝すれば84勝33敗3分けで7割1分8厘となり、阪神を上回るため。 ▼阪神は7点差を追いつかれドロー。7点差以上を守れず勝てなかったのは、13年8月20日でDeNA戦で7-0から8-9で敗れて以来、7年ぶり。

◆阪神は一回1死満塁で、大山が16号本塁打を放って先制した。  「チャンスの場面でしたし、相手より先に点を取っておきたかったので打つことができて良かったです。もっと援護できるように頑張ります」  坂本の高めの直球を右翼席最前列へ。4年目で自身初のグランドスラムとなった。

◆DeNAのアレックス・ラミレス監督が、二回で捕手を交代する異例の采配を見せた。  この日は嶺井が「7番・捕手」でスタメンマスク。起用理由について、指揮官は「相手がガルシアということで、嶺井のバッティングを考えた」と明かした。  先発のD2位・坂本(立命大)は、6回無失点でプロ初登板勝利を挙げた6月25日以来となる1軍マウンド。そのとき快投を導いた戸柱ではなく、試合前の時点で4割近い打率をマークしていた嶺井を起用し打撃に重きを置いた。  しかし、一回に坂本が大山に満塁弾を浴びるなど4失点。すると、ラミレス監督はすぐさま二回から捕手を戸柱に代える決断をした。結果的に打撃を重視した嶺井には打席が回らなかった。  二回、坂本は連続三振で三者凡退斬り。テンポの良さを取り戻した。

◆阪神・大山が今季初の1試合2本塁打で、第2打席までに6打点を稼いだ。一回1死満塁で先制の16号グランドスラムを放って「もっと援護できるように頑張ります」と宣言すると、三回2死一塁でバックスクリーンへの17号2ラン。有言実行の一発を「追加点が欲しかったので、打つことができて良かったです」と振り返った。

◆先発したオネルキ・ガルシア投手(31)が7-0の六回に突如崩れた。先頭の梶谷から2者連続四球。ソトに左翼線への適時打二塁打で1点を返されると、続く佐野に3ランを被弾した。その後も、宮崎、倉本に連打を許したところで1死も奪うことができずに5回0/3を7安打6失点(自責5)で降板となった。  2番手で登板した能見も1死としてから代打・中井に右前適時打を食らい、2点差に。さらに代打・神里に死球を与えて1死満塁としたところで降板し、岩貞にバトンタッチした。しかし、2死後、大和に中前へ適時打。一走は中堅・近本の好返球で本塁で憤死となり、逆転は許さなかった。

◆阪神はDeNAに7-7で引き分けた。  一回に安打と四球で1死満塁の好機を作り、大山の自身初のグランドスラムで幸先よく得点すると、三回にも大山の2ラン、五回にはサンズのソロで7点のリードを奪った。  しかし、ここから試合が一転。六回のマウンドに上がった先発のガルシアが突如崩れた。連続四球でピンチを招き、ソトに左翼線への適時打二塁打で失点。続く佐野に3ランを浴びると、直後にも連打で一、二塁とされて、降板した。  2番手の能見も1死としてから適時打を許し、代打・神里に死球を与えて満塁としたところで交代。岩貞も梶谷への初球が捕逸となり、失点すると、大和にも適時打を許して7点差を一気に同点とされた。  その後も同点のまま、延長十回に突入したが、両者勝ち越し点は奪うことはできず、引き分けとなった。

◆阪神はDeNAに7-7で引き分けた。序盤に7点リードまで点差を広げたが、追いつかれた。以下、矢野燿大監督の一問一答。  --引き分けをどう受けとめている  「両方あるわ、両方。勝たなあかん試合やし。逆を言えば、そういうふうに受け止めてやっていく、前向いてやっていかないとあかんし。両方やね」  --リリーフ陣は負担のかかる中で奮闘した  「ほんと、ブルペンには申し訳ない。ガルシアも取られ方があまりにも悪いからな。ボール、ボール、四球で(ストライクを)取りにいって、ドンとね。流れがね、あの後にいく投手も大変やし。この点差で、もうちょっとね。せめて6回しっかり、ゼロとは言わないにしても悔やまれるような登板になって、流れがそういう風になっちゃったんで」  --坂本の捕逸もあった  「あれだけ点が入るというのは、フォアボール、ミスが絡むから」  --前夜に悔しい失策を犯した近本が本塁返球で補殺  「昨日の今日で、いきなりというところでは。やっぱりチームの中心というか、頑張ってもらわないといけない選手なんで。一回も1本出て。まあでも、いいプレーやったと思う」  --大山の2本塁打も今後につながる  「まあね。しっかり捉えたというところはよかったと思うし。ああいう場面で打っていくことが悠輔自身が目指すところだし、チームとしても望んでいること。きょうみたいな走者がいるところで打ってくれることを期待しています」

◆好調のDeNA打線が大量失点をはね返した。ルーキー坂本の乱調で0-7となったが、六回にソトの適時二塁打、佐野の3ランなど6長短打の猛攻で一挙同点とした。  それでも6-7から大和の適時打で勝ち越し点を狙った神里は本塁で憤死。ラミレス監督は、タッチをかいくぐったと見てリクエストしたが判定は覆らず「すべてがかみ合った攻撃。でも、あの場面はセーフに見えた」と恨めしそうだった。

◆阪神の近本が好返球で窮地を救った。六回に1点差に迫られた後の2死二、三塁で大和の中前打を処理して捕手へ素早く返球。本塁を狙った二塁走者を刺して逆転を阻止し「自分のできることをやろうと思って、それができた結果」と胸を張った。  前日7日の巨人戦では、自身の本塁への悪送球が敗戦につながったが、ショックを引きずらずに雪辱を果たした。「しっかり落ち着いてプレーできたことが良かった」と自信を取り戻した様子だった。

◆右足首の捻挫で2軍調整を続けていたD2位左腕・坂本(立命大)が、2カ月半ぶりに1軍で登板。プロ2戦目は「初回から全力で入ることを意識していたが、狙っていたところよりも甘くなってしまった」と3本塁打を浴びて、5回7失点に終わった。それでもラミレス監督は「ポジティブな要素も多かった」と次回も先発で起用する方針を明かした。

◆DeNAは、この日からの阪神3連戦で夏の恒例イベント「YOKOHAMA STAR☆NIGHT(スターナイト)」を開催。選手は特別デザインのユニホームを着用し、来場者にも同デザインのものが配布された。今季のテーマは「超新星爆発」。期待通りに打線が「爆発」し、ラミレス監督は「イベントにふさわしい結果にするためにも、次は勝つ姿をお見せしたい」とファンに約束した。

◆心地いい快音が、2度も響き渡った。爽快な"ハマ風"に乗って、白球がスタンドに吸い込まれる。大山が今季初の1試合2発となる2打席連発弾。まずはまだ明るさの残る横浜の空に架けた16号グランドスラムだ。  「チャンスの場面でしたし、相手より先に点を取っておきたかったので、打つことができてよかった」  一回1死満塁からDeNAのドラフト2位左腕・坂本(立命大)の146キロを逆らわずに右方向へ。高々と舞い上がった打球は風にも運ばれ、右翼フェンスをギリギリ越えた。これがプロ4年目で初の満塁弾だった。  「もっと援護できるように頑張ります」という試合中の広報コメントから、有言実行。続く三回の第2打席は2死一塁からスライダーを一閃し、バックスクリーンへ17号2ラン。悔しい引き分けも、1試合6打点の大暴れで打線を引っ張った。  53試合を残し、これでシーズン30発ペースに乗った。大台に到達すれば阪神の日本人右打者では1985年の岡田彰布(35本)、真弓明信(34本)以来。本塁打数でもリーグトップの巨人・岡本(19本)に迫る、単独2位に浮上。キングの背中も見えてきた。  屈辱は心の奥底にしまい込んだ。前日7日の巨人戦(甲子園)は好機で犠飛を打つことすらできず、1点差の九回には併殺に倒れ、最後の打者となった。それでも、唇をぐっとかみしめた敗戦を振り返ることはない。  「きのうはきのう。結果が良くも悪くも1日1日切り替えて試合に臨んでいるので、また新しい気持ちで打席に入った」  矢野監督が求めるのは「調子の波が少ない打者」。目の前の1球に集中し、結果を出した25歳を、指揮官も「ああいう場面で打っていくことが悠輔(大山)自身が目指すところ。チームとしても望んでいる。きょうみたいな走者がいるところで打ってくれることを期待しています」と評価した。  「逆方向にいい打球が飛んでいる。日々取り組んでいることが、良いスイングにつながっているし、それがきょうの逆方向への打球になった」と大山。和製大砲-。虎党が長年願ってやまない夢を実現できるのは、この男しかいない。(原田遼太郎)

◆目の覚めるような同点劇だった。DeNAは0-7の六回、6安打を集中し打者一巡の猛攻で一挙7得点。ワンサイドに思われた試合を一瞬で立て直し、4974人の本拠地のファンを沸かせた。  勢いづけたのは成長著しい新キャプテン、佐野恵太内野手(25)だ。1点を返した六回、なお無死二、三塁でガルシアの初球のスライダーをフルスイング。右翼席へ完璧なアーチをかけた。  「初球からしっかり自分のスイングができた。前の打者がつないでくれたので、1点ずつ取り返していく気持ちでいた」  昨季まで3年間で通算10本塁打だった男が、今季11号となる3ラン。飛躍を遂げた新4番は、この日も3安打3打点でリーグトップの打率・351をキープしながら、同トップの安打数を93とし、打点は村上(ヤクルト)、サンズ(阪神)を抜いて同3位となる49に伸ばした。  若きチームリーダーに呼応して打線もつながり、前回7回1失点に封じ込められたガルシアをKO。5試合連続、今季69試合で35度目となる2桁安打もマークした。流れを引き寄せた4番の一打に、ラミレス監督は「走者を置いた場面で初球からアグレッシブにいく。4番としてあるべき姿」と絶賛。「リリーフも全員がいい仕事をした。非常に大きな引き分け」と締めくくった。(浜浦日向)

◆そんな...まさか...。虎党のうめきの聞こえるような痛恨ドローだ。阪神はDeNAを相手に五回までの7点リードを守れず、延長十回を7-7で引き分け。矢野燿大監督(51)は「勝たなあかん試合」「ブルペンに申し訳ない」と悔しさをにじませた。これで首位巨人と今季最大9ゲーム差。最短で10日にも自力優勝の可能性が消滅する-。  五回までに7-0。誰もが勝つと思っていた。そこから、引き分けた。まさか...。悔しさがあふれる横浜の夜。矢野監督が言葉を絞り出した。  「勝たなあかん試合やし。逆を言えば、そういうふうに(負けなかったと)受け止めてやっていく、前向いてやっていかないとあかんし。両方やね」  大逆転負けという流れから、七回以降にゼロを刻んで負けなかったのは救援陣の踏ん張りに尽きる。「ほんと、ブルペンには申し訳ない」と頭を下げるしかなかったが、首位の巨人をもう一度、追いかけるには、なんとしても勝ち切らないといけない1戦だった。  前日までのGとの直接対決は、1勝2敗と負け越した。改めて「一戦必勝」を宣言し、横浜に乗り込んでの移動ゲーム。2位DeNAとの仕切り直しの3連戦は、再出発への気迫にあふれた、立ち上がりだった。  一回に大山が自身初のグランドスラムを放つなど2打席連発で6打点。五回にはサンズのソロで7-0。最高の展開だったからこそ、六回の大暗転が悔やみきれない。  五回まで3安打無四球無失点と快投を見せていたガルシアが急変した。先頭から連続四球。ソトに適時二塁打、佐野には3ランを許して、一挙に4点を失った。  「(点の)取られ方があまりにも悪い」。ただ6日に雨天中止があったとはいえ、13連戦の8試合目だ。救援陣の疲労具合に加え、外国人枠(1軍登録5人、ベンチ入り4人)の関係でガルシアが先発の試合では中継ぎのガンケルが使えない。「せめて六回」とガルシア続投を決断したが、これが裏目となった。  連打でさらに無死一、二塁を招いてからタオルを投げたが、もはや流れは完全に失っていた。能見が1点を失うと、7-5の1死満塁で投入した岩貞が梶谷に投じた初球を、坂本が捕逸。ミスで1点差。2死二、三塁から大和に中前に運ばれ、近本の補殺で逆転を免れるのが精一杯だった。  「あれだけ点が入るというのは、四球、ミスが絡むから」  結果的に継投が後手を踏む形となり、勝ちパターンの投手を温存するどころか、つぎ込まざるを得なくなった。野手も全員使い切る総力戦の末、勝利を逃すという痛み分け。「粘って引き分けたっていうのは、あれやけど。何とも言いようがない試合をしてしまったんでね。言いようがないです」という苦悩の言葉が、すべてだった。  首位巨人は勝った。ゲーム差は今季最大となる9に広がった。最短で、10日に自力優勝の可能性が消滅する。こんな試合をしていては、追いかける勢いなど出ない。崖っぷちの矢野虎の反発力が、試される。(大石豊佳)

◆背中さえ見えない首位・巨人を追う、DeNAと阪神の戦いだったけど...。五回までに7点を先行した阪神が、六回に一気に7点を奪われての引き分け。とどのつまり、この締まらなさは、2チームが似た者同士ということなのだ!!  両チームとも巨人以外には互角の対戦成績なのに、対巨人となると途端に阪神は3勝10敗、DeNAは3勝9敗と赤子の手をひねられるようにやられっぱなし...。しかも、それが毎年だってんだから、巨人が勝つのは当たり前だわな~!!  俺が思うに、プロ野球選手の親が子供の頃は、全国的に巨人戦しか中継されていなかった。その知らず知らずのうちの野球洗脳が、どこかに残っていると思うのだ。  要するに、巨人だから異常に意識して普通のプレーができないのだろう!! ならば阪神とDeNAは、かけたら巨人のユニホームが他球団のものに見えるAI搭載ルーペの開発を急いだ方が、選手を育てるよりいーんじゃないの? てか、5番・大山が2本塁打、6打点で勝てないチームって珍百景だろー!?

◆楽勝のはずの試合が、まさかのドロー。矢野監督の継投に「?」はなかったのか-。広岡達朗、森祇晶、野村克也という名将の下で参謀を務めた、元阪神ヘッドコーチの黒田正宏氏(72)=本紙専属評論家=に、サンケイスポーツ編集委員の上田雅昭が迫った。  上田 懐かしかったです。20年以上前の、弱い阪神は年に何度も、こんなドタバタ試合をやってました。五回までの展開で、引き分けになると思った人、まずいないでしょうね。でも、逆転されないだけ、2020年の虎はマシです。  黒田 違うよ。絶対に勝たなアカン試合や。痛すぎる。何やってんの! と言いたいね。序盤は理想的な点の取り方。ところが六回のガルシアの崩れ方はひどかった。  上田 連続四球で明らかに異変を感じました。佐野に3ランを浴びた直後? 宮崎に右前打を浴びた直後? 継投のタイミングはいくつか考えられましたが。  黒田 外国人枠の関係でガンケルがベンチ入りできなかったことが、すべてを狂わせた。ガンケルがいたら、佐野の一発の直後に間違いなく交代させている。代わりを任せられる右投手がいないから、ガルシアを少しでも長く、と引っ張ったんだろう。右の宮崎に対して左投手を投入しにくいという事情は察するが...。  上田 ベンチの甘さが出ましたよね。抑えてくれたら、という希望的続投が一番怖いです。この日の継投でも分かるように現状、信頼できる中継ぎは能見、岩貞、岩崎と左腕ばかり。阪神の1つの弱点ですね。  黒田 おう、そうや。今後もガルシアが先発の時は、この日のような展開は想定しておく必要がある。ということは、ガンケルの代役の右投手の見極め、整備が必要になってくる。  上田 候補は?  黒田 現状でベンチ入りしている馬場、望月らの状態を何とか上げていかないと。2軍で先発調整している斎藤も、こういう非常事態なのだから、候補の一人として考えてもいい。社会人時代からよく知っているが、中継ぎ経験がある。いい球を投げる。オリックスからトレードで獲得した小林もいる。  上田 ヤクルト戦(8月22日)でも6点差の七回に尾仲を送って猛反撃を食らった試合がありました(7-5で勝利)。失敗を生かせていないのは寂しいです。  黒田 継投は監督にとって永遠の課題。簡単ではないが、矢野監督にとっては腕の見せ所。期待したい。

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
41223 0.651
(↑0.006)
-
(-)
54322
(+2)
217
(-)
83
(-)
38
(-)
0.260
(↓0.001)
3.240
(↑0.05)
2
(-)
DeNA
33315 0.516
(-)
8.5
(↓0.5)
51298
(+7)
275
(+7)
68
(+1)
13
(-)
0.273
(-)
3.840
(↓0.04)
3
(-)
阪神
32314 0.508
(-)
9
(↓0.5)
53282
(+7)
270
(+7)
66
(+3)
45
(+1)
0.242
(↑0.001
3.480
(↓0.02)
4
(-)
中日
31354 0.470
(↓0.007)
11.5
(↓1)
50235
(-)
287
(+2)
37
(-)
18
(-)
0.240
(-)
3.770
(↑0.03)
5
(1↑)
広島
26347 0.433
(↑0.009)
13.5
(-)
53291
(+5)
320
(+1)
69
(+1)
25
(-)
0.265
(-)
4.380
(↑0.05)
6
(1↓)
ヤクルト
26365 0.419
(↓0.007)
14.5
(↓1)
53281
(+1)
340
(+5)
59
(+1)
39
(-)
0.252
(↓0.001)
4.600
(↑0.02)