阪神(☆2対1★)ヤクルト =リーグ戦13回戦(2020.09.01)・阪神甲子園球場=
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ヤクルト
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阪神
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勝利投手:スアレス(1勝0敗12S)
敗戦投手:イノーア(0勝3敗0S)

本塁打
【阪神】サンズ(13号・9回裏ソロ)

  DAZN
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◆阪神がサヨナラ勝利。阪神は0-0で迎えた4回裏、サンズの適時二塁打で先制する。その後同点とされるも、9回にサンズが今度はソロを放ち、試合を決めた。投げては、先発・高橋が7回1失点8奪三振の好投。敗れたヤクルトは、打線が4安打1得点と沈黙した。

◆ヤクルト村上宗隆内野手(20)は今季の阪神戦で打率3割7分2厘、3本塁打と、カード別では最も良い成績。 特に甲子園では3試合で12打数7安打の打率5割8分3厘。今日も得意のカードで打ち、先発の石川を援護できるか。

◆両チームのスタメンが発表された。先発は阪神が高橋遥人投手(24)、ヤクルトが石川雅規投手(40)。 阪神はこの日から13連戦がスタート。先陣は3年目左腕高橋に託された。今季は開幕から左肩のコンディション不良で出遅れるも、8月6日巨人戦(甲子園)で今季初登板初勝利。ここまで3試合22イニングを投げ、防御率0・82と抜群の安定感を見せている。ヤクルト戦には昨季5試合に登板し、1勝2敗。今季は初対戦となり、どういうピッチングを見せるに注目が集まる。

◆阪神ジェリー・サンズ外野手(32)が先制適時打を放った。4回、先頭の木浪が中前打で出塁。1死となって4番サンズが先発石川を捉えた。内角カットボールを引っ張り、三塁線を破る二塁打。一塁走者木浪が一気に生還し、先制に成功した。 「石川投手がコントロールのいい投手だということは分かっていたけど、あのボールは珍しく浮いてきたから。それをしっかり捉えることができたね。木浪も出塁してくれたし、かえすことができて良かったよ」 サンズといえば、試合前まで両リーグトップの得点圏打率を誇るチャンスの鬼。初回の第1打席では2死三塁で三ゴロに倒れていた。4回の打席は得点圏ではなかったが、長打を放ってまた打点を稼いだ。

◆阪神先発の高橋遥人投手(24)が7回3安打1失点、114球の熱投で試合を作った。 昨季は5度の対戦で1勝2敗だったヤクルトとの今季初対戦。初回、2番山崎に安打を許すが、後続を断つと圧倒的な投球を披露。伸びのある直球を主体にツバメ打線を封じ、6回まで1安打投球。試練は1点リードの7回。2死から4番村上に二塁打を打たれ、四球で2死一、二塁。この日の104球目を6番エスコバーに右前に運ばれ同点を許した。しかし、3年目左腕は崩れなかった。四球で2死満塁とピンチは拡大したが、代打青木を遊ゴロに斬った。マウンドを降りる際には「ヨシッ!」と小さくほえた。 「試合は作ることができたと思いますが粘ることができず悔しいですし、野手の方の守備にも助けられていたので抑えたかったです。後はチームが勝てるように、一生懸命応援します」 打線の援護に恵まれず今季3勝目とはならなかったが、堂々の投球。これで4試合29イニングで失点3、防御率0・93と抜群の安定感を見せている。

◆両先発がほぼ完璧な立ち上がり。阪神高橋は3回を1安打無失点。ヤクルト石川も3回を1安打無失点に抑えた。 阪神が4回にサンズの適時二塁打で先制した。先発高橋は6回を1安打無失点。ヤクルト石川は6回途中で降板した。 阪神は同点の9回、先頭のサンズが左中間にサヨナラ13号ソロを放った。今季30勝に到達し、貯金を2とした。阪神スアレスが1勝、ヤクルト・イノーアは3敗目。

◆阪神が4番ジェリー・サンズ外野手(32)の劇的弾で、今季セ・リーグ最遅のサヨナラ勝利を収めた。 同点の9回先頭。フルカウントからヤクルト5番手イノーアの外角低め136キロスライダーを振り抜いた。打った瞬間それと分かる完璧な当たり。サンズも球場に詰めかけた虎党も、すぐさま勝利を確信した。ヒーローを迎える本塁では、矢野監督を筆頭に選手たちが手をブラブラさせる「ハッピーハンズ」ポーズ。歓喜のウオーターシャワーとともに、サンズの代名詞パフォーマンスで主役を迎え入れた。 前日8月31日、大ベテラン藤川が引退を発表。この日の試合前には、引退会見も行われた。引退が発表されてから、最初の試合。勝利への執念が打球に乗り移った。 チームは3連勝。2位DeNAが敗れたため、昨年7月15日以来414日ぶりの2位となった。

◆阪神が4番ジェリー・サンズ外野手(32)の劇的弾で、今季12球団最遅のサヨナラ勝利を収めた。 阪神のサヨナラ勝ちは今季初でセ・リーグ最遅。サヨナラ本塁打は、昨年8月10日広島戦での大山以来。外国人選手では、昨年7月30日中日戦に同年シーズン中に加入したソラーテが放って以来。

◆ヤクルトがサヨナラ負けし、自力優勝の可能性が消滅した。 同点の9回に、7月まで6試合で先発していたイノーアが初めてリリーフ登板。先頭の阪神サンズに、フルカウントからいきなり左中間へ決勝アーチを浴びた。高津監督は配置転換について「ちょっとリリーフも最近登板が多くて、負担がかかっているので、誰かリリーフをということで球に力のあるイノーアになった」と説明した。 打線は阪神高橋に6回まで1安打に封じられ、得点は7回エスコバーの適時打1本がやっと。「向こうの思うような投球をさせてしまった。引っかけてゴロが多かった。なかなかあの高さに来ると打つのが難しいかもしれないけど、次への課題」と話した。 援護がなく、開幕投手を務めたベテラン石川は先発6戦目でも白星が付かず。6回に連打で走者を残して降板したが、5回まで3安打1失点と粘った。指揮官は「今日はすごく良かった。腕もよく振れていたし、彼にしてはスピードも出ていた。変化球で空振りが取れたり、バットの芯を外すことができていた」と力投をねぎらった。19年連続勝利と球団史上4人目の40代勝利は、再び持ち越された。【鎌田良美】 ▽ヤクルト・エスコバー(7回2死一、二塁でチーム唯一の適時打)「1点のビハインドだったので、何とか食らい付いて打てた」

◆阪神岩貞祐太投手(28)が球児魂を胸にプロ初ホールドをマークした。4試合連続登板もいとわず、同点の8回から2番手で登板。先頭の代打川端をシュートで二ゴロに打ち取ると、塩見をフォークで空振り三振。最後は山崎をスライダーで二ゴロと落ち着き払ったマウンドで0を刻み、傾き掛けた流れを引き戻し、サンズのサヨナラ弾を呼び込んだ。 中継ぎ転向後、7試合目となった8月28日広島戦から4戦連続のマウンドに上がり、リリーフながら2戦連続で白星を手にするなど活躍が続く。岩貞は「ハルト(先発)が良いゲームを作って、良い試合だったので、自分もその波に乗ったというか抑えられて良かったです」と謙虚に話したが、矢野監督は「サダがラッキボーイ的な存在になってくれて、流れが来るような抑え方をしてくれている」と目を細める。 上げた右足を1度真っすぐに下ろしてから投球する。現在のフォームは、今季限りの引退を発表した藤川との「共作」。自宅待機期間が明け自主練習が始まった時、ボールの威力の弱さに悩む岩貞が藤川からアドバイスを受けて作り上げた。 この日、会見した藤川と話す機会があった。「球児さんは自分の引退よりも、チームの現状、戦い方っていうのを僕らに熱く語っていた。シーズン終わるまではそっち(引退)を見るんじゃなくて、前だけを向いて戦うところかなと思います」。球児魂を受け継ぎ、全力で打者に向かう。【桝井聡】

◆阪神が4番ジェリー・サンズ外野手(32)の劇的弾で、今季12球団最遅のサヨナラ勝利を収めた。 矢野燿大監督の一問一答は以下の通り。 -おめでとうございます いやあ、うれしいですね。 -最後サンズの打球をどんな思いで もう打った瞬間だったんでね。行った!っていう感じで気持ちよく見てました。 -先制の二塁打も 本当に勝負強い。打撃で打点を挙げてくれる打者なので、本当に頼りにしています。 -打撃陣はなかなか得点ができない中、どんな思いで 全体としてはね、反省と言えば、もっと早く点取りたかったし、遥人(高橋)に勝ちをつける、スアレスで締めるっていう勝ち方がベストなんですけど、13連戦の頭で、反省もありますけど、勝てたのが大きいと思ってます。 -高橋のピッチングはどのように すごく調子がいいっていう感じではなかったですけど、それでもこうやって投げていけるのは遥人も成長していると思いますし、1点で粘ってくれたからこそサヨナラにつながったので。一気にひっくり返されることもなく。そこも成長だなと思います。 -岩貞も連日の好投 最近ちょっと登板が増えて疲れも出るころだと思いますけど、サダ(岩貞)がラッキーボーイ的な存在になってくれて流れが来るような抑え方をしてくれてるのでね。助かってます。 -13連戦を白星発進 ここまで投手をつぎ込んで勝つと負けるでは全然違う。そういうところでは、粘って勝ったんで。明日は打線が何とか点を取って。投手を楽に勝つというゲームをやりたいですね。 -7回は高橋が粘って勝ち越しを許さなかった 迷ったしね。球数もどんどん増えていっていたし。次は投手に回るしね。一番難しい場面だったんだけど。遥人の責任ではないので。あそこまでいってくれたので、遥人に任せる。例え打たれたとしても、それは俺の責任として受け止めるような内容で投げてくれていた。本当によく粘ってくれた。 -高橋の成長が見られた試合 うん。状態がそこまでいいかと言われれば、そこまでではなかったと思うんだけど。それでも粘りと勝負所、去年も勝負所で悔しい思いをしている。何回かあったんでね。お客さんが少ないというのもあって投げている声も終盤聞こえていたんでね。気持ちもしっかり入って投げてくれたなと思います。 -9回もスアレスが踏ん張った ねえ、ツーベースだったんでどうしようかと思ったんだけど。フィールディングもうまい選手。結果うまく送られちゃったけど、その方が確率がいいのかなというところでいきましたけど。送られてからも粘ってくれたのは、やっぱりスアレスの球の力と、ただ目いっぱい投げるんじゃなくて、そういうのも考えられる投手なんで助かってます。 -しのげば打線の援護がある 本当はもうちょっと先に点を取らないと。全体の反省としては、もっと早く点を取りたかったし。これから先のところで言うと、やっぱり点を取っていかないとこういう苦しい展開になるんでね。 -左投手の石川に対して小幡を先発起用 総合的に判断しているけどね。左でよっぽど厳しいピッチャーならまた考えるけど。左対左でもそんなに特別大きな苦になるとは思わなかったし、エラーあったけど、若い選手なので、しっかり怖がらずにいってくれたらと思っています。 -試合前、藤川投手がクラブハウスでみんなに声をかけた 逆にエールをこっちに送ってくれた。自分が辞めるということは冒頭ぐらいで。あとは何とかこの位置にいるし、もちろん上にいけるというね。外から見ていてもそう思うと。チームを鼓舞するというか、自分もやれることは精いっぱいやっていくという話をしてくれた。ちょうど後半のスタート。みんなにはしっかり届いた話があったんで。それは良かった。助かっています。 -2軍戦で糸原が復帰。視察したが、どう見えた 実戦からも離れていたのでどうかなと思ったんだけど、俺の見た目では違和感なくやれているのは心強かったし。やってみての後は俺ももちろん帰ったんで分からないけど。そこの判断ぐらいで。明日フルに出るという話は聞いているので、それを見て、みんなと相談になるかなとは思っているんだけど。 -思ったより早い いや、ビックリしている。早いよね。

◆阪神高橋遥人投手(24)が球児魂全開で粘り、劇的なサヨナラ勝利を呼び込んだ。プロ3年目の成長が表れたのは7回だ。同点に追いつかれ、制球も乱れて満塁になった。ヤクルトは代打青木の勝負手だ。しかも3ボールと追い込まれ、押し出し四球寸前。だが、内角低め速球で見逃しストライクを奪うと、最後も外角146キロ速球で押し込んだ。遊ゴロに詰まらせ、1点でしのいだ。 この窮地で腹をくくったのは矢野監督だ。「迷ったしね。球数もどんどん増えていっていた。次は投手に回る。一番難しい場面だった。あそこまでいってくれた。遥人に任せる。例え打たれても俺の責任として受け止めるような内容で投げてくれていた」。継投しない。勝負の分岐点で踏ん張ったからこそ価値がある。指揮官は感心して言う。 「去年も勝負どころで悔しい思いをしている。1点で粘ってくれたからこそサヨナラにつながった。一気にひっくり返されることもなく。そこも成長ですね」 特別な1日だった。投手陣のリーダーだった藤川が引退会見に臨み、その後、甲子園のクラブハウスで激励。感謝の思いを白球に込めた。序盤から140キロ後半の速球は球威抜群。カットボールなど変化球も低めに制して、まったく危なげない。首位打者を争う4番村上も圧倒した。1回は外角低め速球で見逃し三振。4回は低く沈む変化球で空を切らせて、充実ぶりが光る。力投しても「試合は作ることができたと思いますが粘ることができず悔しいですし、野手の方の守備にも助けられていたので抑えたかった」と反省した。 この日は白星こそつかなかったが7回1失点。今季は4戦連続7イニング以上を投げ、防御率0・93の安定感だ。次代を担うエースへ。苦境で踏みとどまれてこそ大黒柱の資格がある。

◆阪神が球児魂で一丸、今季初のサヨナラ勝ちで昨年7月15日以来414日ぶりの2位に浮上した。1-1の9回、4番ジェリー・サンズ外野手(32)が左中間へ13号決勝弾を決めた。この日、藤川球児投手(40)が現役引退会見を行った後、大逆転Vへナインを鼓舞。矢野監督らは心をひとつにし、接戦をものにする力に変えた。3連勝で貯金2。巨人も勝って6・5差はそのままだが、週末の直接対決4連戦へ食らいつく。背番号22の思いが、サンズの劇弾を後押しした。同点の9回先頭。イノーアの外角低めスライダーを振り抜いた。打った瞬間の当たり。サンズもベンチも、スタンドの虎党も勝利を確信し、打球は左中間席に吸い込まれていった。今季初、セ・リーグでは最も遅いサヨナラ勝利。歓喜の本塁では、矢野監督を先頭に選手たちが手をブラブラ。サンズの「ハッピーハンズ」パフォーマンスで、ヒーローを出迎えた。 試合前のクラブハウス。8月31日に球団から今季限りでの引退が発表され、この日午後に引退会見を行った藤川がチームメートを集めた。冒頭の引退あいさつもほどほどに、ゲキを入れた。矢野監督が詳細を明かした。 「何とかこの位置(順位)にいるし、もちろん上にいけると。外から見ていてもそう思うとね。チームを鼓舞するというか、自分もやれることは精いっぱいやっていくという話をしてくれた。ちょうど後半のスタートになったんで、みんなにはしっかり届いた話があった。それは良かった。助かっています」 前半戦を貯金1でターンし、勝負の後半戦は異例の大型13連戦からスタート。その初戦前、誰よりもチームの勝利を思う藤川の言葉が、チームの結束をより強固なものにした。 4回に先制打を放ち、試合も決めたサンズは心優しき男藤川を思った。「今までアメリカとかに行っていろんな経験をされている。英語で話しかけてくれたり、いろいろしてくれていた」。新加入の外国人にも気軽に声を掛け、アメリカや日本、韓国と各国の野球の違いなどの話もしたという。「(試合前には)激励に来てくれて。みんなの気合が入るように、たくさん言葉をかけてくれた」。その思いに最高の形で応えた。 連勝締めした前半戦の勢いそのまま、3連勝。敗れた2位DeNAを抜き、昨年7月15日以来414日ぶりの2位に浮上した。上には、藤川も強いライバル心を抱き続ける宿敵巨人しかいない。そのハートは、ナインにもしっかり伝わり、サヨナラ勝ちを呼び込んだ。サンズが思いを代弁した。「これからもたくさん勝って、ジャイアンツにしっかり追いつけるように」。球児の花道を15年ぶりのVで飾る。一丸の虎が、巨人を猛追する。【奥田隼人】

◆阪神の守護神ロベルト・スアレス投手がヒヤヒヤのタテジマ初勝利を挙げた。 同点の9回から登板。先頭山田哲に左翼線二塁打を浴びるなど1死二、三塁のピンチを背負った。だが、エスコバーを155キロで三ゴロに仕留めると、なお2死一、三塁から代打坂口を三飛。サヨナラへの流れを引き寄せた。「ピンチを背負ったけど、いつも通り1人1人、1つ1つアウトを取っていく気持ちで投げた。自分よりもチームが勝ったことがうれしいよ」。矢野監督も「やっぱり球の力と、ただ目いっぱい投げるんじゃなくて、考えられる投手なんで助かってます」と感謝した。

◆阪神のサンズが四回1死一塁で左翼線に先制二塁打を放ち、3試合続けて打点を挙げた。連続試合安打も5に伸ばすなど好調の4番は「木浪も出塁してくれたし、かえすことができて良かった」とコメントした。  勝負強さが光る。「石川投手がコントロールがいいことは分かっていた。珍しく浮いてきたから、それをしっかり捉えることができた」と高い集中力で、失投を逃さずに仕留めた。

◆「喉から手が出るほど勝ちが欲しい」-。40歳のヤクルト・石川はそう決意をにじませる。これまで幾多の困難を乗り越えてきた男は、甲子園のマウンドで懸命に腕を振った。  序盤から緩急を使った「らしさ」あふれる丁寧な投球を披露。四回は、1死一塁からサンズに三塁線を破る先制の適時二塁打を浴びたが、ここで崩れないのがベテランだ。大山を135キロの内角直球で見逃し三振。ボーアをチェンジアップで空振り三振に抑え、最少失点で切り抜けた。  プロ19年目の今季は、3年ぶり9度目の開幕投手を務めた。「投」の柱としてチームを引っ張る覚悟で臨んだシーズンだったが、勝ち星に恵まれず。上半身のコンディション不良を訴えて7月15日に出場選手登録を抹消され、8月25日の巨人戦(神宮)で1軍に復帰したばかりだ。  「やっぱり1軍の試合を見ると、あそこの場にいられないもどかしさだとか、自分が1軍に行ったらどういう役割でどういうプレーをするべきかというのを考えていました。僕自身もまだ勝っていないので、今年が始まったという感覚がない」  ここまで積み上げた勝利数は171。「若い時も、年を重ねてからも1勝に対する重みというのは変わっていないと思う。どん欲に目の前のアウトを積み重ねて、勝利を積み重ねたい」と口にする左腕にとって、冒頭の言葉は本心そのものだろう。  この日は5回1/3で79球を投げ5安打1失点と好投も打線の援護がなく、初勝利はまたお預け。それでも諦めず、前を向いて勝利を求める。(赤尾裕希)

◆阪神が今季初のサヨナラ勝ちで、ヤクルトに2-1で競り勝った。チームは3連勝で、貯金を「2」とした。  同点の九回、先頭のサンズが左中間にサヨナラ13号ソロを放った。2試合連発のサンズは「打席で集中して、いい球を積極的に打ちに行こうと思っていた」と笑顔で振り返った。サンズは0-0の四回にも先制の適時二塁打を放った。  先発した高橋は勝ち投手にはならなかったが、7回3安打1失点の好投。八回は岩貞がつなぎ、同点の九回に登板したスアレスは1死二、三塁のピンチを招いたが、無失点に切り向けて、今季初勝利(12セーブ)を挙げた。

◆ヤクルトはシーズン後半戦最初の試合を落とし、自力優勝の可能性が消滅した。  1-1の九回裏、高津監督が送ったのは抑えの石山ではなく、2軍から上がってきたばかりのイノーアだった。前回7月28日の阪神戦で2回7失点と崩れ、今回が来日初の救援登板。いきなり先頭のサンズにサヨナラアーチを浴びた。監督は「他のリリーフは登板過多。球に力のある投手をと思った」と起用した理由を説明した。

◆ヤクルトは阪神にサヨナラ負けを喫し、61試合目で自力優勝の可能性が消滅。高津臣吾監督(51)は厳しい表情で振り返った。  「(阪神先発の高橋を)一生懸命、作戦を練って攻略しようと思っていたけど、向こうの思うような投球にさせてしまった」  七回にエスコバーの右前適時打で一時同点としたが、その1点のみ。九回も1死二、三塁から得点できず。その裏に、この日昇格したイノーアがサンズにサヨナラ弾を浴びた。  それでも先発の石川が六回途中1失点。今季初勝利はお預けとなったものの「腕が振れていてスピードも出ていたし、その分、変化球で空振りを取れたり、バットの芯を外したり。彼らしい投球だった」と指揮官。残り試合で巻き返す。(赤尾裕希)

◆阪神・藤川球児投手(40)が引退会見した1日、チームは甲子園でヤクルトに2-1で今季初のサヨナラ勝ち。試合前にクラブハウスを訪れてハッパをかけた球児に応え、岩貞祐太投手(28)が4試合連続登板で初ホールド。チームは2位に浮上。  きっちり3人で仕事を終えると息を吐き、ベンチへ戻った。移動日を挟み4試合連続のマウンドに上がった岩貞が、勝利をたぐり寄せた。  「いい試合だったので、自分もその波に乗ったというか。抑えられてよかったです」  1-1の八回に登板。先頭の川端をシュートで二ゴロに打ち取ると、塩見はフォークで空振り三振、山崎はスライダーで二ゴロに抑えた。高橋の7回1失点を絶対に無駄にしないという執念を、マウンドで見せつけた。  この日、引退会見した藤川にはこれまで多くの助言をもらった。今季は開幕前に急きょ中継ぎから再び先発に戻る難しい調整に挑んだが、そのときも相談して、力の伝わりやすいフォームに変えることに成功。多くの経験に基づくアドバイスは、学ぶことばかりだ。  「ブルペンでの時間を一緒に過ごしたいし、たくさん学びたいこともある。球児さんが戻ってくるまで、もっといい位置にいられるよう、みんなでやっていくしかない」  この日の試合前、クラブハウスを訪れた藤川とは、話し合う時間があった。自分の引退報告は早々に切り上げ、チームの現状や今後の戦い方を熱く語る姿に、改めて感銘を受けた。「シーズンが終わるまで、そっち(引退)を見るのではなく、前だけを向いて戦うところかな、と思います」と自らも胸を熱くした。  かつての球児のようにフル回転でチームに貢献する姿を、矢野監督も「サダ(岩貞)がラッキーボーイ的な存在になってくれて、流れが来るような抑え方をしてくれている」と評価した。  「いけといわれたら、腕を振るだけ。それだけです」  くしくも大先輩と同じく、チームのために前のめりに倒れる覚悟を口にした。球児魂を受け継ぎ、Vへと身を粉にする。(菊地峻太朗)

◆球児魂で猛追や! 阪神・藤川球児投手(40)が引退会見した1日、チームは甲子園でヤクルトに2-1で今季初のサヨナラ勝ち。試合前にクラブハウスを訪れてハッパをかけた球児に応え、ジェリー・サンズ外野手(32)がサヨナラの13号ソロを放った。投げては岩貞祐太投手(28)が4試合連続登板で初ホールド。チームは2位に浮上。待ってろ、巨人!  打った瞬間、矢野監督が、虎ナインがベンチから飛び出した。スタンドに消えた白球に、甲子園は狂喜乱舞のお祭り騒ぎ。サンズの劇弾で今季初のサヨナラ勝ちだ。  「やっぱりサヨナラホームランは(自分で)打って勝つので気持ちいいね。ファンにいい試合を見せたかったから、いい恩返しができたと思うよ。タイガースファン、オオキニ!」  1-1の九回先頭で打席に向かうと、フルカウントからイノーアの136キロスライダーを一閃。左中間最深部に運ぶ13号ソロで試合を決めた。指揮官がハッピーハンズで出迎えると、ナインからはウオーターシャワーで祝福の嵐。「すごい、うれしいね。(中にはスポーツドリンクの)アクエリアスも入っていて、すごい面白かったよ」と至福の瞬間を振り返った。  「藤川投手はクラブハウスの中でもみんなで一つになるようにチームをまとめてくれていたね」  タテジマに袖を通して約9カ月。在籍期間はまだ浅いが、S砲にとっても藤川の引退は衝撃だった。「英語でよく話したよ。アメリカと日本の違いだったり『韓国での野球はどうだった』とか、気にかけてくれたね」。右も左もわからない日本で、気楽に話せる先輩の存在は大きかった。  四回には左翼線へ先制の二塁打を放ち、火曜日の打率は・552と引き続きミスター・チューズデーぶりを発揮。チームは3連勝でDeNAを抜き、ついに2位に浮上。あとは6・5差で首位を走る巨人を追いかけるだけだ。この日の会見で藤川は言った。「打倒巨人が阪神の宿命」。その思いは、虎1年目の助っ人にも受け継がれている。  「これからもたくさん勝って、ジャイアンツに追いつかないとね」  藤川球児にささげたサヨナラ弾。S砲が大逆襲への号砲を鳴らした。(原田遼太郎)

◆7回1失点の高橋は間違いなく好投だ。ただ、あえて言わせてもらえれば、この日の投球内容なら、1-0でマウンドを降りなければならない。今や高橋という投手は、それぐらいレベルを求められる存在だし、それをできる投手のはず。  一番の反省点は七回2死から村上に初球を右翼線二塁打されたシーン。確かに内角をうまく打たれたという見方もできるが、それまでの2打席は真っすぐは外角へ、勝負どころはカットボール、ツーシーム、スライダーなど変化球が多く、非常に慎重に攻めていた。  ところが、あの回は投球数的にも「この回で最後」という気持ちがあったのだろう。明らかにギアを入れての投球だったが、そのままの勢いで長打力のある村上に初球、内角へ真っすぐを投げてしまった。一番大事な"仕上げ"で慎重さを欠いてしまったのだ。  もちろん、その後のピンチを踏ん張り、最少失点で抑えたのはさすが。首脳陣にとっても十分に合格点の投球だろう。が、これから1-0で勝てる投手になってほしいからこそ、指摘しておきたい。 (本紙専属評論家)

◆前日、引退を表明した『火の玉投球』の藤川球児をたたえるようなサンズのサヨナラホームラン!! 地獄の13連戦を天国の13連勝に変えたろうやないかーって...人間て、イイ加減ですよね? 昨夕は藤川の引退表明を聞いて、無性に何かはかなさを感じていたのに...。  てか、野球も人生も、もはや俺には分からーん!! 『火の玉投球』の藤川は1980年生まれで、世間で言われる「松坂世代」(俺はかたくなに「藤川世代」と言っているけどさ)。でも、本日ヤクルト先発で5回1/3を1失点に抑えた1学年上の石川の投球は、藤川とは真逆の135キロの『かたつむりストレート』なんだよね...。それで通算171勝ってんだから...。プロ野球って深い! スゲ~! 面白れ~!!  それはさておき、この1勝はデカ~い!! いろいろポイントはあったのだが一番は福留さまの三振なのだ!! 昼間、2軍戦に出場した福留さまが、このまま黙っているかー!! ブルブル、それを思ったら他球団の投手は眠れんぞー!!

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
36213 0.632
(↑0.007)
-
(-)
60286
(+3)
203
(+2)
79
(+1)
37
(-)
0.259
(↓0.001)
3.330
(↑0.04)
2
(1↑)
阪神
30283 0.517
(↑0.008)
6.5
(-)
59260
(+2)
239
(+1)
58
(+1)
40
(-)
0.242
(-)
3.500
(↑0.05)
3
(1↓)
DeNA
31293 0.517
(↓0.008)
6.5
(↓1)
57256
(+2)
234
(+3)
62
(-)
13
(-)
0.269
(↓0.001)
3.580
(-)
4
(-)
中日
28324 0.467
(↑0.009)
9.5
(-)
56214
(+5)
263
(-)
34
(-)
17
(+1)
0.240
(↑0.001)
3.810
(↑0.06)
5
(-)
広島
24316 0.436
(↓0.008)
11
(↓1)
59259
(-)
278
(+5)
63
(-)
25
(-)
0.262
(↓0.003)
4.170
(↓0.03)
6
(-)
ヤクルト
24325 0.429
(↓0.007)
11.5
(↓1)
59261
(+1)
319
(+2)
55
(-)
38
(-)
0.249
(↓0.002)
4.790
(↑0.04)