広島(★1対7☆)巨人 =リーグ戦20回戦(2019.08.14)・MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島=
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巨人
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広島
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勝利投手:菅野 智之(9勝5敗0S)
敗戦投手:野村 祐輔(6勝4敗0S)
  DAZN
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◆巨人は4回表、1死二三塁の好機で小林が適時打を放ち、1点を先制する。直後に同点とされるも、7回に坂本勇と岡本の適時打で2点を挙げ、勝ち越しに成功した。投げては、先発・菅野が8回1失点の好投で今季9勝目。敗れた広島は、投打ともに振るわなかった。

◆広島松山竜平外野手(33)が同点適時打を放った。1点を追う4回2死二塁。巨人先発菅野のカウント1-1からの3球目をジャストミート。 ライナーの打球がジャンプした二塁手のグラブをはじいて右前に落ち、二塁走者が生還した。「打ったのはストレート。いい反応でしっかり捉えることができました。同点に追いつくヒットになってよかったです」と話した。これで5試合連続で適時打を記録した。

◆巨人小林誠司捕手(30)が、先制の適時打を放った。4回1死二、三塁、広島野村の内角143キロを左前にはじき返した。 広陵高時代にバッテリーを組み、3年夏の甲子園で準優勝を達成した野村からの一打に「勝つだけです!!!」とコメントした。

◆巨人は菅野が7月2日以来の9勝目。切れ、制球ともに上々で8回を5安打、1点に抑えた。打線は1-1の7回に坂本勇の左中間二塁打と岡本の左前打で2点を勝ち越し、8、9回にも加点。広島は自力優勝の可能性が消滅した。

◆雨のため開始20分で中断となった。23分後に再開されたが、広島野村、巨人菅野の両先発は3回まで無失点に抑えた。 巨人が4回に1死二、三塁から小林の左前適時打で先制。広島は直後の4回裏に2死二塁から松山が同点打を放った。 巨人は7回に2点を勝ち越し。8回以降も加点し、逃げ切ってカード勝ち越し。広島は自力優勝の可能性が消滅した。

◆亀井、坂本勇、岡本。巨人が誇る打線の軸で7回に貴重な2点を奪いエース菅野を援護した。 先頭の1番亀井が右前打で出塁すると、2番坂本勇が野村の初球、137キロのカットボールを左中間に運んだ。適時二塁打で勝ち越し、三塁側ベンチに両手を上げてガッツポーズ。「亀井さんが一塁から走ってくれた。勝てて良かった」と喜んだ。 さらに無死二塁から丸の進塁打(二塁ゴロ)で1死三塁とすると、3打席連続三振だった4番岡本の打席で苦しめられていた広島野村が降板。岡本はフルカウントから高めに浮いた120キロのカーブを左前に運び、大きな3点目を奪った。 原監督は「今日は後半の野球がジャイアンツにありましたね」と評価。9回は増田大の中前適時打、陽岱鋼の2点適時二塁打と途中出場組の活躍で3点を追加。13安打で7点を奪い、今季最後のマツダスタジアム3連戦で勝ち越しを決めた。

◆巨人菅野智之投手が7月2日中日戦の完封以来、登板6試合ぶりに勝利で9勝目。プロ入り後、自己最長の5試合連続白星なしから脱した。 過去5試合は未勝利も黒星を1敗にとどめており、今季はまだ連敗がない。 ◆菅野対野村の先発対決 昨年10月4日以来、通算9度目。責任投手になった試合は菅野5勝1敗、野村1勝5敗で、17年4月25日から菅野が4戦4勝している。

◆巨人原辰徳監督は菅野について「久しぶりに勝ち星がついた。彼にとってもチームにとっても追い風が吹くと思います」と評価。 8回1死二、三塁では、三塁走者がスタートし、菅野の遊ゴロで1点を奪った。 「智之のミスでしょう。スクイズのサインを出したつもりですけど、何と言うか、多少ほくそ笑んだところは、まだ人間できてないと思いました」とサインミスながら貴重な追加点になった。

◆エースが、3連覇中の広島の自力優勝を消滅させた。巨人菅野智之投手(29)が8回1失点の好投で、7月2日の中日戦以来6試合ぶりの9勝目を挙げた。 同い年の広島野村と通算9度目のマッチアップ。投手戦を制し、マツダスタジアムでは開幕カード以来の勝ち越しを決めた。2位DeNAとの差を4ゲームに広げ、3位広島との差は4・5ゲーム。勝負の8月に頭1つ抜け出した。試合の流れをエースの嗅覚でかぎ分けた。同点の6回2死。菅野は鈴木の初球にこの日最速の153キロを投じ、ファウルさせた。152キロの直球で懐を攻め、外角139キロのカットボールで二飛に封じた。「ランナーがいなくても、勝負どころというのがある」。2日のDeNA戦、2点リードの4回に筒香の1発から流れが変わった教訓を生かし、ギアを上げた。 一時は研ぎ澄まされた感覚が鈍った。腰痛でファーム調整中だった5月ごろ、謎の体調不良にも襲われた。精密検査を受けたが、原因は不明。「食生活から見直そうと思った」と新たに始めたのが「グルテンフリー」だった。小麦などグルテンを含む食品をとらない食事法。免疫力の向上や食欲の抑制などにも効果があると言われ、6月から実践した。 テニスのジョコビッチやメジャーリーガーなど、一流プレーヤーが実践する食事法は抜群の効果を発揮した。小麦が含まれるパンやラーメンは口にせず、肉類や米などで栄養補給。約2カ月が経過し「よく眠れますし、本当に体調がいいんです」と、謎の体調不良から完全に復活。自然と体もしぼれ、故障前の体のキレと力が戻った。 「心技体」の順番を「体技心」と解釈する。最も大事な体調さえ戻れば、エースに死角なし。疲労が蓄積する8月に2試合連続で中5日での登板だったが、ギアを1段上げた6回から3イニング連続で無安打。8回1死、投ゴロで左足をひねって、ヒヤリとさせたが、チームに流れを完全に引き込んだ。 広島との開幕戦、自身は敗れたが、3連戦を勝ち越した。敵地最後の3連戦ラストを白星で飾って、カード勝ち越しを決定。2位、3位との差も広げた。台風10号の影響で15日は山陽新幹線が終日ストップ。東京へ移動できず、広島に1日延泊することが決まった。16日の阪神戦は当日移動の強行日程となるが、エースの快投で勢いに乗ったチームはアクシデントをも乗り越える。【久保賢吾】

◆広島の自力優勝の可能性が消えた。中盤まで野村祐輔投手(30)が好投したが、終盤は救援陣が立て続けに失点して大差をつけられた。 緒方孝市監督(50)の談話は以下の通り。 -7回に失点 緒方監督 もう少し(野村に)粘ってほしかった。 -中継ぎ陣に不安があった 緒方監督 不安というか、この9連戦、かなり投げさせたからね。(野村は)粘って投げてくれてたんでね。もう1アウト、もう1アウトというところで...。3巡目...4巡目でつかまった。 -菅野がよかった 緒方監督 最近のできがいいのはわかっていた。何とかカウント球から勝負しにいって、追い込まれた中では粘って粘って...。チャンスはつくったが、簡単に点を取れる投手じゃない。1点1点というところで、何とか後半勝負に持ち込みたかった。 -坂倉を3番に抜てき 緒方監督 打撃内容はずっといいしね。率こそは残してないけど、いろんな経験も積ませながら彼には期待している部分も大きい。 -バティスタ、メヒアをスタメンから外した 緒方監督 今の状態じゃダメでしょう。今日の投手(菅野)の球筋はなかなか打てないでしょう。立ってるだけの怖さだけじゃ点は取れない。 -自力Vの可能性が消えた 緒方監督 9連戦が終わったんでね。選手はまた、コンディションを整えながら...。明日は(台風10号の影響で)移動ができないんで、金曜からの試合が移動を含めてたいへんになるんだけどね。 -戦いは続く 緒方監督 1戦1戦戦って、勝ちという結果をつなげていけば、またそれ(自力優勝の可能性)も復活する。

◆巨人は14日、広島20回戦(マツダ)を戦う。試合に先立って先発メンバーが発表された。先発は巨人が菅野、広島が野村と、同じ1989年生まれの好右腕対決。菅野は広島・広陵高で野村と同級生だった小林とバッテリーを組む。5番には一塁で阿部が入った。

◆巨人は看板打者の活躍で勝機を手繰り寄せた。1-1の七回無死一塁から坂本勇が左中間に勝ち越しの二塁打。1死三塁からは岡本が左前に適時打。九回にも左越えに二塁打を放って追加点につなげた若き主砲は「いい投手から打てて良かった」と表情を緩めた。  勝負の9連戦は6勝2敗1分け。一時期低迷していたチームは、5年ぶりのリーグ優勝へ向けて力強さを取り戻し、2位DeNAと4ゲーム差とした。

◆野村は1-1の七回に亀井、坂本勇の連続長短打で勝ち越され、1死三塁とされた場面で降板。「カウントを悪くして先頭を出してしまったことで、終盤の大事なところで失点してしまった」と悔やんだ。チームは自力優勝の可能性が消滅。緒方監督は「一戦一戦、勝ちという結果をつなげていけば(自力優勝の可能性は)復活するでしょうし」と悔しさを押し殺すように話した。

◆小林が貴重な先制打を放った。四回1死二、三塁で、広島・広陵高時代の2007年に夏の甲子園でバッテリーを組んで準優勝した野村から左前適時打。「打ててよかった」と汗をぬぐった。リードでは菅野を好投に導き、「僕より(菅野の)状態が上がってきているので。捕手が一丸となって、より一層頑張りたい」と力を込めた。 七回無死一塁から勝ち越しの左中間二塁打を放った巨人・坂本勇 「勝ててよかった。(一走の)亀井さんが走ってくれたので」 7得点の打線に巨人・吉村打撃総合コーチ 「野村は厳しいボールを投げていて、変化球の種類も多い中で阿部が2安打。(他の選手は)勉強になったんじゃないか」

◆巨人が広島に勝ち、自力優勝の可能性を残すのは巨人とDeNAだけになった。巨人が16日からの阪神3連戦と20日の中日戦の4試合に全て勝ち、DeNAが広島3連戦と次の阪神戦の4試合に全敗すれば、最短で20日に、広島を対象に優勝へのマジックナンバー「25」か「26」が点灯する。

◆セ・リーグ首位の巨人は14日、広島20回戦(マツダ)に7-1で勝ち、2カード連続の勝ち越しを決めた。先発のエース・菅野智之投手(29)が8回113球を投げて5安打1失点で、7月2日の中日戦(東京ドーム)以来、自身6試合ぶり、約1カ月ぶりとなる9勝目(5敗)。開幕3連戦以来となる広島戦のカード勝ち越しで、敗れた2位・DeNAとのゲーム差を「4」に広げ、最短で20日に優勝へのマジックナンバーが点灯する。  エースが、マツダスタジアムの鯉党を黙らせた。勝利の瞬間をベンチで見届けた菅野は、ホッと一息。約1カ月ぶりの白星をかみしめた。  「苦しかったですけど、いいピッチングをすれば必ずいい結果に結びつくと思っていた。野手の方に助けられることの方が多いので、感謝の気持ちを忘れずに」  台風10号が日本列島に接近する中、一回終了後の午後6時20分から23分間中断。ぬかるむマウンドや準備など難しい状況でも「気持ちを切らさずに。低めに丁寧に」と自身に言い聞かせた。  大黒柱の覚悟がにじんでいた。1-1の五回2死二塁では、「天才」と呼ばれる24歳の1番・西川を151キロの内角直球で二ゴロに抑えて「投げ切れた」とうなずいた。八回1死では代打・メヒアの投ゴロを一塁へ送球しようとした際に左足首をひねったが、続投。ヒーローインタビューでは「大丈夫です。でも、少しダサかった」と笑いを誘ったが、「引くに引けなかった」というのが本音だ。8回1失点で、7月2日の中日戦以来、約1カ月ぶりの9勝目。9連戦最後の一戦で救援陣を救う113球だった。  勝ち星がない日々が続いた中、8日の前回登板(対中日、ナゴヤドーム)では7回1失点と好投。だが、勝利目前の八回に中川が同点に追いつかれた。終盤、ベンチで応援していた際に中川が「すみません」と頭を下げに来たが、「お前の思っているようなことを俺は感じてないから」と肩の荷を降ろさせ、自身が感じた攻め方などを助言した。これにはオフのハワイでの自主トレに同行する後輩も「僕のせいで勝ちが消えて。自分のことも大変でしょうけど、打たれたやつに意見をくれてありがたかった」と感謝。いつでもチームを思う姿はさすがだ。  9連戦開始前は0・5ゲーム差だった2位・DeNAとのゲーム差を4に拡大。最短で20日に優勝へのマジックナンバーが点灯する。苦手とするマツダでのカード勝ち越しは開幕3連戦以来だが、「まだカープとの戦いは残っているので、気を引き締め直して」と菅野。背番号18は、最後まで先頭に立って進む。 (赤尾裕希) 菅野について巨人・原監督 「だいぶよくなってきている。久しぶりに勝ち星がついたところは、チームにとっても彼にとっても追い風が吹くと思う」

◆今回の広島遠征で、原監督と話し込む機会があった。話題は投手について。「頼りになるのはストレートなんですが、すぐ変化球に走って...」などとボヤいていた。  ふがいないリリーフ陣のことだけでなく、恐らく、菅野も念頭に置いていたと思う。エモトが8日の中日戦の評論で「完投できないのなら、ストッパーに配置転換したら?」と提案したからだ。  その菅野に明るい兆しが見えた。何よりスピードが戻ってきた。ここぞの場面で150キロ超の速球を投げ込んでいた。まだフォームのバランスはいま一つながら、そこが修正されれば、シュート回転の球が減り、コントロールも修正されるよ。  あとは坂本勇と丸に続く打者だね。2人へのマークは厳しいのだから、この日のように、4番の岡本がタイムリーでかえし、小林にもタイムリーが出たとなると、得点力は俄然(がぜん)アップする。特に下位打線はヒットを打てないまでも、小技をきかせて、しぶとくつなげないと。  エースと下位打線が混戦を勝ち抜くカギ。その意味では弾みがついた試合だし、ペナントレースの展開の上でも、大きな1勝になったよ。 (サンケイスポーツ専属評論家)

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
59462 0.562
(↑0.004)
-
(-)
36520
(+7)
434
(+1)
138
(-)
61
(+1)
0.263
(↑0.001
3.780
(↑0.03)
2
(-)
DeNA
56513 0.523
(↓0.005)
4
(↓1)
33466
(+2)
453
(+15)
123
(+1)
33
(-)
0.249
(↓0.001)
3.820
(↓0.11)
3
(-)
広島
56523 0.519
(↓0.004)
4.5
(↓1)
32467
(+1)
448
(+7)
108
(-)
66
(-)
0.253
(-)
3.470
(↓0.03)
4
(-)
阪神
50546 0.481
(↑0.005)
8.5
(-)
33403
(+6)
467
(+3)
73
(+1)
71
(-)
0.249
(-)
3.630
(↑0.01)
5
(-)
中日
48582 0.453
(↓0.004)
11.5
(↓1)
35416
(+3)
437
(+6)
70
(-)
53
(+2)
0.261
(↓0.001)
3.950
(↓0.02)
6
(-)
ヤクルト
44642 0.407
(↑0.005)
16.5
(-)
33502
(+15)
562
(+2)
131
(+4)
44
(-)
0.244
(↑0.002)
4.650
(↑0.02)