阪神(☆5対2★)ヤクルト =リーグ戦14回戦(2019.07.21)・阪神甲子園球場=
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ヤクルト
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阪神
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勝利投手:西 勇輝(4勝7敗0S)
(セーブ:ドリス(4勝3敗19S))
敗戦投手:山中 浩史(0勝2敗0S)

本塁打
【ヤクルト】バレンティン(17号・4回表ソロ)
【阪神】近本 光司(7号・5回裏3ラン)

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◆阪神が逆転勝ち。阪神は1点を追う5回裏、近本が3ランを放ち逆転に成功する。3-2で迎えた8回には、マルテの押し出し四球などで2点を挙げ、リードを広げた。投げては、先発・西が7回2失点の好投で今季4勝目。敗れたヤクルトは、打線が4安打2得点と振るわなかった。

◆ヤクルト山中浩史投手(33)の甲子園球場成績は通算11試合を投げて5勝1敗、防御率2・44。唯一の黒星は15年9月20日で、16年4月20日から4連勝中。今季未勝利の山中が得意球場で白星を挙げられるか。

◆「米米CLUB」のボーカル・石井竜也(59)が試合前に名曲「君がいるだけで」を熱唱し、満員の甲子園を沸かせた。 90年代ソングをテーマに、音楽と野球観戦を同時に楽しむイベント「虎フェス♪」が開催されたこの日。おなじみ白の衣装で登場した石井は阪神ナインが見守る一塁側ベンチ前で歌声を響かせた。ファンはもちろん、選手らもその歌声に聞き入っていた。 石井は聖地での熱唱に「うれしいですよ。スポーツと歌っていい。もっとスポーツと歌が一緒になったイベントを。もっと音楽の世界も広がると思う」と、熱く振り返った。グラウンドを去る際には、出口を間違えてベンチ入りしそうになるハプニングも。「阪神の皆さんがスタンバイしているところに降りていっちゃいそうになったんですけど『石井さん、違います!』って言われて。降りていくところ間違えちゃった(笑い)」と苦笑いしていた。 バックスクリーン下でDJプレイを披露し、「虎フェス♪」を一緒に盛り上げた熱血虎党のマーク・パンサー(49)は「バックスクリーンやばいよね。あそこで回せるなんて」と大感激していた。

◆阪神近本光司外野手(24)が逆転7号3ランを放った。 「1球前のボールを仕留め切れず、追い込まれてしまったので、何とか食らいついてという意識がホームランという最高の結果になりました」 0-1で迎えた5回2死一、三塁。ヤクルト山中の4球目ストレートを強振。右翼スタンドの虎党に歓喜を届けた。

◆阪神西、ヤクルト山中の両先発が走者を出しながらも要所を抑える立ち上がり。ともに3回まで無失点に抑えた。 ヤクルトは4回にバレンティンの17号ソロで先制。阪神は5回に近本の7号3ランで逆転。ヤクルトは6回に1点を返した。 阪神が8回にも2点を追加し、危なげなく逃げ切り借金を3とした。西が4勝目。ヤクルトは打線が4安打と低調だった。山中2敗目。

◆7戦ぶり出場の阪神鳥谷敬内野手が安打で追加点を呼び込んだ。1点リードの8回。自身が選曲したCHAGE&ASKAの「YAH YAH YAH」が流れる中、先頭打者として代打で登場。4番手五十嵐の直球にバットを合わせて中前に運んだ。 「塁に出られたので良かった」。8日巨人戦で代打出場し、四球を選んで以来の打席だったが、落ち着いて役割を果たした。

◆ヤクルトは虎キラーの山中でも勝てず、阪神戦は引き分けを挟んで6連敗となった。 1点リードの5回2死一塁で、先発西に安打を許し逆転につながった。4回までは無失点に抑えていただけに「投手につながれたのが、もったいなかった」と悔やんだ。連敗で借金は17。小川監督は「接戦になって阪神の投手を打ち崩せない」と険しい表情だった。

◆阪神西勇輝投手(28)が待望の4勝目を挙げた。気持ちのこもった投球で7回4安打2失点。5月10日中日戦(甲子園)以来9試合、約2カ月ぶりの白星だ。 初回2死一塁。4番村上から3つ目の三振を奪うと、グラブをたたいて小さく叫んだ。「自分の後半戦の初戦なので」。6回1死三塁では、マルテの本塁送球を避けようとして転倒。7回直前に治療のため1度ベンチに下がるも、志願しすぐマウンドに戻った。5回2死一塁の打席では右前打を放ち、近本の逆転3ランをお膳立て。投打に気迫があふれた。 「気持ちが違いますね。勝ちがつかなくて、負けもつかないと、次の日どうやって過ごしていいのか分からない。自分もそうですし、チームも乗っていけるんじゃないかと思います」。チームの連勝も呼ぶ最高の白星。矢野監督も「西に勝ちがついて本当に良かった」と胸をなで下ろした。 この日は「虎フェス♪」イベントデーで、選手は90年代の名曲を登場曲に使用。西は登板時に久保田利伸 with NAOMI CAMPBELLの「LA・LA・LA LOVESONG」、打席時にエレファントカシマシの「今宵の月のように」をチョイスした。登板日の練習には必ず流すほど、Mr.Children好きな右腕も「意外に良かったので、検討したいと思います。ラブソングが合うとは思わなかった」と新たな発見に笑顔。チーム愛にあふれる男は、笑顔で腕を振り続ける。【磯綾乃】 ▽阪神福原投手コーチ(西について)「いいリズムで投げてくれたと思います」

◆また、また、また近本だ。阪神ドラフト1位の近本光司外野手(24)が逆転3ランで連勝を導いた。0-1の5回にチームの天敵山中を痛打。この日は90年代の音楽を登場曲に使う「虎フェス♪」デーで、近本は松任谷由美の名曲「真夏の夜の夢」に乗って快音を奏でた。 球宴でのサイクル安打、「筋肉マンデー」でのサヨナラ犠飛に続いて、甲子園で3戦連続V打点。お祭り男が逆襲を引っ張る。熱狂が止まらない。近本の放った白球が右翼スタンドに飛び込むと、一斉に黄色のメガホンが揺れた。逆風を切り裂く、逆転7号3ラン。どよめく甲子園で、にこやかな背番号5が全ての視線を集めた。 「浜風が吹いてたんですけど、自分の感覚としては気持ちよかったんで、入ってくれと」 まるでドラマのように、見る人をワクワクさせる。0-1の重苦しい展開で進んだ5回2死一、二塁。山中の4球目、内角高めに浮いた120キロ直球を捉えた。「ボールを上からたたくイメージでタイミングを合わせて」。チームが甲子園で通算1勝5敗と苦手にしていた天敵・サブマリンを一撃で沈めた。 この日は90年代に流行した音楽をそれぞれの登場曲で流す「虎フェス」イベントデー。近本が選んだのは松任谷由実が歌う「真夏の夜の夢」だった。「母がユーミンが好きだったので。(子どもの頃に)よく聞いてましたね。母のためにも頑張りました。いい夜が過ごせそうですね」。母の住む淡路島まで届けと、快音を真夏の夜空に奏でた。もちろん、逆転3ランは夢じゃない。矢野監督も「流れが重い中でね。近本の一振りで一気に流れを変えてくれた。素晴らしいバッティングでした」と絶賛した。 初回のミスも取り返した。右前打で出塁し、糸原の連打で無死一、三塁とした場面。糸井の一ゴロで本塁突入をちゅうちょする中途半端な走塁で憤死した。結局初回は無得点で、4回にバレンティンにソロを浴び流れはヤクルトへ。だが一撃で全てをひっくり返すあたり、並の新人ではない。 社会人卒の24歳は「何歳までやれるかなんて、わからない。今を必死でやるだけ。先のことも大事だけど、今が勝負だから」と練習から手を抜かない。体のだるい夏場でも、決して楽な道は選ばない。描いた未来に向かって一直線な男だ。 球宴では先頭打者弾から一気にサイクル安打を達成。「キン肉マンDay」の前夜はサヨナラ犠飛。何かとイベントに強い。お立ち台も慣れてきた。「気持ちいいですね。(何度立っても)最高です!」。ファンを歓喜させた真夏の夜の夢。この日、新外国人ソラーテも日本にやってきた。離脱していた福留も23日から1軍復帰する。大逆襲の準備が整ってきた。【真柴健】 ▽阪神浜中打撃コーチ(近本の3ランに)「今日の山中は真っすぐが多かった。それを一振りで仕留めてくれた。あの1本は大きかった」 ▽阪神藤本内野守備走塁コーチ(初回の三塁走者近本の走塁について)「少し止まるのが早過ぎた。今日(ミスが)出たことによって、また1つ課題が見つかった」

◆8回に登板した阪神ピアース・ジョンソン投手が2試合連続ホールドで復調をアピールした。 2試合連続救援に失敗した時期もあったが、8回の1イニングをピシャリ。2試合守護神ドリスにつないだ。 「西投手が良いピッチングをしている中で、なかなか勝ちがついていなかった。今日は(西に)勝ちがついてうれしい」。自身のことよりも、西の4勝目を喜んだ。

◆阪神ラファエル・ドリス投手が今季19セーブ目を挙げ、セーブ王争いで1位のDeNA山崎をピタリと1差で追う。 この日は3点リードの9回に登板。先頭青木をフォークで空振り三振に仕留めるなど3者凡退だった。「この回の前に点を取ってくれて、楽な気持ちで入れました」。前日20日の9回に、1点リードを追いつかれた汚名を返上。矢野監督も「この勝ち方がウチにとって一番いい勝ち方。今日はいい流れでいけました」と目を細めた。

◆左膝負傷の阪神ジェフリー・マルテ内野手が4試合ぶりに実戦復帰した。「5番一塁」で先発。無安打に終わったが、8回2死満塁では押し出し四球で貴重な追加点を運んだ。 矢野監督は「追い込まれながら得点につなげてくれた」と笑顔だ。チームはソラーテが加わり、ポジション争いは激化。指揮官は「万全ではない中で毎日、体のチェックをしながらどうしていくか」とマルテのさらなる奮起に期待を込めた。

◆阪神北條史也内野手が近本の決勝弾をお膳立てした。1点を追う5回、2死走者なしから先発山中の低め直球に食らいついて三遊間を破った。その後に投手西が安打で続き、近本の3ランにつながった。 「西さんが打ってくれて、最後に近本が打ってくれた」。5戦ぶりのスタメン起用で途中交代はなし。「最後まで出て(勝利の)ハイタッチをするのは気持ちいい」と喜んだ。

◆阪神ドラフト1位の近本が逆転3ランで連勝を導いた。 矢野燿大監督の一問一答は以下の通り。 -近本は浜風も関係ない 打った瞬間、行きそうだなって。体は小さいですけど、近本の持ち味である。ホント、素晴らしい打撃をしてくれました。 -その回は2死走者なしから下位打線がつないだ 味方には「2死になったからってホッとすんなよ」と、いつも言っている。野球の怖さであり、面白い部分である。ホントみんながよくつないでくれました。 -来週のDeNA戦3連戦へはずみの勝利 あとから振り返って、この2連勝が逆襲につながったなっていう試合にしていけるよう、また火曜日から全員で頑張っていきたい。 -初回の攻撃は少しもったいなかった (1回近本の走塁死は)難しいのは難しい。ゴロゴーで当たりも強めだし(一塁手に)パッと見られた。結果的に言うとあそこで挟まれて、ゲッツーを防ぐのが一番セオリーというか、良かった。出て、すぐ止まっちゃったから課題は残った。(5回は)2死からホームランとは思ってなくて、間を抜いてくれ、ヒット打ってくれと思っていたけど最高の形で流れを一気に戻せたので助かりました。 -山中には過去苦戦 そんなに多く当たる投手じゃない。そういうこと言われないように、プロとしてやっていけたら。

◆ヤクルトのウラディミール・バレンティン外野手(34)が21日、阪神14回戦(甲子園)に「3番・左翼」で先発し、四回に先制の17号ソロを放った。  阪神先発の西が投じた内角のシュートを完璧に捉え、左翼ポール際へ運んだ。バレンティンは「内角の球だったけれど、うまくさばくことができた」と満足そうな表情でダイヤモンドを一周した。

◆阪神・西勇輝投手(28)が21日のヤクルト戦(甲子園)に先発し、四回1死でバレンティンに先制ソロを献上した。  三回まで許した安打はわずか1本。ほとんど走者を背負う場面もない快投を披露していた。しかし四回1死。バレンティンに1ボールからの2球目をフルスイングされ、打球はぐんぐん伸びて左翼席へ着弾。1点を先制されてしまった。

◆阪神のD1位・近本光司外野手(24)=大阪ガス=が21日、ヤクルト戦(甲子園)の五回2死一、二塁で逆転3ランを放った。  1点を追う五回。2死から北條、西の連打で一、二塁の好機をつくると、前夜のヒーロー近本がまたも決めた。  カウント1-2からの4球目。内角120キロ直球を振り抜くと、打球はきれいな放物線を描いて右翼席へ。逆転3ランで試合をひっくり返した。

◆阪神は21日、ヤクルト戦(甲子園)で『虎フェス♪』を開催した。試合前に阪神ファンのマーク・パンサー(49)がバックスクリーンに設置された特設DJブースに登場し、globeメドレーなどを披露。さらに特別ゲストで石井竜也(59)が登場し、試合前に「君がいるだけで」、五回終了後には「浪漫飛行」を生熱唱した。  真っ白な衣装を身にまとい、グラウンドでマイクを持った石井は「スポーツと歌っていいなと思いました。もっともっと一緒になったイベントを考えていただけたら、音楽も広がっていくと思います」とさらなるコラボを期待。『六甲おろしリミックス』も手がけている虎党のマークは「バックスクリーンでああやってやるのは初めてらしくて。うれしいです」と興奮気味に振り返っていた。  この日は入場者全員に『虎フェス♪ハット』がプレゼントされ、選手も全員が登場曲を1990年代の名曲に変更した特別イベントとなっていた。

◆ヤクルトは阪神に2-5で敗れ2連敗。"虎キラー"の山中浩史投手(33)が先発したが、5回6安打3失点で2敗目を喫した。燕のサブマリンは「調子がよかっただけに五回はもったいなかった」と肩を落とした。  四回までは3安打無失点と好投を続けていたが、五回2死から連打を浴び一、二塁のピンチを招くとD1位・近本(大阪ガス)に右翼席へ3ランを被弾。通算16勝中、7勝を阪神戦で挙げており、2016年4月20日から4連勝中と好相性だったが、一発に泣いた。小川監督も「なんとか投手で切らないといけない」と五回2死一塁から西に浴びた安打を分岐点に挙げた。  打線もバレンティンのソロと、青木の一塁への野選で挙げた2得点のみ。五回は、1死三塁カウント2-2からエンドランを仕掛けたが、奥村は空振り三振に倒れ、三走もタッチアウトとなり、好機をいかせなかった。

◆今季初先発だったヤクルトの山中は一発に沈んだ。1-0の五回に近本に3ランを浴び、プロ通算16勝のうち7勝を稼いだ得意の阪神戦で手痛い黒星。「もったいなかった」と悔やんだ。  この回は2死から北條と投手の西に連打を浴びた。近本には1ボール2ストライクからの内角直球を右翼席に運ばれ「西につなげられたのが失点につながった」と肩を落とした。阪神戦は1分けを挟んで6連敗。小川監督は「本塁打は失投だった。何とか投手で(試合を)つくらないと」と苦言を呈した。

◆「さあ猛虎学園のみなさん、数学の授業ですよ~。きょうは方程式で~す! いや、方程式といっても、阪神の勝利の方程式ですよ。前夜は近本のサヨナラ犠飛、そして本日は近本の逆転3ラン。よって、『近本が打つ=阪神の勝利』ということです!」  「わかりやす~い!!」  「昨年まで阪神戦に7勝と"虎キラー"の山中とルーキーの近本は対戦がなく、本日は3ランですから、『山中+近本=虎の勝利』の式も成立しますね...」  さらに、まだ世の中に発表されていないフィールズ賞(数学版ノーベル賞)を受賞するかもしれない数式として、『打率4割+俊足を生かしての40盗塁+40本塁打(甲子園も昨今の外野フェンスを前に出す風潮に乗れば...。ちなみに、1979年に左打者の掛布雅之は48本)=近本光司』というのがあるんです。  ヤクルト・山田哲のトリプルスリーをはるかに超えるトリプルフォーは近い将来、野球数学界をあっといわせるはずなのだ。好投しているのに白星に恵まれなかった西も勝ったし、虎の快進撃が始まるでェ~!!

◆-近本がすばらしい逆転3ラン  「流れがちょっと重い中ね、近本の一振りで一気に流れを変えてくれたんでね。素晴らしいバッティングでした」  --2死走者なしから下位打線がつないだ  「味方にはね"ツーアウトなったからってホッとすんなよ"とかね、いつも言ってるんですけどね。野球の怖さであり、面白い部分であると思うんですけど、ホントみんながよくつないでくれました」  --西が久々の勝利  「なかなかいいピッチングをしても勝ちがつかないことが多かったんでね。西に勝ちがついてホントによかったと思いますし。最後にイニングもね、ちょっと足の状態もあったんですけど、もう1回西がしっかり行ってくれたっていうのも大きかったですし。うん、ホントに素晴らしいピッチングをしてくれてますね」  --ジョンソン、ドリスで締めた  「この勝ち方がウチにとって一番いい勝ち方ですし。まあ球児もね、休むことができたんでね。きょうはいい流れでいけました」

◆トラ番キャップの大石豊佳が何かモゴモゴと口ごもりながら電話をかけてきた。  「あの...つまりです。早い話が...今日の甲子園は『虎フェス♪』でして...わかります、先輩」(この野郎、俺を何様だと思ってるんだ。虎フェス...そんなアイスクリームはどこで売ってるんだ。美味いのか...)  「ハァ...つまりです。今日は満員札止めの大盛況でして、なんでも90年代に大ヒットした米米CLUBのメンバーが出てきて歌を歌うミニショーがあるらしいんデス。あの...米米CLUBってわかりますか...」(まさかその秋田県の美味しいお米の話じゃないだろうが...)とモジモジしてたらフトみるとスタンドにはその米米CLUBのオリジナルのおしゃれな黒いハットが入場者にもプレゼントされていて、なかなかイイ雰囲気なのだ。  マジメな大石はせっかく「虎ソナ用に」とその虎フェスの話を編集局の窓際で難しい顔をしてる親父(つまり私デス)に伝えようとしてくれたがあいにくその米米CLUBの流行った頃にはトラ番で走り回っていてヘトヘト。今みたいに貧打で苦戦続きだったのだぞい。だから責任を転嫁するつもりはないが...あんまりよくわからんのであります。  それで運動部の当番席に座っていた澄田垂穂デスクに「おい、米米CLUBって何だ」といったら...これがまぁ聞くんじゃなかった。タテ板にナナメ板に土砂降りの板...でさぁ澄田のウンチクがはじまりました。  「あ、それ90年代の僕らはほとんどカラオケでマイクもったらはなさなかったほど歌いまくってましたよ。それで...」  つまり皆様もどこかで聞いたことがある実にイキでおしゃれなポップスとでもいおうか...その時にボーカルを担当してたカールスモーキー石井(石井竜也)がこの日も甲子園に登場してきてわざわざ歌を歌ってくれるらしいのだ。  ♪たとえば君がいるだけで こころが強くなれること...(米米CULB「君がいるだけで」)なんての知ってるかい。おっと、そんなことを澄田デスクの前で口走ったら、キッとなって突如たちあがりマイクをさがしまわるかもしれないからこのへんでやめておく。つまりこの夜は小学生ぐらいの子供を連れたご夫婦の奥様方がワクワクしながらオリジナルの黒いハットをかぶって青春にひたってましたぞな。  こういうスマートな企画とファンサービスだから阪神ファンは甲子園をいつも満員にして大いにもりあがるのだろう。  だけど、今夜も私めを半狂乱にする"点がとれそうで取らない虫"たちはどんな意地悪をするんだろう...と思ったらこれが皆様、昨夜のテレビ中継でご覧になった通り、まったく見違えるようでしたぞなもし。  実は試合前にメットライフドームからオリックス担当の西垣戸理大が電話をくれました。おやめずらしい。何か大事件でもあったのかと思ったら西垣戸はいうのです。  この3日間、西武OBの松沼博久氏と雅之氏が解説で球場に現れた。この松沼兄弟は1978年のドラフトで当時西武の寝業師といわれた根本陸夫氏が「ドラフト外」で指名して11球団をアッといわせたのです。それ以来、西武の天下がしばらく続いたという逸材の兄弟。2人とも現役引退後の90年代は解説者などを務めた。  西垣戸は3日間、てっきり同じ弟の雅之氏が練習などを見てたとおもったら周囲から「2日目はお兄さんの博久さんがきてたよ」と教えられて「だって同じ顔でしたけど...」と驚いた。兄は口ひげで有名。だけど今では同じ顔...つまり「90年代ははるか遠くになりにけり...」なのでした。

◆高山が八回2死満塁で、乱調の五十嵐から死球を右足に受けた。リードを3点に広げたものの、痛さで倒れ込んだ。試合後は「大丈夫です」と気丈に話し、クラブハウスへと引き揚げたが...。二回には山中から中前打を放ち、3試合連続安打。大事に至らないことを祈るばかりだ。

◆西と近本がお立ち台に上がり、ほのぼのとしたやりとりで虎ファンを沸かせた。西が「なんとか近本が3ランを打っていただいて、勝ち越すことができて、最少失点で乗り切れることができたのでよかった」と謙遜すれば、近本も「2死で西さんがライト前にいいヒット打ってくださったので、何としても同点にしたいなと思ってたんで」と振り返った。西の抱擁に近本が「気持ちよかったです」と笑えば、西も「感謝の気持ちをハグで表しました」と笑顔だった。

◆阪神は21日、ヤクルト戦(甲子園)で「虎フェス♪」を開催。「米米CLUB」のボーカル、石井竜也(59)がグラウンドで大ヒット曲「君がいるだけで」、五回終了後には「浪漫飛行」を熱唱。「globe」のマークパンサー(49)も、バックスクリーン前でDJプレーを披露した。  真っ白な衣装を身にまとった石井は「もっと一緒になったイベントを考えていただけたら、音楽も広がっていくと思います」とさらなるコラボを期待。虎党で『六甲おろしリミックス』も手がけているマークは「本当にうれしいです」と興奮気味に振り返っていた。  入場者全員に「虎フェス♪ハット」をプレゼント。選手の登場曲を1990年代のヒット曲に変更されたが、2軍も含めて、全選手のものが用意されていた。

◆15日の中日戦(ナゴヤドーム)で左膝を痛め、欠場していたマルテが「5番・一塁」で4試合ぶりにスタメン復帰したが、3打数無安打1四球。八回、五十嵐から押し出し四球を選んだが、アンダースローの山中に対してはまったくタイミングが合わず、2打席連続で見逃し三振に倒れた。「状態はいいよ」。新外国人のソラーテが来日。結果を出すのみだ。

◆北條は「8番・遊撃」で10日の巨人戦(甲子園)以来5試合ぶりに先発。五回2死から左前打を放ち、近本の逆転3ランにつなげた。「しっかり狙い球とかいろいろ準備して。頭に入れてやっています」。二回には中村の遊ゴロをこぼして11個目の失策となったが、直後に遊併殺を完成させて事なきを得た。フル出場で勝利に貢献し「最後のハイタッチは気持ちいいです」と笑顔を見せた。

◆ジョンソンが西からバトンを受け、八回に登板した。代打・雄平以降を3人で料理。「先頭打者は、いつも大事だと思っている」。今季25ホールド目をあげ、中日・ロドリゲスに並び、セ・リーグトップタイ。「西がいつもいい投球をしても勝ちがついてなかったから、勝ちがついてよかったよ」とうなずいた。

◆セーブだけじゃなく「0」を、万全な姿を見せる必要があった。前夜のセーブ失敗を乗り越えて、ドリスが三者凡退締め。キッチリとやり返した。  「その前に点を取ってくれたので、自分としては楽な気持ちで投げることができた。いい仕事ができたと思う」  20日の同カードでは、1点リードの九回に先頭を出塁させる悪夢を繰り返してセーブ失敗。同点とされ、結果的に近本のプロ初サヨナラ打を"お膳立て"してしまった。  今季の3度のセーブ失敗はすべて6月以降。6月から前日までの13登板のうち、約半分の6登板で先頭打者に出塁を許していた。とにかく先頭に集中する必要があった。  青木と対峙し、142キロ変化球で空振り三振。なんとか先頭を斬った。こうなればもうドリスのもの。バレンティンはスライダーを織り交ぜ三ゴロに。4番村上もスライダーで三ゴロに料理した。  新助っ人砲、ソラーテの合流も近い。外国人枠の争いと"無縁"でいるためには、昨季まで2年連続30セーブ以上を挙げたドリスとて、結果を出し続ける必要がある。意地の19セーブ目。この日20セーブとしたリーグトップの山崎(DeNA)を、チームもろとも追い越していく。  この日は"恩人"の39歳の誕生日でもあった。練習前、記者に何事かを祝われる藤川を見て、ドリスはキョトン。「バースデーだよ」と教えられ「エーッ!?」と声を上げた。失念していた。だが、すぐに追いかけ祝福した。タイガースが大好きなのも、藤川の存在が大きかった。ここからも共闘し、安定感で感謝を示していく。  「後半戦も始まったので。(スライダーは)きょう投げて結果が出たので、よかった」  この日の11球を、この先の道しるべにしていく。 (長友孝輔)

◆外角低めいっぱいへスライダーを決め、ほえた。先発の西は気迫のこもった投球で六回の燕の追随を許さず。援護点を守り抜き、7回4安打2失点。72日ぶりに歓喜の白星を手に入れた。  「次の日の気持ちが違いますよね。(試合に)勝つ勝たない、(自分に)勝ち負けがつかないというのはどういう気持ちでいたらいいかわからなかった」  最大のヤマ場も最少失点で踏ん張った。3-1の六回1死三塁から青木の一ゴロをマルテが野選し1失点。ベースカバーに入ろうとして転倒し、福原投手コーチとトレーナーがタイムを取り駆け寄ってくるアクシデントもあったが、ものともしなかった。バレンティンを中飛に詰まらせると、最後は村上を外角低め131キロスライダーで見逃し三振に。リードを守り、ガッツポーズだ。  七回も投球練習中に一度ベンチへ。ヒヤリとさせたが再びマウンドへ上がり、三者凡退。矢野監督も「足の状態もあったんですけど、もう1回西がしっかり行ってくれたっていうのも大きかった」と目を細めた。  5月10日の中日戦(甲子園)以来の4勝目。2カ月以上白星がつかないのはキャリアでも経験がなかった。そんな時こそ、気持ちの波を一定に保つ-。古巣オリックスでまだ2軍暮らしだった18歳のころ、繰り返し説かれた教えがある。  「ロッカーがきれいなやつは上でも活躍する」  もともときれい好きだったが、納得した。「整理整頓ができていれば心が落ち着いている。そういう積み重ねがシーズンを通して気持ちに波をつくらないことにもつながると思いました」。ロッカーはもちろん、グラウンドの外でも徹底した。  ナイターの日は、家を出る前に夫人と一緒に掃除機をかけるのが日課。充電式の2台を2人でフル稼働して、隅々までピカピカにする。「1台だいたい20分。毎回充電が切れるまでかけ続けます。家は常にきれいです」。幼い息子と遊んだ後も、一緒に後片付けをする。プロに入ってから11年。「(整理整頓は)今ではもう当たり前になりました」。勝てない時期も、動じない"ルーティン"で飛び越えて、右腕はまだまだ腕を振る。  「勝って、いい反省ができて次に臨めると思います」  つかんだ4勝目を手応えに、ここからさらに連勝を刻む。 (箭内桃子) ★90年代ソング「しっくり」  「虎フェス♪」で選手らの登場曲が1990年代の曲に変更され、西も普段の登板時にはMr.Childrenの「Tommorow never knows」を使用しているが、この日は久保田利伸with NAOMI CAMPBELLの「LA・LA・LA LOVESONG」に設定。「試しで使ってみたら意外にしっくりきた部分があったので、ちょっと検討してみようかなと思います」と笑顔を見せていた。

◆連夜のヒーローや! 阪神・近本光司外野手(24)が五回2死から逆転の7号3ラン。前日にサヨナラ犠飛を放ったドラ1ルーキーが、連日の大活躍でヤクルト相手に連勝だ。中日が敗れ、4位に浮上。虎の逆襲は、まだ続くで!  決して真夏の夜の夢じゃない。打球が浜風をものともせず、甲子園の夜空にアーチを描いた。前日サヨナラ犠飛の近本が今度は逆転の3ランを放ち、大歓声の中ダイヤモンドを1周。ベンチ前で、笑顔で出迎える西の胸に飛び込んだ。  「浜風が吹いていたんですけど、自分の感覚では気持ちよかったので。入ってくれてうれしかった」  巡ってきたチャンスを落ち着いて仕留めた。0-1の五回。北條、西の連打で2死一、二塁。カウント1-2から山中の内角高め120キロ直球を振り抜いた。「(その前の球を)ファウルにして仕留めきれなかった。内でも外でも対応できるようにセンターを中心に返していこうと思った」。打球は右翼フェンスギリギリへ。追い込まれて頭の中を整理して臨み、最高の結果をたたき出した。  前夜のヒーローも、いいところばかりではなかった。一回には走塁でのミスも。無死一、三塁で近本は三走。糸井の一ゴロの際に一度本塁を狙うも、止まってから再びスタート。中途半端な形となり本塁で憤死となってしまった。矢野監督は「難しいのは難しいんでね。ゴロゴーで、当たりも強めだし、(一塁手に)パッと見られたから。出てすぐ止まっちゃったから、課題は残ったけど」と振り返った。  二回以降は、得点圏に進められず苦しい展開。そんな悔しい思いも胸に、五回のチャンスで逆転弾という結果を残し、バットで汚名返上してみせた。指揮官も「最高の形で流れを一気に戻せたのでナイスバッティングでしたね」と最敬礼した。  この日は「虎フェス♪」として、選手が1990年代の曲で登場。近本は母・美晴さん(52)が好きで車の中などでよく聞いていたという、松任谷由実の「真夏の夜の夢」を選び、バッターボックスへ向かっていた。  「しっかり曲は聴きました。母の好きなユーミン。母のためにもがんばりました」。170センチ、72キロ。プロを目指すには決して恵まれた体ではない息子のために、少しでも体が大きくなるように毎日料理を作ってくれ、必死に応援してくれた。そんな、母を思いながら打席に向かい、感謝を込めての一発。夢ではなく勝利という"現実"をたぐり寄せた。  「また連勝ずっとしていくので応援よろしくお願いします」  2夜連続でお立ち台に立った姿が頼もしい。球宴後から5試合連続安打と球宴前に落とした調子が再び上がり始めた。チームとしても連勝で3位・広島にゲーム差なしの4位に浮上した。ルーキーらしからぬ働きを見せてきた背番号5が、これからも虎を引っ張っていく。  (菊地峻太朗) 近本の3ランについて阪神・清水ヘッドコーチ 「よく打ってくれました。初回から(山中に)合っていた。期待して見ていましたが、打ててよかったですね」

◆五回に近本の3ランで救われたが、手放しで喜べる試合ではなかった。  近本の場面も、投手陣に余裕があるチームが相手ならば左腕を投入されてもおかしくない。序盤から点を取れるべきところで取れなかったことを大いに反省してほしい。  一回は近本の走塁ミスが痛かった。無死一、三塁で糸井の一ゴロで本塁を狙って、憤死。一塁手・村上が目でけん制し、一塁ベースを踏みにいった段階で、近本は自重しなければいけなかった。次が4番・大山。1死二、三塁であれば外野は前で守るため、大山の右飛は2点打になっていた可能性があった。  直球が120キロ前半の山中に対しても各打者が強引すぎた。センターから逆方向を狙って"詰まるイメージ"で打たなければ突っ込んでばかりになる。  矢野監督の後半戦にアドバイスを送るとすれば采配にメリハリをつけることだ。この日を例に出せば山中攻略には左打者がポイントになるだけに、遊撃に鳥谷や植田海を入れるのも手だっただろう。こちらが何かを仕掛けることで相手が嫌がる。選手もベンチもしつこい野球をもっと目指すべきだ。近本に救われた試合を糧にしてほしい。 (サンケイスポーツ専属評論家)

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<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
50351 0.588
(↓0.007)
-
(-)
57415
(+1)
335
(+2)
116
(-)
53
(+1)
0.265
(-)
3.610
(↑0.02)
2
(-)
DeNA
44432 0.506
(↑0.006)
7
(↑1)
54365
(+5)
360
(+4)
106
(+1)
27
(-)
0.248
(↑0.001)
3.690
(↓0.01)
3
(-)
広島
42453 0.483
(↑0.006)
9
(↑1)
53344
(+2)
366
(+1)
80
(+1)
51
(-)
0.243
(-)
3.510
(↑0.03)
4
(1↑)
阪神
41444 0.482
(↑0.006)
9
(↑1)
54330
(+5)
356
(+2)
58
(+1)
62
(-)
0.248
(↓0.001)
3.420
(↑0.01)
5
(2↓)
中日
41460 0.471
(↓0.006)
10
(-)
56335
(+4)
333
(+5)
51
(-)
44
(-)
0.262
(↑0.001)
3.730
(↓0.02)
6
(-)
ヤクルト
35522 0.402
(↓0.005)
16
(-)
54385
(+2)
451
(+5)
95
(+1)
35
(-)
0.240
(↓0.001)
4.620
(↓0.01)