ヤクルト(★3対4☆)巨人 =リーグ戦11回戦(2019.06.30)・こまちスタジアム=
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巨人
00020001141100
ヤクルト
10010010031511
勝利投手:大竹 寛(1勝0敗0S)
(セーブ:中川 皓太(2勝1敗10S))
敗戦投手:石山 泰稚(1勝2敗9S)

本塁打
【ヤクルト】廣岡 大志(1号・4回裏ソロ)

  DAZN
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◆巨人は1点を追う8回表、若林の併殺打の間に1点を挙げ、同点とする。続く9回には、坂本勇の適時二塁打が飛び出し、勝ち越しに成功した。投げては、5番手・大竹が今季初勝利。敗れたヤクルトは、1回に山田哲が通算1000安打を達成するも、勝利で飾れなかった。

◆ヤクルト山田哲人内野手(26)が、プロ野球で300人目となる通算1000安打を達成した。1回、先頭でフルカウントから巨人先発メルセデスの8球目120キロスライダーを中前打とした。 普段と変わらない表情で、一塁に到達。つば九郎から記念ボードを渡されると、ヘルメットをとってスタンドへ深々と頭を下げた。 初安打はプロ入り2年目の12年4月5日だった。阪神戦(神宮)に代打で登場し、榎田から左前打をマークした。3度のトリプルスリー達成など安打を積み重ね、8年目にして大台に到達した。 交流戦では両リーグを通じてトップの8本塁打をマーク。初対戦の投手でも「受け身になりすぎてはいけない。打席では、逃げずにいく」と強気の姿勢が結果につながった。 ただ、本人が意識しているのは実は安打よりも出塁率だ。「塁に出ることが大事だと思っているので、そのためにヒットを打ちたい」と話していた。ヤクルトの攻撃の起点として、まだまだ安打を積み重ねていく。

◆ヤクルト広岡大志内野手の1号ソロで同点に追いついた。 1点を追う4回1死、カウント2-2から巨人メルセデスの119キロスライダーをヤクルトファンの待つ右翼席へ運んだ。 「追い込まれていたので、1打席目と同じようにコンパクトにセンターから右を意識して打ちました。風にも助けられました」と話した。 今季は開幕から41打席無安打と不調に苦しんだが、14日の西武戦で初安打をマーク。今季2本目の安打が、本塁打となった。

◆ヤクルトは高梨、巨人はメルセデスが先発。ヤクルトは1回、村上の内野安打で1点を先制。高梨は3回まで被安打3の無失点。 巨人は4回、敵失と重信の適時打で逆転。ヤクルトは4回、広岡の1号ソロで同点に。メルセデスは4回、高梨は6回で降板。 ヤクルトは7回、代打雄平の適時打で1点追加。巨人は8回に追いつくと、9回坂本勇の適時二塁打で勝ち越し2連勝。5番手大竹が今季初勝利、中川が10セーブ目を挙げた。ヤクルトは継投でリードを守りきれず3連敗。9回に登板し勝ち越しを許した石山が2敗目を喫した。

◆巨人が競り勝ち16年8月以来3年ぶりの貯金10に乗せた。同点の9回2死一塁、坂本勇がヤクルト石山の初球の直球を強振。右翼フェンス直撃の決勝適時打で試合を決めた。主将の打棒でセ・リーグ一番乗りの40勝に到達。「直球がいい投手。その直球に負けないように準備した。亀井さんがかえってきてくれて最高の結果になった」と振り返った。 横綱相撲とはいかないが、土俵際の攻防で優勢に立つ。今季9度目の1点差での勝利に原監督は「3点ですか、向こうは。よく抑えたんでしょうな。粘った、まあ粘ったということでしょうね」と被安打15ながら3失点にとどめことを勝因に挙げた。先発メルセデスを4回2失点で継投策に入り、中継ぎ4人をはさみ、ポリバレント・クローザー中川につないだ。「もうよく守ったと思いますよ。結果的には(中継ぎの失点は)1点だもんね。本当によく守ってくれましたね」とブルペン陣をねぎらった。 ペナントレースは9連戦初戦となる7月2日の中日戦で72試合目となる。首位で折り返すが「まだまだ、まだ振り返るのは早い。先のことしか見えていない」と指揮官。地に足を付け、着実に前進していく。【為田聡史】

◆巨人岡本和真内野手が23歳の誕生日を白星で飾った。リーグ再開後初安打を含む2安打をマークし「勝てたことが良かったです」と喜んだ。 守備でも7回にヤクルト村上の一、二塁間の打球に軽い身のこなしで飛びつき一ゴロに仕留めた。好捕には「イージーですよ。イージー」と謙遜しつつも「拮抗(きっこう)した試合に勝つと負けるとでは違うので。1個1個、勝てるようにやっていきたいです」と先を見据えた。

◆巨人が1点差勝ちで40勝にセ・リーグ一番乗り。2-3の8回に併殺打の間に追い付き9回に坂本勇の適時二塁打で勝ち越した。5番手の大竹が今季初勝利、中川が10セーブ目。ヤクルトは16残塁の拙攻が響き3連敗。山田哲人は1回の第1打席で史上300人目の通算1000安打を達成。

◆巨人の守護神中川皓太投手が、初の10セーブに到達した。1点勝ち越した直後の9回から登板し、1回を無失点に抑えた。「自分の力だけではない。自分も助けながら、周りに助けられながら、目の前の1試合1試合を勝てれば」と言った。 宮本投手総合コーチは「彼の存在が非常に大きい」と評価。中継ぎ強化のため、日本ハムから移籍した鍵谷を2日から1軍に合流させる。

◆ヤクルト山田哲人内野手(26)が、球団史を塗り替えた。1回に中前打を放ち、通算1000安打。26歳11カ月で大台に到達し、球団では06年の岩村を抜く最年少記録となった。チームは接戦を落とし3連敗となった。最下位に沈む苦しい状況だが、プロ野球選手としての自覚を胸に、現状打破を目指す。秋田の強風にあおられながら、山田哲は記念ボードを手にした。初回、先頭で巨人先発メルセデスの変化球をとらえ、中前に運んだ。「素直にうれしいです。でも、それくらい。(最年少は)特別にはないです」。ヘルメットを脱ぎ、スタンドへ深々と頭を下げた。 プロ野球選手は、常に見られる職業だ。野球少年やファンの存在を意識し"格好良く"あることも、大事な要素の1つと捉える。オフシーズンの自主トレでは、アドバイザリー契約を結ぶアディダスジャパンのウエアを着用。その際、いくつかの候補の中からコーディネートをするのは、自分。全身に気を使って、前日から決めているという。 昨季はバット、リストバンドなどにゴールドを取り入れた。今季はさらに打撃用手袋に、シルバーカラーもプラス。さらに輝かしい彩りとなった。 100本塁打、150本塁打に続いて、1000安打も球団最年少での達成となった。それでも「俺が(レギュラーとして)出始めたのは3年目の途中。村上はもう2年目から出ているから、きっと(最年少)記録は抜かれるんだよ。そういうもの」と白い歯を見せる。服装に気を使うのとは別に、こういう面では飾らない。 今季は2年連続4度目のトリプルスリー、さらに日本プロ野球初の「40本塁打・40盗塁」を狙う。最も意識している出塁率は4割2分6厘。四球は76試合を終えて70個と、王貞治氏の持つシーズン記録158個も視野にとらえる。高い打撃技術と対応力が最大の持ち味なのは揺るがない。 以前は無心になろうとした打席でも、自分のコンディション、相手投手の状態によって、柔軟に打席の中で狙いを変えるようになった。球種、コース、ボールの高低を見ながら「チームバッティングをするとか。打つ方向や、軽打をするか、しないか」と、状況に合わせた瞬時の判断を下す。 すべては勝つための目標だ。最下位に沈む現状に「勝ちたい。やりがいのある試合をたくさんしたい。つらい状況だけど、まだ3カ月ある。野球は何があるか分からない。諦めないで、前を向いてやるしかない」と逆風に立ち向かう覚悟を示した。チームを追い風に乗せる"格好良い"一打を追い求める。【保坂恭子】

◆ヤクルト山田哲人内野手(26)が巨人戦の1回、メルセデスから中前打を放ってプロ野球300人目の通算1000安打を達成した。 初安打は12年4月5日阪神2回戦(神宮)の榎田からで、26歳11カ月で達成。1000安打の最年少記録は61年榎本(大毎)の24歳9カ月だが、ヤクルトでは06年岩村の27歳5カ月を抜いて最年少となる。山田哲はちょうど1年前の18年6月30日阪神戦では球団最年少の25歳11カ月で150本塁打をマーク。27歳前に1000安打達成は18人目で、現役では坂本勇(巨人=25歳5カ月)浅村(楽天=26歳10カ月)も記録しているが、27歳前に1000安打と150本塁打の両方を達成したのは00年松井(巨人)以来7人目だ。

◆巨人・重信慎之介外野手(26)は30日、ヤクルト11回戦(秋田)に「8番・左翼」で先発出場。1-2の四回2死二塁で同点に追いつく左前適時打を放った。  「何とかこのチャンスをものにしたいと思い、打席に入りました。コンパクトに振り切れました。良い結果になって良かった」  相手先発の右腕、高梨が投じた128キロのフォークボールを逆らわず左前に運び、納得の表情。3試合ぶりのスタメン起用に応える一打となった。

◆巨人のクリストファー・クリソストモ・メルセデス投手(25)が30日、ヤクルト11回戦(秋田)に先発し、4回で104球を投げ、10安打2失点で降板した。  「球数が多くて、最低限のイニングを投げることができなかった。体力的には問題なかったが、もったいない球が多かった。もっと長いイニングを投げたかったので申し訳ない」と反省が口をついた。  序盤から粘るヤクルト打線に球数を要した。一回は先頭の山田哲に通算1000安打となる中前打を許し、1死一、三塁から村上の一塁適時内野安打で先制された。  味方が勝ち越した直後の四回には、1死から広岡に右越えソロを被弾。この回限りで降板し、6月7日のロッテ戦(東京ドーム)以来の白星となる6勝目はならなかった。

◆ヤクルト・山田哲人内野手(26)が30日、プロ野球史上300人目の通算1000安打を達成した。  巨人戦(秋田)に「1番・二塁」で先発出場すると、一回先頭でメルセデスの変化球を中前に運んだ。球団マスコットのつば九郎から記念ボードを受け取ると、帽子を取って秋田・こまちスタジアムのスタンドから送られた歓声に応えた。  2010年にドラフト1位で履正社高からヤクルトに入団。初安打は2012年4月5日の阪神戦で榎田から。26歳11カ月での到達は06年岩村の27歳5カ月を抜く球団最年少記録となる。

◆巨人・坂本勇人内野手(30)が30日、ヤクルト戦(秋田)で5月31日の中日戦(東京ドーム)以来、今季7度目となる猛打賞(1試合3安打以上)をマークした。  「2番・遊撃」で先発出場した主将は一回、ヤクルト先発の高梨から遊撃への内野安打を放ち、三回の第2打席では左前打。3-3の同点で迎えた九回の第5打席で石山の低めの直球を右翼フェンス直撃の適時二塁打を放った。  交流戦は打率・183、2本塁打、7打点と苦しんだが、リーグ戦再開となった前日の第1戦では22号ソロを放つなど復調気配。「久々にいい感じで打てた」と語るなど本来の打撃を取り戻しつつある。

◆ヤクルトの石山は3-3の九回に登板し、勝ち越しを許して故郷の秋田で黒星を喫した。2死から亀井に右前打され、続く坂本勇に適時二塁打を浴びた。「打たれたのは安易な球だった。しっかり投げなければいけなかった」と反省した。  2013年8月以来の秋田での登板だった。大きな声援を受けてマウンドに登ったが、期待に応えられず「応援をたくさんもらって(失点)ゼロで帰りたかったが、本当に申し訳ない」と悔しそうだった。

◆巨人は救援陣の踏ん張りが光った。3-3に追い付いた八回を任された大竹は1死一、三塁のピンチを招きながらも、村上と中山から空振り三振を奪った。直後の打線の奮起で今季初勝利を手にし「ゼロで抑えられて勝ちにつながったので良かった」と息をついた。  九回を締めた中川は10セーブ目を挙げ「自分の力だけではない。自分も助けながら、周りに助けられながら、重ねていければいい」と喜びをかみしめた。

◆巨人は30日、ヤクルト11回戦(秋田)に4-3で逆転勝ちし、リーグ最速で40勝に到達。2016年8月23日以来、約3年ぶりに貯金を「10」に伸ばした。  九回は、シーズン途中から抑えを務める中川皓太投手(25)が登板。先頭の中村に四球を与え、代打・西田に左前打とされるなど2死一、二塁のピンチを背負ったが、山田哲を二飛に仕留めて無失点で締めた。  今季34試合目の登板で節目の10セーブ目。若き守護神は「今日みたいにいろいろな人の助けがあってできたので、自分の力だけではないので。自分も助けながら、周りに助けられながら、重ねていければいいかなとは思いますけど、数字はあまり気にしていないので目の前の1試合1試合勝てれば、チームもその先にもつながると思うので、そこに集中していきたい」と汗を拭った。  今季開幕時は新助っ人右腕のクックが守護神を務めていたが、右肘痛で2軍に降格後は中川が務めていた。シーズン前には想像もしていなかったという数字だが「任されている以上、大事な場面でいくと思うので、チームが勝てるように勝つピッチングをしていきたいです」と言葉に力を込めた。

◆巨人は30日、ヤクルト11回戦(秋田)に4-3で逆転勝ちし、セ・リーグ最速で40勝に到達。2016年8月23日以来、約3年ぶりの貯金「10」となった。  3-3の八回。5番手で登板した大竹寛投手(36)が1回1安打無失点に抑えた。直後の九回に味方が勝ち越したため、今季初勝利。これがプロ通算98勝目となり、節目の100勝まであと「2」とした。  それでも「自分で先頭フォアボール出したので、何ともいえないですね。反省点です」と、まず反省が口をついた。先頭・山田哲に四球を与え、続く山崎のバントが捕邪飛に。青木に右前打を許し、1死一、三塁とされたが、村上、中山とヤクルトの若き4、5番を連続三振に斬り、最後はガッツポーズも繰り出した。  「ゼロで抑えられて勝ちにつながったので、そこはよかった。与えられたところで、次も同じようにしっかり仕事ができればいいと思います」。今季でプロ17年目。5月に36歳を迎えたベテラン右腕は、チームに不可欠な存在だ。

◆守護神の中川が4-3の九回に登板し、1回1安打無失点で今季10セーブ目を挙げた。先頭の中村に四球を与えるなど2死一、二塁とされたが、山田哲を二飛に仕留めた。球団の左投手では2006年の高橋尚成以来の2桁セーブ。25歳は「いろいろな人の助けがあってできたので、自分の力だけではない。チームが勝てるような投球をしていきたい」と決意を新たにした。 中川の10セーブ目に巨人・宮本投手総合コーチ 「彼が活躍することによって後ろが安定してくる」

◆悔いの残る1球だった。地元・秋田出身の石山は同点の九回に登板し、2死一塁から坂本勇に決勝打を浴びた。初球の直球を痛打されて2敗目を喫し「安易なボールだった。反省して次に生かしたい」。登板時にはスタンドから大きな歓声が上がり「応援をたくさんいただいた。何とか0点に抑えて帰りたかったが、チームも負けて本当に申し訳ない」と悔しがった。

◆6月30日に23歳の誕生日を迎えた岡本が、攻守で存在感を発揮した。打っては八回に好機を広げる中前打を放つなど2安打。七回の一塁守備では一、二塁間を抜けそうな打球を飛びついて好捕した。誕生日を白星で飾り「勝てたことがよかったです。勝つと負けるじゃ全然、違う。また勝っていけるように、しっかりやっていきたい」とうなずいた。

◆ヤクルト・山田哲人内野手(26)が一回先頭で巨人・メルセデスから中前打を放ち、史上300人目の通算1000安打を達成。26歳11カ月での到達は岩村明憲の27歳5カ月を抜く球団最年少記録だが、試合に敗れて笑顔はなかった。  「やっぱり、勝ちたいし、やりがいのある試合をたくさんしたい。まだ60試合以上、残っている。前を向いてやっていくしかない」  山田哲は懸命に前を向いたものの、負の連鎖から抜け出せない。打線は15安打を放ちながら16残塁の拙攻で3得点。送りバントも3度失敗した。  守っては一塁手・村上が四回、飛球を落とす適時失策。村上は八回にもバント処理のミスでピンチを広げ、追い付かれた。九回は右翼を守ったD2位・中山(法大)がクッションボールの処理を誤り、決勝点を献上してしまった。  「ミスが続いて失点している。こういう試合をやっているようでは駄目」と小川監督。3連敗で借金は今季ワーストの18まで膨らんだ。 (長崎右)

◆巨人は30日、ヤクルト11回戦(秋田)に4-3で競り勝ち、セ・リーグ最速で40勝に到達。2016年8月23日以来、約3年ぶりの貯金「10」となった。同点の九回に坂本勇人内野手(30)が決勝の右越え適時二塁打。交流戦期間中は不振に苦しんだ主将が、5月31日の中日戦(東京ドーム)以来、1カ月ぶりの3安打猛打賞をマークし、完全復調を予感させた。  秋田の空から降った小雨も吹き飛ぶようなフルスイングだった。3-3の同点で迎えた九回2死一塁。坂本勇がヤクルトの守護神・石山の直球を捉えた打球は右翼フェンスで跳ね返り、芝の上を転々。一走の亀井が一気に勝ち越しのホームを陥れた。  「真っすぐがすごくいいピッチャーなので、負けないような準備をしていた。たまたまフェンスで弾いて、亀井さんがかえってきてくれたのでよかった」  決勝の右越え適時二塁打で1カ月ぶりの3安打をマーク。前日29日の第1戦で放った右越えの22号ソロに続き、秋田のG党を歓喜させた。交流戦は腰痛などもあり、打率・183、2本塁打、7打点と苦しんでいたが、5日間の休みを挟んで、完全復調を予感させた。  秋田県立野球場(こまちスタジアム)は思い出の地だ。青森・光星学院高(現八戸学院光星)2年時の2005年に秋季大会で訪れ、同球場の「63号本塁打」を記録。球場内の記念ボードには自身の名前も刻まれている。本人も「覚えている」という幸運の地だ。前夜に放った14年ぶりの"こまち弾"に続く決勝打で調子を取り戻した。  秋田の2試合は試合前に円陣で声出し役を務めた。この日は集合に遅れた元木内野守備兼打撃コーチを待たずに実施。小走りで駆けつけた同コーチがツッコミを入れるやり取りで、試合前のベンチを和ませた。  先日は、ジャイアンツ球場から1通のLINEが届いた。  「このグラブ、もし使っていないなら僕が使わせていただいてもいいですか。...ありがとうございます!」  許可を出す前に感謝を述べる、ちょっぴり生意気なメッセージ。送り主は1月の合同自主トレ仲間で、現在は2軍で汗を流す内野手の北村だった。本当はまじめで礼儀正しい弟分のために、36歳の中島が送らせた文面。主将は「何が『ありがとうございます』やねん!」とツッコミを入れつつ、「全然ええよ。大事に使えよ」と快諾し、後輩を手助けした。  30歳になった主将は明るさと優しさでチームを束ねている。原監督も頼れる大黒柱の復調に「いい感じで(安打が)出てくれるようになったね」と目尻を下げた。  チームはセ・リーグ一番乗りで40勝に到達。ヤクルトに連勝を飾り、貯金「10」は2016年8月23日以来だ。3年ぶりの2桁貯金に指揮官は「貯金は多い方がいいですね」とニヤリ。原巨人が5年ぶりのV奪回へ、勢いを増した。 (谷川直之)

◆巨人が攻守にわたって、すごみをみせた。  「攻」では、何といっても坂本勇の復調だ。九回の勝ち越し二塁打は、前日29日の九回の本塁打同様、ストレートを右翼へ運んだもの。前日の七回に選んだ押し出し四球も、ボールを追いかけず、じっくり見極めていた。相手が弱っているときは、打ち気にはやらず、甘い球が来るのを待ち、ひと振りでコンパクトに仕留める-。これが好調時の姿。  思えばこの2試合、巨人には中堅から逆方向への打撃が目立った。打線全体で徹底されていたのか。まさに、好調時のサイクルだ。  「守」では、原監督の指示に驚かされた。同点の八回1死一、三塁で、村上を迎えたとき。ボテボテの内野ゴロでも1点を失う場面で、前進守備ではなく、併殺狙いの陣形を敷いた。勝ち越されるのを恐れて、窮屈になるのではなく、どっしり構えて、併殺を取りにいく-。そこには、1点ならすぐ取り返せるという余裕すら漂っていた。  巨人が着々と、首位固めの態勢に入りつつある。そう感じさせる戦いぶりだった。 (サンケイスポーツ専属評論家)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
40301 0.571
(↑0.006)
-
(-)
72346
(+4)
284
(+3)
95
(-)
42
(-)
0.262
(↑0.001
3.650
(↑0.01)
2
(-)
広島
38343 0.528
(-)
3
(↓0.5)
68300
(+2)
302
(+2)
71
(+1)
49
(-)
0.248
(↓0.001)
3.360
(↑0.03)
3
(1↑)
DeNA
35362 0.493
(-)
5.5
(↓0.5)
70293
(+2)
292
(+2)
86
(-)
23
(-)
0.246
(↓0.001)
3.680
(↑0.04)
3
(-)
阪神
35364 0.493
(↓0.007)
5.5
(↓1)
68291
(-)
309
(+1)
51
(-)
53
(+1)
0.249
(↓0.001)
3.440
(↑0.04)
5
(-)
中日
33390 0.458
(↑0.007)
8
(-)
71278
(+1)
282
(-)
44
(-)
39
(-)
0.257
(↓0.003)
3.820
(↑0.07)
6
(-)
ヤクルト
28462 0.378
(↓0.006)
14
(↓1)
67332
(+3)
398
(+4)
85
(+1)
27
(-)
0.238
(↑0.003
4.730
(↑0.03)