中日(☆1対0★)阪神 =リーグ戦11回戦(2019.06.30)・ナゴヤドーム=
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阪神
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中日
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勝利投手:福 敬登(1勝0敗0S)
敗戦投手:ドリス(3勝3敗14S)
  DAZN
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◆中日が劇的なサヨナラ勝ち。中日は両軍無得点で迎えた延長11回裏、2死一三塁から相手の暴投の間に三塁走者が生還し、試合を決めた。投げては、先発・柳が8回4安打無失点の快投。その後は3人の継投で完封リレーを飾った。敗れた阪神は打線がつながりを欠き、投手陣を援護できなかった。

◆中日高橋周平内野手(25)は柳裕也投手(25)の登板試合でよく打つ。 柳は5月25日ヤクルト戦から5連勝中だが、この連勝時の高橋は22打数10安打、3本塁打、14打点、打率4割5分5厘と大当たり。今日も柳を援護して白星を呼び込めるか。

◆阪神先発の高橋遥人投手(23)が6回2安打無失点の好投を見せた。2勝目を目指してマウンドに上がった2年目左腕は、初回から先頭平田、京田を連続三振で上々の立ち上がり。 4回、大島に初安打を許すも後続を抑えた。最大のピンチは6回。2四球と安打で1死満塁を招くも、4番ビシエドを中直、5番高橋を投ゴロに打ち取り小さくガッツポーズを作った。 伸びのある直球とチェンジアップやカットボールなどの変化球を効果的に使い分け、中日打線を翻弄(ほんろう)。要所で強気に投げ込んだ内角攻めも光った。 降板した高橋遥は「しっかり腕を振って、思い切ってゾーンに強い球を投げることを意識していました。中盤に無駄な四球で球数が多くなり、6回でマウンドを降りることになってしまいましたが、野手の方々の守備に助けていただき最低限の役割は果たせたと思います」とコメントした。 8勝でハーラートップタイの中日先発柳と堂々の投手戦を繰り広げ、0-0のまま2番手藤川にマウンドを託した。

◆中日柳裕也投手は8回を10奪三振、無四球4安打無失点と快投したが、ハーラー単独トップの9勝目は逃した。 立ち上がりから丁寧に低め、コースを突き続ける抜群の制球力で得点を許さない。6回無死二塁、8回2死二塁のピンチも慎重に切り抜けた。 8回終了時点で球数は94。続投も予想される中、両チーム無得点の9回表は2番手ロドリゲスがマウンドに上がった。 柳は広報を通じて「しっかり自分のピッチングはできたと思います」と振り返った。

◆中日は先発柳が3回終了時点で5三振を奪う完全投球。阪神の先発高橋遥も3回を終えて無安打無失点。投手戦が続く。 阪神は6回無死二塁の好機で無得点。中日も6回1死満塁から後続が倒れた。中日柳、阪神高橋遥はともに6回を終えて無失点。 試合は両チーム無得点のまま延長戦へ。延長11回、中日が相手のバッテリーミスでサヨナラ勝ちした。4番手福は今季初勝利。阪神ドリスは3敗目。

◆最後に福が来た! 中日が12球団最遅で今季初のサヨナラ勝ちを決め、今季最多の5連勝を飾った。 先発柳が8回無失点と快投。救援陣もゼロを並べ続け、延長11回裏2死一、三塁からドリスの暴投で決勝点をもぎ取った。今季はすでに6度もサヨナラ負けしたが、与田監督にとっても就任後初のサヨナラ勝利だ。「9回裏から勝たせてくれ、サヨナラ勝ちをさせてくれと、ドームですけど天を仰いで祈っていました。選手がよく頑張ってくれました」と満面の笑みを浮かべた。 白星を手にしたのは4年目左腕の福だ。両軍無得点の11回表に登板。先頭打者を出しながらも、1死二塁と2死三塁のピンチで耐えた。入団1年目の16年は主に中継ぎで27試合に登板。だが左肩に大けがを負った影響で17年オフに育成契約となり、一時は引退も考えたほどだった。それでも地道なリハビリを重ねて18年途中から支配下選手に復帰。今季は救援陣の貴重なピースとして存在感を放っている。16年5月7日の巨人戦以来、3年ぶりのプロ2勝目だ。「(1軍に)上がってきた時の常に崖っぷちという気持ちは、いまだにある」と浮かれない姿が頼もしい。 6回1死満塁では、4番ビシエドの弾丸ライナーが中堅近本の正面を突いた。先発柳に白星を贈れなかった。だが最後は運も味方した。5連勝で借金を11から6まで一気に減らした。与田監督は「とにかく勝ち続けること。流れをみんなで守っていきたい」と力を込めた。福の神が舞い降り、竜の上げ潮ムードは高まるばかりだ。【佐井陽介】

◆阪神高橋遥人投手は6回を散発2安打無失点で試合を作った。ハーラートップの中日柳と投手戦を演じて0を並べた。最大のピンチは6回。2四球と安打で1死満塁を招いたが、4番ビシエドを中直、5番高橋を投ゴロに打ち取った。試合後は「フォアボールが球数を多くしてしまった。早い段階で降りてしまって、ふがいない気持ちです」は3四球とイニングの浅さを反省していた。 もっとも1死満塁を切り抜けた場面には「ここ最近は踏ん張りきれない状態が続いていた。今まではあそこで打たれていたので、0で抑えられたのは良かったです」と収穫も得た様子だった。矢野監督は「ずっと勝てる投球をしている。本当に遥人の時は全然、点が取れない。1個(勝ちの)数字が付くのは全然、投手も違う」と好投をねぎらった。

◆阪神の守護神ラファエル・ドリス投手が今季3敗目を喫した。 0-0の延長11回から登板。先頭平田の四球からピンチを招き、2死一、三塁から暴投でサヨナラの走者をかえした。微妙なボール判定にいら立ちを見せるような姿もあったが「ボール、ストライクはこっちが言えることではない。審判に従って試合が動いているので」と冷静に受け止めた。

◆阪神木浪聖也内野手が攻守で存在感を示した。 バットでは11回に「どうしても先頭で出たかった」と7試合連続となる安打を中前へ運び、守備ではその裏に1死二塁で大島の一二塁間を抜けそうな打球をダイビングキャッチ。一塁でアウトにした。この回に遊撃から二塁に回っていたが「ちゃんと準備していたのは良かったと思います」と好捕を振り返った。

◆阪神高山俊外野手が「7番左翼」での先発起用にマルチ安打で応えた。 6回、先頭で明大の後輩、柳の内角変化球を右翼線へ運んで二塁打。8回にもカーブを中前へ打ち返し、代走を送られて交代となった。前日29日は相手先発が左腕の大野雄で右打者の陽川が同じく「7番左翼」で先発して2安打。福留を欠くチームで、高山も必死にアピールを続ける。

◆阪神は交流戦明けの中日2連戦で厳しい連敗スタートとなった。相手の先発柳を打ち崩せず、最後は延長11回にドリスの暴投でサヨナラ負け。 矢野燿大監督(50)は「点取らんと勝たれへん」と貧打の打線に苦言を呈した。柳には今季4戦2敗で防御率0・93に抑えられ、難敵になってきた。チームは3連敗で5月2日以来の借金生活へ。5月から好調だった矢野阪神が再び我慢どころを迎えた。投手戦は負ければ、ただの貧打戦にしかならない。延長戦は徒労になった。阪神が悪夢を見たのは0-0の11回だ。2死一、三塁。守護神ドリスが中日高橋へ投じた3球目は引っ掛けたフォークだった。ワンバウンドになって梅野も止められず、サヨナラ暴投...。矢野監督は「しゃあないやん、勝負にいってんねんから」と渋い表情だった。 打線の窮状が、苦しい戦いにつながっている。この日は好調の先発柳に苦戦。まるで歯が立たなかった。スライダー、カットボールやチェンジアップを織り交ぜ、バットはくるくると回る。屈辱的な10三振を奪われて、9つが空振り三振。速球で空を切ったのは投手の高橋遥だけだ。指揮官は「ゼロじゃ勝てんしね。柳もいい球を投げていた。球種もいろんな球で勝負できるのは、いま調子良いところ。こういう良い投手でもやっぱり点を取っていかんとダメ」と苦言を呈した。 5月11日に8回無得点だったが、またも沈黙。今季は4戦2敗の防御率0・93と難敵だ。クイックも巧みに交ぜられ、間合いも狂わされた。浜中打撃コーチも「クイックが多いのは分かっていたこと。交流戦から多くなっていたし、対策はしていたけど、予想以上にうまく使われた。いいところから落とされてボールも振らされて。いい投手は振ってしまうとそこに投げてくる」と険しい顔だった。 指揮官が繰り出す勝負手も実らない。4回は先頭で中前打の近本が二盗を試みたが刺された。11回は1死二塁で近本に代打原口を起用したが遊ゴロに倒れるなど、得点できない。奮闘するルーキーが代打を送られるのはプロ入り初めて。4月20日巨人戦から1番に定着して以降、打順不動だったが、調子は下降線をたどりついに動いた。矢野監督は「自分のなかで現状で一番、点取れることを選択してやったつもり」と悔しげに話した。不振だった交流戦のムードは変わらず、3連敗。5月2日以来、約2カ月ぶりの借金1を背負う。矢野阪神が踏ん張りどころを迎えている。【酒井俊作】

◆中日先発柳はハーラー単独トップの9勝目こそ逃したが、快投でチームの5連勝を呼び込んだ。緩急自在に低めを突き続け、8回10奪三振無四球で4安打無失点。8回裏の攻撃中もキャッチボールで続投を志願したが、94球で降板した。 チームのサヨナラ勝ちに「昨日の大野(雄)さんに続きたかった。昨日の大野(雄)さんに続きたかった。しっかり自分のピッチングはできたと思います」と笑顔。与田監督からも「9回もまだまだ行かせたい思いもあった。勝ち投手に等しい投球だった」と絶賛された。6月は4戦先発で3勝0敗、防御率0・87の抜群成績だ。

◆「8回の男」が帰ってきた。阪神ピアース・ジョンソン投手(28)が、1軍復帰後初めてマウンドに上がった。6月4日ロッテ戦以来で、8回の1イニングを3者凡退。チームが借金生活に逆戻りする中、2日DeNA戦で始まる9連戦に向けて明るい材料となった。 「やっとこの舞台に戻れて、気持ちよく投げられました」。久しぶりの1軍公式戦に、すがすがしい表情を浮かべた。先頭の平田を直球2球で簡単に追い込むと、最後は136キロカーブで遊ゴロ。続く京田は3球で右飛に仕留め、大島も136キロカーブで空振り三振。代名詞「パワーカーブ」を惜しみなく投げ込んだ。 「やっている以上はより良い球をと思っていますが、今投げている分にはいい感じで投げられていると思います」。開幕から登板28試合で防御率0・64の好成績を残したが、コンディション不良で6月7日に出場選手登録を抹消された。2軍で調整を続け、同26日に1軍合流。「8回の男」の帰還を誰もが待っていた。 矢野監督もジョンソンの好投に胸をなで下ろした。「心配ない投球。1回投げて、これでまた落ち着く。小野もいいし、球児もいつも通りやってくれている。いろんな幅ができる中継ぎ投手陣になってきている」。この日は7回に藤川が登板し無失点。9回に登板した小野も8戦連続無失点と安定感を見せ、中継ぎの方程式のバリエーションもさらに増えそうだ。 ジョンソン、藤川、ドリスの3人がそろい踏みするとここまで9戦無敗だったが、ついに初黒星。それでもジョンソンは前を向く。「チームとしてはいい野球が出来ているし、少しのことで連敗になった。来週からの試合もチームとして頑張っていきたい」。2日からは同率3位のDeNAを皮切りに9連戦が始まる。次こそチーム一丸で紙一重の勝利をつかむ。【磯綾乃】

◆阪神近本光司外野手は3試合ぶりの安打を放つも、今季初めて代打を送られた。 4回は先頭で鋭い当たりを中前へ打ち返した。「先頭で出ないといけない場面。出られたのは良かった」。続く糸原の初球で盗塁を試みたが、捕手加藤に刺された。 1安打3三振で迎えた11回の第5打席は1死二塁の好機だったが、代打原口を送られて交代した。

◆阪神藤川球児投手が通算防御率1点台にまた近づいた。7回に登板して阿部をフォークで空振り三振。2死から加藤に四球も、柳を三ゴロに仕留めた。今季は28試合に登板して防御率1・26、4勝16ホールド。 通算防御率について「数字が記録に残ってしまって消えないのは好きじゃない。駆け引きができるというのが面白いところ」と話していたが、あと7回2/3を自責点0だと通算防御率が1・994で1点台となる。

◆阪神小野泰己投手が9回を任され、中軸を3者凡退に抑えた。勝利の方程式を担う藤川-ジョンソンの後を受けて4番手でマウンドに上がり、4番ビシエドを空振り三振、続く高橋、阿部も強気に押さえ込んだ。 「1点を取られたら終了だったので、今まで以上に緊張した。もう投げるしかないと、1つ1つのアウトを全力投球で投げました」。リリーフ転向後、大事な局面での起用も増えており、指揮官の期待に応えた。

◆阪神は交流戦明けの中日2連戦で厳しい連敗スタートとなった。相手の先発柳を打ち崩せず、最後は延長11回にドリスの暴投でサヨナラ負け。 矢野燿大監督の一問一答は以下の通り。 -打つ方が終盤にあと1本出ていれば (柳には)ほとんど、真っすぐで三振がなかったような気がする。ほとんど変化球だった。そういうところでは、追い込まれてからの打撃とか、こういう良い投手でもやっぱり点を取っていかんとダメ。そういうところは課題としてある。 -柳は好調で、予想以上に良かったか いやいや全然、予想以上ではないけど。本来の力を出してるんじゃないの。 -先発の高橋遥を含めて投手陣は2安打に抑えた 毎回同じになっちゃうけど、もうずっと勝てる投球が続いていると思う。勝たしてやらないとね、あの投球をしてくれたらね。 -ドリスは安定した投球をしてきたが、最後はああなって言いようがない いや...。どうしようもないでしょ、どうしようもないでしょ(苦笑い)。アレで俺、文句言うような、何もないで。どこに責任、そんなん言い出したら、そんなん、ナンボでもあるよ、そんなん。

◆中日-阪神戦が30日、ナゴヤドームで行われ、三回を終えて両チーム無安打。先発の阪神・高橋遥人投手(23)、中日・柳裕也投手(25)が好投した。  阪神打線は二回に大山、マルテと連続三振。三回1死からもD3位・木浪聖也内野手(ホンダ)、高橋遥と空振り三振を喫し三回を終えて5三振と、走者を出すことができず。ここまでリーグトップタイの8勝を挙げている柳にパーフェクト投球を許した。  対する中日打線も一回、平田と京田が連続三振。二回1死から高橋が9球粘り四球を選ぶも後が続かず。三回も三者凡退と、高橋遥が好投した。

◆阪神は30日、中日11回戦(ナゴヤドーム)に延長十一回、0-1でサヨナラ負け。3連敗で5月2日以来の借金1となった。  高橋遥、柳の両先発が投手戦を演じ、スコアレスで進んだ試合。まさかの幕切れが待っていた。阪神の6番手・ドリスが四死球などで2死一、三塁とされると、5番・高橋への3球目のフォークボールがワンバウンドとなり、捕手・梅野が止められず。三塁走者の平田が生還する"サヨナラ暴投"で試合が決まった。

◆疲労のため離脱していた阪神のジョンソンが、0-0の八回に3番手で登板した。大島から空振り三振を奪うなど三者凡退に仕留めた。復帰後初登板で危なげない投球を見せた中継ぎエースは「やっとこの舞台に戻れてうれしい」と充実感をにじませた。  29試合目の登板で防御率0点台と抜群の安定感を誇る。矢野監督も「心配ない投球だった。1回投げて落ち着くと思う」とほっとした様子。3連敗と苦しい戦いが続く中、頼もしい存在が戻って来た。

◆中日はわずか2安打で勝った。阪神の高橋遥には安打2本に封じられ、救援陣からは無安打。六回1死満塁の好機もビシエド、高橋が倒れて自身5連勝中の柳に勝ちをつけられなかった。  それでも0-0の延長十一回2死一、三塁、ドリスの暴投でサヨナラ勝ち。打席に立っていた高橋が祝福の水かけを受けたが「何もしていない。何とかなったのはうれしいが...」と神妙な面持ちだった。

◆阪神は30日、中日に0-1でサヨナラ負けを喫した。延長十一回2死一、三塁で守護神・ドリスが暴投。投手戦が続いていたが、あっけない幕切れで3連敗となり、ついに借金生活に突入した。打線が無得点に終わり、矢野監督は「ゼロじゃ勝てへんしね」と話した。  痛恨の暴投となったドリスについては「いや...どうしようもないでしょ、どうしようもないでしょ(苦笑)。アレで俺、文句言うような、もう何もないで。しゃあないやん、勝負行ってんねんから。どこに責任、そんなん言い出したらそんなん、なんぼでもあるよそんなもん」と振り返った。  八回にジョンソンが1軍復帰登板を果たし、三者凡退に抑えたことには「心配ない投球やったと思うし、まあまあ1回投げてね、これでまた落ち着くと思うし」と納得顔。「小野も良いし、球児もね、いつも通りやってくれているし。そういうところで、いろんな幅ができるような中継ぎ以降のピッチャー陣になってきているんでね」と救援陣に手応えを示した。

◆--打つ方が終盤にあと一本出ていれば  「ゼロじゃ勝てへんしね。もちろん柳もいい球投げてたし、いろんなボールで勝負できるっていうのは、いま調子良いところやと思うけど。追い込んでから、ほとんど真っすぐで三振あんまりなかったような気がするんだけど、ほとんど変化球だったと思うんだけど。まあそういうところでは、追い込んでからのバッティングとか、こういう良いピッチャーでもやっぱり点を取って行かんとダメなんでね。そういうところは、うん、課題としてあるかな」  --柳は予想以上に良かったか  「いやいや全然、予想以上ではないけど。本来の力出してるんじゃないの」  --ジョンソンは復帰戦で1、2、3番を危なげなく抑えた  「まあそうやね、心配ない投球やったと思うし、まあまあ1回投げてね、これでまた落ち着くと思うし。まあ小野も良いし、球児もね、いつも通りやってくれているし。そういうところでいろんな幅が、できるような、中継ぎ以降のピッチャー陣になってきているんでね。まあきょうの、どう点取るかというところが、まあまあ課題かな」

◆悪夢じゃ~...。わが阪神投手陣は先発の高橋遥から藤川、ジョンソン、小野、岩崎、守屋、ドリスの計7人で強竜打線に許した安打は、高橋遥のわずか2本だけってのに負けるかァ!? 借金生活に突入するかァ!?  ドリスのサヨナラワイルドピッチに関して「まあ、こういうことはある投手だから別に腹も立ちまへん」と、怒りを放棄しちまっている俺自身に腹が立つー!!  ウ~ム...。得点圏に走者を進めた六回、八回、延長十回、十一回にあと一本さえ出ていれば...。結局、毎年恒例の『貧打』に悩まされるんだよなあ...。阪神の打者は若さゆえか、絞り球を決めてなく「あ、ストライクだから打たなきゃ、ボコッ!」のミスショットが目立つのだ。  じゃあ、どうしたらいい!? ヒントはスタンドにあり!! 好きな選手にメッセージを書いた応援ボードは、実に見やすい。あれを首脳陣が採用して「スライダーを狙え!!」や「アウトコースにヤマを張れ!!」とベンチから出したらええねん!! IT時代にアナログ野球、上等じゃねーか!!

◆「涙とともにパンを食べた者でなければ、人生の味はわからない」(ゲーテ)というじゃないですか、アハハッ、でもねぇ私は申し訳ないが、こんなに何度も(想定内の)貴重で情けない人生の体験と勉強をするために生まれてきたわけじゃないのです! なんですか...ナゴヤドームの夕方のアノ結末のみじめさは...いやというほど私は毎日某新聞社の編集局で、そして我が家の食卓で味わっているのであります。  それにしてはずいぶん長く、同じ"教訓"をつきつけられてきて煮え湯をのみ...もう私のノドはヤケドで真っ赤でございますぞ。  世界のあちこちから首脳が駆けつけて、それぞれがあれこれ"腹の探り合い"の大阪「G20」の騒々しさも終わって、我が浪速の街は「静寂」を取り戻したのですが...なにも、そこのナゴヤドームで戦っているチームもついでに申し合わせたように誰もが「シーッ、静かに! わかってるな...ヘタに動くな」という指令が出ていたわけじゃ断じてないのです!  試合前から編集委員上田雅昭と「おい、昨日(6月29日1-6で阪神●)のアノ試合は何じゃ。あんたに文句を言ってもはじまらんのやが...」といったら、「ま、そんなことで先輩、ストレスをかかえこまないことです。何年タイガースの試合を見てまんねん。心頭滅却すれば火もまた涼し...というやないですがな...」。あのなぁ上田よ、俺はサンスポで精神修行しとるんやないでぇ。モニターの向こうでは歯がボロボロになるような歯ぎしりの繰り返しやないか。アッアッまたクソボールに手をだして...肩が凝るヮ。  とにかく、本日は初めは楽しみでした。トラ番竹村岳は試合前に鳥谷敬選手に「あの少し遅くなりましたが...お誕生日(6月26日で38歳)おめでとうございます」とあいさつしたら、ニコッとされて「遅いッ! でも...ウフフそれにしても遅い...」と相好をくずしていたそうだ。だから竹村も私もひそかに「今日はキット鳥谷選手がヒーローになるかも...期待しよう」となったのでした。  当番デスクの澄田垂穂は「つい最近、息子(遼真・小5)とジョギングで5キロを走ったんです。もちろん僕が圧倒するはずでしたが、いやそれが最近、少年野球に入って体を鍛えているので、実は完敗でした。つまりムムッ知らぬ間に...と頼もしく思いましたョ」という。それだから久しぶりに「阪神も頼もしい野球をやってくれると思いますョ」と心ウキウキで臨んだのでありますが、まさかの悔しいサヨナラ負け。どれだけパパ澄田Dの心が打ちひしがれたことか...。  この日は、あまりにムシムシするので、仕方なく編集局の窓際でタイガースの戦いに集中していたら...0-0のまま延長に。周囲の雑音が聞こえてくるほど、ホンマに静かですがな。  高橋遥は、涙ぐましい力投で中日打線を沈黙させました。そして中日の柳も"1球入魂"のマウンドでした。これでアノ結末ですから...どこにこの涙をもっていけばいいのか。  誰が試合進行係で、中日に5連勝という炎をつけてしまったのか...もうそれを繰り返しても仕方ございません。  「浮世 夢の如し...」(人生はわずかな間の夢のようにはかない...)といったのは中国の詩人・李白です。また苦い酒を流し込むだけの"静寂"はとてもつらい。黙々と報われぬ力投をくりかえす投手陣の嗚咽が聞こえませんか!

◆延長十一回にドリスの暴投で今季初のサヨナラ勝ちを収め、連勝も最高の5に伸ばした。わずか2安打で勝った与田監督は「九回裏からずっとサヨナラさせてくれと心の中で祈っていた」と満面の笑み。十一回を無失点に抑えた4年目左腕の福は3年ぶりの白星。左肩に大けがを負って一時育成契約となり、引退を考えて職探しをしたほど。リハビリを経て昨季途中から支配下選手に復帰した27歳は「収穫もあるが、ボール球が多かったり反省材料もいっぱい」と気を引き締めた。

◆矢野監督が、近本に初めて代打を送った。0-0の延長十一回1死二塁。四回に中前打を放った以外は、3打席三振のルーキーに代打・原口を送った。  「点取らんと勝たれへんし。いけるところでは、やれることを、自分の中で現状一番点取れるということを選択してやったつもりだけど」  先発・柳がマウンドに立っていた八回まで、二塁を2度しか踏めず。「もう変えへんよ。1年目やもん。波があって当たり前」と、近本の不動の1番を明言しているが、7試合&33打席連続で長打もない状況に、断を下した。  一方で、出場3試合連続マルチ安打の高山。明大の1学年後輩にあたる柳に見せた意地だけが虎の一筋の光だが、指揮官は「良い投手でもやっぱり点を取って行かんとダメ。そういうところは課題としてある」と、奮起を促した。 四回に13打席ぶりの安打となる中前打を放つも、延長十一回に初の代打を送られた阪神・近本 「(安打は)先頭で出られたのが大きかった。(代打の悔しさは)そこはあまり考えていないです」 延長十一回1死二塁の場面で、近本に代打・原口を起用した意図について阪神・清水ヘッドコーチ 「(左対左だったことが理由かと問われ)それはそうですよ。(植田の中堅起用も)ああなったらもう全員でいくしかないので」

◆若き左腕が、しっかりと試合を作った。先発した高橋遥が6回2安打無失点の好投。チームに勝ちを呼び込めずとも、土俵際で踏ん張った。  「ここ何日か踏ん張り切れなかった。六回で降りたけど、今までだったらあそこで打たれていたので、ゼロで抑えられてよかったです」  五回を終えて1安打と文句なしのピッチング。最大のピンチは六回。先頭の柳に四球を与えると、さらに安打と四球が絡むなど1死満塁。ビシエドには鋭いライナーを浴びるも、中飛。高橋は投ゴロに仕留め、ここを切り抜けた。  前回20日の楽天戦(甲子園)では同点の七回に勝ち越し打を献上。13日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)でも0-0の七回、グラシアルに決勝3ランを浴び、踏ん張り切れなかった。矢野監督も「ずっと勝てるピッチングが続いている。勝たしてやらないとね、あのピッチングしてくれたらね」と頭を下げた。  「先頭に四球を出していなかったら、もっと長いイニングを投げられた。早い回で降りて、ふがいない」と高橋遥。6月につかめなかった今季2勝目は、これからきっとついてくる。 (竹村岳)

◆まさかの悪夢が最後に待っていた。ゼロばかりが並ぶ緊迫した投手戦の延長十一回。"ドリス劇場"でサヨナラ負けを喫してしまった。  「ボール、ストライクはこちらからはいえない。審判に従っていって。試合は動いているので。それしかいえない」  先頭の平田への低めのツーシームが、2球続けてボールと判定されると苦笑い。そのままストライクが入らず四球を与えてしまった。ビシエドに死球を与えるなど、2死一、三塁のピンチ。高橋に対して、2球で追い込んだ後の3球目。スプリットがホームベースの大きく手前でバウンド。慌ててベースカバーに入るも時すでに遅し。15日のオリックス戦(京セラ)以来の今季3敗目を喫した。  頼れるジョンソンが復帰し、盤石のリリーフ陣で反撃態勢が整った矢先だった。しかも被安打は、先発の高橋遥が許したわずか2本のみ。七回以降登板した6人の投手は安打を許さず、完璧と言っていいリレー。ジョンソン不在の間も守護神としてフル回転で支えてきた男だが、四球、死球、暴投と自滅。0-0からの暴投サヨナラ負けは、1986年4月23日のヤクルト戦(神宮)で巨人・サンチェがやって以来、セ・リーグ33年ぶりのことだった。  それでも矢野監督は「いや...どうしようもないでしょ、どうしようもないでしょ」と苦笑いを浮かべると、「しゃあないやん、勝負いってんねんから。どこに責任、そんなん言い出したらそんなん、なんぼでもあるよそんなもん」と責めることはなかった。  3連敗で、2位・広島と引き分けたDeNAと3位で並ばれた。リーグ2位タイの14セーブを誇るも、その守護神が崩れては、勝利の方程式自体が成り立たない。 (菊地峻太朗)

◆ずっと1軍にいたかのように、淡々と、冷静に任務をこなした。1番平田から始まる竜の上位打線を、帰ってきたジョンソンが圧巻の3人斬り。虎党にとって"当たり前"の光景が戻ってきた。高らかに復活宣言だ。  「やっとこの舞台に戻れてうれしいよ。気持ちよく投げられました。よりよい球をという意味では、(抹消前より球は)いい感じです」  まさかの延長サヨナラ負けのなか、貫禄すら漂わせる無失点投球は大きな収穫となった。6月4日のロッテ戦(ZOZOマリン)以来26日ぶりの1軍マウンドは、0-0の八回から。平田に高め直球を続けてファウルさせ、たった2球で2ストライクと追い込んで最後は伝家の宝刀パワーカーブで遊ゴロに打ちとった。  続く京田はこの日最速151キロ直球で右飛、大島には内角低めのパワーカーブでバットに空を斬らせ、13球で1回無安打無失点のパーフェクトな結果にまとめた。連続無失点試合を「9」に伸ばし、今季29試合に登板して防御率は0・61とした。  "応援団"にも吉報を届けた。5月上旬に両親が来日し、家族水入らずの時間は、神戸ビーフに舌鼓を打った。日本の話題にも花を咲かせ、「両親も日本が"ラブ"になったよ」と助っ人右腕もほほえんだ。  きっと両親も、復活登板に胸をなで下ろしたに違いない。蓄積疲労で7日に登録抹消されたが、鳴尾浜では若手投手へ持ち球を惜しみなく伝授した。タイガースファミリーのためにもひたむきに調整を続け、前日29日に出場選手登録。万全の状態でカムバックを果たした。  矢野監督も「心配ない投球やったと思うし、まあまあ1回投げてね、これでまた落ち着くと思うし」と目を細め、「来週からの試合もチームとして頑張ります」とジョンソンも前だけを見据えた。頼もしすぎる男がブルペン陣を引っ張り、リードも白星も守り抜く。 (新里公章) ジョンソンについて阪神・梅野 「しっかりやることをやってくれている。投げるだけじゃなくタイミングを外したり。助かっています」 ★ジョンソンの経過  ◆6月6日 ロッテ戦(ZOZOマリン)。3-2の八回に藤川が登板。最終的に4-3で勝利するも、ジョンソンは登板せず。矢野監督は「1年間長いので。きょうは休みと決めていた」と説明  ◆7日 初の登録抹消。蓄積疲労で2軍調整へ。  ◆9日 鳴尾浜の2軍本隊に合流  ◆21日 鳴尾浜で初のシート打撃に登板。小宮山を打席に立たせ、20球。安打性の当たりを許さなかった  ◆25日 ソフトバンク3軍との練習試合(鳴尾浜)の七回に登板し、3者連続三振と圧巻の投球。登録抹消後、初の実戦で万全をアピール  ◆26日 甲子園での1軍全体練習に合流  ◆29日 出場選手登録された

◆1番は高山! 阪神は中日に延長サヨナラ負け、3連敗で5月2日以来の借金生活に突入した。打線は交流戦後の2試合で、わずか計1得点。引き分けのDeNAに3位で並ばれた。阪神OBで楽天初代監督の田尾安志氏(65)=サンケイスポーツ専属評論家=は打撃不振のドラフト1位・近本光司外野手(24)=大阪ガス=にかわって、2安打を放つなど好調の高山俊外野手(26)の1番起用を緊急提言した。  野球は点を取らないと勝てない。相手先発が素晴らしかったとはいえ、リーグ戦再開後の2試合でわずか1点。対策を考える必要はある。  はっきりしているのは1番・近本の不振。バットが体から離れてしまうスイングになっており、形が悪く、当然ヒットの確率も悪くなる。2打席目の中前打は低めの球でちょうどバットの軌道に合ったから。この一打で復調気配とはいえない。  現役時代に1番を打った私は、1試合最低2度出塁、1度生還を目標に掲げて試合に臨んだ。毎試合は無理だが、これを果たしてようやく1番の仕事。それだけ1番打者がチームの浮沈を握っている。1番の出塁が落ちれば、一気に得点の確率も、勝利の確率も低くなる。  現状で近本の復調を待つのは厳しい。代わりに1番を任せられるのは、今、最も出塁を望める打者。となれば、調子を上げている高山以外に考えにくい。塁に出たときに、近本のような「足」はないが、チャンスメークを考えれば、近本よりも期待できる。長打もある。  「1番高山」と同時進行で、これからは監督さい配にも普段と違った"動き"が必要だ。たとえば0-0で迎えた六回1死三塁。高橋遥の打席では、1球はスクイズを試みてほしかった。高橋遥の打撃に期待するのは酷で、次打者の近本に託したのだろうか。それなら、大いに疑問。ただ、あの場面で好投していた高橋遥に、代打のさい配は有り得ない。だからこそ成功確率は低いかもしれないが高橋遥にスクイズはアリだった。  代打でいえば、八回2死二塁から代打・鳥谷。ここは原口だろう。今の阪神の切り札は原口なのだから。一番いい打者で勝負をかける場面だった。  その直前の1死一塁から木浪の送りバントも「?」。この日の木浪は打席内容は悪くなかった。1点勝負で得点圏に送るのはセオリーかもしれないが、チームの負けが込んでいるときは、思い切ったさい配が活路を開く。ムチャをしろ、と言ったら言い過ぎだが、大胆に動いて、選手ではなくベンチが責任を取るさい配を期待したい。  どこか冴えを感じない矢野さい配。勝てない苦しい状況は監督の腕の見せ所でもある。セオリーで窮屈になるより、"遊び心"を優先してもいい時だ。 (サンケイスポーツ専属評論家) ★明暗くっきり...  近本は第2打席の中前打が3試合&13打席ぶり安打。6月5日のロッテ戦(ZOZOマリン)での3安打を最後に18戦連続でマルチ安打がない。6月の月間打率は・179(95打数17安打)。6月頭に「・304」だった打率は「・264」まで降下した。一方、高山はこの日の2安打で、6月22日の西武戦(甲子園)から出場3試合連続マルチ安打。最近5試合(出場4試合)は打率・400(15打数6安打)と好調だ。

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
40301 0.571
(↑0.006)
-
(-)
72346
(+4)
284
(+3)
95
(-)
42
(-)
0.262
(↑0.001)
3.650
(↑0.01)
2
(-)
広島
38343 0.528
(-)
3
(↓0.5)
68300
(+2)
302
(+2)
71
(+1)
49
(-)
0.248
(↓0.001)
3.360
(↑0.03)
3
(1↑)
DeNA
35362 0.493
(-)
5.5
(↓0.5)
70293
(+2)
292
(+2)
86
(-)
23
(-)
0.246
(↓0.001)
3.680
(↑0.04)
3
(-)
阪神
35364 0.493
(↓0.007)
5.5
(↓1)
68291
(-)
309
(+1)
51
(-)
53
(+1)
0.249
(↓0.001)
3.440
(↑0.04)
5
(-)
中日
33390 0.458
(↑0.007)
8
(-)
71278
(+1)
282
(-)
44
(-)
39
(-)
0.257
(↓0.003)
3.820
(↑0.07)
6
(-)
ヤクルト
28462 0.378
(↓0.006)
14
(↓1)
67332
(+3)
398
(+4)
85
(+1)
27
(-)
0.238
(↑0.003)
4.730
(↑0.03)