広島(★2対4☆)ソフトバンク =交流戦2回戦(2019.06.08)・マツダスタジアム=
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ソフトバンク
01012000041000
広島
0011000002610
勝利投手:高橋 礼(6勝1敗0S)
(セーブ:モイネロ(0勝1敗2S))
敗戦投手:ジョンソン(5勝4敗0S)
  DAZN
◆ソフトバンクは1-1で迎えた4回表、釜元の適時打で勝ち越しに成功する。直後に同点とされるも、5回に内川聖一の適時二塁打などで2点を挙げ、再びリードを奪った。投げては、先発・高橋礼が7回2失点の好投で今季6勝目。敗れた広島は、打線が好機を生かしきれなかった。

◆ソフトバンクは2回2死三塁から高田の左前適時打で1点先制。広島は3回1死一、三塁から菊池涼の左犠飛で同点に追いついた。 ソフトバンクは4回、釜元の右前適時打で1点勝ち越し。追いつかれたが5回に内川の適時二塁打、松田宣の中犠飛で突き放した。 ソフトバンクは先発高橋礼が7回6安打2失点。8回から継投し、広島の反撃を封じた。交流戦は負けなしの5連勝となった。高橋礼は6勝目、ジョンソン4敗目。

◆広島菊池涼介内野手(29)が同点犠飛を放った。 0-1の3回1死一、三塁で、ソフトバンク先発高橋礼のストレートを左翼に高々と打ち上げた。 「思い切っていきました。最低限の仕事ができてよかったです」と話していたが、勝利に届かなかった。

◆広島は1カ月ぶりの3連敗となり、緒方孝市監督(50)は会見場に姿を見せなかった。 会見に応じないのは今季2度目で、広報を通し「また明日切り替えてしっかりやるだけです」とコメントを残した。 先発ジョンソンが5回4失点で4敗目。救援陣の踏ん張りが勝ちにつながらず、交流戦は1勝4敗で最下位と、一時の勢いが止まっている。

◆ソフトバンクが広島との接戦を制し、12球団唯一の交流戦全勝をキープした。今季3度目、最長タイの5連勝でがっちり首位固めに成功。チームの窮地を救ったのは「3番内川」だ。 前日7日から3番に入った内川聖一内野手(36)は、同点の5回1死二塁。広島ジョンソンのスライダーを左翼線に運ぶ技ありの一打で、決勝点をもたらした。「みんなが頑張って、あそこに立たせてもらった」。内川にとって今季2度目のV打だが、クリーンアップでは今季初だった。 試合前練習の時点では、主砲デスパイネが左翼で先発予定だった。だが守備練習による右肘の違和感などを考慮し、直前で先発を外れた。今宮も古傷の左太もも裏の状態を見て、2試合連続欠場。自律神経失調症から復帰して試合に出続けていた中村晃にも休養が与えられた。 この日の打線には開幕メンバーが内川、グラシアル、松田宣、甲斐しかいない苦しい状況。その中で、百戦錬磨の内川が主軸に座った。「1本しか出ていないけど、一番いいところで打てて良かった。(3番は)長く打たせてもらっていた打順だし、リズム感みたいなものはあった」と、本来の居場所で輝きを放った。 この日の安打で2092本目とし、現役通算安打1位の巨人阿部に2本差と迫った。9日にも頂点に立つ。「5連勝はしているけど、全員で1勝1勝、積み重ねながらの5連勝」と内川。安打を積み重ねてきた男が、チームの勝利も積み重ねていく。【山本大地】

◆ソフトバンク高橋礼投手が鯉料理でチームトップタイの6勝目を挙げた。 7回を6安打2失点も86球。連打は許さずテンポよくカープ打線を切った。「初球をどんどん振ってくる打者が多いので、四球で苦しむくらいなら真ん中をどんどん攻めようと思った」。直球を主体に投げ急がず「ゆっくり自分のテンポで投げた」と振り返った。交流戦初登板で初勝利。チームも5連勝と好調なだけに「雰囲気もいいし、結果を出せてよかった」と笑顔だった。

◆今宮に代わって2戦連続遊撃でスタメン出場したソフトバンク高田知季が先制打を含む今季初の猛打賞で気を吐いた。 2回2死三塁からジョンソンの148キロの直球を逆らわず左前に運ぶ先制タイムリー。4回にも左前打。8回には右腕一岡から右前打し、3安打逆方向へはじき返した。「昨日、スタメンで使ってもらっていて打てなかった。ボールに食らいついていきたいと思っていた。3本出てよかった」と、ホッとした表情だった。

◆ソフトバンク・モイネロ投手が今季2セーブ目を挙げた。 2点リードの9回をぴしゃりと抑え、3失点した前日のリベンジにも成功。「昨日はコントロールが課題だったけど、修正できた」と試合を締めた。抑えの森がここまで4連投していたため、この日は休養。 代役をしっかり務め「どこで投げるかはあまり意識していない。8回でも、9回でも、言われたところでしっかり投げたい」とクールに話した。

◆広島がソフトバンクに連敗して2カード連続負け越しが確定し、1カ月ぶりに3連敗となった。 5月は球団の月間勝利記録を塗り替える20勝4敗1分けの快進撃で首位固めに入ったが、交流戦は1勝4敗の最下位。2位巨人との2・5ゲーム差は変わらないが、一時の勢いが止まった。 ソフトバンク先発高橋礼を攻略できなかった。3回に菊池涼の左犠飛、4回に安部の右前適時打で2点を奪ったが、下手からの頭脳的な投球を捉えきれず、7回6安打で2点を取るのがやっと。前日7日は最速161キロの千賀に7回0封され、この日は変則右腕に抑えられた。東出打撃コーチは「高橋礼は(打力の高い)パ・リーグで防御率2点台の投手。あの2人を打てないと日本一になれない」と危機感を募らせた。 やりたい野球を相手にやられたことも、もどかしい。好投手を足で揺さぶりたかったが、明石、甲斐、川瀬に盗塁を決められ、甲斐にはセーフティーバントまで決められた。緒方監督は会見場に姿を見せず、広報を通し「また明日切り替えてしっかりやるだけです」とコメントを残した。会見に応じないのは今季2度目。悪くなった流れを、もう1度変えたい。【村野森】

◆広島先発のクリス・ジョンソン投手は自らの失策をきっかけに崩れた。2-2の5回、先頭打者の真砂の一塁線へのセーフティーバントを一塁へ悪送球。 これをきっかけに2点を勝ち越された。5回4失点で4敗目を喫し「いろんな要素があった中で流れを引き寄せられなかった」と振り返った。佐々岡投手コーチは「自分のエラーですからね。大事なところでああいうのが出た。防げるところ」と話した。

◆広島2番手の中村恭平投手が自己最速を更新する155キロを連発し、2回を無失点に抑えた。 今季初登板の4月12日DeNA戦で2失点した後、14戦連続で無失点に抑えている。防御率は0・93となった。無失点については「気にしていない。1人1人一生懸命投げていくだけ」と話し、球速については「球場の表示はたまに見ます。けっこう出ているな、という印象」と手応えを口にした。

◆プロ野球の交流戦も15年目となった。勝率1位が7度の実績を誇るホークスはこの日もきっちり広島に勝利し5連勝。昨秋の日本シリーズで宙に舞ったマツダスタジアムで今年も強さを見せつけた。 04年に起きた「球界再編問題」を機に、05年シーズンから交流戦はスタートした。36試合から24試合、そして今は半減の各チーム3試合ずつの18試合。極論と言われるかもしれないが「交流戦」ではなくシーズンを「12球団総当たり」の戦いにしてみてはどうだろうか。「それじゃ1リーグじゃない?」という声も聞こえて来そうだが、ちまちまと18試合やるよりも、よっぽどファンにとって楽しみが増えるのではないだろうか。いや、楽しみが増えるように工夫するのだ。 今はCS導入でリーグ3位までが「日本一」のチャンスがある。最下位に沈んだチームでも順位を3つ上げればAクラス入り。この状況で本当に両リーグのレベルアップは図られているのだろうか。総当たりにすれば当然1位から12位までの順位がつく。10位以下など屈辱的であろうが、それだけに「チーム強化」の努力も今まで以上に真剣に取り組むはずだ。 日本シリーズは、どうするのか、球宴は、セパの記録は...など克服すべき課題はあろう。球界のトップが知恵を絞れば課題も解決できるだろうし、それ以上に、新たな楽しみを、ファンに提供することができるはず。 15年前とはすっかり事情も変わった。「令和新時代」を迎えてプロ野球界も新たな取り組みにチャレンジしてみてはどうだろう。【ソフトバンク担当 佐竹英治】

◆ソフトバンク・高橋礼投手(23)が広島戦に先発して、チームトップタイの6勝目を挙げた。交流戦は自身初登板で白星。7回6安打2失点で広島打線を封じた。  「初球から振ってくる打者が多いけど、逆に初球で打ち取ることもできるので。四球で苦しむより、真ん中でも強い球で勝負したことで球数も少なくなったと思います」  一回を三者凡退で滑り出すと、ストライク先行の86球で投げきった。工藤監督は「(広島打線が)少しずつ合ってきたから」と降板の理由を説明したが、試合後の高橋礼に予想外の事態が待っていた。  報道陣に紛れ込んでいた守護神の森から突然の質問。「86球でしたけど、もっと投げたかったのでは」。不意を突かれた右腕は「最後までいくつもりでしたけど、リズムが悪くなってしまいました」と苦笑いで答えた。

◆交流戦初登板の高橋礼が、千賀に並ぶチームトップの6勝目(1敗)を挙げた。「初球から振る打者が多いけど、逆に初球で打ち取れる可能性もある。四球で苦しむよりも真ん中の強い球で勝負しました」。ストライク先行の86球で、7回6安打2失点。立ち上がりに失点した前回登板の反省から「初回にリズムをつくれるように」と、一回の三者凡退で波に乗った。 二回の先制打など今季初の3安打を放ったソフトバンク・高田 「きのう(7日)も(先発の)チャンスをもらって打てなかったので。何とか食らいついた結果、3本打てて良かった」

◆9カード連続勝ち越しと勢いに乗って突入したはずの交流戦で、2カード続けての負け越しスタートとなった。広島はソフトバンクに本拠地で連敗。これで昨季の日本シリーズから6連敗となり、よほど悔しかったのか緒方監督は記者会見場に姿を現さなかった。  「またあした、切り替えてしっかりやるだけ」  球団広報がコメントを代読した。昨季は1度だけだった会見拒否は、0-9で大敗した4月7日の阪神戦(マツダ)に続く2度目だ。  先発のジョンソンが2-2の五回に自らの失策から崩れるなど、5回8安打4失点(自責2)で降板。打線は下手投げの高橋礼に苦戦し、2点しか奪えなかった。  3連敗の急ブレーキ。緒方監督が見せた異例の行動がチームのカンフル剤になるか。 (柏村翔) 5回8安打4失点で4敗目を喫した広島・ジョンソン 「球自体は良かったと思う。審判の判定や、守備陣の乱れもあって、流れを引き寄せることができなかった」

◆ソフトバンクは8日、広島2回戦(マツダ)に4-2で逃げ切り、交流戦開幕からの連勝を「5」に伸ばした。内川聖一内野手(36)が、試合開始直前の打順変更で「3番・一塁」で先発出場し、2-2の五回に勝ち越し打を放つ活躍を見せた。3連敗の広島は、緒方孝市監督(50)が記者会見場に姿を見せなかった。  緊急事態を乗り越え、ソフトバンクが交流戦負けなしの5連勝を飾った。チームを救ったのは急遽(きゅうきょ)、3番で起用された内川だった。  「ここで何とかしないと、どうしようもないと思いました。1本しか打っていないけど、一番いいところで打ててよかった」  2-2の五回1死二塁、左翼線へ勝ち越しの適時二塁打を運び、ホッと息をついた。工藤監督が「あれで投手がガクッときて、2点目も取れた」とたたえた決勝打。この回で4連勝中と上り調子だったジョンソンをマウンドから引きずり下ろした。  球場入りした際、工藤監督は、DH制がない中でも、主砲のデスパイネを左翼で先発させる考えを示していた。しかし、ふたを開けてみれば本来4番を打つ助っ人は先発外。試合前のキャッチボールで右肘に張りを訴えて控えに回った。  メンバー交換の数十分前に打線を組み直し、当初は3番とみられたグラシアルを4番、代わる3番に今季は主に6、7番で起用されてきた内川を入れ、その36歳のベテランが期待に応えた。  本塁打と打点でチームトップの主砲をスタメンから欠き、今宮も昨季痛めた左太もも裏の状態を考慮し、2戦続けて欠場。苦しい状況の中、チームの連続試合本塁打は6で止まったが、自慢の一発攻勢がなくとも一丸でつなぎ、3本の適時打と犠飛で勝利をつかんだ。  交流戦は昨季の6連勝に続く見事なスタートダッシュ。セ・リーグ王者相手に日本シリーズから続く連勝を「6」に伸ばした。 (安藤理)

<交流戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
500 1.000
(-)
-
(-)
1327
(+4)
15
(+2)
12
(-)
7
(+3)
0.285
(↓0.002)
2.800
(↑0.2)
2
(2↑)
日本ハム
410 0.800
(↑0.05)
1
(-)
1323
(+10)
19
(+5)
4
(+2)
4
(-)
0.286
(↑0.017)
3.330
(↓0.41)
3
(2↑)
ORIX
310 0.750
(↑0.083)
1.5
(-)
1414
(+5)
9
(+4)
3
(+2)
1
(-)
0.292
(↓0.016)
2.250
(↓0.58)
4
(2↓)
西武
320 0.600
(↓0.15)
2
(↓1)
1324
(+3)
24
(+7)
7
(-)
7
(+3)
0.272
(↓0.016)
4.600
(↓0.68)
5
(2↓)
巨人
320 0.600
(↓0.15)
2
(↓1)
1316
(+5)
16
(+6)
8
(+3)
3
(+3)
0.260
(↑0.016)
3.270
(↓0.7)
6
(-)
阪神
230 0.400
(↓0.1)
3
(↓1)
1326
(+5)
24
(+10)
4
(+1)
6
(+1)
0.275
(↓0.004)
4.000
(↓1.5)
7
(3↑)
DeNA
230 0.400
(↑0.15)
3
(-)
1314
(+7)
18
(+3)
3
(+1)
1
(-)
0.267
(↑0.033)
3.560
(↑0.15)
8
(3↑)
ロッテ
230 0.400
(↑0.15)
3
(-)
1320
(+6)
28
(+5)
2
(+1)
4
(-)
0.249
(↑0.016)
5.200
(↑0.05)
9
(3↑)
楽天
230 0.400
(↑0.15)
3
(-)
1312
(+2)
21
(+1)
2
(-)
0
(-)
0.236
(↓0.014)
3.890
(↑0.74)
10
(3↓)
ヤクルト
130 0.250
(↓0.083)
3.5
(↓1)
1416
(+4)
15
(+5)
4
(+1)
3
(+1)
0.205
(↓0.02)
3.530
(↓0.49)
11
(3↓)
中日
140 0.200
(↓0.05)
4
(↓1)
1324
(+1)
22
(+2)
4
(-)
2
(+1)
0.241
(↓0.013)
4.710
(↑0.74)
12
(3↓)
広島
140 0.200
(↓0.05)
4
(↓1)
1320
(+2)
25
(+4)
4
(-)
2
(-)
0.198
(↓0.001)
3.910
(↑0.47)