阪神(★2対3☆)日本ハム =交流戦1回戦(2019.06.07)・阪神甲子園球場=
このエントリーをはてなブックマークに追加

 123456789
日本ハム
00010110031020
阪神
0000020002530
勝利投手:有原 航平(7勝2敗0S)
(セーブ:秋吉 亮(0勝1敗12S))
敗戦投手:西 勇輝(3勝5敗0S)
  DAZN
◆日本ハムが接戦を制した。日本ハムは4回表、清宮の犠飛で先制する。その後、同点となって迎えた7回には大田が犠飛を放ち、勝ち越しに成功した。投げては、先発・有原が6回2失点の好投で今季7勝目。一方の阪神は守備の乱れが失点につながり、痛い敗戦を喫した。

◆日本ハム大田泰示外野手(28)が阪神戦で本塁打を狙う。 同選手の阪神戦は巨人時代に35試合、日本ハム移籍後に6試合出場して本塁打は0本。阪神を除く11球団からは本塁打をマークしており、このカードで1発が出れば全球団本塁打達成となる。甲子園は通算20試合で46打数8安打、打率1割7分4厘と苦手にしているが、節目の本塁打はでるか。

◆日本ハムのドラフト1位、吉田輝星投手(18)が、準優勝した昨夏の甲子園以来となる聖地で1軍に合流した。 雨天によるコンディション不良で室内練習場での試合前練習となったが、練習前に三塁側ベンチからグラウンドへ出る場面もあった。 12日広島戦(札幌ドーム)でプロ初登板初先発が内定している右腕はまず、先輩らにあいさつ回り。「新しいチームに来たような、新鮮な気持ちで練習できました。先輩たちから『よろしく』とか声をかけてもらったので、頑張りたい」とやや緊張した面持ちで、体幹トレーニングやダッシュ、堀とのキャッチボールなどを行った。 5日後の1軍デビューへ向けては「ファームでやってきた(登板)間の過ごし方をやって、試合にはベストで臨みたい。全力で相手を抑えるピッチングが出来たら」と話した。

◆大腸がんから戦列復帰した阪神原口文仁捕手(27)が昨季10月10日DeNA戦以来、240日ぶりに1軍甲子園公式戦に出場した。1点を追う6回2死二、三塁で登場し、打席に入る前に右翼席に一礼。有原の暴投の間に同点とし、なおも2死三塁でフルカウントから空振り三振に倒れた。 昨年末に大病が発覚し、今年1月24日に大腸がんで手術を受ける意思を公表。6月4日に今季初めて出場選手登録され、その日の敵地ロッテ戦では代打で適時二塁打を放っていた。復帰戦直後には「自分のやるべきこと、目の前のことをしっかり準備して、結果を求めてやっていきたい」。千葉遠征を終えて聖地に降り立った。

◆不運が重なり、阪神西勇輝投手(28)が7回3失点(自責0)で5敗目を喫した。「味方のミスをカバーすることができず、悔しい投球となりました。梅野も懸命にリードしてくれましたが、勝ち越された状況でマウンドを降りてしまい悔しいです」。雨が降りしきる甲子園でガックリと肩を落とした。 Eランプがともる度に、甲子園はため息に包まれた。1度目は4回。3番近藤の二塁打をさばいた糸井の、セカンド糸原への送球が雨の影響で悪送球に。三進した走者を犠飛でかえされ、先制を許した。2度目は6回1死一塁。中田の打席で、初球は一塁ファウルフライに打ち取ったかと思われた。だが、マルテが落球。その後、中田には適時二塁打を浴びた。 極め付きは7回。降雨中断を挟んだ直後、ショート北條が難しい打球を逆シングルで好捕。だが、一塁送球がツーバウンドしてしまい、二進を許した。その後は大田の犠飛で3点目を献上。矢野監督は「グラウンド状況が悪い。それが全部エラーという形になって。それでも西は粘って、そういう姿勢をずっと見せてくれた。西には申し訳ない形になった」とかばった。 西は5月10日の中日戦を最後に約1カ月、勝ち星がない。全て5回以上で3点以内に抑え、先発として試合は作っている。この日の敗戦でチームは3位転落。次回こそはカード頭を任される右腕を救いたい。【真柴健】

◆両チーム先発投手が安定した立ち上がり。3回まで日本ハム有原は1安打、阪神西は2安打に抑える好投で、それぞれ無失点。 日本ハムは4回、清宮の中犠飛で先制し、6回に1点を追加。阪神は6回1死満塁から高山の一ゴロと有原の暴投で同点とした。 日本ハムは7回、大田の中犠飛で勝ち越し。阪神は3失策に加えて打線も4安打と沈黙し、交流戦2敗目。日本ハムは2連勝で有原7勝目、秋吉12セーブ目。阪神西は5敗目。

◆日本ハム有原航平投手が6回2失点で12球団トップの7勝目を挙げた。 雨の中、5回まではわずか2安打と好投。2点リードの6回、2連打と四球でピンチを招き、内野ゴロと暴投で同点に追いつかれたが、直後の7回に味方が勝ち越した。「甲子園では良い思い出がなかったので、勝てて良かった。勝ちを付けてもらったのは、すごくありがたい」と仲間に感謝した。

◆阪神藤原崇起オーナー(67=電鉄本社会長)の「全勝記録」がストップした。交流戦初観戦となった日本ハム戦に1点差で敗れた。 「残念ですね。こんな天気の中で観戦しに来ていただいたのに。また明日から頑張ってもらいましょう」。ここまで「9連勝」だったが2桁連勝とはならなかった。

◆日本ハム有原航平投手(26)が、6回を4安打2失点で、12球団トップの7勝目をマークした。 雨が降る中、5回までは、わずか2安打と相手打線を圧倒。6回に2連打と四球で無死満塁のピンチを招き、内野ゴロと暴投で同点に追いつかれたため、「四球も絡んで走者をためてしまったのが一番良くなかったと思うので、次はしっかり修正したい」と、試合後は反省を忘れなかった。 栗山監督は、高校球児を取材したキャスター時代の思い出で「忘れられない」のが、有原が広陵高3年の夏、暴投による1失点で散った姿だという。「甲子園ではいい思い出がなかった」と有原。同年のセンバツ準決勝でも、自らの悪送球を引き金に逆転負けを喫している。 「今まで甲子園で良い投球をしたことがなかったので、今日はもっと投げたかったけど、チームが勝ったので良かったです」。高校時代の苦い思い出を拭い去った右腕は「勝ちを付けてもらったのは、すごくありがたい」と、味方に感謝し「次はしっかり抑えて、チームに勝ちが付けられるよう頑張りたい」と次戦を見据えた。【中島宙恵】

◆日本ハム中田翔が、清宮に負けじと存在感を見せた。 清宮の先制犠飛で1点リードの6回、右前への適時二塁打で追加点を挙げた。外野の芝には水がたまる悪コンディションに「あれはラッキーヒットだよ。あれだけ水がたまっていたら外野は大変」。自らも1失策しただけに控えめだった。

◆日本ハム宮西尚生投手が地元・兵庫で初のヒーローインタビューを受けた。1点リードの7回に登板。3者連続三振で、付けいる隙を見せなかった。 インタビューには「阪神の広報が気を使ったんじゃないの? 」とニヤリ。「しっかり働かないといけない」と、観戦していた友人の前で快投を見せた。

◆聖地凱旋(がいせん)だ。日本ハム清宮幸太郎内野手(20)がプロ2年目で、初の甲子園で躍動した。7日、「日本生命セ・パ交流戦」の阪神1回戦に5番左翼でスタメン出場。4回1死三塁で、2試合連続打点となる先制の中犠飛。6回には左前打で"甲子園初安打"をマークした。2打数1安打1打点で途中交代も、2年ぶり聖地で存在感を放った。この日、ドラフト1位の吉田輝星投手(18)も1軍に初合流した。清宮が、甲子園に帰ってきた。1回2死一、二塁。プロ2年目で、聖地初打席に立った。西の初球、外角低めのチェンジアップ133キロをフルスイング。恐れることなく2球目もマン振りした。4球目を詰まらせ二ゴロも、球児さながらに一塁へ全力疾走。「小さい頃から来ていた甲子園でプレーするのは、やっぱり楽しいです。打っても守っていても楽しいです」。雨上がり、黒土のグラウンドを駆けた。 高揚感に包まれ、球場入りした。札幌から空路で約2時間の移動後、ナイターのハード日程。疲れを見せることなく、伊丹空港から移動バスの車窓に流れる景色に没頭した。「見えるかな? って」。甲子園を見つけようと、前のめりになった。早実3年のセンバツ以来で「懐かしいです。早く甲子園で、やりたいと思っていた」と心躍らせた。 うれしいゲストに、力をもらった。早実野球部の2学年上の先輩2人が、東京から応援に駆け付けた。清宮が1年の時、初めての甲子園で4強入りへと導いてくれた存在。練習後には甲子園をバックに記念撮影。思い出話に花を咲かせた。当時から成長した姿を見せたのが4回1死三塁の第2打席。初球134キロを、やや詰まらせたが先制の中犠飛とした。2試合連続打点で流れを引き寄せた。 6回には"甲子園初安打"を放ち、聖地を堪能した。今季初の左翼に就き「すごく全体も見渡せたので良かった。いい球場と、あらためて思った」と、かみしめた。2打数1安打1打点で途中交代も、2年ぶりの聖地の空気を胸いっぱいに吸い込んだ。「みんなが1度は目指した場所。存在感は、変わらない」。原点となった場所を、あらためて胸に留めた。【田中彩友美】

◆5試合連続安打を放っていた阪神近本光司は、5打数無安打だった。 7回の守備では1死一、三塁から2番大田の中飛を捕球したが、本塁返球が間に合わず、これが決勝点となった。「少し焦ってしまった。自分のリズムで投げられなかった」と振り返った。連続安打も止まり、打撃面について問われ「頑張ります」。気持ちを切り替えて、また快音を連ねてみせる。

◆6日ロッテ戦でプロ初セーブを挙げた阪神島本浩也が、9回から登板した。 「四球と長打を避けなきゃいけないところに打たれてしまった」と、先頭の清水に左越え二塁打を浴びると、続く西川に内野安打。無死一、三塁とピンチを招いたが「切り替えて0で抑えようとした」との言葉通り、追加点を許さなかった。

◆本拠地におかえり!大腸がんから再起した阪神原口文仁捕手(27)が1軍公式戦では昨季10月10日DeNA戦以来、240日ぶりに甲子園へ舞い戻った。 代打で三振に倒れるも気迫で暴投を誘い、一時同点を演出した。 雨上がりの聖地に響く「代打原口」のコール。黄色く染まった球場は、大歓声で包まれた。6回、1点に迫り、なおも2死二、三塁。初スイングは有原の2球目、148キロの直球にファウルで食らいついた。カウント2-2からの5球目、有原のフォークはワンバウンドで暴投となった。打席の原口は三塁走者大山に来れる!と手招きでジェスチャー。生還した大山とハイタッチで喜んだ。 だが、2死三塁となり、続くスライダーに空振り三振を喫した。「ああいう(好機で)使ってもらっている。結果を残さないと」と、悔しさをにじませたが、復活した背番号94には、惜しみない拍手と歓声が送られた。 復帰戦となった敵地ZOZOマリンでの4日ロッテ戦と同じく、この日も打席に入る前、右翼スタンドに一礼した。常にどんな時も謙虚な気持ちを忘れない男らしいシーンだった。 暑さが増した5月上旬の2軍鳴尾浜。午前練習を終え、選手を待つ若手記者に原口がサッと声をかけたことがあった。「暑いでしょう」の言葉とともに、冷たい飲み物を差し入れ。実戦復帰を目指し厳しい練習を積む中でも、周囲に心配りをする原口だけに、本拠での大歓声は心に染みたに違いない。 原口「(声援について)ほんとにすごくありがたい。自分でも聞こえていた。緊張感のある中でやれている幸せを感じている」。 矢野監督は原口の代打起用に「フミ(原口)は昨年もそうやし。大事なところでいくことがこれからも多くなっていくと思う」。次こそ、甲子園で快音を響かせてくれる。聖地に原口という希望が帰ってきた。【奥田隼人】

◆阪神-日本ハム戦が7日、甲子園球場で行われ、一回は両チームともに無得点。走者を出すも、エース同士が踏ん張る立ち上がりとなった。  阪神の先発は3勝を挙げている西。先頭の西川に中前打。その後1死一、二塁で打席には4番の中田。134キロの変化球で中飛に打ち取ると、続く清宮も二ゴロに仕留めて切り抜けた。  日本ハムの先発はリーグ最多の6勝を挙げている有原。1死から糸原が中前打、糸井が四球で一、二塁としたが大山が内角144キロのシュートに空振り三振。マルテも151キロ直球に手が出ず、見逃し三振に倒れた。

◆阪神・西勇輝投手(28)が7日の日本ハム戦(甲子園)で先発。四回1死三塁から、東京・早実高時代に通算111発を放った清宮幸太郎内野手(20)に甲子園初打点となる中犠飛を許した。  三回まで2安打1四球と安定した投球をみせていたが、四回だった。先頭の近藤の打球が右翼線を破ると、糸井から二塁・糸原への返球がハーフバウンドに。ボールをそらす間に、三塁まで進塁を許してしまった(記録は二塁打と糸井の失策)。4番の中田は捕邪飛に打ち取るも、続く清宮が弾き返した打球はセンターへ。飛距離十分の犠飛となり、日本ハムが先制した。

◆日本ハム・清宮幸太郎内野手(20)は7日、阪神戦(甲子園)の四回に1死三塁から先制の中犠飛を放ち、プロ入り後初めて"甲子園初打点"をマークした。  「5番・左翼」でスタメン出場。阪神先発の西勇輝投手(28)が投じたシュートをセンターへ弾き返した。清宮は早実高時代の3年春にセンバツ甲子園へ出場して以来の聖地だった。

◆阪神-日本ハム戦が7日、甲子園球場で行われ、六回に日本ハムが追加点をあげた。  1死から近藤が右前打で出塁すると、4番・中田の打球は右中間へ。これに右翼・糸井がスライディングキャッチを試みるもわずかに届かず。試合前の雨でたっぷり水を吸った芝生の影響で打球が止まり、一気に一走・近藤の生還を許した。  さらに続く清宮が初球から打ちにいくと、打球はふらふらと上がって遊撃後方にポトリ。怪物の聖地初安打で1死一、三塁と好機を広げられたが、石井は高めの直球で空振り三振。石川も三ゴロに仕留め、最少失点で切り抜けた。

◆阪神-日本ハム戦が7日、甲子園球場で行われ、阪神が六回に2点をもぎ取り、2-2の同点とした。  無死から糸井、大山の連打で反撃の口火を切ると、マルテが四球を選んで満塁。梅野が3球三振に終わるも、高山の一ゴロの間に三走・糸井が生還した。  続くD3位・木浪聖也内野手(ホンダ)の場面で、大腸がんから復活し4日のロッテ戦(ZOZOマリン)で適時二塁打を放った原口。その5球目が暴投となり三走・大山が生還。同点で七回へ突入した。

◆阪神-日本ハム戦が7日、甲子園球場で行われ、日本ハムが七回に1点を勝ち越し。この試合2度目のリードを奪った。  先頭の中島の打球は三遊間へ。この回から遊撃に入った北條が好捕し一塁に送球するも、ツーバウンドとなり一塁・マルテが捕球できず。ボールが転々とする間に、中島は二塁を陥れた(記録は内野安打と遊撃失策)。  その後1死二、三塁にまでこぎつけるも大田が中犠飛を放ち、勝ち越し。阪神の先発・西は7回を投げ自責0ながらも3失点。許した失点全てに失策が絡み、七回の打順で代打を出され降板した。

◆阪神は7日の日本ハム戦(甲子園)に2-3で敗れた。3つの失策がいずれも失点につながり、試合後のテレビインタビューで「西には申し訳ない形になった」と険しい表情で振り返った。  --九回にはあと一歩まで迫った  「そういうチャンスまで作ってくれたというのは、粘りというかね。選手みんなの気持ちを最後、そういう形で持っていってくれたかなと思います」  --有原の印象は  「もちろん、ここまでもいい結果を残していますしね。簡単には崩せないなという感じには見えましたね」  --失策が失点に直結した  「グラウンド状況が悪いんでね。それが全部エラーという形になってね。それでも西は粘ってというか、そういう姿をずっと見せてくれていたんでね。西には申し訳ない形になりましたね」  --試合前にはジョンソンが抹消された  「シーズンの中では起こり得るんでね。それは仕方ないんでね。いるメンバーでどうするかだと思います」  --日本ハムはどう感じた  「個人的には、レベルの高い選手がやっぱり多いんで。そういう風に感じました」  --明日に向けて  「こういう粘りの試合で見せられてるんでね。ほんとに紙一重のところまで来てるんでね。ウチらしい野球をやっていきます」

◆阪神の原口が大腸がんから復帰後初めて甲子園の1軍戦。0-2の六回に1点返し、なおも2死二、三塁で代打で登場した。暴投で同点となり、勝ち越しの期待が高まった中、空振り三振に倒れ「あの場面で一気に行けなかったのはもったいない」と唇をかんだ。  それでも、本拠地の大歓声に迎えられ「しっかり聞こえた。また甲子園の緊張感がある中でできて幸せ」と感慨深げ。「次はやり返せるように準備したい」と雪辱を期した。

◆日本ハムの宮西が3-2の七回から2番手で登板し、3者連続三振の快投で20ホールド目を挙げた。上本、近本、糸原を切れのあるスライダーなどで翻弄し「抑えられて良かった」と満足そうに話した。  4月に前人未到の300ホールドを達成した後も、浸ることなく記録を伸ばしている救援陣の柱だ。甲子園球場にも近い兵庫県尼崎市の市尼崎高から関学大に進んだサウスポーは「思い切って楽しんで投げた」と笑顔だった。

◆♪あ~ぁいやんなっちゃった~あ~ぁ驚いた、と、思わず昭和のウクレレ芸人、牧伸二師匠のフレーズを口ずさんじゃったよ...。  ハ~ア(ため息)、貧乏人っていうのは、やっぱり持ったことのないお金を身につけた悲しさっていうのが、あるんですかねェ?  わが阪神は、開幕前の大方の予想に反して、うれしい誤算の大健闘!! セ・リーグが"鬼門"としている交流戦の最初のカードのロッテにも勝ち越して、よもやの貯金「6」まできたと思ったら...。予期はしていたけど、やっぱり出たー!!(涙)  四回の糸井が悪送球、六回の打ち取ったファウルフライをマルテが落球。2-2の同点に追いついたその直後の七回、先頭の中島の打球を北條が一塁へ悪送球(記録は内野安打と送球エラー)。その全てが見事なまでに失点に結びついての散財負け...。しかも、そのエラーから四回に日本ハムのエリート・清宮くんが先制犠飛で輝くんだから、世をすねたオレなんてもう、ホント♪あ~ぁいやんなっちゃった~、になるよ(別に清宮くんに悪意はないよ)。おまけに泣きっ面にハチで、ジョンソンは登録抹消になるし...。とにかく、貧乏人野球で堅実に行くべし!!

◆能見は2-3の八回から2番手で登板。2死一、二塁のピンチを招くも中島を左飛に打ち取り無失点で切り抜けた。「ゼロで何とか勝てるチャンスを作るだけなので」と話し、足早にクラブハウスへと引き上げた。救援陣の中心だったジョンソンが登録抹消となった。今年40歳を迎えたベテラン左腕が、フル稼働でこのピンチに立ち向かう。

◆観戦日は9戦全勝だった藤原オーナー(電鉄本社会長)が、バックネット裏の貴賓席で、就任以降初めての敗戦を見届けた。10連勝とならず、「いやぁ、残念です」。それでも笑顔は絶やさず、「また、あした頑張ってくれるでしょう」。そして、雨模様の中、声援を送り続けたファンに対しても「ご声援、ありがとうございました」。神話はストップしたが、接戦を演じた虎ナインには満足そうだった。

◆眼光鋭く、どんな些細な動きも見逃さない。鳴尾浜球場で2軍を取材していた敏腕トラ番記者・新里公章が異変を伝えてきたのは午後2時過ぎだった。どうやら緊急で選手の1、2軍入れ替えがあるようです、と。  へぇよく気が付いたなぁ...。  「はい、(2軍遠征先の)淡路島行きのバスにすでに乗り込んでいた馬場クンが、突然、大慌てでバスから降りて寮に戻って、荷物を持って甲子園に向かいましたから」  なるほど、それは誰でも気が付くぞ(笑)。  ただ、馬場が昇格するのはいいとして、降格した相手が衝撃だった。  開幕からここまで、貯金を持って戦えているタイガース。誰もが認める原動力はセットアッパー、ジョンソンの存在だろう。その助っ人が突然、抹消に。甲子園に戻ってジョンソンの取材を任されたのも新里。で、抹消の理由は?  「リフレッシュだそうです」  はぁ? 長く野球記者をしてきたが、リフレッシュで抹消された投手はほとんど聞いたことがない。まあ理由は何でもいいけど、一日も早く、リフレッシュを終えて戻ってきてもらいたい。でなければ、ただでさえ、強いパ・リーグとの戦いが続く交流戦。不安は募るばかりだ。  特にこの日からの対戦相手は日本ハム。とびっきりしぶとい。必ず接戦になる。ということは、頼れるリリーバーは欠かせない。ジョンソン不在が最も影響を受けそうな相手だ。  甲子園の室内練習場。阪神ナインと入れ替わりに、その日本ハムがやってきた。おっ中田翔! あっ清宮! あれは吉田輝星...。高校野球の甲子園スターが次々とやってくる。別にスターが珍しいわけじゃないが、日本ハムナインは、なぜか、やたら、甲子園出場経験者が目立つ。「いいドラフトしてるなぁ」と改めて感じさせる光景だ。  案の定、清宮はプロでは甲子園初登場で、初安打も、初打点も。  ずっと昔から思い続けている。阪神タイガースこそが、高校時代に甲子園で活躍する選手を取ればいいのに。  試合前に戻る。甲子園のスターたちのさらに後方からやってきたのは金子。オリックスから北の大地のチームを選んだ男も、ここにはいる。軽く会釈。きょうの第2戦先発が金子だった。  「1日ずれていたら、西と金子の投げ合いだったんですね。僕が担当だった2014年。オリックスは優勝目前まで迫った。その時のエースが金子。沢村賞に輝きました。そして、もう1人のエースが西。師弟関係の2人が支えていた。その2人が、どちらもチームを変えて投げ合う光景を見たかったです」  キャップ大石豊佳が残念そうだった。いろんな楽しみ方がある。改めて思う。プロ野球は面白い。  この日、東海、関東地方などは「梅雨入り」。でも、関西はまだ...。なぜなのか。天気のことはわからないが、降ってはやむ。やんでは降るお天気。どう考えても梅雨でしょ。こんな天候でも駆け付けた4万人超のファンにためにも、勝って欲しかったが...。  西は踏ん張ったが、記録に残るミス、残らないミスが重なって、失点してしまい...。阪神がさらに上を目指すなら、西の登板日は絶対に勝たなければいけない。

◆D1位・近本光司外野手(大阪ガス)は5打数無安打で連続試合安打が「13」でストップ。自身が打ち立てた球団新人記録を更新することはできなかった。1点を追う九回2死二塁の好機で打席に入るも、中飛に倒れ最後の打者となってしまった。「頑張ります」とひと言。中堅の守備では七回1死二、三塁で大田の飛球は近本のもとへ。ホームへの送球は一塁側にそれ、決勝点を許した。「ランナー(中島)の足を考えると少し焦ってしまった。自分のリズムで投げられなかった」と反省した。

◆--あと一歩だった  矢野監督 「そういうチャンスまで作ってくれたというのは、粘りというかね。選手みんなの気持ちを最後、そういう形で持っていってくれたかなと思います」  --日本ハムはどう感じた  「個人的には、レベルの高い選手がやっぱり多いんで。そういう風に感じました」  --次戦に向けて  「こういう粘りの試合で見せられてるんでね。ほんとに紙一重のところまで来てるんでね。ウチらしい野球をやっていきます」  --有原から六回には集中打も  「んー、まあね。ランナーが出たり、追い込んだりすると明らかにギアが変わるっていうかね。そういうピッチャーってセ・リーグでもなかなか少ないと思うんだけどそういうふうにやれる、どの球種も勝負球になるし。バッターも的を絞るというか、そういうのもなかなか難しい投手だなと思った。ミスとか四球が絡んだにしても、そういうふうに終わるんじゃなく、あそこで追いつけたのは意味がある」

◆大山は0-2の六回無死一塁。有原の初球、高めのスライダーを捉えて中前打。攻めあぐねていた有原から好機を演出した。その後、四球と一ゴロで三塁まで進むと暴投で一時同点となるホームを踏んだ。「負けているので明日勝てるようがんばります」とチームの負けを悔やんだ。これで2日の広島戦(マツダ)から5試合連続安打。4番の打撃は上り調子だ。

◆2-2の同点に追い付かれた直後の七回、1死二、三塁で、大田が決勝の中犠飛。「しっかり最低限の仕事ができた。何とか点が取れてよかった。気持ちで打った」と胸を張った。九回無死の右翼守備では、高山の放った前方へのライナーをスライディングして好捕。攻守にわたって勝利に貢献した。

◆甲子園初登場で初安打、初打点だ! 日本ハム・清宮幸太郎内野手(20)が早実高3年春の選抜以来となる甲子園で、2打数1安打1打点と気を吐いた。  「すごくいい球場だと改めて思った。(高校時代に)みんなが一番を目指していた場所。存在感は変わりないですね」  四回1死三塁で阪神先発、西のチェンジアップを捉え、先制の中犠飛。2-0で迎えた六回1死二塁は左前打でチャンスを拡大した。遊撃後方に落ちるラッキーな"ポテンヒット"だが、強振したからこそ結果が出た。  早実初等部に在籍していた2006年、当時7歳の清宮少年は斎藤(日本ハム)と駒大苫小牧・田中(現ヤンキース)が投げ合った夏の甲子園決勝の再試合をスタンドで観戦。ラグビーに熱中していた怪物が、野球を選択した原点の場所だ。  早実高では2度の甲子園に出場。3年春(17年)の選抜2回戦で東海大福岡に敗退して以来、2年2カ月ぶりの凱旋(がいせん)だった。  高校時代とは違い、虎党一色のスタンドも「楽しかったです。全部アウェーでしたが。しっかり集中していました」と満喫した。チームは今季30勝で2位に浮上。久しぶりの聖地で、成長した姿を披露した。 (山口泰弘)

◆近付くたび何度も引き離されてきた。だが、今度の試練も、原口を甲子園から遠ざけることはできなかった。ずっと大好きで最高であり続けた場所に立っている。一礼。帰ってきた我が家で昨年10月10日のDeNA戦以来、240日ぶりの1軍戦だ。  「すごくありがたい声援をいただいて、自分でもしっかり聞こえましたし。こうして緊張感のあるゲームができているということをすごく、幸せに感じているので。結果を出せるようにというのが一番ですね」  1-2と1点差に迫った直後。六回2死二、三塁で代打をコールされ、見渡す限りが黄色く揺れた。原口コールの後は、「ここに立つために-」から始まる応援歌が360度から降ってきた。一段とギアを上げてくる有原と向き合う。ファウルにも大歓声が上がる。154キロも来た。必死でフルカウントまで持ち込んだ5球目が暴投となり、同点になった。2死三塁。あとは1本出すだけだったが、6球目の外角変化球で空振り三振。だが、ため息は一瞬で、すぐにカムバックをたたえる拍手が沸き上がった。  大腸がんの手術後初の甲子園帰還となった1日までのウエスタン・ソフトバンク2連戦後にも自身のツイッターで「甲子園球場は最高ですね!」とつぶやいていた。度重なるけが、育成契約となった期間も乗り越えてきただけに、1軍本拠地への思いは人一倍。昨季までも、練習前に時間があるとアルプススタンド最上段へ登り「本当にきれいな球場だなあ...」と、毎日見とれていた。  リハビリ中は、鳴尾浜から帰宅する時間にちょうど、甲子園で1軍がデーゲームを戦っていた。「いつも、球場の音を聞きながら信号待ちするんです」。あえて近くを通り、運転席の窓を開け、「最高の球場」へ戻る自分をイメージしてきた。  この夜は一本を出せなかった。それでも矢野監督は「大事なところでいくことが、これからも多くなっていくと思う」と期待する。あとは結果だと原口が知っている。  「結果がすべてなのでね。投手も頑張っている中で申し訳なかったですし、次に何とかやり返せるように準備したい」  この悔しい「本拠地開幕」も必ず次へつなげる。(長友孝輔) ★原口の経過  ◆1月24日 昨年末に受けた人間ドックで大腸がんが判明し、近日中に手術を受けることを自身のツイッターで公表  ◆同31日 「先日、無事に手術終えました」(ツイッターにて)  ◆2月6日 「先日、退院しました」(ツイッターにて)  ◆3月7日 鳴尾浜での2軍練習に合流。  ◆5月8日 ウエスタン・中日戦(鳴尾浜)で実戦復帰。八回、代打登場し、右飛  ◆6月2日 ウエスタン・ソフトバンク戦(丹波)で「4番・DH」で出場。三回に今季1号となる3ランを放ち、1軍昇格を決めた  ◆6月4日 交流戦開幕となるロッテ戦(ZOZOマリン)で九回代打登場。適時二塁打を放った

◆全てを背負いマウンドに立つエースとして、バックを救いたかった。西は7回8安打3失点で5敗目(3勝)も自責0。要所での守備のミスに言い訳することなく責任を被った。  「味方のミスをカバーすることができず、悔しい投球となりました。梅野も懸命にリードしてくれましたが、勝ち越された状況でマウンドを降りてしまい、悔しいです」  失点の全てに失策が絡んだ。それでも集中力を切らすことない。三回2死、二遊間の打球に横っ飛びで遊ゴロに仕留めてくれたD3位・木浪聖也内野手(ホンダ)や、ピンチでは球数をかけて懸命に丁寧にリードしてくれた梅野に対して...。バックにも前にも何度も声をかけ、全員で勝利を目指した。七回無死二塁となったところでは雨が降り、試合が一時中断。雨脚が弱まってくると、真っ先にベンチを出てきてキャッチボールをした。あらゆる面で最後までファイティングポーズをとっていたのが西だった。  5月10日の中日戦(甲子園)で3勝目を挙げて以来、4試合連続白星なし。それでも大崩れすることなく、懸命に勝利のため、腕を振っている。  七回までマウンドを託した矢野監督も「西に本当に申し訳ないというか」と一番に頭を下げた。「西はエラーした選手にも声を掛けながら、その後も投げる姿をね。俺らだったり、野手だったりっていうのが打って返すとか。そういう気持ちを持って臨んでいくことは大事」。右腕が一番勝ちたがっていることを知っているからこそ、信頼が揺らぐはずがない。次こそ、虎をかけて、西を勝たせたい。  防御率2・31はリーグ3位。11登板中9試合でクオリティ・スタート(6回自責3以下)と安定感は抜群だ。どれだけ援護がなくとも、西はチーム愛でマウンドに立つ。 (竹村岳)

◆エラー! エラー! エラー! 阪神は3失策すべてが失点につながり、日本ハムに惜敗。3位に転落した矢野燿大監督(50)は野手陣に「打って返せ」と檄を飛ばした。試合前にはセットアッパー、ピアース・ジョンソン投手(28)=前ジャイアンツ=が蓄積疲労のため、出場選手登録を抹消された。緊急事態を乗り越えろ!  聖地に降りつけた豪雨が、虎の"命"を奪った。田んぼのように浮いた水、ぬかるんだ土...。恨んでも恨んでも、3失策すべて失点につながっての3位転落は変えられない。矢野監督の歯車は狂いっぱなしだった。  「野手だったりっていうのが打って返すとか。次の(西の)登板だったり、そういう気持ちを持って臨んでいくということは大事。グラウンドがこういう(悪い)状況で、それがOKということにもならない」  ピンチを招けば招くほどギアを上げる日本ハム・有原に対し、六回、内野ゴロの間と暴投で2点をもぎとり、何とか追いついた。しかし、その流れをまた「E」で手放した。直後の七回の守り。先頭・中島のゴロを処理した代わったばかりの北條が一塁悪送球(記録は内野安打と失策)。二進を許し、最後は大田の犠飛で決勝点を許した。  北條は「結果的にそれで点が入ってしまった。もっと練習してチームに貢献できるように頑張ります」と前を向いたが、四回の糸井の二塁悪送球、六回のマルテの落球を含めて、これでチーム失策は52(12球団ワースト)。先発した西は7回3失点も自責0。いくら天然芝の甲子園を本拠地としているとはいえ、あまりにも、もったいない交流戦の本拠地開幕だ。  試合前、虎党が最も恐れていたことが起こった。ジョンソン、登録抹消-。新加入ながら開幕から16試合連続無失点を記録するなど、28試合で2勝0敗19ホールド、防御率0・64とフル回転で躍進を支えてきた。藤川、ドリスが同一試合で投げると8勝0敗1分けという不敗神話もあった。絶対的右腕が1軍戦線から離脱。幸いにも肘や肩などの故障ではなく、矢野監督は「ここで一旦ちょっと期間をとって、そこから帰ってきてくれる方がその後のことを考えるといいのかなという判断」と積極的休養であることを説明したが...。最短でも18日の楽天戦(倉敷)から復帰できる。つまり、この日を含めて1軍9試合以上をジョンソン抜きで戦わなければいけなくなった。

◆阪神は失策3。日本ハムは2。野球はミスをした方が負ける。その典型のような試合だった。  記録に残ったミスもだが、残らなかったミスも目についた。例えば勝ち越しを許した七回。先頭・中島の打球を遊撃・北條が一塁へ悪送球し、打者走者が二進した。記録は北條の失策。だが、ここは一塁・マルテが何が何でも後逸してはいけない場面だった。送球がそれた時点で一塁を離れてでもボールを止めなければならない。無死一塁と無死二塁では大違い。機転を利かせてほしかった。  先制された四回の守備もそう。近藤の右翼線二塁打のあと、糸井の悪送球(失策)で三進されたが、カットに入った糸原がきちんと捕球しないといけない。雨水を吸ったグラウンドで、ボールが普段とは違う跳ね方をすることを想定していないといけない。六回1死一塁、中田の打席でも、邪飛をマルテが落球(失策)しなければ...。野球の神様は、ミスを見逃してはくれない。  そんななか、投手陣はよく踏ん張った。特に先発・西の粘投は素晴らしかった。こういう投球を続けていけば、今後勝ち星はついてくるはずだ。(サンケイスポーツ専属評論家)

<交流戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
400 1.000
(-)
-
(-)
1423
(+6)
13
(+3)
12
(+2)
4
(-)
0.287
(↓0.011)
3.000
(-)
2
(2↑)
西武
310 0.750
(↑0.083)
1
(-)
1421
(+6)
17
(+2)
7
(+1)
4
(+1)
0.288
(↓0.003)
3.920
(↑0.58)
3
(2↑)
巨人
310 0.750
(↑0.083)
1
(-)
1411
(+4)
10
(+3)
5
(+1)
0
(-)
0.244
(↑0.006)
2.570
(↓0.15)
4
(2↑)
日本ハム
310 0.750
(↑0.083)
1
(-)
1413
(+3)
14
(+2)
2
(-)
4
(+1)
0.269
(↑0.019
2.920
(↑0.29)
5
(2↓)
ORIX
210 0.667
(-)
1.5
(↓0.5)
159
(-)
5
(-)
1
(-)
1
(-)
0.308
(-)
1.670
(-)
6
(4↓)
阪神
220 0.500
(↓0.167)
2
(↓1)
1421
(+2)
14
(+3)
3
(-)
5
(-)
0.279
(↓0.04)
2.500
(↑0.83)
7
(-)
ヤクルト
120 0.333
(-)
2.5
(↓0.5)
1512
(-)
10
(-)
3
(-)
2
(-)
0.225
(-)
3.040
(-)
8
(4↑)
中日
130 0.250
(↑0.25)
3
(-)
1423
(+13)
20
(+3)
4
(+1)
1
(+1)
0.254
(↑0.03)
5.450
(↑0.93)
9
(-)
広島
130 0.250
(↓0.083)
3
(↓1)
1418
(+3)
21
(+6)
4
(+1)
2
(+1)
0.199
(↓0.003)
4.380
(↓0.52)
10
(-)
DeNA
130 0.250
(↓0.083)
3
(↓1)
147
(+2)
15
(+6)
2
(-)
1
(-)
0.234
(↓0.039)
3.710
(↓0.83)
11
(-)
ロッテ
130 0.250
(↓0.083)
3
(↓1)
1414
(+3)
23
(+4)
1
(-)
4
(+3)
0.233
(↑0.023)
5.250
(↑0.21)
12
(4↓)
楽天
130 0.250
(↓0.083)
3
(↓1)
1410
(+3)
20
(+13)
2
(-)
0
(-)
0.250
(↑0.024)
4.630
(↓2.3)