ロッテ(☆5対4★)阪神 =交流戦2回戦(2019.06.05)・ZOZOマリンスタジアム=
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阪神
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ロッテ
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勝利投手:岩下 大輝(2勝1敗0S)
(セーブ:益田 直也(2勝3敗11S))
敗戦投手:青柳 晃洋(4勝4敗0S)

本塁打
【ロッテ】井上 晴哉(11号・3回裏2ラン)

  DAZN
◆ロッテは1点ビハインドで迎えた2回裏、吉田の適時打などで2点を挙げ、逆転に成功する。続く3回には、井上の2ランが飛び出しリードを広げた。投げては、先発・岩下が5回3失点で今季2勝目。敗れた阪神は、9回に一打同点の好機をつくるも及ばなかった。

◆阪神が糸原健斗内野手、糸井嘉男外野手の連続適時打で反撃を開始した。3点を追う4回2死一、二塁で2番糸原が左前に落とすタイムリー。 なおも2死一、三塁で3番糸井が痛烈な右前適時打を決め、1点差に迫った。

◆阪神が2回に押し出し死球で先制。その裏、ロッテが吉田の適時打などで2点を奪い逆転。3回には井上が11号2ランを放った。 阪神は4回、糸原、糸井の適時打で2点。ロッテが5回、レアードの二塁打で1点加えると、阪神も6回に1点を返し再び1点差。

◆本塁打を2年連続の2ケタに乗せたロッテ井上晴哉内野手が、11号2ランを放った。 1点リードの3回無死一塁。追い込まれてから、阪神青柳のスライダーを仕留めた。打球は大きな弧を描いて左翼席中段へ。「まだスライダー見てないなと思ってたら来た。今日は"当たり日"なんだと思う」。 前後の打席で2死球を受けたこともジョークを交え、大きな懐で受け止めた。6月に入って4戦3発。「梅雨入りも近いですけど、バットを湿らせることなく前に進みたい」と頼もしかった。

◆リベンジならず...。阪神青柳晃洋投手(25)は守備陣の拙守連発にも泣き、121球の熱投実らず4敗目。 自己最多の5勝はならなかった。7回を7安打4四死球で5失点(自責4)。「なんとか粘って最低限イニングを多く投げることはできましたが、味方に先制してもらった直後に逆転を許してしまうなど、攻撃のリズムを作るような投球ができなかった」と反省した。 不運もあった。1点リードの2回は遊撃木浪のまずい守備が記録上2安打になり、さらには適時失策も絡んで2失点。5回には5番レアードに許した適時二塁打も、左翼手江越がやや目測を誤ったようにも見えた。それでも「普段守ってもらっている。自分がエラーしても誰も責めないでくれていますから」と力を込め、「1発がある球場で打たれた。そこが反省点」と責任を背負い込んだ。 痛恨だったのは3回の2ラン被弾。無死一塁でカウント1-2から、4番井上に甘く入ったスライダーを左翼席中段まで運ばれた。「ボールが曲がらなかった。腕の振りが甘かったのか、風の影響なのかは分かりませんが」。プロ1年目だった16年は6月8日ロッテ戦で5回途中6失点と打ち込まれ、プロ初黒星を喫していた。今回も土をつけられ、悔しさが残った。【佐井陽介】

◆大腸がんから復活した阪神原口文仁捕手の復帰2打席目は三振に終わった。1点を追う5回1死一、三塁の好機に代打で登場。初球からフルスイングを見せるも、追い込まれてから岩下のフォークにバットが空を切った。 「何とかことを起こさないといけないことは分かっていたのですが...」と悔やんだ。2試合連続タイムリーとはならなかったが、4日と変わらずの大歓声が背番号94に送られた。

◆阪神大山悠輔内野手が意地の3試合連続のタイムリーを放った。 初回、4回とともに得点圏で打席が回ってきたが、凡退。6回1死一、三塁で左腕チェンの直球を左前へはじき返した。1点差に迫る3試合連続タイムリーとはなったが、4番にもう1本が出ていれば...という惜しい接戦を落とした。

◆阪神が遊撃手木浪の拙守などで接戦を落とし、交流戦2連勝を逃した。試合後の矢野燿大監督の談話は以下の通り。-植田は走塁死の直前には二盗を決めていた いや、スゴイよ。あれが海の良さやし、あそこで走るのは勇気がいる。最後はああいう形になったけど、それは俺の責任の中やから。よくやってくれた。 -先発青柳は守備ミスのなかで踏ん張った 最後、球数が増えていったなかで、どうしようかなと思ったけど粘ってくれたから、こういう試合になった。青柳らしさが点差よりはあったんじゃないかな。 -2回に木浪が守備ミスを連発。積極的だったが 積極的というか、まだここからやん。それをどうとらえてアイツが今後どうするか。誰もが通る道じゃないかな。

◆セ・リーグ新人最多安打更新ペースだ!阪神近本光司外野手(24)が、プロ初の2試合連続の猛打賞で一矢報いた。 交流戦開幕から2戦計6安打は12球団単独トップ。1番に座るルーキーが、パ・リーグ相手にもプレッシャーをかけ続けた。 2点を追う6回、近本はチェンの初球をバットに当てた。打球は三塁線で大きくはずみ、三塁手レアードが送球すらできない完璧なセーフティーバント。ここから1死一、三塁とし大山の左前適時打で生還。「得点にからめて自分の仕事が出来たのは良かったと思う」。巧みな小技で試合を動かした。 「タイミングとか少しずれても行くと思っていた」。初回は初対戦だった岩下の初球、148キロ直球を迷わず振り抜き中前打。2四球を選び3打数3安打と全打席で出塁し、これで通算7度目の猛打賞だ。ここまで計71安打。ハイペースで量産し、このまま行けばシーズン178安打ペース。セ・リーグの新人最多安打は58年長嶋茂雄(巨人)の153安打を大幅に上回る勢いで、プロ野球新人最多となる56年佐々木信也(高橋)の180安打も視野に入ってくる。 甲子園のベンチを見ると、近本は矢野監督の近くにいることが多い。戦況を見つめ打席が終われば、ノートにデータを記す。清水ヘッドコーチは、その姿を前向きにとらえる。「偶然かもしれないけど、いいことだと思う。星野(仙一)さんの時も、若い選手は監督の周りに行けというのがあった。監督の考えとかを聞けるし、いいと思う。特にキャッチャー出身の監督は、配球とかもつぶやくから勉強になると思う」。活躍を続けても、謙虚な姿勢は変わらない。 矢野監督は「ずっと近本らしくやっている。セーフティーもうまく決めている。1番としてやれることは十分にやってくれている」とすでに欠かせない存在。まだまだ安打を量産しそうだ。【磯綾乃】

◆阪神糸井嘉男外野手が2試合連続のタイムリーだ。4回2死一、三塁で岩下の変化球を引っ張り、右前へ運んだ。糸原のタイムリーに続く初球攻撃で、1点差に迫る2者連続タイムリーとした。 交流戦に入ってDHでの起用。一時はコンディション不良などで出場機会を減らす時期もあったが、打撃専念で調子を上げている。

◆阪神糸原健斗内野手が10試合ぶりのタイムリーを放った。 3点を追う4回2死一、二塁で岩下の144キロ直球を左翼前に落とした。打点は5試合ぶり、タイムリーは5月23日ヤクルト戦(甲子園)以来だ。2回2死満塁では押し出し死球を受けて、この日2打点。守備でも一、二塁間への打球を好捕し、守備も光った。

◆矢野阪神が5日、攻めの采配が不発に終わり、交流戦2連勝を逃した。「日本生命セ・パ交流戦」のロッテ戦で1点を追う9回1死三塁で高山の左翼ライナーに走者植田が飛び出し、まさかの併殺プレーでゲームセット。この裏には矢野燿大監督(50)のギャンブルとも言える策があった。中盤まで守備の乱れで、劣勢の展開を招くなど、接戦をモノにできなかった。勝負師が繰り出した「大ばくち」は不発に終わった。1点を追う9回、守護神益田を攻めて1死三塁。走者は俊足の植田だ。カウント2-1で矢野監督が動く。高山が打った瞬間、植田が猛然とスタート。だが、強烈なライナーを左翼手清田がダイブ捕球...。植田はすでに本塁に達していた。もう戻れない。ダブルプレーで万事休した。 指揮官はさばさばした表情で言う。「俺がそういうサインを出している。別に(植田)海を責めることはない。俺が走らせて打たせてライナーゲッツーになっているから。俺の責任やから仕方がない。最後の(高山)俊もああいう形でしっかり打ってくれている」。打った瞬間にギャンブルスタートする「当たりゴー」のサイン。何が何でも1点奪うつもりだった。指揮官は最後まで、攻めダルマを貫き、前のめりに倒れた。 明日への糧にすべき黒星だろう。遊撃木浪にとって猛省の夜になった。前日4日、大腸がんから復帰した原口の劇的な一打に沸いた好ムードは1点先制直後の2回裏に暗転した。無死一塁で菅野の詰まった併殺コースのゴロをファンブル。内野安打になったが走者を残し、吉田の打球は三遊間へのショートバウンドだ。難しいゴロを捕れず、左前への同点適時打になった。 なお一、三塁。今度は荻野のゴロを捕球ミス。痛恨失策で勝ち越された。指揮官は「みんな通る道。遊撃というポジションは捕手と同じで、守備で信頼されるようになるためのステップやから」と振り返った。1点差の5回2死一塁ではZOZOマリン名物の強風に惑わされた。レアードの大飛球。左翼手江越が目測を誤って、打球はフェンス直撃...。上空は左翼から一塁方向に風速5~6メートルの風が絶えず吹いた。逆風で押し戻された白球を捕れず、痛恨の加点適時打を許した。 打線は11安打の執念を見せ、投手陣も踏ん張った。矢野監督も「やることはやった。攻めて。みんな(気持ちが)引いたプレーはしていない」と言う。ただ守備にミスが相次ぎ、勝機が逃げた。チーム失策49個はリーグワーストだ。堅守なくして、上位で戦えない。2連勝で止まり、今季最多の貯金7はならず。健闘しても、またも課題が浮き彫りになった。【酒井俊作】

◆阪神は5日のロッテ戦(ZOZOマリン)で二回2死満塁から糸原の押し出し死球で先制した。  二回、先頭梅野が四球を選んで出塁。2死後、木浪の右前打と近本の四球で満塁の好機をつくると、糸原が死球を受けて1点を先取した。阪神はこれで2日の広島戦(マツダ)から3試合連続で先制に成功となった。

◆阪神・青柳晃洋投手(24)が5日のロッテ戦(ZOZOマリン)に先発。1-2の三回無死一塁で4番井上に左翼へ11号2ランを被弾した。  味方が二回に1点を先制したが、その裏に木浪の適時失策などで1-2と逆転を許した。さらに点差を広げられたのが三回。先頭清田に四球を与えると、続く井上にやられた。  カウント1-2からの4球目。外角低め120キロをガツンといかれた。打球は高々と舞い上がり、左翼席へ。主砲に手痛い一発を浴び、1-4と突き放された。

◆阪神・糸原健斗内野手(26)が5日のロッテ戦(ZOZOマリン)の四回2死一、二塁で反撃の左前適時打を放った。  3点差に突き放されて迎えた四回。2死一、二塁で打席に入ると、初球の外角144キロを鋭いスイングで振り抜いた。打球は左前で弾み、二走・高山が生還。2-4と迫る適時打になった。  さらに続く糸井も、2死一、三塁から初球を振り抜き右前適時打。3-4と猛追した。

◆阪神ファンで真っ黄色に染まった左翼スタンドが、静まりかえった。ロッテの4番・井上晴哉内野手(29)が5日、阪神2回戦(ZOZOマリン)で2試合ぶりとなる11号2ランを、左翼席中段へとたたきこんだ。  「(先発の)岩下が粘って投げていたので、早く追加点を取ってあげたいと思っていた」  1点リードの三回、先頭の清田が四球で出塁し、迎えた第2打席。カウント1-2からの5球目、甘く入った変化球を完璧に捉えた。  対右打者の被打率が低い阪神先発の変則右腕、青柳に対してこの日は菅野、平沢ら左打者がスタメンに起用されたが、不動の4番はお構いなしとばかりに豪快なアーチをかけた。  開幕4番を任された今季だったが、そこから7試合で打率・043(23打数1安打)、1打点0本塁打と大不振に陥り、4月6日に2軍落ちした。それでも、同23日の再昇格以降は持ち前のパワフルな打棒が復活。自己最多の24本塁打をマークした昨季より14試合早く2桁本塁打に到達するなど、現役日本選手最重量114キロの主砲がアーチを量産している。

◆ロッテの4番井上が2-1の三回、左翼席へ11号2点本塁打を放った。無死一塁で1ボール2ストライクから、青柳の甘く入ってきたスライダーを捉えた。滞空時間の長い一発を「(先発の)岩下が粘って投げていたので、早く追加点を取ってあげたいと思っていた」と喜んだ。  開幕直後に不振で2軍落ちを経験し「あまり気負い過ぎると、前のように自分を見失う」と語るが、本来の打棒が戻りつつある。6月に入って早くも3本目のアーチ。交流戦で量産したいところだ。

◆阪神のD1位・近本光司外野手(24)=大阪ガス=が5日のロッテ戦(ZOZOマリン)で今季23度目のマルチ安打を記録した。  一回先頭で初球を中前打とすると、六回には持ち味の快足を存分に発揮した。代わったばかりの2番手・チェンの初球をセーフティバント。三塁線に絶妙に転がし、バント安打をもぎ取った。  マルチ安打は2日の広島戦(マツダ)から3試合連続。通算安打も驚異の「70」に乗せた。

◆大腸がんから復帰した阪神・原口文仁捕手(27)が5日のロッテ戦(ZOZOマリン)の五回1死一、三塁で代打で登場。一打同点の好機だったが、空振り三振に倒れた。  原口は前日4日に1軍に昇格し、九回に代打で出場。復帰後初適時打を放っていた。

◆ロッテの先発岩下は6四死球と制球に苦しみながらも、5回を3失点と粘りの投球を見せた。五回は1死一、三塁のピンチを招いても代打原口を空振り三振、木浪を右飛に打ち取った。「野手の方のリズムをつくれなかった」と反省したが、先発として最低限の仕事は果たした。  打線の援護が少なかったり、救援陣が打ち込まれたりして、勝ち星は伸びていないものの、防御率2・74は立派な数字だ。登板翌日に吉井投手コーチと行う「振り返り」が安定の一番の要因。岩下は「良かった点や反省点を話すことで自分の課題が明確になり、大崩れしなくなった」と成長を実感している。

◆阪神は5日、ロッテ戦(ZOZOマリン)に4-5で敗れた。  二回に糸原の押し出し死球で先制したが、先発の青柳が踏ん張れない。その裏に味方の失策も絡んで勝ち越されると、三回には井上に2ランを浴びて1-4。四回に糸原と糸井の適時打で3-4と1点差に迫ったが、五回にレアードに適時二塁打を許して再び2点差とされた。  阪神は六回に大山の適時打で再び1点差としたが、何度も得点のチャンスを作りながらも、あと1本が出ない。連勝は「2」で止まった。

◆奮闘が光る阪神の1番打者、ルーキー近本が3安打2四球と5打席全てで出塁。2得点をマークし「仕事はできたと思う」と汗を拭った。  先頭打者の六回には「タイミングが少しずれても行くと決めていた」と三前にバント安打を決めた。安打量産で打率は3割2分1厘。矢野監督は「ずっと近本らしくやっている。十分やってくれている」と褒めた。 植田(九回に三塁を飛び出し、併殺となり) 「サインのプレーです」 木浪(遊撃守備でミス) 「本当に迷惑をかけたので、あしたやり返す機会があれば、やり返したい」 原口(五回1死一、三塁で代打出場したが、空振り三振) 「何かを起こさないといけなかった。悔しい」 矢野監督(木浪に) 「まだここから。通り道やし、あいつがどう捉えていくか」

◆これを大胆とみるのか、余裕と受け取るのか、それとも強気と考えるべきなのか。とにかくまるでZOZOマリンの独特の風の気まぐれよりはまだ分析可能のカテゴリー(範囲)に入る。  試合前にトラ番キャップ大石豊佳が少しトーンの高い声で「今日はスタメンに荒木郁也内野手を矢野監督は入れます。え、ま...去年は一度も1軍には出ていないんですが2軍で矢野さんのもとでしごかれた選手です。31歳ですからもちろん練習でも目立ってました。ピリピリ感...注目してください」という報告。  それはどんな含みがあるのだろう...最近の若いタイガースにもう一丁カンフル剤として2軍で頑張っていたベテランを投入したのだろうか。  コレって"星野流"なのか...野心満々の若い星野仙一が中日の監督に39歳でデビューしたのは32年前だ。その頃から彼の大向こうを唸らせるギャンブル勝負はみてきたが...それほどのものでもない。でも...この矢野流の動きと新鮮さはちょっとウレシイのだ。  荒木は登録は内野手だがいきなりレフトでスタメンである。  なんでそんなことにワクワクするのか...といえば実はこのところ阪神の指揮官は我々をエッといわせるしゃれっ気がなかった。そんな余裕はまるでないのだ。  この日の当番デスクは白石大地で、彼は名前は「大地」だがハートは角地? でやさしい。だから「もうそろそろ僕の当番だからどんな試合になるのやら...」としきりに気にしていた。そこに記者席の司令塔が「大石」で名前が豊佳(ゆたか)で彼は昨年の今頃はW杯の取材で海外を飛び回っていたから結構図太い。そのストーンコンビがスタートしていきなり二回に先手を取った。タッタ1点とはいえ...ウヒョゥゥ! と気勢があがる。  実はこの1年前6月5日には交流戦7戦目(対オリックス)で、いわゆる交流戦突入してからの勝敗は●●●●○●●と散々。この5日の敗戦でついに『交流戦最下位』に落ちている。当時の金本監督は「何やってるんか...」と嘆いた。結局は11位に終わって指揮官の野望は空転するのみだった。  まずは同点、とにかく1点という金本監督の執念は、雨粒が重たくぬらした甲子園の土の上ではかなく散った...。過去最悪ペースの交流戦は1勝6敗発進だ...。長友孝輔の記事はその切なさを鋭くついていたのだ。  それが1年後の同じこの6月5日にはまだスタートしたばかりとはいえ全然チームの空気は違っていた。矢野監督の右手を大きくつきあげる"若さ爆発"のムード作りは着々と浸透してきた。  前夜の原口の胸キュンの"復活長打"の再現は残念ながらならず。五回のチャンスに代打原口が大歓声にむかえられて登場...だが三振。しかしそれでもロッテファンからも声援が送られて...まだ我々の心に清涼感を残していたのである。  しかし...二回裏に阪神は若さがモロにのぞいて...残念ながら木浪の守りのパントマイムが続いて2失点がだんだん重くなる。気落ちした青柳のちょうど50球目のスライダーを三回、井上が2ラン。阪神はすぐ四回にコツコツと足で追撃して1点差とにじり寄る。今年の"あきらめない阪神"はあきらかに昨年の交流戦のような煮詰まった感がほとんど無い...。見事に矢野監督の体質改善策は着実に浸透してきている。  それにしても...あえてゼイタクをいわせて貰うと...あとはもっと精密な野球をやってもらいたいのだ。じゃないと酒の量がふえる。肝臓の心配をしなくてもいいゲームを願いたい。  え、わがままいうなってか。虎党の皆様、昨年の今頃はこんな図々しいゼイタクを誰が口にしてましたか...。それにしても...だ。

◆ハ~ア、試合は長げ~わ、阪神は負けるわ、ミスの大バーゲンはあるわ...あきらめきれねー!! いや、若虎が思い切ってプレーした上でのミスは将来のために目をつぶるのは大賛成なのだ!!  ただし、叱るべきところはキッチリと叱っておかないと、一向に1軍選手だけどレギュラーになれない『ベンチ引きこもり』が阪神に増え過ぎている。  九回1死三塁から高山のレフト前同点打と思った当たりを、清田がファインプレーをしたのは敵ながらアッパレだけど、走者の植田、何で飛び出してゲームセットのゲッツーを食らう!! サインとはいえ...。落ちてからでもホームインできるやろ...。  二回、新人とはいえショートへの打球をことごとくアウトにできなかった木浪!! 最近の公式記録員は打者も野手も傷つけないように優しいからエラー1つだけど昔なら3つ付いていたかんね!! 五回のレアードの打球を小学生のようなミスでタイムリーツーベースにした江越もヒデ~!! 他球団で力はあるのに使ってもらえず、引きこもりとみられている選手、阪神へいらっしゃい~!!

◆今季から入団したロッテの中臺打撃投手は、独立リーグでプレーしていた2017年に阪神の春季キャンプの手伝いとして、打撃投手を務めた。最終日に名前を呼ばれ「これからお互い頑張ろう」と握手でねぎらってくれたのが、原口だった。前日4日の1軍復帰戦は多くの報道陣に囲まれていて声をかけられなかったが、この日、2年前と同じように握手。「本当にいい人」と感激しきりだった。

◆--最後はゲッツーで終わった  矢野監督「いやいや、俺がそういう(バットに当たれば本塁に突っ込む)サイン出してるんでね。海(植田)を責めることはないし。俺がそういう指示を出してるので」  --あと一歩だった  「やることやったんじゃないの。攻めて、みんながそういう引いたプレーしてないと思うし」  --植田は九回に二盗を決めた  「すごいよ。あそこで走るのは勇気もいるしね。最後はああいう形になったけど、俺の責任の中やから、よくやってくれたかなと思う」  --青柳は踏ん張った  「球数が増えた中でどうしようかなと思ったけど、粘ってくれたからこういう試合になったと思うし。青柳らしさっていうのは点差よりはあったかなと思う」  --二回の木浪の守備は積極的にいった中で  「積極的というか、まだこっからやん。それをあいつがどうとらえて今後ね、ショートっていうポジションはキャッチャーと同じような感じで守備で信頼されるような形に持って行くためのステップやから。誰もが通る道なんじゃないの」  --打線は2桁安打だったが  「もう1本出たり、まぁ俺が走らせて2つライナーゲッツーだったのは俺の責任やから仕方ない。バッターも、最後は俊(高山)がああいう形でしっかりね」

◆前日4日に大腸がんの手術から1軍復帰して今季初安打初打点を記録した原口は、3-4の五回1死一、三塁で代打で登場。前夜と同じく期待が高まったが、カウント2-2から低めのフォークに空振り三振を喫した。復帰から2打席連続安打とはならず「何とかことを起こさないといけない打席でした」と唇をかんだ。それでも「内容は悔しいけど、また明日しっかりやりたい」と気持ちを切り替えた。

◆マリン風にも泣かされた。五回の守備。2死一塁からレアードの打球は左翼への大飛球。この回から守備に就いていた江越はフェンスをよじ登ってキャッチしようと試みたが、強風に流されて数メートル横のフェンスに直撃した。適時二塁打となり、これが試合を決める5失点目となった。交流戦で経験の少ない球場で起こったプレーに筒井外野守備走塁コーチは「この球場の特有の風があるので、もったいないところだった」と話した。

◆糸原は二回、先制の押し出し死球を受けると、1-4の四回には2死一、二塁から岩下の144キロの直球を捉え、左前へ適時打を放った。その後も六回には四球、八回には左前打を放ち、5打席で4出塁。2試合連続のマルチ安打となった。「2番としてつなぐ役割はできたと思う。(攻撃が)形にはなっているので、明日しっかりいきたいと思う」と前を向いた。

◆痛恨の失策となった。木浪は二回、1-1の同点に追いつかれた直後、1死一、三塁から荻野のゴロをファンブル。適時失策となり、逆転を許した。「迷惑かけたので、明日やり返す機会があれば、しっかり取り返したい」。これでヤクルト・村上の11個に次ぎ、大山と並ぶリーグワースト2位の9失策目。その直前には記録は安打も菅野の打球を"お手玉"する場面も。久慈内野守備走塁コーチは「次に生かさないと。本人がどう感じるかで変わってくる」とこれを糧にするように促した。

◆虎党で黄色に染まった左翼席へ、豪快にほうり込んだ。ロッテの井上晴哉内野手(29)が2-1の三回、2試合ぶりの11号2ランを放った。  「(前の打席の)死球を許さない、と。スライダーがくるかなと思ったら当たった。(死球も含め)当たり日でしたね」  対右打者の被打率が低い横手投げ右腕、青柳に2死球を食らったが、バットでやり返した。  4月序盤は大不振で2軍落ちも経験したが、気温の上昇とともにパワフルな打棒が復調。自己最多の24本塁打をマークした昨季よりも15試合早く、11号を記録した。  「梅雨入りは近いけど、バットを湿らせることなく前に進みたい」。チームに交流戦1勝をもたらした主砲は、舌も滑らかだった。 (浜浦日向)

◆同点の機運が高まった九回1死三塁で、高山が打席へ。カウント2-1からの4球目を左翼へ安打性のライナーで弾き返した。しかしこれを前進してきた左翼手がダイビングキャッチで好捕。ベンチの指示通り飛び出していた三走・植田が戻れずにゲッツーで試合終了となった。代走で二盗も決め、あと少しで殊勲のホームを踏むところだった植田は「最後はそういうサインだった」と悔しさを押し殺していた。 九回の攻撃について阪神・清水ヘッドコーチ 「監督はギャンブルで勝負しようと思っていたから。海(植田)の責任にするつもりはない」

◆糸井が一時1点差まで追い上げる適時打を放った。四回、1点を返してなおも2-4の2死一、三塁で打席に立つと、岩下の外角のフォークを右前へはじき返した。2試合連続で打点を挙げるもチームは敗れ、何も語らずバスへと乗り込んだ。これで1日の広島戦(マツダ)での欠場を挟んで5月30日の巨人戦(甲子園)から出場5試合連続安打。好調の超人が虎打線を引っ張っていく。

◆目の覚めるような当たりに、険しい表情を浮かべた。先発の青柳は7回121球の力投も報われず。キャリアハイの5勝目を挙げることはできなかった。  「井上さんの当たりもそうですけど、レアードのも入っていてもおかしくなかった。そこは本当に反省点です」  まずは1点ビハインドの三回だった。先頭の清田を四球で出塁させると、続く井上に完璧な一発を浴びた。カウント1-2と追い込んでからの4球目、外角低めへ投じた120キロスライダーが曲がりきらず。「腕の振りなのか、風の影響なのかわからないですけど...」。フルスイングで捉えられた打球は高々と舞い上がり、左翼席へ着弾した。  さらに手痛い一打となったのが五回。2死から井上に2つ目の死球を与え、打席に迎えたのはレアード。低め141キロを振り抜かれると、白球はぐんぐん伸びて左翼フェンスに直撃した。あわやホームランラグーンに飛び込むかという強烈な当たり-。今季自身ワーストの5失点目(自責は4)を喫し、悔しさをにじませた。  序盤には味方のミスによる不運な失点もあり、流れに乗り切れないところもあった。二回に遊撃・木浪が勝ち越しを許す適時失策。併殺コースのゴロをファンブルし、失点につながった。それでも決して味方のせいにはしなかった。  「普段守ってもらっているのでしようがないと思う。僕自身がエラーしても誰も責めないですし。味方のエラーよりも、井上さんやレアードの場面はもっと防げるところもあったと思う。そっちの方が反省です」  両リーグ最高の割合を誇るゴロアウトが持ち味の変則右腕。野手と力を合わせて、次こそ白星をたぐり寄せる。 (箭内桃子)

◆阪神はロッテ戦(ZOZOマリン)に4-5で敗れた。交流戦開幕2連勝はならなかったが、D1位・近本光司外野手(24)=大阪ガス=が2試合連続の猛打賞&4度目の5出塁と存在感を発揮。打率・321と再び一気に上げてきたルーキーが、6日の3戦目でも大暴れする。  潮風に背中を押された虎のリードオフマンは、もう止まらない。塁上で、何度も右腕を突き上げた。プレーボールから、幕張の中心は近本だ。12残塁の拙攻で連勝はストップ。後味の悪さが残る中、24歳のルーキーが光り輝いた。  「タイミングは、そのとき(打席に立ったとき)しかわからないですが、少しズレても行く、という気持ちでした」  一回先頭、打席に入るとロッテ・岩下の初球をとらえて中前打。12試合連続安打とすると、この快音が"開演"の合図だ。2点を追う六回先頭でも初球を三塁前にコツン。難なくセーフティーバントを決めると、八回2死からも中前打。試みた盗塁はロッテ側のリクエストの結果、セーフからアウトに翻ったが、虎が誇るリードオフマンが何度も塁上をにぎわした。  二回、四回に勝ち取った四球も、ともに得点へとつながった。計5出塁で2得点。71安打は巨人・坂本の72安打に次ぐリーグ2位と、もう立派な虎のヒットマンだ。打率・321もチームトップでリーグ4位。1度は2割7分台にまで落ち込んだが、再び確かな上昇気流を描いている。  「得点が2点だったのは、自分の中ではよかった。(1番として)仕事はできたのかなと」  57試合目ですでに今季7度目の猛打賞。NPB新人記録となる1958年の長嶋茂雄(巨人)の14度すら、十分すぎるほど視野に入るペースで快音を奏でている。38試合連続で「1番・中堅」を託している矢野監督も「ずっと近本らしくやってるし、セーフティーも決めてるし。1番としてやることは十分やってくれてます」と目を細めた。  「(相手が)意識してくれたなら、よかったです」  完全に相手にとって嫌な打者であることを印象づけた。ここからまた、リスタート。6日、必ず勝ってカード勝ち越しを決める。交流戦に入っても、近本が虎に熱い風を吹かせている。 (竹村岳) 3安打を記録した近本について阪神・浜中打撃コーチ 「打撃の調子もいいし、しっかりセンターに打てていると思います」

◆もったいない...でも悲観する必要はない! 阪神はロッテに4-5で惜敗。あと一本が出なかったが、通算176勝左腕の星野伸之氏(53)=サンケイスポーツ専属評論家=は投手の視点から、ドラフト1位・近本光司外野手(24)=大阪ガス=を筆頭とした阪神打線の「怖さ」を高く評価。流れは決して悪くないだけに、6日、必ず勝って勝ち越すことが大事と話した。  最後は、アンラッキーが続いた。九回1死三塁で高山の左直に戻れず、ゲームセットとなった三走・植田の走塁は、"当たりゴー"だったとか。八回1死一塁でもエンドランをかけ、大山が三直で併殺になった。それでもチャンスで、ともにしっかりしたスイングを見せた。結果は紙一重だ。  不思議な試合だった。試合を通じて、阪神がロッテを圧倒していた。なぜ、阪神は負けているのだろうか。最後は逆転するだろう-。そう思って記者席から見ていた。  負けた要因は、いろいろとある。2度の満塁での逸機など12残塁と、あと一本が出なかった。バントミスや二回の木浪の失策、記録に残らない守備のミスなども出た。もったいない敗戦。ただ、悲観することはまったくない。  ロッテとしては終始、勝っている気がしなかったはずだ。6投手で計193球、11被安打、8与四死球。この数字が物語るように、各投手がいっぱいいっぱいだった。阪神打線に「怖さ」を感じて投げていたと思う。  その空気を作ったのが1番の近本だ。一回、先頭。初対戦の岩下のこの日最速の148キロを、ドンピシャのタイミングでとらえた。迷いないスイング。岩下は「なんで、いきなりそんないい当たりをされるの!?」と面食らったと思う。2、3打席目は四球と、明らかに投げにくそうだったし、投手が左腕のチェンに代わった六回は、いきなりセーフティーバント。しっかり振れて足がある。投手にとって、これほど嫌な打者はいない。  阪神打線全体も、振れている。四回の糸原、糸井の2者連続のタイムリーも、ともに初球をしっかりしたスイングでとらえた。空振り、ファウルを含めて、強いスイングが出来ている。だからバッテリーは怖さを感じ、苦しい投球になる。投手目線で、いまの阪神打線は間違いなく、投げにくい相手だ。  この、相手を追い詰めるような、圧倒するような打線の空気は非常にいい。だからこそ、こういう敗戦の後、6日の第3戦が大事。いまの打線の雰囲気で、1つ負けることはあっても、カード負け越しは、絶対にしてはいけない。 (サンケイスポーツ専属評論家)

<交流戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(1↑)
ソフトバンク
200 1.000
(-)
-
(-)
1611
(+5)
6
(+2)
8
(+4)
1
(-)
0.262
(↓0.082)
2.500
(↑0.5)
2
(1↓)
阪神
110 0.500
(↓0.5)
1
(↓1)
1615
(+4)
8
(+5)
3
(-)
5
(+2)
0.355
(↓0.035)
3.710
(↓0.71)
3
(5↑)
広島
110 0.500
(↑0.5)
1
(-)
1613
(+9)
6
(+1)
3
(+2)
0
(-)
0.228
(↑0.023)
1.350
(↑0.29)
4
(5↑)
ヤクルト
110 0.500
(↑0.5)
1
(-)
1611
(+5)
7
(-)
3
(+1)
2
(+2)
0.243
(↑0.032)
3.380
(↑3.14)
5
(5↑)
ORIX
110 0.500
(↑0.5)
1
(-)
166
(+5)
3
(-)
1
(-)
0
(-)
0.299
(↑0.021)
1.500
(↑1.5)
6
(1↑)
楽天
110 0.500
(↑0.5)
1
(-)
166
(+4)
5
(+2)
2
(-)
0
(-)
0.267
(↑0.017)
2.500
(↑0.5)
7
(1↓)
巨人
110 0.500
(↓0.5)
1
(↓1)
165
(+2)
6
(+4)
3
(+1)
0
(-)
0.254
(↑0.004)
3.180
(↓1.18)
8
(5↓)
DeNA
110 0.500
(↓0.5)
1
(↓1)
163
(-)
6
(+5)
1
(-)
0
(-)
0.246
(↓0.087)
3.180
(↓2.18)
9
(5↓)
日本ハム
110 0.500
(↓0.5)
1
(↓1)
167
(-)
11
(+5)
2
(-)
2
(-)
0.227
(↓0.097)
4.260
(↓0.66)
10
(5↓)
西武
110 0.500
(↓0.5)
1
(↓1)
166
(+1)
13
(+9)
1
(+1)
2
(-)
0.240
(↓0.01)
5.570
(↓2.57)
11
(1↑)
ロッテ
110 0.500
(↑0.5)
1
(-)
168
(+5)
15
(+4)
1
(+1)
1
(+1)
0.206
(↑0.018
7.000
(↑3)
12
(1↓)
中日
020 0.000
(-)
2
(↓1)
166
(+2)
11
(+5)
2
(+1)
0
(-)
0.200
(↑0.103)
6.190
(↑0.56)