1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
阪神 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 2 | 6 | 2 | 1 |
広島 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 | 3 | 0 | X | 7 | 12 | 0 | 2 |
勝利投手:ジョンソン(5勝3敗0S) 敗戦投手:岩田 稔(1勝1敗0S) 本塁打 |
◆広島が5連勝。広島は5回裏、小窪のソロとジョンソンの適時打で2点を先制する。1点差に迫られた直後の6回には、バティスタのソロと石原の犠飛でリードを広げた。投げては、先発・ジョンソンが6回1失点の好投で今季5勝目。敗れた阪神は、投打ともに振るわなかった。
◆阪神糸井嘉男外野手(37)がスタメンを外れた。5月3日DeNA戦以来、今季2度目。 試合前はグラウンドでのフリー打撃に姿を現さなかった。今季は代打を含めて開幕から全53試合に出場している。
◆広島小窪哲也内野手(34)が先制の1号ソロを放った。0-0の5回先頭で、阪神先発岩田のストレートを左翼スタンドに運んだ。 「イニングの先頭だったので、後ろにつなぐ気持ちで何とか塁に出ようと、思い切っていきました。いい先制点になりました」と話した。
◆広島サビエル・バティスタ外野手(27)が推定飛距離140メートルの15号ソロを放った。2-1の6回先頭で、阪神先発岩田のストレートを左中間席中段にたたき込んだ。「自分のポイントでコンパクトに打つことができました。完璧でした」と話した。 5月は球団タイ記録、7度の猛打賞を記録するなど打ちまくり、打率3割5分2厘、10本塁打、21打点をマークした。6月初戦でも豪快な1発で好調ぶりを示した。
◆広島西川龍馬内野手(24)が連続試合安打を24試合に伸ばし、84年小早川毅彦を抜き球団単独3位となった。4-1の7回2死二、三塁で、阪神3番手谷川から左越えの2点二塁打を放った。 球団記録(日本記録)は79年高橋慶彦の33試合で、2位は84年山崎隆造の26試合。
◆阪神は1回2死二塁で大山、3回2死三塁で糸原が打ち取られ、序盤は無得点。広島先発ジョンソンが要所で粘った。 広島は5回に小窪の1号ソロとジョンソンの適時打で2点を先制。1-2の6回はバティスタの15号ソロなどで2点。 広島は7回に西川の2点適時打などで3点を加え、5連勝。ジョンソンは6回1失点で5勝目。阪神は連敗で、先発岩田は1敗目。
◆阪神岩田稔投手が5回2/3を7安打4失点で今季初黒星を喫した。5回先頭の小窪に直球を左翼席に運ばれて先制点を献上すると、その後もショート木浪の悪送球などで1死三塁のピンチを背負い、投手ジョンソンにまさかの右前適時打を許して失点した。 6回も先頭バティスタにアーチを浴び、1死満塁で石原に中犠飛を許したところで降板。最高の立ち上がりを見せていただけに岩田は「こういうエース級と対戦すると、先に失点すると負ける。反省しないといけない」と、悔しさをかみ殺した。 5年近くカープから白星を挙げていない。岩田は14年7月8日に勝利したのを最後に広島戦は13試合未勝利。この試合で7連敗となった。ただ、前回対戦した5月2日には7回無失点と好投。相性が悪いわけではない。35歳のベテラン左腕は「やり返したいです」と話して帰りのバスに乗り込んだ。
◆阪神が連敗で貯金を減らし、イライラをためた。首位広島を追いかける直接対決第2ラウンド。打線は苦手のジョンソンから1点を奪うのがやっとで、このカードもう5年も勝てていない岩田は6回途中KO。歯車がかみ合わず、矢野燿大監督(50)が観客のヤジに「応戦」する場面もあった。この3連戦で3連勝なら同率首位だったが、広島戦6連敗で5ゲーム差に...。天敵の色が濃くなってきた。後味の悪いカープ戦6連敗になった。1点差に迫った直後の6回。岩田はバティスタにソロを浴び、さらに満塁とされた。石原に中犠飛を許したところで、矢野監督が投手交代を告げた。そして三塁側ベンチに戻ったときだった。 背後から痛烈なヤジが突き刺さった。「矢野! お前が早く(投手を)代えないから打たれたやろ! 早く代えとけや!」。60歳代とみられる男性ファンがフェンスに張り付くように口角泡を飛ばしていた。しつこく続くと、たまりかねた指揮官も客席側に向かって応酬。口論する光景がみられ、周囲は騒然とした。 男性ファンはさらに頭を指さす、侮辱的なしぐさも見せた。普段は温厚で、ファンサービスも率先して行う矢野監督も、心ない言動に我慢できなかった。就任後、初めて見せた激怒だ。指揮官は信念を持って采配する。ヤジが飛んだ場面の継投も「代えどきはね。まだ球数的にも難しいとは思ってない。俺は岩田に任せようと思っていた。そこの難しさは俺は何も感じてない」と言い切った。岩田は石原を迎えるまで97球。踏ん張りどころと判断した。 王者相手に手は打った。前夜、右ふくらはぎを負傷した福留が2軍降格。糸井もコンディションを考慮された。陽川を1軍昇格即先発させ、マルテを来日初の3番に昇格させるオーダーで臨んだ。だが、難敵ジョンソンに苦戦。6回に1点を返すのが精いっぱい。5月18日に6回無得点で白星を献上したが、またも歯が立たなかった。 矢野監督は若手の奮起を期待する。「めちゃめちゃチャンス。いい姿を見せてほしいのは俺もすごく思っている。アイツらがどう受け止めて、どういう姿を見せてくれるか」。6月初戦は黒星。4カードぶりに負け越しが決まったが、2日こそ王者に一矢報いたいところだ。【酒井俊作】
◆阪神糸井嘉男外野手がコンディション不良で今季初めて欠場した。試合前はグラウンドでのフリー打撃に姿を現さなかった。 矢野監督は「嘉男のコンディションがどうなのかで(2日の起用を)決めようかなと。今の段階で明日いくとは、ちょっと言える感じじゃない」と説明した。今季は代打を含めて開幕から53試合に出場し、打率2割8分2厘、3本塁打、18打点としている。
◆広島が連勝を5に伸ばし、2位阪神とのゲーム差を今季最大の5に広げた。緒方孝市監督(50)の談話は以下の通り。 緒方監督 今日もジョンソンが安定した投球をした。ジョンソンというより、石原が持ち味を引き出してくれた。打つ方も石原とジョンソンが打点を挙げているし、中盤以降の攻撃が非常によかった。ホームランだけで終わらなくてね。つないでタイムリーというところもあったし。 -バティスタが好調 緒方監督 3番に入ってから安定した打撃をしている。長打もそうだけど、四球も絡めて出塁率も高い。クリーンアップのところが(4番鈴木)誠也しかり、(5番)西川しかりで、チャンスで打点を挙げている打席が多い。 -西川の粘りが目立つ 緒方監督 開幕当初は淡泊な打撃で、振りすぎていた部分があるけど、今はしっかり球を捉えて打球を飛ばしている。続けてほしい。
◆強力クリーンアップだけじゃない。首位広島にまた、日替わりヒーローが生まれた。 1号ソロで打線に火をつけたのは、ベテラン小窪哲也内野手だ。0-0の5回先頭で、岩田の内角直球をジャストミート。2回に見逃し三振に仕留められた球を、左翼席に運んだ。16年7月30日DeNA戦以来、3年ぶりの1発を「スタンドを見る余裕はなかった」と振り返った。 春季キャンプは2軍で過ごした。それでも「やることは同じ」と前を向いた。オープン戦5試合で力を証明し、開幕1軍入り。最大借金8も、驚異的な巻き返しも経験してきた。初の6番に抜てきされたが「与えられたところでやるだけ」と無関心。「ああいう状況もある。このままいけるわけがない」。今なお口にする危機感が殊勲打を生んだ。 終わってみれば、猛打で圧倒。バティスタが6回に15号ソロ、西川が7回に2点二塁打を放つなど攻撃がつながった。緒方監督は「中盤以降の攻撃が非常によかった。ホームランだけで終わらなくてね」とたたえた。5連勝で、2位阪神とは今季最大5ゲーム差。5月に球団新記録の20勝を挙げた赤ヘルは、6月も走り続ける。【村野森】
◆阪神3年目の長坂拳弥捕手が今季初打席でプロ1号を放った。8回守備からマスクをかぶり、先頭で迎えた9回の打席に広島九里の直球を左翼席に運んだ。 「捉えたという感じではなかったですけど、いってくれという思いだった。与えられたチャンスでアピールしていきたい」。控え捕手という難しい立場ながら、与えられたチャンスで輝きを放った。
◆糸井、福留を欠いた打線で「代役3番」を任された阪神ジェフリー・マルテ内野手がマルチ安打をマークした。 「ポジティブな結果が出ている。打順は関係ない。自分のやるべきことは変わらない」。6回には1点差に迫る左前適時打を放ったが「自分が打っても勝たないと意味がない」と話してチームバスに乗り込んだ。
◆3番手で登板した阪神谷川昌希投手がカープ打線に捕まった。7回からの2イニングを5安打3失点。 二塁けん制で悪送球するシーンもあるなど、地に足がついていない様子だった。「決め球がないと勝負できなかった。粘りきれなかったのは課題です」。試合後に2軍再調整が決定。代わってドラフト4位の斎藤友貴哉投手(24)が1軍昇格する。
◆阪神・岩田稔投手(35)が1日の広島戦(マツダ)に先発し、5回2/3を7安打4失点(自責は3)。今季2勝目を手に入れることはできなかった。 四回まで走者を出しながらも無失点だったが、五回に先制を許した。先頭の小窪に左越えソロを被弾。さらに続く田中の遊撃失策で二塁まで進塁。石原の投前犠打で1死三塁。投手のジョンソンに中前適時打を許して2点目を失った。 マルテの適時打で1点差に詰め寄った直後の六回も、踏ん張りきれなかった。先頭のバティスタに左中間席中弾へソロを許すと、四球や連打でなおも1死満塁のピンチ。石原に中犠飛を浴び、4点目を失った。
◆阪神が1日の広島戦(マツダスタジアム)に2-7で完敗。3ゲーム差で臨んだ首位チームとの3連戦だったが、前日の延長サヨナラ負けに続き2連敗を喫して、5ゲーム差とされた。 先発した岩田が5回2/3を7安打4失点(自責3)。七回から登板した谷川も2回5安打3失点と打ち込まれた。 打線も「右ふくらはぎの筋挫傷」と診断された福留が登録抹消となり、代わって昇格した陽川が「7番・左翼」で出場。糸井もスタメンから外れた。六回に3番に入ったマルテの適時打、九回に長坂のプロ初本塁打の2点のみだった。
◆阪神は1日の広島戦(マツダスタジアム)に2-7で敗れ、広島に6連敗。矢野燿大監督(50)は五回に広島・小窪に先制ソロを浴びた後の失点に「"タラレバ"を言うても仕方ないしね」と振り返った。 --岩田は序盤は丁寧に投げていた 「ずっと岩田らしいピッチングをしてくれてたと思うし。まあ最後はどうしても疲れの出るようなイニングと球数と、なってきたところで、まあまあちょっとね。最後やられちゃった部分はあるけど。まあまあ、岩田らしいところは多かったと思う」 --相手の下位打線へ入っていくところで、代えどきも難しかった 「いや代えどきはね...まだ球数的にも別に難しいとは思ってないし。別に俺は岩田に任せようと思ってたから。そこの難しさは俺なにも感じてないんだけど」 --五回はホームランを打たれた後が悔やまれる 「うーん...まあねえ...。だから、いつも同じことになっちゃうけど。"タラレバ"を言うても仕方ないしね。(木浪)聖也もうまくなるしかないしね。あの後、打って返すのか、守って返すのか。これからの試合で、どう返すのか。まだまだ、いつも言うけど成長していかなアカン選手で。まあやっぱり、ミスはしない方がいいし、数は減らさなアカンし。でも、そういう部分からどう学ぶかという方が大事だから。エラーも年間に何個か、内野手やったら(幾つくらいかは)俺も分からんけど。出るけど、じゃ次も出ましたからということでは良くないとは思うけど。でも今の段階ではアレやし。岩田だって、まあまあ、勝負にもちろん行っている中で、もちろんあそこは打ち取ってもらいたいし。岩田自身が一番打ち取りたいと思って投げているボールなんで。受け止めるしかないかなと思う」 --福留、糸井が不在の中でマルテが3番に入って、あす以降につながる面もあった 「うん、なんか雰囲気がすごい、見送り方とか、感じとか、すごいいい感じになってきてるなというように見えていたし。状態は上がって来ているんじゃないかなっていうふうに見えたけどね」
◆福留がけがで離脱した阪神は4番大山も振るわず、主導権を奪えずじまい。そんな中、控え捕手の長坂がプロ初本塁打と気を吐いた。途中出場から九回に回ってきた今季初打席で九里の低めの速球を左越えへ。「行けと思いながら走っていた」と笑顔を見せた。 群馬・高崎健康福祉大高崎高-東北福祉大から2017年にドラフト7位で入団。大学の先輩、矢野監督が現役時代につけた「39」を背負う。梅野が好調だけに出番は少ないが、「与えられたチャンスでアピールできるように」と闘志を燃やした。 マルテ(初めて3番に座って2安打1打点) 「いい感じで打席に立てている。自分のやるべきことは変わらない」 矢野監督(マルテに) 「雰囲気や見送り方がいい感じ。状態は上がってきているんじゃないか」 梅野(六回の好機で三振) 「あそこで打てなかったのは悔しい」
◆--岩田は序盤は丁寧に投げていた 矢野監督「まあ最後はどうしても疲れの出るようなイニングと球数と、なってきたところで、まあまあちょっとね。最後やられちゃった部分はあるけど。まあまあ、岩田らしいところは多かったと思う」 --相手の下位打線へ入っていくところで、代えどきも難しかった 「まだ球数的にも別に難しいとは思ってないし。別に俺は岩田に任せようと思ってたから」 --糸井の欠場はコンディション面か 「まあそうやな、あしたまた、状況を見てというか。(糸井)嘉男のコンディションがどうなのかっていうところでまあ決めようかなと。あした行くよとか、どうっていうのはちょっと言える感じじゃないかな」 --中谷、陽川らに奮起を期待したい 「もちろんね、めちゃめちゃチャンスやしね。(福留)孝介に挑戦状をしっかり、自分らで渡せるようにというか。ある意味、全体としては『孝介さんが来ても僕ら負けませんよ』というくらいの感じになってくれるっていうのが、もちろん、どっちのためにもなると思うんで」
◆「お客様は神様」だけど... 特集:虎のソナタ 試合後、球場から出る糸井。今季初めて欠場した【拡大】 (セ・リーグ、広島7-2阪神、11回戦、広島7勝4敗、1日、マツダ)残念な出来事が続きました。 「筋挫傷って、どんな症状なんですか?」 ある球団を担当していたとき、主力選手が「筋挫傷」で登録抹消になり、チームのトレーナーにそう尋ねたことがあります。 「思い切り簡単に説明すると、筋肉の表面に擦り傷ができたみたいな状態。転んでけがしたとき、肘や膝に擦り傷ができるやろ。あれが、筋肉を包む膜、筋膜にできたと思えばいい」 なんだ、大したことないのか。と思ったのが顔に出ていたのでしょう。トレーナーはこう言葉を続けました。 「軽く考えたらいかん。肘の擦り傷でも、力を入れたらまた傷が開いたりするやろ。筋挫傷は治らないままプレーを続けていたら、筋繊維が断裂して肉離れになることもある。"擦り傷"ではすまなくなるんや」 福留が右ふくらはぎの筋挫傷で登録抹消になりました。トラ番菊地峻太朗は、午前11時過ぎに新神戸駅に戻ってきた福留を取材しましたが、厳しい表情で無言のままだったそうです。糸井もこの日は休養し、スタメンには若手が並びました。 「陽川選手は明るかったですよ。みんなに元気にあいさつしてました。マルテも数字が上がってきた。チーム状態も悪くないし、福留選手のぶんもみんなで頑張ってくれると思います」 新里公章が、試合前の雰囲気をそう伝えてきました。マルテにタイムリーが出て、長坂に本塁打も出ましたが、2-7で完敗。劣勢の試合中にはスタンドの男性ファンからヤジが飛び、矢野監督と言い合いになるシーンも見られました。 お客様は神様です。 中継画面にも映っていた男性が座っていたのは三塁ベンチの真後ろ、SS指定席(4700円)です。マツダスタジアムのチケットは、前売りの抽選券配布に5万人が並び、4万人で配布が打ち切られる騒動があった末に2100人が購入できたという競争率20倍のプラチナチケット。苦労して入手し、大枚をはたいて入場した試合が完敗で、ヤジをとばしたくなるのも分かります。 ただ、あの男性の周りで苦笑いしていた人たちも「お客様」です。 お客様は神様です。故三波春夫さんの名言です。三波さんは、この言葉が、金を払っているんだから客は何をやっても許されるというふうに解釈されることを大層嫌がっていたそうです。 「三波さん、お客様はお金をくださるから神様なんですか」と聞かれたとき、三波さんは質問者にこう聞き返しました。 「じゃああなたは、神様からお金や何かをもらったことがありますか。お賽銭を上げてお参りするだけでしょう」 「歌うときに私は、あたかも神前で祈るときのように、雑念を払って、心をまっさらにしなければ完璧な芸をお見せすることはできないのです。ですから、お客様を神様とみて、歌を唄うのです。また、演者にとってお客様を歓ばせるということは絶対条件です。だからお客様は絶対者、神様なのです」 お客様は神様です。この言葉を盾に悪態をつく客たちは、「様」をつけて呼んでもらえるような人たちではないと思います。三波さんはそう言っています。
◆「立て立て! 立つんだジョー!」は『あしたのジョー』の名ゼリフだけど、本日の矢野監督には心を鬼にして「断て断て! 断つんだ情」になってほしかったのだ。 阪神先発の岩田は、五回にカープの伏兵、小窪にまさかの先制弾を浴びる。その動揺が覚めやらぬ間に木浪のエラーで田中広が得点圏に進んだもんだからアウトを焦り、カウント0-2から投手のジョンソンに真ん中の球を投げ、痛い2点目を許したのだ。 さらに、味方が1点差としてくれた直後の六回に先頭のバティスタに、それだけは駄目駄目ー!! のホームランをほうり込まれる。 その時点で1-3とまだ追いかけられたのに岩田を続投させて致命的な4点目を奪われたのだ。 いや、矢野さんの気持ちも分からないではないよ! 岩田は、この試合前まで今季6度先発して防御率2・17と試合を作ってくれているのに、運にも恵まれず、わずか1勝のみ...。なんとか勝利投手のチャンスを残してあげたかったのだろう...。 しかし、まだペナント前半といえ、強い広島に走られても知らねーぞ!! 白木葉子(あしたのジョーの登場人物)のような冷酷さも勝負には必要なり!! 最後に長坂くん、プロ初本塁打おめでとう!!
◆長坂が今季初打席でプロ初本塁打を記録した。「とらえたという感じと『いけ』という気持ちで走っていました」。八回から捕手で途中出場。1-7の九回、先頭で4番手・九里の低めの136キロを左翼席へ。ベンチではサイレントトリートメントで仲間から祝福された。「チャンスは多くない。与えられたチャンスでアピールできるように頑張りたい」。限られた出番の中で結果を残す。
◆3番手の谷川は2回52球を投げ、5安打3失点(自責2)だった。「決め球がないと勝負できない。粘り切れなかったところが今後の課題」。1-4の七回、安打と暴投などで1死二、三塁のピンチを招くと、西川に左中間への2点二塁打を許した。その後も2死一、三塁で田中に右前適時打を打たれて3点目を献上した。「いいところを伸ばして、プラスアルファの部分をやっていかないと1軍の打者に向かっていけない」と反省した。
◆先発の岩田は5回2/3を7安打4失点(自責3)で今季初黒星を喫した。五回に小窪に左翼へ先制ソロを浴びるなど2失点。「こういうエース級の投手(ジョンソン)とやるときは先に失点すると負けてしまう。悔しいです」。味方が1点を返した直後の六回もバティスタのソロと石原の中犠飛で2点を失った。「やり返したいと思います」。今後の登板での巻き返しを誓った。 先発の岩田からの継投について阪神・金村投手コーチ 「(岩田には)球数的にも投げてもらいたかったし。あそこ(五回途中)まで引っ張りますよね」
◆糸井が5月3日のDeNA戦(甲子園)以来23試合ぶりにスタメンを外れ、最後まで出場することはなかった。欠場は54試合目で今季初。試合前練習では、グラウンドに姿を現わさず、室内練習場で体を動かしていたもよう。清水ヘッドコーチは状態について「言えることと言えないことはあるけれど、試合には出られる状態だったし、出る準備もしていました。きょうは出なかった、ということ」と話すにとどめた。
◆セ・リーグ首位の広島が、6月も快調に滑り出して5連勝。先発のジョンソンが6回1失点で勝利に貢献した。 「ストライク先行で攻めて、守ってもらう自分のスタイルの投球ができた」 外角を広く使って球を出し入れし、懐も強気に突く。2-0の六回1死から3連打で1点を返されても大山を三ゴロ、梅野は三振。小さく曲がる球で仕留め、98球で仕事を果たした。4月は精彩を欠いたが、自身4連勝で大瀬良、床田に追い付く5勝目を手にした。 前夜(5月31日)は延長サヨナラ勝ちを収め、5月を球団新記録の20勝4敗1分けで終えた。6月に入っても勢いは止まらず、緒方監督は「ジョンソンは安定した投球をしてくれた。中盤以降の攻撃がよかった」と満足げ。2位・阪神との差を5ゲームに広げた鯉が独走態勢に入る。
◆上昇する気温とともに、ぐんぐん頼もしさが増してきた。糸井に代わり、今季初の3番を任されたマルテが来日最長の5試合連続安打をマークし、存在感を示した。 「いい感じで打席に立てていますし、ポジティブな結果が出ている。それはいいと思いますが、せっかく自分も打てたので勝たないと意味がないです」 0-2の六回、無死一、二塁で先発・ジョンソンの高め146キロのシュートを左前へと弾き返し、この日チーム初の得点をたたき出した。一回には左翼線二塁打を放ち、2安打1打点。2試合ぶり今季5度目のマルチ安打を記録した。 対左投手に対して打率・345(29打数10安打)と好相性ぶりもみせつけ、同・259まで上昇。矢野監督も「なんか雰囲気がすごい、見送り方とか、感じとか、すごいいい感じになってきてるなというように見えていた」と好調を認める。 「1球1球、1イニング1イニング、みんなが全力でやっている。それを続けることが大事」 福留離脱もマルテはナインの思いを代弁。チームの危機をバットで救い、助っ人の仕事を果たしてみせる。 (新里公章)
◆4年ぶりの6番起用に広島・小窪が決勝弾で応えた。 「打球をみる余裕がなかったですね。ずっとカープファンの前で、マツダで、本塁打を打ちたいと思っていたので、良かったです」 五回先頭。岩田の内角直球を振り抜いた。2016年7月30日のDeNA戦(マツダ)以来、1036日ぶりのアーチでチームの6月白星発進&5連勝に貢献した。 16年のリーグ優勝に貢献したが、17年は26試合、昨年は17試合と出場数は減少。春季キャンプは2軍だったが、高ヘッドコーチも「一番安定している」と目を細める守備を武器に1軍に戻ってきた。そして、バットでも結果を出した。 9カード連続の勝ち越し。2位阪神とは5ゲーム差。4連覇へ、独走状態になってきた。 (柏村翔)
◆阪神は2-7で敗れ、広島戦6連敗を喫した。福留孝介外野手(42)が右ふくらはぎの筋挫傷で登録抹消となる中、首位攻防戦2連敗で4カードぶりの負け越し。意気揚々と乗り込んだ敵地で5ゲーム差に広がり、矢野燿大監督(50)は厳しい表情を浮かべた。 勢いをつけ、乗り込んだはずだった。ところが飛車が欠け、角も欠き、ミスも出て打ち込まれての広島戦6連敗。矢野監督は厳しい表情で結果を重く受け止めた。 「いつも同じことになっちゃうけど。"タラレバ"を言うても仕方ないしね」 0-0の五回、先発の岩田が先頭の小窪に先制の左越えソロを許した直後、田中広の遊ゴロをD3位・木浪聖也内野手(ホンダ)が一塁へ悪送球。二進を許し、その後のジョンソンの適時打へとつながった。 「(木浪)聖也もうまくなるしかないしね。まだまだ成長していかなあかん」 打線もジョンソンの前に凡打の山。六回にマルテの適時打で1点を返したが、"飛車角落ち"で迫力を欠いた。前日途中交代の福留がこの日、右ふくらはぎの筋挫傷で登録抹消。糸井もコンディション不良で今季初めて欠場した。岩田も4失点で粘りきれなかった。 広島戦6連敗中はすべて先制を許し、五回までに得点できた試合は1度もない。リードを奪えたのも、計56イニングのうち2イニング(5月17日の六、七回)だけ。歯がゆい試合が続いている。 この日もイライラする試合展開。虎将の感情が爆発したのが六回だ。岩田の交代を告げ、三塁ベンチに戻った際、スタンド最前列の50代くらいの男性ファンから「早く投手を代えろ!」、「タイミングが悪いんや!!」などとヤジが飛んだ。矢野監督が激しい口調で言い返し、辺りは騒然。その後、戦況を見つめる指揮官の表情は明らかにいらだっていた。 甲子園で巨人に2連勝し、2位に浮上して乗り込んだ敵地。3ゲーム差で迎えた直接対決で返り討ちにされ、逆にその差は「5」に広がった。そして、傷口に塩を塗られるような福留の離脱。矢野監督は症状について「めちゃくちゃ悪いっていうことではないんだけど。でもやっぱり痛めてるし。ふくらはぎってすごく繊細というか微妙」と説明した。 「交流戦に入るんで。DHとかもあるから。早く帰ってきてもらいたい」 今は最短10日間での復帰を願うしかない。その前に先月20勝を挙げた広島の勢いを、2日の3戦目で止めることが必要。ここで虎が食らいつかなくては、どこまでも泳がせてしまう。 (長友孝輔) 2失策の守備について阪神・久慈内野守備走塁コーチ 「本人たちはミスしようとしてしているわけではない。問題は隙にあると思う。反省して前を向いてほしい」
◆阪神は福留孝介外野手(42)が登録抹消、糸井嘉男外野手(37)がコンディション不良で、"飛車角落ち"の打線で臨み、完敗。当面はベストメンバーでの戦いが難しくなる状況で、OBの八木裕氏(53)=サンケイスポーツ専属評論家=は開幕から4番を務める大山悠輔内野手(24)の奮起を期待した。 上り調子での首位攻防戦という形で敵地に乗り込んできた阪神だが、逆に勢いの差を感じさせられた連敗だ。特に、綻びを見せたら今の広島は見逃してくれない。 五回、小窪の一発直後の木浪の一塁悪送球。六回、バティスタの一発直後の鈴木への四球。ともに追加点に結びついてしまった。本塁打は仕方ないとして、その後の余計な失点がダメージになった。 この先もしばらくは福留が不在。糸井に関しても万全での出場は難しいという。それでも戦っていかなければいけない。この日は助っ人マルテを3番に、打撃好調の梅野を5番にする"緊急措置"のクリーンアップを組んだ。マルテが2安打で、最近明らかに状態が上がってきていることを示したが、大山、梅野からは快音が聞かれず。 期待したいのはやはり4番・大山になる。そして、求めたいのはヒット以外の打席内容だ。対戦相手の4番・鈴木が3四球を選んでいることが象徴的だ。 今の大山は、内角のボール気味の球も含めて、すべてのストライクを打ちに行こうとしている。積極的にドンドン打って行く姿勢はいいことだが、時には「打ちに行かない勇気」「待つ勇気」も必要なことがある。 難しいコースは打ちにいかず、甘い球を待って、確実に仕留める。そういう気持ちで打席に立ってもらいたい。 ベテラン不在の中では、残ったメンバーがいかに奮起するか。高山、中谷、陽川らにチャンスが巡ってくることも間違いない。巡ってきた活躍の場。何が何でも生かしてほしい。 (サンケイスポーツ専属評論家)
<セ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (-) |
広島 |
33 | 19 | 1 | 0.635 (↑0.008) | - (-) |
90 | 230 (+7) | 194 (+2) | 55 (+2) | 37 (+2) |
0.259 (↑0.002) | 3.010 (↑0.02) |
2 (-) |
阪神 |
28 | 24 | 2 | 0.538 (↓0.011) | 5 (↓1) |
89 | 209 (+2) | 220 (+7) | 41 (+1) | 33 (-) |
0.247 (↓0.001) | 3.520 (↓0.03) |
3 (-) |
巨人 |
26 | 23 | 1 | 0.531 (↑0.01) | 5.5 (-) |
93 | 248 (+6) | 212 (+5) | 69 (+2) | 26 (+1) |
0.265 (-) | 3.880 (↓0.01) |
4 (1↑) |
DeNA |
23 | 28 | 0 | 0.451 (↑0.011) | 9.5 (-) |
92 | 202 (+7) | 211 (-) | 57 (-) | 16 (+2) |
0.245 (↑0.002) | 3.780 (↑0.08) |
4 (-) |
中日 |
23 | 28 | 0 | 0.451 (↓0.009) | 9.5 (↓1) |
92 | 192 (+5) | 199 (+6) | 37 (+1) | 31 (+1) |
0.260 (-) | 3.780 (↓0.05) |
6 (-) |
ヤクルト |
21 | 32 | 2 | 0.396 (↓0.008) | 12.5 (↓1) |
88 | 241 (-) | 286 (+7) | 62 (-) | 21 (-) |
0.237 (↓0.002) | 4.740 (↓0.05) |
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