楽天(☆7対2★)西武 =リーグ戦8回戦(2019.05.28)・岩手県営野球場=
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西武
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楽天
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勝利投手:塩見 貴洋(2勝0敗0S)
敗戦投手:今井 達也(4勝5敗0S)

本塁打
【西武】秋山 翔吾(10号・6回表ソロ),山川 穂高(21号・7回表ソロ)
【楽天】ブラッシュ(14号・7回裏3ラン),ブラッシュ(15号・8回裏2ラン)

  DAZN
◆楽天は2点を追う7回裏、ブラッシュの3ランなど、打者一巡の猛攻で5点を挙げ、逆転に成功する。続く8回には、ブラッシュの2打席連続本塁打となる2ランで試合を決めた。投げては、先発・塩見が7回2失点の力投で今季2勝目。敗れた西武は、先発・今井が7回に崩れ、痛い逆転負けを喫した。

◆6回まで無安打投球だった西武今井達也投手が、7回に崩れ5敗目を喫した。 7回、先頭の浅村に中前安打を許すと、続くウィーラーに二塁打。二、三塁としたところで、ブラッシュに逆転3ランを浴びた。6回までのゼロ行進から一転、突如の大崩れ。結局5失点(自責4)で降板した。 「7回にブラッシュに打たれた場面は、(捕手の)森さんも1発に注意の合図をくれていました。外角直球に投げなくてはならなかったところを、投げきることができませんでした。まだまだ詰めが甘いです」と唇をかんだ。

◆西武秋山翔吾外野手が、盟友打ちで5年連続2桁本塁打をマークした。両チーム無得点で迎えた6回の第3打席、2球目をとらえた。 バックスクリーン手前へ運ぶ10号先制ソロ。相手投手の塩見は、八戸大の同期で、今季初対決だった。試合前時点で打率3割4分6厘。大学4年間を過ごした東北の地で、一発を放ち「(先発の)今井がすごく頑張っているので、先に点が取れてよかったです」と喜びのコメントをした。

◆楽天ジャバリ・ブラッシュ外野手(29)が、年に1度の盛岡開催で大きな花火を打ち上げた。 2点を追う7回に先頭浅村が西武今井からチーム初安打を放つと、ウィーラーも左翼線二塁打で続いて二、三塁。1死後、今井の内角高め144キロを左中間スタンドに突き刺す逆転の14号3ランを放った。 「ここまで抑えられていたから集中して打席に入ったよ。ファンのみんなの声援のおかげでスタンドまで届いてくれたね。盛岡は1年に1回だから、いい1本が打てて良かったよ。盛岡はいいところだね」とニッコリ。8回の第4打席でも左翼ポール直撃の15号2ランを放ち、2打席連発で試合を決定づけた。

◆西武山川穂高内野手が、富士大時代に過ごした岩手で21号ソロ本塁打を放った。7回、先頭の打席。 カーブにしっかりとタイミングを合わせた一振りで、左中間スタンドへ運んだ。富士大で、何度も試合をしていた県営球場での1発に「うれし~!! 岩手のファンの皆さんの前で打てて良かったです。手応えは...この球場だから入ってくれたと思います!(笑い)」と、両翼91・5メートルの狭い球場に感謝していた。

◆楽天塩見は3回まで1安打、毎回の4三振を奪って無失点。西武今井は1回に2四球も、3回まで1安打も許さない立ち上がり。 西武は6回に秋山のバックスクリーンへの10号ソロで先制。先発今井は6回まで4四球も楽天打線を無安打に封じた。 楽天は7回にブラッシュが14号逆転3ラン。8回もブラッシュが2打席連発で追加点を挙げた。塩見が2勝目。西武今井は5敗目。

◆6回まで無安打投球の西武今井達也が7回に崩れた。 先頭浅村に中前安打を許すと、二、三塁でブラッシュに逆転3ランを浴びた。外角への要求にも、シュート回転して甘く中へ入った失投。「まだまだ詰めが甘い」と反省した。結局、5失点(自責4)で降板。無安打投球も泡と消え「気にはしていなかった。アウト1つ1つ取ることだけを考えていた」と、浮き沈みの激しい試合を振り返った。

◆西武は1番&4番の1発も空砲となった。秋山は6回に八戸大(現八戸学院大)の同期塩見から、盟友打ちとなる10号ソロ。山川は7回に21号ソロを放ち、富士大時代に過ごした第2の故郷・岩手にささげたが、ともに勝利につながらなかった。 秋山は5年連続2桁本塁打も厳しい表情で「結果的に勝てなかった。(本塁打を)打てはしたけど、前半の2打席で塁に出るとかしたかった。僕の仕事はそういうところ」と満足はしなかった。

◆楽天が今季17度目の逆転勝ちで首位に立った。昨年の逆転勝ちはリーグ最少の25度だったが、今年は阪神の12度を抑えて両リーグ最多。 5月の楽天は8日ソフトバンク戦で7点差、15日日本ハム戦で8点差を逆転するなど、13勝のうち10勝を逆転でものにしている。また、昨年の西武戦は6勝19敗と大きく負け越したが、これで今年は6勝2敗。このカードで先制逃げ切りは4月9日の1回戦だけで、西武戦は6勝のうち5勝が逆転だ。

◆「西武キラー」楽天塩見貴洋投手が腰手術から復帰後2連勝だ。 6回に八戸大(現八戸学院大)時代の同期、秋山に先制被弾し「狙われていた。1球でゲームが決まりかねないホームラン」と自戒も、両翼91・5メートルと狭い地方球場で強力打線相手にソロ2発のみの7回2失点で耐えた。 昨季対戦防御率5・90と打ち込まれた相手に対し、チームで唯一完投勝利も飾っていた左腕。西武戦の通算勝ち星もカード別自己最多タイ9勝とした。14年に盛岡で行われた西武戦では4回8失点で敗れたが、地方球場6試合目で初白星を挙げるリベンジ。「忘れもしない悔しさを払拭(ふっしょく)できた」とうなずいた。

◆楽天が今季17度目の逆転勝ちで4月25日以来となる単独首位に浮上した。 6回まで西武今井の前に無安打と沈黙して2点のリードを許したが、7回にジャバリ・ブラッシュ外野手(29)が値千金の14号逆転3ラン。さらに2死満塁から島内が本盗を決めるなど、自在の攻めで昨季6勝19敗と大きく負け越した相手を翻弄(ほんろう)した。 単独首位浮上に「どうでもいいです」と笑って返した平石監督だが、年に1度の盛岡開催で痛快な逆転劇だった。 前回対戦で「令和完封1号」を献上した今井から、7回先頭の浅村が中前へチーム初安打で突破口を開く。ウィーラーの左翼線二塁打でチャンスを拡大し、ブラッシュが内角高め144キロを仕留めた。「盛岡は1年に1回だから、いい1本が打てて良かった。盛岡はいいところだね」。試合後、昨季エンゼルスでチームメートだった大谷が高校時代に160キロをたたき出した球場と聞き、がぜんテンションが上がった。 8回には左翼ポール直撃の2打席連発で勝負を決定づけた。15本塁打、41打点といずれもチームトップの数字でけん引する助っ人砲。強打の秘訣(ひけつ)は、左手にある。右投げ右打ちだが、食事も字を書くのにも専ら左手を使う。巨人坂本勇がそうであるように、普段は繊細な作業をこなす引き手の強さが本業で驚異の弾道を生む。 ブラッシュの1本目の後には、したたかな攻めでたたみかけた。2死満塁フルカウントが続き、西武平井が二塁へけん制球を投げた瞬間、三塁走者の島内が抜群のスタートでホームを陥れた。「あれ、記録はホームスチールになるんですね。初めてです」と笑った島内だが「投げるのを確認していきました。打てないので、何かしら貢献しないと」。開幕から40試合以上「つなぎの4番」を張ってきた男も、5試合連続無安打。ここ2試合は7番だった。打席での苦しみに引きずられることなく、塁上でチームのために集中力を研ぎ澄ませていた。 26勝のうち17度を占める逆転勝ち。今季2試合目の先発塩見が7回をソロ2本で踏みとどまるハイクオリティースタートから生まれたという側面に、ひと味違う価値がある。岸、塩見と頼れる左右の先発が戦列に復帰し、交流戦を前に再加速する。【亀山泰宏】

◆西武の秋山が5年連続で10号を放った。0-0の六回1死無走者で、八戸大時代に同期だった塩見の直球を完璧に捉え、バックスクリーンに運んだ。  4月までは1本塁打だったが、5月に入ってこれが9本目のアーチ。「自分は狙って本塁打を打つ人間じゃない」といつも口にしているが、好調な打撃が結果として本塁打の量産につながっている。  連続試合安打も9に伸びた。「4月が4月だったので、5月は何とかしないといけないという思いでやっている」と話すように、苦しんだ4月とは別人のように持ち前の巧みなバットコントロールを見せ続けている。

◆西武の今井は六回まで無安打投球を続けたが、2-0の七回に暗転した。先頭打者の浅村に初安打を許し、ウィーラーの二塁打で無死二、三塁のピンチを招くと、1死後にブラッシュに直球を左中間席に運ばれた。外角を狙った球が甘く入り「最悪なケース。サイン通り投げきれなかった。まだまだ甘い」と唇をかんだ。  その後も死球と二塁打を許し、結局5失点。今季初めて連戦の初戦を託されたが、期待に応えられず「カード頭で投げるのはこういうこと。1球で負ける勝負になる」と教訓になったようだった。 辻監督(七回に逆転を許した今井に) 「あそこまでは素晴らしかった。本塁打は仕方ないけど、その後を踏ん張ってくれれば」 山川(両翼91・5メートルと狭い球場での21号ソロに)「この球場だから入ってくれたと思う」

◆楽天の塩見が7回2失点にまとめて2勝目を挙げた。無四球と安定した制球力で試合をつくり、六、七回の失点はともにソロ本塁打にとどめった。八戸大時代に何度も訪れた球場で好投し「投げにくいとかはなかった。すんなり入れた」とうなずいた。  今季初登板だった21日に続く勝ち星。110球の力投で「前回より格段に良かった」と手応えを口にした。 平石監督(逆転3ランとダメ押し2ランを放ったブラッシュに) 「少ないチャンスで、よく仕留めてくれた」 浅村(七回にチーム初安打) 「ずっと打てていなかったので、後ろにつなごうと思った」

◆パ・リーグ2位の楽天は28日、西武8回戦(盛岡)に7-2で勝ち、2連勝を飾った。「6番・右翼」のジャバリ・ブラッシュ外野手(29)が、七、八回に2打席連続の本塁打を放ち、2発5打点でチームを両リーグ最多となる今季17度目の逆転勝ちに導いた。この日、首位のソフトバンクがオリックスに敗れたため、楽天は4月26日以来、32日ぶりの単独首位に浮上した。  怪力助っ人の放った打球が、盛岡の夜空へ飛んでいった。ブラッシュが2本塁打5打点の大活躍。両リーグ最多となる今季17度目の逆転勝利に貢献し「盛岡は1年に1回だから、いい1本が打ててよかった」と誇らしげに胸を張った。  2点を追う七回1死二、三塁。今井が投げた144キロの内角高めの直球を左中間席へ運び、3ランで試合をひっくり返した。六回までチームは今井の前に無安打無得点。5日の対戦でも9回3安打に封じられ"令和初完封"を許しており、15イニング連続でゼロ行進が続いていた。  六回の攻撃前のワンシーンが、難敵攻略の足がかりとなった。ベンチ前で円陣を組み、金森打撃コーチが「慌てるな。狙い球、ゾーンをしっかり。冷静に!」と助言。すると七回に先頭の浅村がチーム初安打を放ち、ウィーラーが左翼線二塁打、1死からブラッシュが一発で右腕を沈めた。  八回には2打席連発の15号2ランを左翼ポールにぶち当て、月間10本塁打に到達。球団史上4人目の記録を加入1年目の5月に打ち立て、早くも球団史に名を刻んだ。  もみあげからあごひげまでワイルドにそろえ、2メートル近い身長を誇る男の愛称は「ビッグ・ダディ」。マイナー通算169発の長打力が武器で昨季は米大リーグ、エンゼルスで大谷とプレーした。  岩手県営野球場は、その大谷が岩手・花巻東高時代に高校球界最速(当時)の160キロを計測した場所。ブラッシュは「知らなかったよ。知ることができてよかった」と元同僚に思いをはせ、同じ球場での活躍に目を細めた。  北海道のすしなど日本全国の美食を堪能している助っ人は「前夜は何を食べた?」と聞かれ「エビのパスタ」と即答。「レイメン」など盛岡名物を期待した報道陣をずっこけさせた。ソフトバンクが敗れ、チームは32日ぶりに首位浮上。ここからずっこけることがないよう、大砲は打ちまくる。 (花里雄太) 2本塁打のブラッシュに楽天・平石監督 「少ないチャンスで、よく仕留めてくれた」

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(1↑)
楽天
26221 0.542
(↑0.01)
-
(↓0.5)
94246
(+7)
229
(+2)
60
(+2)
15
(+1)
0.257
(↓0.001)
4.470
(↑0.05)
2
(1↓)
ソフトバンク
25222 0.532
(↓0.011)
0.5
(↑0.5)
94205
(+1)
188
(+3)
61
(-)
47
(+2)
0.260
(-)
3.390
(-)
3
(-)
西武
24231 0.511
(↓0.011)
1.5
(↓0.5)
95254
(+2)
257
(+7)
60
(+2)
60
(+1)
0.257
(↓0.002)
4.680
(↓0.04)
4
(-)
ロッテ
23231 0.500
(↓0.011)
2
(↓0.5)
96206
(+3)
195
(+4)
59
(+1)
37
(+1)
0.242
(↓0.001)
3.710
(↓0.02)
5
(-)
日本ハム
23242 0.489
(↑0.011)
2.5
(↑0.5)
94206
(+4)
202
(+3)
30
(-)
19
(+1)
0.256
(↑0.002)
3.830
(↑0.02)
6
(-)
ORIX
19263 0.422
(↑0.013)
5.5
(↑0.5)
95156
(+3)
202
(+1)
35
(-)
40
(-)
0.223
(↑0.002)
3.860
(↑0.06)