DeNA(★0対7☆)阪神 =リーグ戦12回戦(2019.05.26)・横浜スタジアム=
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阪神
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DeNA
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勝利投手:ガルシア(1勝2敗0S)
敗戦投手:濵口 遥大(2勝2敗0S)

本塁打
【阪神】近本 光司(5号・1回表ソロ),マルティネス(4号・2回表2ラン),中谷 将大(5号・2回表ソロ),大山 悠輔(8号・5回表ソロ)

  DAZN
◆阪神が一発攻勢で完勝。阪神は初回、近本の先頭打者本塁打で先制に成功する。2回表には、マルテと中谷の2者連続本塁打などで4点を追加し、リードを広げた。投げては、先発・ガルシアが9回無失点の快投。完封で移籍後初勝利を挙げた。敗れたDeNAは、先発・濱口が誤算だった。

◆阪神ドラフト1位の近本光司外野手(24)がプロ入り初となる先頭打者本塁打を放った。 初回、1番打者として打席に入ると2球目を強振。136キロカットボールをジャストミートすると打球は右翼席中段にまで届いた。 「ゾーンを上げて、甘い球を積極的に打ちにいこうと思っていました。初回から先制することができて良かったです」。5号ソロで猛虎打線を勢いづけた。 阪神新人選手の先頭打者アーチは16年高山以来。

◆阪神が連続アーチで先発ガルシアを援護した。1-0の2回にジェフリー・マルテ内野手と中谷将大外野手が2者連発。まずは無死三塁でマルテが浜口の2球目内角の124キロチェンジアップをすくい上げ、左翼席へライナー性の打球で突き刺した。 「いいピッチャーで、いいボールを投げてくるのはわかっていたので、自分のポイントでしっかり打つことを心掛けていたよ。打席の中でポジティブな気持ちを持って打つことができて、本当に良かったよ」 悠々とダイヤモンドを回ると、次打者の中谷も続いた。真ん中高めにきた3球目143キロ直球をフルスイング。完璧な当たりは高い弧を描き、左翼スタンド中段へ届けた。 「ゾーンをあげて、真っすぐをしっかり仕留めることができました。マルテが打った良い流れで自分も打つことができて良かったです」 左翼を守る福留が休養日のため、前日25日は一塁で先発した中谷が左翼、同じく控えだったマルテが一塁でともに先発。与えられたチャンスで結果を残してみせた。

◆阪神大山悠輔内野手(24)が5-0の5回に8号ソロを放ち、点差を広げた。先頭で打席に入り、DeNA2番手国吉の2球目117キロカーブを捉えた。 打球は左翼ポール付近に飛び込んだ。「スライダーをうまく捉えることができました。序盤に良い形で点を取って、中押しで1点でも多く取っておきたい展開だったので、追加点を取ることができて良かったです」。9試合ぶりのアーチで、4番の仕事を全うした。

◆阪神が1回に新人近本のプロ初の先頭打者アーチで先制した。2回にはマルテ、中谷が2者連続本塁打を放つなど4点を追加した。 DeNAは4回に無死一、二塁の好機を得たが無得点。阪神は5回に大山の8号ソロで加点した。先発ガルシアは6回まで無失点。 阪神は7回にも1点を追加し、貯金を今季最多タイの4に戻した。ガルシアは移籍後初勝利。DeNAは4カードぶりの負け越し。 DeNA浜口が2敗目。

◆阪神オネルキ・ガルシア投手(29)が、移籍後初勝利を完封勝利で飾った。DeNA打線に連打を許さず、9回4安打無失点。直球の最速は151キロを計測し、変化球もしっかり制球して虎ガルシアとして初のウイングボールをつかんだ。 ヒーローインタビューを受け「ファンの方々に応援していただき感謝している。1勝できたので、これを続けていきたい。(完封は)本当にうれしい」と声をはずませた。 ガルシアは中日から移籍した今季、開幕ローテ入りしたものの3試合連続で7失点KOされるなど不調のため、4月17日に2軍落ち。2軍で実戦を積み重ね、本来の姿を取り戻した。「やってきたことが実った。投手コーチがメカニック的なことを教えてくれた。感謝したい」と振り返った。 ガルシアの完封勝利は中日時代の18年6月9日ソフトバンク戦以来、3度目。

◆阪神が4本塁打を放ち大勝した。近本の初回先頭打者本塁打で先制。2回にマルテ、中谷が連続本塁打。さらに5回の大山の本塁打などで得点を重ねた。投げては1軍復帰後初登板のガルシアが完封勝利。なおガルシアの試合後インタビューは以下の通り。 -今の気持ちを ガルシア まずファンの方々に、きょう支えていただいて本当に感謝の気持ちを伝えたいと思いますし、きょう初めて1勝できたので、これを続けていきたいなと思います。 -しかも9回投げ抜いての完封勝利です ガルシア 本当にうれしいですね。満足してます。 -きょうはどういったところがよかったですか ガルシア コントロールがよかったかなと思いますし、しっかり真っすぐも走ってたし、スライダー、シンカーも、いいところにいったかなと思います。それが1番ですね。 -野手の皆さんもたくさん点を取ってくれましたね ガルシア 野手の方々がたくさん打ってくれたので、気持ちよくできましたし、守備でもいっぱい助けられたので、本当に感謝しています。 -移籍をしてからなかなか勝ち星に恵まれずに、つらい月日もあったと思いますが、ファームではどんな調整をしてどんなことを思って、今日のマウンドを迎えましたか ガルシア 下でやってきたことが実ったかなと思いますし、まずピッチングコーチに、メカニック的な部分をファームで教えていただいて、それが本当にきょう出たのでピッチングコーチにすごく感謝しています。 -ウイニングボール大事そうに持っていますが、移籍して初めてのウイニングボール完封勝利でした。特別なボールになりますか ガルシア うれしいですね。ここに移って初めてのボールになるので、まずファンの方々、選手の方々、いろんな人に感謝したいなと思いますし、これを続けていきたいなと思います。皆さん応援よろしくお願いします。 -ファンの皆さんに ガルシア ありがとうございました。きょうすごく暑かったんですけれども、応援もすごく熱かったのでそれが1番かなと思いますし、また応援に来て、自分もこと勝たせてください。ありがとうございました。

◆女房役の阪神梅野隆太郎捕手にとってもガルシアの今季初勝利は待望の瞬間だった。 記念の白星をシャットアウトで飾る好投を引き出し、マウンド近くで抱き合った。「球威があり、真っすぐが走っていた。だから変化球も生きた。言うことないピッチングでした」。バットでは2回に追加点につながる三塁打、7回にはダメ押しの適時二塁打。攻守で左腕をアシストした。

◆阪神が4本塁打を放ち大勝した。近本の初回先頭打者本塁打で先制。2回にマルテ、中谷が連続本塁打。さらに5回の大山の本塁打などで得点を重ねた。投げては1軍復帰後初登板のガルシアが完封勝利。 矢野燿大監督の一問一答は以下の通り。 -ガルシアは一安心だ 内容もゼロで完封しているから、もちろんいい。今日の勝ちはチームにとっても、すごく大きい1勝になるんじゃないかな。 -救援陣も休めた それも含めるし、打線がこれだけ打ったのもある。ガルシアが帰ってきたのもあるし、植田海がヒット打ったのもあるし(笑い)。ホームランも4本だったっけ? すごくいい勝ち方ができたのですべてが大きい。 -3戦連続で7失点のガルシア登板日に7得点 それはマスコミさん、あるある(笑い)。俺らにはまったく何の関係もない。 -近本は左投手も攻略 レギュラーを張ろうと思ったら左投手を苦にしていたら出られへん。右でも左でも関係ないのはレギュラーになる重要な要素。 -序盤の攻撃は25日の9回の5点がつながったか (25日に)0点で終わっているより、ヒット打った人はもちろん、ゼロより気持ちが向かって今日も来られただろう。つながりは俺はあると思う。 -糸原も二塁守備で6回に打球を好捕 そうやね。もっと早く行けたかなと思っていた(笑い)。

◆開幕メンバーの阪神植田海内野手がうれし恥ずかしの今季初安打をマークした。 7回の二塁守備から途中出場し、9回にパットンの初球速球をたたき、中前打。「僕だけ打ってなかったから、よかったです。(矢野監督にベンチで)『ナイスヒット』と言ってもらいました」。守備走塁のスペシャリストで普段は守備固めや代走要員。今季5打席目の快音にも「守備とか走塁をやっていければ」と自覚十分だ。

◆阪神ルーキー木浪聖也内野手の好判断も勝利の呼び水になった。 5-0の4回1死一、二塁。ガルシアはロペスが放ったゴロを二塁悪送球。ベースに入った糸原のグラブをかすめ、ベースカバーに回った木浪が捕った。二塁走者宮崎の三塁オーバーランを見るや、矢のような送球で刺した。矢野監督も「大きなミスにつながるところを聖也がナイスな判断でアウトにしたのは、もちろん大きい」と絶賛。先発野手で唯一無安打だったが、好守で存在感を示した。

◆阪神ドラフト1位ルーキーの近本光司外野手(24)が強烈な先制パンチを繰り出した。1回、プロ初の先頭打者アーチとなる5号ソロをチームの天敵、DeNA浜口に見舞った。迫力満点の1発で乗った虎は5回までに4発を見舞って快勝。貯金を今季最多の4に戻し、月間勝ち越しも決定した。首位広島とは2・5ゲーム差。28日に始まる巨人、広島との勝負の6連戦へ、最高の形を整えた。始まりの合図だった。プレーボール直後、近本が白球をガツンとぶっ飛ばす。青に染まる右翼席中段に着弾。普段は全力でダイヤモンドを駆け回る背番号5が、ゆったりと走りだした。プロ初の初回先頭打者アーチは小学6年生以来、人生2度目。手応えありの一打に満面の笑みだ。 「甘い球を仕留められるように準備をしてきた。ゾーンを上げて、甘い球を積極的に打ちにいこうと思っていました」 初回、DeNA浜口の2球目、外角136キロスライダーを踏み込んで、思い切り引っ張った。ドラフト1位の先制パンチにベンチも大盛り上がりだ。「先制点が取りたいと思っていた。自分のやりたいことはできています」。4本塁打、9戦ぶりに2桁安打を放つ猛虎打線の口火を切った。 体格は関係ない。170センチ、72キロ。プロとしては小さな体でも、ポイントで捉えれば飛距離は出る。「パワーではないですね。角度とか、バットの出し方...。あとは『ここ』ですね」。指さすのはバットの先端から10センチほどの部分。「芯で捉えることだけ考えてます」。先端寄りに芯を置いたバットで遠心力を最大限に利用する。「僕はあまり力がない。ブンブン振り回すバッターでもない。でも、芯にアジャストすれば、ある程度の距離は飛ぶと思ってます」。何千回、何万回とスイングを重ね、ボールとの接点を定めてきた。 4月25日以来の1発で、開幕前の公約通り5号に到達。このペースなら球団の新人左打者では2リーグ制後初となる2桁本塁打も夢ではない。 この日は今季5度目の猛打賞に2四球で全打席出塁。4回は二盗を決め、リーグトップに並ぶ14盗塁と存在感はピカイチだ。矢野監督も「相手にとってすごく嫌な選手になりつつある」と評価を高めた。5月は13勝8敗で勝ち越しを決め、貯金も4に戻した。28日からは甲子園に戻り、宿敵・巨人を迎え撃つ。虎の切り込み隊長が、打で足で暴れまくる。【真柴健】 ▽阪神浜中打撃コーチ「昨日(最終回に)5点取ったことが、今日のゲームにつながっている。近本も勢いをつけてくれたし、マルテ、(中谷)将大もうまく打ってくれた。中押し、ダメ押しと強いチームの勝ち方ができた」 ▼近本の初回先頭打者本塁打は、今季12球団の新人初。阪神の新人では、高山が16年3月31日ヤクルト戦(神宮)でデイビーズから打って以来、3年ぶり。 ▼近本はDeNAの左腕、浜口と石田から3安打。対左投手の打率3割7分3厘は、今季セ・リーグの規定打席到達の左打者16人中1位を独走中だ。 ▼チーム50試合を消化し近本は5本塁打で、年間14本塁打ペース。2リーグ分立後阪神新人の2桁本塁打は69年田淵幸一22本、80年岡田彰布18本、50年渡辺博之11本の3人で、いずれも右打者。近本が大台に乗せればチーム新人左打者初となる。 ▼横浜では24打数12安打で、打率5割の大当たり。球場別では最高の数字だ。

◆阪神矢野燿大監督は捕手目線でも近本光司外野手を高評価した。「今日みたいな意外性の1発もあれば、ヒットもしぶとい。キレイなヒットじゃないけど。チカにも言っているけど『アレが100点満点だよ』って。俺らから、キャッチャーからしたら。お前はキレイなヒットを打ちたいと思うけど、ボテボテのヒットが相手にとったらどれだけ嫌なヒットか」。相手バッテリーにダメージを与える打撃を褒めた。

◆阪神は近本弾に加え、マルテと中谷の連弾で、苦手左腕をノックアウトした。 1点リードの2回だ。先頭梅野の三塁打で無死三塁。続くマルテは、浜口の1ストライクからの124キロ低めのチェンジアップにスイング動作をためて、ためて振り抜いた。「感触も良く、チームのために打てて良かった」。助っ人砲らしい低弾道で、4号2ランを左翼席に突き刺した。試合前に先発ガルシアと互いの活躍を誓い合っただけに「2人ともいい仕事ができて良かった。彼に勝ちが付いて良かった」と喜びは倍だった。 猛攻は止まらない。続く7番中谷は、カウント1-1からの142キロ高めの直球を迷い無く強振。高く弧を描いた打球は、興奮冷めやらぬ左翼席中段に飛び込む5号ソロ。「昨日(25日)ダメだったけど使ってもらった。しっかり打ちたいと思った。1本出て良かった」。福留の休養で与えられたチャンスを一振りでものにした。この回一挙4得点で浜口をプロ最短KOで引きずり下ろした。 DeNA浜口とはルーキーの17年から10試合(先発9試合)で対戦し、浜口の5勝1敗。阪神が黒星をつけたのは18年8月11日(横浜)のみで、今年も4月10日(甲子園)に1安打完封負けを喫していた。 矢野監督は一塁手も争う2人の連弾に「欲を言えば、あの後の打席やね、2人とも。チームにとっても相手に与えるダメージも大きいし、結果的に浜口をノックアウトできたのはすごく大きなホームランだけど」と、さらに高いレベルでの競争を求めた。 打線は、5回にも大山のチームトップとなる8号ソロを含む4本塁打など11安打を浴びせ快勝。連続1桁安打を8試合でストップさせた。苦手をたたき、チームの勢いはさらに加速する。【奥田隼人】

◆阪神オネルキ・ガルシア投手(29)が、虎のユニホームで初めてのウイニングボールを手にした。4月16日以来の登板で4安打完封勝利。「しんどかったけど、今日勝てたので、今日から新しい気持ちで行ける。今後の自分に期待したいなと思う」。 9回2死、ロペスに投げ込んだ5球目は今季最速151キロを計測。「(これまでと)全然違うと思う。やっと結果が出てきてうれしい」。直球の威力は最後まで衰えず、13個のゴロを打たせた。味方のファインプレーにも助けられ、両手を上げて全身で喜んだ。 昨季中日で13勝を挙げた左腕は、ローテの柱と期待されて入団。「去年より良い結果を残したいと思っているし、その自信がある」。開幕前は胸を張った。しかし、初登板した4月2日の巨人戦で打ち込まれると、そこから3戦連続7失点。「自分のキャリアでこんな結果になったことはない。実際、想像していなかった」。2軍降格直後は珍しく弱音ももらした。積み上げた自信は崩れそうになっていた。 本来の自分を取り戻すため、貪欲にアドバイスを吸収した。香田2軍投手コーチとともに、前に突っ込んだり体重が後ろに残ったりとバラバラだったフォームを見直した。4月下旬の名古屋遠征の際には、かつてのチームメートである中日松坂が金言をくれた。「結果は出ていないけど、自分の投球をすれば大丈夫」。試合前の練習で「去年は結果を出した。見下ろして投げていた、あんな感じで投げればいいんじゃない?」と会話を重ね、マウンドではその言葉を思い返した。 助っ人の完全復活に矢野監督も一安心。「またチームにとって明るい材料が増えた。球の走りも戻ってきた。しっかりゴロを打たせる、ガルシアらしい本来の投球ができていた」。この日はうれしい「7点」をもらって初白星。かつての金髪とは2軍調整中におさらば。真っ赤な髪が映える、強くて明るい「77」として帰ってきた。【磯綾乃】

◆阪神ドラフト1位ルーキーの近本光司外野手(24)が強烈な先制パンチを繰り出した。1回、プロ初の先頭打者アーチとなる5号ソロをチームの天敵、DeNA浜口に見舞った。近本はいい意味で数字にこだわらず、プロの世界でどっしり生きている。この試合の3安打で打率は半月ぶりに3割を回復。ただ、追うのは日々変動する成績ではなく、自分の成長だ。「その日その日が勝負の世界。(数字で)アピールするためにやっているわけではない。自分のレベルを上げていけるように挑戦していくだけです」。柔和な表情の裏で強い意志がある。 やると決めたらトコトン追求。今は筒井外野守備走塁コーチとのノックが日課で、落下地点へ1歩でも早く到達するため雨の甲子園でもサボらずやる。必要だと思えば動くストイックさは昔から。関学大時代、野手転向した際に始めた外野でのハードル跳び、キレを増すための猛ダッシュもほぼ無休でやり通した。 ある日はっきりとした口調で言った。「よく(打率)3割キープが目標だ、と言われるんですが...。キープは現状維持って意味じゃないですか? そこを意識してしまうと後退していくだけだと思うんです。どれだけ打率が高くても、得点につながらなければ、意味がないと思っています」。自らの考えを言葉にできるのも近本の強みだ。 開幕前、自分を律するために掲げたワードは「リスタート」。143試合あれば、良い日も悪い日もある。結果が出れば素直に喜び、ダメなら寝て忘れて...。真っさらな気持ちでゲームに向かっている。【阪神担当=真柴健】

◆今季2度の完封勝利をマークしていたDeNA浜口遥大投手が、2回途中でKOされた。初回先頭打者弾を許すなど、1回2/3を5安打5失点(自責4)。 4月10日の試合で9回1安打無失点に抑えた阪神打線に、高めに浮いたボールを狙われた。「とにかく甘かった」と反省の言葉を口にした。ラミレス監督も「普段の彼の投球ではなかった」と渋い表情だった。

◆阪神のD1位・近本光司外野手(24)=大阪ガス=が26日のDeNA戦(横浜)に「1番・中堅」で出場し、一回先頭で右翼へ先頭打者本塁打を放った。  「ゾーンを上げて、甘い球を積極的に打ちにいこうと思っていました。初回から先制することができて良かったです」  これまでチームとして苦戦をしいられてきた左腕・濱口から値千金の1本となった。1ボールからの2球目、136キロ外角スライダーをフルスイング。打球はきれいな放物線を描いて右翼席に着弾した。  阪神の新人選手による先頭打者弾は2016年3月31日のヤクルト戦(神宮)で高山が放って以来。

◆阪神のジェフリー・マルテ内野手(27)が26日のDeNA戦(横浜)の二回無死三塁で、濱口から左翼へ4号2ランを放った。さらに、続く中谷も左翼席中段へ5号ソロをほうり込んで連続弾とした。  マルテは18日の広島戦(甲子園)以来、15打席ぶりの安打が本塁打に。「いいピッチャーで、いいボールを投げてくるのはわかっていたので、自分のポイントでしっかり打つことを心掛けていたよ。打席の中でポジティブな気持ちを持って打つことができて、本当に良かったよ」とコメントした。  中谷は初球の142キロ直球を一閃。4月18日のヤクルト戦(神宮)で1試合2本塁打を記録して以来のアーチとなった。「ゾーンをあげて、真っ直ぐをしっかり仕留めることができました。マルテが打った良い流れで自分も打つことができて良かったです」と振り返った。

◆阪神・大山悠輔内野手(24)が26日のDeNA戦(横浜)の五回先頭で国吉から左翼へ8号ソロを放った。  「スライダーをうまく捉えることができました。序盤に良い形で点を取って、中押しで1点でも多く取っておきたい展開だったので、追加点を取ることができて良かったです」  1ストライクからの2球目、低め117キロカーブを捉えて左翼席へ。15日の巨人戦(東京ドーム)以来のアーチで6-0とリードを広げ、ダメ押しした。

◆DeNA・浜口遥大投手が26日の阪神戦(横浜)に先発したが二回途中、5安打4失点(自責4点)で降板した。  阪神には4月10日の対戦(甲子園)で1安打完封し、前回登板となった5月19日のヤクルト戦(神宮)でも完封するなど、ここまで2勝1敗、防御率1・20と安定していたが、一回に先頭の近本に先頭打者弾を許した。  さらに二回にはマルテ、中谷に連続本塁打を浴び、さらに2死一、二塁からゴロをさばいたロペスからのトスをベースカバーに入った浜口が落球(記録は投手失策)し、二走の生還を許すと交代を告げられた。  「序盤に大量得点を許してしまい、チーム、そして中継ぎ陣に申し訳ないです」と左腕はうなだれた。

◆26日のDeNA-阪神戦(横浜)で阪神が相手先発の濱口を2回2/3で引きずり下ろした。  阪神は浜口にこれまで10試合の対戦で1勝5敗、防御率2・73と抑えこまれてきた。しかしこの日は一回の近本の先頭打者弾に始まり、二回までに5安打3本塁打5得点と打線が爆発。二回2死一、二塁で濱口は降板し、2番手・国吉に交代となった。立ち上がりから猛攻を見せ、難敵をノックアウトした。

◆阪神は26日、DeNA戦(横浜)に7-0で圧勝。2017年のデビュー以来、5勝を献上していた先発・浜口を一発攻勢で攻略した。  まずは一回、先頭の近本が右翼席へ5号ソロをたたき込み、先制。二回には先頭の梅野が三塁打で出塁すると、すかさずマルテが左翼席へ4号2ラン。続く中谷も左翼席へ特大の5号ソロを運んで、4点目。この回で浜口をマウンドから引きずり降ろした。  五回には大山の8号ソロ、七回は梅野が左翼線へダメ押しのタイムリーを放ち、7点を奪った。  投げては4月16日のヤクルト戦(松山)で2回途中7失点KOされて以来だった先発・ガルシアが4安打完封勝利。1軍復帰戦、阪神移籍後初勝利を最高の形で締めくくった左腕は「きょうはすごく暑かったけど、ファンの応援もすごく熱かったです。また応援に来てください!」と横浜の虎党に感謝していた。

◆阪神は26日、DeNA戦(横浜)に7-0で圧勝した。先発・ガルシアが4安打完封勝利。1軍復帰戦、移籍後初勝利を最高の形で締めくくった。以下はヒーローインタビューの一問一答。  --阪神移籍後初勝利  「ファンの方々に感謝の気持ちを伝えたかった。1勝できたので、これを続けていきたい」  --しかも完封勝利  「うれしいです。満足しています」  --きょうはどんなところがよかったか  「コントロールがよかったです。直球も走っていたし、スライダーもシンカーもいいところに決まりました」  --打線も点を取ってくれた  「本当によく点を取ってくれて、気持ちよく投げられた。打つだけではなく、守備でももり立ててくれて、助けられました」  --なかなか勝てない時期もあった。ファームでどんなことをしてきたのか  「ファームでやってきたことが実った。投手コーチにメカニックの部分を見てもらって、よくなった。コーチにはすごく感謝しています」  --ウイニングボールを大事に持っている  「うれしいです。阪神に来て、初めてのウイニングボールだからね。ファンや、いろいろな人に感謝しています」  --きょうもたくさんのファンが応援に来てくれた。最後にひと言  「きょうはすごく暑かったけど、ファンの応援もすごく熱かったです。また応援に来てください。グラシアス!」

◆DeNA・三浦大輔投手コーチは、26日の阪神戦(横浜)で今季最短の1回2/3、5安打、5失点で降板した浜口について「(ヤクルトを完封した)前回に比べるとまっすぐの走りはいまいちで、その分、変化球に頼らざるをえないなかで、甘めに入ってしまった」と振り返った。  一回、近本に先頭打者弾を浴びたことによる動揺は「そのあと3人で抑えたからね」と否定。続く二回の先頭の梅野に左中間三塁打を許したことで、「リズムに乗れずに自分の良さを出す前にやられてしまった」と語った。  「今日はやられたけど、やり返すように。反省をしっかり生かして、次に生かせるようにしたい」と修正しての次回の登板に期待した。

◆待望の白星だ。阪神のガルシアが中日からの移籍後初勝利を完封で飾った。150キロ台もマークした直球を軸にリズムよく投げ「本当にうれしいし、満足している。真っすぐも走っていたし、スライダー、シンカーもいいところに決まった」と声を弾ませた。  先発の新たな軸として開幕ローテーションを担ったが、3試合連続で7失点と振るわず、4月中旬から2軍で投球フォームを修正してきた。「何か新しいことをしてみよう」と気分転換に髪も赤く染めたサウスポーは「やっと結果が出た。今後の自分に期待したい」と上機嫌だった。 矢野監督(今季初勝利のガルシアに) 「球の走りが戻ってきた」 阪神・福原投手コーチ(ガルシアに) 「しっかり体を使って投げられていた」 梅野(2安打1打点) 「投打がかみ合った試合だった」

◆誰もが異口同音に「とにかく暑いッス...」としかいわない。  そりゃ暑いのは日本中が炎熱地獄みたいなのだから覚悟の上だが、困るのはトラ番連中は電話の向こうでソレしかいわないということなのだ。  暑いのはわかってらい。飛行機で太平洋をひとっ飛びしてきて、時差をモノともせず早朝からゴルフを楽しんでいる大統領ドノとわが国の首相のお元気さにも驚くばかりだが、ウチの若い記者たちは横浜スタジアムで日陰ばかり選んでウロチョロしてたのに...肩で息して汗だくなのだ。  トラ番たちが手短にリポートしてくれるのは「暑い」ということばかりで、試合前に阪神が一体どんな練習をしていたのかについては...手をかえ品をかえて聞き出そうとするわけだが、途中からベンチの出入り口付近でお目当ての選手が出てくると「アッ、ああ...」とかなんとか口走りながら...それじゃあこのコラムは成立しないではないか。エーと読者の皆さま、本日はあまりに暑いので虎ソナはあ...アッ...ああ...でございました...てなことを書くと、舌打ちとともに突き返されるのがオチですヮ。  箭内桃子記者は投手担当ですが、とても落ち着いて「ガルシア投手は冷静でしたヮ」という。当然、シーズン開幕から3戦連続7失点で...心配されていた頼みの左腕が見事に彼女の予感通りに復活しました。  サブキャップ長友孝輔は「横浜の記者席はエアコンが効いているんですが、それはナイターの場合です。デーゲームはジワジワと横浜港からの太陽が差し込んでいて、それが記者席をホットプレートのように温めてくれて...ドドッと暑くなりまして...。トランプ米大統領が国技館に到着される頃、横浜スタジアムの記者席は最もホットになります。その時にガルシアがビシッと抑えてくれていればいいんですが...」という。  野手担当の菊地峻太朗は「練習では中谷選手、近本選手がキビキビしてました。どれだけガルシアをバックアップできるか...でしょう...」という。横浜生まれの菊地がそういうのだからなぁ...半分だけ信用しようといえば、電話の向こうで苦笑していた。  かくしてプレーボール。いきなり近本が先頭打者ホームラン! フライパンなら卵焼きがすぐこげ付くようなホット状態の幕開けだ。二回にはマルテ、中谷の連続アーチ。実は1年前のこの5月26日、甲子園での巨人戦で4-4の九回2死から中谷が沢村から劇的なサヨナラ打を放った。当時の金本監督は4打席無安打の中谷をあえて打席に送り、中谷はその期待に応えた。"意外性"が中谷の魅力なのだ。彼が1年後は横浜でマルテに続いてホームランを放ち、これが試合の趨勢を決定づけた。  大山も打った。梅野の長打...ガルシアは見事によみがえった! 移籍後初勝利が完封だ。  当番デスクの野下俊晴は「今日はもう日本ダービーも終わり、もし虎が負けたら...競馬でなんとかというワケにはいかなかったんデス」とポツリ。その心配を見事に矢野阪神は吹き飛ばした。  1947年、あまりに広いため甲子園にはラッキーゾーンが設置された。それは91年に撤去されたけれど...もうそんな心配なんか吹き飛ばせ! 阪神。待ってるゼ、次は甲子園で巨人だ!

◆--ガルシアはひと安心  矢野監督 「またチームに明るい材料が増えた。球の走りも戻って、しっかりゴロを打たせる本来のピッチングができていた。本当にきょうの勝ちは、チームにとってもすごく大きい1勝になるんじゃないかな」  --ファームで一度頭を冷やして調整させた  「冷やすというのは全然ない。アイツの状態を上げるためにファームに調整に行った。力のあるピッチャーやから」  --それがいい方へ出た  「最初、やっぱり立ち上がりが不安定だと、いいスタートが切れないし。そういうところで打線も序盤で点を取ってくれたというのも、より投げやすいムードにもなったし。だからどっちも絡んでいる部分がある」  --近本は積極的な姿勢が先頭打者弾になった  「ヒットもしぶとい、ねえ? きれいなヒットじゃないけど。チカ(近本)にも言ってるけど『アレが100点満点だよ』って、俺らキャッチャーからしたら。ボテボテのヒットが、相手にとったらどんだけ嫌なヒットか。点数はないんだけど、100点のヒットだと思う」  --守備では(四回に)宮崎の三塁オーバーランを刺したり、大きなプレーがあった  「そうやね、あれも大きなミスにつながるところを(木浪)聖也のナイス判断で、アウトにしたのも大きかったね」

◆植田がみんなを笑顔にする今季初安打だ。七回の守備から二塁に入ると、九回にパットンから中前打。今季5打席目での快音に「僕だけ(開幕メンバーで)打っていなかったので」と照れくさそうに頭をかいた。そしてベンチが、特に矢野監督が大盛り上がり。試合後に「大きな1勝」と語り「打線がこんだけ打ったのもあるし、ガルシアが帰ってきたのもあるし、植田海がヒット打ったってのもあるし」と満面の笑み。植田は「オマケみたいなもの。守備と走塁をしっかりやっていきます」と話した。

◆ガルシアをリードした梅野は、これまでとの違いについて「球威があったし、真っすぐが走っていた。だから変化球が生きましたね。言うことない投球でした」とうなずいた。自身は二回先頭で三塁打を放ち、マルテの2ランを呼ぶと、七回1死三塁では左翼への適時二塁打。「チャンスメークもできたし、最後も1点を取れた。投打がかみ合った勝利。来週も続けていければ」と意気込んだ。

◆ガルシア~! 俺はやると思っていたのだ。  昨年は中日で13勝。ところが阪神に来たら、今年はそっくりさんでも投げているんじゃね~か!?と思うような、開幕から3試合連続の7失点であっけなく2軍落ち...。  虎党の皆さん、本日の投球を見ましたか? 頭にナンを乗せているような髪形のガルシア。そのナンが2軍落ちする前の黄色から、本日は赤に変わっていたでしょう? あれがまさしくガルシアの心なんです。  つまり、信号と同じで黄色なら注意で「マダ、ダイジョウブ!」。赤は「アブナイ! クビニナル!!」。その危機感から完封勝利を飾ったのだ。  近本の初回先頭打者本塁打に始まってマルテと中谷の連続アーチ。4番・大山にも本塁打が飛び出して1試合4発。普段は、阪神に縁のないアーチ祭り。5月では異常の気温30度超えにもなるってもんよ~!  特に虎党内でも「一塁手はマルテ?」「それとも中谷?」と意見が割れていますが、その2人がともに第1打席でホームラン。そして、その後の打席は2人とも2三振を含め、3打席連続で凡退。この似たもの同士の定位置争いも熱くなりそうなのだ!!

◆高め142キロ直球をガツンと仕留め、中谷が左翼席へ大アーチをかけた。3-0の二回無死走者なし。マルテに続く2者連続弾となる今季5号ソロで難敵・浜口をKO寸前に追い詰めた。  「きのう(25日)、ダメだったのに(きょうもスタメンで)使ってもらって、しっかり打ちたいと思っていました。1本出たのはよかったです」  4月18日のヤクルト戦(神宮)以来、出場22試合ぶりの一発に胸を張った。前日25日は「7番・一塁」でスタメン出場も4打数無安打に終わっただけに、起用した矢野監督の期待に応えた形だ。  ただ、その後は空振り三振2つと捕邪飛に終わり「その後が全然ダメでした」と反省。矢野監督も「こっちが求めてしまうというか。『将大、もう1本いけよ』とか」と貪欲さを求めた。マルテとの7番争い、一歩も引くわけにはいかない。

◆今季最多の3万2099人の観衆が詰めかける中、打線がガルシアの前に沈黙。今季初めて完封勝利を献上した。3本塁打を浴びるなど自己最短の1回2/3で5失点の浜口について、ラミレス監督は「制球がよくなく、球も高めに浮いていた。阪神打線はそういう球は捉えてしまう」と渋い表情。ガルシアについては「九回でも151キロを投げていた。予想以上に良かった」と脱帽した。 1回2/3を5失点で2敗目のDeNA・浜口 「序盤に大量得点を許してしまい、チーム、そして中継ぎ陣に申し訳ないです」

◆ゲームセットの瞬間をマウンドで迎えると、おどけて陸上短距離の五輪金メダリスト、ウサイン・ボルトの弓引きポーズを決めた。降り注ぐ大歓声に、笑顔で帽子を取る。ガルシアが虎初勝利を圧巻の完封で飾った。  「ファンの方々に感謝の気持ちを伝えたかった。1勝できたので、これを続けていきたい」  援護をもらって上がった一回のマウンド。まずは11試合連続安打中と好調の神里を4球で見逃し三振に。宮崎は遊ゴロ、ソトは右飛と、10球で三者凡退とした。「下(ファーム)でやってきたことがあったので、すごく自信を持って投げられました。1イニング目は大事なところ。そこを切り抜けられてよかった」。直球は最速151キロを計測。味方の大量援護の後押しも受け、テンポ良くベイ打線を斬った。  「これまでで経験したことがない。想像していなかったことが起きているというか...」。中日から移籍し、昨季13勝の実績を買われて開幕ローテ入り。しかし、開幕から3試合で投球回は9回1/3で0勝2敗、防御率19・29-。4月16日のヤクルト戦(松山)を最後に、2軍落ちした。  その間に重点的に取り組んだのが、投球フォームの修正だ。「香田投手コーチと何がおかしいか、時間をかけて見直しました」。上半身が前に突っ込みすぎないようにするなど、バランス面を改善。それに伴い、悩みの種の一つだったスライダーの精度が向上した。登板2日前のブルペンを見守った福原投手コーチは「前よりかなりよくなった。スライダーもうまく抜けるようになっていたし、身体をうまく使えるようになった感じ」。2軍戦3試合で結果を出し、態勢は万全だった。  来日2年目の陽気なドミニカン。試合の応援に来てくれる家族と、登板後に食べに行く日本食が何よりの至福だ。中でも気に入っているのが回転すし。「好きなネタ? ないない。全部好き。だから、流れてくるやつをとにかく片っ端から食べていくんだ」。快投の後に食べる"ご褒美"は格別に違いない。  「しんどかったですけど、やっと今日、勝てたので。また今日から新しい気持ちでできますし、自分としても結果もついてくると思う。自分の今後に期待したいです」  苦しみを乗り越えてつかんだ1勝。ここから再進撃を始める。 (箭内桃子) ★金から気分転換  ガルシアは昨季所属した中日時代から、短く刈り込んだ頭髪を金色に染めるのがトレードマーク。しかし「何か新しいことをしてみよう」と2軍調整中だった5月上旬に、気分転換で赤に変えた。マウンドやベンチで帽子を取るたびに見える"赤ガルシア"は新鮮!? 本人も「きょうはすごく暑かったけど、ファンの応援もすごく熱かった。また応援に来てください」と上機嫌だった。

◆必死でこらえようとする相手を、打ち砕くのも4番の仕事だ。グッとためて、大山が鮮やかに運び去った。相手の方がチャンスが多く、トドメが必要だった中盤。5-0の五回先頭で、左越え8号ソロを突き刺した。  「うまく捉えることができました。序盤にいい形で点を取って、中押しで1点でも多く取っておきたい展開だったので、追加点を取ることができてよかったです」  無安打投球で踏ん張っていた2番手・国吉を、ひと振りで仕留めた。150キロ台後半の直球を頭に入れながら、117キロの緩い変化球に反応し、左翼ポール際へ。15日の巨人戦(東京ドーム)で菅野から放った特大弾以来、9試合&37打席ぶりの一発だ。5打数1安打でも最高の形で7試合連続安打に。50試合到達時点で8本塁打はシーズン換算では「22・9本塁打」ペースで、昨年の自己最多「11」を上回る。  生え抜きで右打ちの和製大砲では、中谷が2017年に20本塁打している。浜中打撃コーチが現役時代の06年にマークした20本塁打の壁に手をかけはしたが、"ブチ破る"には至らなかった。このまま打ち続けて21発以上となれば、05年に今岡(現ロッテ2軍監督)が放った29本塁打以来。ここまでチームで唯一人、矢野監督が全50試合で打順を固定し、起用してきたのが大山だ。それらの壁もすべて飛び越えることを、もっともっとチームを勝たせることを、求められ続けている。  「1点でも多く取るに越したことはないので。チームにとっても、自分にとってもよかったと思います」  四回無死一塁の守備ではセ・リーグ三塁手ではワースト、5試合ぶり今季8個目の失策も記録。失点にはつながらなかったが、本塁打後には、ベンチの端へ座るガルシアの元へ謝罪に行った。虎を勝たせるという自覚が、バットと全身から、あふれ始めている。(長友孝輔)

◆有言実行の弾丸ライナーを虎党の待つ左翼席へ放り込んだ。「ブチヤブレ! オレガヤル!!」。試合前の円陣で声出し役を任され、日本語で絶叫したマルテが、助っ人砲の面目躍如の一発だ。  「ランナーをしっかりかえせて、よかった。打席の中でポジティブな気持ちを持って、打つことができたよ」  6番で2試合ぶりにスタメン出場。1-0の二回無死三塁、浜口のチェンジアップをとらえた。15打席ぶりの安打は14日の巨人戦(東京ドーム)以来29打席ぶりの4号2ラン。「(練習で)貸してもらったら感じがよかったんで今、使っている」という上本のバットで、試合の主導権をつかむアーチを描いた。  ガルシアのためにも打ちたかった。試合前のベンチ裏。復帰登板の左腕に、熱く声をかけた。  「俺も全力を尽くす。お前も全力を尽くせ!」  自身は右ふくらはぎの張りで出遅れ、ガルシアは開幕直後の絶不調で2軍降格に。鳴尾浜でともに汗を流した。助っ人として加わりながらチームの力になれない日々...。悔しさを2人でぶつける日が、ようやく訪れた。  イニング間や投球の合間、マウンドに歩み寄り声をかけ続けた。「ガルシアが勝ってうれしい。2人でいい仕事ができてよかった」。言葉には、実感がこもっていた。  マルテ自身、スタメンが確約されているわけではない。「7番・一塁」は中谷と併用が続き、この日は福留が休養日だったためマルテが6番、中谷が7番。二回には中谷も続き、2者連発でアピール合戦となったが、矢野監督は「欲を言えば、2人ともあの後の打席。2人の"立場"をしっかりするところでは、貪欲に」と凡退した2打席目以降の快音も求めた。  打線の鍵が「7番・一塁」なのは明白。マルテは「きょうはチームを助けることができて、よかった」と笑顔で話すと、次の戦いへ向け、すぐに表情を引き締めた。(堀啓介) ★左腕キラー・マルテ  マルテには、実は左腕キラーという側面がある。対右は打率・160なのに対し、対左は・316。本塁打は左右からそれぞれ2本ずつ打っているものの、サウスポーとの相性のよさは数字に表れている。7番のレギュラーとなるには、右腕対策が必要だ。一方、中谷は対右は・224に対して、対左は・217と差はない(数字はいずれも26日終了時点)。

◆ドカン、ドカ~ンと気持ちいい~! 阪神は26日、DeNAに7-0で快勝。D1位・近本光司外野手(24)=大阪ガス=が自身プロ入り初となる初回先頭打者本塁打で口火を切ると、二回にはマルテ、中谷にも一発が飛び出した。暑気払いどころかアッチッチの猛烈Vで5月の月間勝ち越しも決定。さあ、28日からは本拠地で0・5差の2位巨人を追い抜くゾ~!  気温30度。真夏のような暑さに包まれた昼下がりの横浜スタジアム。まだ観客が冷たいビールに口をつける間もないプレーボール直後、近本の打球が熱気を切り裂いて右翼席に突き刺さった。  「簡単に打てるピッチャーではなかったので、甘い球をしっかり仕留められるようにイメージしてきた。抜けたカットボールを1球で仕留められたのはよかったです」  ベイの先発・浜口には4月10日(甲子園)に1安打完封負け。2017年のデビュー以来5勝を献上している。自身は初対戦の難敵に襲いかかった。一回先頭。高く外れた直球を見送った2球目、外角球を思い切り引っ張って右翼席へ。前日25日の九回に5点を奪い、1点差まで追い上げた勢いを持ち込んだ。  これで猛虎打線に火がつき、二回にはマルテの2ラン、中谷のソロなどで4点を追加。浜口をKOすると五回には大山もソロ。筒香、ロペス、ソト、宮崎とタイトルホルダーが並ぶベイ打線のお株を奪う一発攻勢で、7-0の完勝リベンジだ。  近本は二回には中前打で5点目のホームを踏むと、四回には四球で出塁して二盗。14盗塁として山田哲(ヤクルト)と並びリーグトップとなった。八回にも中前打で23日のヤクルト戦(甲子園)以来今季5度目の猛打賞。打って走って大活躍のルーキーを「相手にとって、すごく嫌な選手になりつつあるよね。意外性の一発もあれば、ヒットもしぶとい」と矢野監督は称賛。この日は5打席すべてで出塁し、俊足でプレッシャーをかけ続ける姿を「相手バッテリーが、明らかに近本に引っ張られてるところが十分に見える。近本のプラスのことが、すごく出ている」とたたえた。  この日で打率・305と3割を回復。リードオフマンとしてフル回転する裏には、綿密な"予習と復習"がある。打席から戻ったときに、ベンチで欠かさず書いているメモ。「その打席の配球とか、気づいたこととか、その時、感じたことを書くようにしています」。すでに厚さ3センチになったメモを試合前や試合中にも読み返す。最近では電子機器に"メモ"する選手もいるが、矢野監督から春季キャンプで「書いた方が頭に入る」と教わってから実践。自らの文字が、打席で力になる。  先頭打者弾は学習小6年で所属していた仮屋クラブ時代以来という。球団新人では2016年の高山以来。高山はその後新人王を獲得と、まさに吉兆だ。近本は「やりたいことがやれている」と手応え十分だ。28日からは0・5ゲーム差の2位巨人を本拠地に迎えて、令和初の甲子園での伝統の一戦。5月月間勝ち越しを決めた勢いそのままに、宿敵を一気に追い抜く。その先頭には、いつも背番号5がいる。(菊地峻太朗) 近本の本塁打について阪神・浜中打撃コーチ 「勢いがついたホームラン。きのう(25日)の(九回に)5点取ったゲームが、勢いをつけてくれた」

◆ガルシアにとって、一回表裏の先頭打者がまずはポイントになった。久しぶりの1軍マウンド。どうしても力が入るところで、阪神の先頭の近本がホームランを打って、すぐに1点の援護をもらい、DeNAの1番・神里に対してはズバッと見逃し三振。気持ち的に、乗っていけたはずだ。  制球もよくなった。非常にまじめな性格で、2軍でもコントロールを意識して練習していたと聞く。少し時間はかかったが、いい調整ができたのだろう。テンポよくストライクを先行させることで、リズムができた。  スライダー、チェンジアップも効いていたが、おっ!? と目を引いたのがカット気味の速球だ。四回。味方失策が絡み、無死一、二塁で4番の筒香を迎えた場面。追い込んでからファウルを奪った3球目、そして空振り三振を奪った6球目の外角球、ともに149キロとスピードが出ていたが、スッと小さく曲がっていた。多くは投げていなかったが、筒香のような左の強打者には、非常に効果的なボールだった。  この制球力ならローテは任せていける。次は広島戦と思われるが、大いに楽しみだ。(サンケイスポーツ専属評論家)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
28191 0.596
(↓0.013)
-
(-)
95195
(+4)
181
(+5)
47
(-)
29
(+1)
0.252
(↑0.002)
3.060
(↓0.05)
2
(-)
巨人
25201 0.556
(↑0.011)
2
(↑1)
97233
(+5)
187
(+4)
62
(+2)
24
(-)
0.268
(-)
3.730
(↓0.01)
3
(-)
阪神
26222 0.542
(↑0.01)
2.5
(↑1)
93193
(+7)
205
(-)
37
(+4)
31
(+2)
0.246
(↑0.001
3.570
(↑0.07)
4
(-)
中日
22250 0.468
(↑0.011)
6
(↑1)
96178
(+10)
180
(+8)
33
(+4)
29
(-)
0.263
(↑0.002)
3.710
(↓0.05)
5
(-)
ヤクルト
21272 0.438
(↓0.009)
7.5
(-)
93229
(+8)
250
(+10)
59
(+3)
21
(-)
0.243
(-)
4.490
(↓0.11)
6
(-)
DeNA
19280 0.404
(↓0.009)
9
(-)
96182
(-)
207
(+7)
55
(-)
13
(-)
0.241
(↓0.002)
4.040
(↓0.04)