楽天(☆9対8★)日本ハム =リーグ戦8回戦(2019.05.15)・楽天生命パーク宮城=
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日本ハム
2015000000081312
楽天
00040003101X91204
勝利投手:宋 家豪(1勝1敗0S)
敗戦投手:玉井 大翔(0勝1敗0S)

本塁打
【日本ハム】大田 泰示(7号・1回表2ラン),大田 泰示(8号・3回表ソロ)
【楽天】ブラッシュ(11号・4回裏満塁),ブラッシュ(12号・8回裏2ラン),嶋 基宏(3号・8回裏ソロ),浅村 栄斗(9号・9回裏ソロ)

  DAZN
◆楽天が最大8点差を逆転してサヨナラ勝利。楽天は1点を追う9回裏、浅村のソロで試合を振り出しに戻す。そのまま迎えた延長11回、1死一三塁からウィーラーが犠飛を放ち、試合を決めた。6番手・宋家豪が今季初勝利。敗れた日本ハムは序盤のリードを守りきれなかった。

◆日本ハムが大田の2発で3点をリード。初回に左中間へ7号2ラン。3回には同じ場所に滞空時間のある8号ソロを放った。 日本ハムは4回に打者10人の猛攻で5点を追加。8-0とした。一方、楽天はその裏にブラッシュの11号満塁弾で4点差に縮めた。 楽天は8回、ブラッシュの12号2ランと嶋の3号ソロで1点差に。9回は先頭の浅村が9号ソロを放ち、延長戦に持ち込んだ。 楽天は延長11回、ウィーラーの犠飛でサヨナラ勝ち。貯金を1とした。6番手の宋家豪が初勝利。8点差の逆転は球団史上初。日本ハムは貯金1。10回から登板した玉井が初黒星を喫した。

◆日本ハムが8点リードから大逆転負けを喫した。 先発金子が4回、ブラッシュに11号満塁弾を浴びたところから試合の潮目が変わった。8回には6番手の石川直が3失点し、9回は回またぎとなった秋吉が浅村に同点9号ソロを献上。延長11回は8番手の玉井が力尽きた。栗山英樹監督は「結果的に8点を取っているわけで、全てはこっちの責任」と話した。

◆日本ハム大田泰示外野手が今季2度目の1試合2本塁打を放った。 初回に7号2ラン、3回には8号ソロ。4回までに大量8点リードを奪う起点となったが、まさかの大逆転負け。延長11回1死一、三塁の守備ではウィーラーの右飛を捕球後、好返球したが間一髪、間に合わなかった。「最後、刺したかったですけど不運なところもあった。引きずらず、気持ちを切り替えたい」と振り返った。

◆楽天が球団史上初となる8点差をひっくり返しての大逆転サヨナラ劇を演じた。0-8で迎えた4回裏から逆襲開始。9回に浅村の9号ソロで振り出しに戻し、延長11回にウィーラーがサヨナラ犠飛。三塁走者の藤田が間一髪のタイミングで生還した。

◆まさに神の手だ! 楽天が延長11回、9-8で日本ハムにサヨナラ勝ちした。最後は犠飛で本塁へ突っ込んだ藤田一也内野手(36)が捕手のタッチをかいくぐり、左手でベースを触って勝利をたぐり寄せた。序盤は8点を追う展開も、ブラッシュの2発や浅村の本塁打などで同点に追いつき、延長で劇的サヨナラ。8点差逆転勝利は球団史上初という快挙だった。ベテランが必死のヘッドスライディングでタッチをかわした。11回裏1死一、三塁。ウィーラーの浅い右飛が飛んだ瞬間、三塁走者藤田へベースコーチから「ゴー!」の指示が出た。「そのままいったらアウト。最初から頭でいこうと思いました」。全速力で走り、ホームへヘッドスライディング。タイミングはアウトだったが、体を右にひねって左手を浮かしてタッチをかわし、相手のミットの上から左手を伸ばしてホームベースを触った。 セーフの判定に本拠地ファンは大歓声。直後に日本ハムからリクエストが出たが「タッチされていなかったからセーフの確信があった」という藤田の言葉通り、判定は覆らなかった。試合後には「あれでアウトになっていたらウィーラーに何を言われるか分からない。さっきもロッカーで『フジタ遅いよ』と言われました」と会心の笑みをみせた。 前日14日の日本ハム戦で通算1000安打を達成した。しかし守備では2失策を犯し、試合も1-13と大敗した。「ちょっとふがいない1日だったんで、昨日は心から喜べなかった。今日これでいい気分で移動できます」。充実感を漂わせて、東京ドームで開催される16日の同戦のために仙台を後にした。 この日は先発古川がつかまり、4回までに0-8とリードされた。それでも誰ひとりあきらめなかった。平石監督は「序盤に離された時に円陣を組もうと思ったんですけど、『まだまだこれから。いくぞ、いくぞ』といろいろな選手が口にしていた。必要がなかったからわざわざ(選手を)集めませんでした」という。 8日ソフトバンク戦では球団史上初の7点差逆転勝ち。そしてこの日は初めて8点差をひっくり返した。指揮官は藤田や嶋、渡辺直らについて「経験を積んでいる選手は良くも悪くも『今日の試合は厳しい』と試合を読んでしまう。でもウチのベテランたちにはそういうのがまったくない。常に声を出してくれて助かります」。あきらめない雰囲気をつくりだしている年長者たちをたたえた。【千葉修宏】

◆楽天ジャバリ・ブラッシュ外野手(29)がまたしても大逆転の立役者となった。チーム記録となる8点差を逆転してのサヨナラ勝ち。 0-8の4回裏に反撃の満塁本塁打、8回裏にも2点本塁打を放って敗色濃厚ムードを一転させ、8日ソフトバンク戦での7点差逆転を更新する劇勝を呼んだ。昨季エンゼルスで同僚だった大谷からのアドバイスを忠実に守る真面目な男が、大暴れの予感だ。まさに楽天の救世主だ。ブラッシュが起死回生の2発で、大逆転勝利を呼び込んだ。先発古川が4回までに8安打2本塁打を浴び8失点。しかし7点差をひっくり返した1週間前の残像が、ブラッシュの頭に残っていた。4回裏無死満塁、金子の初球142キロの直球をジャストミート。打った瞬間本塁打と分かる豪快な左中間弾を放つと、一塁を回り右手で小さく拳を握り締めた。「こういう展開だけど、ベンチでみんな声が出ていた。このままいきたくなかった」。4点差のまま追い込まれた8回裏には2ランを放ち、ついに勝利を視界にとらえた。8日のソフトバンク戦でも0-7から2ラン2発を放ち、チームに「まだ行ける」のムードを与え、サヨナラ劇をもたらした。決して諦めない姿勢が、チームに奇跡的な粘りを生んだ。 14日は疲れを考慮され欠場。もちろん自ら申し出たわけではない。平石監督は「明らかに疲労がたまっているようだった。日本に来て、練習内容とか移動とかの違いが影響していると思う。試合に向けて準備してくれたらいい」と配慮を欠かさない。そして「今日は練習から明らかに元気だった。ベンチのみんなも『ここで打ったら(休みを)許す』と言っていた」と休養日効果を笑った。 昨季エンゼルスで同僚だった大谷からは来日前に、「日本の投手は変化球が多いので、前に突っこまずに我慢することが大事」とアドバイスを受け実践している。13日(日本時間14日)に大谷が放った今季初本塁打も目に焼き付けた。「映像で見たよ。すごかったね。彼は今年もたくさんホームランを打つよ」と活躍を刺激にしている。6日西武戦から8試合で7発と量産態勢に入るが、あくまでもフォアザチームを強調する。「嶋と浅村の1発が大きかったよ。自分はチームの勝利に貢献したいという気持ちだけでやっている」と謙虚だ。196 センチ 、100 キロ の優しき大男が、楽天に大きな底力をもたらしている。【野上伸悟】

◆楽天浅村栄斗内野手が勝負強さを発揮した。0-8からブラッシュの満塁弾&2ラン、嶋のソロで1点差まで追い上げ迎えた9回。 先頭で打席に立つと、カウント2-2から日本ハム秋吉の144キロ外角直球をはじき返した。ライトポール際への微妙な打球だったがリプレー検証の結果、同点弾と判定された。 最後はウィーラーの犠飛で延長サヨナラ勝ち。浅村は「点差が開いていても全員があきらめることなく最後まで戦えている。最初からそういうチームだと思っていたし、自分も同じような気持ちで戦えている」と手応えを口にした。 守備でも延長11回2死一、二塁で近藤の一、二塁間のゴロを好捕。捕球時に「慌てることなく、しっかり握って投げればアウトになる」というタイミングだと判断。無理な体勢でボールを握り替えず、あえて一度捕球したボールを芝生の上にこぼし、拾って一塁へ送球する頭脳プレーもみせた。「8点差になっても『まだまだいける』という声がベテランの人からかかっていた。試合に出ている選手は『やってやろう』という気持ちになる」と一体感が劣勢をはね返す力になっていると強調した。

◆日本ハム石川直也投手が猛省した。 8回に登板も、ブラッシュにこの日2本目となる12号2ランを浴び、嶋にもソロ本塁打を浴びて3失点を喫した。 4点リードながら押されている展開の中でマウンドに上がり「そこを抑えるのが自分の仕事だったんですけど...」と悔やんだ。

◆楽天は6年目の今野龍太投手が4-8と劣勢の2番手で登板し、3回を無失点で抑えた。13年に故星野監督の一声でドラフト9位指名。 1年目から150キロ超えの速球を武器に1軍登板を果たしたが、右ひざの半月板を痛め15年オフには育成契約に。17年に支配下復帰も結果を残せず、今季は緩急を覚えはい上がってきた。 「マウンドに行く前は緊張したけど、目の前の1人1人に集中して投げられた」と笑顔だった。

◆日本ハム玉井大翔投手が今季初黒星を喫した。 マウンドに上がった延長10回は2死二塁のピンチを切り抜けたが、延長11回は1死一、三塁とされ、ウィーラーにサヨナラ犠飛を浴びた。 「流れが悪いのは分かっていた。(藤田に安打され)先頭を出したことが全てです」と肩を落とした。

◆日本ハムが大逆転負けを喫した。楽天8回戦(楽天生命パーク)は4回表までに8点リードを奪いながら逃げ切ることができず、延長11回の末、今季初のサヨナラ負け。投手陣は楽天打線の一発攻勢に屈し、打線も5回以降は追加点を奪えなかった。勝てば今季初の貯金3だったが、チャンスを逸して連勝もならず。重い黒星となった。いちるの望みをかけた、栗山監督のリクエストも失敗に終わった。延長11回、楽天の1死一、三塁。ウィーラーの右飛でタッチアップした三塁走者・藤田と、右翼大田から好返球を受けた捕手清水のクロスプレー。約2分間のリプレー検証もセーフの結果は変わらなかった。「すいません。きちんとできなかったのは、こっちの責任」。ショッキングな大逆転を食らって、今季初のサヨナラ負けとなった。 4回表までに大田の2本塁打などで8点を奪った。2戦連続の大勝ムードも、一変したのは4回裏。先発金子が2死満塁の場面でブラッシュに11号満塁本塁打を浴びた。金子は「ホームランはダメな場面だった。投げ損じです。(相手が)勢いづくには十分すぎることをしてしまった」と失投を振り返った。この回は中田の失策も失点に直結。ミスが重なり、試合の流れが、逆流を始めた。 打線は中盤以降、追加点を奪えず、序盤とは一転、防戦一方の試合展開に変わった。リリーフ陣の苦投が、状況を物語っていた。1人の走者も許さなかったのは5番手の宮西だけ。8回は石川直が2被弾で3失点と崩れ、9回は回またぎとなった秋吉も浅村に同点ソロを献上。最後は、2イニング目となった延長11回に玉井が力尽き、結果的に8投手をつぎ込む総力戦を落とした。 金子は12日西武戦で中継ぎとして1イニング、21球を投げていた。この日は58球で降板したように、多くの球数は求められなかった。最初から、リリーフ陣をどんどん投入するのは想定内だったはず。終わってみればチーム全体が、想定外の大きな負の流れにのみ込まれた。栗山監督は「大事な試合は続くので、しっかり勝ちきるようにするだけ」と締めた。屈辱は、勝ってぬぐい去るしかない。【木下大輔】

◆楽天新外国人のアラン・ブセニッツ投手が、8回に来日初登板した。二塁内野安打は許したが、2三振を奪って無失点に封じた。 春先は適応できなかった日本の柔らかいマウンドにも慣れ、遊びで投げていたカットボールを本格的に使い出して投球の幅も広げた。平石監督も「持ち球も増えたし、思った以上にキレも精度も良かった」と満足そうだった。

◆今季初登板の楽天今野龍太投手(24)が、4-8の5回から2番手で力投し、劇的なサヨナラ勝利を呼んだ。5回から登板し、3回2安打3奪三振、無失点の好投。小気味のいい投球でチームにリズムをもたらし、その後のブセニッツ、森原、松井、宋への無失点リレーの立役者となった。楽天は劇的勝利で貯金を1とした。今野が今年にかける強い思いを結果で証明した。0-8の劣勢から4回裏にブラッシュの満塁本塁打が飛び出し、追撃ムードがわずかながら漂い始めた5回表から登場。今季1軍初登板だったが、生き残りをアピールするためには、戦況など関係なかった。4回表、先頭の王に二塁内野安打を許したが、打ちとった打球だった。気落ちすることなく渡辺諒を空振り三振、石井一をこの日最速の146 キロ 直球で連続三振に仕留めた。3回を2安打に抑え、延長11回サヨナラ勝利を呼ぶ快投。平石監督も、「テンポよく、ボールもよかったし、相手打者を差し込んでいた。抑えたこともそうですが、リズムよく放っていたので、攻撃のリズムも生まれたんだと思う。本当によくやってくれた」と手放しでほめた。 脱力投法で復活のきっかけをつかんだ。8日のイースタンリーグDeNA戦で先発し7回3安打1失点と好投。「力を入れずに投げることができた」。入団当初は最速153 キロ の直球が武器。この日の最速は146 キロ だったが、110 キロ 台のカーブを有効に使った。6回にも先頭中島卓を右前打で出すも、西川、大田泰、近藤の上位打線を打ちとり、7回には主砲中田も遊ゴロに仕留めてみせた。「毎年速いボールばかりで遅いボールを投げられずにきたけど、今年は緩急をつけられるようになった」と成長を実感している。 無名の岩出山高3年夏の宮城県大会でノーヒットノーランを記録し、13年のドラフト9位指名を受けた。その素材にほれ込んだ故星野氏が監督として最後に指名(育成を除く)した選手。右ひざ半月板損傷で16年は育成契約となったが、17年4月に支配下登録に復帰した。同年6月に高校時代の同級生と結婚。「もう自分1人じゃないんで結果を残さないと」と自覚も芽生えてきた。昨年12月の披露宴には、お笑い芸人サンドウィッチマンの2人も多忙な中、祝福に駆けつけてくれた。「ずっと心配してくれていたので、今年こそは本当に活躍したい」。たくましくなった「岩出山の星」が、6年目での開花を期する。【野上伸悟】

◆楽天が延長11回、9-8で日本ハムにサヨナラ勝ちした。最後は犠飛で本塁へ突っ込んだ藤田一也内野手(36)が捕手のタッチをかいくぐり、左手でベースを触って勝利をたぐり寄せた。 ▼楽天が0-8から逆転サヨナラ勝ち。楽天は8日ソフトバンク戦(0-7→8-7)で球団初の7点差逆転勝ちを記録していたが、1週間で更新となった。7点差以上の逆転勝ちをシーズン2度以上は13年のDeNA以来。DeNAは5月10日巨人戦、8月20日阪神戦、同31日ヤクルト戦の3度記録した。パ・リーグでは03年ダイエーが5月14日近鉄戦(8点差)9月4日日本ハム戦で記録して以来16年ぶり。月間で2度は、前記13年8月のDeNAに次いで史上2度目で、パ・リーグでは初めてだ。 ▼楽天のサヨナラ勝ちは今季4度目で、今月だけで3度目。楽天で月間3度のサヨナラ勝ちは10年9月、14年9月に並ぶ最多タイ。

◆日本ハム・大田泰示外野手(28)が15日、楽天8回戦(楽天生命)で、2打席連続本塁打を放った。  一回、無死一塁から楽天先発・古川のフルカウントからの9球目の直球を、弾丸ライナーで左中間スタンドへ運ぶ先制の7号2ラン。「フルカウントまでもっていけたのも大きかったですし、コンパクトに振り切ることができた結果」と大田。  すると三回2死走者なしからの第2打席では、カウント2-2からの古川のスライダーを、またも左中間スタンドへ運ぶ8号ソロ。「追い込まれていたし、全球種をケアしていた。何とかチャンスメークしようと思っていた。スタンドに入ってくれてよかった」と、4月25日の楽天6回戦(札幌ドーム)以来、今季2度目となった2打席連続弾を振り返った。  大田の2発で流れに乗った日本ハム打線は、打線爆発。四回までに8点を奪った。

◆楽天のジャバリ・ブラッシュ外野手(29)が15日、日本ハム8回戦(楽天生命)に「7番・右翼」で先発出場。0-8の四回2死満塁の場面で、日本ハム先発の金子から左翼席へ追撃の11号満塁本塁打を放った。  「打ったのはストレート。こういった展開だけど、ベンチでみんな声が出ているし、このままではいきたくなかったからね。まだまだこれからだよ」と、来日初となったグランドスラムを淡々と振り返った。

◆日本ハムの大田は一回に先制2ラン、三回には2打席連発となる8号ソロを放つなど4打点を挙げた。チームが逆転負けを喫し、勝利にはつながらなかったが「しょうがない。切り替えてやることが最優先」とさばさばした表情で話した。  好調の打撃だけでなく、守備でも七回に島内の右中間に抜けそうな打球を懸命に追って好捕するなど奮闘した。今回の楽天との3連戦は変則日程で16日の3戦目は東京ドームで行われる。「1勝1敗なので勝ち越せればいい。場所も変わるし、環境も変わるので」と雪辱を期した。

◆日本ハムは8点のリードを守り切れなかった。中2日で先発した金子が8-0の四回に満塁弾を浴びて降板。八回に石川直、九回には秋吉と勝ちパターンの救援陣が本塁打を許して追い付かれた。  大量リードを奪いながら痛恨の逆転負け。栗山監督は「すみません。前半の点差があって、きちんとできなかったのはこっちの責任」と険しい顔で足早にバスに乗り込んだ。 日本ハム・木田投手チーフコーチ(救援陣が崩れ) 「うちの戦い方の中で最善と思っていってもらっただけ」

◆楽天のブラッシュが2本塁打で6打点を挙げる活躍で大逆転勝利に貢献した。0-8の四回に来日後初の満塁本塁打を左翼席に運ぶと八回にも左越えへ2ランを放った。2発で敗戦ムードを一変させた。  5月に入り7本塁打と持ち味の強打を発揮している。疲労がたまっていたために14日は欠場したが、休養日明けに爆発し「しっかりケアして今後に臨みたい。チームに貢献したい」と活躍を誓った。 嶋(八回に3号ソロ) 「上位につなごうと思っていた。逆転勝利ができたのは大きかった」 今野(今季初登板で五回から3回無失点) 「低めを意識して投げた。緊張したけどマウンドに上がってからは大丈夫だった」

◆楽天は15日、日本ハム8回戦(楽天生命パーク)に延長十一回、9-8でサヨナラ勝ちした。1点差の九回に浅村栄斗内野手(28)が起死回生の9号ソロを放って試合を振り出しに戻し、最後は十一回1死一、三塁からゼラス・ウィーラー内野手(32)の犠飛と藤田一也内野手(36)の"神の手"で決着。今季2度目の球団記録更新となる最大8点差からの逆転勝ちを飾り、日本ハムと並ぶリーグ2位に浮上した。  杜の都は、もう夕暮れ時。平日のデーゲームは"神業"で幕を閉じた。8-8の延長十一回1死一、三塁、藤田はウィーラーの右飛で三塁からタッチアップ。頭から滑り込むと左手を1度上げて、捕手・清水のタッチをかわし本塁に触れた。リクエストでも判定は覆らず。サヨナラ勝ちが決まると、4時間40分の激闘を制したナインは水を掛け合って喜びを爆発させた。  「点差が開いても全員が諦めず最後まで戦えた。本塁打は狙っていなかったが、必死に思い切っていった」  1点を追う九回、起死回生の9号ソロを放った浅村が胸を張った。  最後がリプレー検証なら、同点弾もリプレー検証から生まれた。秋吉の外角直球を右翼ポール際へ運んだが、ファウルと判定された。「切れていない確信があった」という浅村は、判定が覆り、本塁打が認められるとベンチで笑顔。十一回の守備では、近藤の抜ければ決勝打確実な一、二塁間のゴロを横っ飛びして好捕。攻守でチームを救った。  四回まで0-8と大量リードされた試合。圧倒的なビハインドからブラッシュが左翼席へ来日初の満塁弾を放つなどして、じりじりと相手を追い詰めた。8日のソフトバンク戦では最大7点差をひっくり返したが、この日は球団記録を1週間で更新する8点差からの大逆転勝利を飾った。  今季19勝のうち逆転勝ちは12球団最多の12度。ベンチからは渡辺直らベテランが「まだまだ、いける!」の声を飛ばし、浅村は「出ている選手でやってやろうという気持ちになった」と明かす。「(8点差で)円陣を組もうと思ったけど『まだまだ』『これから行くぞ』と至る所で口にしていて、集める必要はないと思った」とは平石監督。苦しい状況でも前向きさを失わない姿勢が、強さを生む。  「諦めず粘り強かった。本当に素晴らしい」と指揮官。貯金を1としたチームは、16日に東京ドームでのホーム戦を迎える。劣勢を苦にしない"逆転の楽天"が、ペナントレースを盛り上げる。 (井上幸治) ★とっさにクロール  藤田が"神の手"でサヨナラ勝ちを演出した。延長十一回1死一、三塁からウィーラーの右飛でタッチアップ。本塁へヘッドスライディングしながら、左手を1度上げて捕手・清水のタッチをかわし、本塁を陥れた。リクエストからのリプレー検証でもセーフの判定は覆らず、藤田は「(手ではなく)体にタッチされたのでセーフは確信していた。ミットがベース上に来ていたので、とっさに(左手で)クロールしました。アウトになったらウィーラーに何を言われるかわからない」とおどけた。

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
21172 0.553
(↓0.015)
-
(-)
103173
(+4)
152
(+5)
51
(+2)
40
(+2)
0.258
(↓0.001)
3.330
(↓0.05)
2
(-)
日本ハム
19182 0.514
(↓0.014)
1.5
(-)
104164
(+8)
151
(+9)
25
(+2)
14
(-)
0.254
(↑0.001
3.630
(↓0.01)
2
(2↑)
楽天
19181 0.514
(↑0.014)
1.5
(↑1)
105194
(+9)
186
(+8)
48
(+4)
11
(-)
0.263
(-)
4.610
(↓0.07)
4
(1↓)
ロッテ
18181 0.500
(↓0.014)
2
(-)
106152
(+2)
152
(+3)
41
(-)
32
(+1)
0.244
(-)
3.710
(↑0.02)
5
(-)
西武
18191 0.486
(↑0.014)
2.5
(↑1)
105198
(+5)
210
(+4)
47
(+3)
46
(+2)
0.252
(-)
4.810
(↑0.02)
6
(-)
ORIX
15203 0.429
(↑0.017)
4.5
(↑1)
105125
(+3)
155
(+2)
30
(-)
35
(+1)
0.225
(↓0.001)
3.770
(↑0.05)