阪神(★2対5☆)中日 =リーグ戦9回戦(2019.05.12)・阪神甲子園球場=
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中日
2100200005800
阪神
2000000002710
勝利投手:清水 達也(1勝0敗0S)
(セーブ:鈴木 博志(0勝1敗11S))
敗戦投手:才木 浩人(2勝1敗0S)
  DAZN
◆中日は初回、高橋の適時二塁打で幸先よく2点を先制する。その後1点リードで迎えた5回表には、2死二三塁から阿部の2点適時二塁打で貴重な追加点を挙げた。投げては、先発・清水が5回2失点でプロ初勝利。敗れた阪神は、打線が2回以降無得点と振るわなかった。

◆12日中日戦に先発する阪神才木浩人投手が無傷の3連勝を目指す。 前回1日の広島戦では5回で降板しながら、直後に味方が逆転し勝利投手に。「6回、7回まで投げ切れていない。中継ぎの方の負担を減らすためにも、7回ぐらいは投げられたらと思います」。 今季初戦も6回途中で降板。7回以上を目指し、先発マウンドに立つ。

◆中日高橋周平内野手(25)が5月に入って絶好調。4月の月間成績は77打数17安打、打率2割2分1厘だったが、5月はここまで39打数17安打、打率4割3分6厘。 6日広島戦から5試合続けて打点をマークするなど、前月と対照的な成績を残している。

◆阪神先発の才木浩人投手(20)が初回に2点の先制を許した。 先頭の京田を安打で出し、1アウトを取ったが、続く平田、ビシエドに連続四球で1死満塁のピンチ。5番高橋に一塁線を破る2点適時二塁打を打たれた。 高橋の当たりは一塁手マルテがグラブに当てるも、止められず。矢野監督は打球についてベンチを出たが、判定は覆らなかった。続く、1死二、三塁からは三振と遊ゴロに打ち取り、大量失点とはならなかった。

◆中日高橋周平内野手(25)が6試合連続打点を記録した。 1回1死満塁で一塁線へゴロを転がした。この打球が一塁マルテのグラブをはじき、走者2人が生還する先制の2点二塁打となった。 フェアかファウルか微妙な判定だっただけに「いいところに飛んでくれました。ファウルにならなくて良かったです」とコメント。ここ5試合で20打数13安打、1本塁打、9打点と好調を継続している。

◆阪神福留孝介外野手(42)の一振りで、すぐさま試合を振り出しに戻した。 2点を先制されて迎えた1回裏。1死から糸原が四球で出塁。続く糸井の安打、大山の四球で満塁の好機に、5番福留は、フルカウントから中日先発清水の直球を中前へはじき返した。 2人の走者が帰り、すぐさま同点。続く梅野、マルテは倒れ、逆転とはならなかった。 だがその直後、2回表には勝ち越された。

◆阪神先発の才木浩人投手(20)が5回8安打5失点でマウンドを降りた。 初回、安打と2つの四球で1死満塁のピンチを招き、高橋に2点適時打を浴びて先制を許した。同点に追いついた2回にも、大島に適時三塁打を打たれ、すぐさま勝ち越しを許す苦しい展開。 5回にはビシエドの強烈な打球が左足のくるぶし付近を直撃。1度、治療を受けるためにベンチへ下がるも続投。しかし、直後の高橋に安打で2死二、三塁とされると、続く阿部に左越えの2点適時打を打たれ5失点。 「初回から自分の投球をすることができず、常にランナーを背負う状況を作ってしまいました。投球でも攻撃でもチームに迷惑をかけてしまい、申し訳ないです」。 2回の攻撃では、無死一塁から送りバントを決められず。投打で思うような活躍ができなかった。5回79球で2番手の島本にマウンドを譲った。 この試合まで2戦2勝と好調だった右腕だったが、中日打線に捕まりゲームを作れなかった。

◆中日が初回に高橋の右翼線二塁打で2点を先制。阪神は初回に福留の2点適時打で追いつくも、中日大島が2回に勝ち越し適時打。 中日は5回2死二、三塁から阿部が左翼フェンス直撃の二塁打を放ち、2点を追加した。阪神才木は5回5失点で降板した。 阪神は7回に糸井が今季初盗塁を決め、得点圏に走者を進めるも無得点に終わった。中日先発の清水はプロ初勝利をマークした。 阪神才木が1敗目。

◆阪神が6カードぶりに負け越した。先発の才木浩人投手が5回5失点で今季初黒星を喫した。打線は中日のプロ初先発清水に対し、初回の2得点だけ。 チームは好調をキープしてきたが、4月19~21日の巨人戦(甲子園)で同一カード3連敗を喫して以来の連敗となった。 2連敗で貯金は「1」。この日勝利した広島に同率の3位で並ばれた。13日は試合がなく、14日から6戦全敗中の巨人と敵地東京ドームで2連戦に臨む。

◆中日の高卒2年目右腕、清水達也投手(19)がプロ初先発で初勝利を挙げた。 5回92球を投げ、4安打4奪三振4四球で2失点。2点リードの1回裏は2四球2安打で2失点したが、2回以降の4イニングは2安打無失点と試合を作った。この日最速145キロの直球に力があり、落差のあるフォークで阪神打線を空振りさせた。登板後は「野手の先輩方に攻守で助けていただきました。とても感謝しています」と振り返った。 急きょ抜てきされた先発マウンドだった。2日前の10日、この日先発予定だった福谷の「左腰椎椎間板ヘルニア」が発覚。突然1軍に招集され、1軍初先発が決まっていた。 チームはすでに開幕ローテを担った笠原、山井、吉見が離脱中。小笠原や藤嶋、松坂もリハビリ中で復帰のメドは立っていない。非常事態に陥る中、19歳右腕が救世主となった形だ。 清水は花咲徳栄3年夏の17年に全国制覇を経験。リリーフエースとして全6試合に登板し、同年ドラフト4位で中日に入団していた。思い出深い甲子園で、いきなり大仕事をやってのけた。しかもこの日は母、姉も球場で観戦。ヒーローインタビューでウイニングボールについて聞かれた清水は、「今日は母の日なので、お母さん、お父さん...両親に渡したいです。お母さんに一言? 産んでくれてありがとう!」と感謝した。

◆阪神糸井嘉男外野手が2安打と気を吐いた。初回に中前打を放ち、福留の先制タイムリーにつなげた。 7回には全力疾走で内野安打とした。ここ4試合で3度のマルチ安打。打率を3割に乗せた。11日の中日戦では、右前打に対する打球処理のつたなさを指摘する声もあったが、清水ヘッドコーチは「一生懸命やっている。今のままやってくれたらオッケー」と話した。

◆阪神が5月に入って初の連敗を喫した。打線が中日清水を攻略しきれず、投げては先発才木が主導権を握られる苦しい試合展開だった。矢野燿大監督の試合後の主なコメントは以下の通り。 -攻撃では反発力があったが、今後の課題は 走塁面も、僕らはそういうところで点を取っていかないといけない。そういうところは、これから成長していきたいところですね。 -救援陣は踏ん張った ずっとシーズンを通して中継ぎ陣はよく頑張ってくれてます。投げながら成長している選手たちも多い。これからも、そういう形でいってもらいたいですね。 -相手は初先発。バントミスとかで助けてしまった部分もあった もちろん、もちろん。 -キッチリ送れば流れも変わった もちろん。 -才木は慎重になった 結果を気にしてとか大胆さが足りない。大胆に行って打たれる分にはまだまだ成長、結果につながる。今日はやられたなかで収穫になりにくい。それは残念。 -1回、高橋の打球で審判に確認していた 審判ももちろん一生懸命やっている。俺らも毎日、必死に戦っているなかで俺は選手を信じてファウルじゃないかなと思っている。審判の人がそう見えたのは仕方がないけど、仕方がないだけではすまされない部分も俺らの気持ちのなかではある。どうなのかなといまでも疑問に思っている。

◆阪神近本光司外野手が2回に二盗を成功させ、リーグトップタイとなる11盗塁目を記録した。 1死一塁で遊ゴロを打って、走者が入れ替わる形で塁に残ると、次打者の3球目にスタート。勢いよく二塁ベースにスライディングした。1度はアウトの判定が下されたが、その直後に近本が両手を開いてセーフを主張すると、ボールもこぼれており、判定は変わってセーフとなった。 「(盗塁など)得点につながるようなプレーをしていきたいです」 ヤクルト山田哲、中日大島に並んだ。ドラフト指名時から目指す盗塁王も視野に入れ、虎のリードオフマンは日々成長している。 バットでは6回の第4打席まで11打席ノーヒットと、直近は結果が出ていなかったが、9回に中前打を放って12打席ぶりに「Hランプ」をともした。矢野監督は「状態としては、いいときからちょっとね。シーズンずっと(試合に)出だすと疲れも出始める。そういう部分に入っているかもしれない」と懸念していたが「最後の1本、いい形でね。1本出るのと全然、違うと思う。近本が(塁に)出るのは相手にとってもすごく嫌なこと」と評価した。 近本は試合後に「1本出たのはよかったです。もう少しチャンスで打てたら...」と語るなど慢心はない。継続して結果を残す新顔は頼もしい。【真柴健】

◆「代役」ゲームに連敗...。阪神はプロ初先発の中日清水をとらえきれず、プロ初勝利を献上してしまった。 5イニングで奪った得点は1回の2点だけ。拙攻が響いた。当初は福谷が先発予定だったが故障で清水が代わりにマウンドへ。4月27日も、予告先発の笠原が体調不良で登板回避した試合を落としていた。5月初の連敗で、6カードぶりの負け越し。3位タイに後退した。う~ん、乗り切れませんな...。阪神が自ら勝機を手放してしまった。マウンドに立つのは高卒2年目、19歳の清水だ。2年前に夏の甲子園で優勝投手に輝いたとはいえ、序盤から浮足立っていた。1回は2四球と2安打で同点に追いつき、なおも一、二塁。だが、後続が倒れて勝ち越せなかった。 2回は先頭木浪の四球出塁で才木が送りバント失敗。1点を追う4回も1死一、二塁で再び送りバントできず得点できない。自らの投球に生かせず、才木も「流れを止めたかなと思います。守備でも攻撃でも迷惑を掛けてしまった」と猛省した。中盤は清水の球威に押されて5回まで投げさせてしまった。矢野監督も渋い表情で振り返るしかなかった。 「う~ん...。こっちが持たせてしまったという感じにしか見えないけどね...。(点を)取れそうなところで取れてない。流れのなかで、こっちに流れを持ってくることができなかった」 終盤まで再三、得点圏に走者を進めながら、劣勢をはね返せなかった。浜中打撃コーチも「やられたという感じではない」と話すなど、不安定な清水相手に消化不良の拙攻が重くのしかかった。当初は福谷が先発予定だったが、腰部故障で急きょ清水が代役のマウンドに立った。4月27日も敵地ナゴヤドームで予告先発の笠原が不整脈の疑いで回避し、代わりに投げた佐藤から1回に3点先制したが痛恨の逆転負けを喫した。 優位に立てるはずの「代役先発」ゲームで中日に連敗。5月初めて黒星が続いて巨人3連戦3連敗を喫した4月19~21日以来、6カードぶりに負け越した。順位は3位で変わりないが、広島に並ばれた。指揮官は「悔しいです」と厳しい表情を浮かべつつ、先を見据えた。14日からは敵地で令和初の巨人戦を2試合戦う。「今シーズン、やられてるのはもちろん分かっています。巨人に勝って2勝できるわけじゃないけど巨人に特別な思いを持って戦ってきたい」。今季6戦全敗の首位チームに、全力で挑む。【酒井俊作】

◆中日清水達也投手の恩師、花咲徳栄(埼玉)の岩井隆監督(49)が「もしもし日刊です」の取材に応じた。 -清水の初勝利おめでとうございます。 岩井監督 いやぁ、何とかねぇって感じです。本当にこっちの心臓が止まるかと思いました。 -試合観戦は 岩井監督 日刊スポーツで先発と知って、慌てて録画しました。練習試合の前に初回だけテレビで。そうしたら2失点。頼むよ~って試合に行きました。 -全国優勝した甲子園で初勝利 岩井監督 彼らしく1球1球刻んでいった感じかな。高校時代は、ゾーンというか甲子園の歓声が聞こえない状況くらいに突き詰めて、みたいな話はよくしていました。頭が良くて考えすぎちゃう子なので。 -2年目で初勝利 岩井監督 4~5年はかかると思ってました。 -今後の活躍も 岩井監督 プロの世界はそんなに甘くないので、良い悪いを繰り返しながら、成長していってほしい。 -本人から連絡は(午後7時時点) まだまだ。みんなでお祝い中でしょう。私のところにはお祝いメールが何十通も来ています(笑い)。【電話・アマチュア野球担当=金子真仁】

◆阪神梅野隆太郎捕手がマルチ安打と奮闘した。4回に先頭で右前打を放ち、6回にも先頭で左翼へ二塁打。好機をつくるも得点にはつながらず、先発才木とのバッテリーでリズムを作れなかったことを悔やんだ。「リズムをつかめないまま、それがズルズルいってしまった」。14日からの巨人戦(東京ドーム)で巻き返す。

◆阪神ジェフリー・マルテ内野手は3打数ノーヒットと結果を残せなかった。 初回の守備で一塁線のゴロをはじき、微妙な判定となったが、先制の2点打になってしまった。「ファウルかと思ったが、捕りにはいった。集中してやっていくだけ」。10日の中日戦で2号2ランを放った後は、11打席無安打。打率は1割8分6厘に落ちた。

◆さすが聖地V右腕! 中日の高卒2年目、清水達也投手(19)が12日、「母の日」の敵地阪神戦でプロ初先発初勝利をマークした。 5回92球を投げ、4安打4奪三振4四球で2失点。生観戦した母にウイニングボールを贈った。花咲徳栄3年夏の17年には全国制覇も経験。思い出深い甲子園で、また大仕事をやってのけた。そそくさと出口に向かう阪神ファンも、思わずほほ笑んでしまう。「産んでくれてありがとう!」。19歳清水から数十メートル先にいる母への初々しい絶叫が、甲子園を温かく包み込んだ。 プロ初先発初勝利。舞台は花咲徳栄3年夏、リリーフエースとして全国制覇を成し遂げた「自分の庭」だった。「高校野球とは一緒にできない。完全アウェーなので。でも相手の応援が何人いようと、この球場は相性がいいと思って投げました」。先発予定だった福谷が2日前に腰痛で出場選手登録を抹消され、急きょ抜てきされたマウンド。最速145キロの直球と落差あるフォークを武器に、5回2失点と粘った。 「君は絶対ランナーを出すんだから、周りを見て深呼吸をして。バックがついているんだから」-。 2点リードの1回裏、2四球2安打で2失点。「初回は平常心でいけなかった」。難局を迎えた時、先発直前に届いた母・百合野(ゆりの)さん(52)からのメールにも支えられた。 母は愛息の直筆サインが入った帽子をかぶり、姉・瞳さん(23)と三塁側内野席から生観戦していた。母お手製のカレーライスと卵焼きが好物。今も頻繁にLINE(ライン)する。数日前にはカーネーションを初めて実家に送り届け、家族を驚かせていた。ウイニングボールまでプレゼントに追加し「『母の日』なので良かった」と照れ笑いした。 チームは突如現れた救世主の力も借り、6カードぶりの勝ち越し。開幕ローテメンバーの笠原、山井、吉見が離脱する中、19歳のプロ初星には1勝以上の重みがあった。【佐井陽介】

◆阪神打線はプロ初先発の清水を打ち崩せず、継投にもかわされて二回以降は無得点。矢野監督は「悔しい。(点を)取れそうなところで取れない。流れをこっちに持って来られなかった」と険しい表情だった。  六回2死一、三塁で二ゴロに倒れた近本は九回の安打1本に終わり「1本出たのは良かったが、もう少しチャンスで打てたら良かった」と話した。

◆中日打線は高橋と阿部の活躍が光った。好調の高橋は3安打2打点だった。一回1死満塁では才木から、右翼線に先制の2点二塁打。「良いところに飛んでくれた。ファウルにならなくて良かった」と話した。これで安打は7戦、打点は6試合連続となった。  10試合連続で先発出場の阿部も1安打2打点と存在感を示した。五回は貴重な2点二塁打を放ち「狙い球を高めに設定し、積極的にいこうと決めて打席に入った」と語った。

◆阪神・才木浩人投手が12日の中日戦(甲子園)に先発し、5回8安打5失点で今季初黒星。打席では2つのバント失敗で、攻守に勝利を呼び込めなかった。  「最初から攻め切れていないというか、大事に大事にいきすぎて自分のいいところを出せませんでした」  リーグ屈指の強力竜打線に立ち上がりからつかまった。一回に2安打2四球でいきなり2失点。味方がすぐさま同点に追いついてくれた後の二回にも大島の左中間への適時三塁打で勝ち越しを許すなど、粘れなかった。  2-3とされた直後の二回無死一塁で打席に入り、バントのサインが出た。初球をキャッチャー後方に高々と打ち上げ、ファウル。2球目は何とか転がしたが、投手の正面に...。走者を進めることができず、1死一塁としてしまった。  さらに四回1死一、二塁では打球を3球連続でフェアゾーンに転がすことができず、スリーバント失敗。「流れを止めてしまった。守備でも攻撃でもチームに迷惑をかけてしまったので、本当に申し訳ないです」と反省しきりだった。

◆阪神・矢野燿大監督は12日の中日戦(甲子園)に2-5で敗れ、2連敗。試合後の会見で「くやしい」と振り返った。  --試合を振り返って  矢野監督 「いやぁ、悔しいです」  --攻撃面での課題は  「取れそうなところで取れてないというね、流れの中で、やっぱりこっちに流れを持ってくることができなかったですし。走塁面に関してもね。僕らはそういうところでこう点を取っていく、というところをしていかないといけないので。そういうところはまあ、これから成長していきたいところですね」  --初先発の清水を、序盤のバントミスで助けてしまったか  「うん、もちろんもちろん」  --きっちりやっていけば流れも変わってくる  「もちろん」  --ベンチから見た清水の印象は  「うーん...まあこっちがもたしてしまったな、という感じにしか見えないけどね」  --近本の四回の当たりは紙一重ではあったが  「それは別に紙一重でも、それ以上、何もないでしょう」  --最後に1本出て、ここから元気を取り戻してほしいところ  「最後、1本いい形でね。もちろん、捕られてる打球もいい形で打っているけど、1本出るのと全然、違うと思うんで」

◆阪神・福留孝介外野手は12日の中日戦(甲子園)で、一時同点のタイムリーを放って通算1017打点とし、歴代44位の井口資仁(現ロッテ監督)に並んだ。0-2の一回1死満塁でフルカウントから清水の143キロを中前へ運ぶ2点打。その後は七回2死二塁で二ゴロに倒れるなど凡退し、1安打2打点。もう1本ほしかったか? と問われ「そうやね」と短い言葉に悔しさをにじませた。

◆本日は母の日でした。男にとって母親というのは、いくつになっても特別な存在。母親の言うことは素直に聞くものである。  そこで、オレは考えた! 守っては、一回1死満塁のピンチに高橋の打球を緩慢なミットさばきで後ろにそらして若虎・才木の足を引っ張り(記録はなぜか二塁打)、七回にも大島の正面の当たりをエラーし、無死二塁のピンチをつくる。打っては、2度の得点圏を含む3本の凡打で打率2割を割った助っ人外国人のマルテを母親に叱ってもらうしかないのでは...と!! こんな具合に...。  「ジェフリー(マルテ)、ハングリーニナリナサ~イ!」  「ダイジョウブ。スシ、ラーメン、ウナギ、オールデリシャスネ」  「ノー! ニホンヲスタディ、シナサ~イ!」  「OK! マルテハニホンノカンジデ『丸手』ネ」  アカーン! バットだけじゃなく、母子の会話まで空振りしてるよ...。  こんな皮肉を述べているけど、1997年に日本一になった野村ヤクルトの強さには、下位打線でありながら38本塁打を放ったホージーの存在が大きかったのだ!! マルテよ、令和のホージーになってくれー!!

◆--試合を振り返って  矢野監督 「いやぁ、悔しいです」  --攻撃面での課題は  「取れそうなところで取れてないというね、流れの中で、やっぱりこっちに流れを持ってくることができなかったですし。走塁面に関してもね。僕らはそういうところでこう点を取っていく、というところをしていかないといけないので。そういうところはまあ、これから成長していきたいところですね」  --初先発の清水を序盤のバントミスで助けてしまったか  「うん、もちろんもちろん」  --近本の四回の当たりは紙一重ではあったが  「それは別に紙一重でも、それ以上、何もないでしょう」  --最後に1本出て、ここから元気を取り戻してほしいところ  「最後、1本いい形でね。もちろん、捕られてる打球もいい形で打っているけど、1本出るのと全然、違うと思う」

◆糸井は今季39試合目の出場で初盗塁を決めた。七回1死から二塁内野安打で出塁し、2死後、福留の打席で二盗成功。豪快に足から滑り込んだ。守備でも軽快な動きをみせた。打撃では一回に中前打も放ち、今季12度目のマルチ安打。打率・300に復帰したが、試合後は報道陣の質問に無言。足早にクラブハウスへと消えた。清水ヘッドコーチは「一生懸命やっている。このままやってくれたら」と期待した。

◆石崎が今季初めて1軍に昇格し、八回から初登板。先頭・阿部に四球を与えたが、福田を三直。加藤を三ゴロ併殺に仕留め、1回無失点だった。「相手が打ち損じてくれたから抑えられただけだと思うので。甘かったので、そういうところをもう一度やっていきたい」。前日11日に1回1失点だった福永が2軍に降格した。

◆福留は一時同点のタイムリーを放って通算1017打点とし、歴代44位の井口資仁(現ロッテ監督)に並んだ。0-2の一回1死満塁でフルカウントから清水の143キロを中前へ運ぶ2点打。その後は七回2死二塁で二ゴロに倒れるなど凡退し、1安打2打点。もう1本ほしかったか? と問われ「そうやね」と短い言葉に悔しさをにじませた。

◆中日の高卒2年目右腕・清水達也投手(19)は、思い出の詰まった甲子園球場でプロ初先発し、5回4安打2失点でプロ初勝利を挙げた。チームの6カードぶりの勝ち越しに貢献し「先輩方に攻守で助けていただいた。本当にうれしい」と白い歯をのぞかせた。  「自分の庭だと思って頑張りたい」と意気込んで臨んだ一戦。一回は緊張で制球が定まらず、1死満塁から福留に2点打された。阿波野投手コーチに「ファームでやってきたことをそのままやればいい」と助言され、平常心を取り戻した二回以降は緩急を使った投球で点を与えなかった。  2017年夏の甲子園大会で埼玉・花咲徳栄(はなさきとくはる)高の背番号1をつけ、全6試合に救援登板して全国制覇に貢献した。1年目の昨季は救援で2試合に登板。先発予定だった福谷が左腰椎椎間板ヘルニアで離脱し、不意に機会がめぐってきた。  "令和初登板"を最高の形で飾った平成11(1999)年生まれの清水は「相手の声援がすごかったが、僕もこの球場とは相性がいいと思って投げた」と笑った。ウイニングボールを手に「母の日なので両親に渡したい。産んでくれてありがとう」と地元・埼玉から駆け付けた母・百合野さんに熱い思いを届けた。 (三木建次) 清水の恩師の花咲徳栄・岩井隆監督 「『1軍に上がれそうです』という電話は先日ありましたが、きょう先発だとは思いませんでした。高校の時も先発が少なかったし、まさか先発で勝てるとは。やっとプロの一歩目を進んでくれたという感じで、うれしいですね」

◆目を伏せ、険しい表情でベンチへ戻った。マウンドでも打席でも、力を発揮することはできなかった。先発の才木は5回8安打5失点で今季初黒星。打席では2つのバント失敗で、攻守に勝利を呼び込めなかった。  「最初から攻め切れていないというか、大事に大事にいきすぎて自分のいいところを出せませんでした」  リーグ屈指の強力竜打線に立ち上がりからつかまった。一回に2安打2四球でいきなり2失点。味方がすぐさま同点に追いついてくれた後の二回にも大島の左中間への適時三塁打で勝ち越しを許すなど、粘れなかった。  「インコースや高さを気にしすぎて、変化球でカウントを取りにいって腕が振れていなかった。真っすぐも慎重になりすぎて思い切って攻めの投球ができませんでした。もったいなかったです」  投球テンポも遅く、ようやく投げてはボール球が目立った。これでは野手陣もリズムを作れない。打席でもそうだった。  2-3とされた直後の二回無死一塁で打席に入り、バントのサインが出た。初球をキャッチャー後方に高々と打ち上げ、ファウル。2球目は何とか転がしたが、投手の正面に...。走者を進めることができず、1死一塁としてしまった。  さらに四回1死一、二塁では打球を3球連続でフェアゾーンに転がすことができず、スリーバント失敗。「流れを止めてしまった。守備でも攻撃でもチームに迷惑をかけてしまったので、本当に申し訳ないです」と反省しきりだった。  矢野監督は「もっと大胆に、思い切ったピッチングを期待してたんですけど、そういうところがなかなか見られなかったのは残念」と渋い表情。13日にも出場選手登録を抹消される見込みとなった。19日の広島戦(甲子園)は、7日のヤクルト戦(神宮)で5回1/3、5安打1失点で2勝目を挙げた秋山の先発が有力になった。この悔しさを糧に、もう一度はい上がる。 (箭内桃子) 才木のバントミスについて阪神・福原投手コーチ 「細かいプレーはやっていかないといけない」

◆老いて尚 なつかしき名の 母子草...(虚子)  いかがでしたか...昨日の「母の日」は。そりゃあ、どなたにも母様はいらっしゃいます。見るからにむくつけき上司...あ、断っておきますが具体的に大阪・難波の某新聞社の編集局にいらっしゃる特定の方を想定して申し上げているのではございません、念のため。  でもって、逆に、肝心な時に打席が回ってきて...それもシロウトの私めでも想像できる球をア然として見送る"ゲーム進行係"のような方にブーたれているのでもありません。  司令塔役のサブキャップ長友孝輔は「今日はピンクの用具を使用して試合に臨む選手もいるんですよ。カーネーションを表すピンクなのか、僕には分からないんですが、それぞれの母への感謝を込めているわけです。どこにいても、こういう元気で立派な男子に育てていただいた感謝は忘れちゃいけないものですからねぇ...」とちょっと感傷的な電話をくれた。  全く同感だけど、それはどのチームでも一緒。でもその長友の電話に胸キュンで「そうだよなぁ...ところで君は何か母上にプレゼントしたのか」といったら、しばしの沈黙。そしておもむろに「今年はついうっかり...」と口ごもった。でも長友記者よ、母上はそれでも日々、元気に息子が甲子園を走り回り、熱い思いをこめてファンの方に情熱のリポートを書きつづっていることは、ちゃあんとご存じなのだ。それだけで...親は幸せなんだ。  箭内桃子記者は「今度の週末にお休みをいただいているので、母とは松坂牛の焼き肉を食べにいく約束をしています」とのことだ。  竹村岳記者はすでに「ハッピー・マザーズ・ディ」とラインをいれたそうだ。それをこの虎ソナ爺ィに報告するのに余計なひと言を付け加えやがった。「すぐ母から『ありがとう』とスタンプで返信がきまして、僕は『よきにはからえ』と返信したら笑顔のラインがすぐ戻ってきまして...先輩、さっきから僕が何を言ってるかわかります?」とぬかしやがる。この野郎ッ、そんなの...わかるわけねぇだろが!  それにしても...この日のわが阪神はプロ初先発中日清水達也投手(2年目D4位)に実にあっさりと"よきにはかられた"なぁ...。試合前に中日番ビヤ樽三木建次が「清水投手は2年前に甲子園の決勝戦で花咲徳栄のエースとしてマウンドに立っている。そやから阪神打線はてこずるハズや...」と豪語してきたのです。まさかそれが「よきにはかれる」ことになろうとは...。  鳴尾浜の2軍の練習を取材した新里公章記者もきっと沖縄の母上をコロッと忘れて「よきにはかった」にちがいない...と思ったらこれがなんと...ズバッと「いえ母にはワインを送りました」。ン、なかなかやるのぅ...さすがは沖縄。母上はワインを相当いける口なのらしい。  母の日とは米・ウェストバージニアの女性が母を追慕してひと抱えの白いカーネーションを贈ったことが始まり。つまり「白い花」(白星)なのであります。聖母マリアがキリストを見送ったときに涙した土から咲いた花とされる...。何よりも私はも少し...点が欲しい! わかってるかい、猛虎党の母たちは得点に"餓死寸前"のひもじさなのであります...。

◆あの転がり方で、どちらに勝負が転んでもおかしくなかった。ファウル側だと「信じて」ベンチを立った矢野監督だったが、ジャッジはフェアのまま変わらず。一回に微妙な判定で痛恨の2点打を浴びては、将はぶ然とするしかなかった。  「マルテに聞いてもリュウ(梅野)に聞いてもファウルだって言うんだけど。俺はもう選手を信じるしかないし、俺の角度からは見えへんから」  前日11日はエースのメッセンジャーが一回から3失点。連日、いきなりの悪夢だ。立ち上がりでフラつく才木が、単打と2四球で招いた一回1死満塁だった。高橋の放った一塁線への打球に、マルテが必死で手を伸ばしたが、白球はその下を通過。  M砲が振り向くと、そこには無情にもフェアエリアを指し示す一塁塁審がいた。違う、違う、と右腕を上げてアピールしようとしたが、すぐに思い直して右翼方向へ突き抜けた白球を追った。梅野も訴えたが...。指揮官は審判団への約2分間の確認を行ったが、審判員より前方の打球はリクエストの対象外だった。  「審判の人がそう見えたって言うのは、こっちとしては仕方がないけど、仕方がないだけでは済まされない部分も、俺らの気持ちのなかではあるんだけど」  すべてグッと飲み込むしかなかった。それだけでなく中日のプロ2年目右腕・清水を捕まえ損ねて、5回3安打2失点の粘投を許してしまったことが、悔しさを倍増させた。相手投手にプロ初勝利を献上するのは巨人のD1位・高橋優貴投手(八戸学院大)、DeNAのD3位・大貫晋一投手(新日鉄住金鹿島)に続いて、今季早くも3度目だ。四、五、六回は先頭を出塁させながら、詰め切れなかった。  「(清水は)こっちが(五回まで)もたせてしまったな、という感じにしか見えない」  一回の悔しさを、最後まで引きずってしまった2連敗だった。14日からは令和最初の伝統の一戦。きっちりと線を引いて、勢いを持って踏み出さなくてはならない。 (長友孝輔) 梅野 「ファウルにみえました。そのあと粘るチャンスがあったけど、なかなかリズムがつかめなかった。難しい」 マルテ 「捕りにはいっていましたが。ファウルかなと思いましたけど」 藤本内野守備走塁コーチ 「(マルテは)ミットに当てている以上は、プロとして捕ってほしいところはある。捕れる可能性があるということなので。難しいといってしまえばそれまでだから」

◆壁をぶち破れ! 阪神は令和初の2連敗。中日の2年目右腕・清水達也投手(19)にプロ初勝利を献上し、6カードぶりの負け越しとなった。ドラフト1位・近本光司外野手(24)=大阪ガス=は5日のDeNA戦(甲子園)で背中への強い張りを訴えてから打撃急降下。14日からは巨人2連戦(東京ドーム)。初の試練を乗り越えろ!  大山が三球三振に倒れ、6カードぶりの負け越しが決まった。令和初の2連敗。あと一押しが利かない。打線に厚みがない。ジリ貧傾向のニオイ。虎を引っ張ってきた近本が危機感をみせた。  「1本出たのはよかったですけど、もうちょっとチャンスで打てたらよかったです」  3点を追う九回1死。竜の守護神・鈴木博の152キロを左前に運び、12打席ぶりにHランプを灯した。しかし、肝心なところで打てなかった。だから現実を受け止めた。  1点を追う四回2死一、二塁。大飛球も浜風に負け、中堅・大島に好捕された。六回2死一、三塁でも二ゴロ。矢野監督は「状態としてはね、いいときからちょっと、やっぱりこう、シーズン、ずっと出だすと疲れも出てくる」と話した。  5日のDeNA戦で背中に強い張りを訴え、途中交代した。状態が心配された中、翌6日のヤクルト戦(神宮)は志願で出場。しかし、そこから打撃は急降下した。6日以降の打率は・207(29打数6安打)と低迷。アクシデント前の打率・316からは考えられない落ち込みで、得点圏にいたっては・423から・125となった。  チャンスメークもできる。ポイントゲッターにもなれる。これが近本だった。走っては大島(中日)、山田哲(ヤクルト)と並ぶセ・リーグトップの11盗塁。塁に出れば相手投手の神経をすり減らし、4月25日のDeNA戦(横浜)では1点を追う九回2死一、三塁、逆転3ラン。170センチ、72キロの小さな体でチームをけん引してきた。今季最大借金6からV字回復させた立役者だった。だからこそ、近本のアクシデント後はチームも2勝3敗1分けと陰りが見えてきた。  アマチュア時代とは違い、毎日試合があるプロ野球。背中の痛み、見えない疲れ...。シーズンに入れば傷ひとつない選手はいない。避けて通ることができない壁を、ぶち破るしかない。指揮官も「近本が(塁に)出るっていうのは相手にとってもすごく嫌なこと。そこは火曜日(の巨人戦)から、また元気にやってくれたら」と力を込めた。  貯金は1に減り、広島に追いつかれての3位となったが、14日からは東京ドームに乗り込んでの巨人2連戦。今季6戦未勝利の宿敵に挑む。  虎将が「巨人に勝って2勝できるわけじゃないんですけど、巨人に特別な思いをもって」といえば、近本が呼応した。  「点につながるようなプレーをしていきたいです」  近本の復調なくして、虎の再進撃なし。プロとして最初の試練。虎の黄金ルーキーが底力を見せる。また、走り出す。 (竹村岳)

◆近本は背中の強い張りを訴えて以降、状態がよくない。いいときはもっと思い切り振れていた。今は当てにいっていて「かばっている」といわれても仕方がないスイングをしている。  プロはシーズンを通じて試合に出続けなければいけない。ライバルはたくさんいる。「痛い」と言えば、ポジションを奪われる。人に言えないことを抱えつつ、出ているのかもしれない。  だが、それが一流への道だ。状態が悪くても出るかどうかの判断は、自分で下すしかない。辛抱して出ているのなら、このまま状態を落としていっては意味がない。何とか自分で上げていかないといけない。  そういう意味では、九回にヒットが出たことはよかった。状態が悪いときに一本出るのは、何よりのきっかけになる。強打者が並んでいるわけではない阪神の打線は、足が速い選手が出塁して、相手投手に「走るぞ」とプレッシャーをかけてこそ。それができる筆頭格が近本だ。近本の状態が戻ってくれば、打線全体の調子もよくなってくる。 (サンケイスポーツ専属評論家)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
21141 0.600
(↓0.018)
-
(-)
107189
(+1)
135
(+4)
48
(-)
20
(+2)
0.268
(↓0.003)
3.500
(↓0.02)
2
(-)
ヤクルト
21162 0.568
(↑0.012)
1
(↑1)
104193
(+4)
177
(+1)
47
(-)
17
(+1)
0.248
(↑0.001)
4.150
(↑0.09)
3
(1↑)
広島
19181 0.514
(↑0.014)
3
(↑1)
105133
(+8)
151
(+1)
35
(+1)
22
(+4)
0.234
(↑0.004)
3.190
(↑0.06)
3
(-)
阪神
19182 0.514
(↓0.014)
3
(-)
104151
(+2)
164
(+5)
25
(-)
24
(+2)
0.241
(↓0.001)
3.540
(↓0.03)
5
(-)
中日
17200 0.459
(↑0.015)
5
(↑1)
106137
(+5)
139
(+2)
25
(-)
24
(-)
0.263
(↓0.001)
3.680
(↑0.05)
6
(-)
DeNA
13240 0.351
(↓0.01)
9
(-)
106133
(+1)
170
(+8)
41
(+1)
7
(-)
0.233
(↑0.001)
4.180
(↓0.12)