中日(★2対7☆)広島 =リーグ戦7回戦(2019.05.06)・ナゴヤドーム=
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広島
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中日
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勝利投手:菊池 保則(1勝0敗0S)
敗戦投手:谷元 圭介(0勝1敗0S)

本塁打
【広島】磯村 嘉孝(2号・6回表ソロ),安部 友裕(3号・10回表2ラン)

  DAZN
◆広島は1点を追う9回表、2死三塁から代打・松山が適時打を放ち、土壇場で同点とする。そのまま迎えた延長10回には、西川の3点適時打と安部の2ランで5点を挙げ、試合を決めた。3番手・菊池保が移籍後初勝利。敗れた中日は9回以降、救援陣が踏ん張れなかった。

◆広島山口翔投手(20)がプロ入り初めて1軍に合流した。高卒2年目の右腕は今季2軍で4試合に登板し、2勝1敗、防御率2・38。 5日巨人戦に先発した中村祐に代わり、1軍選手登録され、ロングリリーフ要員としてベンチ入りする見込み。

◆中日白井文吾オーナー(91=中日新聞社会長)が6日の広島戦前にナゴヤドームに与田監督の激励に訪れた。 連盟表彰、スポンサーの冠試合などの式典行事もないため、異例の本拠地への訪問だった。 前日5日までは中日新聞社主催のJGTOツアー「中日クラウンズ」の60回記念大会が名古屋GCで開催されていたこともあり多忙。前日のヤクルト戦で連敗を4で止め、令和1勝を挙げた球団を急きょ激励に訪れた。「(今日は)臨時で来た。中日クラウンズの次は、遅まきながらドームだというわけだ。これから大いにドームの方も盛り上げないといかん」と、白井オーナーは終始笑顔。試合前練習では、与田監督と談笑。今季売り出し中の阿部を紹介されるなどした。 昨季は開幕4連敗など、4月終了時点で借金5の5位。今季は4月終了時点では借金0の4位で、4月中旬には首位に0・5差と肉薄もした。「(与田監督からは)一生懸命やっとりますという話を聞いた。よくやっとるよ。(昨年とチームも)変わってきた。もう少し積極的になると、もっと言うことがないな。(昨年とは)勝とうとする意欲があるんじゃないか」。前日5日時点で借金3の5位だが、オーナーは今後の巻き返しに期待を膨らませていた。

◆広島磯村嘉孝捕手(26)が6回に2号ソロで反撃ののろしを上げた。2点を追う6回2死からスタメンマスクの磯村は中日先発福谷の149キロをたたいた。 打球は広島ファンが陣取る左翼席に吸い込まれた。「いい反応でうまく打つことが出来ました」と振り返る納得の1発で1点差に迫った。

◆中日は福谷、広島はアドゥワが先発した。両投手はともに3回を2安打無失点と好投。序盤は投手戦の様相を見せた。 中日は4回、高橋の右翼への三塁打などで2点を先制。広島は6回に礒村の2号ソロで1点差。プロ初先発の福谷は6回1失点。 広島は9回、安部の二塁打を足がかりに鈴木博を攻め、2死三塁から代打松山が中前に同点打。試合はそのまま延長戦に突入した。 広島は延長10回1死満塁、西川の左中間を破る3点適時三塁打と安部の2ランで5点を奪い、連勝を4に伸ばした。広島菊池保は今季初勝利。 中日谷元が1敗目。

◆中日が終盤の悪夢で借金4に逆戻りした。プロ入り7年目で初先発の福谷浩司投手が6回1失点の好投。だが、9回に守護神鈴木博志投手が1点差を守り切れなかった。 延長10回には5番手谷元圭介投手ががまさかの5失点。与田剛監督も「福谷を勝たせたかった。しかし、シーズンではこういうこともある。負けた責任はこちら(首脳陣)にある。結果が出る起用法を考える」と、渋い表情だった。 ▽中日谷元(延長10回に登板し5失点で今季初黒星)「明日(7日)からも試合はある。今日(6日)中に気持ちを切り替えたい」

◆王者広島が底力を発揮して勝率を5割に戻した。劣勢の展開から土壇場9回2死から1点差を追い付き、3試合連続延長戦となった10回に勝負を決めた。1死満塁から5番西川龍馬内野手が左中間を破る3点三塁打。さらに安部友裕内野手が2ランで突き放した。4連勝で4月27日以来の勝率5割復帰だ。 選手の疲労は蓄積されていた。広島から神宮へ移動して始まった連戦は10試合目。総移動距離は約2000キロに達した。試合前シートノックを8試合連続先発の鈴木誠也外野手と9試合連続先発のサビエル・バティスタ外野手が免除された。前日まで4連投だった抑え中崎翔太投手、セットアッパー・ヘロニモ・フランスア投手はいずれも登板を回避する事態だった。 先手を奪われたが、磯村嘉孝捕手の1発で流れを変え、中村恭平投手、菊池保則投手の中継ぎ陣が追加点を与えず。9回に代打松山竜平外野手が執念の同点打。10回はそれまで沈黙していた野手陣が爆発した。総力戦で連勝街道を伸ばして借金完済。緒方孝市監督も「選手の頑張り、そこに尽きる」と諦めずに戦ったナインを手放しでたたえた。【前原淳】 ▽広島西川(延長10回に決勝三塁打)「(前打者鈴木の申告敬遠に)火が付いたじゃないけど、ここで決めるしかないと思って立った。最低でも外野に飛ばせば何とかなると思った」

◆プロ入り7年目で初先発した中日福谷浩司投手の好投が霧散した。福谷は6回を6安打1失点で勝利投手の権利をもって交代。1点リードの7回から竜の必勝パターンへ持ち込んだ。R・マルティネス、ロドリゲスはそれぞれ3人でピシャリ。しかし守護神鈴木博が崩れた。9回先頭安部に二塁打。2死三塁から代打松山に同点適時打を許した。 延長10回には5番手谷元がまさかの5失点。チームは借金4に逆戻りした。3時間51分の試合を終えた与田監督は疲れた表情を見せた。「福谷を2-1で勝たせたかった。負けた責任は、僕にある」。試合を作った右腕へウイニングボールを渡せなかった。「また結果を出せるような起用方法を考えていかないといけない。こういうこともシーズンの中である。使っている監督の責任」。助っ人2人のセットアッパーは結果を残している。指揮官は配置転換も示唆した。【伊東大介】 中日福谷 すごく緊張した。ファームでやってきた普段通りの投球はできた。チームが勝てなかったことが悔しい。リリーフの気持ちがわかるから、1イニングでも長く投げたかった。

◆広島は先発野村が2失策も絡み、4回5失点で2敗目を喫した。 打線は中日先発大野雄の前に散発3安打0封。投打に加え、守りでも精彩を欠き、連勝は4でストップ。再び借金生活となった。広島緒方監督の一問一答は以下の通り。 -先発野村投手は守備の乱れもあり粘れなかった 緒方監督 (試合の)前半、ミスが出てしまった。あそこで一気に流れがね。もちろん(野村)祐輔にも踏ん張ってほしかった。(3回無死一、三塁から投ゴロを二塁送球で生還を許した)送球の判断ミスもあったしね。 -大量ビハインドで調子のいい中日大野雄を攻略するのは難しい 緒方監督 いい投球されたのは間違いない。次も対戦することがあるからね。 -プロ初登板の山口は堂々としたマウンドさばきだった 緒方監督 かなり緊張していたと思うけど、魅力あるボールを投げるのは見られた。腕も振れていた。チャンスがあれば、また投げさせたい。

◆プロ初先発の中日・福谷が6回1失点と好投し「すごく緊張したが、ファームでやってきた普段通りの投球はできた」と納得の口ぶりだった。失点はソロ本塁打のみ。四回1死満塁のピンチをしのぎ、五回2死一、二塁でも鈴木を見逃し三振に仕留めた。福谷は「勉強することはたくさんあると思うが、一戦一戦頑張っていきたい」と次を見据えた。

◆広島が逆転勝ちし、1分けを挟んで4連勝。4月27日以来の勝率5割に戻した。2-2で迎えた延長十回1死満塁。5番・西川が走者一掃の勝ち越しの三塁打を放った。  「まさか(鈴木)誠也が敬遠されるとは...」  1死一、三塁の状況で鈴木が敬遠された。「火がついたというわけじゃないが、ここで決めるしかないと思って打席に立った」。ここまで無安打。燃えないわけがなかった。緒方監督は「選手の頑張り。それに尽きる」と頭を下げた。3試合連続となった延長戦は2勝1分け。勢いだけではない。強さは本物だ。  前回は8連勝で5割に戻した後に4連敗を喫しただけに西川は「今度は乗っていけるようにしたい」と言葉に力を込めた。もう後戻りしない。(三木建次)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
19121 0.613
(↑0.013)
-
(-)
111160
(+10)
116
(+2)
44
(+3)
17
(+2)
0.263
(↑0.001)
3.370
(↑0.05)
2
(-)
ヤクルト
19141 0.576
(↑0.013)
1
(-)
109171
(+4)
146
(+2)
42
(+1)
13
(-)
0.249
(↓0.001)
4.000
(↑0.09)
3
(-)
阪神
17161 0.515
(↓0.016)
3
(↓1)
109131
(+2)
143
(+4)
24
(-)
20
(-)
0.241
(↓0.001)
3.480
(↑0.04)
4
(-)
広島
16161 0.500
(↑0.016)
3.5
(-)
110116
(+7)
136
(+2)
31
(+2)
14
(+1)
0.236
(↑0.002
3.260
(↑0.09)
5
(-)
中日
14180 0.438
(↓0.014)
5.5
(↓1)
111116
(+2)
126
(+7)
23
(-)
21
(-)
0.265
(↓0.003)
3.870
(↓0.09)
6
(-)
DeNA
12210 0.364
(↓0.011)
8
(↓1)
110121
(+2)
148
(+10)
37
(+2)
7
(-)
0.232
(-)
3.990
(↓0.2)