◆阪神が劇的なサヨナラ勝ちで3連勝。阪神は1点ビハインドの7回裏、4番・大山の適時打で同点とする。そのまま迎えた9回には、福留が値千金の2ランを放ち、試合を決めた。投げては、6番手・ドリスが今季初勝利。敗れたＤｅＮＡは5番手・三嶋が誤算で、3連敗を喫した。

◆DeNA筒香嘉智外野手（27）は昨季日曜日に曜日別最高の打率4割をマークしたが、今季はここまで12打数1安打、打率0割8分3厘と苦戦。 日曜日は4月7日巨人戦から10打席連続無安打だが、今日は打てるか。

◆阪神が1イニング3失策で、先制を許した。2回、先頭打者ソトの打球をショート木浪がトンネル。続く宮崎のゴロをサードの大山が捕球するも二塁へ悪送球。 さらに1死一、三塁で8番嶺井の遊ゴロを木浪が本塁送球するもセーフ（記録はフィルダースチョイス）。2死となり、1番大和の打球をショート木浪がはじいて、この回2つ目の失策。先発の高橋遥は2回を無安打、無四球に抑えるも1点を失った。

◆阪神が「キナチカ」のバットで逆転に成功した。 1点を追う2回無死一、二塁で8番木浪が左翼線に同点適時打を放った。 「自分のミスで遥人（高橋）の足を引っ張ってしまったので、何としても取り返すつもりでがむしゃらに打ちに行きました。まだ取り返すことができたと思っていないので、残りの打席も集中して頑張ります」。 2回の守備では1イニング2失策を記録してしまい、バットで1点を取り返した。 勝ち越し打は近本だった。同点の1死一、二塁で左前適時打。虎の「新顔コンビ」がゴールデンウイークの甲子園で躍動した。

◆阪神近本光司外野手（24）が6回の守備からベンチに退いた。何らかのアクシデントがあったとみられる。 5回裏終了後にベンチを離れ、クラブハウスに歩いて向かったもようで、その際には野球道具を持っていなかった。ルーキーながら打率3割を超えるリードオフマンが仮に離脱となれば、大きな痛手となる。

◆阪神先発の高橋遥人投手（23）が5回途中8安打5失点（自責2）で降板した。 「巡ってきたチャンスで、自分自身もチームの良い流れに乗っていきたかったのですが、ピンチの場面で粘りきることができませんでした。チームの期待に応えることができず、申し訳ない気持ちです」 当初予定は岩貞の先発が予定されていたが、インフルエンザA型に感染して4日に登板回避と、高橋遥の代役先発が決まった。 高橋遥は昨季左肩の不調に苦しんだが、今季はウエスタン・リーグで5試合に登板。無傷の2勝で防御率2・52。矢野監督も「こういうのも運というか、チャンスだと思う。思い切った投球をしてもらいたい」と期待していた。

◆阪神大山悠輔内野手（24）が7回に同点適時打を放った。「追い込まれていたので、食らいついていった結果が、ヒットとなって良かったです。自分の仕事ができました」。 1点を追う7回1死二塁。フルカウントからDeNAエスコバーの6球目148キロ直球にタイミングを合わせた。打球はセンター前に落ち、大山は一塁側ベンチに右拳を突き出して笑顔を見せた。 3日にプロ初のサヨナラ打を放った際には「糸井さんや（福留）孝介さんに頼りっぱなしでいたら、この先もずっとチームの主軸にはなれない。僕は僕で結果を出すことをしっかりやっていきます」と話していた。

◆阪神福留孝介外野手（42）が9回にサヨナラ2ランを放った。 9回2死一塁、DeNA三嶋から右翼席へ3号。これはセ・リーグ通算5万号で、セ・リーグの最年長サヨナラ本塁打にもなった。ベテランの一撃で3連勝とし、首位巨人と2ゲーム差とした。

◆DeNAは2回、3敵失などで先制。阪神は木浪、近本の適時打で逆転した。先発のDeNA京山、阪神高橋遥は粘りの投球。 DeNAは4回に追いつくと、5回に嶺井の適時打などで一挙3点勝ち越し。阪神は6回に大山の二塁打から1点差に詰めよった。 阪神は7回に4番大山の適時打で同点に追いつく。9回2死一塁から福留が、セ・リーグ通算5万号となるサヨナラ3号2ラン。 阪神ドリスが1勝目、DeNA三嶋が2敗目。

◆阪神が福留孝介外野手のサヨナラ2ランでDeNAに同一カード3連勝。 3点を追う阪神は終盤に追いつき、9回2死一塁から福留が右翼中段に勝負を決める一撃を放った。42歳0カ月でのサヨナラ本塁打はセ・リーグ最年長。阪神は首位巨人に2差とした。   （キッズインタビュアーとして子供2人が聞き手に）   －今サヨナラホームランを打って、お立ち台に上がった気持ちを一言で表してください 福留　最高に気持ちいいです。 －試合前に必ずやることは何ですか 福留　年を取ってるので、しっかりとストレッチをします。 －今、はまっている食べ物は何ですか 福留　ピノ！ （アナウンサーが） －それはいつからはまってるんですか 福留　ちょっと前からはまってます。 （キッズインタビュアーに戻って） －今日の試合後何を食べますか 福留　ご褒美においしいもの食べます。 （アナウンサーが） －まだ具体的に何を食べるか決まってませんか 福留　興奮してまだ何も考えてないです。 （キッズインタビュー） －子供のころ、野球以外に何か習い事をしていましたか 福留　何にもしてません。 －仲のいい選手は誰ですか 福留　北條と言いたいですけど鳥谷選手です。 （アナウンサーが） －なんと今日の2人は好きな選手が同じなんです。誰ですか 子供2人　鳥谷選手！ －鳥谷選手はどんな選手か教えてもらってもいいですか 福留　いやもう、見たまんまです。皆さんが思ってる通りの選手だと思います。 －2日続けてお立ち台です。子供たちが大勢来ています。この中での活躍、いかがですか 福留　早い回に打てなくて、苦しい展開で、それでもこうやって追いついて、きのうこうやって子供たちがインタビュアーとしてやってくれてるのを見て、なんとしても今日勝って、やっぱり今日もやってもらいたいなという思いが強かったので、よかったです。 －タイガースファンはもちろん、子供たちはタイガースの勝つ姿を期待しています。そんな子供に、最後にメッセージよろしくお願いいたします 福留　いい流れで来てるので、また明日も勝てるように、しっかりと頑張っていきたいと思います。

◆DeNAは阪神相手に、6連敗となった。5回まで3点のリードを奪いながら、救援陣が踏ん張りきれなかった。 同点の9回に5番手の三嶋一輝投手が、福留にサヨナラ弾を許し、チームは3連敗。アレックス・ラミレス監督は「これからも試合はある。戦い続けるしかない」と切り替えを強調した。6日は、左肘違和感で2軍調整中だった東が巨人相手に復帰戦を迎える。同監督は「自分の投球をしてくれたら」と期待を込めた。

◆阪神福留孝介外野手のサヨナラ本塁打がセ・リーグ通算5万号となった。セ・リーグ1号は50年3月11日岩本義行（松竹）が中日戦で宮下から打ち、プロ野球の本塁打は1リーグ時代に2653本、セ・リーグ5万本、パ・リーグ4万9456本の合計10万2109本出ている。 ▼福留は現在42歳0カ月。40歳以上でサヨナラ本塁打を打ったのは12年7月6日和田（中日）以来7人、9本目。セ・リーグでは09年5月12日金本（阪神）の41歳1カ月を抜く最年長記録だ。福留のサヨナラ本塁打は15年5月27日楽天戦以来5本目。

◆阪神の執念継投も勝利を呼び込んだ。同点に追いついた直後の8回は1死一、二塁で能見からジョンソンに継投。二、三塁となるが大和、ロペスを連続で空振り三振に封じた。 開幕から15試合連続無失点を「準備はしっかりできていた。使ってくれる首脳陣に感謝したい」と話した。9回はドリスが筒香を空振り三振に仕留めるなど3者凡退。今季初勝利を挙げた。逆転勝ちの陰の立役者は5回途中から救援した守屋と7回に投げた島本だ。矢野監督も「流れは完全に向こうに行きかけていた。それを引き戻したのが守屋とかシマ」と手放しで褒めたたえた。 ▽阪神守屋（5回途中から救援で1回2／3を無失点。今季13戦目で防御率1・26）「疲労はない。腕を振って勝利に貢献したい」 ▽阪神ドリス（9回を3者凡退で今季初勝利）「先頭をアウトに取ることだけ考えていた。3者凡退でリズムを持ってこられたなら、良かったね」

◆阪神のドラフト1位、近本光司外野手（24）が5日、DeNA9回戦（甲子園）で背中の強い張りを訴え、6回の守備から途中交代した。 交代後はベンチに姿はなかったが、試合後は病院に行かず電気治療などを受けた。近本は状態について「大丈夫です」とコメントを残し、6日のヤクルト戦（神宮）に向けてチームとともに東京へ移動した。 矢野監督は「明日は大丈夫かなと思ってるんだけど、明日以降もあるんでね。そういう部分でちょっと代えました」と大事をとったと説明し、清水ヘッドコーチも「背中に強い張りがあった。明日になってみないと分からない」とした。3連勝で勢いに乗るチームにとっては不安材料が残る格好となった。 近本はここまで32試合に出場し、14試合続けて「1番中堅」で先発出場。リーグ5位の打率3割1分6厘で、ともに同トップの得点圏打率4割2分3厘、10盗塁を誇っている。4月中旬以降は球団の新人最長となる13試合連続安打も記録した。この日で12連戦の9戦目。目に見えない疲れがあったのか。第2打席で左前適時打を放つまで12打席、快音は影を潜めていた。 浜中打撃コーチは「よくここまでやっている。疲れもたまっているんじゃないかな」と新人を思いやり、交代後も笑顔だったと明かした。同コーチは「本当に痛かったら笑顔はできない。明日も頑張ってくれると思う」と希望的観測を示しており、軽症を祈るばかりだ。【奥田隼人】

◆阪神新外国人マルテ内野手が来日初のマルチ安打で存在感を示した。1点を追う2回は無死一塁で内角速球に詰まりながらも左前へ。好機を拡大し、逆転につなげた。 6回も中前打でチャンスを築いて、加点に貢献した。「本当に毎日毎日、よくしていこうということだけ考えている。これからも続けていきたい」と話した。あす6日からは狭い神宮でヤクルトと戦う。アーチにも期待したいところだ。

◆阪神打線が終盤の猛追で劇的なサヨナラ勝ちを呼び込んだ。6回に代打北條史也内野手（24）の今季初タイムリーで1点差に詰め寄り、7回に4番大山悠輔内野手（24）が同点適時打。しっかりチャンスをものにし、最後は接戦を制した。 6回2死一、三塁、石田の2球目のチェンジアップを、北條は泳ぎながらも左前に運んだ。「打てて良かったです。久しぶりだったんで、何も考えずに行きました」。4試合ぶりの出場で4月18日ヤクルト戦（神宮）以来となる安打。1点差とし逆転の望みをつなぐ一打だった。 春季キャンプでは実戦打率5割2分4厘。MVPにも選ばれ、一時は遊撃手として開幕スタメンの最有力に挙げられた。しかしオープン戦に入ると打率1割8分8厘と落ち込み、開幕戦の遊撃を勝ち取ったのはルーキーの木浪だった。ここまで先発は7試合。代打で結果を残したことで、今後は出場機会も増えそうだ。 各打順に座る1人1人が仕事を果たした。6番梅野は6回1死三塁で、フルカウントから2点差とする中前適時打。「1点をかえしたら相手バッテリーもいやだと思う。なんとか球場の雰囲気を変えるというのが出来て、そういうことが、こういう結果につながったと思う」。この回の先頭4番大山は左越え二塁打で好機を演出し、7回には1死二塁から同点の中前適時打を放った。 矢野監督もチーム一丸の勝利を心から喜んだ。「たくさんミスが出たからこそ、勝ちたいとすごく思った。これを追いついて追い越せた。本当に1人の力では勝てない」。12連戦をここまで7勝2敗とし、勝ち越しが決定。今季チーム最長4時間3分をかけ、諦めずに手にした1勝を弾みにラストスパートをかける。【磯綾乃】

◆緊急先発した阪神高橋遥人投手が持ち味を見せた。 当初先発予定の岩貞がインフルエンザで登板回避することが前日4日に決まり、急きょ訪れたチャンス。 力強い直球は最速147キロを計測し、序盤から内角へ投げ込んだ。5回途中8安打5失点で勝敗はつかず、107球の内容に「今、自分ができる力は発揮できたと思いますが、ボールも弱くなっていった」と収穫と課題を口にした。矢野監督は「本来の遥人らしい球は数多くあったと思う。次回もどこかでチャンスを作ります」と明言。登場曲に亜大野球部同期の歌手小山翔吾の「Fly　away」を使用し、背中を押された。

◆阪神福留孝介外野手（42）が、リーグ最年長サヨナラ2ランで、節目の数字を飾った。DeNA戦の9回2死一塁。5月5日、スコア5－5、5番打者の第5打席で、リーグ通算5万号という「5」ずくめ。チームを同一カード3連勝に導き、今季最多タイの貯金2とした。頼れるベテランがまた新たに、球史に名を刻んだ。さすがだ...。思わず声が出た。サヨナラ本塁打もすごい！　セ・リーグ5万号もすごい！　ただ、自分のバットで試合を終わらせたのがもっとすごい！ 2日前に福留本人とこんな話をした。「いけるよ。絶対にいける。お客さんよりも早く出るよ」。冗談っぽく話したのは、この日の移動について。チームはDeNA戦（甲子園）を終え、6日からのヤクルト3連戦（神宮）に備えて移動。深夜の東京に新幹線で滑り込む予定だった。 だが、福留らベテラン陣は身体への負担を考慮して大阪を午後7時台に出発する飛行機を予約。黄金週間の混雑もあって他の便に空席はなく、運命はこの日の試合時間に託された。9回の土壇場に飛び出した午後6時3分の劇弾。間に合ったのか、間に合わなかったのか...。それは分からないが、やっぱりこの男はすごい。【阪神担当＝桝井聡】

◆セ・リーグ5万号はオレだ！　阪神福留孝介外野手（42）が、リーグ最年長サヨナラ2ランで、節目の数字を飾った。DeNA戦の9回2死一塁。5月5日、スコア5－5、5番打者の第5打席で、リーグ通算5万号という「5」ずくめ。チームを同一カード3連勝に導き、今季最多タイの貯金2とした。頼れるベテランがまた新たに、球史に名を刻んだ。華麗に決めた。狙いを研ぎ澄ました福留が、DeNA三嶋の2ボールからの変化球をとらえ、バットを放り投げた。感触あり。右手を突き上げて走りだす。劇的なサヨナラ弾に「最高に気持ちいいです！　（感触は）バッチリでしたけど、この球場で、この風なのでね」と喜んだ。 延長もちらついた9回2死一塁、右翼の黄色いメガホン畑へ運び去った。両手を広げて両足着地でホームインすると、ナインからのウオーターシャワーを浴びた。4年ぶり5本目のサヨナラ弾は、記憶にも球界の記録にも残るセ・リーグ通算5万号だが、本人は「そうなの？　たまたまですけど、よかったですね」と甲子園の歓喜と正反対にサラリ。42歳でのサヨナラ弾は09年に金本知憲が記録した41歳1カ月を塗り替え、リーグ最年長記録となった。 プロの世界で生き抜くすべを熟知している。ある日、ルーキー近本から悩み相談を受けた。「夏場にどうしても体重が落ちてしまうんです...」。近本はもともと太らない体質。暑さが増し、食欲が減退する夏に向けて、福留は「ビールを少しでも飲んでから食事をすれば、食事量も減らない」とアドバイスを送った。 厳しい世界で16年目を迎えた福留は、夏場の体重減は1度もない。ゲームを終えた自宅の食卓には和枝夫人お手製の料理が6品から7品は必ず並ぶ。特に低カロリー高タンパクでさまざまな栄養素を含む魚の刺し身は必ずテーブルに置かれる。デーゲームが多い黄金週間の連戦中は午前6時半には起床し、同7時台には甲子園に出勤。入念な準備を重ねる。戦い方を知る男がこの日も結果を残した。 矢野監督も興奮を隠せず、本塁付近までお出迎えした。「あっぱれですよね。ホント、孝介ね。年齢もいい年になってますけど、若々しい打撃で。本当に打ってくれて...。むちゃくちゃ感激です」と感謝しきりだった。2日連続のお立ち台で福留が叫んだ。「いい流れで来てるので、また明日も勝てるように、しっかりと頑張っていきたいと思います！」。困ったときに頼れる男こそ、みんなのヒーローだ。【真柴健】

◆阪神福留が、リーグ最年長サヨナラ2ランで、節目の数字を飾った。 矢野燿大監督の一問一答は以下の通り。 （囲み取材の冒頭で、自ら切り出し） 盛り上がったやろ～。どうやねん。 －しびれる試合だ いや、しびれたなあ。まさかなあ。ナイスバッティングやなあ。スゴイなあ。 －序盤は失策を重ねて厳しい展開だった すごく悪い流れになってしまっていた部分があったので嫌やなと。コレを追いついて追い越せたのは本当に1人の力では勝てない。最後はもちろん、孝介の貢献は一番大きい。でも、みんなが、投手も、交代で出ていった野手もつないだり（9回は糸原）健斗が四球で出たり、みんながね。 －木浪は失策を取り返す精神的な強さが出た あそこ（2回無死一、二塁）も送りバントをさせると、気持ちが前に向かないと思った。そういう気持ちを出してタイムリーを打ってくれたのはこっちもプラスとして評価しています。 －福留はリーグ5万号 そうなん？　持ってるねえ、何かと。あれだけ打っていると、何かしら当たってくるよね、孝介も。 －こどもの日に快勝 子どもに対して阪神に興味を持ってもらったり。いろんな部分でプラスは多かったと思う。ましてや最後のサヨナラホームランを見たら本当に子どもたちもすごく喜んで、一生忘れない思い出になったと思う。

◆阪神福留孝介外野手（42）が、リーグ最年長サヨナラ2ランで、節目の数字を飾った。DeNA戦の9回2死一塁。5月5日、スコア5－5、5番打者の第5打席で、リーグ通算5万号という「5」ずくめ。チームを同一カード3連勝に導き、今季最多タイの貯金2とした。頼れるベテランがまた新たに、球史に名を刻んだ。 ▼福留は現在42歳0カ月。40歳以上でサヨナラ本塁打を打ったのは12年7月6日和田（中日）以来7人、9本目。セ・リーグでは09年5月12日金本（阪神）の41歳1カ月を抜く最年長記録だ。福留のサヨナラ本塁打は15年5月27日楽天戦以来5本目。

◆阪神福留孝介外野手（42）が、リーグ最年長サヨナラ2ランで、節目の数字を飾った。DeNA戦の9回2死一塁。5月5日、スコア5－5、5番打者の第5打席で、リーグ通算5万号という「5」ずくめ。チームを同一カード3連勝に導き、今季最多タイの貯金2とした。頼れるベテランがまた新たに、球史に名を刻んだ。 ▼福留のサヨナラ本塁打がセ・リーグ通算5万号となった。セ・リーグ1号は50年3月11日岩本義行（松竹）が中日戦で宮下から打ち、プロ野球の本塁打は1リーグ時代に2653本、セ・リーグ5万本、パ・リーグ4万9456本の合計10万2109本出ている。

◆阪神・高橋遥人投手（２３）が５日、ＤｅＮＡ戦（甲子園）に今季初先発したが、登板中に野手陣が計４失策と味方の拙守もあり、４回１／３を投げて８安打２四球５失点で降板した。自責は２点だった。 　「巡ってきたチャンスで、自分自身もチームのいい流れに乗っていきたかったのですが、ピンチの場面で粘りきることができませんでした。チームの期待に応えることができず、申し訳ない気持ちです」とコメントした。 　前日４日に岩貞祐太投手（２７）がインフルエンザＡ型と診断され、出場選手登録を抹消されたことで"緊急先発"したが、今季初勝利はあげられなかった。 　また、「１番・中堅」でスタメン出場した阪神のドラフト１位・近本光司外野手（２４）＝大阪ガス＝は六回の守備から途中交代し、試合中にベンチを離れた。何らかのアクシデントが起きた可能性がある。

◆阪神・福留孝介外野手が５日のＤｅＮＡ戦（甲子園）の九回２死から、サヨナラ２ラン。セ・リーグ５万号となるメモリアルアーチを放ち、今季２度目の同一カード３連勝で、貯金「２」。首位・巨人と２ゲーム差とした。 　５－５で迎えた九回、先頭の糸原が四球で出塁し、続く糸井が左飛、大山が空振り三振。２死一塁で、カウント２－０からＤｅＮＡ・三嶋のスライダーを一閃。打った瞬間、それと分かる打球が右翼席へ消えた。 　こどもの日の５日。２試合の連続のお立ち台では、インタビューアーを務めた子どもたちの質問に、「最高に気持ちいいです」「ご褒美においしいものを食べます。興奮してまだ何も考えてないです」と笑顔で答えた。

◆阪神・福留孝介外野手が５日のＤｅＮＡ戦（甲子園）の九回２死から、サヨナラ２ラン。セ・リーグ５万号となるメモリアルアーチを放ち、今季２度目の同一カード３連勝で、貯金「２」。首位・巨人と２ゲーム差とした。 　２日連続のお立ち台となった福留は、子供達のインタビューに応じた。一問一答は以下の通り。 　－－サヨナラ本塁打を放ち、お立ち台に上がった気持ちをひと言で 　「最高に気持ちいいです」 　－－試合前にやる事は 　「歳をとっているので、しっかりとストレッチをします」 　－－いまハマっている食べ物は 　「ピノ」 　－－それはいつ頃から 　「ちょっと前から」 　－－今日は何を食べる 　「ごほうびにおいしいものを食べます」 　－－具体的には 　「まだ興奮して何も考えていないです」 　－－子供の頃、野球以外に習い事は 　「なんにもしていません」 　－－仲の良い選手は 　「北條と言いたいけど、鳥谷選手です」 　－－鳥谷はどんな選手 　「見たまんまです。みなさんが思っている通りの選手です」 　－－２日連続のお立ち台 　「早い回に打てなくて苦しい展開で、それでもこうやって追いついて。昨日こうやって子供たちがインタビュアーとしてやってくれているのを見て、なんとしても勝って、今日もやってもらいたいという思いが強かったのでよかったです」

◆阪神の福留孝介外野手（４２）が５日、ＤｅＮＡ９回戦（甲子園）で５－５の九回に右越えへサヨナラの３号２ランを放ち、セ・リーグ通算５万号本塁打となった。 　セ１号は１９５０年３月１１日に岩本義行（松竹）が中日戦（下関）で放ち、通算４万号は２００５年６月２日に当時巨人の清水隆行が交流戦の日本ハム戦（札幌ドーム）でマークした。 　先月２６日が誕生日だった福留は、三嶋一輝投手から放った節目の一発はセ最年長サヨナラ本塁打にもなった。従来のセ最年長は金本知憲（阪神）の４１歳１カ月だった。岩本が東映時代の１９５６年に４４歳１カ月でサヨナラ本塁打を放っている。

◆ＤｅＮＡの京山は６度目の登板でも今季初白星をつかめなかった。途中から全てセットポジションにした修正がはまり、六回は自己最速１５０キロで福留を二ゴロに打ち取る場面も。この回途中まで４失点で勝利投手の権利を得て降板したが、救援陣が追い付かれた。 　京山は「こんな内容では、まだまだ頼りにされる投手ではない」と唇をかんだ。昨季はデビュー戦から３連勝を飾ったシンデレラボーイも、プロ３年目は試練の時を過ごしている。

◆ＤｅＮＡは３日にも喫したサヨナラ負けで阪神戦は６連敗。昨季まで５年連続で負け越しているカードは今季も２勝７敗と振るわず、ラミレス監督の「諦めるわけにはいかない。次の対戦では逆の展開になる」との言葉もむなしく響いた。 　先制した二回は、相手守備が３失策などと乱れても１点どまり。結果的に５戦ぶり２桁となる１０安打と打線が上向きな一方で、投手陣に疲れが出てきた。６日は昨季新人王の東が今季初登板先発する。監督は「自分を出し切った投球をしてほしい」と重い空気の払拭を期待した。

◆阪神は５日のＤｅＮＡ戦（甲子園）で劇的なサヨナラ勝ち。矢野燿大監督は試合後、九回にサヨナラ２ランを放った福留に「あっぱれ」と最敬礼した。 　－－劇的な幕切れで勝利。笑顔で迎えました 　「いやあ...。すごかったですね。本当にね。心の中では思ってましたけど、本当に打ってくれてむちゃくちゃ感激です」 　－－試合は守備のミスで高橋遥を盛り上げられない展開だった 　「遥人自身はすごくいいボールを投げていましたしね。加えて、たくさんミスが出たからこそ、勝ちたいとすごく思ったので。チーム全員の粘りと、孝介が決めてくれたというのは本当にうれしいですね」 　－－ミスした選手の意地も出たのでは 　「まだまだ発展途上の選手たちですから。そういうミスからうまくなっていってくれればいいとは思いますけど。そのあと（木浪）聖也もタイムリーを打ちましたし、何とか取れたのは大きいです」 　－－昨日貯金ができて今日の試合は大事だという思いがあったのでは 　「結局、毎日大事な試合になってしまうんですけど、３連勝と２勝１敗では全然違うのでね。そういうところでは勝って移動もできますし、本当に大きいですし、見てくれたファンの人も喜んでくれた試合になったと思います」 　－－福留にお褒めの言葉を 　「『あっぱれ』ですよね。ホント、孝介ね。年齢もいい年になってますけど、若々しい打撃と。孝介が打つと本当に盛り上がる。孝介もそう。トリ（鳥谷）も１本出ましたし、本当にみんな。北條もか。みんないいところで打ってくれてうれしい」 　－－１２連戦は続く。勢いを持続したい 　「そうですね。１２連戦の残り３つ、しっかり戦ってきたいと思います」

◆阪神のドラフト１位・近本光司外野手が５日のＤｅＮＡ戦（甲子園）で背中の強い張りを訴え、六回の守備から退き、ベンチに入らずクラブハウスに引き揚げた。 　満員の甲子園がどよめいた。五回終了後のグラウンド整備が終わると、交代のアナウンス。４月２０日巨人戦（甲子園）から「１番・中堅」で１３試合連続フル出場中だったリードオフマンが、突然消えた。背中の異変を訴え、自ら交代を申し出ていたという。 　近本は「大丈夫です」と試合後、広報を通じてコメント。矢野監督は「明日は大丈夫かな、と思ってるんだけど。明日以降もあるんでね。そういう部分でちょっと代えました」と大事をとったことを説明したが、不安げな様子は隠せなかった。病院には行かず電気治療を施し、６日からのヤクルト戦（神宮）にも参戦する予定という。

◆阪神・福留孝介外野手は５日のＤｅＮＡ戦でサヨナラ弾。セ・リーグ通算５万号という記念すべき一発で２日連続のお立ち台に立つと、ちびっ子のインタビューに「最高に気持ちいいです！」と笑顔をみせた。 　－－いま、サヨナラホームランを打って、お立ち台にあがった気持ちを一言であらわしてください 　「最高に気持ちいいです！」 　－－試合前に必ずやることはなんですか 　「年をとっているので、しっかりとストレッチをします」 　－－いま、ハマッている食べ物は何ですか 　「ハマッている食べ物...。ピノ！」 　－－いつからハマッているんですか 　「ちょっと前からハマっています。はい」 　－－きょうの試合後、何を食べますか 　「ご褒美に美味しいもの食べます！」 　－－具体的には何も決まっていませんか 　「いや、まだ興奮して何も考えてないです」 　－－子供のころ、野球以外に何か習い事をしていましたか 　「何にもしてません！」 　－－仲のいい選手は誰ですか 　「...北條っていいたいんですけど、鳥谷選手です」 　（ちびっ子インタビュアーの好きな選手が鳥谷選手と説明され） 　－－鳥谷選手はどんな選手か教えてもらっていいですか 　「いやもう、みたまんまです。皆さんが思っている通りの選手だと思います」 　－－阪神ファン、子供たちへメッセージを 　「ほんとにね、いい流れできているので、また明日も勝てるようにしっかりと頑張っていきたいと思います」

◆阪神・大山悠輔内野手が５日のＤｅＮＡ戦（甲子園）の七回に同点打。４番が試合を振りだしに戻し、九回の福留のサヨナラ弾につなげた。 　「何とか（先発した高橋遥の）負けを消せたのはよかったですけど、ひとつひとつのプレーを大事にしていかないと。そういうところの気を引き締めてやっていきたい」 　４－５の七回。糸原が左翼線を破る二塁打。糸井が遊飛に倒れた後、大山の出番だ。左腕・エスコバーの６球目、１４８キロ直球を詰まりながらも右中間に落とした。同点の中前適時打は、ドラフト１位・近本光司外野手（大阪ガス）と並ぶチームトップの１８打点目だった。

◆阪神の新外国人、ジェフリー・マルテ内野手は５日のＤｅＮＡ戦（甲子園）で、ともに得点に絡む２安打を放ち逆転に貢献。来日初マルチ安打で上昇ムードを漂わせた。 　「毎日、毎日、よくしていこうとしている。これからも上げていくだけです」 　０－１の二回無死一塁、詰まった当たりは遊撃後方へのポテンヒット。続く木浪の同点打へとつなげた。梅野の適時打で１点差に迫った六回１死一塁からは中前に弾き返し、チャンスを拡大。笑顔で球場を後にした。

◆長年、寝てもさめてもあきれるほどタイガースを取材してきた古手のトラ番爺ィとしては、正直に告白すればこの３試合...子どもファンをド緊張のハイテンションの『お立ち台』にポンとだして...「大丈夫かいな...」と心配してた。 　というのはまず試合に勝てなかったら...スタンバイの子どもたちの失望たるや...。その心配。 　試合直後、選手はハイテンション。ちびっ子の「たどたどしい質問」とのズレは（かわいいけど）どうするのか。一生の思い出がズッコーンとふき飛んでしまうかもしれないなぁと...。 　あらためて阪神タイガースに謝罪する。よけいな心配ばかり手前勝手に想像して疑ってしまって誠にすいません。そのタドタドしさが、またかわゆいのでした。 　俺をこんなにもマゾヒズムに犯された老人性トラ番にしたのは誰やねん！　と猛反省しました。 　まず３日の延長十回サヨナラの大山選手のお立ち台の時、一生懸命の子どもたちの質問に大山選手の真剣な顔とその笑顔にはとても感動した。めったに笑わない男...シャイなのだ。だからニコッとしたら逆にズシンとくる。 　この５日の編集局運動部の当番Ｄ阿部祐亮とその話をしたら彼は３年前の２０１６年１０月２０日のドラフトで当時の金本監督が白鴎大の大山をサプライズ１位単独指名した時のことを思い出した。 　「あの時は僕らもエッそれ誰...という感じで驚いた。ところが金本監督（当時）は自信満々。その後、僕は東日本大震災の復興イベントに取材に走りました。一段落してみんなで食事会となってボクは緊張していて豚汁をガバッと自分のズボンのコカン（股間）あたりに落として熱いのなんのって...その時、笑いをかみ殺しながら大山選手が一生懸命ふいてくれたんですよ。その笑顔がダブるんです...」 　そして４日はメッセンジャー投手と福留選手がお立ち台でした。 　続くこの５日は...例によってハラハラドキドキの阪神の"お家芸"となってスリル満点のハードボイルドだぞぉ...という試合内容。これではいくらなんでもアカンやろ。そんなに勝利の女神もチャラチャラとしなだれかかってくれるわけがない...と思ったけど...。皆様ご同様に、私も編集局の窓際でだれとはなくノノシリ倒し、どなたもそんなヒステリー気味の窓際爺ィなんか遠巻きにして素通りしていきましたヮ。 　そういえば試合前にトラ番キャップ大石豊佳が「若手らが子どもファンにセッセとサインをしてました。子どもを大事にするんですよ、阪神は」と電話をかけてきた。 　竹村岳記者は前日に続いて「マルテがグータッチをしてきて...きっと今日も打つ」という。ベテラン三木建次記者はＤｅＮＡの坪井コーチと阪神電車でバッタリ。その時思わず「若いのが伸びてるやん...」と声をかけて「例えば新里は...あれはエエで...」とホメた。すると坪井コーチはプッとふいて「それはウチの神里のことでしょ...」なんと三木記者は我がサンスポの新里公章の名前を口走ってたわけ。だから思わず「試合で神里が打つかもしれないョ」といったら...ホントにからんできてヒヤヒヤでしたぞ。 　シンガー・ソングライターの足立佳奈の始球式は見事でした。最後は福留選手の九回２死からのサヨナラ２ラン！　これがセ・リーグの５万号ときてはもう心臓とまりそう。夢なら覚めるな！　また肝臓の数値があがるではないか...。

◆令和元年５月５日。『こどもの日』が『虎（こ）どもの日』になりましたー！ 　セ・リーグ通算５万号をサヨナラで決めた神様、仏様、福留様。大・大・大アリガトウ！ 　子供の頃の楽しい記憶って一生忘れないのだ！！　こどもの日に甲子園で５万号のおまけ付きのサヨナラアーチを見たとなれば、それは一生涯の大切な宝物となることは間違いなし！！ 　よっしゃ！　決めたァ！！　阪神には藤村富美男さんを初代に、村山実さん、掛布雅之さん（田淵幸一さんは虎党の間でも意見が分かれている）と『ミスタータイガース』とあがめられる猛虎がいますが、今回、福留孝介様を『初代・虎神様』と致しましょう！！　パンパン（拍手）、ありがたや！　ありがたや！！ 　平成６年組の木浪が二回に２失策と野選で先制点を許せば、その裏自らのバットで同点とする、まるでスポ根ドラマ！！　６年組・近本の勝ち越し打、六回に１点差とする代打適時打を放ったのも６年組の北條なら、七回の同点打も６年組の４番・大山！！ 　『花の平成６年組』の活躍をあっさり一振りでひっくり返したのが昭和５２年生まれの福留様だってんだから...。虎神様にはかないませ～ん！！

◆（テレビインタビューにて） 　－－劇的な幕切れ 　矢野監督　「いやあ...。すごかったですね。本当にね。心の中では思ってましたけど、本当に打ってくれてむちゃくちゃ感激です」 　－－ミスした選手の意地も出たのでは 　「まだまだ発展途上の選手たちですから。そういうミスからうまくなっていってくれればいいとは思いますけど。そのあと（木浪）聖也もタイムリーを打ちましたし、何とか取れたのは大きいです」 　－－高橋遥は次回のチャンスもあるか 　「もちろんですね。すごくいいボールを投げていましたし、味方が足を引っ張った部分はありましたけど、本来の遥人らしいボールっていうのは数多くあったと思うので。次回もどこかでチャンスを作ります」 　（記者囲みにて） 　「盛り上がったやろ～。どうやねん」 　－－しびれる試合 　「いや、しびれたなあ。まさかなあ。ナイスバッティングやなあ。スゴイなあ」

◆甲子園は「こどもまつり」。お立ち台でのインタビュアーはキッズが務めた。優しい福留選手。かわいいやりとりを、たっぷりとどうぞ 　男の子　今、サヨナラホームランを打って、お立ち台にあがった気持ちを一言であらわしてください。 　福留　最高に気持ちいいです！ 　男の子　試合前に必ずやることはなんですか？ 　福留　年をとっているので、しっかりとストレッチをします。 　男の子　今、ハマッている食べ物は何ですか？ 　福留　ハマッている食べ物...。（アイスの）ピノ！ 　アナウンサー　いつからハマッているんですか？ 　福留　ちょっと前からハマっています。はい。 　女の子　きょうの試合後、何を食べますか。 　福留　ごほうびにおいしいもの食べます！ 　アナウンサー　具体的には何も決まっていませんか？ 　福留　　いや、まだ興奮して何も考えてないです。 　女の子　子どものころ、野球以外に何か習い事をしていましたか？ 　福留　何にもしてません！ 　女の子　仲のいい選手は誰ですか？ 　福留　......。北條っていいたいんですけど、鳥谷選手です。 　（ちびっ子インタビュアーの好きな選手が鳥谷選手と説明され） 　アナウンサー　申し訳ないんですが、鳥谷選手はどんな選手か教えてもらっていいですか。 　福留　いやもう、みたまんまです。皆さんが思っている通りの選手だと思います 　アナウンサー　阪神ファン、子どもたちへ 　福留　ほんとにね、いい流れできているので、また明日も勝てるようにしっかりと頑張っていきたいと思います。

◆５－５の九回に５番手・三嶋が福留にサヨナラ弾を許し、３連敗で借金が今季最多の８。対阪神は６連敗で、２カード連続の３連戦３連敗となった。ラミレス監督は、３点リードで迎えた六回に好投していた京山が失点し、七回に登板予定だった石田を前倒しで投入せざるを得なかったことを誤算とし、痛恨の表情。阪神への苦手意識について「だからといって諦めるわけにはいかない。次の対戦の時には逆になれば」と切り替えた。

◆マルテはともに得点に絡む２安打で逆転に貢献。来日初マルチ安打で上昇ムードを漂わせた。「毎日、毎日、よくしていこうとしている。これからも上げていくだけです」。０－１の二回無死一塁、詰まった当たりは遊撃後方へのポテンヒット。続く木浪の同点打へとつなげた。梅野の適時打で１点差に迫った六回１死一塁からは中前に弾き返し、チャンスを拡大。笑顔で球場を後にした。

◆糸原は同点の九回に四球で出塁し、福留のサヨナラ弾を呼び込んだ。「これが僕の仕事なので、しっかり役割はできた」。４－５の七回には先頭で左翼線二塁打を放ち、好機を演出。大山の適時打へつなげた。「２番」として２１試合に出場する主将は「（近本との）１、２番の僕らどちらかが塁にいれば、（後ろが）返してくれるので、継続してやっていきたい」と力を込めた。

◆梅野が勝負強さを発揮し、チームを勢いづけた。「（大山）悠輔がチャンスメークしてくれて、そういういうところで球場の雰囲気を変えることができてよかった」。２－５の六回１死二塁で３番手・エスコバーの１５０キロをとらえ、中前適時打にした。これで２試合連続安打。チャンスでの一本に「結果的にそういうのがこういうゲーム（サヨナラ勝ちに）つながったのでよかった」と笑顔で話した。

◆昨年６月１０日のロッテ戦（甲子園）以来、３２９日ぶりに先発登板した高橋遥は五回途中８安打５失点（自責２）だった。「今、自分ができる力を発揮できた。チームが勢いに乗っているときに短いイニングで降りてしまって申し訳なかった」。インフルエンザＡ型感染のため前日４日に登板回避となった岩貞の代役としてマウンドに上がった。「緊張はしたけど、投げていて楽しいなと感じた」と振り返った。

◆Ｄ３位・木浪聖也内野手（ホンダ）は痛恨の１試合２失策。二回先頭、ソトの打球をトンネルし、その後、１死一、三塁では遊ゴロを本塁に送球するも、間に合わず（野選）。さらに２死一、二塁からゴロをはじき満塁としてしまうなど「申し訳ないです」と反省するしかなかった。一方で、直後の二回無死一、二塁では三塁線を破る同点打。「何とか返そうと。（ミスを）返し切れていないですけど、よかった」と振り返った。 ★二回に失策＆野選とミスを犯した木浪についての虎首脳陣評 藤本内野守備走塁コーチ 「教訓にしてほしい。タイムリーも打ったし、エラーをしても試合は続く。これがプロ。乗り越えてやっていくしかない」 久慈内野守備走塁コーチ 「１つめのエラーでかっちりいこうと思って、誰が見ても萎縮していた。ガチガチになっていたのは分かった。でも乗り越えていかないと。連鎖反応も出たけど、相手も１点しか入ってない。それも野球」

◆３点ビハインドで迎えた六回、１点を追加し、なおも２死一、三塁。代打で登場した北條が、今季初打点となる左前適時打を放ち、チームの流れを大きく引き寄せた。 　「久しぶり（の打席）でしたが、なにも考えずに打ってやろうという気持ちでした」 　福留のサヨナラ弾で歓喜に沸くナインの中で、とびっきりの笑顔をみせた。遊撃のポジションはＤ３位・木浪聖也内野手（ホンダ）に奪われ、４試合ぶりの出番。「Ｈ」ランプを灯したのは「２番・遊撃」で出場した４月１８日のヤクルト戦（神宮）の第１打席で二塁打を放って以来。「僕は声しか出せないので」。悔しさを胸にしまい込み、チームのムードを盛り上げ、出番を待っていた。 　報道陣から「気持ちが前に出ていた」といわれると「ホンマですか？　久しぶりだったので楽しめました」と声を弾ませた。昨季は６２試合で打率・３２２、１本塁打、２０打点。１打席１打席を大切に、信頼を取り戻す。

◆ミスを取り返したい。その一心が、塁上で右腕を突き上げさせた。土壇場で試合を振りだしに戻したのは大山。４番らしくミスをバットで取り返しても試合後は反省を繰り返してばかりだった。 　「何とか（先発した高橋遥の）負けを消せたのはよかったですけど、ひとつひとつのプレーを大事にしていかないと。そういうところの気を引き締めてやっていきたい」 　４－５の七回。糸原が左翼線を破る二塁打。糸井が遊飛に倒れた後、大山の出番だ。左腕・エスコバーの６球目、１４８キロ直球を詰まりながらも右中間に落とした。同点の中前適時打はドラフト１位・近本光司外野手（大阪ガス）と並ぶチームトップの１８打点目。福留の劇弾へとつないだ。 　取り返したいミスがあった。二回無死、ソトの打球をＤ３位・木浪聖也内野手（ホンダ）がトンネルすると、続く宮崎の打球は大山のもとへ－。併殺を狙いランニングスローで二塁に転送したが、悪送球となり、連続失策。その後、さらに木浪に痛恨の野選が生まれ、無安打で先制点を献上した。 　「きょうは反省する試合。（今季）初登板の（高橋）遥人を助けてあげないといけなかったんですけど、守備で足を引っ張ってしまったので」 　３点を追う六回先頭には左中間を破り、セ・リーグ単独トップの今季１０本目となる二塁打。梅野の適時打で３点目のホームを踏んだ。ベンチの矢野監督も「まだまだ発展途上の選手たちですから。そういうミスからうまくなっていってくれればいいとは思いますけど」とさらなる成長を願った。全てのプレーを力に変え、虎を支える太い柱になる。 　「勝ててよかったですけど、またあしたから切り替えてやっていきたい」 　プロとしての執念を、子どもたちの前で見せることができた。心身ともに成長を止めない２４歳が、もっと虎を勝たせる。　（竹村岳）

◆助っ人コンビによる鉄壁のリレーが激勝を呼び込んだ。５－５の八回に登板。火消しに成功したジョンソンがマウンドで感情をむき出しにした。 　「もちろん準備はできていた。自分のことを信頼して使ってくださる首脳陣をはじめ、チームに感謝したいですし、仕事ができてよかった」 　３番手の能見が安打と四球で１死一、二塁とされたところでバトンタッチ。まずは大和を外角低めの１３４キロカーブで空振り三振。その際に盗塁を決められ、二、三塁とされたが、続くロペスもカーブで空振り三振。思わず雄たけびをあげた。 　右腕はこれで開幕から１５試合連続で０封。５月１日の広島戦（甲子園）から３連投しており、前日５日には休養日としてベンチ入りはせず、体力回復に専念していた。「気を使ってくれたのはありがたいこと。ブルペンに休息を与えてくれて、チームとしていい方向に向かっているのがうれしいよ」。体を休めて、準備万端で臨んだマウンドでしっかりと役割を果たし、九回からは守護神・ドリスだ。 　２日の広島戦でバティスタに決勝２ランを浴びて以来の登板だったが、２者連続の空振り三振を奪うなど汚名返上。「三者凡退で抑えられたので、リズムを持ってこれたとすればよかった」とつぶらな瞳を輝かせた。 　気温の上昇とともに、盤石のブルペン陣が戻ってきた。薄氷を踏むような勝利とはおさらばだ。　（織原祥平）

◆劇勝にも、痛みが伴った。Ｄ１位・近本光司外野手（大阪ガス）が背中の強い張りを訴えて六回の守備から退き、ベンチに入らずクラブハウスに引き揚げた。１４試合ぶりにスコアボードから『ちかもと』の名前が消えた。 　「大丈夫です」 　試合中にグラウンドから去っていたルーキーは試合後、広報を通じてコメントを発表した。 　突然だった。１－１の二回１死一、二塁では一時勝ち越しの左前適時打。３試合１３打席ぶりの「Ｈ」ランプを灯すと、五回には守備で２死一塁から中井の中前打をＤ３位・木浪聖也内野手（ホンダ）に素早く送球し、一走を三塁で刺し、ピンチを免れた。その裏の攻撃では先頭打者として、三球三振に倒れたが、顔色を変える様子はなかった。 　しかし直後、満員の甲子園がどよめいた。グラウンド整備が終わると、交代のアナウンス。４月２０日巨人戦（甲子園）から「１番・中堅」で１３試合連続フル出場中だったリードオフマンが、突然消えた。背中の異変を訴え、自ら交代を申し出ていたという。 　矢野監督は「明日は大丈夫かな、と思ってるんだけど。明日以降もあるんでね。そういう部分でちょっと代えました」と大事をとったことを説明したが、不安げな様子は隠せなかった。病院には行かず電気治療を施し、きょうから始まるヤクルト戦（神宮）にも参戦する予定だというが...。 　チームトップの打率・３１６で、もはや欠かせない存在となったルーキーに生じた不安。大事にならないことを祈るばかりだ。　（大石豊佳）

◆子どもたちに届け！　阪神は福留孝介外野手（４２）の３号２ランで今季３度目のサヨナラ勝ち。ＤｅＮＡに同一カード３連勝で「こどもの日」５連勝を飾った。このアーチがセ・リーグ通算５万号＆同最年長サヨナラ弾というおまけつき。首位・巨人に２ゲーム差。ゴールデンウイーク１２連戦の勝ち越しを決め、虎が乗りに乗ってきた！ 　一塁をまわって、熱く、熱く、吠えた。マンモスを揺らせた。ちびっ子ファンからの甲高い歓声が聞こえる。これを見せたかった。狙っていた。ダイヤモンドを一周した福留は手を広げ、歓喜の輪に身を任せた。 　「それ（５万号）はたまたまですけど。よかった。（感触は）バッチリですけど、ここの球場、この風なのでね。難しいですけど、それでも自信をもてた当たりだった」 　浜風を切り裂いたシビれる一撃に胸を張った。 　４打席凡退で迎えた５－５の九回２死一塁。ドラフト３位・木浪聖也内野手（ホンダ）、大山らの１試合４失策など「こどもの日」にふさわしくない守乱の中、全員でつないで振りだしに戻し、真打ち登場だ。ＤｅＮＡ５番手・三嶋の真ん中スライダーを一閃。４月２３日のＤｅＮＡ戦（横浜）以来、出場１０試合ぶりの今季３号２ランが右翼席に着弾する。令和初、４２歳０カ月でのサヨナラ弾は前監督、金本知憲の４１歳１カ月を上回り、セ・リーグ最年長。しかも、これが同５万号。「こどもの日」での虎５連勝を数々のドラマで彩った。 　この日まで甲子園では「こどもまつり」と題し、ヒーローインタビューはちびっ子ファンが務めることになっていた。 　前日４日に決勝打を放っており、２日連続。福留自身、長男・颯一（はやと）くん（１２）、長女・桜楓（はるか）ちゃん（８）の２児のパパ。同じような年齢の質問役に思わず目尻が下がった。「最高に気持ちいいです！　ごほうびにおいしいものを食べにいきます」。腰を落とし、目線を合わす。質問用紙が風でめくれると、手で押さえ、緊張を察すると肩に手を置いてあげた。 　海の向こうから、タテジマに袖を通し、はや７年目。兵庫県内に建てた自宅はテラスでバーベキューを楽しめるようにした。目と鼻の先に児童公園があるというのも条件に加えた。シーズンには誰しも調子の波がある。苦しいとき、一番支えてくれるのは家族。福留家の、そして、チームの大黒柱として、男を上げないわけにいかなかった。 　「昨日、こうやって子どもたちがインタビュアーとしてやってくれているのをみて、何としてもきょう勝ってね、やっぱりきょうもやってもらいたいなっていう思いが強かったので、よかった」 　積極的休養を挟みながらも得点圏打率・３６４（２２打数８安打）と勝負強い。矢野監督は「あっぱれですよね」と最敬礼する。ゴールデンウイーク１２連戦を７勝２敗とし、３試合残して勝ち越しを決めた。貯金も今季最多タイの２。首位・巨人とはわずか２ゲーム差。背中がはっきりと見えた。ちびっ子たちに最高の虎祭りを届けた。　（新里公章）

◆大山が真の４番になりつつあると感じたのは七回、中前に運んだ、同点打。フルカウントから右狙いではなく、フルスイングで中前に運んだ。 　これまでカウントが悪くなると、球をきれいに捉えることを意識しすぎて、体が前に突っ込んで当てに行ってしまう癖があったが、この打席のように三振も凡打も同じだと思えばいい。 　彼のよさはスイングスピードの速さ。遠くへ飛ばすこと。広角に打てる能力。阪神の若手選手の中では群を抜いている。昨年から結果が出なくても試合に使ってもらって失敗も数多くしたが、投手の配球などもわかり始めたはず。もう一皮むけるためのアドバイスは「もっとあつかましくなれ」だ。 　気になったのは三回、３ボールから直球を３球連続で見逃して三振した場面だ。ベンチから「待て」のサインが出ていたら仕方がないが、４球目は甘い直球。二回に逆転して、一気にたたみかけたいところ。打ち損じてもいい。周囲の声を気にせず、勇気をもってバットを振ってほしかった。 　甲子園と東京ドームの広さの違いはあるが、岡本（巨人）に負けない素材だと思っている。（サンケイスポーツ専属評論家）