巨人(★3対5☆)DeNA =リーグ戦6回戦(2019.04.29)・東京ドーム=
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DeNA
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巨人
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勝利投手:国吉 佑樹(2勝1敗0S)
(セーブ:山﨑 康晃(1勝1敗3S))
敗戦投手:宮國 椋丞(0勝2敗0S)

本塁打
【DeNA】石川 雄洋(1号・8回表2ラン)

  DAZN
◆DeNAが連敗を10で止めた。DeNAは3回表、1死一三塁からソトの適時打で先制する。その後は逆転を許すも、8回に大和の適時打と石川の2ランで逆転し、再びリードを奪った。投げては、2番手・国吉が今季2勝目。敗れた巨人は、4番手・宮國が誤算だった。

◆今季の巨人山口俊投手(31)は2日阪神戦から4試合に登板して4勝。巨人で月間5勝すれば10年4月の東野以来となり、開幕5戦5勝は09年に6戦6勝したゴンザレス以来になる。 山口が5試合目も白星を挙げられるか。

◆DeNAが連敗ストップへ、今季1軍初昇格の石川雄洋内野手(32)が「2番二塁」で先発出場する。 12年にはキャプテンとしてチームをまとめたベテランの起用で、活路を見いだす。また不調の宮崎は、28日の「6番三塁」から1つ打順を下げ「7番三塁」で先発に名を連ねた。 また、セットアッパーのパットンは胃腸炎のため2軍落ちした。

◆巨人阿部慎之助捕手(40)が一塁、クリスチャン・ビヤヌエバ内野手(27)が二塁守備に今季初めてついた。 5回無死満塁で二塁手の7番山本の代打で出場した阿部が、6回から岡本に代わって一塁へ。岡本が三塁へ、三塁を守っていたビヤヌエバが、3月13日オープン戦ソフトバンク戦以来の二塁へ回った。

◆DeNAの連敗ストップへ先発を託されたドラフト1位の上茶谷大河投手(22)は、5回を3安打3失点で降板した。 序盤から制球良く、好投を続けたが、1-0の5回、無死満塁のピンチを招くと、巨人の代打攻勢の前に3点を失い、逆転を許した。「前回登板の反省を踏まえ冷静に投げることを心掛け試合に臨み、自分との勝負にならずに投げることができました。しかし自分の持ち球、全球種を使うことができましたが、ピンチの場面で偏りが出てしまい失点につながってしまったことは反省点です」とコメントした。

◆巨人山口、DeNA上茶谷が先発。DeNAが3回にソトの三塁適時内野安打で1点を先制した。巨人は序盤の3回まで無得点。 巨人が5回に代打大城の押し出し死球、代打石川の併殺崩れ、坂本勇の適時内野安打で3点を奪い逆転に成功した。 DeNAは8回に大和の同点適時打、石川の決勝2ランで逆転し、連敗を10で止めた。2番手国吉が2勝目。継投失敗の巨人はカード3連勝を逃した。4番手宮国が2敗目。

◆DeNAが連敗を10で止めた。2-3の8回に大和の中前適時打で追い付き、石川の2年ぶりの本塁打で2点を勝ち越した。2番手の国吉が2回無失点で2勝目。山崎が最後を締めて3セーブ目。巨人は打線が4安打に抑え込まれた。

◆巨人陽岱鋼外野手が勝負勘をフル回転させた。6番右翼で10試合ぶりにスタメン出場。1点リードの6回2死一、二塁、DeNA大和が放った強烈なライナー性の打球へ前進しながらダイブ。 地面すれすれで打球をグラブに収めた。白星にはつながらなかったが「いちかばちかのタイミングでしたが、いけると思って勝負した」と好判断でピンチを救った。

◆巨人が課題の中継ぎ陣がDeNAに反撃を許し、逆転勝ちを逃した。1点リードの8回に宮国椋丞投手を投入。先頭宮崎を四球で歩かせると、2死三塁から大和に同点適時打、石川には痛恨の勝ち越し2ランを浴びた。マウンドに膝から崩れ落ちた右腕は「勝てた試合だけに、チームも連勝して勢いがあっただけに申し訳ないです」と悔やんだ。 今季9敗のうち中継ぎ陣で3敗。チームの95失点のうち、継投後に42失点と安定感を欠く。この日も登板した野上、戸根、宮国がいずれも四球を与え、原監督は「前向きにいって、どっちに出るのかというのが勝負。どこかで前向きに見えないような感じだと悔いを残すのではないかなというのがある」と指摘。技術面に加え、精神面の改善を促した。 ベンチワークは攻めの姿勢を一貫した。1点を追う5回無死満塁で阿部、大城、石川の代打攻勢に出て、押し出し死球と併殺崩れで一時逆転。坂本勇も投手強襲適時内野安打で続き、4回まで1安打に抑えられていた上茶谷を崩した。2点リードに転じた6回の守備は阿部を一塁に残し、三塁岡本、二塁ビヤヌエバを配置。指揮官は「守りに入るということはあのイニングではダメだと思った。まだ攻撃しているんだと」と説明した。【為田聡史】

◆DeNAルーキー上茶谷大河投手が5回3失点で、自らの黒星(16日阪神戦)で始まった連敗ストップに貢献した。 「自分との勝負にならずに投げることができました。しかしピンチの場面で(配球に)偏りが出て失点につながった」。反省を口にしたがチームの勝利に最後は笑顔。次回こそ悲願のプロ1勝を目指す。

◆DeNAが連敗を「10」で止めた。昭和生まれの野手最年長・石川雄洋内野手(32)が決勝の1号2ランを含む3安打2打点と大暴れ。新時代の幕開けを前に、長く暗いトンネルからようやく抜け出した。 大和の適時打で同点とした8回2死一塁、場内のざわめきも収まらない中で、巨人宮国の初球、真ん中に入った136キロ直球を完璧に捉えた。ライナーで右翼席ギリギリに飛び込む勝ち越し弾。球場全体の1割ほどのDeNAファンの歓声が、G党の悲鳴を上回った。「みんなつないでくれたので、自分もチャンスメークするつもりで打席に入った。ちょっと出来すぎですね」。中畑前監督時代の12連敗を含め、酸いも甘いも知るかつてのキャプテンが、今季1軍初昇格で大仕事。「若い子の話が分からなくなってきてます。顔と名前が覚えられない」と笑う昭和61年生まれが、平成の最後に輝いた。 ラミレス監督の打った手も決まった。満足げな表情で「(石川は)状態がいいと聞いていた。巨人山口と長い間、一緒にやってきたので、モチベーション高くやってくれると思ったよ」。16年までDeNAに所属した31歳右腕への対抗意識を考慮した用兵がズバリ的中。同じく山口との相性を期待して抜てきした嶺井も2安打1打点。1回に巨人坂本勇の二盗も阻止し、攻守で機能した扇の要を指揮官も「彼のキャリアで1番のスローイングじゃないかな。あれで『今日はイケる』という勢いをもたらしてくれた」とたたえた。 ベテランと若手がかみ合いだしたDeNA。長い悪夢から、しっかりと目を覚ました。【鈴木正章】

◆巨人・坂本勇人内野手(30)が29日、DeNA6回戦(東京ドーム)で、開幕から続く自己最長の連続試合出塁を「25」に伸ばした。  「1番・遊撃」で先発した背番号6は一回、DeNAのドラフト1位・上茶谷(東洋大)の直球をライナーで中前へ。好調の主将が打線を引っ張っている。

◆巨人は29日、東京ドームでDeNA6回戦を行った。先発の山口俊投手(31)が三回に先制を許したが、1点を追う五回に3点を入れた。  粘って、DeNAのドラフト1位右腕・上茶谷(東洋大)から点をもぎ取った。先頭・岡本が外角のスライダーに食らいついて左前打とすると、亀井、陽岱鋼の連続四球で無死満塁。続く山本の場面で、原監督は代打に阿部を送るが、空振り三振。それでも、小林に代打・大城を送り、死球で1点を返すと、五回までに91球を投げた先発・山口に代打・石川を送り、遊ゴロが併殺崩れとなる間に、1点を追加した。  3者連続代打でつなぎ、1番・坂本勇の投手強襲適時内野安打でさらに1得点。指揮官がここぞの場面で早めに戦力を送り込み、勝負をしかけた。

◆巨人・陽岱鋼外野手(32)が29日、DeNA6回戦(東京ドーム)で、チームをピンチから救う超ファインプレーを決めた。  3-2の1点リードで迎えた六回の守備。一打同点となる六回2死一、二塁で、DeNA・大和が野上から放ったライナーは右翼線へ。抜ければ長打となり、逆転される可能性もあったが、右翼手の陽岱鋼はトップスピードから飛び込み、地面すれすれで捕球。絶体絶命のチームを救うビッグプレーに、スタンドからは割れんばかりの大歓声がわき起こった。  陽岱鋼は2012年から3年連続でゴールデングラブ賞を獲得した守備の名手。4月16日の広島戦以来10試合ぶりのスタメンで本領を発揮した。ベンチではナインから祝福を受け、ほほえみを浮かべた。

◆巨人・山口俊投手(31)が29日、DeNA6回戦(東京ドーム)に先発。5回91球を投げ、4安打1失点(自責点0)でマウンドを譲った。  序盤から四球で走者を許すも、粘り強く投球。三回に失策も絡んで1死一、三塁とされると、ソトの三塁適時内野安打で先制を許した。それでも、その後は追加点を与えず、無失点。五回に代打を送られたが、その回に味方が逆転し、5勝目の権利を得て降板した。

◆初勝利が遠い...。先発したDeNAのドラフト1位・上茶谷大河投手(22)=東洋大=は29日、巨人6回戦(東京ドーム)で先発。5回3安打3失点で交代し、5度目の先発でもプロ初勝利を挙げることはできなかった。  上茶谷は抜群の制球力で巨人打線を四回まで1安打に抑えた。しかし五回、先頭の岡本に左前打を許すと、亀井、陽に連続四球を与え満塁。  代打・阿部を空振り三振にとりひと息ついたのもつかの間、代打・大城への押し出し死球で1-1同点。代打・石川の内野ゴロの間に2点目を許すと、坂本の打球は自身の足に直撃する内野安打で1-3とリードを広げられた。  前回登板の23日阪神戦(横浜)から初めて「中5日」でのぞんだ。チームは前日の試合で連敗が10にのびており、連敗ストップをかけたマウンドだった。「自分と勝負せず、しっかり打者と勝負して試合を作れるように」と誓っていたが、勝ち星を引き寄せることはできなかった。

◆巨人・宮国椋丞投手(26)が29日、DeNA6回戦(東京ドーム)の1点リードの八回に登板。先頭・宮崎に四球を与えると、三犠打、二ゴロで2死三塁とされ、大和の中前適時打で同点に追いつかれた。さらに、続く石川に右越え2ランを浴び、勝ち越しを許した。

◆DeNAが巨人に5-3で逆転勝ち。16日の中日戦(ナゴヤドーム)から続いた連敗を「10」で止めた。  先発したドラフト1位・上茶谷大河投手(22)=東洋大=は5回3安打3失点で交代。5度目の先発でもプロ初勝利を挙げることはできなかったが1点を追う八回、大和内野手(31)の中前適時打で同点に追いつくとこの日、出場選手登録され「2番・二塁」で起用された石川雄洋内野手(32)が勝ち越しの1号2ランを放った。

◆DeNAが巨人に5-3で逆転勝ち。16日の中日戦(ナゴヤドーム)から続いた連敗を「10」で止めた。1点を追う八回、大和内野手(31)の中前適時打で同点に追いつくとこの日、出場選手登録され「2番・二塁」で起用された石川雄洋内野手(32)が勝ち越しの1号2ランを放った。  石川は2017年7月5日の阪神戦以来、2年ぶりの本塁打に、「感触も良かった。とてもいい当たりだった」と笑顔。5打数3安打2打点の活躍に「ちょっと出来すぎ。なんとか流れを変えたいと思った。思い切っていけた」と胸を張った。  開幕2軍スタートとなったが、「自分のやることをやれば、呼ばれたときに結果が出ると信じていた」と振り返り、「あの一本で止められたというのはうれしい」とチームの連敗ストップを喜んでいた。

◆DeNAが巨人に5-3で逆転勝ち。16日の中日戦(ナゴヤドーム)から続いた連敗を「10」で止めた。1点を追う八回、大和内野手(31)の中前適時打で同点に追いつくとこの日、出場選手登録され「2番・二塁」で起用された石川雄洋内野手(32)が勝ち越しの1号2ランを放った。ラミレス監督との一問一答は以下の通り  --連敗ストップ  「長い間かかったが、久々にみんなの笑顔を見た。本当に大きい勝利」  --石川が決勝弾  「よくやってくれた。いきなり先発で使うことを予想した人は多くなかったと思う。久しぶりに1軍に帰ってきて素晴らしい活躍してくれてうれしい」  --勝因は  「久々に投打がかみあった。リリーフもがんばってくれた。みんな、よくやってくれた」  --巻き返しへ  「悪い流れが平成の最後に止まった。新しい時代はDeNAにとって輝かしい時代になる」

◆DeNAのドラフト1位ルーキー上茶谷は5回3失点で5度目の先発でもプロ初勝利はならなかった。1-0の五回に安打と2四球で満塁として、押し出し死球や坂本勇の内野安打などで計3点を失った。カットボールを狙われ「ピンチの場面で偏りが出てしまった」と悔やんだ。  それでもチェンジアップとスライダーを効果的に散らして二~四回は三者凡退に抑えた。過去2試合は得意のカットボールを狙われて黒星を重ねていただけに「持っている全球種を使うことができた。自分との勝負にならずに投げられた」と手応えはつかんだ。 大和(八回に同点打) 「みんながつないでつくった好機だったので、必ず自分がかえすという強い気持ちで臨んだ。逆らわずに打ち返せた」

◆巨人の阿部が五回無死満塁で代打に起用されるとそのまま一塁に入り、今季初めて守備に就いた。3年ぶりに捕手として登録されているが「想定はしていた」と無難にこなした。それよりも空振り三振に倒れた代打の場面を挙げ「あそこで何とか打ちたかった」と悔しがった。  試合途中で攻撃的な内野の布陣をした原監督は「あそこで守りに入ることはチームにとってマイナスだと思った」と意図を説明した。 陽岱鋼(六回のピンチで大和の打球を好捕) 「行けると思った。捕れて良かった」 山口(5回1失点) 「回を追うごとに修正できた」 野上(2者連続四球から1失点) 「力んでしまったところがあった」

◆ラミレス監督が、監督通算219勝に到達し、球団の歴代勝利数で権藤博氏(98-00年横浜監督)に並ぶ5位に浮上した。14日の広島戦(横浜)で王手をかけてから2週間という"難産"になったが、ラミレス監督は「通算勝利のことは気にしていなかった」とし「その日、勝つということに集中している。しっかり勝てば数字は変わっていく」とキッパリ。勝率.492は歴代3位の記録となる。

◆先発の山口は5回4安打1失点。五回に代打を送られ、チームは逆転。勝利投手の権利を手にしていたが、宮国が再逆転を許し、開幕からの5戦5勝は逃した。次回も中5日で5月5日の広島戦(マツダ)に先発予定の右腕は「回を追うごとに修正はできた」と前を向いた。

◆1点リードの六回2死一、二塁で陽岱鋼がスーパープレーを披露した。大和が放った右翼線の打球を地面すれすれでダイビングキャッチ。16日の広島戦(鹿児島・平和リース)以来、10戦ぶりの先発出場に応え、「いけると思って、勝負のところだったので。一か八かのタイミングで、自分では行くと決めていた。本当に捕れて良かった」と胸を張った。

◆D1位・上茶谷(東洋大)は5回3安打3失点で交代し、5度目の先発でも初勝利はならなかった。連敗ストップを託され、初の「中5日」で登板。巨人打線を四回まで1安打に抑えていたが、五回に安打と2四球で満塁として、押し出し死球や坂本勇の内野安打などで3点を失った。「全ての持ち球を使うことができたが、ピンチの場面で偏りが出てしまい失点につながってしまった」と悔やんだ。

◆逆転負けで同一カード3連戦3連勝はならず。巨人・原辰徳監督(60)は、1点リードの八回に登板し、逆転を許した3番手・宮国に攻めの姿勢を求めた。  「前向きな勝負をしたか。悔いを残さず勝負したか。戦う前は勝っていないと、やっぱり勝負師ではないのかなという気がするね」  期待の9年目右腕は、先頭の宮崎を4球で歩かせ、大和に同点の中前適時打、続く石川に勝ち越し2ランを浴びた。今季2敗目を喫した宮国は「連勝して勢いがあっただけに、申し訳ないです」と悔やんだ。  勝利にはつながらなかったが、指揮官は"攻めの采配"を貫いた。序盤はDeNAのD1位・上茶谷(東洋大)に苦戦したが、0-1の五回に先頭の岡本が左前打、亀井、陽岱鋼が連続四球を選んでチャンス到来。ここを攻め時と捉えた。  1失点の山口と小林のバッテリーらが並ぶ下位打線に阿部、大城、石川と3者連続で代打を投入。新人右腕に重圧をかけ、死球、併殺崩れで勝ち越した。その後も阿部に今季初めて一塁を守らせ、岡本を三塁、ビヤヌエバを二塁に置く攻撃的布陣を敷いた。  30日の中日戦(東京ドーム)は平成ラストマッチ。"勝負師"原監督が手綱を締め直し、時代の節目を白星で飾る。(谷川直之) 八回に逆転を許した宮国に巨人・宮本投手総合コーチ 「アグレッシブさがほしかった。勝負してほしかった」

◆DeNAは29日、巨人6回戦(東京ドーム)に5-3で逆転勝ちし、16日の中日戦(ナゴヤドーム)から続いた連敗を「10」で止めた。1軍に今季初昇格した石川雄洋内野手(32)が、八回に1号2ランを放って勝ち越し。昭和生まれのチーム最年長野手が「昭和の日」に一振りでチームを救い、アレックス・ラミレス監督(44)に球団5位タイの通算219勝目をもたらした。プロ野球は、30日にセ・リーグ3試合で平成の幕を閉じる。  長く、暗いトンネルをようやく抜け出した。  「皆さん、笑顔をください!! 悪い夢からやっと目覚めた」  ラミレス監督は頬を緩め、手をたたき、4月14日の広島戦(マツダ)以来、15日ぶりとなる白星を喜んだ。計6選手の入れ替えでテコ入れしたチームは、狙い通りに勝負運を取り戻した。  勝利を引き寄せたのは、この日1軍に昇格した一人、ベイスターズ一筋15年目、昭和61(1986)年生まれの石川だ。大和の中前適時打で追いついた八回2死一塁、宮国の136キロの直球を振り抜いた。低い弾道が右翼席に届くと、ベンチは総立ちとなった。  「何とか流れを変えようと思っていた。みんながつないでくれたので、思い切っていきました」  久々のヒーローインタビュー。ベテランは青い大歓声に目を細めた。  2003年の選抜で準優勝するなど横浜高で活躍し、05年に入団。華のある大型内野手としてスター街道を歩んできた。12年から3年間はDeNAの初代主将を務めた。  ただ、ファンから愛される生え抜きも、ここ数年は世代交代の波にもまれた。チームは大和、中井と2年連続で同じ二遊間を守れる内野手を獲得。柴田ら若手の台頭もあり、昨季は41試合の出場にとどまった。  野球人生をかける今季。足を痛めた影響もあり、キャンプから2軍暮らしが続いた。それでも「自分のやることをしっかりやっていれば結果は出る」と、黙々と鍛錬を重ねてきた。  そんな中、吉報は届いた。前日28日の2軍戦で本塁打を含む2安打を放ったあと。千葉・鎌ケ谷からの帰宅途中、ゴールデンウイークの渋滞を避けるために乗った電車の中で1軍昇格の知らせを受けた。  主力として08年の14連敗、15年の12連敗と2度の2桁連敗と7度のリーグ最下位を経験。暗く沈みがちになる中、不遇だった平成の半ばからチームを支えてきた男に白羽の矢が立った。気負わず、気を抜かず「(黒星は)全て過去のこと」と前を向き、昇格即「2番・二塁」での先発起用に応えた。先制点を演出する右前打など、3安打と結果を出した。  チームに7人しか残っていない昭和世代。「若い子の話が分からなくなってきたね。人の顔とか名前も覚えられなくなった」と"昭和人あるある"で笑わせ「若返りたい」と話す姿は、まだまだ爽やかそのものだ。  時代が変わる前に負の鎖を断った。1月に日本国籍を取得したラミレス監督は「悪い流れが平成の最後に止まった。新しい時代はDeNAにとって輝かしい時代になる」と改元を意識し、言い切った。最下位に沈む状況は変わらないが、令和元年に目指す頂へ、忌まわしい霧は晴れた。 (佐藤春佳)

◆巨人は逆転負けで同一カード3連戦3連勝はならず。3番手・宮国は八回、先頭の宮崎を4球で歩かせ、大和に同点の中前適時打、続く石川に勝ち越し2ランを浴び、今季2敗目を喫した。  元巨人監督の堀内恒夫氏(71)は30日、ブログで「昨日の宮國 外側に投げようと思うボールが真ん中に入ってきちゃったでしょ。いくらDeNA打線の調子が悪いって言ったって相手もプロだからね ど真ん中に投げたらそりゃ打たれるわな」と指摘。「球場で見てたけど打たれた3点 あっという間の出来事だったよ」と振り返った。  期待の9年目右腕について、「今の宮國はね俺からすると中途半端に見えるんだ。もともと宮國は球の力で勝負するピッチャーだったけど 今は腕を少し下げてコントロールピッチャーに変わろうとしている。それが球の力もなくなってコントロールの精度もこれからで、とどっちつかずになっちゃってる」と分析。「自分にはどちらの方が合ってるのか。これからコントロールを磨いていくのか それとも球の力を戻すのか これはもう宮國本人の選択次第だと思うよ」と奮起を促していた。

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
1690 0.640
(↓0.027)
-
(-)
118127
(+3)
95
(+5)
35
(-)
10
(-)
0.268
(↓0.005)
3.560
(↓0.02)
2
(-)
ヤクルト
15111 0.577
(↑0.017)
1.5
(↑1)
116137
(+7)
117
(+4)
36
(+2)
10
(+1)
0.253
(↓0.002)
4.000
(↑0.04)
3
(-)
中日
12130 0.480
(↓0.02)
4
(-)
11895
(-)
84
(+2)
20
(-)
16
(-)
0.274
(↓0.004)
3.250
(↑0.09)
4
(-)
広島
12140 0.462
(↓0.018)
4.5
(-)
11788
(+4)
112
(+7)
23
(+2)
10
(-)
0.228
(↑0.002)
3.540
(↓0.08)
4
(1↑)
阪神
12141 0.462
(↑0.022)
4.5
(↑1)
116101
(+2)
123
(-)
21
(+1)
13
(+2)
0.240
(↓0.001)
3.830
(↑0.15)
6
(-)
DeNA
10160 0.385
(↑0.025)
6.5
(↑1)
11797
(+5)
114
(+3)
31
(+1)
4
(-)
0.237
(-)
3.830
(↑0.03)