オリックス(5対5)楽天 =リーグ戦3回戦(2019.04.07)・大阪ドーム=
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楽天
00001010300051410
ORIX
0104000000005611
勝利投手:-
敗戦投手:-

本塁打
【オリックス】西野 真弘(1号・2回裏ソロ)

  DAZN
◆オリックスは1点リードの4回裏、後藤と吉田正の適時打などで一挙4点を追加する。一方の楽天は、2-5で迎えた9回に島内の適時打などで3点を奪い、土壇場で同点とした。試合はそのまま延長戦に突入するも、両軍の救援陣が踏ん張り、規定により引き分けに終わった。

◆サッカーJ1リーグのヴィッセル神戸の元ドイツ代表FWルーカス・ポドルスキ(33)が観戦に訪れた。 親会社が同じ楽天の試合。昨季始球式を務めたこともあり、2月には沖縄・金武町で初めて同時にキャンプを行い、合同懇親会も開催された。「家から(京セラドームまで)20、30分だし、タイミングもよかったので来ました」。母国ドイツでは「間違いなくサッカーが一番人気」とした上で「サッカーとは全然違うスポーツで、野球も面白い。投げて打つ、1対1の勝負が刺激的」と魅力を語った。 試合前練習の合間に平石監督と笑顔で記念撮影。ウィーラーからはサイン入りバットをプレゼントされ、ご機嫌だった。

◆オリックス西野真弘内野手(28)が、先制本塁打を放った。2回1死から、楽天藤平の136キロ直球をライトへ運んだ。 西野にとっては、17年8月15日のソフトバンク戦でバンデンハークから打って以来、2年ぶりの1発だった。西野は「チャンスメークをしようと打席に入りました。イメージとは違いましたが、うまくスイングすることができて興奮しています。先制点を取ることができてよかったです」と喜んだ。

◆楽天藤平尚真投手(20)が2試合連続で早々にマウンドを降りた。 開幕3戦目となる3月31日のロッテ戦では3回途中3失点で降板。中6日の調整で2度ブルペンに入るなど、今季2度目の先発に備えてきた。1回は2番西浦に四球も無失点。2回は6番西野に先制ソロを浴び、続くT-岡田に四球。後続を断って最少失点で切り抜けたが、この回までに40球を要し、2回1安打1失点で交代。「中継ぎの皆さんに申し訳ないです。それ以外何もありません」と悔しそうに言葉をしぼり出した。 3回から石橋がマウンドに上がった。

◆オリックス吉田正尚外野手(25)が、今季初打点を挙げた。 スクイズや後藤の適時打で3点を追加した4回2死一、三塁で、楽天3番手の高梨からセンター前へ運ぶタイムリーヒット。今季39打席目にしての初打点に、吉田正は「少し詰まっていましたが、自分のスイングでしっかりと振り抜けたと思います。ランナーを返すことができてよかったです」と話した。

◆楽天銀次内野手(31)が急きょ捕手として出場した。 3点を追う9回1死から途中出場の捕手足立に代打藤田を送り、藤田が右前打で出塁。ここから打線がつながり、同点に追いついた。 1軍登録の捕手はスタメンの嶋と足立の2人のみ。捕手として入団し、09年秋に内野手に転向した銀次が9回裏から1軍の公式戦で初めてマスクをかぶると、松井とバッテリーを組み、2死一塁、3番吉田正の打席では西浦の二盗を阻止してみせた。 銀次が1軍の試合でマスクをかぶったのは09年3月1日のロッテとのオープン戦のみ。そのシーズンは2軍で捕手として36試合に出場し、秋に内野手に転向している。

◆オリックスがまた勝ちを逃した。3点リードの9回に抑えの増井浩俊投手を投入したが、不運な当たりもあり、5安打3失点でまさかの同点に。延長戦も決め手を欠き、9試合で早くも3度目のドローとなった。 育成ドラフト出身者では、球団初となる榊原翼投手のプロ初勝利も持ち越し。増井は「今日は絶対(に勝たせたい)と思ったが...次は助けてあげられるように全力でやるだけ」と前を向いた。西村徳文監督は「勝ちパターンの投手で行っているし、増井で打たれたら責められない」と守護神をかばった。打線も5回以降は1安打で、投手陣を援護できず、指揮官「そこですよね」と嘆いた。 銀次を捕手起用した楽天に対し、9回2死一塁で西浦を走らせたが刺された。指揮官は「仕掛けたんですが...勝てずに悔しさが残りますね」と5位タイに浮上したものの表情はさえなかった。

◆強がりじゃなかった。「ノーバウンドでいけますよ!」。楽天銀次内野手(31)は、「二塁送球はワンバウンドでいいから」と気遣う首脳陣に明るく返した。 捕手入団も、09年秋に内野手に転向。捕手として1軍でプレーしたのは、09年3月1日のロッテとのオープン戦だけ。1軍公式戦初マスクでも、9回にオリックス西浦の二盗をノーバウンド送球で阻止した。「ランナーが走ったから、ただ投げた」。チームとして、今季初の盗塁阻止。平石監督は「『最初が銀次か...』って、担当コーチが頭抱えてましたよ」と笑った。 腹をくくっていた。3点を追う9回、途中出場の捕手足立に代打藤田が送られた。1軍登録の捕手はスタメンの嶋と足立のみ。「自分しかいないでしょ」。3月中旬、平石監督の指示で1度だけブルペンに入り、石橋のボールを受けて有事に備えていた。代打が出た時点で、裏の登板に向け準備する松井にも「追いついたら、銀次と組んでもらう」と伝えられた。藤田の安打から驚異の粘りで追いついたが、投球練習中は借りたミットが合わず、1度戻って足立のミットを慌てて持っていくひと幕も。「ただ、必死でした」。ベンチからの配球指示に従い、松井、ハーマン、森原を巧みに"リード"。4イニングをわずか1安打に封じ、捕球ミスは1球だけだった。 5連勝から一転、3連敗の危機を救った主将は「引き分けに持ち込めたのが一番大きい。(第3捕手として)いい投手の球を受けられたのは自信になる」。投手の宋家豪を除くベンチ入りメンバーを使い切った総力戦が、ひと味違う楽天を予感させる。【亀山泰宏】

◆楽天ドラフト1位の辰己涼介外野手が、初の猛打賞をマークした。7回に鮮やかなセンター返しから2点目のホームを踏んで反撃ののろしを上げると、9回にも変化球をたたきつけてチャンスを拡大。 執念の同点劇の呼び水となった。さらに延長10回には2死二塁から右前へ。二塁走者の橋本が本塁タッチアウトで勝ち越し打とはならなかったが「本当はホームランを打ちたかった。後藤駿太さんの肩が強いのは分かっていたから、ライト前に打った僕が悪い」と笑わせた。 凡退した最初の2打席を踏まえ「球を見すぎていた」と差し込まれ気味だったタイミングを修正して対応。「空振りしても次の球で修正できたり、だいぶ地に足がついてきた」と一定の手応えをにじませる一方で、満足とはほど遠い。2回2死満塁で空振り三振を喫した第1打席を振り返り「ホンマに悔しかったです。僕の本来の持ち味は勝負強さ。満塁で打てていれば...。まだチームの足を引っ張っている」と自らにハッパを掛けた。

◆楽天島内宏明外野手(29)が貴重な同点打を放った。 3点を追う9回に2点を返し、なおも2死一、二塁から増井のフォークを中前に運んだ。「フォアボールでもいいから、(次の)ウィーラーにつなごう、と。みんながつないでくれて、2アウトで回ってきて、自分で終わりたくなかった。勝つ負けるじゃなく、自分で終わりたくないという気持ちが、ああいうタイムリーを生んだのかな」と振り返った。 打率3割8分2厘はチームトップ。田中と並ぶチーム最多7四球で出塁率も4割8分8厘をマーク。「つなぎの4番」が抜群の存在感を発揮している。

◆楽天平石洋介監督(38)が、攻めの采配で引き分けに持ち込んだ。3点を追う9回1死から途中出場の捕手足立に代打藤田を送り、藤田が右前打で出塁。 ここから打線がつながり、同点に追いついた。1軍登録の捕手はスタメンの嶋と足立の2人のみ。裏の守りからは、1軍の公式戦で初めて銀次にマスクをかぶらせた。「失敗したら、こっちの責任だから」と主将を送り出す前から準備は進めてきた。 銀次が捕手から内野手に転向したのが09年秋。現役時代は「捕手銀次」とも一緒にプレーしており、「銀次のキャッチャーは、よく見ていましたよ」と振り返る。その上で「投手との兼ね合いで野手を削らないといけない可能性もある。やるなら銀次か(高校時代に捕手だった)内田と思っていた。キャンプの早い段階から想定して、本人に伝えていた」。3月中旬、遠征先の静岡ではブルペンで投手のボールを受けさせた。 4点を追う7回、先頭の嶋に迷いなく代打オコエをコールできたのも、有事に備えてきたからこそ。オコエは三振に倒れたが「何か刺激を与えたかった」という思いは、チームに伝染した。「本当にみんながよくやってくれた。勝ち以上の引き分けじゃないですか」と選手をたたえた。

◆オリックス・吉田正尚外野手(25)が7日、楽天戦(京セラ)で待望の今季初タイムリーを放った。4-0の四回2死一、三塁で中前へ適時打。今季39打席目で初打点を挙げた。  プロ4年目の今年は開幕から4番を任されるも打撃の状態が上がらず、6日の同戦(同)から3番で出場。試合前まで29打数4安打0本塁打0打点、打率・138と苦しんでいたが、ついに大砲のバットから得点が生まれた。

◆楽天は九回にベンチ入りの捕手を使い果たし、銀次内野手(31)がプロ入り14年目で初の捕手を務める緊急事態となった。  この日は嶋が捕手で先発。七回にオコエを代打として送り、その裏の守備から足立が捕手を務めた。3点を追いかける九回、足立に代わり藤田を代打に送り、この回に同点に追いついた一方で、登録している捕手を使い果たし、2009年まで捕手だった銀次を九回の守備から起用した。  銀次は九回、二死から西浦の二盗を阻止。十二回までの4イニングをこなし、引き分けに持ち込んだ。  銀次はプロ4年目の09年まで捕手だったが、1軍での出場機会はなく、10年に内野手へコンバートした。

◆オリックスの増井が5-2の九回に5安打を集められて3点を失い、追い付かれた。「会心の当たりで打たれたわけではないけれど(野手の)間に行った。精度が悪かった」と細かな制球ミスを悔やんだ。  6回1失点と好投した榊原のプロ初勝利も消してしまい「絶対に(抑えよう)と思っていたけど」と視線を落とした。ただ、西村監督は「増井で打たれたら、そこを責めるわけにはいかない」とかばった。

◆出場選手登録されていた捕手2人が途中交代で捕手不在となった九回に銀次内野手(31)が、急きょマスクをかぶる総力戦。  銀次が楽天に入団した2006年に2軍監督を務めていた松井優典氏(68)はオリックス戦をさいたま市の自宅でテレビ観戦。当時は捕手だった銀次について「送球や返球が悪く、投手に迷惑をかけていた。でも肩は強いし、捕ってからも速い。打撃は非凡な才能があったから、捕手として大成してほしかった」と振り返った。09年秋から、打撃を生かすため内野手に転向。この日の活躍に「野球の視野が広がっていると感じたよ」とうれしそうだった。

◆先発した高卒3年目の榊原は6回を3安打1失点。初勝利の権利を手にしたまま降板したが、九回に増井が打たれ、球団初となる育成出身投手の白星はお預けになった。「気にしないです。絶対、また助けてくれると思うので。いつもチームを救ってくれているので」と前を向いた。西村監督も「勝ちをつけさせたかった」と残念そうだった。

◆延長十二回を戦い抜くも、今季3度目の引き分け。勝ちゲームを、またも勝ちきれなかった。ロッテと並び5位と単独最下位は脱出したが、西村監督の表情は暗かった。  「勝てたゲームだけにもったいない...」  1-0の四回に1死一、三塁から若月のスクイズや吉田正の今季初適時打などで4得点を奪ったが、5-2の九回に増井が自身3年ぶりとなる1イニング3失点。同点とされた。将は「うちの勝ちパターン。増井で打たれたら、責めることはできない」とかばい、「あと1点でも取れていれば違った」と話した。  九回の攻撃から相手は内野手登録の銀次がマスクを被る事態となっていたが、攻略できず、西浦が二盗を試みるも、失敗...。「走者が出たらどんどん走らせようと思っていた。それで勝てなかったのは悔しさが残りますね」と唇をかんだ。 5-2の九回に登板するも、1回3失点で救援に失敗したオリックス・増井 「(榊原の初勝利を)きょうは絶対と思ったんですけど...。次はちゃんと助けられるように全力でやっていきたい」 九回2死一塁で二盗を狙うも、銀次に刺されたオリックス・西浦 「(曲げた足をタッチされ)足を伸ばしていれば良かった。決めたかったです。次が(吉田)正尚さんだったので」

◆これぞ、執念のドローだ! 楽天は7日、オリックス3回戦(京セラ)を、延長十二回の末に5-5で引き分けた。出場選手登録されていた捕手2人が途中交代で捕手不在となった九回に銀次内野手(31)が、急きょマスクをかぶる総力戦。プロ14年目、1軍では初経験の元捕手が3投手を見事にリードして、ピンチを寸断。4イニングを無失点に抑える奮闘ぶりで、貴重な引き分けを手にした。  ざわつく敵地のスタンドを黙らせ、チームの緊急事態を執念で救った。銀次が足立から借りた防具に「TAKERO 4」(岡島)と刺繍(ししゅう)が入ったミットをはめて、扇の要に座った。  「あんな"キンキン"の場面で、150キロぐらいの球を受けるんですから。とにかく集中して、絶対に後ろにはそらさないぞと自分に言い聞かせた」  同点の九回。球場に「捕手・銀次」がアナウンスされた。先発出場した正捕手の嶋が七回の打席で代打を送られた。2番手捕手の足立が守備に就いたが、今度は九回に代打。捕手登録の選手を使い果たし、1点でも失うと、サヨナラ負けの緊迫した場面でプロ14年目の内野手が1軍初マスクをかぶった。  マウンドは守護神の松井。先頭の後藤を追い込むと、23歳左腕が投じた136キロの鋭い外角スライダーを見事な捕球で見逃し三振。2死一塁では俊足の一走、西浦の二盗を必死の送球で刺した。その後も松井-ハーマン-森原をリードして、4回無失点。新主将の奮闘で、3連敗を免れた。  捕手として2006年に高校生ドラフト3位で入団。1軍で捕手の出場はない。09年9月24日のイースタン・リーグ、ヤクルト戦が最後のマスクで、同年秋のキャンプで内野手に転向した。  沖縄・久米島キャンプ中の2月12日に、今季から捕手登録の岡島が、左肩手術を受けた。銀次は有事の際に備えて、キャンプでブルペンに入り、石橋の球を受けていた。  平石監督は「できるのは銀次しかいない。本当によくやってくれた。よくいえば、勝ち以上の引き分け」と感謝しきり。九回の二盗阻止は、チームとして捕手の今季初補殺で、「担当(光山バッテリー)コーチが『初めてが銀次か...』と頭を抱えていましたよ」と笑いを誘った。5勝3敗1分けで2位をキープ。楽天には頼れる"第3の捕手"がいる。 (広岡浩二) 九回から銀次とのコンビで2回無失点の楽天・松井 「気を使わないようにした。ゼロに抑えることに集中していた。盗塁を刺してくれて助けられました」 9番手で登板し、銀次に最速152キロの直球を投げた楽天・森原 「銀次さんはものすごくうまかったです。普通に組めます。自分の投げたい球を投げられました」 ★主な急造捕手アラカルト  ◆池辺巌(阪神) 1977年4月30日の大洋戦(川崎)。5-2の七回に捕手・田淵の股間に、2番手の片岡も同回に右手中指にファウルが直撃。他の捕手は代打で退き、片岡は痛みを我慢していたが、八回途中に中堅手から捕手に入り、逃げ切りに成功。  ◆ディアズ(ロッテ) 90年7月28日のダイエー戦(平和台)。3-2の六回途中に一塁手から捕手に回り、九回まで無安打に抑えた。捕手経験があり米大リーグでは13試合、日本でも21試合。  ★金村義明(近鉄) 91年9月26日のダイエー戦(藤井寺)。八回に3番手の捕手・光山に代打が送られ、5-6の九回に三塁手から捕手に移ったが、1点を許し接戦を落とした。  ◆五十嵐章人(ロッテ) 95年5月7日のオリックス戦(千葉マリン)。八回に2番手の捕手・定詰が退場し、二塁手から捕手に。2000年には投手として登板し、プロ野球2人目の全ポジション出場達成。  ◆木村拓也(巨人) 09年9月4日のヤクルト戦(東京ドーム)。3-3で迎えた延長十一回、3人目の捕手・加藤が左側頭部に死球を受けて退場。すべての捕手が退き、延長十二回に広島時代の99年以来の捕手に。3投手をリードし無失点で引き分けに持ち込んだ。  ◆星秀和(西武) 12年5月10日の楽天戦(Kスタ宮城)。八回に捕手・星孝がクロスプレーの判定をめぐり退場。外野手登録ながら代わりに捕手として出場。プロ2年目に内野手、7年目に外野手へ転向。

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
621 0.750
(↑0.036)
-
(-)
134
(-1)
45
(+11)
29
(+1)
19
(+7)
5.000
(↑1)
0.000
(-)
2
(-)
楽天
531 0.625
(-)
1
(↓0.5)
134
(-1)
45
(+5)
27
(+5)
9
(-)
2.000
(-)
0.000
(-)
3
(-)
西武
540 0.556
(↑0.056)
1.5
(-)
134
(-1)
56
(+4)
37
(+2)
10
(+1)
10.000
(↑1)
0.000
(-)
4
(-)
日本ハム
351 0.375
(↓0.054)
3
(↓1)
134
(-1)
29
(+2)
47
(+4)
5
(-)
2.000
(-)
0.000
(-)
5
(1↑)
ORIX
243 0.333
(-)
3
(↓0.5)
134
(-1)
22
(+5)
34
(+5)
3
(+1)
12.000
(↑3
0.000
(-)
5
(-)
ロッテ
360 0.333
(↓0.042)
3.5
(↓1)
134
(-1)
40
(+1)
63
(+11)
18
(-)
7.000
(-)
0.000
(-)