広島(0対0)オリックス =オープン戦3回戦(2019.03.17)・マツダスタジアム=
このエントリーをはてなブックマークに追加

 123456789
ORIX
0000000000410
広島
0000000000300
勝利投手:-
敗戦投手:-
  DAZN
◆広島は先発・ジョンソンが6回無安打無失点。開幕へ向け、盤石のピッチングを披露した。一方のオリックスは、先発・榊原が7回1安打無失点の好投。開幕ローテーション入りへ、3年目右腕がアピールに成功した。

◆6回ノーヒッターだ。広島クリス・ジョンソン投手(34)が17日、オリックス戦に先発して6回を投げ、四球を1つ出しただけの無安打無得点に抑えた。 昨年の先発24試合はすべて石原とバッテリーを組んだが、会沢との今季2度目のコンビでまた無失点。前回12日の日本ハム戦は2回7安打6失点と炎上しており、修正力も見せつけた。大瀬良と並ぶもう1本の柱としてチームを引っ張っていく。ジョンソンは、つけ入る隙を見せなかった。初回、先頭の福田をカットボールで中飛に仕留め、西浦はカーブで一ゴロ。3番頓宮は148キロの真っすぐで左飛に打ち取った。多彩な球種を思ったところに投げ分け、オリックス打線を翻弄(ほんろう)。4回に四球を1つ出しただけで、6回までスイスイと無安打を続けた。「持ち球すべてをいい制球で投げられた」と静かに振り返った。 大きな収穫があった。2日の西武戦を4回無失点に抑えた会沢とのコンビで、またも無失点に抑えた。24試合に先発した昨年は、石原以外とバッテリーを組んでいない。信頼し合える理想的な関係だったが、新たなオプションが増えたことになる。「1回しかサインに首を振らなかった。投げたい球をしっかり考えてくれた。2人のキャッチャーが自分の持ち味を引き出してくれるのは心強い」。新しい女房役を手放しでたたえた。 復活のマウンドだった。前回12日の日本ハム戦で2回6失点と大炎上。何を試しても立て直せなかった。コンビを組んだ坂倉との相性を言い訳にせず、すべての原因を自分に求めた。「基本に立ち返って、ブルペンで投球フォームを見直した」。歩幅がわずかに広がり、ボールに正しく力を伝えられていないことに気づいた。ブルペンとキャッチボールで修正。中4日で迎えたこの日は、別人に変わっていた。 緒方監督は「前回から修正して、よかったんじゃない」と信頼を口にした。佐々岡投手コーチも「しっかり修正できて、ほぼほぼ完璧だった」と話した。リーグ4連覇、そして悲願の日本一のため、ジョンソンの左腕は欠かせない。大瀬良とともに、投手陣を引っ張っていく。【村野森】

◆広島は1軍の対外試合で初めて1番田中広輔内野手、2番菊池涼介内野手の「タナキク」の打順が変更された。 1番に入った西川龍馬内野手は1四球2犠打で、田中広は3番に回り3打数無安打だった。緒方監督は「最初から(打順変更を試すことは)決めていた」と、計画通りの選択肢であると説明。高ヘッドコーチは「今年は打順を固定するのは難しいかもしれない」と話した。昨年丸が務めた3番は、オープン戦では他に坂倉、西川が入っている。

◆オリックス榊原翼投手(20)の自身初の開幕ローテーション入りが17日、有力となった。広島とのオープン戦に先発。最速150キロの直球を軸にスライダーとフォークで広島打線を封じた。 5回までノーヒット投球。7回を1安打無失点でマウンドを下りた。「去年の秋からやってきたことが今日は発揮できた」。オフから磨いてきた直球で空振りをとるなど、7三振を奪い、首脳陣へのアピールに成功した。 メンタルの強さもある。6回に先頭安部にこの日初安打を許し、犠打と四球で1死一、二塁のピンチを招いた。しかし右腕は逃げなかった。好打者の田中広、鈴木を直球でフライに打ちとり、窮地を脱した。「田中さん、(鈴木)誠也さんを真っすぐで打ちとれたのは自信になります」と手応えをつかんだ。 プロ入りから著しい成長を遂げている。16年に浦和学院から育成ドラフト2位で入団。昨年の開幕直前に支配下登録を勝ち取った。昨季は5試合に登板し、勝ち星を挙げられなかったが、シーズン終盤には先発で起用され、今年の飛躍が期待されている。西村監督は「まだ決めていない」と開幕ローテ当確は見送ったが、「今日の投球を見ると近いところになっている」と高く評価。先発陣は山岡、東明、アルバース、山本、松葉が決定的で、残り1枠を小林らと争っている。昨オフに金子、西が抜けたが、育成からはい上がった右腕が若返りの象徴になる。【古財稜明】

◆広島ドラフト3位の林晃汰内野手(18=智弁和歌山)が、思わぬ形でデビューした。 新入団選手紹介参加のため1軍合流。ベンチ裏で見守っていたが、7回1死で代打に指名された。初球からフルスイングする持ち味を発揮し、最後は空振り三振に倒れた。1、2軍合同チーム対社会人の練習試合に出場したことはあるが「ぜんぜん雰囲気が違いました」と話した。ウエスタン・リーグでは16日ソフトバンク戦で1号を放っている。

◆14日のオリックス戦で右足に死球を受けた広島長野久義外野手は、2戦連続でオープン戦を欠場した。それでも試合前は外野の1カ所ノックに参加し、打撃練習も通常通り行うなど、軽傷である模様。 高ヘッドコーチは「全メニューができる」と話しており、19日からの関東遠征に同行する。

◆右肘の張りで離脱していたオリックス近藤大亮投手がオープン戦初登板で快投した。0-0で迎えた9回に3番手で登板。最速147キロの直球を軸に、小園、メヒア、松山を相手に3者凡退で締めた。 2月27日、韓国・斗山との練習試合以来の実戦復帰登板。「要所で力んでしまうところはありましたけど、自分の投球はできた。この時期に復帰できて投げられてよかった」とホッとした様子をみせた。

◆オリックス高卒5年目の佐野皓大外野手が「足」で自身初の開幕1軍を手中に収めた。8回1死から四球で出塁したT-岡田の代走で出場。続く小田の打席の初球にすかさず二塁を陥れた。 西村監督はオフに「スペシャリスト枠」を掲げており、最適の人材。指揮官は「まだまだやらなければいけないことはたくさんあるけど、そこに1番近い選手なのかな。急成長している。チームにとって必要ですね」と絶賛。佐野は「足で戦力になれるように、大事な場面で盗塁を決めていけたら」と意気込んだ。

◆広島が17日、オリックスとのオープン戦(マツダ)の試合前に新入団選手をお披露目した。  ドラフト1位・小園海斗内野手(18)=報徳学園高=がコールされるとスタンドから大声援が沸き起こった。紹介後はスタンドにサインボールを投げ入れるファンサービスを行った。  小園ら新人選手、巨人から移籍した長野久義外野手(34)、新助っ人のケイシー・ローレンス投手(31)=前マリナーズ=、カイル・レグナルト投手(30)=前メッツ傘下3A=らが紹介された。

◆広島のクリス・ジョンソン投手(34)が17日、オリックスとのオープン戦(マツダ)に中4日で先発し、6回までで5三振を奪うなど"ノーヒットノーラン"の快投をみせた。  インタビューでアナウンサーの「6回ノーヒットでナイスピッチングでした」の問いに日本語で「アリガトウ」と返答するほど上機嫌だった助っ人はその後は通訳を介して「すべての球種を投げてストライクをとることができて良かったよ。捕手のサインに首を振ることは1回しかなかったと思うし、すべて球を納得した形で投げることができていたよね」と胸を張った。  一回からいきなりの3イニング連続三者凡退で好スタートを切った。四回先頭・福田に四球、西浦の送りバントで一死二塁と走者を背負ったが、頓宮を146キロの直球で二ゴロ、吉田正もツーシームで二ゴロに打ち取って無失点に切り抜けた。  五、六回は三者凡退に抑えて6回を無安打無失点のまま降板した。前回12日の日本ハム戦(マツダ)では2回6失点と大炎上した助っ人だが、開幕まで2週間を切り、着実に状態を上げてきている。

◆広島のドラフト3位・林晃汰内野手(18)=智弁和歌山高=が17日、オリックスとのオープン戦(マツダ)で1軍デビューを飾ったが、空振り三振を喫した。  「人がすごく多かったです。緊張はなかったです。いつかはそこで(1軍で)打てるようになりたいです」  0-0の七回1死でバティスタの代打として登場した。榊原に4球で2ストライク2ボールと追い込まれてファウル、ボールと粘ったが、142キロの直球にバットは空を切った。  打席に入る前に「思い切って振ってこい」と助言を送った迎打撃コーチは「ストライクをどんどん振りにいっていた。難しい環境だったけど、しっかり振れていた」と評価をした。  林は名門・智弁和歌山高出身で高校通算49本塁打をマーク。高校時代は紀三井寺球場の場外までかっ飛ばすなど豪快なホームランが多いことから同郷の先輩で現在はDeNAに所属している「筒香二世」として注目を集めた。

◆オリックスの佐野が八回、代走で登場し、再三のけん制にもひるまずに二盗を決めた。開幕1軍が決定的になっている足のスペシャリストは「足で戦力になれれば。大事な場面で盗塁を決めていきたい」と意気込んだ。  大分高から投手として2015年にドラフト3位で入団したが、17年オフに戦力外通告を受けた。野手に転向して育成契約を結び、昨夏に支配下選手登録された。西村監督は「いいものを見せてくれている。チームに必要」と期待を寄せた。 近藤(右肘の不調から復帰。オープン戦初登板で1回無失点) 「落ち着いてピッチングができた。良かった」

◆G斬り準備はOK! 広島のクリス・ジョンソン投手(34)がオリックス戦(マツダ)に中4日で先発し、6回を無安打無失点、5奪三振と圧巻の投球を披露した。巨人との開幕カード(29-31日、マツダ)での先発が濃厚な左腕が、2回6失点と精彩を欠いた前回登板から、きっちりと修正してみせた。  名誉挽回の"ノーヒットノーラン"に、マツダスタジアムは大盛り上がりだ。ジョンソンが6回を投げて5三振を奪うなど無安打無失点。大きな拍手を浴びながら、一塁ベンチへ戻った。  「すべての球種でストライクを取ることができた。非常に良い感じで投げることができたよ」  一回から3イニング連続三者凡退で好スタートを切った。四回に先頭打者を歩かせ、犠打で1死二塁のピンチを招いたが、D2位・頓宮裕真内野手(亜大)を146キロ直球で、主砲の吉田正もツーシームで、ともに二ゴロに打ち取った。  6回をわずか78球。許した走者は四球のみで1安打も許さなかった。前回12日の日本ハム戦(マツダ)では20歳の坂倉とのバッテリーで2回7安打6失点と、まさかの大炎上。不安を残したが、この日は30歳の会沢とタッグを組み、見事に"変身"した。  緒方監督が「修正している」と言えば、ブルペンでの投球練習時に、右足の踏み出す幅を狭めるように助言をした佐々岡投手コーチも「しっかり(修正)できている」とうなずいた。  来日5年目。2016年に15勝を挙げて沢村賞に輝くなど、通算46勝をマークしている左腕は、助っ人陣の頼れるアニキでもある。最近は新加入の左腕・レグナルト(前メッツ傘下3A)と行動を共にすることが多いといい、日本式の生活などをアドバイス。もちろん日本野球についても惜しみなく伝えているが、この日はマウンドでしっかり実践してみせた。  インタビューでアナウンサーに「6回ノーヒット。ナイスピッチングでした」と声をかけられ、「アリガトウ」と日本語で返答した。登板が濃厚な29日からの巨人との開幕カードへ向け、もう不安はない。視界良好だ。 (柏村翔)

<オープン戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(1↑)
楽天
621 0.750
(↑0.036)
-
(↓0.5)
45
(+4)
29
(+2)
7
(-)
6
(+2)
0.259
(↓0.005)
2.670
(↑0.08)
1
(-)
広島
622 0.750
(-)
0
(-)
47
(-)
36
(-)
6
(-)
4
(-)
0.239
(↓0.011)
3.500
(↑0.39)
3
(-)
ソフトバンク
730 0.700
(↑0.033)
0
(↓0.5)
39
(+7)
34
(+5)
9
(+2)
6
(+2)
0.238
(↑0.014)
3.400
(↓0.18)
4
(1↓)
ORIX
632 0.667
(-)
0.5
(-)
47
(-)
36
(-)
8
(-)
15
(+1)
0.276
(↓0.011)
1.910
(↑0.19)
5
(-)
巨人
750 0.583
(-)
1
(-)
46
(-)
48
(-)
9
(-)
8
(-)
0.232
(-)
3.860
(-)
6
(-)
西武
451 0.444
(↓0.056)
2.5
(↓0.5)
45
(+3)
46
(+7)
5
(+1)
12
(+1)
0.243
(↓0.008)
3.180
(↓0.47)
7
(1↑)
日本ハム
342 0.429
(-)
2.5
(-)
41
(-)
32
(-)
12
(-)
7
(-)
0.279
(-)
3.580
(-)
8
(1↓)
ヤクルト
570 0.417
(↓0.038)
3
(↓0.5)
55
(+5)
56
(+7)
11
(+1)
15
(+3)
0.251
(↑0.003)
3.970
(-)
9
(1↓)
ロッテ
351 0.375
(↓0.054)
3
(↓0.5)
35
(+4)
37
(+7)
4
(-)
8
(+1)
0.229
(↓0.001)
3.940
(↓0.44)
10
(1↑)
DeNA
363 0.333
(↑0.083)
3.5
(↑0.5)
39
(+7)
54
(+4)
9
(+2)
4
(-)
0.232
(↑0.002)
4.190
(↑0.02)
10
(-)
中日
481 0.333
(↓0.031)
4
(↓0.5)
33
(+2)
46
(+4)
6
(-)
5
(+2)
0.204
(↑0.005)
3.490
(↓0.07)
12
(-)
阪神
371 0.300
(↑0.078)
4
(↑0.5)
29
(+7)
47
(+3)
5
(+1)
11
(+1)
0.223
(↑0.009)
4.020
(↑0.22)