ヤクルト(★3対8☆)楽天 =オープン戦1回戦(2019.02.24)・ANA BALLPARK浦添=
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楽天
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ヤクルト
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勝利投手:美馬 学(1勝0敗0S)
敗戦投手:スアレス(0勝1敗0S)

本塁打
【楽天】オコエ 瑠偉(1号・1回表ソロ),田中 和基(2号・1回表ソロ),辰己 涼介(1号・8回表2ラン)
【ヤクルト】バレンティン(1号・5回裏ソロ)

  DAZN
◆ヤクルトは新助っ人のスアレスがオープン戦初登板。2回5安打4失点と課題を残した。一方の楽天は、オコエ、田中、辰己が本塁打を記録。レギュラーの座を争う、若手外野手がそろって結果を残した。

◆BALLPARK浦添 ヤクルトが、楽天戦のスタメンを発表した。 先発は新外国人のスアレス。1球ごとにフォームを少しずつ変えるなど、打者のタイミングをずらす頭脳派の投球に注目だ。期待の2年目、村上は23日の阪神戦で守備の際に打球が当たり右ひざを痛めて交代していたが普段通り全体練習に入り、スタメンにも名を連ねた。

◆BALLPARK浦添 ヤクルトのウラディミール・バレンティン外野手(34)が推定130メートルの場外弾を放った。 0-6で迎えた5回、先頭でカウント2-1から楽天の2番手藤平の132キロ高め直球をフルスイング。打った瞬間に手応えがあった。打球はぐんぐん伸びて、左翼のネットを越えて場外へ。オープン戦初本塁打に「すごくいい気分だよ。完璧なスイングではなかったけど、打席にはいい感じで入れている」と話した。

◆BALLPARK浦添 ヤクルト石川雅規投手(39)が、巧みな投球術をみせつけた。楽天戦の2番手としてオープン戦初登板。2回を1失点に抑えた。 楽天ブラッシュと対した2打席に「らしさ」が詰まっていた。3回先頭では、内角高めの直球でファウルを誘い、0-2から外角低め120キロのシンカーで空振り三振を奪った。4回は2死一、二塁で対戦。初球の118キロシンカーは低めに外れたが、2球目も低めのシンカーを続けて空振り。3球目、思い切って内角を攻めた125キロカットボールが死球になった。帽子を脱いで謝った石川は「死球は出したくないのが本音。でも厳しいところを突いて抑えないと。いつも厳しく、と思っている」。言葉通り、2死満塁で銀次を果敢に攻め、内角のシュートで空振り三振に仕留めた。 ベース板をいっぱいに使うコーナーワーク。闘争心。しつこさ。三位一体で両立しているから勝てる。降板後、ブルペンで51球を投げた左腕は「ローテに入れるように、アピールして結果を残すしかない」と淡々と話した。【保坂恭子】

◆BALLPARK浦添 ヤクルトの主砲バレンティンが場外へオープン戦初本塁打を放った。 5回、先頭でカウント2-1から藤平の132キロ高め直球をフルスイング。ホームランボールを取ろうと追う左翼の楽天ファンも、上空を見上げて立ちつくすしかなかった。推定130メートルの場外弾に「すごくいい気分だよ。いいスイングができた」と胸を張った。2回の第1打席は美馬の直球をひっかけ三ゴロに倒れており「右手に力が入りすぎていたことを修正したことが、結果につながった。小さな修正が大切」と特大アーチの裏には小さな変化があった。

◆BALLPARK浦添 楽天が初回、1番オコエ瑠偉外野手(21)2番田中和基外野手(24)の2者連続本塁打で2点を先制した。 まずはオコエが、ヤクルト先発スアレスのスライダーを左翼席にたたき込むんだ。「少しバットの先でしたけど、しっかり振れました」と笑顔。続く田中は初球の直球を捉え、左中間に2試合連発となるソロ本塁打。「センターから逆方向を意識していました。しっかり逆方向に打てて良かったです」と納得の表情だった。 ▼楽天は1回に1番オコエ、2番田中が連続本塁打。オープン戦で初回先頭打者からの2者連続本塁打は15年3月15日に広島の鈴木誠→菊池が記録して以来で、00年以降は2度目。15年広島以前には95年3月18日にオリックスの田口→イチローがマーク。なお、楽天はオープン戦では初めてだが、公式戦では16年9月11日日本ハム戦で岡島→ペレスが記録している。

◆BALLPARK浦添 楽天美馬学投手(32)が、実戦初登板で2回を完全に抑えた。最速は141キロながら、低めへ丁寧に集める投球で、打者6人に対し外野フライ3、内野ゴロ2、三振1の内容。 「ストライク先行で、自分優位のカウントで、投げたい球を投げられたので良かった」と納得の表情だった。

◆BALLPARK浦添 楽天がヤクルトを8-3で下し、オープン戦2連勝を飾った。先発の美馬学投手(32)が2回を投げ被安打0、無失点と好投した。昨季わずか2勝に終わり、8月には右肘のクリーニング手術を受けた。17年には開幕投手を務めた右腕が、完全復活を目指し力強い1歩を踏み出した。 美馬が久々の実戦マウンドを堪能した。初回を打者3人、わずか8球で抑え込むと、2回も12球。打者3人で斬って取った。打者6人の"完全投球"を果たした右腕は、充実の表情を浮かべて言った。 美馬 すごく幸せ。まだオープン戦ですが、1軍のマウンドに「戻ってきたな」という気持ちです。 最速は141キロにとどまったが、常にストライクを先行させ、自分優位に組み立てた。1回1死ではヤクルト2番青木から空振り三振を奪い、3番山田哲を左飛に仕留めた。2回無死ではバレンティンを三ゴロ。ヤクルトの誇る強力上位打線を封じてみせた。 一昨年は開幕投手を務め11勝を挙げたが、昨季はわずか2勝に終わった。さらに、シーズン中の8月には右肘のクリーニング手術を行っている。不安を抱えて新年を迎えたが、経過は良好で、今キャンプでも打撃投手を務めながら、きっちりと調整してきた。登板前は「不安もあった」と言うが、終わってみればほぼ満点の内容。「とにかく打者との間合い。打者に対して"普通に"投げられたのはよかった」と胸をなで下ろした。 美馬の好投に平石監督も満足の表情で「内容がよかったね。テンポもいいし(スピード)ガンよりも球のキレがあった。開幕ローテに1歩、前進したんじゃないかな」と評価した。絶対的エース則本昂、実績十分の岸はすでに当確だが、他は横一線の状況。復活ロードを歩み始めた美馬が、開幕ローテをつかみに行く。【鈴木正章】

◆BALLPARK浦添 楽天ドラ1外野手抗争が勃発! 15年ドラフト1位オコエ瑠偉外野手(21)が、ヤクルトとのオープン戦(浦添)に「1番右翼」で先発。実戦3本目となる特大の先頭打者本塁打を放てば、途中出場の18年1位の辰己涼介外野手(22=立命大)は8回、左中間最深部に実戦2発目となる2点本塁打をたたき込んだ。外野の定位置争いでは島内と田中が当確。残り1枠を巡りしのぎを削る。 イーグルスが誇る左右のハードパンチャーが、強烈な殴り合いを展開した。口火を切ったのはオコエだ。1回。ヤクルト先発スアレスの134キロスライダーを捉え、左翼ポール際の芝生席にドシッと落とした。「今まで学んできたパワーを生かすスイングができている」と自画自賛の後も、5回1死二、三塁で犠飛を放ち、役目を果たした。 刺激を受けたのが1学年上、途中出場の辰己だ。8回無死一塁、ヤクルト4番手星の144キロ直球をアッパー。スタンドのどよめきを連れてグングン伸びた打球が、左中間最深部に飛び込んだ。「持ち味はセンターから左中間に強い打球が打てること。本塁打はうれしいです」と喜んだ。 早くも2度目のアベック本塁打だ。17日のロッテとの練習試合。「7番中堅」で先発した辰己が2回に左翼への2ランを放つと、途中出場のオコエも負けじと7回、左翼席に特大のソロを放り込んだ。「オコエに勝っている部分は?」と聞かれた辰己は「面白いところですかね」とジャブ。「僕が笑わせる自信があるというより、オコエがおもろないんです」と続けた。気の置けない関係の中で、激しい定位置争いを展開している。 イスは実質1つ。シンプル極まりない内部抗争が続く。オコエが「若手同士で争い、すごくいい環境でやらせてもらっている」と言えば、辰己は「オコエも先輩(島内、田中)もすごくいい。僕もレギュラーとして外野を引っ張れるように頑張りたい」。平石監督からすれば、これ以上ない構図であることは言うまでもない。「オコエは今までにない姿を見せてくれている。明らかに今までよりいいんじゃないか。辰己はレギュラー候補であることに間違いない。将来は1、2、3番を打って欲しいね」。つばぜり合いが続くほど、チームの地力は上がっていく。【鈴木正章】 ◆辰己涼介(たつみ・りょうすけ)1996年(平8)12月27日、神戸市生まれ。藤原台小では大淀ボーイズに所属し、有野中では神戸三田ドジャース。社(やしろ)高では投手として最速148キロを記録したことも。立命大では3度のベストナインを受賞し、リーグ通算で歴代1位の田口壮(123安打)に次ぐ122安打をマークした。大学日本代表には2年時から選出され、4年時には主将として18年7月のハーレムベースボールウイーク(オランダ)優勝に導き、MVPにも輝いた。180センチ、74キロ。右投げ左打ち。

◆BALLPARK浦添 昨季新人王の楽天田中和基外野手が2試合連続の本塁打を放った。 23日の巨人戦(対野上)と同じく初球を捉え、左中間深くまで運んだ。「日ごろ対戦のない投手から打てたのは収穫。浮かれることなくやりたい」と気を引き締めた。 直近は「2番中堅」の定位置をキープ。猛打賞の活躍で実力を示してみせた。

◆BALLPARK浦添 楽天は15年ドラフト1位オコエが実戦3本目となる特大の先頭打者本塁打を放てば、途中出場の18年1位の辰己は8回、左中間最深部に実戦2発目となる2点本塁打をたたき込んだ。外野の定位置争いでは島内と田中が当確。残り1枠を巡りしのぎを削る。平石洋介監督のコメント。 「オコエは今までにない姿を見せてくれている。明らかに今までよりいいんじゃないか。辰己はレギュラー候補であることに間違いない。将来は1、2、3番を打って欲しいね」