広島(☆4対1★)巨人 =クライマックスシリーズ2回戦(2018.10.18)・マツダスタジアム=
このエントリーをはてなブックマークに追加

 123456789
巨人
0000010001300
広島
00000004X4311
勝利投手:ジョンソン(1勝0敗0S)
(セーブ:中﨑 翔太(0勝0敗1S))
敗戦投手:畠 世周(0勝1敗0S)

本塁打
【広島】菊池 涼介(1号・8回裏3ラン)

  DAZN
◆広島が日本シリーズ進出に王手をかけた。広島は1点を追う8回裏、代打・新井の適時二塁打で同点とする。なおも2死一二塁の好機をつくると、菊池が3ランを放ち、勝ち越しに成功した。投げては、先発・ジョンソンが8回2安打1失点の快投。敗れた巨人は、2番手・畠が誤算だった。

◆3年連続リーグ優勝の広島がクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージの第2戦を制し連勝、アドバンテージの1勝を含め通算3勝0敗とし2年ぶりの日本シリーズ進出へ王手をかけた。 立ち上がりは両先発が好投した。広島先発のジョンソンは5回までノーヒット投球、巨人田口も二塁までの進塁を許さず1安打に抑えた。 試合が動いたのは6回。巨人は1死から坂本が中前打で出塁。この一打でジョンソンのノーヒット投球を阻止した。2死二塁でマギー適時二塁打で先制した。この日、初めて得点圏に進めたチャンスを逃さなかった。 巨人先発の田口は6回無失点でマウンドを降りた。許したヒットは初回の丸の1本のみ。今季は広島戦で3戦3敗、防御率6・60と苦しんだが、ポストシーズンできっちりと立て直した。7回から畠がマウンドに上がった。 広島は8回2死から代打松山が四球を選ぶと、代走上本が盗塁を決めて2死二塁にチャンスを拡大。ここで代打新井が適時二塁打を放ち、試合を振り出しに戻した。さらに2死一、二塁で菊池が左中間席に勝ち越し3ランを放った。最後は守護神・中崎が締めくくった。 広島の日本シリーズ進出に王手のかかる第3戦は広島九里、巨人今村が先発予定。

◆女子パラ走り幅跳び選手で、パラリンピックに3度出場している中西麻耶(33)が始球式に登場した。 ファンである広島田中のビジター用ユニホームを身にまとい、マウンドへ。力強く腕を振り、ワンバウンド投球を見せた。 11年から担当するカウンセリングコーチが広島出身で、黒田博樹氏も担当していた縁で始球式が実現。この日も黒田氏のグラブを着用した。初体験の始球式を終え「このような機会で始球式をやることができてうれしいです。ワンバウンドは悔しい。マウンドに上がるとイメージより感覚が違うなと思いました」と感想を語った。 17年世界選手権で銅メダル、今年のアジア大会で金メダルを獲得。20年東京パラ五輪を目標にする中西は「カープはファンの方と距離が近いですし、あれだけファンに愛される中で試合に勝てることはスポーツの醍醐味(だいごみ)だと思う。私も刺激をもらえるし、カープと一緒にいい成績を残したい」と話した。

◆広島新井貴浩内野手が同点打を放ち連勝に貢献し、チームも日本シリーズ進出に王手をかけた。 1点を追う8回2死二塁、巨人2番手の畠から左翼線へ適時二塁打を放ち、菊池の勝ち越し3ランを呼び込んだ。 決勝3ランを放った菊池とお立ち台に上がった新井は「本当にもう最高です。マッちゃん(松山)が四球でつないで、(松山の代走上本)崇司もよく走ってくれた。(同点適時打は)追い込まれていたけど、何とかしたい、その気持ちだけでした。今日もたくさんの声援をもらって気持ちマックスで入った。(二塁上で大喜びに)恥ずかしかったけど、うれしかったので。でも、その後のキク(菊池)のホームランじゃないでしょうか。(代走送られ)ベンチで見ていたけど打つだろうな、と思ってみていた。(日本シリーズへあと1勝?)余計なこと考えず、明日の試合も家族一丸となって頑張りたい」と声をはずませた。

◆広島クリス・ジョンソン投手が8回1失点の快投で逆転劇を導いた。 5回まで出した走者は四球と失策の2人だけ。6回に2安打で先制の1点を奪われたが、その後も崩れず、8回まで投げた。その裏、自身の代打に出た新井が同点二塁打。さらに菊池の3ランで勝ち越し、白星をつかんだ。 「田口投手もいい投球をしていて、タイトな展開だったけど、最後の最後にすごい試合になったね。今日は思うような投球ができた。早いカウントで打者に振らせることができたから終盤まで投げられたんだと思う」と会心の113球を振り返った。

◆広島菊池涼介内野手が値千金の勝ち越し本塁打を放った。 新井の同点打の後、さらに8回2死一、二塁の場面で巨人畠から左中間席に3ランをたたき込んだ。ベンチに戻ると同点打を放った新井と抱き合い、喜びを分かち合った。 「(新井の同点打で)がらっと一気に『いってやるぞ』という雰囲気になりました。お兄ちゃん(新井)も打ったんで弟(自分)も打たないといけないというプレッシャーの中で打席に入れました。最高です」と満面の笑みを浮かべた。 チームはこの1勝で2年ぶり日本シリーズ進出に王手をかけた。「一戦一戦、また明日勝てるように頑張りたいです」と気合を入れた。

◆巨人が痛恨の逆転負けを喫し、王手をかけられた。1点リードの7回から1安打無失点だった先発田口を変えて畠にスイッチ。 今季3度目のイニングまたぎとなった畠が、8回2死二塁から代打新井の同点適時打、なお一、二塁で菊池に勝ち越し3ランを浴びて4失点と炎上した。畠は「特にないです。抑えられなくて申し訳ない。それだけです」とだけ話した。 2連敗とアドバンテージの1敗を含め3敗目。王者広島に土俵際まで追い詰められた。主将の坂本勇は「1点じゃ、きついですね。明日やるだけなんで、頑張ります」。CSに入ってから14打数無安打の岡本は「どんな形であれ、チャンスで返せるように。アウトだったら意味がないんで。頑張ります」。高橋監督は「まだ終わったわけじゃない。とにかく明日勝つことだけだと思います」と話した。

◆巨人岡本和真内野手(22)が、CSに入って14打数無安打となった。 4回1死から広島ジョンソンのチェンジアップを右翼ポール際のスタンドへ飛ばしたが、惜しくもファウルに。最後は左飛に倒れ、その後の打席も快音を響かせられず、4打数無安打だった。13日のCSファーストステージ・ヤクルト戦からヒットが出ず苦しんでいる。 広島に王手とされ「どんな形であれ、チャンスで返せるように。アウトだったら意味がないんで。がんばります」と次戦に向けて気持ちを切り替えた。

◆前日17日の第1戦で左膝付近に自打球を受け、負傷交代していた巨人阿部慎之助内野手(39)が代打で出場した。 3点を追う9回1死一、二塁。1発が出れば同点の場面で広島の守護神中崎と対した。カウント2-1からの4球目、真ん中やや外寄りのスライダーをフルスイング。高々と打ち上げたが、打球はフェンス手前で失速。右翼手のグラブへ収まった。 自打球を受けた第1戦後の試合後には「大丈夫、また明日」と話したが、この日は9月22日ヤクルト戦以来、11試合ぶりにスタメンを外れていた。

◆巨人が逃げ切りに失敗した。1点リードの7回からセットアッパーの畠を投入。6回まで1安打無失点と好投した田口をスパッと替えた。 7回、1イニング目は丸、鈴木、メヒアと3者凡退に抑えたが、回またぎとなった8回2死から四球を与え、走者上本が二盗。直後、代打新井に同点適時打を浴びた。続く田中に四球で、2死一、二塁とすると、菊池に勝ち越しの3ランを浴びた。リードを守れずに痛恨の敗戦。ファイナルステージは0勝3敗となり、王手をかけられた。 高橋由伸監督(43)は「勝っている展開の終盤はこの2人(畠、山口俊)に託すというのは僕自身が決めていたので。1イニング目はきっちり、いいピッチングをしていたので、最後まで行ってほしかったけど、そこまで引っ張ったのは僕ですから」と自らの責任だと振り返った。

◆巨人田口麗斗投手(23)の好投も報われなかった。 初回から制球よく変化球を投げ込み、二塁すら踏ませない。最速147キロと直球のキレも良く、6回までわずか1安打無失点。勝利投手の権利を持って、マウンドを降りた。 しかし、2番手畠が打たれ、5月5日のDeNA戦(横浜スタジアム)以来の白星とはならなかった。 「球自体も今日は良かったし、投球フォームにいろんな変化をつけて、初球にいい当たりをされたけれど、正面でアウトを取れた。大事な試合で思ったところに投げられた。これからの糧になる」と振り返った。

◆セ・リーグ王者の広島が逆転勝ちで巨人に連勝した。 リーグ制覇のアドバンテージ1勝を含めて3勝0敗とし、2年ぶり日本シリーズ進出に王手をかけた。打線は7回まで1安打と苦戦していたが、8回に代打新井が同点打。菊池の決勝3ランで突き放した。先発ジョンソンは8回1失点の好投で勝利投手となった。緒方孝市監督(49)の談話は以下の通り。 -8回に逆転 緒方監督 シーズン中も何回か感じたけど、厳しい状況からひっくり返して勝ちきるチームの底力をこういう大舞台で出してくれた。打った新井もすごいし、走った上本もすごいし、キク(菊池)もまさかあそこでホームランを打つとは思わなかった。すごい集中力を見せてくれる。(続けて)ジョンソンも粘り強くね。石原もいいリードをしてくれたから。 -新井が球場の雰囲気を変えた 緒方監督 打ったのは新井の力だけど、ファンの声援が乗り移った感じだった。本当に難しいボールだと思うけど、よく打ったね。 -3者連続代打を送った 緒方監督 それまでの(打席)内容がね。畠なら右の方がいいんだけど、小窪にしてもちょっと内容が...。守備は良かったけどね。1人ランナーが出れば、ちょっと空気が変わるかなと思った。 -突破に王手 緒方監督 明日全力でいかないと、1つの勝ち負けでまた流れが変わる。明日また自分たちの野球をやるということ。

◆セ・リーグ王者の広島が、8回に一挙4点を奪う逆転勝ちで巨人に連勝。優勝のアドバンテージ1勝を含めて3勝0敗とし、クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ突破に王手をかけた。 雰囲気を一変させたのは新井貴浩内野手(41)。2死二塁から代打で同点適時二塁打を放ち、菊池涼介内野手(28)の決勝3ランにつなげた。 ▼8回に代打新井が同点適時打。新井は阪神(08、10、13、14年)と広島(16~18年)の2球団でCSに出場しているが、球団別の成績を出すと、阪神時代は30打数6安打、0本塁打、1打点の打率2割に対し、広島復帰後は26打数9安打、1本塁打、5打点の打率3割4分6厘。広島では出場した9試合のうち7試合で安打を放ち、打点も5試合で記録している。

◆広島がアドバンテージ1勝を含め3勝0敗とし、日本シリーズ出場へ王手をかけた。 シリーズ出場をかけたプレーオフ、CSで無傷の王手は16年広島以来16チーム目。過去15チームはすべてシリーズ出場を果たしている。広島の安打は1回の丸と8回の新井、菊池の3本だけ。プレーオフ、CSで3安打勝利は11年ファイナルステージ第5戦中日2-1、17年ファイナルステージ第1戦広島3-0(5回降雨コールド)に並び3度目の最少安打勝利。過去2チームは先制逃げ切りで、3安打で逆転勝ちは初めて。

◆巨人は後がなくなった。1点リードの8回。2イニング目のセットアッパー畠が2死から四球を出してしまう。追い込むも代走上本に盗塁を決められ、代打新井に低めフォークを拾われて同点の適時二塁打。赤く染まった敵地にのみ込まれた。四球後、菊池に決勝3ランを浴びて、連敗が決まった。アドバンテージを含め、0勝3敗。CSでここから逆転したチームは存在しない。2年目右腕は「抑えられなくて申し訳ない」と言葉を振り絞った。 6回無失点の田口に代え、勝利の方程式を投入した。約半年間、未勝利の左腕ではなくベンチが責任を負って継投に出た。CSファーストステージ初戦では7回が畠、8、9回が山口俊。この日、8回は打線が下位に向かうこともあり畠続投も、裏目となった。高橋監督は「勝っている展開の終盤は2人に託すというのは僕自身が決めていた。(畠は)最後までいってほしかったが、引っ張ったのは僕」と責任を明確にした。 風も吹かない。9回、代打阿部の同点3ランと思われた大飛球は無風で約2メートル届かず。次打者で追い風が吹くなど運もない。指揮官は「まだ終わったわけじゃない。とにかく明日勝つこと」と"ジャイアンツ・キリング"へ執念をたぎらせた。【広重竜太郎】

◆実力者の真骨頂だ。広島菊池涼介内野手(28)が、同点に追い付いた8回2死一、二塁で左中間スタンドへ決勝3ランを放った。「お兄ちゃん」と慕う新井が代打適時打で停滞ムードを打ち破り、興奮冷めやらぬまま弟分が試合を決める1発を見舞った。今季は打撃不振に陥るも調整期間で復調の兆しをつかみ、抜群の勝負強さを発揮した。 兄のお膳立てに応えた。新井を「お兄ちゃん」と慕う菊池が、巨人畠の低めカットボールを強振した。8回2死一、二塁。直前に代打新井が同点打を放ち球場のムードが一変していた。左中間に上がった打球がスタンドインすると、珍しく右手でガッツポーズ。真っ赤なスタンドは総立ちとなり、チームメートも一塁側ベンチから飛び出して待った。最後はお兄ちゃんから熱い抱擁。弟は顔をくちゃくちゃにして喜んだ。 2人で仲良くお立ち台に上がった。菊池は「(新井は)お兄ちゃんにしか見えないです。ガラッと、一気に『いってやるぞ』という雰囲気になりました。お兄ちゃんが打ったので、弟も打たないといけないプレッシャーがあった」。表情は終始にこやかだった。 「お兄ちゃん」は努力家だが、弟も隠れた努力家でもある。ただ、人前で努力する姿を見せるのを嫌う。打撃不振に陥った今季も、人知れずもがいていた。シーズン途中「打てていないので何とかしないとね」とウエートトレーニング機器を自宅に購入。瞬発力や柔軟性を大事にするタイプながら、停滞感を打ち破ろうと必死だった。この日も若手が早出特打を行う中、ベンチ裏のスイングルームでティー打撃。打球音だけが響いた。 全日程終了からファイナルステージ初戦までの9日間では「お兄ちゃん」からアドバイスも受け「しっかり練習できた。自分を見つめ直して、自信が少し戻ってきたかな」。人目に見せない努力が実を結んだ。劇勝でCS突破に王手。「新井さんと長くやりたいのは僕だけでなく、みんな思っていること。そういった部分もプラスになっているんじゃないかな。また明日仕切り直して、ストレートで勝てるように頑張りたいと思います」。日本一まで「お兄ちゃん」とともに戦う。【前原淳】

◆新井さんで王手! セ・リーグ王者の広島が、8回に一挙4点を奪う逆転勝ちで巨人に連勝。優勝のアドバンテージ1勝を含めて3勝0敗とし、クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ突破に王手をかけた。雰囲気を一変させたのは新井貴浩内野手(41)。2死二塁から代打で同点適時二塁打を放ち、菊池涼介内野手(28)の決勝3ランにつなげた。今季限りで現役引退する大ベテランを旗頭に、2年ぶり日本シリーズへと歩を進める。 二塁上で、子どものようにはしゃぐ41歳がいた。新井は両手を突き上げ、何度もガッツポーズ。「自然と出た。冷静になると、ちょっと恥ずかしい。爆発しちゃったんで。しょうがない」と照れくさそうに振り返った。百戦錬磨の大ベテランが、我を忘れるほどの貴重な一打だった。 7回までチーム1安打。8回、2イニング目の畠からようやく反撃した。2死一塁で代走の上本が果敢に二盗。その直後、新井は内角低めのフォークをすくった。打球は左翼線ではずむ。同点だ。「スコアリングポジションにいったので、そこでまたグッと気持ちを高めた」。歓声が鳴りやまない。代走を送られ、ベンチで菊池の3ランにまた大興奮。思わず前のめりに菊池を抱きしめた。 シーズン82勝のうち41勝もあった逆転劇を、CSファイナルでも発揮。新井はリーグ3連覇の直前、驚きの声を上げていた。「全力でがむしゃらにやるのも大事なんだけど、ここという時に、みんながここだと思ってるから、力が集約されてガッと向かっていける」。まさにそんな一体感を具現化した試合だった。 リーグMVP受賞の2年前に比べて出番は減っているが、いたるところで後輩に助言を送ってきた。その一方で危機感を募らせる。「人に言うだけじゃなくて、自分が姿勢や行動で見せないといけない」。注目の舞台で手本を示すような一打。「ちょっとは力になれたのかな」と振り返った。 今季限りでユニホームを脱ぐ選手とは思えない。緒方監督も「難しい球だけどよく打ったね。チームの底力をこういう大舞台で出してくれた」と感嘆した。連勝で日本シリーズが目前。新井は菊池と並んだお立ち台で言った。「余計なことを考えず、とにかく明日の試合に"家族"一丸で頑張りたい」。広島ファミリーの長男が、先頭に立って34年ぶり日本一まで突き進む。【大池和幸】

◆巨人田口が6回1安打無失点と好投したが、勝利につながらなかった。 最速147キロの直球を軸に変化球で緩急をつけ、二塁も踏ませなかった。5月5日DeNA戦以来となる勝ち投手の権利を持って降板。67球と少ない球数だっただけに「『もう1回いかせてください』と言える投手にならないといけない」とレベルアップを誓った。

◆巨人のケーシー・マギー内野手(36)が18日、マツダスタジアムで行われた、広島とのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ第2戦に「3番・三塁」で先発出場。両軍無得点の六回二死二塁から、右中間へ先制の適時二塁打を放った。  主将が流れを作った。この回一死、坂本勇が相手先発・ジョンソンからチーム初安打となる中前打。続くD5位・田中俊(日立製作所)は遊ゴロに倒れ、一走・坂本勇が二塁で封殺された。だが、その後、一走・田中俊がジョンソンの牽制(けんせい)に引っかかり飛び出すも、二塁でセーフとなり記録は盗塁。そして、頼れる助っ人が均衡を破る一打を放った。  ジョンソンの148キロの直球を捉え、右中間を切り裂いた。CSはこれで3試合連続で打点を記録。史上最大の下克上へ、Gナインは諦めない姿勢を見せ続けている。

◆巨人・田口麗斗投手(23)が18日、マツダスタジアムで行われた、広島とのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ第2戦に先発。6回67球を投げ1安打無失点と好投し、チームに流れを呼び込んだ。  「リーグ優勝して、地元(開催)という相手とやる。でも、いまのジャイアンツも間違いなく強いと思いますし、勢いもあると思う。自分もその輪に入って、自分の力がだせるようにしたい」  前日、意気込みを口にしていた田口。この日は、高い制球力で広島打線を完全に封じた。一回二死から丸に右前打を浴びるも、鈴木を三直に抑え無失点。その後も順調にアウトを重ね、七回からマウンドを畠に譲った。  今季は開幕ローテーション入りするも、レギュラーシーズンでは16試合で2勝8敗、防御率4・80。シーズン途中に2軍に降格するなど悔しさを味わった。それだけに「この日を待っていました」と1軍合流の喜びをかみしめていた田口。最高の結果を出した。

◆巨人・田口麗斗投手(23)が18日、マツダスタジアムで行われた、広島とのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ第2戦に先発。6回67球を投げ1安打無失点と快投を披露した。  「初回から行けるところまで全力で、という気持ちを持って、ただその中で丁寧に投げられました。とりあえず点を取られずに、次のピッチャーにつなぐことができてよかったです」  チームに流れを呼び込み、バトンをつないだ。序盤から切れのある直球とスライダー、カーブを両サイドに制球。2巡目以降はチェンジアップも織り交ぜ、広島打線のタイミングをことごとく外した。

◆セ・リーグを3連覇した広島が、レギュラーシーズン3位から勝ち上がった巨人を4-1で下し、2連勝。リーグ優勝チームに与えられる1勝のアドバンテージを含めて対戦成績を3勝0敗とし、2年ぶりの日本シリーズ進出へ、王手をかけた。0-1と1点を追う八回、二死二塁から代打・新井が左翼線に同点二塁打を放つと、その後、二死一、二塁から2番・菊池が左中間に勝ち越し3ランを放った。先発のジョンソンは8回2安打1失点、113球の熱投で白星を手にした。敗れた巨人は2番手・畠が誤算で崖っぷちに追い込まれた。  勝てば2年ぶりの日本シリーズ進出に王手をかける広島は、メヒアが「5番・一塁」、小窪が「7番・三塁」に入った。対する巨人は今季16試合で2勝8敗の田口が先発。ゲレーロが「6番・左翼」に入った。前日17日の第1戦で左膝付近に自打球を当て、途中交代した阿部はベンチスタートとなった。  一回、巨人は3者凡退。広島は二死から3番・丸が右前打を放って出塁したが、続く鈴木が三直に倒れた。  二回、巨人は一死から5番・長野が四球で出塁し、二盗を決めた。その後、二死一、三塁と好機を広げたが、8番・小林が捕飛に倒れた。広島は3者凡退。  三回は両軍ともに3者凡退。  四回、巨人は3者凡退。広島は一死から丸が四球を選び出塁したが、後続が倒れた。  五回、両軍が攻撃前に円陣を組んだが、ともに3者凡退。  六回、巨人が均衡を破った。一死から1番・坂本勇が中前にチーム初安打。その後、二死二塁と好機を作ると、3番・マギーが右中間に先制の適時二塁打を放った。広島は3者凡退。  七回、巨人は3者凡退。その裏、巨人は2番手・畠がマウンドへ上がり、広島打線を3人で抑えた。  八回、巨人は二死から坂本勇が四球で出塁したが、続く田中俊が遊ゴロに倒れた。広島は二死から代打・松山が四球で出塁。代走・上本が二盗を決めると、代打・新井が左翼線に同点二塁打を放った。続く田中は四球を選び二死一、二塁とすると、2番・菊池が左中間に勝ち越しとなる1号3点本塁打を放ち、4-1とした。  九回、広島は守護神・中崎がマウンドに上がったが、先頭のマギーに右越え二塁打を浴びるなどして一死一、二塁のピンチを迎えた。しかし、中崎は代打・阿部を右飛、続く亀井を二ゴロに打ち取った。

◆セ・リーグを3連覇した広島が、レギュラーシーズン3位から勝ち上がった巨人を4-1で下し、2連勝。リーグ優勝チームに与えられる1勝のアドバンテージを含めて対戦成績を3勝0敗とし、2年ぶりの日本シリーズ進出へ、王手をかけた。0-1と1点を追う八回、二死二塁から代打の新井貴浩内野手(41)が左翼線に同点二塁打を放つと、その後、二死一、二塁から2番・菊池が左中間に勝ち越し3ランを放った。  勝ち越しにつながる同点打を放った新井は、ヒーローインタビューで充実感を漂わせた。  ――同点打  「最高です。ありがとうございます」  ――逆転勝利  「(二死走者なしから)松ちゃん(松山)も四球でつないでくれて、(二盗を決めた代走の上本)崇司もよく走ってくれたので、追い込まれてましたけど、なんとかしたいという、その気持ちだけでした」  ――どんな思いで打席に  「今日もたくさんの声援を頂いたので、気持ちがMAXで入りました」  ――二塁上で感情爆発  「ちょっと恥ずかしかったですけど、すごくうれしかったので」  ――球場の雰囲気が一変  「やっぱりその後のキク(菊池)のホームランじゃないですかね」  ――菊池が決勝弾  「ベンチで見てたんですけど、『打つだろうな』と思って見てました」  ――日本シリーズへ王手  「(同じくヒーローインタビューを受けた菊池が新井を『お兄ちゃん』と表現したことから)余計なことは考えずにとにかく明日の試合、家族一丸で頑張りたいと思います」

◆プロ野球のクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ(6試合制)は18日、セ、パ両リーグともに第2戦が行われ、マツダスタジアムでのセはリーグ3連覇の広島がレギュラーシーズン3位から勝ち上がった巨人に4-1で逆転勝ちして2連勝した。広島はリーグ優勝による1勝のアドバンテージを含めて3勝として、19日の第3戦に勝つか引き分けると2年ぶりの日本シリーズ進出が決まる。  19日の第3戦の先発は、セは広島が九里、巨人が今村と発表された。  アドバンテージを含めて先に4勝したチームが日本シリーズに進む。 巨人・高橋監督 「(畠は)最後まできっちりいってほしかったが、引っ張ったのは僕ですから。まだ終わったわけじゃない。とにかく明日勝つだけだと思う」

◆広島のジョンソンが8回を2安打1失点と好投した。150キロを超える直球を武器に、六回一死まで無安打投球。マギーの二塁打による1点にとどめ「思い通りの投球ができた。制球よく、早いカウントから振らせることができたので、終盤まで投げられた」と胸を張った。  久々の実戦も問題にせず、113球の熱投で逆転劇を呼び込んだ。「最後の最後にすごい試合だった」と目を丸くした。 上本(八回に代走で二盗を決め) 「スタートは普通。絶対走れというサインだった。フォークボールだったので運がよかった」

◆プロ野球のクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ(6試合制)は18日、セ、パ両リーグともに第2戦が行われ、マツダスタジアムでのセはリーグ3連覇の広島がレギュラーシーズン3位から勝ち上がった巨人に4-1で逆転勝ちして2連勝した。広島はリーグ優勝による1勝のアドバンテージを含めて3勝として、19日の第3戦に勝つか引き分けると2年ぶりの日本シリーズ進出が決まる。  19日の第3戦の先発は、セは広島が九里、巨人が今村と発表された。  アドバンテージを含めて先に4勝したチームが日本シリーズに進む。 広島・緒方監督 「厳しい状態からひっくり返して、チームの底力を大舞台でも出してくれた。すごい集中力。(同点打は)新井の力だけど、球場の雰囲気が乗り移ったような一打だった」

◆第1戦で自打球による負傷のため途中交代した巨人の阿部が九回に代打で出場した。一発出れば同点の場面で右翼へ大きな当たりを打ち上げたが、「こすった」という打球はスタンドまでわずかに届かず右飛に終わった。  八回に代打で同点二塁打を放った広島の新井とは明暗が分かれた。2連敗で崖っぷちに追い込まれ、言葉少なに球場を後にした。

◆4番・岡本に快音が響かない。第2打席で右翼ポール際に本塁打性の大ファウルを放つなど復調の兆しも見せたが、2度の好機で凡退するなど4打数無安打。ファーストステージから4試合で16打席で無安打(1犠飛、1四球を含む)だ。「アウトになったら意味がない。どんな形でもチャンスでは(走者を)かえせるようにしたい」と言葉少なだった。

◆先発のジョンソンは8回2安打1失点と好投。六回一死から坂本勇に初安打を浴び、二死二塁からマギーの適時二塁打で先制を許すも後続を打ち取り、最少失点でしのいだ。逆転勝利を呼び込んだ助っ人左腕は「タイトなゲームだったけど最後、勝ててよかった。早いカウントで打者に振らせることができて終盤まで投げることができた」と納得の表情だった。

◆先発の田口は6回1安打無失点と好投。序盤から切れのある直球、スライダーを駆使して強打の広島打線を封じた。レギュラーシーズンは16試合で2勝8敗だっただけに「自分の持っている力をたくさん出せた」と投球には納得も、2番手の畠が崩れて逆転負け。「押し切ってでも(もう1イニング)いかせてください、と言える投手になれれば」とさらなる成長を誓った。

◆巨人は、広島に1-4で逆転負けし、2連敗で日本シリーズ進出に向けて崖っぷちに追い込まれた。  3点ビハインドの九回一死一、二塁。前夜(17日)の第1戦で左膝付近に自打球を当て交代した阿部が代打で登場。右翼フェンス手前の大飛球を放ったが、同点アーチとはならなかった。チームは計3安打に終わり、高橋監督は「少ないチャンスでマギーが(六回に)1本打ってくれたけど、きのうもきょうも1点では、なかなか厳しい」と険しい表情を浮かべた。  投手陣は1点リードの八回、リーグ王者の壁にはね返された。6回1安打無失点で投球数がまだ67球だった田口に代わり、七回から2年目右腕・畠がマウンドに上がった。しかし、この回こそ3番・丸からの中軸を3者凡退に封じたが、2イニング目の八回に4点を失った。  高橋監督は、この早めの継投策について「リードしている展開は2人(畠、山口俊)でと考えていた」と説明。守護神にバトンをつなげなかった畠は「抑えられなかったのは申し訳ない。それだけです」とうなだれた。  だが、今季限りで辞任する高橋監督は「まだ終わったわけじゃない」と前を向き、村田ヘッド兼バッテリーコーチも「1個勝ったら流れも変わる。あす、頑張るよ」と気合を入れ直した。19日は今村、20日はファーストステージで無安打無得点試合を達成した菅野が中5日で登板する見込み。もう後がない状況から、巨人が最後の意地を見せる。 (吉村大佑)

◆セ・リーグ3連覇の広島がレギュラーシーズン3位から勝ち上がった巨人に4-1で逆転勝ちして2連勝。0-1の八回、代打・新井貴浩内野手(41)の適時二塁打で追い付き、菊池涼介内野手(28)の3ランで勝ち越した。広島はリーグ優勝による1勝のアドバンテージを含めて3勝として、19日の第3戦に勝つか引き分けると2年ぶりの日本シリーズ進出が決まる。  鮮やかな逆転勝利で2年ぶりの日本シリーズ進出へ王手をかけた。窮地のチームを救ったのは、先月5日に今季限りでの現役引退を表明した新井だ。広島生まれのスラッガーが大声援に応える同点二塁打を放ち、お立ち台で気持ちを高ぶらせた。  「たくさんの声援が聞こえてきたので"気持ちMAX"で打席に入りました。気持ちだけで打ちました。ホント、最高です」  0-1の八回二死一塁、代打で打席へ入った。代走・上本が二盗を決めた後、畠が投じた6球目の低めのフォークに食らいつき、バランスを崩しながら最後は左手で左翼線へ。二塁に到達すると盛り上がるカープベンチに向かって両手を上げて大はしゃぎ。試合後は「冷静になると恥ずかしい。ハッハッハ...」と豪快に笑った。  41歳のチーム最年長の適時二塁打後、田中が四球でつなぎ、新井を「お兄ちゃん」と慕う菊池がCS1号3ラン。「お兄ちゃんが打ったので弟も打たないといけないという気持ちでした」と充実の汗を拭った。  頼れるベテランはグラウンド外でもチームを救う。7日のDeNAとのレギュラーシーズン最終戦(マツダ)の練習中、選手らが「栄光の新井Tシャツ」(赤、黒2枚組、税込5000円)を着用。当日、本拠地正面のグッズショップで1000組限定発売して即完売。球団に問い合わせが殺到していた。  球団は「新井を"イジった"内容なので配慮して再販しない」との方針だったが、新井自身が球団に「僕のことはいいですよ」と直訴。12日から再販し、現在人気を博している。2015年に古巣復帰後、すべてをささげる新井はヒーローインタビュー後、お立ち台で弟分の菊池と熱い抱擁して球場をさらに沸かせた。  「"家族"と一丸で頑張ります」  優勝チームの1勝のアドバンテージを含み3勝0敗。新井さんを中心にまとまった"大家族"が、一気に日本シリーズ進出を決める。 (柏村翔) 八回に代走で二盗を決め、同点のホームを踏んだ広島・上本 「走れのサインだったのでいきました。フォークだったので運がよかったですね」

◆田口が期待以上の好投をしたとか、その田口を高橋監督がスパッと代えたとか、結局は畠-小林のバッテリーが変化球で逃げ回った末に4点取られたとか...。いろいろと指摘したがる向きもあるだろう。  エモトにいわせれば、それ以前の問題よ。しょせん、この程度のチーム力しかなかったわけだ。巨人には。  ファーストステージを連勝でクリアして、しかも菅野のノーヒットノーランまで生まれた。下位チームの特権、「勢い」を手にしたかと思ったのに、広島に来ると、2戦で1点ずつ。味方のミスでイライラしているジョンソンも攻められない。勢いもパワーも、食ってやろうという意気込みも、まるで伝わってこない。むしろ、ここまできたら十分...という空気すら、感じるくらいだ。  振り返ってみれば、レギュラーシーズンでも、そうだった。波に乗れそうな勝ち方をしたな...という翌日には、元のもくあみ。波をつかまえきれず、波に乗り損ねて、借金を抱えたまま終わった。1年間の集大成がこの2戦、というだけだ。  あとはもう、菅野に頼るしかない。さて、第3戦の先発は? むむむ............。 (サンケイスポーツ専属評論家)