広島(☆1対0★)阪神 =リーグ戦24回戦・マツダスタジアム=
このエントリーをはてなブックマークに追加

 123456789
阪神
0000000000700
広島
00000100X1401
勝利投手:ジョンソン(11勝5敗0S)
(セーブ:中﨑 翔太(4勝1敗32S))
敗戦投手:岩田※(0勝4敗0S)

本塁打
【広島】丸 佳浩(39号・6回裏ソロ)

  DAZN
◆広島が完封リレーを飾った。広島は両軍無得点のまま迎えた6回裏、2死から丸がソロを放ち先制に成功する。投げては、先発・ジョンソンが7回無失点。その後はヘルウェグ、中崎の継投で逃げ切った。敗れた阪神は、先発・岩田が好投を見せるも打線がつながりを欠いた。

◆広島丸佳浩外野手が本塁打争いで単独トップに立つ39号ソロを放った。0-0の6回2死からバックスクリーン左に放り込んだ。 広島打線は阪神岩田に苦しめられ、無安打投球を許していた。チーム初の安打が先制の本塁打になった。丸は「展開が重かった。(岩田に)直球系、変化球系を投げ分けられて、自分もだけど、打線全体が自分たちのスイングをできていなかったので、強いスイングを心がけた」と納得の一打だった。 チームでは05年の新井貴浩(43本)以来の40本に王手をかけた。 本塁打争いは前日1日にDeNAソトが38本を放ち、DeNA筒香と丸の3人が38本で並んでいた。この日はDeNAの2人が不発に終わった。

◆阪神岩田稔投手は7回3安打1失点の力投も、今季4敗目を喫した。立ち上がりの1回は四球と振り逃げで1死一、三塁のピンチを背負うも、鈴木を三直、バティスタを三ゴロに打ち取って無失点。その後は立ち直り、6回2死まで安打を許さない力投だった。 しかし6回2死から広島丸にバックスクリーン左にこの試合初被安打となる1発を打たれ、これが決勝点に。122球の力投も報われず「いい勝負は出来たと思うけど、勝たないといけなかった」とくちびるをかんだ。今季5試合目の登板でも初白星には恵まれなかった。

◆阪神鳥谷敬内野手が球団最多安打に並んだ。 1点を追う8回に先頭で代打登場し、たたきつけて遊撃内野安打をゲット。これで通算2064安打となり、藤田平氏の持つ球団最多安打記録に並んだ。ただ、チームは完封負けを喫し、「そこ(球団記録)を目指していたわけではないし、打てるとも思っていなかった。良かったです」と淡々と振り返った。

◆広島クリス・ジョンソン投手がお立ち台で日本一を約束した。 7回無失点で11勝目。6安打されながら粘り強く投げた。これがクライマックス・シリーズ(CS)前の最後の登板になる。この4試合は白星がなく自身3連敗中だったが、最後に復調をアピールした。 「走者を背負ってから自分の球を信じて投げ切れた。シーズンの最後にこのような投球ができて、自信になる。この2年、日本一を皆さんに届けられなかったので、今年は必ず届けたい」と高らかに宣言した。

◆阪神ドラフト4位の島田海吏外野手(22)が「8番中堅」でプロ初先発した。 初めてスタメンに名前を刻み「昨日(1日DeNA戦)試合に出させてもらって、緊張はあまりなかった」と9イニングを振り返った。 打撃では3打席凡退に終わり、プロ初ヒットは持ち越しとなり「ルーキーとか関係なく、結果が全てなので...」と反省。 7回2死二塁の好機では初球を打って一ゴロに倒れた。「チャンスで冷静になれなかった。もう少し、積極的かつ冷静にやっていかないといけない」と落ち着いた口調で話して、チームバスに乗り込んだ。

◆広島が接戦を制した。 今季最後の登板となる先発ジョンソンが7回無失点で11勝目。打線は岩田に苦戦したが、6回2死から丸がチーム初安打となる39号先制ソロ。これが決勝点となった。緒方孝市監督(49)の談話は以下の通り。 -ジョンソンが好投 緒方監督 単調にならず、緩急も使ってね。本人も「まあまあ」みたいな感じで言ってた。シーズンの投げ終わりに、いい形で終わって良かったんじゃないか。 -重い試合展開だった 緒方監督 丸の1本だけだったけど、(打線全体が)もうちょっと内容的にいいものを見せて欲しかった。少し落ち気味と分かっているけど。 -丸は低めの難しい球を打った 緒方監督 まさか入るとは思わなかった。 -競り勝った 緒方監督 言ってるように消化試合をやってるわけじゃない。勝ちパターンの投手を出すこだわりはないが、(選手の)見極めもやらなくちゃいけない中で、勝ちに向かってゲームをしっかりしていくのは大事。 -8回はヘルウェグを投入 緒方監督 まだ見極めている段階。

◆キング再び! 広島の丸佳浩外野手(29)が阪神戦の6回2死から、リーグ単独トップに抜け出す39号先制ソロを放った。日本人選手の左打者では球団初となる40号に王手をかけた。優勝決定後の4試合は無安打だったが、22打席ぶり安打が値千金の決勝弾。チームを今季2度目の1-0勝利に導いた。 丸は強いスイングを頭に描き、集中力を極限まで高めていた。岩田がカウント2-2から投じたツーシームをジャストミート。グングン伸びた打球は、バックスクリーン左に届いた。 「追い込まれていたのでセンター方向を意識して、しっかり自分のスイングができた。ある程度振れる球は振りにいこうと思った」 チーム初安打が先制アーチ。難しい低めの球を豪快に運んだ。緒方監督も「まさか入るとは思わなかった」という一打だった。 それまでチーム無安打。緩急を使い、真っすぐを動かしてくる岩田に苦戦した。「僕もだけど打線全体が自分のスイングができなかった」と丸。2年連続MVPが有力視される主軸が、重い空気を振り払った。 9月26日ヤクルト戦での優勝決定後は4試合続けて無安打。19打席で9三振を喫していた。「良くない内容の打席が多い。いい内容を増やしたい。(この日の)ホームランは良かったけど、それ以外は...」と不満も漏らした。CSに向けて残り3試合。調整の意味でも結果を出し続けたい。 この日は鈴木とともにヘルメットの耳当て部分に「Cフラップ」と呼ばれるフェースガードを装着。米大リーグの打者に使用が目立つものだが、丸もメジャー級の打球で本拠地に歓声を響かせた。導入した理由を聞かれて「気分です」。今後も使い続ける予定だ。 本塁打のタイトル争いで長く単独トップを守ってきた。DeNA筒香とソトに並ばれていたが、再び突き放した。球団の日本選手では山本浩二、新井貴浩に続く40号に王手。到達すれば球団の左打者では78年ギャレット以来2人目で、日本人選手では球団初となる。 「打てるにこしたことはない。あくまでいい場面で走者をかえせるかどうか。CSの競った展開ではワンプレーで流れが変わる」。視線は先に向いている。これまで1発を放った後に少し状態を落とすことがあった。最後まで自分のスイングに徹する。【大池和幸】

◆プロ入りを阻んだ弱点はいつしか、浜風の吹く甲子園で最大の武器となった。 今では有名な話だが、聖望学園時代の鳥谷は、高卒でのプロ入りを希望していた。夢はかなわなかった。その理由が「引っ張れない。逆方向ばかり打つから厳しい」だった。 もともと利き手は左。左手で強く押し込む独特のスタイルが、この15年で短所から長所に変化したのだから興味深い。 「高校時代は、反対方向にしか打てないと言われてプロに行けなかった。でも、大学時代は反対方向に打てるからプロで通用すると言われた。おもしろいもんだなって。今となっては、反対方向に打てるのも、甲子園の特性を考えれば良かったのかもね」 右翼から左翼に吹く浜風に乗せて大飛球を放つ。鳥谷は甲子園でプレーするべき男だったのかもしれない。【阪神担当=佐井陽介】

◆トリ、すごいぞ! 阪神鳥谷敬内野手(37)が、藤田平に並ぶ球団最多の2064安打をマークした。8回に代打で出場し、ヘルウェグから遊撃へ内野安打。猛虎史上、最高のヒットマンに並び立った。15年目の今季は出番が激減したが、信条の「向上心」でまだまだ成長できると貪欲に奮闘中。チームは2試合連続完封負けで偉業に花を添えられなかったが、新記録の1本は勝利で祝いたい。 クールな仮面を脱ぎ捨て、泥臭く一塁ベースを駆け抜けた。これが本来の「鳥谷らしさ」なのかもしれない。 1点を追う8回、先頭で代打登場。右腕ヘルウェグの低め148キロをたたいた。高く跳ねた打球は土にバウンドして、遊撃田中のグラブをはじく。プロ15年目。ともしたHランプはついに2064回に達した。 「あまり、そこを目指していたわけでもないし、打てるとも思っていなかった。良かったです」 藤田平氏の球団最多安打記録に並んだ。完封負けを喫したこともあり、試合後は仮面をつけ直した。 「オレ、心は弱いと思うよ。弱い自分を客観的に見てカバーすることで、強くなろうとしてきた」 そう自己分析する。 エリート街道を突き進んだ思われがちな15年間。人知れずコンプレックスと戦い続けた。 プロ1年目。弱点を研究され、執拗(しつよう)に内角を攻められた。 「最初は内が打てないと言われて、必死で対策を考えた。それなら今度はインコースに絞って、それを3、4球ファウルにすれば、全球インコースには来なくなる。そうやって1つずつ、対処法を考えてきた」 代名詞となった選球眼の良さも、生き抜くために「仕方なく」身につけた。 「首位打者になるような(ソフトバンク)内川、(ヤクルト)青木は、外されたボールでもヒットにできる。でも自分にはできなかった。だったら、そういうところを求めるより、1安打と1四球は同じだと考えるしかないな、と。糸井みたいな身体能力があるわけでもないし、できるところで勝負するしかなかった」 誰だって派手で華やかなプレーにあこがれはある。そんな気持ちにフタをして、冷静に自分を客観視し続けた先に「2064」が待っていた。 今季は出番が激減し、今では代打出場が主戦場。それでも、まだまだ成長できると確信している。 「試合に出られないならこう準備してみようとか、今は勉強する時期なんだと思う。勉強した経験しか、人に伝えられないしね」 37歳。今も闘争心に衰えはない。球団史を塗り替える次の1本は、必ず勝って決めてみせる。 「毎日勝ちたいし、打席に立ったら打ちたい。頑張ります」 最後にまた、泥臭い素顔がのぞいた。【佐井陽介】

◆阪神が2試合連続完封負けを喫し、明日4日にもクライマックスシリーズ進出の可能性が完全に消滅する危機を迎えた。これまで打線が上向いていたマツダスタジアムでも流れを変えられない。走者は出すが、後が続かない。1点を追う8回無死。一塁走者鳥谷が盗塁を仕掛けたが、糸原がヘルウェグの外角速球に見逃し三振...。走者をアシストできず、したたかに攻められない。21イニング連続無得点。チームは10月も、いたずらに黒星を並べた。 金本監督も「経験のなさが出たりとか、ありましたね。若さというか、経験不足というか。走っているのに見逃しとか」と嘆くしかなかった。広島先発ジョンソンに苦戦し、好投の先発岩田を援護できなかった。前日1日は1安打完封負けを喫したが、一夜明けて広島でも悪循環を断てず。投壊もあって0-10で敗れた翌日は投手陣見殺しの0-1。片岡ヘッド兼打撃コーチも「やるべきことをしっかりやっていくだけです」と話した。 借金は今季最多の14に膨れ上がり、得意だったビジターも34勝34敗の勝率5割になった。自力でのCS進出の可能性はかろうじて残るが風前のともしび。今日と明日も敗れれば2年ぶりのBクラスが確定し、終戦する。力なく敗れる試合が続き、初秋の肌寒さが、骨身に染みる。【酒井俊作】

◆広島・丸佳浩(29)が六回、リーグ単独トップの39号先制ソロ本塁打を放った。  丸の一振りが試合の均衡を破った。広島は五回まで無安打と阪神先発の岩田に抑え込まれた。しかし六回二死、走者無しの場面で丸が打席に立つと、カウント2-2から低めのカットボールをうまく捉えた。打球はバックスクリーン左に飛び込む先制のアーチとなった。  丸は「追い込まれていたのでセンター方向を意識して、しっかりと自分のスイングができました」と振り返った。

◆今季限りでの現役引退を表明している広島・新井貴浩内野手(41)が、七回二死二塁の場面で先発ジョンソンに代わり代打で登場。しかし阪神・金本監督は申告敬遠し、新井は一塁へ。これにはマツダスタジアムの広島ファンも複雑な表情を浮かべた。続く田中はニゴロに倒れた。

◆阪神・岩田稔投手(34)が広島戦に先発し、7回3安打1失点の好投を見せたが、味方打線の援護がなく4敗目(0勝)を喫した。チームは2試合連続の完封負けを喫した。  8月19日のヤクルト戦以来の1軍のマウンド。先頭の田中に四球を与えるなど一死一、三塁のピンチを招くも後続を打ち取り得点を与えず。その後は六回二死まで無安打投球と好投を見せていたが、丸にソロ本塁打を浴び先制点を奪われた。七回もマウンドに上がり無失点に抑えたが、八回の攻撃で代打を送られ交代した。  打線は広島投手陣から点を奪うことができず、完封負けを喫した。

◆阪神の鳥谷が八回に安打を放ち、藤田平の持つ球団記録の2064安打に並んだ。岩田の代打で登場し、ヘルウェグに対して初球攻撃。打球は遊撃手の手前で高く弾み、内野安打となった。  同じ左打ちの偉大なOBに並んだ。「そこを目指しているわけでもなかったが、打てるとも思わなかった」と冷静に振り返ったベテラン内野手は「良かったです。また頑張ります」と記録更新へ気持ちを入れ直した。 阪神・香田投手コーチ(岩田に) 「岩田らしさが十二分に出ていた。非常に良かった」

◆皇帝ナポレオンが49歳の時に文豪ゲーテを招いて朝食を食べた。  1808年10月2日のことである。その時ゲーテは69歳だった。いうまでもなく相手は皇帝陛下であり、年上といっても単なる文豪である。  心理的には20歳年下のナポレオンが上座に座っていたと思われる。こういう肩の凝る食事なんて食べたいとは私めは思わない。  以前、村山実さんと3日間、東京でご一緒して3日連続で食事をする機会があった。なんだかんだといって村山さんは3日間とも「ここは長嶋さんもくるんや」と言いながら同じレストランで肉をごちそうになった。そして村山さんは夫人に電話で「こいつにはあきれたヮ。3日連続で肉やもんなぁ...」。  そ、そ、それは"濡れ衣"だ。ムラさんが強引に引っ張ってきたんじゃないか...と心の中で絶叫した。でも...支払いは阪神のエースで、自腹では絶対に食ったことがない上質の肉だ。ここは半分は納得ずくの"ヌレギヌ"なのだ。  ナポレオンは食事の会話のなかでゲーテの『若きヴェルテルの悩み』という純真多感な青年の自殺にいたる恋物語について、とうとうと分析を始めた。これにゲーテは驚がくする。見事に分析し、評価してくれた。ゲーテは「上手にかくした縫い目を見破るよく目の肥えた仕立屋の目だ」と舌を巻いたという。  岩田はいきなり四球からスタートした。振り逃げなどもあって「おいおい...」となったが、そこから赤ヘル打線を見事に三枚におろしていった。ジョンソンは33歳、岩田34歳。秋風がしみる季節ならではの独特の『投手戦』は背中がぞくぞくする。  これを説明するのは難しい。往く人、去る人、来る人...というが、この季節は振り向くと30代後半の選手がザワついている。試合前、阪神は西岡剛選手が自らインスタグラムで戦力外通告を受けたことを公表し、球団も発表した。  虎番諸氏は大忙しで、キャップ阿部祐亮、ベテラン編集委員上田雅昭も電話口で▲☆×■ッ!とけんもほろろなのである。  実は前日の10月1日は2005年に赤星憲広選手が『3年連続60盗塁』を達成した日で、その思い出話を電話で上田雅昭とたっぷり交わした。それが一夜明けて2日は、これといった記録も記憶に残るものも無い。それで試合前に大阪本社の編集局の窓際からのんびり電話をかけたら「こっちはくそ忙しいんですヮ」とすごまれた。そうだったな、ごめん...じゃあとで...それがウンともスーともかかってこない。  なんでや? 「今度は岩田がノーヒットノーランの気配でっせぇ」。  そうです。五回まで四球が2のままで、広島打線はノーヒットなのだ。えてしてこういう"生暖かい無風の夜"にはアッと驚くタメゴロー! なのだ。  そうしたら六回二死から丸へのカウント2-2から104球目、カットボールは快音を残して中堅へ消える39号ソロ。初ヒットがホームランとは...なんたる皮肉。  タッタ1点だから息もつかせぬ攻防なのだが、言い換えるとまたしても「ホームベースの位置すら忘れた阪神」はみじめさの闇に包まれたままに0行進が続いた。  2夜連続の"完封負け"の切なさ...有涯(うがい=限りあること)は秋の月 雲に伴ってかくれやすし...と平家物語にある。

◆よっしゃア!! 阪神ファンの本庶佑先生が(阪神を弱くしている)がんの免疫療法を開発してノーベル賞に輝いたでェー!!  「オプジーボ」というものらしいけど、おそらく虎史上最強の70本塁打を放つ新外国人選手の名に違いない!? 今季は無理にしても、来季の登場が楽しみやー! 本庶先生アリガトウ!! 来季は2人で陽川、中谷、江越らが外へ逃げていく変化球を振らないための研究に尽力しましょー!!  本庶先生が今季は間に合わなかったとはいえ、クライマックスシリーズ(CS)を狙うこの崖っぷちの試合で、2試合連続の零封負けは...。ノーベル物理学賞的にも理解不能??? と、世界中の研究者を悩ませそうじゃないの...。  言いたくはないよ...。マジ手を抜いているとは思わないから。でも、この秋風と同時に若きプロ野球選手が戦力外を告げられる一方、21イニング連続無得点と、無策としか思えない打撃コーチに、どーしても怒りの矛先がいってしまうのだ!!  残り9試合、1、2軍全首脳陣入れ替えて戦っても、決して恥ずかしくはないよ!! そもそも1軍の方々に虎党は期待していないしさ...。せめて勝つために、何かあがいてくれよ!!

◆--岩田を援護したかったが  金本監督「まぁ、経験のなさが出たりしましたね、いろいろ。若さというか、経験不足というか」  --送るところで送れなかったり  「ま、そういうところですよね。走ってんのに(打者が)見逃しとかね。ま、それがまだ経験不足かな、というのは感じましたね」  --岩田は直球も走っていた  「球は最高の投球をみせてくれた。あのホームランも失投ではないし。ナイスピッチングでしたね」  --西岡が戦力外。結果がすべての世界だが  「それはフロントが...決めることですから」  --ベンチ入りしているということは、どこかで出番を  「もちろん、そうですよ。もちろん、そうですよ、はい」

◆特別教授の"愛のムチ"に反発するどころか...。ジョンソン、ヘルウェグ、中崎のリレーに完封負けだ。2試合連続は今季2度目で、無得点試合14度目は就任3年目で最多という惨劇。金本監督は怒りや嘆きを通り越し、淡々と分析した。  「まぁ、経験のなさが出たりしましたね、いろいろ。若さというか、経験不足というか」  1日のDeNA戦(甲子園)は糸原の1安打のみ。この日は7安打で得点圏も3度とコツコツ走者を出したものの、最後までホームが遠かった。  二回は先頭・大山が中前打で出塁するも、続く陽川が三ゴロ併殺打。五回一死では梅野が左前に弾き返すも、プロ初スタメンを任せた島田の二直で戻れず。1点を追う八回には代打・鳥谷が遊撃内野安打も続く糸原が送れず、最後はフルカウントから鳥谷が走って見逃し三振(併殺)だ。  「走ってんのに、(糸原が)見逃しとかね。それがまだ経験不足かな」  21イニング連続無得点で好投・岩田を見殺し。借金は今季ワースト14。まだわずかに自力CSの可能性はあるものの、こんな試合が続いては、残り9試合に希望の光は見えない。 (阿部祐亮) 2試合連続の完封負けに阪神・片岡ヘッド兼打撃コーチ 「やるべきことを、しっかりとやっていくだけです」

◆偉大な先輩に、ついに肩を並べた。真っ赤に染まる敵地を全速力で駆ける。代打で登場した鳥谷が、虎のレジェンドで元監督、藤田平氏に並ぶ球団最多2064安打をマークした。  「あまり、そこを目指しているというわけではなかったし、(これだけ)打てるとも思っていなかったので。よかったです」  0-1の八回無死に打席へ。ヘルウェグの初球をたたきつけると、37歳のベテランは全力疾走。遊撃・田中が打球を弾き「H」ランプが灯ると、ビジター席の虎党から祝福の大歓声が上がった。9月23日の巨人戦(甲子園)以来の安打。9月以降、先発出場から遠ざかっているものの、暗すぎる敗戦の中で唯一の見せ場を作ってみせた。  タテジマ一筋15年のチームリーダー。新加入した山崎が初めて1軍合流したときのこと。ウオーミングアップ中に自ら歩み寄った。「どこ住んでるの?」。トレーニングやプライベート。他愛もない会話だったが、緊張の初日に声をかけてもらった山崎は「とてもありがたいことですよ」と頭を下げた。チームのために身を粉にしてきたからこそ「2064」まで来ることができた。  ただメモリアル打の直後、ランエンドヒットでスタートも打者・糸原が見逃し三振で併殺に。セーフ判定が一転、リクエストで覆り(盗塁死)、反撃につなげることはできなかった。  「毎日勝ちたいですし、打席に立てば打ちたい。また頑張ります」  喜べぬタイ記録。鳥谷が求めるのは、ただチームの勝利のみだ。新記録は勝って、決める。 (竹村岳) 藤田平氏 「記録に並んだことはうれしく思う。体調面を整えて、ここまでよく頑張ってきた。鳥谷の良さはまず選球眼。そういう打者は、投手にプレッシャーを与える。2年ぐらい前に鳥谷には『早う抜いて』と声をかけた。記録は破られるもの。これからも記録を伸ばしていってもらいたい」 「8番・中堅」でプロ初先発も3打数無安打に終わった阪神のD4位・島田 「出してもらった以上は結果が全て。ルーキーとか関係ないです。チャンスの場面で冷静になれなかった」

◆阪神は2日、西岡剛内野手(34)に来季の契約を結ばないことを通告したと発表した。本人は発表前に自身のインスタグラムで公表。チームやファンに感謝するとともに現役続行の意思を示した。0-1で2試合連続無得点で敗れた広島戦(マツダ)にはベンチ入りも、出場はなし。左アキレス腱断裂など幾多のけがを乗り越えてきた男が、タテジマのユニホームを脱ぐ。  突然に、そして異例の形で、タテジマに別れを告げた。西岡が自身のインスタグラムを更新。思いの丈をつづった。  「今シーズンをもちまして阪神タイガースのユニホームを脱ぐことになりました。カッコつけた言い方をしましたが、10月1日に戦力外通告を受けました」  ユニホーム姿で仲間と歓喜の表情を浮かべる写真とともに衝撃の報告をアップ。さらに「次の新たな目標は小さい頃目標にしていたプロ野球選手になることが今の目標です!」と、現役続行する意思を明らかにした。  戦力外通告が始まった前日1日、甲子園でのDeNA戦後に谷本副社長兼球団本部長から、来季の契約はしないとの通告を受けた。引退の場合はセレモニーをする用意があることも伝えられたが、その時点で本人は去就について「考えさせてください」と、明言しなかったという。  球団はマツダスタジアムでの広島戦の前に、正式発表。谷本副社長は本人の意思をくんで前日に公表しなかったことを説明した。この日、本人から"フライング発表"について謝罪を受けたことも明かし、「意思を確認しました。彼の意思を尊重したい」とした。  西岡は球場では取材に応じなかったが、フリー打撃では左右の打席で計40スイング。出番はなかったが、代打で何度か準備した。金本監督は「フロントが決めることですから」と話すにとどめたが、ベンチ入りということは、出番があるか問われ「もちろん、そうですよ」とうなずいた。  来季構想外となった選手の枠を若手らに使う選択をしなかった。西岡ならどんな役割も全うし、チームの負の風向きを変えられる-。2008年北京五輪をともに戦った矢野2軍監督も、鳴尾浜で熱い思いを語った。  「あれだけすごい経験をしてきてるやつが、ここ(2軍)でがんばるってすごい大変なこと。剛が腐ったりなんかしちゃうとここにいる選手たちにすごくよくなかった。剛は真逆で、すごく手本になってくれた。だからすごい感謝している」  16年の左アキレス腱断裂から完全復活を期した今季は、打率・152の不振で5月に降格。負傷以外での抹消は初で、9月の昇格まで2軍で過ごした。しかしグラウンドでの姿勢はもちろん、ロサリオや若手らと食事をともにするなど、チームのためにもひと役を買ってきた。谷本副社長も、「中堅が少ない中で若手をよく引っ張ってくれたので、感謝しています」とねぎらった。  「また来年もプロ野球選手として甲子園の土を踏める事を一つの目標として頑張ります!」と記した西岡。2019年も戦う。大けがを乗り越えた男は、ボロボロになるまで走り続ける。 ★古巣は「若返り」  西岡が現役続行の意欲を示していることについて、古巣のロッテ・林球団本部長は「チームは若返りをはかっている。その土台(作り)を始めているところなので...。それ以上のことは言えない」と話すにとどめた。地元・大阪のオリックス・長村球団本部長は「今のところは、考えていません」。今季は松坂を獲得した中日・西山球団代表は「自由契約選手についての調査はします。ただし個人名は出しません」とだけ話した。 ★阪神移籍後の西岡  ◆2012年11月20日 阪神と2年総額4億円プラス出来高で契約。13年は二塁手でベストナインを受賞  ◆14年3月30日 巨人戦(東京ドーム)の二塁守備で、飛球を追って右翼・福留と交錯。救急搬送され、鼻骨骨折・胸部打撲、軽度の左肩鎖関節脱臼、左右の第1肋骨骨折と診断された。6月27日の中日戦(甲子園)に三塁手として復帰  ◆15年5月23日 右肘屈筋挫傷で長期離脱  ◆16年7月20日 巨人戦(甲子園)の二回に適時打を放った際、左アキレス腱を断裂  ◆17年7月17日 広島戦(甲子園)に「1番・一塁」で復帰  ◆18年5月18日 打率・152の不振で、阪神移籍後、故障以外では初の登録抹消。9月21日に昇格

◆広島の各打者はCSに向け、高いモチベーションを維持していた。岩田はその打線を六回二死まで無安打に抑え、結局7回3安打1失点。高い評価を与えていい。  一見、凄さは感じないが、直球は145キロを超えていたし、変化球は手元で鋭く変化していた。球のキレがあるから、各打者はかなり打ちにくそうに振っていた。今シーズンの対阪神戦であまり見かけない光景だった。  制球を乱して崩れるケースが多いのが岩田だが、この日は立ち上がりの大ピンチを切り抜けると、慎重に、丁寧にコースを突く投球。結果、3ボールになるケースもあったが、それは勝負しながらのもの。制球難のイメージも消えていた。丸の本塁打は、うまく打たれたが、それ以外の打席は球のキレで圧倒した。  体調の部分でフルシーズンのローテは難しいかもしれないが、この日の投球なら、2桁近く勝っても不思議ではない。34歳の復調は来季に向けて明るい材料だ。 (サンケイスポーツ専属評論家)

◆広島の首脳陣は、ホッとしたことだろう。ここ4試合、打ち込まれて勝ち星のなかったジョンソンが、球威と制球を取り戻し、11勝目。CSへ向けて、何よりの収穫になったはずだ。実はここまで、先発の頭数に不安があったと思う。最多勝候補の大瀬良、ジョンソン、そして九里。計算が立つ3枚がそろってきたという手応えを、感じたのではないか。  残る不安は、クローザーの中崎か。この日も1点差の登板で、先頭打者に四球を献上した。9月30日の巨人戦では逆転サヨナラ負けを喫した。後半戦に入って、不安定な面が散見されている。  広島にはどうしても、昨年のCSでDeNAに敗れた嫌なイメージが、ついてまわる。不安を1つずつ、確実に消していく作業が求められる。 (サンケイスポーツ専属評論家)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
81572 0.587
(↑0.003)
優勝
(-)
3714
(+1)
640
(-)
174
(+1)
92
(+2)
0.264
(↓0.001)
4.15
(↑0.03)
2
(-)
ヤクルト
71652 0.522
(↑0.003)
9
(-)
5641
(+3)
654
(+2)
130
(+2)
66
(-)
0.268
(-)
4.21
(↑0.02)
3
(-)
DeNA
65712 0.478
(↓0.003)
15
(↓1)
5559
(+2)
630
(+3)
178
(+1)
71
(-)
0.252
(-)
4.25
(↑0.01)
3
(1↑)
巨人
65715 0.478
(-)
15
(↓0.5)
2612
(-)
571
(-)
148
(-)
61
(-)
0.256
(-)
3.83
(-)
5
(-)
阪神
59732 0.447
(↓0.003)
19
(↓1)
9554
(-)
589
(+1)
84
(-)
73
(+1)
0.255
(-)
4.04
(↑0.02)
6
(-)
中日
62772 0.446
(-)
19.5
(↓0.5)
2590
(-)
650
(-)
95
(-)
59
(-)
0.266
(-)
4.4
(-)