西武(☆7対5★)ソフトバンク =リーグ戦22回戦・メットライフドーム=
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ソフトバンク
0001130005911
西武
03001003X7713
勝利投手:マーティン(2勝1敗0S)
(セーブ:ヒース(4勝1敗12S))
敗戦投手:加治屋 蓮(4勝2敗0S)

本塁打
【ソフトバンク】中村 晃(14号・4回表ソロ)
【西武】森 友哉(16号・2回裏3ラン),山川 穂高(45号・5回裏ソロ),秋山 翔吾(23号・8回裏3ラン)

  DAZN
◆西武が連勝を11に伸ばした。西武は2回裏、森の3ランで先制する。その後は逆転を許すも、8回に2死一二塁の好機から秋山の3ランが飛び出し、再びリードを奪った。投げては、6番手・マーティンが今季2勝目。敗れたソフトバンクは、8回に救援陣がつかまった。

◆今季のソフトバンク柳田悠岐外野手(29)は西武戦で打率3割6分5厘の8本塁打。 カード別の最多本塁打を記録も、敵地のメットライフではさっぱり。同球場では打率1割8分8厘の0本塁打で、今季はまだ1発が出ていない。

◆ソフトバンク柳田悠岐外野手(29)が首位西武との直接対決3連戦の初戦、「4番・中堅」で出場する。 16日の同カードで試合前練習開始前に、打撃練習中だった西武栗山の打球を左側頭部に直撃し、救急車で病院へ救急搬送された。その試合から6試合を欠場。脳振とう特例措置を取り、23日の日本ハム戦から復帰した。 この日の試合開始前には、同じ事を繰り返さないため、右翼寄りではなく、打球が飛んで来ない本塁近くでウオーミングアップを行った。その最中にフリー打撃を終えた西武栗山が、3度目となる謝罪に訪れ、柳田も笑顔で応えた。 工藤監督は「やっぱり彼がいるのは大事。大事なゲームに中心を打つ選手がいることはね」と、フリー打撃で柵越えを連発する柳田を頼もしそうに見ていた。

◆ソフトバンク牧原大成内野手(25)が右足首を痛め、試合中に病院へ行く事態となった。 牧原は2番二塁でスタメン出場。1死一、三塁の三塁走者で負傷した。4番柳田の投手へのゴロで、三本間に挟まれる挟殺プレー。捕手森のタッチを避けようとかがんだ際に右足首を痛め、その裏の守りから明石と交代。ベンチ裏でアイシングを行った後に病院へ向かった。 敵地での西武戦では、16日の練習中に柳田の左側頭部に打球が直撃し、救急車で病院へ緊急搬送。翌17日には1回の守りで今宮が二塁ベースカバーに入った際に左太もも裏を痛め、試合中に病院へ行き、検査を受けた。これで3試合続けて選手が病院送りとなった。

◆10年ぶり21度目のリーグ制覇へ突き進む首位西武がシーソーゲームとなった2位ソフトバンクとの直接対決を制し、11連勝で優勝へのマジックを3とした。 西武は2回、先頭の5番栗山、6番中村が連続四球の後、7番森が右翼ポール際へ16号3ランを放ち先制。 7連勝中のソフトバンクは4回に7番中村晃が右翼へ14号ソロ。5回には2死二塁から2番明石が左翼へ適時打を放ち、1点差に迫った。 西武は5回、4番山川の左翼への45号ソロで突き放した。 2点を追うソフトバンクは6回、1死から中村晃が中前打。続く7番松田が四球で一、二塁、8番高田の一塁ゴロが失策を誘い満塁とすると、9番甲斐が左中間へ走者一掃の逆転3点適時二塁打を放った。 西武は8回、2死から8番メヒアが四球、9番金子侑が遊撃への内野安打で一、二塁とし1番秋山がバックスクリーンへ逆転の23号3ランを放った。 投げては先発郭が5回2死で降板も、2番手小川以降6人の小刻み継投でしのいだ。 西武とソフトバンクは28、29日も対戦。1勝1分け以上なら、98年以来20年ぶりとなる本拠地胴上げが実現する。

◆今季限りでの現役引退を表明した西武松井稼頭央外野手が代走で登場した。 1点ビハインドで迎えた8回2死。8番指名打者のメヒアが四球を選び、松井が代走で一塁へ向かった。 二塁進塁後、秋山の逆転3ランで同点の生還をした。 背番号7の勇姿にスタンドも沸いた。

◆首位西武が、2位ソフトバンクとの直接対決を制し、11連勝で優勝へのマジックを3とした。 1点を追う8回、2死から8番メヒアが四球、9番金子侑が遊撃への内野安打で一、二塁とし1番秋山がバックスクリーンへ逆転の23号3ランを放った。 お立ち台に上がった秋山は「ホームゲーム最後のカードでファンもたくさん入ってくれたし、勝ちパターンの投手が投げていたし、いい1本になって良かったです」と声を上ずらせた。 西武とソフトバンクは28、29日も対戦。最短で29日にも西武の優勝が決まる。この3連戦で本拠地最終カードとなるが「そんな(本拠地優勝という)ぜいたくも言えないんで。ファンの方も期待してくださって声援を下さるので僕たちは応えられるように頑張るだけです」と表情を引き締めた。

◆西武は郭、ソフトバンクはバンデンハークが先発。西武は2回、森の16号3ランで先制。郭は3回まで、被安打2の無失点。 2点を返された西武は5回、山川が45号ソロ。ソフトバンクは2点を追う6回、甲斐の二塁打で3点追加し逆転した。 西武は8回に松井が代走で登場し、秋山の23号3ランで逆転。11連勝でマジックは3。マーティン2勝目。ソフトバンクの連勝は7で止まった。加治屋2敗目。

◆首位西武が、2位ソフトバンクとの直接対決を制し、11連勝で優勝へのマジックを3とした。 1点を追う8回2死からメヒアが四球を選び、松井が代走。続く9番金子侑は遊撃内野安打となり一、二塁。続く1番秋山がバックスクリーンへ逆転の23号3ランを放った。 辻監督は試合前に引退会見を行った松井の代走起用について「ほかを見渡したら(松井)稼頭央しかいなかったんで。あの歳でも打球判断だったり、足の速さもそんなに衰えてなくて普通に走れる。ファンがこれだけ松井に対して『よく頑張った』『ありがとう』といった声援が、彼も気持ちよかったり、感謝の気持ちがあったと思います。そういう風になったところが非常にいい仕事になったんじゃないでしょうか」と話した。

◆首位西武がシーソーゲームとなった2位ソフトバンクとの直接対決を制し、11連勝で優勝へのマジックを3とした。 2点を追いかける8回、2死から8番メヒアが四球、9番金子侑が遊撃への内野安打で一、二塁とし1番秋山がバックスクリーンへ逆転の23号3ランを放った。投げては先発郭が5回2死で降板も、2番手小川以降6人の小刻み継投でしのいだ。西武とソフトバンクは28、29日も対戦。最短で29日にも西武の優勝が決まる。

◆ソフトバンクが首位西武との直接対決で逆転負けし連勝は7でストップした。西武のマジックは3となった。 連勝の勢いで6回に1度は鮮やかに逆転した。2点を追う1死満塁で8番甲斐が左中間へ逆転の走者一掃3点適時二塁打。工藤公康監督(55)は「よく打ってくれた。あそこは代打を出さないという決断だった」。捕手2人制の中、この日試合前も打撃指導した甲斐が期待に応えた。 1点リードを守るため石川、加治屋とつなぎ、8回2死一、二塁で秋山に対し嘉弥真を投入。この日無失点なら球団新となる32試合連続無失点となるはずだったが、甘く入ったスライダーをバックスクリーンへ。23号逆転3ランを許した。 残り12試合全勝、西武3連戦3連勝を狙ったが、初戦で黒星。連覇への可能性は、限りなく低くなった。工藤監督は「ここまで来たら勝つか負けるか。みんなで勝ちにいって負けたので、しっかり受け止めて次勝つんだと思って戦っていくしかない」と前を向いた。

◆西武秋山翔吾外野手が逆転の23号3ランを放ち、勝利を引き寄せた。 4-5の8回2死一、二塁で、ソフトバンク嘉弥真のスライダーをバックスクリーンへ放り込んだ。連勝を11に伸ばし、優勝マジックを3とした。 お立ち台に上がると「(本拠地)最後のカードで、ファンの皆さんもこれだけ入って、なんとか勝ちたかった。10連勝していたのは過程なので、気にしてなかった。ただ、相手を意識して、この3連戦、勝ちたい気持ちが出るかどうか。目の前の試合をやっている。その結果、ホームで胴上げできたら最高。全力を尽くします」と話した。 28日と29日のソフトバンク戦を1勝1分け以上なら、29日に10年ぶりの優勝が決まる。本拠地で胴上げなら、98年以来20年ぶりとなる。

◆西武が2位ソフトバンクに逆転勝ちし、優勝へのマジックを3とした。1点を追う8回2死一、二塁で、秋山が2戦連続決勝弾となる23号3ラン。連勝を11に伸ばした辻発彦監督は「ソフトバンクは本当に強い。うちは勝ち続けるしかない形でガチンコで勝負して、勝ったのは大きい。選手たちが最後まで粘ってくれて、見事な勝利でした」と、選手の頑張りに目を細めた。 1点を勝ち越された後の6回2死一、二塁から登板した5番手増田が、打者4人を無安打2三振に抑える好救援。傾きかけた流れを引き留めた。2軍再調整を経て力強い復活投球をみせた右腕に対し、指揮官も「力も戻ってきて、クリーンアップをしっかり抑えてくれた。見事な投球で流れが来たのかなと思う」とたたえた。 最短Vは29日。「(本拠地での優勝の)可能性が残ったということ。明日(28日先発の菊池)雄星がどんな投球をみせてくれるか。打線も勢いがあるし、頑張ってもらいたい」と気を緩めることなく、次戦を見据えた。

◆いざ本拠地Vへ、西武が劇的な逆転で11連勝を飾った。10連勝中の首位西武と7連勝中の2位ソフトバンクの頂上決戦は8回、西武秋山翔吾外野手(30)が土壇場の23号3ランで試合をひっくり返した。ついにマジックは3。早ければ29日にも優勝が決まる。 ▼西武が今季39度目の逆転勝ちで11連勝。西武の11連勝以上は昨年7~8月に13連勝して以来7度目だ。M3の西武は28、29日ソフトバンク戦に○○か○△でV決定となるが、過去に2桁連勝で優勝を決めたのは58年西鉄しかない。58年西鉄は9月14日大毎戦から連勝が始まり、13連勝目(1分け挟む)の10月2日近鉄戦で胴上げだった。開幕8連勝でスタートした西武が、最後は史上2度目の「2桁連勝ゴール」を決めるか。

◆いざ本拠地Vへ、西武が土壇場の逆転で連勝を11まで伸ばし、マジックを3とした。1点を追う8回、秋山翔吾外野手(30)が23号3ランを放ち、試合をひっくり返した。7連勝中だった2位ソフトバンクとの頂上決戦第1ラウンドを劇的勝利。早ければ明日29日にも10年ぶりの優勝が決まる。 打球が上がるやいなや、メットライフドームが揺れた。1点を追う8回2死一、二塁。秋山がソフトバンク嘉弥真のスライダーをバックスクリーンへ。一振りで敗色濃厚をひっくり返した。「一番うれしかった。あんなに、みんなベンチから出てきてくれて」と、ハイタッチの嵐。6回に失点につながる失策を犯した山川は抱きついてきた。何より、秋山が興奮した。一塁を回ると右手人さし指を突き上げながら走った。「テンション上がりすぎ。ちょっと恥ずかしい。反省します。もうしません」と、ちょっと早口で言った。 "その時"をグッと引き寄せる1発だ。連勝を11に伸ばし、明日にも10年ぶりの優勝が決まる。負けていれば、ソフトバンクに5ゲーム差に寄られ、20年ぶりの本拠地胴上げは消滅していた。それが、8回2死走者なしからの逆転劇。メヒアが四球を選び、代走松井に球場が沸いた。金子侑は内野安打でしぶとく続く。そうして巡ってきた。「つないでくれた。それぞれの優勝に向けての意識。総力戦です」。全員の思いを受け止め、結果につなげた。 決戦前から気を引き締めていた。引退会見した松井の姿に「自分も長くやりたいので、あれだけ準備して野球のことを思っていないといけない。稼頭央さんがやっているなら、僕はもっとやらないといけない」と自らに言い聞かすように話した。歴代5位の588試合連続フルイニング出場中の鉄人にも、松井は特別。その松井の代走に「盛り上がりましたね」と、勢いをもらった。 さあ、いよいよだ。ソフトバンクに、もう2勝すればいい。「簡単な試合にはならない。もちろん、ホームで胴上げしたいですけどね」と前を向いた。目の前を勝っていくのみ。その先に、最高の瞬間が待っている。【古川真弥】

◆ソフトバンクの逆転Vが遠のく、痛恨の失投だった。 8回に頼りの嘉弥真が打たれた。2死一、二塁、秋山で登場し、逆転弾を浴びた。左腕は「まったく拓也(甲斐)の要求通りにいかなかった...」と唇をかんだ。無失点なら32試合連続無失点の球団新記録だったが、チームの連勝を7で止めた。 工藤監督は「(嘉弥真は)全然責められない。使った僕が悪い。みんなで勝ちにいって負けたので、しっかり受け止めて次勝つんだと思って戦っていくしかない」と前を向いた。

◆西武の平井克典投手(26)にとって、忘れられない試合となった。 27日のソフトバンク戦、4-2の6回1死一塁の場面で、3番手としてマウンドに上がった。 松田にフルカウントから四球を与え、続く高田は一ゴロだったが、一塁手山川のファンブルでピンチが広がり1死満塁に。迎えたソフトバンク9番甲斐との対決。カウント2-2からの5球目、スライダーを左中間へ運ばれ、走者一掃の二塁打を許した。結局、一死も取れぬまま逆転を許し、マウンドを降りた。 優勝へのマジックがついている状態で、2位との直接対決。プレッシャーがかかる中での救援失敗。気持ちを切り替えることは到底できず、ベンチでうなだれながら試合経過を見つめていた。「すごく責任を感じていました」。 しかし勝利の女神は、西武にほほえんだ。4-5で迎えた8回2死一、二塁、秋山が打った瞬間、大きい放物線にチームメートは総立ちになった。座っていた平井には、打球がバックスクリーンに吸い込まれていく様子は見えなかった。しかし、歓声で状況はすぐに分かった。 出迎える列の最後尾についた。熱いものが、いつの間にかこみ上げてきていた。「自然と、流れていました」と振り返った。笑顔で帰ってきた秋山と、号泣しながらハイタッチをかわした。「救われました。神様、仏様、秋山様です」。 高校時代も、社会人時代も試合で泣いたことはなかった。野球人生で初めての涙を流した、プロ2年目の9月27日。胸に刻まれた悔しさは、将来への糧となる。「明日も、頑張ります」。帰路についた表情は、明るかった。

◆西武松井が9月5日の日本ハム戦以来、本拠地では8月16日オリックス戦以来の試合出場を果たした。 8回2死、8番メヒアが四球を選び、代走に送られた。大歓声に迎えられて、一塁ベースへ。金子侑の内野安打の間に二塁に進み、秋山の本塁打で生還した。「久しぶりの試合で、緊張した。声援はありがたかった。いい結果で、チームの雰囲気もいい。本当にすごい試合だった。ミラクルが起こりますね」と喜んだ。

◆追撃の45号ソロを放った西武山川が、失策を猛省した。 6回1死一、二塁、ソフトバンク高田の一ゴロをファンブルし、満塁のピンチを招いた。3失点につながり、一時は逆転を許した。「併殺にいく打球か、考えてしまった。1つを選べばよかった。(逆転弾の)秋山さんに救われました。自分の本塁打は、どうでもいい。守備の練習をします」と話した。

◆ソフトバンクが首位西武との3連戦初戦に敗れ、逆転優勝が極めて厳しい状況になった。2点を追う6回に甲斐が逆転の3点二塁打を放ったが、8回に嘉弥真が秋山に再逆転の3ランを浴びた。連勝は7でストップし、西武とのゲーム差は7に拡大。今日と明日で1敗1分け以下なら、屈辱の目の前胴上げを許す。昨年の日本一軍団の意地を見せどころ。工藤監督は残り11試合、可能性がある限り戦い抜くと誓った。 失投だった。嘉弥真がボール球にするはずだった3球目のスライダーは、吸い込まれるように真ん中へ。8回2死一、二塁。秋山にバックスクリーンへ逆転の23号3ランをたたき込まれた。嘉弥真は「まったく拓也(甲斐)の要求通りにいかなかった...」。外角ボールゾーンへ体を動かして構えていた甲斐の要求に応えられなかった。この試合無失点なら32試合連続無失点の球団新記録だったが、悔やみきれない失点となった。 工藤監督は「(嘉弥真は)全然責められない。使った僕が悪い。ここまで来たら勝つか負けるか。みんなで勝ちにいって負けたので、しっかり受け止めて次勝つんだと思って戦っていくしかない」と自分に言い聞かせるかのように前を向いた。 メットライフドームでは5連敗。今季10試合で2勝8敗と大きく負け越している。苦手なだけでなく不運も重なる。この日は1回に牧原が負傷した。1死一、三塁。柳田の投手前ゴロで三塁走者の牧原は三本間に挟まれ、タッチをしようと追ってきた捕手森をかわそうとした際に、右足首を痛め、試合中に埼玉・所沢市内の病院へ。レントゲン・CT検査を受けた結果、骨には異常がなく右前距腓靭帯(みぎぜんきょひじんたい)損傷と診断された。前回の15日からのメットライフドームでの3連敗中には、16日に柳田が練習中に左側頭部に打球を受け救急車で緊急搬送。17日は今宮が1回の遊撃守備で二塁ベースカバーに入った際に左太もも裏を負傷し試合中に病院へ。メットライフドームでは3試合連続で病院行きの選手が出る事態となった。 今宮はまだ復帰のメドは立っていない。上林もこの日6回の第4打席で右手前腕部に死球を受けた。試合後、「めちゃ腫れてます」と話した。好調の打撃に影響が出ないか心配される。今日28日、明日29日に連敗か1敗1分けで目の前で胴上げを見ることとなる。97年に当時の西武球場で見て以来の屈辱は避けたい。今日28日の第2戦の西武先発はソフトバンク戦通算18戦0勝13敗の菊池が相手。エース左腕を打ち砕き、前へ進むしかない。【石橋隆雄】

◆西武の本拠地メットライフドームの一、三塁側ベンチ前のフィールドには親会社・西武鉄道の企業広告コピーがペイントされている。「あれも、これも、かなう。」-。 ライオンズは08年のリーグ制覇以来、「かなわなかった夢」にまた1歩、大きく近づいた。工藤ホークスは絶対に負けられない試合を落とした。最終12連戦。初戦で散った。西武の優勝マジックは「3」。昨年、V奪回に成功し、歓喜の舞いを見せた敵地・所沢で今度は西武辻監督の初の舞いを見ることになるのだろうか。絶対に負けられない試合はまだ続く...。 胴上げ阻止は当然だろう。監督就任から「あれも、これも」かなってきた工藤ホークスにとっては16年以来の屈辱は味わいたくない。ましてや、目の前の胴上げとなると、福岡にホークスが移転して2度しか経験していない。初年度の89年近鉄V(藤井寺)と97年西武V(西武球場)だけである。99年の初優勝から、目の前でリーグVの胴上げをされたことはない(プレーオフ、CSを除く)。 「負け」を前提に戦うわけにはいかない。だが、逆転Vの可能性が残っているとは言っても現実路線への切り替えも必要かもしれない。「あれも、これも」にはこの際、目をつむってCSに向けた戦いの軌道修正も求められそうだ。クライマックスシリーズで勝ち上がれば必ず西武と対戦することになる。ここに来ての対西武4連敗は、CSを考えても厳しい結果となった。「苦手意識」だけは払拭(ふっしょく)しておかなければならない。【ソフトバンク担当 佐竹英治】

◆西武の郭俊麟は4回2/3を投げて6安打2失点で降板した。2位ソフトバンクとの3連戦初戦の先発を任され「優勝が懸かる中で投げられるのは光栄。自分の投球をしたい」と意気込んでいたが、役割は果たせなかった。  変化球を軸に四回までは1失点で踏ん張った。だが、五回二死から3者連続で長短打を浴びてマウンドを降りた。今季3度の登板は全てソフトバンク戦。前回は5回3失点で3年ぶりの白星を手にしたが、今回は苦い結果に終わった。

◆西武は1点を追う八回に1番・秋山翔吾外野手(30)が中越え23号逆転3ランを放ち、2位・ソフトバンクに7-5で競り勝った。シーソーゲームを制し、これで11連勝。リーグ優勝へのマジックナンバーを3に減らした西武特急がリーグ優勝へ加速する。  西武は郭俊麟、ソフトバンクはバンデンハークが先発した。西武は二回、栗山、中村の連続四球で無死一、二塁とし、続く森が右翼席へ16号3ランを放ち、先制した。ソフトバンクは四回、二死から中村晃が右翼席に14号ソロを放ち、1点を返した。さらに五回には明石の左前適時打で1点差とした。  西武はその裏、一死から山川が左中間席に45号ソロを放ち、4-2とした。  ソフトバンクは六回、一死から中村晃が中前打。松田の四球と敵失で満塁とし、甲斐の走者一掃の左中間二塁打で3点を奪い、逆転した。  西武は八回、秋山が中越え23号3ランを放ち、逆転。九回はヒースが二死一、二塁のピンチを招いたが、最後はデスパイネを右飛に抑えた。ソフトバンクは連勝が7で止まった。

◆西武は1点を追う八回に1番・秋山翔吾外野手(30)が中越え23号逆転3ランを放ち、2位・ソフトバンクに7-5で競り勝った。シーソーゲームを制し、これで11連勝。リーグ優勝へのマジックナンバーを3に減らした西武特急がリーグ優勝へ加速する。  --打った瞬間、ガッツポーズです  「本当にテンションが上がりきってやってしまったので恥ずかしい」  --逆転3ランで勝負を決めた  「ホームゲーム最後のカードということで、ファンの方にはたくさん入って頂いた。ピッチャーも勝ちパターンがどんどん投げていたので、なんとかしたかった。いい一本になってよかった」  --左ピッチャーに交代した  「そのまま来る可能性もある、代わる可能性も左キラーで投げてくるとも思った。どっちが来てなんとかしたいという思いだった」  --冷静さもあった  「2アウトでということでもう打つか打たないかというところだった。そういう意味では腹をくくっていけた」  --10連勝で迎えた直接対決  「相手がホークスということで意識することもあった。この3試合に関しては勝ちたいという気持ちがどれだけあるかどうかだけ。プレッシャーもあったが力にもなったかなと思います」  --本拠地で決めたい  「そういうぜい沢も言えないと思う。ただファンのみなさんに期待していただけるので、それに応えられるように頑張るだけ」  --ついにM3  「一戦一戦、目の前の試合を一生懸命戦うだけ。結果としてここで胴上げできれば一番いい。それに向けて全力を尽くしていくのでよろしくおねがいします」

◆ソフトバンクの牧原が一回の走塁で右足首を負傷し、その裏の守りから交代した。球団によると、埼玉県所沢市内の病院で「右前距腓靱帯損傷」と診断され、骨に異常はなかった。  一死一、三塁から三塁走者として柳田の投ゴロで三本間に挟まれ、タッチアウトになった際に捕手の森と激突した。7月8日に今季初めて1軍に昇格してから二塁のレギュラーに定着し、打率3割1分7厘をマークしている。

◆西武の山川は3-2の五回に高めの直球に詰まりながらも、左中間へリーグトップを独走する45号ソロを放った。ただ、直後の六回に失点に絡む失策を犯し「本塁打を打ったことはどうでもいい。守備をちゃんとやります」と苦笑した。  六回一死一、二塁でゴロを取り損ねて満塁とされ、直後に平井が甲斐に3点二塁打を浴びた。八回に秋山の3ランでチームが逆転勝ちし「秋山さんに救われた。鳥肌が立ちました」と感謝した。

◆西武は27日、ソフトバンク22回戦(メットライフ)に7-5で逆転勝ちし、11連勝で優勝へのマジックナンバーを2つ減らして「3」とした。1点を追う八回に秋山翔吾外野手(30)が、バックスクリーンに逆転の23号3ランをほうり込み、試合を決めた。  山川は「秋山さんに救われました。鳥肌が立ちました」と逆転3ランを放った先輩に最敬礼した。五回にバンデンハークの初球、151キロの直球を左中間席へ運ぶ45号ソロを放ったが、六回の一塁守備でゴロをファンブルしてピンチを広げ、これが3失点につながった。2位の柳田(ソフトバンク)に11本差をつけて本塁打数でトップを独走するが、試合後は「本塁打とか、どうでもいい。守備をちゃんとやります」と猛省していた。

◆地鳴りのような歓声に、ソフトバンクの希望ものみ込まれた。対左打者のスペシャリスト、嘉弥真が秋山のひと振りに沈んだ。  「僕が一気に(逆転優勝の)雰囲気を下げてしまった。野手とチームに申し訳ない」  1点リードの八回二死一、二塁で登板。ボール球にしようとしたスライダーが「要求に応えられなかった」と真ん中に入った。球団記録に並ぶ31試合連続無失点中だった左腕が痛恨の逆転弾を浴びた。自責点は43試合ぶり。前回も、5月24日の西武戦で秋山に喫した逆転3ランだった。  チームは連勝が7で止まり、メットライフではこれで5連敗。工藤監督は「(嘉弥真を)責められない。明日も当然投げてもらう」とし、「特に明日、明後日の試合は絶対に負けられない」と続けた。 (安藤理)

◆今季限りで現役を引退する西武・松井稼頭央外野手兼テクニカルコーチ(42)は27日、埼玉・所沢市のメットライフドームで引退記者会見に臨んだ。日本一達成に向けて「涙はとっておく」と決意。すがすがしい表情で25年間の現役生活に区切りをつけた。13日ぶりに出場選手登録されたこの日のソフトバンク22回戦(メットライフ)では代走で途中出場し、同点のホームを踏んだ。  無数のフラッシュを浴び、希代のスーパースターが会見場に現れた。松井は「好きで野球を始め、好きのまま終われる。いい野球人生でした」と、晴れやかな表情で25年間の現役生活を振り返った。  15年ぶりに古巣のユニホームに袖を通した今季。開幕から1度も首位を譲らずチームが突き進む中、ベテランの出場機会は23試合に限られた。  決断したのは今月中旬だった。15日に投手の枠を空けるため、今季初めて出場選手登録を外れた。自分と向き合う時間が増え「とうとう、この時がきたな」と悟ったという。  真っ先に報告したのは最愛の家族。「妻には『お疲れさま』と言われました。(高3の)娘は顔を見るたびに抱きついてきて泣きましたけど、(小4の)息子は『ああそうなの』って」。三者三様の反応に「家族がいたから現役でこれだけの野球人生を過ごすことができた」と感謝した。  印象に残る投手には元同僚で、ロッキーズ時代の2007年にワールドシリーズで対戦した松坂(現中日)を挙げた。こだわりを問われると「走攻守。3つそろって初めて松井稼頭央」とプライドをのぞかせた。  13年に楽天で日本一となったが、西武では3度のリーグ優勝も日本一はなく「ここで生まれ、ここで育ち、ここで引退する。運命的なものを感じる。涙は最後、うれし涙にとっておきます」と笑顔で決意を示した。記者会見後に行われたソフトバンク戦から再び出場選手登録され、早速代走で同点のホームを踏んだ。歓喜の瞬間を迎えるまで、背番号7はグラウンドを疾走する。 (花里雄太) 松井の引退に西武・辻監督 「実績はもちろん、ファンに愛されプレーできたのは素晴らしいこと。若い選手の相談相手になってくれたり、監督としても本当に感謝している」 同じく西武・中村 「偉大な選手。残り試合、一緒に優勝に向けて戦いたい」 同じく西武・栗山 「背中でしごかれたというか、練習量のすごさを目の当たりにした」 松井と親交のあるヤクルト・山田哲 「食事して会話させてもらったことがすごく勉強になった。何歳になっても成長してる姿はすごいと思う」 PL学園高の先輩、ヤクルト・宮本ヘッドコーチ  「残り少ないPLの選手だったので、1年でも長くと思っていた。チームの優勝もかかっているし『気を抜かずにやれよ』とは伝えた」 楽天時代にチームメートだったヤンキース・田中  「稼頭央さんと一緒にプレーし、日本一になれたことは、僕の野球人生にとって、かけがえのない思い出の一つです」

◆西武は27日、ソフトバンク22回戦(メットライフ)に7-5で逆転勝ちし、11連勝で優勝へのマジックナンバーを2つ減らして「3」とした。1点を追う八回に秋山翔吾外野手(30)が、バックスクリーンに逆転の23号3ランをほうり込み、試合を決めた。今カード3連戦3連勝なら、29日に1998年以来20年ぶりとなる地元での胴上げが決定。13連勝で1958年の劇的フィナーレを再現する。  グングンと伸びた打球を見ながら、秋山は右手の人さし指を天に突き上げた。  「何とかしたいと思っていた。(右手は)テンションが上がり切ってしまって恥ずかしい。自分らしくないし、もうしません(笑)」  1点を追う八回、二死からメヒアが四球を選ぶと、試合前に引退記者会見を行った松井が代走で登場した。レオ党が万雷の拍手で迎える中、続く金子侑も遊撃内野安打でつないでボルテージは最高潮。そこで打席に立ったのが秋山だった。  対峙したのは、5月24日に自身が3ランを放って以来、42試合連続で自責点のない難攻不落の"左キラー"嘉弥真。「駄目なら駄目と腹をくくっていった」。カウント1-1から、甘く入ってきたスライダーを一閃。バックスクリーンに白球が吸い込まれると、メットライフドームは興奮のるつぼと化した。  ベンチ前では、六回に自らの失策でピンチを広げた山川に熱く抱擁された。逆転打を浴びた平井は野球人生で初めて号泣し「自然と涙が出てきた。本当に救われました。神様、仏様、秋山様です」と感謝。秋山も「シーズン中に、あれだけの出迎えはなかなかない。このチームでやっている充実感がある」と喜びに浸った。  15-17日に3連戦3連勝で退けた2位・ソフトバンクとの10日ぶりのマッチアップ。西武は14日から10連勝。ソフトバンクも西武戦後は7連勝と、ともに1試合も落とさずに決戦を迎えた。  この日の昼に行われた引退会見で、松井は「打てる、走れる、守れる、これだけタレントがそろう時代はない」とチームメートを絶賛していた。半日後、チームは言葉通りの力強さを見せ、12球団トップとなる今季39度目の逆転勝ちを収めた。  25日の楽天戦(楽天生命パーク)では、2点を追う九回にプロ初となる満塁弾で劇的な逆転勝ちを呼び込んだ秋山。2戦続けての劇弾に辻監督も「打った瞬間に入ると思った。鳥肌が立ったよ。勢いなのか、力なのか。両方あるからこういう結果になっているんだろう」と目尻を下げた。  3連戦3連勝なら1998年以来、20年ぶりとなる地元Vが決定。13連勝での胴上げは、くしくも辻監督が生まれた58年以来60年ぶりの劇的フィナーレだ。確かな勢いと本物の力が、今の西武には備わっている。 (花里雄太) 二回の先制3ランに西武・森 「(連続四球の後で)心理的にストライクが欲しい場面。初球から振っていこうと思っていた。完璧です」 八回に代走で出場し、秋山の逆転弾で生還した西武・松井 「僕のことは別に。秋山はさすが。きょう勝ってよかった」

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
西武
83502 0.624
(↑0.003)
M3
(↑2)
8764
(+7)
626
(+5)
189
(+3)
127
(+1)
0.275
(-)
4.31
(-)
2
(-)
ソフトバンク
75561 0.573
(↓0.004)
7
(↓1)
11634
(+5)
541
(+7)
189
(+1)
78
(+1)
0.269
(-)
3.94
(↓0.03)
3
(-)
日本ハム
69623 0.527
(↑0.004)
13
(-)
9559
(+2)
557
(+1)
136
(-)
85
(+1)
0.251
(-)
3.84
(↑0.03)
4
(-)
ORIX
61725 0.459
(↓0.003)
22
(↓1)
5515
(+1)
553
(+2)
100
(+1)
93
(-)
0.242
(-)
3.74
(↑0.01)
5
(-)
ロッテ
56713 0.441
(↓0.003)
24
(↓1)
13495
(-)
562
(+9)
67
(-)
117
(+1)
0.25
(↓0.001)
3.99
(↓0.04)
6
(-)
楽天
55773 0.417
(↑0.005)
27.5
(-)
8495
(+9)
559
(-)
125
(+2)
62
(-)
0.242
(↑0.001)
3.86
(↑0.02)