1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
日本ハム | 1 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 4 | 1 | 1 |
楽天 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 6 | 0 | 0 |
勝利投手:マルティネス(10勝8敗0S) (セーブ:石川 直也(1勝2敗12S)) 敗戦投手:藤平 尚真(3勝6敗0S) 本塁打 |
◆日本ハムは初回、中田の犠飛で先制する。同点とされた直後の2回表には、淺間が2ランを放ち勝ち越しに成功した。投げては先発・マルティネスが7回1失点の好投で今季10勝目。敗れた楽天は、先発・藤平が試合をつくるも、打線が1得点とつながりを欠いた。
◆日本ハム中田翔内野手が王、清原を抜いた。 1死一、三塁の好機で、右方向へきっちりフライを打ち上げて先制の犠飛をマークした。 これで中田は今季12本目の犠飛。シーズン11本で並んでいた78年王(巨人)、98年清原(巨人)らを抜いて、91年原(巨人)や95年江藤(広島)と並んで2位タイに浮上した。歴代1位は70年大杉(東映)のシーズン15本。
◆8日に続いて、試合前に楽天、日本ハム両球団の監督や選手らによって、北海道胆振東部地震の義援金募金が行われた。この日は中村稔審判員と秋村謙宏審判員も募金活動に参加した。 11年の東日本大震災などでも、審判員は募金活動に参加してきた。中村稔審判員は「大変な事が起きているので、みんなで協力していきたい」。ちなみに両審判員は、選手として日本ハムに在籍していた。「それは、たまたまです」と話した中村稔審判員は82年から86年まで、秋村謙宏審判員は96年から97年まで日本ハムでプレーした。
◆日本ハム浅間大基外野手が、また母校・横浜高の後輩から本塁打を放った。 1-1の2回2死一塁。横浜高で2学年後輩の楽天先発藤平から、右翼席へ勝ち越しの3号2ランを放った。「試合の流れが微妙だったので、何とかしたいと思っていました」。 札幌ドームで前回対戦した8月24日にも先頭打者本塁打となる2号ソロを放っていた。「(藤平は)得意なイメージはないんですけれど、チームのために打てたことは良かったです」と、喜んだ。
◆両チームが2戦続けて試合前に募金を呼びかけた。この日は計3885人が参加し、120万3105円が集まった。 初日の8日は計3895人が参加し、135万6874円が寄付された。2日間の合計は7780人で、255万9979円となった。
◆日本ハムが序盤のリードを守りきり、北海道胆振東部地震発生後の初勝利を挙げた。 初回に中田の犠飛で先制。その裏に追いつかれたが、2回に浅間が決勝の3号2ランを放った。 先発マルティネスは雨でぬかるむマウンドに苦しみながらも、集中力は切れずに7回1失点(自責0)で10勝目。8回からは宮西、浦野、石川直とつなぐ勝利の方程式が無失点リレーした。 栗山英樹監督は「選手たちが(自分たちの置かれている状況を)一番理解して、一生懸命やって、少しでも(被災者に)喜んでもらいたいとやっていた。みんなが自分の使命を感じて、やってくれているのはベンチにいても分かる。みんなよく頑張ってくれた」と選手の踏ん張りをたたえた。
◆日本ハムが全員の思いを1つにして逆転優勝へリスタートした。 3-1の9回2死。中堅西川が飛球を捕球すると、栗山監督は「ヨッシャー」と叫び、かしわ手を打った。6日未明に発生した北海道地震から2戦目での白星。「少しでも(北海道の被災者に)喜んでもらいたいと何とかしようと、みんなの気持ちが勝ちにつながった」と言った。 中田が勝利への執念を体現した。初回1死一、三塁で先制犠飛を放った。プロ野球記録まであと3本となる歴代2位のシーズン12本目の犠飛に「ハルキ(西川)やコンちゃん(近藤)が楽な状況を作ってくれたので何とかしたいと思った。あそこは犠牲フライを狙って打った」。5回にはダイビングキャッチを試みてユニホームを泥だらけにし「僕らの試合で、どこまで勇気が与えられるか分からないけど自分たちには野球しかない。試合を見ているどころじゃない人もいるかもしれないけど、勝って良かったね、という試合をしたい」とチームの思いを代弁した。 今回は選手も被災した。試合に臨むことに戸惑いを見せる選手もいた。さまざまな思いを抱えながら、プロ野球選手としての使命を全うすべく全力を尽くしている。栗山監督は「こういう時に何とか勝たなきゃいけないという思いが、勝ちにつながったのは間違いない。そういう選手たちであってくれることがうれしい」。残り21試合。首位西武とは5・5差。日本ハムは力強く、戦い続ける。【木下大輔】
◆冷たい雨が降る厳しい環境を、強い気持ちではね返した。日本ハムのニック・マルティネス投手(28)が7回を5安打1失点(自責0)で10勝目。来日1年目の助っ人投手としては、10年ケッペル以来、8年ぶりの2桁勝利を手にし「この困難の中、ファンの皆さんと僕らは、同じ体験をしているひとつの仲間。この1勝をファンが喜んでくれたら」と、願った。 ぬかるむマウンド、ぬれる指先、そして視界を遮る激しい雨。「難しいコンディションだったので、天候に左右されないよう、集中力を切らさずに投げた」。先頭打者に安打を許した1回こそ守備の乱れもあって1点を失ったが、味方が勝ち越した2回以降、走者を出しながらも粘り強く要所を締めた。 6日未明に発生した地震を思い出すと、今でも恐怖が込み上げる。地震が多い米国カリフォルニア州出身のレアード、トンキンら同僚助っ人たちと違い、フロリダ生まれのマルティネスにとっては人生で初めて経験する大きな揺れだった。「地震が起こると津波が発生するという予備知識があったので、怖かった」。すぐに、米国へ戻っていた妻と子どもに連絡し「大丈夫」と伝えた。 停電で部屋は真っ暗。水は出たけれど、食糧が何もなかった。札幌市内の同じマンションに住むレアードの部屋に避難すると、そこには温かな空間が。ハロウィーン・パーティーのために用意していたキャンドルに明かりをともし、豚肉とライスを合わせたレアードの手料理を食べると、不安でいっぱいだった心も、おなかも満たされた。キャンドルを囲み、トランプなどに興じて夜を明かした。 「北海道は僕のホーム。北海道としても、大きな勝利になったね」。地震発生から3日目。恐怖に震えた第2の故郷に、笑顔を届けた。【中島宙恵】
◆日本ハムは楽天との接戦を制した。6日に北海道で発生した地震の影響で、チームの合宿所が停電、7日の楽天戦が中止なるなど影響が出る中、白星を地元に届けた。同点の二回に浅間大基外野手(22)が3号2ランを放って勝ち越し。投げては先発のニック・マルティネス投手(28)が7回5安打1失点と好投し、10勝目(8敗)を挙げた。ドラフト1位ルーキーの清宮幸太郎内野手(19)=早実高=は6番・DHで先発出場したが、4打数無安打に終わった。 楽天は藤平、日本ハムはマルティネスが先発した。一回、日本ハムは一死一、三塁で中田が右犠飛を放って先制した。楽天はその裏、一死一、二塁でウィーラーが左前適時打を放って同点とした。 日本ハムは二回、二死一塁で浅間が右翼席へ3号2ランを放って3-1とした。日本ハムは終盤、八回を宮西と浦野で無失点。九回も石川直が無失点で締めた。 決勝打の浅間は「序盤だったので流れが悪かったので、後ろにつなごうと思った結果です」と笑顔を見せた。また横浜高の後輩・藤平から放った一発に「たまたま、次も打ちたい」と振り返った。これでチームは震災後、初白星。「チーム一丸となってなんとか勝利を届けたいという思いでやっている。本当に野球ができていて幸せ。その気持ちを持って勝ちに向かってやっていきたい」と力強く語った。
◆楽天の藤平は6四球と制球に苦しみ、6回2安打3失点で6敗目を喫した。一回一死から西川に四球を与えて二盗を決められ、近藤に安打、中田に犠飛を許して1点を先制された。同点としてもらった直後の二回は先頭打者を四球で出して浅間に2ランを浴び「点をもらった後の失点で流れを相手に渡してしまった」と肩を落とした。 走者がいない場面でもセットポジションから投げるなど修正し、三回以降は無安打に抑えたが、序盤の失点が響いた。「立ち上がりを抑えられれば勝ち星も増えていくと思う」と課題を挙げた。 平石監督代行(制球が乱れた藤平に) 「悪いところが出た。期待しているからこそ厳しい評価になる」 ウィーラー(一回に適時打) 「追い込まれていたから食らいついた」
◆楽天は9日、楽天生命パーク宮城での日本ハム戦の試合前に北海道地震の被災地を支援するための募金活動を行い、3885人から120万3105円が集まったと発表した。8日に集まった分とあわせた計255万9979円を楽天クラッチ募金「北海道地震被害支援募金」に充てる。 楽天の平石洋介監督代行、日本ハムの栗山英樹監督や両チームの選手に加え、審判員も希望して参加し、ファンに募金を呼びかけた。
◆日本ハムの中田が一回一死一、三塁で右へ先制犠飛をマークした。今季12犠飛として1975年の佐々木(近鉄)に並んでパ・リーグ2位に浮上。セ・リーグで11本だった78年の王や98年の清原(ともに巨人)を抜き、プロ野球記録まであと3本とした。 今季の打点も99に伸ばし、2年ぶりの100打点も目前に。「1点が欲しい場面。犠飛を狙って打ちにいけたので良かった」と喜んだ。
◆日本ハムのマルティネスが7回5安打1失点と好投し、来日1年目で10勝目に到達した。雨の悪条件で、我慢強く打たせて取った。 北海道の地震発生後、初めての勝利をたぐり寄せ「チームにとっても大きな一勝。北海道にとっても大きな一勝。自分のホームだと思っている」と話した。 栗山監督(北海道地震発生後、初勝利) 「みんなが自分の使命みたいなものを感じてやってくれている。こういうときに何とか勝たないといけないんだという思いが、勝ちにつながった」
◆浅間が、1-1の二回に決勝の3号2ランを放った。相手先発・藤平は横浜高の2学年後輩。4日以来の先発出場で1番に入り、結果を出した22歳は「真っすぐがいい投手なので狙っていた」と139キロの直球を右翼スタンドへ運んだ。8月24日の楽天戦(札幌ドーム)でも藤平から本塁打を放っており、先輩が勝負強さを見せつけた。
◆先発した藤平の本拠地初勝利はお預け。6回3失点で6敗目を喫し、昨季から本拠地では7戦全敗となった。味方が同点に追いついた直後の二回、浅間に2ランを被弾。「自分が相手に流れを渡した」と反省した。平石監督代行は、6四球の制球難に「期待しているからこそ厳しい評価になる」と、眉間にしわを寄せた。
◆日本ハムは9日、楽天21回戦(楽天生命パーク)に3-1で勝利。6日の北海道胆振(いぶり)東部地震発生後としては2試合目で初白星を挙げ、被災地にパワーを届けた。一回に主将の中田翔内野手(29)が先制の右犠飛。4番の仕事を果たし、今季12個目の犠飛でシーズン歴代2位の記録に並んだ。 力みなく振り抜いた打球は、高々と右方向へ上がった。一回一死一、三塁で、中田は三走・西川の生還に十分な飛球を打ち上げた。冷たい雨が降り続く中でも冷静に自分の仕事に徹し、犠飛で1点を先制した。 「楽な状況を作ってくれたので、狙って打ちにいった。その通りになってよかった」 前日8日は4-9で敗れただけに、何としても先制点がほしかった。一死から四球で出た西川がすかさず二盗し、近藤が二塁内野安打で広げた好機。「一番はみんながチャンスを作ってくれたこと」と中田。仲間がつないでくれた場面を、無駄にしなかった。 最大震度7の地震発生からこの日で3日。7日の中止、8日の大敗を経て、ようやく白星をつかんだ。「勇気を与えられているか分からない。試合どころじゃない人も多い」と葛藤もある中でも、主将は「勝ちをプレゼントしたい」と被災地へ思いをはせた。 チームのために、そして北海道のために-。自分勝手に振り回すスタイルでないことは、数字が証明している。犠飛は今季12個目となり、1991年の原辰徳(巨人)らのシーズン歴代2位に並んだ。高い得点への意識があるからこその結果。今季積み上げた打点は99となり、栗山監督は「翔が4番の仕事を果たした。強引さがなかった」と目を細めた。 11、12日に予定されていた札幌ドームでのロッテ2連戦は中止となり、チームはその間、千葉・鎌ケ谷市の2軍施設で調整することがこの日決まった。急な変更や移動で難しい調整となるが、中田は「苦しんでいる人もいる。当たり前のことをしっかり準備したい」と話した。首位・西武には5・5ゲーム差。逆転優勝の可能性は、十分に残っている。 (伊藤昇) 北海道で地震発生後、初勝利に日本ハム・栗山監督 「みんなが自分の使命みたいなものを感じてやってくれている。こういうときに何とか勝たないといけないんだという思いが、勝ちにつながった」 ★この日も募金活動 楽天は、楽天生命パークでの日本ハム戦前に北海道の地震の被災地を支援するための募金活動を行い、3885人から120万3105円が集まったと発表した。前日8日に続き、楽天・平石監督代行、日本ハム・栗山監督らが呼び掛けた。8日の分とあわせた計255万9979円を楽天クラッチ募金「北海道地震被害支援募金」にあてる。
<パ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (-) |
西武 |
71 | 49 | 2 | 0.592 (↑0.004) | (-) |
21 | 674 (+6) | 577 (+2) | 163 (-) | 116 (+1) |
0.274 (-) | 4.4 (↑0.02) |
2 (-) |
ソフトバンク |
66 | 52 | 1 | 0.559 (↑0.003) | 4 (-) |
24 | 565 (+1) | 485 (-) | 173 (-) | 70 (-) |
0.266 (-) | 3.89 (↑0.04) |
3 (-) |
日本ハム |
65 | 54 | 3 | 0.546 (↑0.004) | 5.5 (-) |
21 | 522 (+3) | 497 (+1) | 130 (+1) | 80 (+2) |
0.253 (↓0.001) | 3.72 (↑0.03) |
4 (-) |
ORIX |
56 | 64 | 5 | 0.467 (↓0.004) | 15 (↓1) |
18 | 462 (-) | 499 (+1) | 90 (-) | 82 (-) |
0.239 (-) | 3.73 (↑0.02) |
5 (-) |
ロッテ |
54 | 63 | 3 | 0.462 (↓0.004) | 15.5 (↓1) |
23 | 464 (+2) | 509 (+6) | 61 (+1) | 109 (+2) |
0.253 (-) | 3.93 (↓0.02) |
6 (-) |
楽天 |
50 | 69 | 3 | 0.42 (↓0.004) | 20.5 (↓1) |
21 | 439 (+1) | 495 (+3) | 113 (-) | 57 (-) |
0.241 (-) | 3.78 (-) |
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