西武(☆7対6★)ORIX =リーグ戦18回戦・メットライフ=
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 123456789 10
ORIX
60000 0000 0683
西武
01100 2020 781
勝利投手:マーティン(1勝0敗0S)
敗戦投手:岩本 輝(1勝1敗0S)
  DAZN
◆西武は2点を追う8回裏、森と中村の適時二塁打で試合を振り出しに戻す。そのまま迎えた延長10回には、森が再び適時二塁打を放ち、サヨナラ勝利を収めた。投げては、3番手・マーティンが来日初勝利。敗れたオリックスは、投手陣が序盤のリードを守れなかった。

◆西武源田壮亮内野手(25)はここまで両リーグ最多の29盗塁。新人だった昨季は37盗塁を記録しており、2年連続のシーズン30盗塁へあと1と迫っている。  新人から2年連続で30盗塁以上となると小坂(ロッテ)以来、プロ野球7人目の記録となる。

◆オリックスが首位・西武を相手に初回、6点を奪う猛攻を見せた。先頭の宮崎が2球で2ストライクと追い込まれながら、そこからきわどいコースを見極めて四球で出塁。小田も中前にはじき返し、西武多和田の暴投もあって無死二、三塁の絶好機を迎えた。  ここで中島のゴロを、相手二塁の浅村が本塁に悪送球。2人がかえり、なおも吉田正の安打などで無死一、三塁と好機は続いた。そこから伏見、白崎、安達の適時打で一気に4点を追加。6点を先制した。  伏見は「チャンスだったので、ゾーンを上げて積極的に打とうと思っていました。ノーアウトでしたし、なんとか三塁ランナーだけでもかえしたかったので、いいところに落ちてくれてよかったです」と、右翼線に落ちた適時打を振り返った。

◆独立リーグBC福井からオリックスに移籍した岩本輝投手(25)が、初黒星を喫した。6-4の8回、4番手の山本が2点リードを追いつかれ、岩本は9回から登板し、3人を完全に抑えた。  延長10回、味方打線は無死一塁をバント失敗と一塁走者の飛び出しでつぶし、岩本はその裏もマウンドに上った。先頭の浅村を三塁ゴロに打ち取りながら、三塁・大城からの送球を受けた一塁の白崎が落球。続く山川の三塁ゴロも、併殺を取りきれずに打者走者の山川が一塁に残った。1死一塁で、岩本は森に左中間へのサヨナラ打を打たれた。  7月27日日本ハム戦の初登板から10試合目で、イニングをまたいだのは初。「2イニング任せてもらえて、チャンスだと思った。それだけに抑えたかったです」と悔しがった。

◆西武が6点差を逆転し、今季6度目のサヨナラ勝ちを決めた。初回に先発多和田が6点を失うも、2点差まで追い上げた8回に、中村剛也内野手の適時二塁打で同点。延長10回1死一塁から、森友哉捕手が今季3本目のサヨナラ打となる適時二塁打を放った。  殊勲の森は「(左中間を)抜けるとは思わなかったですが、会心の当たりでした。打ててよかった」と満面の笑み。守備でも1回に6失点した多和田を懸命にリード。2回以降は追加点を許さなかった。「カード頭ですし、流れを相手にいかせたくない。(多和田と)話し合いながら、リードできました。バットで返したい思いもありましたけど、それより今日は(2回以降は)絶対点をやらない、という気持ちが強かった」と明かした。  2位日本ハムとのゲーム差は6。辻発彦監督は「1勝以上のものがある」と目を細めた。打線の頑張りや、多和田の粘投を評価した上で、8回の中村の同点打を称賛。「あれがなかったらね。粘り強く、どうにかしようと(チームの)気持ちが1つになった」と、ベテランの一打をたたえた。

◆ヘッドスライディング3連発で、西武が今季6度目のサヨナラ勝ちを決めた。延長10回に森友哉捕手(23)が今季3本目のサヨナラ打となる適時二塁打。1回に先発多和田真三郎投手(25)が6点を失う逆境も、真夏の山賊たちは決してあきらめず、ひっくり返した。2位日本ハムに今季最大タイの6ゲーム差を付け、西武は18日にも優勝へのマジックが点灯する。  最後は山川が頭から飛び込んだ。延長10回1死一塁。森の打球が左中間を破り一塁から巨体を揺らして全力で走った。サヨナラのホームに生還したユニホームは泥だらけ。この回2度目のヘッドスライディングに「ギリギリだと思って走ってました。きつかったですけど...。(ヘッドスライディングは)今までないと思う。極力しないようにとは思ってますが、こうなったら関係ない。気持ちの問題」とうなずいた。  主将と4番のあきらめない姿勢が劇勝を呼び込んだ。まずは浅村。10回先頭で打球は三ゴロ。アウトのタイミングと思われたが、迷わず頭から滑り込んだ。キャプテンの「何とかしよう」という気持ちに押されたか一塁白崎がまさかの落球。足掛かりを作った。そして山川。三塁正面への打球に併殺打もよぎったが「無我夢中。何とか1人生き残ろうと。(浅村の走塁も)頭に当然ありました」とド迫力のヘッドスライディングでゲッツーを阻止した。  先輩2人のそんな姿に、森が燃えないわけがなかった。「浅村さんの(走塁)ですごいスイッチが入った。山川さんまでするとは思わなかったですけど絶対打たないといけないと思った」。勢いそのままに、初球のフォークをはじき返した。一塁から激走する山川は視界に入っていたが「なかなか進んでいなくて、どうかなと思ったけど、勝ててよかった」と満面の笑みをみせた。 初回に大量6失点。劣勢を強いられたが、誰も下を向かなかった。自らの悪送球で2点を与えていた浅村は「自分のエラーから始まったので、最後まで絶対気持ちを切らず、何とか1点ずつ返していけば追いつける」と信じた。山川も「2回以降はサブロー(多和田)がゼロで抑えてくれた。あきらめない気持ちがあれば、いい方向にいくことが多い」と力を込めた。 点差は関係ない。必ずひっくり返す。辻監督は「チームの状態がいいのは大きな目標があるから。今日は1勝以上のものがある」とたたえた。目標=10年ぶりの優勝。最短で18日にもマジックが点灯する。このまま一気に、ゴールテープを切る。【佐竹実】
 ▼西武が6点差を逆転して今季6度目のサヨナラ勝ち。6点差以上の逆転勝ちは4月18日日本ハム戦(0-8→9-8)に次いで今季2度目で6点差以上の逆転勝ちをシーズン2度記録するのは03年以来、15年ぶり。8点差を逆転した日本ハム戦も最後は森がサヨナラ二塁打を放っており森のサヨナラ打は7月26日オリックス戦を加えて今季3本目。西武でシーズンにサヨナラ安打を3本打ったのは02年松井以来、16年ぶり。

◆オリックスは10年ぶりの屈辱的な敗戦で5位に転落した。  初回、6点を先制。だが先発アルバースが来日ワーストの3発被弾で6回途中4失点で降板。6-4の8回は三塁・大城の一塁悪送球でピンチを招き、山本が同点打を浴びた。延長10回無死一塁はバント失敗でつぶし、その裏に一塁・白崎の落球で先頭打者を出した揚げ句に森にサヨナラ打を許した。  福良監督は「あれだけミスが出たらダメでしょう。両方とも」と攻守のミスを指摘。6点リードを逆転されての敗戦は08年5月17日ロッテ戦以来。今季初の5連勝も逃した。

◆西武は多和田、オリックスはアルバースが先発した。オリックスは一回、先頭の宮崎が四球、小田が中前打を放ち、暴投で二、三塁。中島の二ゴロ失策の間に2点を先制した。さらに吉田正が中前打で一、三塁とし、伏見が右前適時打、白崎が中前適時打。さらに一死二、三塁で安達が左前2点打を放ち、この回6点を奪った。  西武は二回、二死から外崎の右中間越え15号ソロで1点を返した。三回には先頭のメヒアが左越え9号ソロを放ち、4点差。六回には山川が中越え32号2ランを放ち、2点差とした。

◆西武のメヒアが2試合連続で先発出場し、11試合ぶりとなる9号ソロを放った。1-6の三回、先頭打者でアルバースの速球を豪快に振り抜き、左翼席にたたき込んだ。8月初アーチを「いいホームランが出てハッピーだよ」と喜んだ。  今季は一塁の定位置を山川に奪われ、下位打線を打つことが多い。久々に2014年本塁打王の本領を発揮した。

◆西武がサヨナラ勝ちした。一回に失策などで6点のリードを許したが、3本の本塁打で2点差に追い上げ、八回に森と中村の適時二塁打で追い付き、延長十回に森の適時二塁打で試合を決めた。オリックスは連勝が4で止まった。

◆オリックスの福良監督は今季5戦5敗と苦手にしていた多和田から一回に一挙6点を奪いながら、攻守のミスから逆転負けし「あれだけミスが出たら駄目でしょう」と苦言を呈した。  6-4の八回に三塁手の大城の悪送球が絡んで同点とされる。延長十回には無死一塁で小田がバントを失敗して先頭打者の出塁を生かせない。その裏の守備では先頭打者を打ち取りながら一塁手の白崎の失策でサヨナラにつながる走者を出した。福良監督は「きっちりやっていかないと、勝ちは拾えない」と険しい表情だった。 伏見(一回に右前適時打) 「チャンスだったので、ゾーンを上げて積極的に打とうと思っていた」 アルバース(六回途中4失点) 「調子自体は悪くなかったが、失投をホームランにされてしまった。リリーフ陣にも迷惑を掛けてしまった」 白崎(2失策) 「自分のミスなので、練習してやるしかない」 大城(八回の失策に) 「ミスをしてしまうと流れが変わる。ピッチャーに申し訳ない」 岩本(7月に加入して10試合目の登板で初黒星) 「任されたイニングを抑えたかった」

◆7月に加入した西武のマーティンが、3試合目の登板で来日初勝利を手にした。6-6の延長十回に登板して無失点で切り抜けると、その裏にチームがサヨナラ勝ちし「野手が点を取ってくれた。感謝したい」と喜んだ。  本拠地で初めてお立ち台に上がった。「すごく興奮している。ファンからたくさん力をもらった」と話し、歓声を浴びた。 外崎(二回に15号ソロ) 「粘って、うまくすくい上げることができた。手応えは良かった」

◆先発した多和田は8回6失点で勝ち負けつかず。今季ここまで5戦全勝のオリックスに一回、いきなり6点を奪われたが、その後は立ち直って二回からは無失点。「なんとか粘って投げられた。大量失点はもったいない」と反省した。勝てばハーラートップのボルシンガー(ロッテ)に並ぶチャンスだったが、次回以降にお預けとなった。

◆西武の森友哉捕手(23)が14日、オリックス18回戦(メットライフ)で延長十回に決勝の左中間適時二塁打を放ち、7-6のサヨナラ勝利に貢献した。シーズン3度目のサヨナラ安打は球団タイ記録で、2002年の松井稼頭央以来、16年ぶりの快挙。夏の甲子園では春夏連覇を目指す母校の大阪桐蔭高が勝ち進む中、最大6点差をはね返して逆転勝ち。2位・日本ハムと6ゲーム差に広げた。  試合を決める! 強い思いがバットに乗り移った。6-6の同点で迎えた延長十回。森が外角低めのフォークを弾き返し、打球は左中間を真っぷたつ。一走・山川がヘッドスライディングで生還するのを見届けると、ヘルメットをほうり投げて喜びを爆発させた。  「何点差でも常にあきらめない気持ち。鳥肌が立った。会心の当たりでした」  一回に先発の多和田がまさかの6失点。それでも諦めずにひっくり返すのが"獅子おどし打線"だ。外崎、メヒア、山川の一発で詰め寄ると、八回に森、中村の適時二塁打で同点に追いついた。女房役として大量失点の責任も感じていたが、打棒で取り返した。  熱い気持ちがつながった。十回、先頭の浅村が果敢にヘッドスライディングで一塁の失策を誘うと、続く山川も三ゴロで頭から飛び込み、併殺を阻止した。浅村は「何とかしたかった」。山川も「人生初。体重があってケガをするので普段はしないが、こういう場面は関係ない」。高校球児のような気迫のプレーに、森も「スイッチが入った」と発奮した。  シーズン3度目のサヨナラ安打は球団タイ記録で、松井以来16年ぶり。大下弘、秋山幸二ら大先輩に並ぶ快挙。西武で一回6失点から逆転勝利を飾ったのは61年4月以来、57年ぶりだ。辻監督も「今年はいいところで森に回る。1勝以上のものがある」と絶賛した。  母校の大阪桐蔭高は甲子園で史上初となる2度目の春夏連覇を目指している。2012年に2年生捕手として最初の連覇を経験した森はお立ち台で、「(大阪)桐蔭も優勝すると思うので、自分たちも優勝します」と絶叫した。頂点を目指す獅子の勢いは止まらない。 (伊藤昇)

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
西武
613910.61
(↑0.004)
0
(-)
42573
(+7)
476
(+6)
141
(+3)
101
(-)
0.274
(↓0.001)
4.36
(↑0.01)
2
(-)
日ハム
554520.55
(↓0.006)
6
(↓1)
41441
(+1)
412
(+3)
111
(-)
67
(+1)
0.248
(↓0.001)
3.69
(↑0.01)
3
(-)
福岡
494810.505
(↑0.005)
10.5
(-)
45438
(+2)
428
(+1)
140
(-)
62
(+2)
0.259
(-)
4.19
(↑0.04)
4
(↑1)
ロッテ
465030.479
(↑0.005)
13
(-)
44387
(+3)
409
(+1)
50
(-)
92
(-)
0.254
(-)
3.79
(↑0.04)
5
(↓1)
ORIX
485340.475
(↓0.005)
13.5
(↓1)
38395
(+6)
414
(+7)
78
(-)
70
(-)
0.241
(-)
3.67
(-)
6
(-)
楽天
445720.436
(↓0.004)
17.5
(↓1)
40374
(+1)
405
(+2)
96
(-)
51
(-)
0.243
(-)
3.67
(↑0.01)