中日(★0対2☆)巨人 =リーグ戦17回戦・ナゴヤドーム=
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巨人
00020 0000 250
中日
00000 0000 060
勝利投手:今村 信貴(3勝2敗0S)
敗戦投手:山井 大介(3勝5敗0S)
  DAZN
◆巨人は4回表、マギーのソロで先制に成功する。さらに2死一塁からマルティネスの適時二塁打が飛び出し、この回2点を奪った。先発・今村は9回無失点の快投。プロ初完封で今季3勝目を挙げた。敗れた中日は、先発・山井が試合をつくるも、打線が援護できなかった。

◆中日が今季7度目の完封負けを喫した。先発山井大介投手が7回2失点と粘ったが、打線が8回まで二塁を踏めず。9回2死一、二塁もアルモンテが中飛に倒れ、巨人先発左腕今村にプロ初完投、初完封を献上した。  「こういうときもある。(山口俊、菅野と)右のいい投手を見てからの左だったから、こういうこともある。チャンスを作りながら、苦しめたら良かったんだけど。タラレバになる。終わったものは仕方がない。荷物を出して、次に向かいます」。3カードぶりの負け越しにも、森監督は淡々と話した。

◆18歳の夏に掲げた決心が、ようやく実った。巨人今村信貴投手(24)が初完封勝利を挙げた。直球と50キロ以上の緩急差がある80キロ台のスローカーブを有効に使い、中日打線を6安打に抑えた。プロ1年目の12年8月30日の2軍戦でノーヒットノーランを達成した経験はあるが、球団史上最も遅い入団7年目で「1軍での完封」をついに果たした。  ▼7年目の今村がプロ初完封。これまで巨人に入団した投手で初完封が遅かったのは75年入団の定岡が80年10月15日広島戦で記録した6年目で、プロ7年目の初完封は定岡を抜いて球団史上最も遅い記録となった。今村は与四死球が0。巨人では06年9月3日姜建銘が来日初完封を無四死球でマークしたが、日本人投手でプロ初完封を無四死球で飾ったのは99年9月14日上原以来、チーム19年ぶり。

◆18歳の夏に掲げた決心が、ようやく実った。巨人今村信貴投手(24)が初完封勝利を挙げた。直球と50キロ以上の緩急差がある80キロ台のスローカーブを有効に使い、中日打線を6安打に抑えた。プロ1年目の12年8月30日の2軍戦でノーヒットノーランを達成した経験はあるが、球団史上最も遅い入団7年目で「1軍での完封」をついに果たした。  追い続けた最後の「0」を、ようやく並べられた。9回。今村は簡単に2死を取った。だが、連打を浴びて一、二塁。完封勝利目前で、サヨナラ負けのピンチを招いた。「1発でサヨナラという頭はあった。低く、慎重にと意識しました」。迎えた中日アルモンテ。2球目、外角低めのフォークで芯を外した。中飛でヤマ場を切り抜けると、捕手小林へ飛びつくようにタッチを求めた。  18歳の時から、この日のために歩を進めてきた。12年8月30日のジャイアンツ球場。刈り込まれた短髪の左腕が、イースタン・リーグ日本ハム戦でノーヒットノーランを達成した。高卒新人では28年ぶりの快挙。しかし試合後、当時2軍担当だった木村投手兼トレーニングコーチと黙々と外野を走った。約40分間、足音とセミの鳴き声だけが夕闇に響いた。「まだまだプロで通用するとは思っていない。いつか1軍の試合を1人で投げきれる投手になりたい」。余韻よりも、明日への1歩を求め続けた。  そこから、6年の歳月は平らではなかった。1軍と2軍を行き来し、今季は3軍からのスタート。昨季は2軍最多勝を獲得するも1軍で結果を残せず、メンタルトレーニングを導入。「なぜ打たれるのか」と紙にしたためて、必死にはい上がってきた。根本にあるのは、あの日、ジャイアンツ球場の外野を並走してくれた木村コーチからの言葉。「投手は投げ終わったら、すぐに次の登板に向けた準備をしないといけない。勝とうが負けようが関係ない」。再び訪れる登板に、ただ愚直に向かい続けた。  抱いた大志はようやく結実した。高橋監督は「今日はいい結果が出たので、さらに1歩上に行ってくれたらいい」と期待を込めた。たどり着いた完封劇に「最高です」と口にした。左腕は一瞬だけ笑みを見せ、また次の試合に向かう。【島根純】

◆巨人は先発した今村信貴投手(24)が中日打線を6安打に抑え、プロ初完封で3勝(2敗)を挙げた。球数は121、6奪三振、無四球でチームの勝利に貢献した。  プロ7年目の今村が敵地で躍動した。電光掲示板にゼロを並べた九回二死からビシエド、平田に連打を浴びたが、最後はアルモンテを中飛。プロ初完投を完封で飾り、バッテリーを組んだ小林と抱き合って喜んだ。  中日の先発。均衡を破ったのは巨人のマギー、四回、先頭で打席に入ると、左中間に13号ソロを放った。なおも二死一塁でマルティネスが右中間に適時二塁打を放ち、2-0。この後も今村が丁寧にコースを突き、巨人はこのカード2勝1敗と勝ち越した。 今村の話 「やっぱり九回、ピンチになってちょっとやばいと思ってたんですけど、なんとか抑えられてよかったです」

◆巨人は先発した今村信貴投手(24)が中日打線を6安打に抑え、プロ初完封で3勝(2敗)を挙げた。今村は試合後のインタビューで「最高です」と喜びを口にした。  --(プロ初完封を)達成して今の気分は  「最高です」  --最後まで0点に抑えた。しかも無四球  「ストライク先行にいこうと試合前から思っていたので、いい結果になってよかったです」  --僅差の展開。どういう思いの試合途中のマウンドだった  「とにかく一人一人打者と向き合って強気で攻めていこうってずっと思ってました」  --中盤にマギー選手のホームランなどもあっていい2点が入った  「先制していただいたので、もう絶対抑えようと思いました」  --未知のイニングに入ってくるあのあたりはどういう思いだったのか  「やっぱり九回、ピンチになってちょっとやばいと思ってたんですけど、なんとか抑えられてよかったです」  --最後の九回は一発出れば逆転サヨナラのシーンだった  「僕も思ってました」  --しかしそこを見事に抑え切った  「ありがとうございます」  --これからが本当の戦いの8月、9月。今村さんのピッチングがこれ以上にチームにとって大事になってくる  「まだまだチームに貢献できてないので、全力で一試合一試合頑張っていきたいと思います」

◆中日の山井はチームが無安打無得点試合を喫した7月27日の前回登板同様、7回2失点と好投しながら援護に恵まれず黒星を喫した。四回にマギーにスライダーを左中間席に運ばれ、先制本塁打を献上。マルティネスには右中間への適時二塁打を許した。  巨人の今村に投げ負けたベテラン右腕は「このような展開で、1点でも少なくという気持ちで投げた」と語った。 中日・土井打撃コーチ(巨人の今村に) 「球が動いていた。(体の)軸を崩されて打たされた」

◆巨人のマギーが四回に先制ソロを放った。山井のスライダーを捉えて左中間へ運ぶと「フェンス直撃かなと思った」という打球はスタンドへ飛び込んだ。  この日プロ初完封を飾った今村が前回に先発した7月22日の広島戦以来の本塁打だった。その試合では逆転負けしたが、この日は記念の白星をプレゼントする一発となった。 巨人・斎藤投手総合コーチ(今村に) 「いつ代えようかと思っていたが、あの状況では動けない。おまえに任せたというところだった」 荒木(巨人の今村に) 「コントロールがよかった。全球種でストライクが取れていて、絞りにくかった」

◆今季初対戦の今村の前に凡打の山を築き、今季7度目の零敗。三塁すら踏めず、森監督は「(1、2戦目で)山口俊、菅野と右の速い球を見ていたからかな...」と悔しそうだった。3カードぶりの負け越しとなり、7日からは相性の悪い敵地で首位・広島との3連戦。「こういう時もある。終わったものは仕方ない。次に向かいます」と先を見据えた。

◆マギーが四回に先制の13号ソロ。追い込まれた後、スライダーを左中間席へ運んだ。「先頭打者だったので、出塁を意識して、強くスイングできるボールを待っていた」。7月22日の広島戦以来の一発が決勝点となり、「フェンス直撃くらいかなと思ったので、全力で走っていたよ」と喜んだ。

◆巨人は5日、中日17回戦(ナゴヤドーム)に2-0で逃げ切り、2連勝。7年目の先発、今村信貴投手(24)が9回6安打無失点でプロ初完投を完封で飾り、3勝目(2敗)を挙げた。昨季、イースタン・リーグの最多勝(9勝)に輝いた左腕が、ついに"覚醒"。2位のチームは2カード連続の勝ち越しを決め、借金を「1」に減らした。  最後の打者をフォークボールで中飛に打ち取ると、今村は満面の笑みを浮かべ、本塁付近で小林と抱き合った。  「一人一人の打者と向き合って、強気で攻めていこうと思っていた。(九回は)低く、慎重にと意識しました」  八回まで二塁すら踏ませない圧巻の投球。140キロ前後の直球主体で、時折見せる90キロ台の緩いカーブがアクセントとなった。九回二死から連打を浴びても、落ち着いてアルモンテを中飛に仕留めた。これまで7回が最長だったが、121球で無四球完投、初完封のおまけまでついてきた。  昨季はイースタン・リーグの最多勝(9勝)に輝くも、今春のキャンプは故障者や育成選手が中心の3軍スタートだった。高卒2年目に1軍デビューした左腕も気が付けばまわりは年下ばかり。背水の覚悟を決め、本格的にメンタルトレーニングを開始した。体重を4キロ増やし、決め球のスライダーを投げる際に腕を強く振るように改良した。これで今季3勝目。7年目でついに"覚醒"の予感だ。  師匠に続いた。入団時から内海にあこがれ、毎オフの自主トレに同行した。先輩左腕は7月31日のDeNA戦(横浜)で4年ぶりの完封勝利。「しがみついて、1軍に残れるようにお互い頑張ろう」と励まされた。24歳も「2人でローテに入っているのはうれしい。一緒に優勝したい」と先輩に続いた。  今村の完封勝利に高橋監督も「いいテンポで投げてくれた。最後までローテを守ってほしい」とにっこり。これで借金1。酷暑の中で巨人が再び上昇気流に乗り始めた。 (谷川直之)

◆プロ初完投が完封。今村に、そして巨人ベンチに、拍手を送りたいね。  四回に2点を先制後は六、七、八回とチャンスをつぶし、追加点を奪えない。明らかに先発投手の代え時がポイントになる試合。しかも九回二死から連打を浴びた。  さあ、どうする?! ベンチを注視していたら、今村を代える気配はなかった。実はエモトも、同じ考えだった。七回裏に入った時点で、最後まで今村で押すべきだ、と思っていたんだ。  球数も順調で、球威も落ちてはいない。それでも、点差は2点。実績も信頼度も高くない。といって、抑え役の投手は、心もとない...。否定と反語の繰り返しで、ベンチは悩ましかったはず。  そこをこらえて完投させた意義は、大きい。ただでさえ不安定なリリーフ陣の負担を減らす。チーム力もアップする。なにより今村本人が育ち、ローテーション投手として計算が立つようになる。一挙両得どころか、三得、四得。結果的に追いつかれ、逆転されることを覚悟して、今村に賭けてみる価値はあった。  妙な分業制のせいで、完投能力のある投手が育たない。球界の現状に照らし合わせても、この試合展開と、チーム状況からくる巨人ベンチの選択を、評価したいね。 (サンケイスポーツ専属評論家)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
553710.598
(↑0.005)
0
(-)
50479
(+6)
411
(+5)
121
(+3)
54
(-)
0.264
(↑0.001)
4.07
(↓0.01)
2
(-)
巨人
495010.495
(↑0.005)
9.5
(-)
43447
(+2)
402
(-)
97
(+1)
47
(-)
0.26
(↓0.001)
3.84
(↑0.04)
3
(-)
ヤクルト
444810.478
(↓0.006)
11
(↓1)
50425
(+1)
455
(+3)
90
(-)
54
(-)
0.265
(↓0.001)
4.41
(↑0.01)
4
(-)
阪神
414710.466
(↑0.006)
12
(-)
54351
(+3)
397
(+1)
53
(-)
46
(-)
0.247
(↑0.001)
4.01
(↑0.03)
5
(-)
中日
445310.454
(↓0.004)
13.5
(↓1)
45402
(-)
442
(+2)
64
(-)
48
(-)
0.261
(↓0.001)
4.36
(↑0.03)
6
(-)
DeNA
425120.452
(↓0.005)
13.5
(↓1)
48371
(+5)
432
(+6)
111
(-)
57
(+1)
0.247
(-)
4.19
(↓0.02)