広島(☆14対5★)巨人 =リーグ戦8回戦・マツダスタジアム=
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巨人
40100 0000 560
広島
40610 210× 14130
勝利投手:フランスア(1勝2敗0S)
敗戦投手:鍬原 拓也(1勝2敗0S)
  DAZN
◆広島は1点を追う3回裏、バティスタの2ランなどで一挙6点を奪い、逆転に成功する。その後は、6回に會澤の2ランが飛び出すなど、終わってみれば13安打で14得点を挙げた。投げては、2番手・フランスアが来日初勝利。敗れた巨人は、投手陣が崩壊した。

◆巨人ドラフト1位の鍬原がセ・リーグ球団と初対戦で初のカード初戦を任された。  今日26日の広島戦へ向け、ジャイアンツ球場で調整。プロ初勝利を挙げた14日のソフトバンク戦から中11日での登板に「期待に結果で応えたい。1位との差を縮めて勢いをつけられれば」と必勝を誓った。2戦目は田口、3戦目には中5日で菅野が先発予定。

◆アダメスがアメダス? 6回2死で巨人サムエル・アダメス投手(23)に打席が回り、代打中井が告げられる際に場内アナウンスが「アメダスに代わり、バッター...」と間違え、スタンドがざわついた。  「アメダス」は地域気象観測システムの通称。直前の6回無死で雨が強まり、17分間の中断。再開後に天気にまつわる珍ハプニングが起きた。

◆巨人岡本和真内野手(21)が14号ソロを放った。同点の3回、広島ジョンソンの直球を完璧に捉え、左翼手の鈴木がほぼ微動だにしない当たりを左翼席上段に運んだ。  「インコースのボールを、しっかり体を回転させて打つことができました」と振り返った。

◆広島松山竜平外野手(32)が4点差の劣勢を一振りで取り返した。1回1死満塁で巨人鍬原から7号グランドスラムを放ち、同点に追いついた。  先発ジョンソンが1回に打者9人に4安打2四球で4点を失った。だが広島打線はその裏、3四死球で満塁とし、5番松山が低めスライダーをすくい上げた。打球は高々と舞い上がり、そのまま右翼席へ。  「チャンスだったので、何とかランナーをかえそうと、外野フライでもいいという気持ちで行きました。結果、最高の形になりました。手応えも完璧でしたね」。自賛の1発で試合を振り出しに戻した。

◆巨人が初回に猛攻を仕掛けた。  広島左腕ジョンソンに対し、1死から陽岱鋼が詰まりながら左前安打。マギーが四球でつなぎ、岡本がボテボテの三塁内野安打で満塁。亀井が外角高め直球を左前適時打で先制点を奪った。長野は右翼線適時二塁打で追加点を挙げ、小林の打席で捕逸で4点目を入れた。  初回だけで約20分間の攻撃を仕掛け、ジョンソンに43球を投げさせた。

◆広島が逆転勝ち。初回に4点を先制されたが、その裏松山の満塁弾で同点。3回に勝ち越されると打者一巡の猛攻で6点を奪い逆転、逃げ切った。乱調気味の先発ジョンソンに代わり、3回からロングリリーフした2番手フランスアが初勝利。巨人は3回以降、打線が封じられ連敗となった。

◆巨人鍬原拓也投手が自己ワーストの2回0/3、4安打7失点で2敗目を喫した。  1回に味方に4点の援護を受けるも、直後のマウンドで3四死球で走者をためて、松山に痛恨の満塁本塁打を食らった。3回に再び1点のリードをもらうも、丸にソロを許して同点。さらに、四球と暴投、暴投で無死三塁のピンチを招き、鈴木に勝ち越し適時打を打たれてKOされた。  降板後は「実力不足と感じました。あれだけ点を取ってもらったのに、結果的に僕の責任で負けた。申し訳ない。四球を出して打たれるのは実力がない。全然、進歩していない」と話した。

◆広島が球団初の3試合連続2桁得点で4連勝を飾った。1回にいきなり4点のビハインドを背負うも、直後に松山の満塁弾で同点に追いつくと、打線に火が付いた。5本塁打を含む13安打で今季最多タイ14得点。4回から登板した2番手のフランスアが5イニング無失点の好救援で来日初勝利をマークした。チームは貯金を再び10に戻し、2位巨人に今季最多6・5ゲーム差に広げた。広島緒方孝市監督の談話は以下の通り。  (自ら切り出し)  緒方監督 4点ビハインドから始まった中で四死球3つからだったけど、しっかりと反撃してくれた。野手の頑張りはたいしたもの。一番は、打つこともだけど、甲子園(での阪神戦)からしっかり守ってくれている。集中力を切らさずにね。こうやって投手陣が点を取られる中でも守りをしっかりやってくれている。そういうところが、そのあとの締まった展開になる。(2番手の)フランスアがあそこでよく投げてくれた。  -松山の1発は大きかった  緒方監督 大きかった。もちろん、もちろん。最高の結果を出してくれた。あの回、1点でも2点でも返しておけば何とかなると思っていた中で、最高の結果を出してくれた。  -3回裏はバッテリーに代打策  緒方監督 それはいいよ。  -先発候補でもあったフランスアを2番手に投入した  緒方監督 甲子園の3戦目(24日)からブルペンに入れている。こういうふうに中継ぎのロングがいないから、先発(の可能性)を含めた中でロングで頑張ってもらうと、こちらは考えている。そういった意味でもフランスアがああいった投球をしてくれたのでね。ナイスゲームでした。

◆巨人が首位広島に大敗を喫し、ゲーム差が6・5に開いた。大切なカード頭の先発をドラフト1位の鍬原に託すも、1回にもらった4点を守れない残念な内容。3回もたずにKOされた後も、中継ぎが打ち込まれた。シーズン折り返しを目前に控え、これ以上カープに走られるわけにはいかない。反転材料を模索して巻き返す。  鍬原が自ら勝機を放り出してしまった。初回、味方打線が4得点と最大級の援護。昨年8月からチームはマツダスタジアムで6連敗中とはいえ、勝利を予感させる出足だった。  直後から乱れに乱れた。直球に伸びは感じさせたが、変化球の制球がおぼつかない。先頭の田中を歩かせ、1死後、四死球で満塁。武器とするシンカーの落差も消えた。苦し紛れのスライダーは松山に同点満塁アーチされ、粉々に打ち砕かれた。「シンカーの状態も悪かったが、他の球でもカウントを整えられなかった。技術不足」と痛感した。  14日ソフトバンク戦でプロ初勝利。交流戦後の中断期間もあり、ローテ再編で初めてのカード初戦、しかもカープ戦を託された。「与えられたチャンスを踏みにじらないよう結果を出したい」。じわり離れる首位の背中を追うため、チームは新しい戦力を欲していた。鍬原が通用すれば-。希望の光として投入された。  波状攻撃を止められなかった。3回に岡本の14号ソロで再び勝ち越してもらったものの、直後に丸に同点ソロを浴びた。四球から2球連続暴投、再び松山に適時二塁打。マウンドから引きずり降ろされた。3回途中7失点KO。脳裏には赤ヘルの脅威だけが刻まれた。2番手森福も止められず、広島戦では01年9月以来の14失点。引き金を引いた鍬原は「これだけ点を取ってもらった後に、すぐに取られた。僕の責任。チームに申し訳ないです」と頭を下げた。  初物に弱い。巨人も含めた球界の定説だが、王者広島には当てはまらない。昨年もルーキー畠が登板した3戦でチームに黒星がついた。7月1日は新外国人ヤングマンの初先発が濃厚で、順調なら次週は広島戦にあたる。新戦力が突破口を開かなければ、広島との6・5ゲーム差は容易に縮まらない。【広重竜太郎】

◆巨人鍬原が自ら勝機を放り出してしまった。初回、味方打線が4得点と最大級の援護をもらったが、直後から乱れに乱れた。先頭の田中を歩かせ、1死後、四死球で満塁。苦し紛れのスライダーを松山に同点満塁アーチされ、粉々に打ち砕かれた。  鍬原は6月7日楽天戦でもウィーラーに満塁弾を浴びており、今季2本目。巨人でシーズン2本の満塁本塁打を許したのは07年高橋尚以来で、新人では73年小川に次いで45年ぶり2人目となった。小川が満塁弾を打たれたのは8月1日、9月15日のヤクルト戦で、月間2本の満塁弾を許した巨人の新人は鍬原が初めてだ。

◆アンパン満弾! 広島松山竜平外野手(32)が3安打5打点の活躍で球団初の3試合連続2桁得点に貢献した。4点を追う1回に巨人鍬原から7号グランドスラムを放つと、3回には同点に追い付いた直後に勝ち越し二塁打。4回も追加点につながる右前打。チーム2冠が、チーム4連勝に導いた。  いきなり背負った4点のビハインドを一振りで吹き飛ばした。松山は3四死球と立ち上がりの投球に苦しむ巨人ルーキー鍬原の失投を逃さなかった。カウント2-1からの内角低めに曲がるスライダーに、迷わずバットを思い切り振り抜いた。すくい上げたような飛球はそのまま右翼席中段へ。7号グランドスラムで試合の流れを引き寄せた。  「(満塁弾は)初めてです。最高に気持ち良かった。本当にうれしかった。僕の好きなコース。完璧な打撃ができました」  プロ入り初の満塁アーチは試合を振り出しに戻す値千金の1発となった。再び1点を勝ち越された3回には、丸の同点弾の後に勝ち越しの二塁打。これが決勝打となった。4回には今季5度目の猛打賞となる右前打でチーム11点目をお膳立てした。 三塁打が出ればサイクル安打となったが「気付いてはいたが、(残すは)三塁打だったので厳しいと思っていた」と笑って振り返る。足は決して速くない。いや、鈍足だ。それでも広島の選手として走塁意識は薄れてはいけない。15日ソフトバンク戦では記録にはならない走塁ミスをしたが、翌日の試合前には入念に走塁練習を繰り返した。前日25日も甲子園から移動し、マツダスタジアムで体を動かした。「足が速い選手と同じことはできないけど、意識は持たないと。あとはバットで結果を残さないといけないと思っている」。この日はチーム2冠のバットでチームをけん引した。 松山に引っ張られるように、球団初の3試合連続2桁得点で4連勝を飾った。緒方監督は「大きかった。最高の結果を出してくれた。あの回、1点でも2点でも返しておけば何とかなると思っていた中で最高の結果を出してくれた」とたたえた。【前原淳】

◆広島の松山が4点を追う一回、同点の満塁弾を放った。変化球を捉えて豪快に右翼席へ。「何とか走者をかえそうと、外野フライでもいいという気持ちでいった結果、最高の形になった。手応えも完璧だった」と分厚い胸を張った。  この一発で波に乗った。1点を追う三回は丸のソロで追い付いた後、左中間へ勝ち越し二塁打。「何とか走者をかえすことができてよかった」。四回にも右前打をマークした。
フランスア(2番手で5回を9奪三振無失点。来日初勝利に) 「ずっとこの日を待っていた。最初は練習生で来たから勝ててすごく最高」 会沢(途中出場で、7号2ランを含む2安打4打点) 「いい流れで回してくれたので、自分も続こうと集中して打席に入った」 バティスタ(三回に代打で11号2ラン) 「打った瞬間いったと思った。チェンジアップにうまく反応して打つことができた」

◆乱打戦となった。巨人は一回、広島の先発、ジョンソンを攻め立て一死満塁とすると、亀井が左前適時打、長野が右翼フェンス直撃の2点二塁打を放ち3-0。なおも二死一、三塁から相手の捕手・石原が捕逸し、その間に走者が生還し、4-0とした。  広島はその裏、巨人D1位・鍬原(中大)を攻め、一死満塁とすると、松山が右翼席へ7号満塁本塁打を放ち同点に追いついた。  巨人は三回、先頭の岡本が左翼席へ14号ソロを放ち、勝ち越し。広島はその裏、先頭の丸が12号ソロを放ち同点。なおも無死三塁とすると、松山の左中間適時二塁打で6-5。その後、一死二、三塁とすると会沢の中前2点打で8-5。さらに一死一塁からバティスタがバックスクリーン左へ11号2ランを放ち10-5とした。  広島は四回、無死満塁から西川が押し出し四球を選び11-5とした。

◆巨人の3番手で登板したサムエル・アダメス投手(23)が、場内アナウンスで言い間違えられるハプニングがあった。  六回二死から代打・中井が送られた際、アダメスではなく「8番"アメダス"に代わりまして、中井」と場内アナウンスされると、スタンドからは失笑が漏れた。この回は突然、大雨が降り出し試合が一時中断した。

◆巨人の岡本が技ありの14号ソロを放った。4-4の三回にジョンソンの内角高めに食い込んでくる直球を、体を回転させて捉えた。打球は切れずに、左翼席に飛び込み「うまく打てました」と納得した。  ただ、白星には結び付かず、表情には悔しさがにじんだ。4番打者は「チャンスで打てるようにしたい」と気持ちを切り替えていた。
巨人・斎藤投手総合コーチ(四球が失点につながった鍬原に) 「毎度、同じ、という感じ。工夫できなかった」

◆点を取ったら、取り返された。4点を先制した直後の一回。巨人先発のD1位・鍬原(中大)は3四死球で走者をため、松山に満塁弾を浴びた。  さらに岡本のソロで勝ち越した直後の三回。今度は丸に同点ソロを浴びるなど、この回は一死も取れずに降板。三回途中7失点で2敗目の新人右腕は「実力不足だと感じました。あれだけ点を取ってもらったのに...。僕の責任で負けた。申し訳ない」と唇をかんだ。  2番手以降の投手も鯉打線の勢いを止められず計5本塁打を献上。14失点し、マツダスタジアムでは昨年から7連敗。2位は変わらないが、首位・広島とのゲーム差が6・5に広がった。 (吉村大佑)

◆今季最多の14得点で2位巨人を圧倒した。広島が球団史上初の3試合連続2桁得点で4連勝。打線に火をつけたのはプロ11年目で初めてのグランドスラムを放った松山だ。  「ことし一番の当たりです。自分が好きなところにボールがきたので勝手に反応した。完璧ですね。初めてなので本当にうれしい」  先発・ジョンソンが一回に4点を失ったが、ものともしなかった。田中が四球で歩き、一死後、丸、鈴木の四死球ですべての塁が埋まり打席へ。巨人のドラフト1位・鍬原拓也投手(中大)の内角低めスライダーを右翼席へ運び、一振りで同点とした。  1点を追う三回には丸のソロで同点としたあと、なお無死三塁で左中間へ勝ち越しの二塁打。四回にも右前打を放ち、三塁打が出ていればサイクルという大活躍だった。緒方監督は「最高の結果」と絶賛した。 ルーティンが好結果に結びついている。移動休みになることが多い月曜日には毎週、マツダのトレーニングルームにこもって振り込みやウエートトレを敢行。毎年故障に泣かされて規定打席到達はゼロだったが、プロ20年目、41歳の新井から「少しでも毎日トレーニングしておけよ」と助言をもらってから実行している。  「チームとして状態はいいと思います。これからも1戦1戦を大事に戦っていこうと思っています」  2位・巨人とのゲーム差を今季最大の6・5に広げ、貯金も再び2桁に乗せた。タナキクマルと鈴木、新井の主役だけでなく、松山らが脇を固めるカープ打線が打って打って打ちまくって、新たな歴史をつくる。 (柏村翔)

◆江本 「まともに解説する気にならんから、昔話といこう。俺も阪神時代、巨人戦で初回に4点取られたことがある。先発としてはオジャン。といって、リリーフもすぐには出ない。だからその後、アンダースローで投げたり、サイドで投げたり、オチョくっていたら、八回までノーヒット。チームも逆転勝ちした。要は開き直りよ」  小早川 「おっしゃりたいことは、分かります。両先発のふがいなさですよね。ジョンソンは沢村賞投手。あれでは困ります。鍬原は、ストライクを取ることを怖がっているようでした」  江本 「そう。逃げ回って、無駄な変化球が多すぎる。真っすぐをおろそかにしている。投げ込みと走り込み不足。鍛え直せ、だよ」 小早川 「もともと四球が多いタイプとはいえ、あのピッチングでは確かに、次につながりません。ローテーション定着も厳しい、というしかありません。首脳陣は、計算に入れつつあったでしょうけど...。菅野、山口俊に続く存在が出てこないと、これからも苦しいですね」  江本 「ただ、広島打線もさすが。球威のなさ。コントロールミス...。つけこみどころ、捉えどころを知っている。三回の会沢、バティスタの代打2枚。普通、ピタリとは当たらんよ」  小早川 「ジョンソンも、普通なら続投ですよね。しかも、会沢もバティスタも切り札ではありません。終盤に向けて、駒は残しています。それだけ、選手層が厚いということでしょう」

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
382810.576
(↑0.007)
0
(-)
76334
(+14)
300
(+5)
76
(+5)
37
(+1)
0.26
(↑0.002)
4.21
(-)
2
(-)
巨人
323510.478
(↓0.007)
6.5
(↓1)
75306
(+5)
275
(+14)
64
(+1)
34
(+1)
0.264
(↓0.002)
3.86
(↓0.16)
3
(↑1)
ヤクルト
313410.477
(↑0.008)
6.5
(-)
77281
(+9)
306
(+1)
59
(+3)
36
(+1)
0.255
(↑0.003)
4.22
(↑0.05)
4
(↓1)
DeNA
303420.469
(↓0.007)
7
(↓1)
77250
(-)
265
(+4)
77
(-)
44
(-)
0.248
(↓0.001)
3.61
(↑0.04)
5
(↑1)
阪神
303510.462
(↑0.009)
7.5
(-)
77220
(+4)
264
(-)
35
(+1)
39
(+1)
0.236
(↓0.001)
3.54
(↑0.06)
6
(↓1)
中日
313710.456
(↓0.007)
8
(↓1)
74272
(+1)
317
(+9)
45
(-)
35
(-)
0.26
(↓0.001)
4.39
(↓0.08)