オリックス(☆8対2★)西武 =リーグ戦16回戦(2020.09.18)・京セラドーム大阪=
このエントリーをはてなブックマークに追加

 123456789
西武
0020000002901
ORIX
05120000X81501
勝利投手:山岡 泰輔(1勝3敗0S)
敗戦投手:ニール(3勝6敗0S)

本塁打
【西武】金子 侑司(2号・3回表2ラン)
【オリックス】モヤ(1号・2回裏2ラン)

  DAZN
チケットぴあ ORIX戦チケット予約 西武戦チケット予約
◆オリックスは2回裏、モヤの2ランと若月の適時打などで一挙5点を先制する。6-2で迎えた4回には、杉本の2点適時打が飛び出し、リードを広げた。投げては、先発・山岡が6回2失点の好投で今季初勝利。敗れた西武は、先発・ニールが試合をつくれず、打線もつながりを欠いた。

◆オリックスのスティーブン・モヤ外野手(29)が、先制の今季1号2ランを放った。 「打った感触もよかったし、先制のホームランになってくれてよかったよ!」 鬱憤(うっぷん)を晴らすため、モヤは初球から豪快に振った。2回無死一塁、西武ニールの初球143キロ直球を強振し、ライトの天井にぶち当てる大ファウルを放った。ふっと息をついて打ち直し。2球目の真ん中ツーシームを右翼席にたたき込んだ。 外国人枠の関係で2軍調整をすることが多かった。試合前まで、今季は出場8試合。17日にジョーンズが腰痛で出場選手登録を抹消されたため、1軍昇格。早速、結果を残した。 2回は打者10人の猛攻で「新生オリックス」の兆しを見せた。4番吉田正が右前打を放ち、続くモヤが1号2ラン。杉本、大下がヒットで好機を演出すると、8番西浦はセーフティーバント。判定はアウトだったがリクエスト判定の結果、一塁セーフを勝ち取った。 無死満塁で9番若月が右前適時打、1番福田は右犠飛。2番T-岡田が四球でつなぎ、3番安達の遊ゴロの間に1点追加。6連打とつながりのある攻撃で一挙5得点。今季初勝利を狙う先発山岡を援護した。

◆不振の主砲西武山川穂高内野手がスタメン落ち。代わりの4番には栗山巧外野手が10年ぶりに座った。 そんな状況の中、気を吐いたのが9番金子侑司外野手。5点を追う3回に山岡から右翼スタンドへ会心の2号2ランを放った。「打ったのは真っすぐだと思います。あの場面は何とかつないでいこうと思って打席に立ちました。打った瞬間の手ごたえ? そうですね、良かったです!」と話した。

◆西武は投打で思い通りの戦いができなかった。先発ニールは3回9安打6失点でKO。不振の山川穂高内野手に代わって10年ぶりに4番に座った栗山巧外野手は併殺、三振、二ゴロ、三振と音無しだった。 ただ山川は室内練習場で監督、打撃コーチと話し合いながら調整したそうで、辻監督は「(山川は)メンテナンスをした。いろいろ中で(練習を)やって。明日からいきますよ。本人は明るく、感じは良くなったというところ」と19日オリックス戦で起用する見通しを示した。

◆「ラオウ」ことオリックス杉本裕太郎外野手が今季2度目の4安打を放った。 「昨日のゲーム、最後のチャンスで打てなかった。とにかく思い切っていこうと打ちにいったことが、いい結果になってくれたんだと思います」。17日楽天戦(ほっともっと神戸)では1点差に迫った9回2死満塁で一邪飛に倒れていただけに、リベンジを果たした。

◆待望の今季初勝利に、オリックス山岡泰輔投手(24)は頭を下げた。 「やっと勝てたという感じですね。(投球内容が)本当によくなくて...。野手のみなさんに感謝しかありません」 試合前のブルペンでも「ボールが浮いていて、どうやって抑えようかなと」と話すように制球に苦しんだ。6回までに8安打を浴びたが、磨いた投球術で2失点にまとめ、ゲームを作った。 「やっぱり、ケガはしない方がいいなと思いました...」。開幕直後の6月26日ロッテ戦で3球を投じて緊急降板。左脇腹を痛めて戦線離脱した。プロに入って初めてボールを投げることができなかった。「チームに帰ってくるのが遅かった。その部分で迷惑をかけた」。開幕から約3カ月が過ぎ、リーグ開幕投手で最遅の今季初勝利となった。 自然体で生きる。「試合中のマウンドで考えたって、何も変わらない。調整ですべてが決まる。だから、やっておきたいことは全部やっておく」。準備は入念に重ねる。試合前には「リハーサル」で本拠地のマウンドを確認。プレートから本塁方向に左足を踏み出して、着地足を定める。時折、グラウンドキーパーと話し込む。そんな微調整もエースとしての自覚だ。 普段通りを心がける。真っ白なプレートに、右手人さし指で「信」と刻み、そっと3秒ほど手を当てる。ルーティンを崩すことなく復活のマウンドへ。「これから全部、勝つつもりで投げます」。苦渋を味わったエースが帰ってきた。【真柴健】

◆オリックスのスティーブン・モヤ外野手が今季1号2ランを放ち、先発山岡を援護した。 「いいスイングを心がけている。もちろん状態はいい」。"打ち直し弾"だった。2回無死一塁で西武ニールの初球143キロ直球を強振し、右翼の天井にぶち当てる大ファウル。2球目を右翼席にたたき込んだ。外国人枠の関係で今季は主に2軍で過ごしたが、腰痛のジョーンズに代わって17日に昇格。居場所をつかむ。

◆オリックス山岡泰輔投手(24)が待望の今季初勝利を挙げた。勝つために-。オリックス山岡は昨オフ、客観的にチームを見渡した。プレミア12に選出され「良い機会なので、オリックスの印象を聞いてみよう」と、他球団の侍メンバーに率直な意見を求めた。 「元気がないと言う人の方が多かったんです。(自分たちが)そう思ってなくても、そう見えているのはチーム的によくない。若手、ベテラン関係なく、元気よく試合をしていけたら」とチームメートに伝えた。 オリックスは今、ベンチがハツラツとしている。ムードメーカーの伏見に杉本、育成から支配下登録された大下ら、名前を挙げたらキリがないぐらいに盛り上げ役が1軍に増えた。 中嶋監督代行も得点時や好プレーが生まれたときには拳を握り、大きく両腕を前に突き出す。勝利を引き寄せる雰囲気作りが、試合の流れを左右する。プロ4年目のエースの提言が、変革へのヒントになった。【オリックス担当 真柴健】

◆オリックスが快勝。二回にモヤの1号2ランや若月の適時打などで5点を先制し、三回に若月の犠飛、四回に杉本の2点適時打で加点した。山岡が6回2失点で今季初勝利。西武はニールが3回6失点と序盤で崩れた。

◆西武の山川が欠場した。ここまで打率2割2分1厘と不振に苦しんでおり、辻監督は理由について「メンテナンス」と表現。崩れていた打撃フォームの修正に努めたといい「本人は明るく『感じは良くなった』と言っていた。明日からはいきますよ」と、19日の次戦での起用を明言した。  代わりの4番は栗山が10年ぶりに務めたが、一回1死一、二塁で二ゴロ併殺打に倒れるなど、4打数無安打に終わった。「勝利につながる一打を打てればと思って挑んだが、力及ばずというところ」と悔しさをにじませた。

◆内海に代わって2年ぶりに1軍昇格を果たした西武・中塚駿太投手(25)が八回に登板。リーグ首位打者の吉田正を中飛に仕留めるなど三者凡退に抑えた。  「今年4年目で"本当に今年が最後"という気持ちでマウンドに上がった。マウンドに立てば、もう少しバタつくかと思ったが、身体は冷静でした。とにかく後悔をしないように投げました」  2017年ドラフト2位の最速157キロ右腕も昨季は1軍登板がなく、背番号も「22」から「50」に"降格"。瀬戸際に追い込まれて今季を迎えていた。  先頭の大城からはフォークボールで空振り三振を奪い、「変化球も低めに決まっていた。(ファームでも)フォークを使うことが多く、『使える』という手応えがありました」と振り返った。  この日はつくば秀英高(茨城)-白鴎大で同級生だった阪神・大山が中日戦で逆転満塁弾など2打席連発。改めて刺激を受けた様子だった。 (東山 貴実)

◆我慢の限界だった。西武・辻監督が断を下した。開幕4番でスタートし、8月14日以降は30試合連続で4番を担いながら不振続きの山川をついにスタメンから外した。  3年連続本塁打王を目指す山川は、ここまでリーグ5位の21本塁打をマークしながらも打率・221(ともに17日現在)。17日のロッテ戦では4三振を喫し、指揮官は試合後「悩んでいるね。今日が一番ひどかった。ちょっと考えなきゃいけない」と話していた。  チームの今季4番は山川の65試合を最多に、外崎が7試合、中村が2試合、メヒアが1試合。その中、指揮官がこの日の4番に指名したのはプロ19年目、チームトップの打率・295を残している栗山だった。栗山にとっては、2010年6月12日の広島戦以来、実に10年ぶりとなる4番。いきなり一回1死一、二塁の先制機で回ってきたが、痛恨の二ゴロ併殺に倒れた。  そして、辻監督が「ちょっと病んでいる」と評する"悩めるもう1人"森も、再び苦しい立場に追い込まれた。前日も連続失策を犯すなど、森がスタメンマスクの試合は4連敗中。先発のニールは「ここまで(今季の全登板試合で)自分と一緒にバッテリーを組んできた森と2人でしっかり試合をつくっていきたい」とマウンドに上がったが、来日後最短タイの3回9安打6失点でKOされた。(東山貴実)

◆エースとして、まず1つ勝ちたい。今季未勝利のオリックス・山岡が、本拠地のマウンドに上がった。  「まだ勝っていないですし、今季初勝利を京セラでできるように頑張りたい」  左脇腹痛による離脱もあり、今季6試合目の登板。前回11日のロッテ戦(ZOZOマリン)は6回2失点で3敗目を喫した。本来なら150キロ前後を計測する真っすぐの球速が、1軍復帰後は140キロ台前半。「球速は戻っていないですけど、打者の感じを見ると悪くはないのかなって。球速は出そうとしても、一気になおせるものでもないですし」と分析した。  それでも、昨季の勝率第一位投手(・765)はゲームを作る能力がある。白星を挙げれば、2019年9月27日の日本ハム戦(札幌ドーム)以来、357日ぶり。初星を目指すエースを、打線が援護した。  二回無死一塁からモヤが右翼へ先制の1号2ラン。その後、杉本、育成D6位・大下(白鴎大)、西浦の3連打で無死満塁と再び好機を作り、若月が右前適時打。福田の右犠飛などでこの回、一挙5得点を奪った。  三回に山岡が金子に2ランを浴びると再び攻撃陣が猛攻。またもモヤ、杉本、大下の3連打で無死満塁とし、1死後に若月の右犠飛で1点を追加。山岡は6回2失点で勝利投手の権利を手にし、救援陣にマウンドを託した。(西垣戸理大)

◆西武は先発のニールが3回6失点と乱れた。一回は三者凡退だったものの、二回はモヤに先制2ランを浴びるなど、バント安打1本を含む6連打を喫し、5失点。三回も立ち直りの兆しがなく、3安打を許して失点した。精彩を欠いての6敗目に「投球内容が悪かった。自分の投球ができなかったことに尽きる」と肩を落とした。  今季は制球が甘くなる場面が目立ち、本来の投球ができていない。「長いシーズンを通して悪いゲームはある。次に向けて自分のやるべきことは分かっている」と修正に自信をのぞかせた。

◆オリックスの杉本が10日の西武戦に続き、自身2度目の4安打と好調ぶりを発揮し、大勝に貢献した。  4-5で敗れた17日の楽天戦では、九回2死満塁の絶好機で凡退していた。その悔しさを晴らすように、この日は6-2の四回1死満塁で試合の大勢を決める2点打を右前に運んだ。「とにかく思い切っていこうと打ちにいったことが、いい結果になってくれたと思う」と喜びを口にした。

◆不振が続く山川が欠場し、10年ぶりに4番で起用された栗山だが、一回1死一、二塁の先制機で二ゴロ併殺に倒れるなど4打数無安打。「勝利につながる一打を打てればと思って挑んだが、"力及ばず"というところ」と振り返った。辻監督は「打線のつながりを考えたら、そこ(4番栗山)が一番いいかなと」と話し、山川については「明日(19日)から行きます」とスタメン復帰を明言した。

◆本来の投球ではない。それでもチームを勝たせるのがエースだ。オリックス・山岡が6回を8安打2失点で待望の今季1勝目。開幕から2度目の登板で戦線を負傷離脱した男の2020年が、ようやく"開幕"した。  「いや~、ほんと、やっと勝てたという感じですね」  今季初のお立ち台の第一声は苦笑いしながらだった。2年連続で開幕投手を託されながらも、6月26日のロッテ戦(ZOZOマリン)で左脇腹を痛めた。約2カ月のエースの離脱中に、チームは単独最下位に沈み、西村監督が電撃辞任。中嶋監督代行が就任と体制はガラリと変化していた。  その様子を2軍で見守るしかなかった。「迷惑をかなりかけた」。責任は痛感している。復帰後も3戦勝ちなし。この日の直球の最速は146キロとまだ万全の状態とはいえないが、スライダーを軸とした変化球主体で組み立て、西武打線に的を絞らせなかった。  「(内容は)本当によくなくて、(大量援護の)野手の方に感謝しながら投げていました」  常に感謝の気持ちは忘れない。昨年の夏頃。チームを支えてくれる裏方のスタッフや「BsGirls」のメンバーらに約80個のクレープを自費で贈った。  「いつも暑いなか、みんながんばってくれているので。これぐらいはしますよ」とさらっと言いのけたが、受け取った人々は感激していた。  「本当に調子がそこまでよくないので、何とか上げながら、残り試合を全部勝つつもりでできれば。チームにすごく迷惑をかけてしまったので、これからは全部勝つつもりで投げます」  ヒーローインタビューの最後にファンに約束した。パの開幕投手6人の中で"大トリ"にはなったが、遅れを取り戻すように、これからは白星をプレゼントする。(西垣戸理大)

DAZN

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
46293 0.613
(↑0.005)
-
(-)
42340
(+9)
268
(+3)
92
(+1)
51
(+3)
0.242
(↑0.002)
3.120
(-)
2
(-)
ロッテ
44322 0.579
(↓0.008)
2.5
(↓1)
42331
(+3)
334
(+7)
68
(-)
61
(+1)
0.242
(↑0.001)
4.110
(↓0.03)
3
(-)
楽天
37383 0.493
(↓0.007)
9
(↓1)
42377
(+3)
357
(+9)
80
(+1)
45
(-)
0.259
(-)
4.390
(↓0.06)
4
(1↑)
日本ハム
36393 0.480
(↑0.007)
10
(-)
42330
(+7)
338
(+3)
60
(+1)
41
(+2)
0.254
(↑0.001)
3.950
(↑0.01)
5
(1↓)
西武
35392 0.473
(↓0.006)
10.5
(↓1)
44328
(+2)
348
(+8)
79
(+1)
48
(-)
0.245
(-)
4.410
(↓0.05)
6
(-)
ORIX
26475 0.356
(↑0.009)
19
(-)
42282
(+8)
343
(+2)
52
(+1)
58
(+2)
0.241
(↑0.002
4.170
(↑0.03)