巨人(☆2対1★)ヤクルト =リーグ戦14回戦(2020.09.11)・東京ドーム=
このエントリーをはてなブックマークに追加

 123456789
ヤクルト
1000000001601
巨人
00001001X2701
勝利投手:中川 皓太(2勝1敗5S)
(セーブ:デラロサ(1勝0敗11S))
敗戦投手:清水 昇(0勝4敗0S)

本塁打
【ヤクルト】山田 哲人(8号・1回表ソロ)
【巨人】坂本 工宜(15号・8回裏ソロ)

  DAZN
チケットぴあ 巨人戦チケット予約 ヤクルト戦チケット予約
◆接戦を制した巨人が5連勝。巨人は1点を追う5回裏、吉川尚が適時二塁打を放ち同点とする。そのまま迎えた8回には、坂本のソロが飛び出し、勝ち越しに成功した。投げては、2番手・中川が今季2勝目。敗れたヤクルトは、好投した先発・スアレスを打線が援護できなかった。

◆今季の巨人はヤクルト戦のチーム打率が3割2分。 1回戦から13試合連続で本塁打を放っており、このカードはすでに29本塁打。13試合で86点と、ヤクルト戦は1試合平均6・6点を挙げる猛打を見せている。

◆ヤクルト荒木貴裕内野手(33)が出場選手登録され、巨人戦の試合前練習から1軍に合流した。 再調整のため、8月31日に登録抹消され、イースタン・リーグでは10試合に出場し、打率3割7分5厘とコンディションを上げていた。 また、10日の広島戦で先発し4回1失点だった高橋奎二投手(23)と川端慎吾内野手(32)が抹消となった。

◆ヤクルト青木宣親外野手(38)が「5番左翼」でスタメンに復帰した。上半身のコンディション不良のため3試合欠場していたが、この日は試合前練習で打撃練習も行い、状態を確認していた。 塩見泰隆外野手が、今季4試合目となる「1番右翼」で名を連ねた。 アルバート・スアレス投手と井野卓捕手の先発バッテリー。井野は、7月31日の中日戦以来のスタメンマスクとなる。

◆ヤクルト山田哲人内野手が、先制の8号ソロを放った。 初回2死、巨人の先発戸郷の初球、内角の150キロ直球を振り抜いた。天井近くまで高く上がった打球は回転がかかって切れずに、左翼ポール直撃の先制弾となった。 2試合ぶりのアーチで「インコースの球でしたが、うまく反応して打つことができました。先制することができてよかったです」とコメントした。

◆ヤクルトのアルバート・スアレス投手は、6回を被安打5の1失点と先発の仕事を果たした。 7月7日中日戦(ナゴヤドーム)以来、約2カ月ぶりの先発マウンド。最速155キロの力のある直球と変化球で緩急をつけながら、コースを突く丁寧な投球で4回まで巨人打線を無失点に抑えた。 5回、先頭の中島に四球を与えると、続く吉川尚に二塁打を許し同点とされた。93球で降板し「今日は非常に調子がよかった。どの球種でもストライクが取れ、有効的に使うことができた。2度ほどピンチがあったが、どちらも落ち着いてさばくことができた」とコメントした。 打撃では、2打席とも走者のいる場面で回ってきたが無安打。2回2死一塁では空振り三振。4回の第2打席は、2死一、二塁で投ゴロに倒れた。積極的に打撃練習も行っており、広島遠征中の9日は野手のフリー打撃終了後にゲージへ。豪快に左翼スタンドまで運んでいたが、公式戦での今季初安打は生まれなかった。

◆巨人山口寿一オーナー(63)が球団最多を更新する監督通算1067勝目を挙げた原監督を祝福した。 「今日の勝利だけでなく1つ1つの勝利すべてに重みがあるからこそ、1067勝に大きな価値があるのだと思います。原監督には、巨人軍の新たな伝説を作っていってほしいと願っています」とコメントした。

◆ヤクルトは1回に山田哲の8号ソロで先制した。先発スアレスは3回まで2安打無失点。巨人戸郷は3回まで2安打1失点。 巨人は5回無死一塁から、吉川尚の適時二塁打で同点に追い付いた。先発戸郷は6回まで5安打1失点に抑えた。 巨人は8回に坂本の15号ソロで勝ち越した。7回1失点の戸郷から中川、デラロサとつなぎ5連勝。中川2勝目。ヤクルトは3連敗。清水4敗目。

◆巨人が11日のヤクルト戦(東京ドーム)に勝ち、原辰徳監督(62)は13年に死去した川上哲治監督を超える監督通算1067勝目をつかんだ。巨人では単独最多の監督勝利数となった。   ◆原辰徳(はら・たつのり)1958年(昭33)7月22日、福岡県生まれ。東海大相模で甲子園4度出場。東海大を経て80年ドラフト1位で巨人入団。1年目に22本塁打で新人王。83年打点王、MVP。ベストナイン5度、ゴールデングラブ賞2度。95年に引退し、99年にコーチで巨人復帰。02年監督就任し、日本一。03年退任も06年復帰し、2度のリーグ3連覇。15年退任し、19年に3度目の監督就任。09年WBCでは日本代表を率いて世界一。02、09、12年正力松太郎賞。18年野球殿堂入り。180センチ、86キロ。右投げ右打ち。

◆ヤクルトは青木が4試合ぶりにスタメン復帰したが10カード連続で初戦を落とした。 約2カ月ぶりの先発スアレスが6回1失点と、想定通りロースコアに持ち込んだ。しかし追加点を奪えず、勝ちパターンで競り負けて借金は今季ワーストの12。高津監督は「先制できて、その次の1点。いろんな作戦もやったが、うまくいかなかった。向こうのバッテリーもいい球を投げていた」と話した。

◆巨人戸郷翔征投手(20)が7回1失点と好投し、原監督の球団最多となる監督通算1067勝目を引き寄せた。 初回に山田哲に150キロの内角直球を左翼ポール直撃の8号ソロとされ先制を許したが、崩れることなく最少失点で乗り切った。同点で降板し8勝目を手にすることはできなかったが、十分に役目を果たした。「初回の本塁打を防げれば投球のテンポを自分のものにするなど、もっと展開が変わっていたと思います。自分の思うような投球はできませんでしたが、その中で1点に抑えられたことは良かったと思います」と振り返った。

◆巨人原辰徳監督(62)が、球団歴代最多となる監督通算1067勝利を挙げた。「打撃の神様」で「V9」監督の川上哲治氏の1066勝を超え、球団に新たな歴史を打ち立てた。 試合後行われた記念セレモニーでは、センター上部にある大型スクリーンに、米大リーグ、ヤンキース元監督のジョー・トーリ氏(80)が登場。原監督を祝福した。 トーリ氏 原辰徳氏の偉大なる功績にお祝い申し上げます。私たちは同じ三塁手であり、監督時代には選手としても人間としてもすばらしい松井秀喜というプレーヤーと共に戦った経験を持つなど似たキャリアを持っています。歴史ある読売巨人軍での達成は本当にすばらしいことです。監督として球団史上最も多くの勝ち星を積み重ねてきたことは偉大な功績です。『原監督』心からおめでとうございます。そしてこれからも体調に気を付け、どうぞご活躍ください。

◆巨人原辰徳監督(62)が、球団最多となる監督通算1067勝利を挙げた。「打撃の神様」で「V9」監督の川上哲治氏の1066勝を超え、球団に新たな歴史を打ち立てた。試合後、記念セレモニーがスタート。 一問一答は以下の通り。   -1067勝。と輝く率直に 野球の世界は1年1年が勝負で、いつでも真っ白い状態からスタートしてですね。まだ2020年も戦い半ばという部分において、常に新鮮な気持ちでいられるというのが率直な気持ちです。数字を見るとですね、先輩としてさんぜんと輝く神様。川上監督を何と言うんでしょうか。1つ超えられたと言うんでしょうか。信じられない気持ちでいっぱいです。いつでもフラットに自分が野球に取り組み、今日の勝負、今日の勝負をとりにいくという1年だけで積み重ねてきた。ですからこうして出来たのなかと思います。 -巨人というチームで歴代最多 もう私はジャイアンツしか知らない、と言う大変幸せな野球人だと思います。当然その中で厳しさも、悔しさも全て分かって、全てとは言いませんが、分かっているつもりではおります。常に挑戦という気持ちだけを今日まで持ったまま、そして明日も同じ精神状態でやっていくという風に思います。監督というのは、選手、そしてファン、みなさまのおかげを持って、現在こうやっていられる。常に感謝をして、感謝を勝利というものでお返ししたい。その一念でやっております。 -貫き通してきたことは やっぱり勝つということにこだわることが大事。チームの和というものを作るのはやはり、実力至上主義で。選手の実力のある人をねぎらい、1軍に、そしてスターティングメンバーに。常に自問自答しながら、やっております。今後も変わらないと思います -節目の勝ち星。今後は。 戦い半ばです。浸っている余裕はありません。こういうセレモニーを含めて、偉大な川上監督、大先輩の記録を少し超えさせていただいたことは、心の中の宝物にして、さらに明日へ挑戦していきたい。

◆ヤクルト青木宣親外野手が、「5番左翼」で4試合ぶりにスタメン復帰した。 上半身のコンディション不良で3試合欠場していたが、試合前の全体練習に参加。フリー打撃のあとに再度ティー打撃を行い、入念に調整した。4回には先頭で巨人戸郷から左中間への二塁打を放ち、打撃でも復活をアピールした。 3番山田哲、4番村上の後を打つ5番に青木を置いており、高津監督は「打席の中でしっかり走者をためて、かえす役割を今はやってくれるような気がします」と期待していた。

◆巨人原辰徳監督(62)が、球団最多となる監督通算1067勝利を挙げた。「打撃の神様」で「V9」監督の川上哲治氏の1066勝を超え、球団に新たな歴史を打ち立てた。 試合後には、記念のセレモニーがスタート。センター上部にある大型スクリーン上にはかつて巨人の監督も務めた王貞治ソフトバンク会長(80)が登場し、祝福のビデオメッセージを届けた。 王会長 原監督、巨人軍監督としての1067勝誠におめでとうございます。巨人軍の監督は12球団の中でも大変プレッシャーが強い大変な仕事で、私も経験していますけど、その巨人軍の監督で1067勝するっていうのは、本当に大変なご苦労が多かったと思います。でも、3度、巨人軍の監督を務められて、その都度、監督業たるものを自分なりにそしゃくして「よし今度はこうしよう」ということがあったと思いますが、見事に昨年は3度目の監督でリーグ優勝。今年もダントツでトップを走っております。是非今年も日本シリーズで戦いたいですし、また原監督は1100勝、1200勝、1300勝と目指して頑張って欲しいなと思います。とにかく巨人軍の監督として、大いに胸を張って日本の野球界をけん引する意識を持って、監督業に専念して欲しいと思います。本当おめでとうございます。これからも頑張ってください。(原文まま)

◆巨人原辰徳監督(62)が、球団歴代最多となる監督通算1067勝利を挙げた。 「打撃の神様」で「V9」監督の川上哲治氏の1066勝を超え、球団に新たな歴史を打ち立てた。 試合後行われた記念セレモニーでは、センター上部にある大型スクリーンに長嶋茂雄終身名誉監督(84)のメッセージ動画が流れた。ジャケット姿で登場し力強く左こぶしを突き立て「原監督おめでとう」と祝福した。

◆ヤクルト・青木宣親外野手(38)が「5番・左翼」で、9月6日の中日戦(神宮)以来、4試合ぶりにスタメン復帰した。  青木は上半身のコンディション不良のため、8-10日の広島3連戦(マツダ)を欠場していた。だが、前日10日の広島戦では終盤にベンチで代打の準備をしており、高津監督も同戦後に「本人にまた確認してからなんだけど、(状態が)よければいきたいと思います」と明かしていた。  今季からは新たに「主将」の肩書が加わった青木。この日の試合前練習では、元気よく大きな声で「バッティングいきまーす」とフリー打撃開始の合図をしていた。青木の戦列復帰は、チームにとって大きなプラスだ。

◆ヤクルト・山田哲人内野手(28)が「3番・二塁」で先発出場。一回2死から、左翼ポールを直撃する先制の8号ソロを放った。  先発右腕・戸郷が投じた球速150キロを捉えた打球は、高々と舞い上がった。ファウルゾーンへ切れるか切れないか微妙な当たりだったが、三塁塁審・土山が右腕を回した。  「インコースの球でしたが、うまく反応して打つことができました。先制することができてよかったです」と山田哲。最下位に沈むチームに勢いを与える、貴重なアーチだった。

◆巨人・原監督に偉業をプレゼントをしたのは、キャプテンの坂本だった。原監督は巨人監督通算最多勝利新記録となる通算1067勝を達成した。  巨人の高卒2年目右腕・戸郷と、ヤクルト助っ人右腕・スアレスが粘りのピッチングを続けた。  ヤクルトは一回2死、山田哲が左翼ポールを直撃する8号ソロで先制。しかし、戸郷が失ったのはこの1点のみ。その後は6四死球と安定感を欠きながらも、7回5安打1失点と粘投してマウンドを降りた。

◆巨人・原辰徳監督(62)が11日、球団単独最多となる監督通算1067勝を達成。山口寿一オーナー(63)が祝福のコメントを発表した。  「きょうの勝利だけでなく一つ一つの勝利すべてに重みがあるからこそ、1067勝に大きな価値があるのだと思います。原監督には、巨人軍の新たな伝説を作っていってほしいと願っています」

◆巨人・原辰徳監督(62)が11日、球団単独最多となる監督通算1067勝を達成。試合後にはセレモニーが行われ、元ヤンキース監督のジョー・トーリ氏、王貞治ソフトバンク球団会長、長嶋茂雄終身名誉監督からサプライズムービーで祝福された。サプライズムービーでのメッセージは以下のとおり。 元ヤンキース監督、ジョー・トーリ氏 「ジョー・トーリです。原辰徳氏の偉大なる功績にお祝い申し上げます。私たちは同じ三塁手であり、監督時代には選手としても人間としてもすばらしい松井秀喜というプレーヤーとともに戦った経験を持つなど似たキャリアを持っています。歴史ある読売巨人軍での達成は本当にすばらしいことです。監督として球団史上最も多くの勝ち星を積み重ねてきたことは偉大なる功績です。ハラカントク、心からおめでとうございます。そしてこれからも体調に気を付けどうぞご活躍ください」 ソフトバンク球団会長で元巨人監督の王貞治氏 「原監督、巨人軍監督としての1067勝誠におめでとうございます。巨人軍の監督は12球団の中でも大変プレッシャーが強い大変な仕事で、私も経験していますけど、その巨人軍の監督で1067勝するっていうのはご苦労が多かったと思います。でも、3度巨人軍の監督を務められて、そのつど監督業たるものを自分なりに咀嚼(そしゃく)して『よし、今度はこうしよう』ということがあったと思いますが、見事に昨年は3度目の監督でリーグ優勝。今年もダントツでトップを走っております。ぜひ今年も日本シリーズで戦いたいですし、また原監督はやはり1100(勝)、1200(勝)、1300(勝)と目指して頑張ってほしいなと思います。とにかく巨人軍の監督として大いに胸を張って日本の野球界をけん引する意識をもって監督業に専念してほしいと思います。本当おめでとうございます。これからも頑張ってください」 巨人終身名誉監督、長嶋茂雄氏 「原監督、おめでとう!」

◆巨人・原辰徳監督(62)が、球団単独最多となる監督通算1067勝を達成し、試合後のインタビューに答えた。  原監督は「ありがとうございます!」と第一声。偉業達成の気持ちを問われると、「野球の世界は1年1年が勝負で、いつも真っ白い状態でスタート。常に新鮮な気持ちでいられる。先輩として燦然(さんぜん)と輝く神様をひとつ越えられたのは信じられない気持ちです」と、1965-73年にV9へと導いた故川上哲治氏(享年93)の持つ球団最多記録を抜いたことに素直な心境を述べた。

◆本調子とはいえない中でも、試合をつくった。先発した巨人・戸郷はボール先行の苦しい投球だったが、何とか踏ん張りソロ本塁打1本による1失点に抑えた。  「まずは回の先頭を抑えにいくこと、無駄な四球を出さないこと。強気な投球、そして長いイニングを投げられるように頑張ります」と試合前日に意気込んでいた右腕。五回までに3度の先頭出塁を許したが、要所を締めて最小失点でしのいだ。失点は一回2死から山田哲に左翼ポール直撃のソロを被弾したのみ。先制点を与えたが、二回以降は相手の拙攻にも助けられ、何とか粘った。  高卒2年目の20歳ながら、今季は開幕からローテーションを回って7勝3敗、防御率2・50。エース・菅野に次ぐ先発の柱として結果を残している。前日10日に今季6勝目を挙げた広島のD1位ルーキー・森下との新人王争いにも注目が高まっているところ。  「新人王は意識して今季に入ってきた。森下さんも勝っている。僕は長く(イニングを)投げられず、野手に助けられているので(森下の方が)上回っていると思いますが、負けないようにやっていきたいです」と鼻息は荒い。この日は7回5安打1失点。8勝目は逃したが、先発の役割は十分に果たした。(箭内桃子)

◆巨人が11日、ヤクルト14回戦(東京ドーム)に2-1で勝ち、原辰徳監督(62)が球団単独最多となる監督通算1067勝目を挙げた。  原監督が巨人歴代1位の通算1067勝を達成した試合後にはセレモニーが行われ、オーロラビジョンには長嶋茂雄終身名誉監督(84)、王貞治ソフトバンク球団会長(80)、そしてジョー・トーリ元ヤンキース監督(80)からのビデオメッセージが流された。  巨人監督として347勝、ダイエーとソフトバンクを含めると歴代8位の通算1315勝を挙げている王氏は「私も経験していますけど、巨人軍の監督で1067勝するっていうのはご苦労が多かったと思います。見事に昨年は3度目の監督でリーグ優勝。今年も断トツでトップを走っております。ぜひ、今年も日本シリーズで戦いたいですし、原監督はやはり1100、1200、1300(勝)と目指して頑張ってほしい」と祝福。  巨人監督で通算1034勝(13位)の長嶋氏は「原監督、おめでとう!」と力強く、左拳を突き出した。ONから届いた温かいメッセージに、原監督は感無量の様子だった。

◆巨人・原辰徳監督(62)が11日、故川上哲治氏(享年93)を超える球団歴代最多の監督通算1067勝目を挙げた。原監督は試合後、歴史に名を刻んだ気持ちなどを熱く語った。  --川上氏を超えて、率直な気持ちは  「本当に数字だけ一つ超えられたけど、その数字だけではないという部分において、まだまだ僕自身も未熟者だと。しかし、巨人軍の長い歴史の中で歴代1位になったというのは大変ありがたく、皆さまに感謝申し上げます。ただ一年一年の勝負の中でまだ戦い半ばですから、浸る余裕は全くありません。また明日から同じ精神状態で戦いを挑んでいきたい」  --チーム作りで大事にしていることは  「やはり勝利至上主義。よく僕は『巨人軍であれ。個人軍ではない』と。ジャイアンツが勝つために、実力至上主義という中でチームをつくっていく。チームの和というものはとても大事ですけど、私自身がそのことを間違えてしまうと、チームの和も結束力もなくなってしまうと思います」  --トーリ氏、王氏、長嶋氏からメッセージが   「監督1年目の43歳の時、早く追い付きたいと最初に思った3人の監督からメッセージをいただけた。大変うれしい」  --85年の巨人の歴史で、監督を務めたのは12人。その重みは  「本当に浸っているというのは、できない世界。明日からまた勝負は横一線からスタートする。今日のような厳しい戦いになるわけですから。この数字があるからジャイアンツが優位に働くとかそういうことはまったくありえない。しっかりと明日からまたしっかり戦っていきたい」

◆巨人・坂本勇人内野手(31)が、11日のヤクルト14回戦(東京ドーム)で1-1の八回に決勝の15号ソロを放ち、メモリアル勝利の立役者となった。ルーキーの頃から自身を育ててくれた原辰徳監督(62)へ、恩返しの一撃。今季残り51試合での達成に期待がかかるプロ通算2000安打へ、あと48本とした。  たくさんの人の思いを乗せて、白球はスタンドへ吸い込まれていった。メモリアル勝利の立役者は坂本。笑顔で原監督と"エアグータッチ"だ。  「一振りで仕留めることができました。投手陣が粘っていたので、いい結果になってよかった」  1-1の八回1死。清水の初球、148キロの外角速球を振り抜き、右中間席へ突き刺した。自らを見いだし、育ててくれた指揮官へ、1067勝目をプレゼントした。  開幕スタメンをつかんだプロ2年目の2008年。当時19歳の坂本はチームの足を引っ張るミスを犯し、原監督から「もう勇人なんて使わねぇ!」と突き放された。翌日。グラウンドで人一倍バットを振り、ノックを受ける坂本のもとへ、原監督が歩み寄ってきた。「練習するか?」「お願いします!」。ひたむきさを誰よりも買い、起用し続けてくれた指揮官は「使ってみたくなるんだ、あの目を見るとね」と懐かしむ。10年以上の時がたった今。坂本は、誰もが認める主将だ。  節目で恩返しの一打を放ってきた。原監督の通算500勝目となった10年5月13日の西武戦(東京ドーム)では2本塁打。川上哲治氏に並ぶ1066勝に達した9日の中日戦(ナゴヤドーム)では、圧巻の3打席連続弾を放った。歴史に残る白星に貢献し「そういう監督の元で長く一緒にプレーできていることは本当に財産。光栄と思いながら今後もやりたいです」とうなずいていた。  原監督は「最初は私が『手塩にかけながら育てる』と、一緒に泥んこになりながら練習したり、彼を助けてきた自負がありました。しかしここ数年は彼に頼っている。今は彼に育ててもらっているなと頼もしく思っています」と最敬礼した。  自身のメモリアルにも近づいている。通算2000安打まで48本。坂本が、これからも原巨人の歓喜の輪の中心に立ち続ける。(箭内桃子)

◆巨人が11日、ヤクルト14回戦(東京ドーム)に2-1で勝ち、原辰徳監督(62)が球団単独最多となる監督通算1067勝目を挙げた。監督就任14年目のシーズン、1927試合目での到達。これまで球団最多だったV9の指揮官、故川上哲治氏(享年93)の1066勝を超え、巨人で最も勝った監督となった。  大きな瞳が潤んでいた。勝利が決まると、86年目の伝統球団で最も勝った監督となった原監督は、ゆっくりと選手の待つグラウンドへ。一人一人と目を合わせながら、喜びを分かち合った。  「先輩として燦然(さんぜん)と輝く"神様"川上監督を、一つ超えられた。信じられない気持ちでいっぱい。大変幸せな野球人だと思います」  1-1の八回、坂本が右中間席へ15号ソロ。新人時代から知り、今では大黒柱に成長した教え子の決勝弾が飛び出すと、指揮官の目はもう赤く腫れ上がっていた。2日前に故川上哲治元監督の1066勝に並んだ試合では3本塁打。ここぞの強さを頼もしく見つめた。  1995年の現役引退セレモニー。「私の夢には続きがあります」と語ったあの瞬間から、指導者人生が始まった。コーチとして3年間師事した長嶋茂雄監督から「おめでとう、来年から原監督だ」とバトンを受け取り、2002年に監督就任。計14年、1927試合目のこの日、V9に導いた川上氏を抜いて、球団単独トップに立った。  川上氏が監督時代に取り入れたのが米大リーグの技術だった。ドジャースのキャンプの訓練係を長年務めたアル・キャンパニス氏が記し、日本では57年に出版された『ドジャースの戦法』を教科書として最新理論を持ち込み、V9につなげた。  実は原監督は第2次政権が始まったころ、関係者を通じて同書を入手。犠打やヒットエンドランを駆使しての得点や、外野のカットまでの返球、バントシフトで一、三塁手がダッシュするなど、"神様"川上氏が徹底した戦術を追体験した。出版から約50年。現代野球では当たり前になったものも多かったが、温故知新の「原野球」の「今」にもつながっている。  この日も随所に"らしさ"が光った。0-1で迎えた五回無死一塁。一走・中島にスタートを切らせ、吉川尚の右翼線二塁打で同点に追いついた。「非常にいい打撃、走塁をしてくれた」。吉川尚は三塁で憤死したが、「無死三塁でエンドランをやろうと思っていた」と驚きの策も披露。大リーグから最新の戦術を学び、今季は野手の登板や、救援投手を先発させるオープナーも採用。自らの野球観を更新し続けることが強さの源だ。  東海大相模高時代に親子鷹として甲子園に出場した父・貢氏、現役時代から将来を見越して英才教育を施してくれた藤田元司氏、そしてコーチから監督に導いてくれたミスター-。さまざまな監督たちの背中を追いかけたからこそ、今がある。  「戦いは半ば。浸っている余裕はない。心の中の宝物にして明日より精進、挑戦していきたい」  球団最多の白星を積み重ねても、夢の続きは終わらない。(伊藤昇) ★世田谷に眠る 龍雲寺前住職「面倒見のいい方」  原監督の就任当初は優しく見守りながらも「心配」と周囲に漏らすこともあったという川上氏。晩年は「思い切ったことができる監督になった」と評価を一変させた。2013年10月28日に93歳で亡くなり、自宅そばの龍雲寺(東京・世田谷区野沢)に眠る。監督時代に修行に通った岐阜・美濃加茂市の正眼寺と同じ臨済宗妙心寺派の寺院。生前、親交のあった龍雲寺の細川景一前住職は「『野沢のおやじさん』と呼ばれ、長嶋茂雄さんの新人時代はこのあたりに下宿先を紹介するなど面倒見のいい方でした」と回顧。座禅を組みに訪れることもあり、「背中がピンとして非常に立派でした」と懐かしんだ。

◆区切りの白星を、ドラマチックな展開で飾る。そうそう、あるものではない。これもまた、原監督の資質のひとつだよ。  ヤクルトがチャンスをつぶしているうちに、いつも通り、落ち着いた采配で勝機をじっくり待ち、最後は計ったように坂本が"プレゼント"。  運だけ、ではない。たまたま、でもない。非情と温情、信用と信頼を使い分けつつ築き上げてきた、選手との一体感が、凝縮された試合だった。  勝利記録は、巨人軍の中だけのこととはいえ、生え抜きしか監督になれない上に、マスコミやファンからの風当たりも強い。のしかかるプレッシャーをはね返した、偉大な記録といえるね。  いや、ころころと首をすげ替え、お手軽な監督人事が増える昨今。他チームを見回しても、もはや原以上の勝利を重ねられる監督は、出現しないのではないかな。  エモトも個人的に、感じるものがあった。開幕後に『監督 原辰徳研究』を出版したばかり。しかも、ニッポン放送の解説者として、球場で、メモリアルな瞬間に立ち会えた。さらに、一緒に解説したのが同学年の若松勉。われわれにはともに、現役時代の原と対戦経験がある。なおさら感無量だった。  さて、その『監督-』を出版するきっかけは、「なぜ原監督は名将と呼ばれないのか」との問いだった。これは長嶋茂雄さんの監督勝利記録を超えたときにも、指摘した通りで、答えは簡単。  「男前」だからだ。  世間には依然として、外見が古だぬきのような人が名将...というイメージが強くある。だから何度でも言わせてもらう。人をみかけで判断したらいけない。原監督は、名将だよ。 (本紙専属評論家)

◆巨人が11日、ヤクルト14回戦(東京ドーム)に2-1で勝ち、原辰徳監督(62)が球団単独最多となる監督通算1067勝目を挙げた。  原監督といえば、決断力が思い浮かぶ。先発投手を決めるときなど、2、3の案を出して選んでもらう。尊重してくれることも、そうでないこともあったが、即決と初志貫徹だけは変わらなかった。失敗した場合も意固地になって続けるのではなく、すぐ切り替える柔軟さがあった。  戦術では選手をよく動かす。自ら動かすことで、失敗しても責任は監督が引き受けるから選手はやりやすい。経験に基づいた1点を取りにいくレパートリーが豊富。今季は特に感じるし、応えている選手もすごい。  選手やコーチとのコミュニケーションにも感心する。説教になるときもあるが、いつも相手がやる気を持てるような言い回しで、心をつかむ。私が怒られたのは、投手を準備させていなかったとき。いつも先、先を考えて備えることを学んだ。  全てが立派だから1067勝もできる。これだけ長く球団から頼りにされているのは、さすがだなと思う。 (元巨人投手コーチ)

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
43224 0.662
(↑0.006)
-
(-)
51331
(+2)
224
(+1)
88
(+1)
39
(+1)
0.258
(-)
3.190
(↑0.04)
2
(1↑)
阪神
34324 0.515
(↑0.007)
9.5
(-)
50295
(+4)
283
(-)
70
(+2)
47
(+1)
0.243
(-)
3.520
(↑0.05)
3
(1↓)
DeNA
34335 0.507
(↓0.008)
10
(↓1)
48313
(+2)
287
(+3)
71
(+1)
14
(-)
0.274
(-)
3.830
(↑0.02)
4
(-)
中日
32365 0.471
(↑0.008)
12.5
(-)
47244
(+3)
296
(+2)
40
(+1)
19
(+1)
0.240
(-)
3.730
(↑0.03)
5
(-)
広島
27358 0.435
(↓0.008)
14.5
(↓1)
50303
(-)
335
(+4)
70
(-)
27
(-)
0.265
(↓0.001)
4.390
(↑0.01)
6
(-)
ヤクルト
26386 0.406
(↓0.007)
16.5
(↓1)
50293
(+1)
354
(+2)
63
(+1)
43
(+1)
0.252
(↓0.001)
4.610
(↑0.03)