阪神(☆4対3★)ヤクルト =リーグ戦15回戦(2020.09.03)・阪神甲子園球場=
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ヤクルト
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阪神
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勝利投手:岩貞 祐太(5勝2敗0S)
(セーブ:岩崎 優(2勝2敗1S))
敗戦投手:高橋 奎二(1勝3敗0S)
  DAZN
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◆阪神は1点を追う7回裏、ボーアと代打・陽川の安打などで2死二三塁の好機をつくる。すると、相手投手・マクガフのボークと失策が重なる間に走者が2人生還して逆転した。投げては、5番手・岩崎がプロ初セーブ。敗れたヤクルトは、打線が9回に一打同点の好機をつくるも、あと一歩及ばなかった。

◆両チームのスタメンが発表された。以下の通り。阪神青柳晃洋投手(26)は今季7勝目を狙う。ここまでチームトップを快走する6勝を挙げ、今季目標の13勝に向けて順調に白星を重ねたいところだ。ヤクルト風張蓮投手(27)はルーキーだった15年以来、5年ぶり2度目の先発に挑み、最下位脱出を狙う。

◆阪神が近本光司外野手、木浪聖也内野手、大山悠輔内野手の同学年トリオで2点先制に成功した。 初回、1番近本が死球で出塁し、ヤクルト先発風張の暴投で二塁に進んだ。2番木浪が8試合連続安打となる先制適時二塁打で近本をかえした。2死三塁で、5番大山も続いた。追い込まれてからフォークにバットを合わせ、中前適時打で木浪をかえした。 今年で26歳を迎える94年生まれの活躍で、先発青柳に先制点をプレゼントした。

◆阪神先発の青柳晃洋投手(26)は、7回途中9安打3失点(自責2)で降板した。 チームトップ7勝目を目指したマウンド。初回に2点の援護を受けると、3回までは丁寧な制球。ゴロを打たせる持ち味の投球で、得点を許さなかった。 4回、ヤクルト上位打線につかまった。先頭の2番青木から連打で無死二、三塁のピンチ。4番村上に左前適時打を浴びて1点差、塩見の二ゴロ間で同点とされた。 しかし、その後は勝ち越しを許さず粘りの投球。7回は先頭坂口から連打を浴びて無死一、三塁のピンチを招くも、8番西田を二ゴロ、9番高橋を空振り三振。2死を取り、左打者の1番山崎を迎えたところで矢野監督は継投を決断。青柳は7回途中、101球で交代となった。2番手には左腕能見が上がったが、山崎の投ゴロを適時失策。勝ち越しを許してしまった。

◆ピンチでリリーフ登板した阪神能見篤史投手(41)が、まさかの形で勝ち越しを許した。 7回、先発の青柳が2死二、三塁とし、左打者の山崎を迎える場面で左腕の能見に交代。山崎に投じた初球、145キロ直球をはじき返されると、打球は能見を強襲。能見は地面に落ちたボールを捕球しようと試みたが、無念にも左手からこぼれ落ちた。記録は失策で、三塁走者の生還を許した。 能見は崩れ落ちたまま、しばらく立ち上がれず。治療のためベンチに下がったが、そのまま降板。岩貞がマウンドに上がった。

◆阪神が陽川尚将内野手の"ステルス盗塁"効果でまさかの逆転に成功した。 1点を追う7回。2番手高橋から1死一、三塁の好機をつくった。ヤクルトベンチはここで3番手マクガフにスイッチ。代打中谷は空振り三振に倒れ、場面は2死一、三塁に変わった。1番近本への2球目。一塁走者陽川がスタート。ヤクルトバッテリーは無警戒で、悠々と二盗に成功した。2死二、三塁。そしてカウント2-1から4球目を投じる直前だった。マウンド上のマクガフは何を思ったか無人の一塁にけん制球を投げた。不意を突かれた一塁手坂口は反応することができず、ボールはファウルゾーンを転々。その間に2走者が生還し、一気に逆転に成功した。 マクガフは一塁に陽川がいると思い込んだ模様で、けん制球を投げたが、陽川はすでに二盗を決めていた。投手も気づかぬ陽川の"ステルス盗塁"が、まさかの逆転劇を呼び込んだ。

◆阪神は信じられない「棚ぼた」の逆転勝利で4カード連続勝ち越しを決めた。 1点を追う7回2死二、三塁。マウンドのマクガフが打席の近本への4球目に入る前、走者がいない一塁にけん制球を投げてしまい、白球はファウルゾーンを転々...。労せずして2点を奪い、逆転に成功した。一塁走者陽川は近本への2球目で二盗を決めており、マクガフが勘違いしたものだった。最終盤は継投で逃げ切った。 打線は低調で、7回表に能見の適時失策で勝ち越されたが、最後は敵失に救われた格好だ。貯金2で、首位巨人と7・5ゲーム差を保った。

◆阪神は1回、木浪の右中間適時二塁打、大山の中前適時打で2点先制した。ヤクルト先発風張は2回2失点で降板。継投に入った。 ヤクルトは4回、村上の左前適時打と塩見の併殺崩れで2点を奪い、追いついた。阪神は2番手高橋に中盤まで無得点が続いた。 ヤクルトは7回、適時失策で勝ち越したがその裏にマクガフの失策で2点を失い、逆転された。ヤクルト高橋は3敗目。阪神は4カード連続で勝ち越した。岩貞が5勝目。岩崎が1セーブ目。

◆勝利を呼ぶサウスポーや! 阪神岩貞祐太投手(28)が、3球で5勝目をつかんだ。「やっぱりチーム1つになって、この1勝をつかみ取ることの大変さを、中継ぎに入ってより感じています」。ブルペン総力戦でつかみ取った1勝をかみしめた。 緊急登板にも動じなかった。7回2死二、三塁で能見が勝ち越しを許し、さらに打球処理の間に負傷し降板。球場に重い空気が漂った。なおも2死一、三塁。マウンドに上がった岩貞は、ヤクルト青木の内角へ勢いよく直球を投げた。「自分の中で一番いいボールを選択して、投げるというところだけを考えて投げました」。3球目の143キロ直球で二ゴロにうち取り、非常事態を切り抜けると、その裏にマクガフの珍プレーで逆転に成功。勝利を呼び込むリリーフだった。 ラッキー・サダだ。矢野監督も「あそこは1人でもすごく価値のあるところ。結果的にラッキーボーイになってくれている」と喜んだ。8月29日広島戦(マツダスタジアム)から岩貞が登板した試合は4連勝。自身もここ4試合で3勝1ホールドを挙げている。「先発している時より勝ってしまっているので、ちょっと複雑な気持ちがあります」とお立ち台では素直な気持ちをもらしたが、ブルペンでの存在感は日を追うごとに増す。8月中旬に中継ぎに配置転換されてから、10試合に登板し被安打3、2失点。防御率1・93は安定感抜群の成績だ。 いよいよ首位巨人との4連戦。岩貞は「絶対に勝たないといけない4つだと思う」と力を込めた。1日には引退会見を終えた藤川が、甲子園でチームにゲキを飛ばした。永遠のライバル、巨人に抱いてきた並々ならぬ思い。その藤川の魂は岩貞にもしっかり受け継がれている。「明日から巨人戦ということで、球児さんが言っていましたけど、『巨人を倒して』ということだと思うんで、また準備してやっていきたいと思います」。お立ち台で力強く宣言すると、ファンは大きな拍手で応えた。伝統の一戦でも、ラッキー・サダがみんなを幸せにする。【磯綾乃】

◆阪神ベテラン能見篤史投手が負傷交代に見舞われた。同点の7回2死二、三塁の勝負どころで救援。だが、山崎への初球は腹部付近を直撃するゴロになり、転がった球をつかめず、その際に足をひねった模様だ。痛恨の適時失策で勝ち越されて1球で降板した。 矢野監督は「明日になってみないと分からないのが現状。ちょっと腫れが出ている。明日はちょっと難しいと思っている」と説明した。今季は18試合に救援登板して、防御率5・68と調子が上がってこない。

◆ヤクルトがまさかの珍プレーで逆転負けを喫した。 1点勝ち越しに成功した後の7回裏だった。1死一、三塁から登板した3番手スコット・マクガフ投手(30)が、代打中谷を空振り三振に仕留めて2死一、三塁に。ここで一走の阪神陽川が二盗に成功したが、マクガフは一塁に陽川がいると思ったのか、2ボール1ストライクから無人の一塁にけん制球を投げた。 一塁坂口は不意を突かれ、球がファウルゾーンを転がる間に2者生還。ボークとけん制悪送球が記録された。高津監督は審判に説明を求め「あそこで坂口がもし捕っていたらボーク。それがそれて捕れなかったので、送球扱いになるので2人とも生還を認めますと。こちらも反省することがたくさんあったワンプレーだった。1つのミスがこれだけ大きな失点になる」と悔やんだ。 投手陣には今季初めてオープナーを採用。直近2試合で立ち上がりに失点していた高橋に代わって風張が2回を投げたが、初回に2失点。7回に敵失でどうにか勝ち越した直後の"悲劇"だった。「(高橋)奎二で勝負がつくまでとは思っていた。相手のエラーで点を取ってリードしたので、きりのいいイニングにスコット(マクガフ)でいって、勝ちパターンで逃げ切ろうと思ったんですけどね。難しいゲームになりましたね、今日は」。チームはこれで5カード連続の負け越しとなった。【鎌田良美】

◆キナチカよ、G倒も頼むで! 阪神の1、2番コンビが、初回の先制パンチを演出した。 先発風張から先頭近本光司外野手が死球で出塁。2番木浪聖也内野手への初球が暴投となり、二塁に進んだ。得点圏となり、木浪が甘く入ったフォークを右中間へ運んだ。快足近本は悠々と三塁を蹴り、先制のホームを踏んだ。先制適時二塁打の木浪は「先制点が大事だとチームでもずっと言っているので、絶対にランナーをかえしたいと思っていました。自分の仕事ができて良かったです」。キナチカコンビで、わずか7球の速攻に成功した。 木浪はこの回、5番大山の適時打で2点目のホームも踏んだ。8月26日中日戦(甲子園)から「2番」に起用され、近本と8戦連続で1、2番コンビを組む。打撃もそこから8戦連続安打と急上昇。同期入団で同学年の相棒と、打線を引っ張っている。 近本も2回に中前打を放ち、7回には四球で出塁してリーグトップとなる16個目の盗塁を成功。4日からは首位巨人と勝負の4連戦。2年目の1、2番「キナチカ」コンビが、打って走ってチームを勝利に導く。【奥田隼人】

◆勝ち運あるで~! 阪神が珍プレーでヤクルトに逆転勝ちした。1点を追う7回裏2死二、三塁でヤクルト・マクガフが走者のいない一塁へけん制悪送球。一気に2人の走者が生還し、逆転に成功した。4カード連続の勝ち越しで、矢野燿大監督(51)は就任2年目で通算100勝。4日から本拠地に首位巨人を迎え、勝負の4連戦。逆転優勝に望みをつなぐためにも、絶対に負けられない。甲子園にクエスチョンマークが浮かんだ。前代未聞の珍プレーが発生したのは1点を追う7回2死二、三塁の場面だった。ヤクルトの3番手マクガフが1番近本に3球目を投げた直後、一塁へけん制球を投じた。もちろん、走者もいなければ、一塁手もベースには付いていない。投げたマクガフもビックリ。見ている誰もがポカンだ。ボールは一塁ファウルゾーンを転々とし、植田、陽川が悠々と生還。逆転に成功だ。 思わぬ形で転がり込んだ矢野監督のラッキーな通算100勝。だが、指揮官は言う。「その前にしっかり陽川がつないでくれたし、そのあとしっかり盗塁したというのが効いた。最終的にラッキーな部分かもしれないけど、よくつないでくれた。いい働きをしてくれたと思います」。誰もが目を疑ったシーンだが、時を戻せば積極的な足攻めが起点になった。 7回、先頭ボーアがシフトをかいくぐるヒットを放つと、指揮官はすかさず代走植田を送り込む。続く梅野の犠打、代打陽川の左前打で2死一、三塁となると一走陽川は近本の2球目に二盗。途中出場の選手も意識は変わらない。前へ前への姿勢が、一塁に陽川がいるというマクガフの「勘違い」を生んだ。 ブルペンは守護神不在だった。この日、12セーブを挙げているスアレスが、1点差の9回マウンドに上がることはなかった。矢野監督は「実は今日ベンチに入れていなかった。ベンチにいるとどうしても使いたくなるから」。名前はあるが、ベンチにはいない。登板過多を考慮した休養措置だった。ストッパー不在の中で中継ぎ陣の必死のリレーで勝ち切った。 4カード連続勝ち越しを決め、13連戦最初のカードを勝ち越した。4日から7・5ゲーム差で追う首位巨人を甲子園に迎えての勝負の4連戦だ。最短7日にも自力Vが消滅するという崖っぷちだが、スアレス温存に加え、キャプテン糸原が1軍合流決定とG倒態勢が整う。矢野監督は「引きずり下ろさないと僕らは上に行けない。思いっきり僕らはぶつかっていくしかない。全員でぶつかっていきたいと思います」と高らかに宣言。セ界王者に全力で挑む。【桝井聡】

◆阪神ジョー・ガンケル投手が3者凡退で反撃ムードを断った。 逆転直後の8回、クリーンアップと対戦。山田哲を内角低め149キロツーシームで空を切らせると村上も塩見もゴロアウトに封じた。10ホールド目を挙げ、必勝リレーに欠かせない。 「本当にちょっと変な雰囲気はあった。勝ち越した後にしっかり自分有利なカウントをつくって、なるべく早く回を終わらせて次の投手につなぎたいと思っていた」。初めて甲子園のお立ち台に上がり「タイガースファン! イツモアリガトウ!」と日本語で話していた。

◆阪神岩崎優投手が「球児魂」でプロ初セーブを挙げた。守護神スアレスの5連投回避のため、1点リードの9回に登板。安打と四球で2死一、二塁のピンチを背負ったが山崎を二ゴロに抑えて逃げ切った。 お立ち台で「緊張したので普段と同じように8回表だと思って投げようと思ったけど9回でした」と笑いを誘った。1日に藤川が引退を表明。「監督は、優勝して最後のマウンドは球児さんがいると決めている。その未来に向かって突き進むだけ」と気合十分だ。代役の重責を果たし、記念球も手にした。

◆阪神 青柳が7回途中3失点(自責2)で降板し、7勝目はならなかった。 「立ち上がりから調子があまり良くなかった中で、なんとか粘ることが出来ていただけに、最後に厳しい形でリリーフにつないでしまい悔しいです」。初回は青木に四球を与えるなど21球を要した。4回は青木から3連打を浴び同点に追いつかれたが、後続を打ち取り粘りの投球。7回2死二、三塁の場面で左打者の山崎を迎え、左腕の能見に交代。矢野監督は「青柳もあそこで代えるというのは、僕の中でもいろいろ思いはあった。能見の経験にかけようと思っていた」と説明した。

◆阪神5番大山悠輔内野手が3戦ぶりの安打となる適時打を放った。初回、2番木浪の二塁打で先制。続く2死三塁の好機で、先発風張のフォークを拾って中前に運んだ。 「もう1点ほしい場面だったので、しっかりランナーをかえすことができて良かったです」。8月30日広島戦(マツダスタジアム)の延長戦で放った決勝三塁打の後は2試合快音がなかったが、復調気配の1本となった。

◆阪神が珍プレーでヤクルトに逆転勝ちした。1点を追う7回裏2死二、三塁でヤクルト・マクガフが走者のいない一塁へけん制悪送球。一気に2人の走者が生還し、逆転に成功した。4カード連続の勝ち越しで、矢野燿大監督(51)は就任2年目で通算100勝。矢野監督の一問一答は以下の通り。-9回はスアレスではなく岩崎 矢野監督「実は、きょう(スアレスは)ベンチに入れてなかった。登板がかなり多くなっていましたし、すごく頑張ってくれているんでね。ベンチにいると、どうしても僕も使いたくなるんで。(岩崎は)経験もありますし、ああいうふうに粘りながらでも抑えるというのは本当にセットアッパーとか、後ろというのは大事になるのでね。1球1球かなり慎重に投げながら絶対にゼロで抑えるというね。粘ってくれました」 -救援陣が奮闘  矢野監督「そうですね。青柳もあそこで代えるというのは僕の中でもいろいろ思いはあったんですけど、あと1人。1人という難しさは僕もキャッチャーですごい感じていて。そういうとろこでは能見の経験にかけようと思っていたんですけど...。結果的には青柳に悪いことをしたなと思うんですけど。でも、みんな粘ってくれた結果が、この勝ちにつながった。みんなよくやってくれています」 -意外な形で決勝点  矢野監督「その前に陽川がしっかりつないでくれましたし。陽川が、また盗塁したということが結果的には効いたんでね。もちろん最終的にはラッキー。それがなかったら何もない部分かもしれないですけど。そこまでの段階としては、よくつないでくれたかなと思っています」 -明日から巨人4連戦 矢野監督「やられてることも僕ら自身が一番分かってますし、勝たないと巨人を引きずり落とせない、僕らが上に行けないのは重々分かってますし、タイガースファンのみなさんの思いもね、十分に僕ら分かってるんでね、その思いをこの4連戦しっかりぶつけていきたいと思います」 -7回の継投 矢野監督「次、ピッチャー回りそうなんでね、そういうところではあと1人っていう難しさ、またね青柳には任して、青柳が今年、成長してくれるってところでは任してやりたいって思いと、すごくこう自分の中で葛藤があったんですけど。まああと1人の難しさが、どうしてもあそこまでいってっていうのがちょっと自分の中にはあって。まあさっき言ったように能見の経験にね、経験と度胸にかけて、乗り切ってくれたら次の回からはピッチャーのところに回っても、また岩貞とかいけるんでね、何とか1人、1人を絶対に抑えてくれというところで能見で行きました」 -能見はアクシデント 矢野監督「ちょっと腫れもある。明日になってみないと分からないのが現状ではある。ちょっと腫れが出ている。まあ、明日はちょっと難しいと思っているけど」 -岩貞は直後に1人抑えて勝ちが転がり込んだ 矢野監督「転がり込むといっても、あそこは1人でもすごく価値のあるところ。あそこを頑張ってくれなかったら、流れ的にずるずるいくところ。しっかり中身がある投球をしてくれている。結果的にラッキーボーイになってくれている。勝ちがついているので、しっかりした中身があるかなと思っています」 -今後、第2先発を攻略しないといけない課題も出た 矢野監督「それはずっとタイガースの、うちのチームの課題。どう点を取るかというのは。それは今日だけではないのでね。どうやって点を取るかというのはね。俺ももちろん考えているし、相手のあること。それは重々、分かっています」 -陽川が積極的に二盗 矢野監督「どうやって点取るかというのを俺ももちろん考えているし、相手もあることなんで、それは重々分かっています」 -陽川が二塁にいったことが 矢野監督「結果的にはそういう形になったんでね。代打で打つというのは簡単なことじゃないし。もちろん将大(中谷)が決めてくれるというのが、一番理想の形なんだけど。あそこ決めてくれたら良かったんだけど。原因を振り返っていくと、やっぱりそこの陽川のヒット、また陽川が走っているところが結果的にこういう形になったんでね。いい働きをしてくれたと思います」 -明日から4つが大事な戦い 矢野監督「そうやね。向こうもいい形でこっちに乗り込んでくる。またピッチャーも、頭はシーズン中やられているし、シーズン通してもいいピッチングしている投手なんで。うちも西(勇)でいくんで、そういうところでは、最低限のという形が作れたんで、思いきり僕らはぶつかっていくしかないんで、全員でぶつかっていきたいと思います」 -2軍戦で糸原がフル出場 矢野監督「まあね。準備は本当はもっと打席に立ったり、試合も離れたんで、どこがベストか分からないけど。俺が見に行った感じでは違和感あってボールを見ているとか、振った後のケガした部分は影響ないということなんで、明日上げようと思っています」

◆ヤクルト・風張蓮投手(27)が3日、阪神15回戦(甲子園)に自身2度目となる先発マウンドに立った。2015年5月3日の広島戦(神宮)以来、5年ぶりの先発だったが2回3安打2失点で降板となりオープナーでの起用とみられる。  三回からは本来、先発する予定だった高橋奎二投手(23)が中7日でマウンドに上がり、3番・糸井からの勝負。高橋は8月18日の中日戦(神宮)、同26日の巨人戦(神宮)の最近2試合で2試合連続で一、二回にともに失点を喫していた。

◆ヤクルト・村上宗隆内野手(20)が3日、阪神15回戦(甲子園)で「4番・三塁」で先発し、0-2の四回無死一、二塁から強烈な当たりの左前適時打を放った。  阪神先発・青柳の外角直球を捉え「クイックが速い投手なので差し込まれないように、始動を早めにコンパクトに打つことを意識して打席に入りました」と振り返った。  村上の適時打で無死一、三塁ととなり、続く塩見の二ゴロの間に三走が生還。同点に追いついた。

◆阪神が2-0リードで迎えた三回終了時、甲子園がざわついた。ここでスコアボードに他球場の試合結果が表示されるのが恒例だが、最も目を引いたのが巨人-DeNA(東京ドーム)。二回終了で巨人が13-1とリードしているのを目の当たりにし、虎党はなんとも複雑な表情で見つめた。阪神は7・5ゲーム差の2位。4日からは甲子園に巨人を迎え撃つ4連戦が待っているだけに、苦笑いを浮かべるしかなかったようだ。

◆阪神が七回に2点を奪い、4-3と逆転した。  1死一、三塁と好機を作ると、ヤクルトベンチは2番手の高橋に代えてマクガフを送り込んだ。代打・中谷は空振り三振で2死。続く近本の打席の2球目、1走・陽川が隙をついて二盗に成功し、2死二、三塁。まさかのプレーが起こったのはこの直後だった。マクガフは、なんと誰もいない一塁に牽制(けんせい)。あっけにとられる一塁手・坂口はボールを捕球できず、一塁側ファウルゾーンにボールが転々とする間に、走者二人が生還した。  ラッキーセブンの七回に、陽川の"影武者盗塁"で、阪神が逆転した。

◆七回に青柳が連打で2死二、三塁としたところで降板。「青柳に代わりまして、投手・能見」とアナウンスされると、「えぇー!」場内の虎党がざわついた。  能見が山崎を初球で投ゴロに抑えたと思われたが...。打球の処理にもたつき、適時失策。その際に能見が体勢を崩して、負傷交代。わずか1球で降板し、岩貞がマウンドへ上がった。

◆阪神が逆転勝利で4カード連続の勝ち越しを決めた。決勝点は、ヤクルトの考えられないミスで奪った。1点を追う七回1死一、三塁で、一走の陽川が二盗。二、三塁とした直後、投手のマクガフが走者がいなくなった一塁にけん制球を投げた。もちろん、一塁手もベースについておらず、ボールがファウルグラウンドを転々とする間に同点、逆転の走者がホームを踏んだ。  記録は、三走の植田の生還と二走・陽川の三進がボーク、陽川の生還がマクガフの失策という珍しいケース。2-2の七回の守りでは、2死二、三塁で2番手・能見の失策の間に勝ち越し点を許した直後の珍事だった。  九回に登板した岩崎は無失点でプロ初セーブ。貯金「2」で2位をキープして、4日から首位・巨人との直接対決4連戦(甲子園)に向かう。

◆阪神が相手のミスで七回に逆転し、4カード連続の勝ち越しを決めた。以下矢野監督の一問一答。  --九回はスアレスではなく岩崎で  「実は、きょう(スアレスは)ベンチに入れてなかったのでね。登板がかなり多くなっていましたし、すごく頑張ってくれているんでね。ベンチにいると、どうしても僕も使いたくなるんで。きょうは帰れ、と。そういうことで(岩崎で)行きました」  --岩崎はプロ初セーブに  「経験もありますし、粘りながらでも抑えるというのは本当にセットアッパーとか、後ろの投手は大事になるのでね。1球1球かなり慎重に投げながら絶対にゼロで抑えてくれた。粘ってくれました」  --七回、意外な形で決勝点となった  「その前に陽川がしっかり(ヒットで)つないでくれましたし。陽川が、また盗塁したということが結果的には効いたんでね。もちろん最終的にはラッキー。それがなかったら何もない部分かもしれないですけど。そこまでの段階としては、よくつないでくれたかなと思っています」  --13連戦の最初のカードを勝ち越した。巨人戦に向けて  「やられていることも僕ら自身が一番分かってますし、勝たないと巨人を引きずり落とせない、僕らが上に行けないのは重々分かってますし、タイガースファンのみなさんの思いもね、十分に僕ら分かってるんでね、その思いをこの4連戦しっかりぶつけていきたいと思います」  --能見の状態は  「ちょっと腫れもある。明日になってみないと分からないのが現状ではある。ちょっと腫れが出ている。まあ、明日はちょっと難しいと思っているけど」  --明日から4つが大事な戦い  「ジャイアンツも3連勝、DeNA戦は終わった? あんだけ点取ったら、向こうもいい形でこっちに乗り込んでくる。またピッチャーも、頭(戸郷)はシーズン中やられているし、シーズン通してもいいピッチングしている投手なんで。うちも西勇でいくんで、そういうところでは、最低限のという形が作れたんで、思いきり僕らはぶつかっていくしかないんで、全員でぶつかっていきたいと思います」

◆ヤクルトの高津監督が、先発投手を短いイニングで代えて継投で乗り切る戦術「オープナー」を初めて採用した。しかし、5年ぶりに先発した風張が一回から2失点して劣勢となった。  三回からは2番手に23歳で将来のエース候補、高橋を投入。今季の登板は全て先発だったが、中継ぎとしてもきっちりと試合を組み立て、七回途中まで踏ん張った。高津監督はオープナー採用の意図を「立ち上がりが悪い試合が続いたので、高橋のことを考えてやった」と説明した。難解な采配で接戦を落として「多分もうやらない」と話した。 高津監督(七回のマクガフについて) 「まだ本人と話していないので私もよく分からない。ただ一つのミスがこれだけ大きな失点になる。こちらも反省がたくさんある」

◆ヤクルトは3日、阪神15回戦(甲子園)に3-4で逆転負け。1点リードの七回途中から3番手で登板したスコット・マクガフ投手(30)が2死二、三塁の場面で、無人の一塁に牽制(けんせい)球を投げ、一気に2者が生還するまさかの"珍プレー"で決勝点を献上した。最下位脱出に失敗し、5カード連続で負け越した。  いったい何が...!? 甲子園が、どよめきに包まれた。1点リードの七回2死二、三塁。マクガフが走者のいない一塁へ、まさかの牽制(けんせい)球。一塁手・坂口が飛び込んでも捕球できず、悪送球は一塁側ファウルゾーンを転々とした。  右翼手・塩見が懸命に球を追いかけたが、2者が生還。一気に逆転を許す痛恨のミス(記録はボークと失策)に、マウンドの救援右腕は茫然(ぼうぜん)自失。高津監督も険しい表情だった。  「ミスをすれば負ける。しかも1つのミスがこれだけ大きな失点になってしまっているので、ミスを減らしていかないといけない」  一瞬で流れが変わった。この日は救援右腕の風張が先発で2回を投げ、先発要員の高橋につなぐ「オープナー」を採用。六回まで2失点に抑え、七回に勝ち越したばかりだった。  前代未聞の"珍プレー"の直後、高津監督は梅木球審のもとへ。「坂口が捕っていたらボーク。それがそれて、捕れなかったので、送球扱いになって2人とも生還を認めます」と説明されたことを明かした。  チーム全体の確認ミスも重なった。マクガフは七回1死一、三塁から登板。代打・中谷を空振り三振に抑え、続く近本の打席で2球目に一走・陽川が二盗していたが、捕手の西田は送球せず。その後、カウント2-1となった場面で悪夢が起きた。指揮官は「こちらも反省するところがたくさんあった、あのワンプレーかなと思う」と嘆いた。  これで5カード連続の負け越し。「たくさん登板していれば、いろいろなことが起こるのは当たり前ですけど、その中でどうやっていい結果を出していくか、いい準備をするかはこれからも大事」と高津監督はマクガフを含めた選手の奮起を期待した。これでチームは借金8。反省を次につなげるしかない。(赤尾裕希) ★珍プレーアラカルト  ◆レイサム(巨人) 2003年5月21日のヤクルト戦で左翼手のレイサムがヤクルト・鈴木健が放った左中間の飛球を捕球。3アウトと勘違いし、ボールをスタンドへと投げ入れた。当時の野球規則7・05により、二走・宮本に2個の進塁権が与えられ、同点になった。  ◆オーティズ(ロッテ) 08年5月5日の西武戦で、二塁手のオーティズが西武・栗山が放った一、二塁間の打球をグラブを投げて止めた。当時の野球規則7・05に抵触したことで三塁打となった。  ◆マレーロ(オリックス) 17年6月9日の中日戦でマレーロが2ランを放ったが、ホームベースを"踏み忘れた"ため、本塁打が取り消された(記録は三塁打)。来日初アーチは幻となった。1958年9月19日に巨人・長嶋茂雄も本塁打を放つも、一塁ベースを踏み忘れ、アウトとなった(記録は投ゴロ)。 ★野球規則6・02 投手の反則行為 (a)ボーク  (以下抜粋)(4)投手板に触れている投手が、走者のいない塁へ送球したり、送球するまねをした場合。ただし、プレイの必要があればさしつかえない。  【原注】投手が走者のいない塁へ送球したり、送球するまねをした場合、審判員は、それが必要なプレイかどうかを、走者がその塁に進もうとしたか、あるいはその意図が見られたかで判断する。

◆一打同点のピンチでもポーカーフェースは最後まで崩さなかった。岩崎は3つ目のアウトを奪うと、静かにガッツポーズだ。通算246試合目でプロ初セーブをマーク。お立ち台では、マウンドでの心境を正直に吐露した。  「普段あまり緊張しないんですけど、きょうは久々に緊張しました。とにかく0点で終わればいいと思っていたので、目の前の打者に集中しました!」  1点差の九回。守護神のスアレスが登板するかと思われたが、場内には「投手・岩崎」のアナウンスが流れた。虎党もざわつくなか、先頭の坂口にいきなり左前打。その後、2死として代打・中山に四球を与え、一、二塁とピンチを招いが、最後は山崎を二ゴロに仕留めて試合を締めた。  この日、リーグトップの12セーブを挙げているスアレスがベンチ外に(メンバー表には記載)。矢野監督は「登板がかなり多くなっていましたし、すごく頑張ってくれているので。ベンチにいると、どうしても使いたくなる。きょうは帰れと」と説明。すでに27試合に登板し、4試合連投中だったストッパーを休養させ、セットアッパーの岩崎に九回を託した。  指揮官は「一球一球かなり慎重に投げながら絶対にゼロで抑えるというね。粘ってくれました」と奮投をねぎらった。  虎の抑えといえば、1日に今季限りでの引退を表明した藤川球児-。岩崎は「勝ち負けを背負うポジションなので、思っていた以上にいろんなもの背負っていたのかなと思う。でも(まだ)一回だけなので、それだけじゃ言い表せないですけど」と話した。藤川が1軍に戻ってくるまでにチーム全員で戦い、首位の座を奪う。岩崎はファンの前で誓った。  「監督が優勝して最後のマウンドには球児さんがいる、と決めているので、その未来に向かって突き進んでいくだけです!」  ヒーローインタビューの最後には「タイガースファン、イツモアリガトウ」と一緒にお立ち台に上がったガンケルの挨拶をモノマネして笑いを誘った。笑って勝つ。2020年の矢野野球を全力で体現していく。(織原祥平)

◆世紀の珍プレー!? 神風が吹いた!! 阪神はヤクルトに4-3で勝利。1点を追う七回、相手のマクガフが2死二、三塁で無人の一塁にけん制球を投げ、一気に2者が生還して逆転した。4カード連続勝ち越しで、首位巨人との7・5ゲーム差を死守。4日からの甲子園での直接対決4連戦へ、矢野燿大監督(51)は「勝たないと巨人を引きずり落とせない」と語気を強めた。  こんなことってある? 甲子園の4965人やテレビの前の虎党も何が起こったか、わからなかっただろう。無人の一塁に投じられた白球が、右翼線を転々...。世紀の珍プレーに誰もが目を丸くし、二走の陽川は何度も白球の行方を確認しながら、逆転のホームを駆け抜けた。Gとの決戦に向かう矢野虎に、まさに"神風"が吹いた!  「もちろん、最終的にはラッキー。それがなかったら何もない部分かもしれないですけど。そこまでの段階としては、よくつないでくれたかなと思っています」  矢野監督の就任2年目での100勝は思わぬ形で転がり込んだ。2-3と勝ち越された直後の七回だ。オープナーの風張から一回に2点を奪った後、苦しめられた2番手の高橋から1死二塁を作ると、代打・陽川が左前打。一、三塁とチャンスを広げ、3番手のマクガフを引きずり出した。  代打・中谷は空振り三振で2死。近本の打席の2球目に陽川が二盗に成功し、次の1球はストライクでカウント2-1。走者は二、三塁-。  ここで前代未聞の珍事が起きた。助っ人右腕が突如、一塁へけん制球を投げたのだ。しかも無人の光景に驚いたのか、送球は大きく逸れ、右翼・塩見がカバーする間に、逆転の2者が生還だ。  ヤクルト・高津監督は「ミスをすれば負ける。こちらも反省するところがたくさんあった、あのワンプレーかなと思う」とがっくり。直後に梅木球審に説明を要求したが「(一塁手の)坂口が捕っていたらボーク。それが逸れて、捕れなかったので、送球扱いになって2人とも生還を認めますということ」と、力なく明かすしかなかった。  三走・植田はボーク、二走・陽川は悪送球による生還。とにかく、虎にとっては勝った事実が大きい。負けていれば貯金をはき出し、首位巨人と今季最大タイの8・5ゲーム差に広がる大ピンチだった。矢野監督は「やっぱり陽川のヒット、また陽川が走っているところが、結果的にこういう形になった」と背番号55の働きをたたえ、すぐさま視線を上げた。  4日から、今季初めて2位として巨人に挑む。ここまでは2勝8敗。前回8月18-20日の東京ドームでは同一カード3連敗をすべて無得点という屈辱で喫したが、そこから4カード連続で勝ち越しに成功し、今度は甲子園に迎える。  「やられてることも僕ら自身が一番分かってますし、勝たないと巨人を引きずり落とせない、僕らが上に行けないのは重々分かってます。タイガースファンのみなさんの思いも十分に僕ら分かってるんで。その思いをこの4連戦しっかりぶつけていきたいと思います」  今季を決めるといっていい、勝負の4連戦。幸運の女神も味方につけ、必ず勝つ。(大石豊佳)

◆「アンビリーバボー! ヤクルトノ、マクガフデ~ス! 7カイ、ランナーガイナイ1ルイニ、ケンセイシテ、ギャクテンサレマシタ...。デモ、シンジテクダサ~イ! ホントニ、1ルイニ、ランナーガ、ミエタンデ~ス!!」  「まさか、そんな...」  「ホントデース! ユラユラト、リードスルランナーガ!!」  「えっ! こんなに真剣に言うってことは...。まさかホントに真夏の夜の甲子園の怪談...。ゾーッ!!」  怪談だろうが、お化けだろうが、阪神に白星をくれたんだから、何でも許しちゃうー!!  ちゅーか、真夏の怪談なら、昨季、先発で2勝だった岩貞が、リリーフに回った途端に8月29日から本日までのわずか6日間で3勝を稼ぎ、今季は早くも5勝。そっちの方がビックリなのだ!!  何はともあれ、勝ったのは大きい!! さあ、次は7・5ゲーム差を離されている巨人との4連戦で、今季最大のヤマと言ってもいいだろう!!  ここでやられたら今季は「THE END」...。かくなる上は死ぬ気で...。いや、死んだ虎が生き返って兎を食う稲川淳二超えの怪談で、巨人を震えさせたれ~!!

◆ラッキーな形で逆転勝ちはしたが手放しでは喜べない。とにもかくにも打線だ。2、3点止まりの得点力をもうワンランク上げる必要がある。  サンズだけではこの状況は抜け出せない。大山とボーアの打撃が上がっていかないと。大山は一回に中前適時打したが、主軸という意味でも、ベンチやファン、みんなが納得できる「打ち取られ方」が求められる。初球の変化球をゲッツーというのが、この日も六回にあった。打者有利のカウントでの待ち方が、なかなか改善されないままだ。  ボーアにしても、簡単に甘い球を見送ったり、このバッティングカウントでそのボールを振るか? というような打席があり、待ち方が見えてこない。最近の安打もたまたま当たったのがいいところに飛んだ、というものばかり。シーズンの半分も過ぎた。コーチらが日本の配球の傾向も改めて伝え、第1ストライクはこういうケースでは思い切っていってくれ、などと一定の方向性を決めるべきかもしれない。  巨人との4連戦は今シーズンを左右する。チーム一丸でしっかりと策を練り、気持ちを整理し、集中すること。負けられない試合に臨んでいくんだという「覚悟」を持って戦ってほしい。(本紙専属評論家)

◆いやあ、しんどい試合だった。マクガフ、ありがとう!! 長いこと野球記者をやってきたけど、ランナーのいない塁へけん制するなんて、初めて見た。七回裏に何が起きたか、紙面でじっくりご覧になってください。  みんなが都合のいいこと言うてました。そして、それは全部裏目に出そうだったのです。  「きょうは敵は雨(降雨中止)だけ」  紙面総括のレース部長土井高志が余裕の表情でした。男子ゴルフツアーの今季国内初戦「フジサンケイクラシック」が開幕したから阪神が負けても...ではありません。「『フジサンケイ』は最終面とゴルフ面。ヤクルトは風張が先発するブルペンデー。1面は阪神です」。  試合前から勝利を確信していました。トラ番原田遼太郎も甲子園球場からの電話の声が弾んでいます。  「そろそろボーア選手が打ちます」  パラついていた雨が午後1時半ごろ一時的に激しくなり、練習は室内練習場で行われました。それが「打ちます」の理由です。  「ロードから19日ぶりに甲子園に戻ってきた8月25日の中日戦のときです。自分もそのときが久々の球場でのナマ取材だったので、ボーア選手の打撃練習をじっくりチェックしてたんです」  ところが、いい当たりがまったくない。37スイングで柵越えゼロ。ゴロ打球ばかり。原田は心配になってキャップ大石豊佳にそのまま報告しました。すると。  「大丈夫だよ。そういうときに限って打ったりするんだ」  キャップの予言は的中します。六回に小笠原から左中間へ10号2ラン。さらに翌26日も二回に右越えに先制ソロを放つと六回に12号2ラン。「さすが、大石さん」と感服したらしい。  「きょうも練習が室内でしたから柵越えなしです。しかもあのあとホームランが出ていない。みんなが心配している」。だから「そろそろ」と、まあ都合のいい理由で期待。ただ、"原田&大石理論"にはもうひとつ根拠(?)がありました。  「ボーア選手が打たなくなったらサンズ選手が爆発してます。広島戦(8月30日、マツダ)の先制3ランに始まって、ヤクルトの1戦目がサヨナラ本塁打で、きのう(2日)が14号2ラン。あの2人、どっちかが調子を落としたときにどっちかが爆発する。うまく回ってるんです」  なるほど...って、こらこら、その理屈でいくと「そろそろ」サンズが打たなくなるじゃねえか。ぼやいていたら、投手担当の織原祥平も都合のいいことを言ってきました。  「きょうも雨が降りました。投げる日によく雨が降って、雨が降ったら負けないので『雨柳さんフェイスタオル』のグッズまでできた青柳さんが先発です。勝ちます」  七回にその青柳が...リリーフした能見が...と思っていたら、その裏にあんなことが起きるなんて。  「これで巨人との4連戦、楽しみになりましたね。巨人は裏ローテでしょ」  七回表まではしかめっ面だった土井総括が笑っています。また都合のいいことを。でも、巨人は第1戦こそ登板日をズラして中7日で戸郷を持ってきたけど、2戦目以降は今村、メルセデス、直江の裏ローテーション。初戦で我らがエース西勇がピシッといってくれたら、4連勝が見えてくるぞ。7・5ゲーム差も一気に3・5差だ!! はい、私が一番、都合のいいこと言うてます。

◆ヤクルトは3日、阪神15回戦(甲子園)に3-4で逆転負け。1点リードの七回途中から3番手で登板したスコット・マクガフ投手(30)が2死二、三塁の場面で、無人の一塁に牽制(けんせい)球を投げ、一気に2者が生還するまさかの"珍プレー"で決勝点を献上した。  6日放送のTBS系「サンデーモーニング」(日曜前8・0)の名物コーナー「週刊・御意見番」では、この話題を取り上げた。野球評論家の張本勲氏(80)は「80年くらい野球を見ているけど、見たことも聞いたこともない」とあきれた様子。「野手でも走者が何塁におるかを頭に入れてるのに、投手が2死二、三塁で、無人の一塁に牽制する?」と喝を入れていた。

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
38213 0.644
(↑0.006)
-
(-)
58302
(+13)
208
(+4)
83
(+3)
37
(-)
0.261
(↑0.002)
3.300
(↓0.01)
2
(-)
阪神
31293 0.517
(↑0.009)
7.5
(-)
57266
(+4)
245
(+3)
59
(-)
42
(+2)
0.242
(-)
3.450
(↑0.02)
3
(-)
DeNA
31313 0.500
(↓0.008)
8.5
(↓1)
55261
(+4)
250
(+13)
62
(-)
13
(-)
0.267
(↑0.001)
3.700
(↓0.12)
4
(-)
中日
29334 0.468
(↑0.009)
10.5
(-)
54225
(+6)
272
(-)
35
(+1)
17
(-)
0.240
(↑0.001)
3.820
(↑0.06)
5
(-)
広島
25326 0.439
(↓0.007)
12
(↓1)
57268
(-)
289
(+6)
66
(-)
25
(-)
0.264
(-)
4.220
(↓0.04)
6
(-)
ヤクルト
25335 0.431
(↓0.008)
12.5
(↓1)
57267
(+3)
325
(+4)
55
(-)
39
(-)
0.250
(-)
4.720
(↑0.02)