西武(★2対6☆)楽天 =リーグ戦7回戦(2020.08.12)・メットライフドーム=
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楽天
01020030061101
西武
0000002002722
勝利投手:涌井 秀章(7勝0敗0S)
敗戦投手:伊藤 翔(0勝1敗0S)

本塁打
【楽天】太田 光(2号・4回表2ラン)
【西武】森 友哉(5号・7回裏ソロ),メヒア(4号・7回裏ソロ)

  DAZN
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◆楽天は2回表、太田の適時打で先制する。その後は、4回に太田の2ラン、7回に茂木と島内の適時打で3点を加えて、着実にリードを広げた。投げては、先発・涌井が7回途中2失点の好投で今季7勝目。敗れた西武は、投打ともに振るわず、泥沼の6連敗を喫した。

◆楽天太田光捕手(23)が18試合ぶりの1発となる2号2ランを放った。 2回に先制の中前適時打。1点リードの4回1死二塁、西武伊藤の真ん中低めの直球をバックスクリーン左へと運んだ。 7月22日オリックス戦以来の本塁打で今季3度目のマルチ安打。試合前の時点で開幕から6連勝中の涌井と全7試合でバッテリーを組む太田は「打ったのはツーシームだと思います。引っ掛けないようにだけ気をつけていました。涌井さんを援護できて良かったです」と喜んだ。

◆先発した西武伊藤翔投手が約1年10カ月ぶりの白星を逃した。 今季2度目の先発。2回に先制を許すと4回に2ランを浴びた。3点を失い、続く5回に無死一、三塁としたところで降板した。「調子自体は悪くなかったです。ただ先制されたタイムリーにせよ、ホームランにせよ、勝負どころで甘くなってしまいました。悔しいです」。18年10月以来の勝利投手とはならなかった。

◆楽天は2回、太田が中前適時打を放ち先制。西武は1回と3回に安打で出塁も、楽天先発涌井に併殺打に打ち取られた。 1点リードの楽天は4回1死三塁、太田の2号2ランでリードを広げた。楽天先発の涌井は、6回まで無失点に抑える好投。 楽天は7回に3点を追加。西武は森、メヒアが2者連続本塁打を放つも届かず6連敗を喫した。西武伊藤は今季初黒星。楽天は2連勝で貯金7。涌井は7勝目。

◆西武は16年以来4年ぶりの6連敗で借金は7に膨れ上がった。楽天涌井を攻めあぐね、前回登板から13イニング連続無得点に封じられた。 右足首痛の山川を2戦連続で先発から外し、2点を返した7回に代打起用も三飛に終わった。連敗、借金いずれも就任4年目でワーストを更新した辻監督は「気持ちだけはしっかり持って最後まで諦めずに戦うことしか我々はできない。こういうやられ方して、選手たちは悔しさをぶつけてくれればいい」と奮起を期待した。 また涌井に13回連続無失点に抑えられ連敗を喫し「パ・リーグでは勝ち頭で、前回も素晴らしいピッチングをして、なかなか取れるピッチャーではないと思っていたけど。序盤で1点、2点、3点、それが精いっぱいかなと考えていたけど。う~ん、なかなかヒットが続かないですね」と話した。

◆名投手が名捕手を生む。16年目の楽天涌井秀章投手(34)が2年目の太田光捕手(23)とのバッテリーで7回途中2失点。自身初の開幕7連勝を果たした。右足をつりかけるアクシデントもあり、連続無失点は21イニングで途切れたが、安定感は抜群。太田も先制打に2号2ランと2安打3打点。女房役がバットでもリードした。チームは2連勝で貯金を7とし、ソフトバンクとの同率首位を守った。"夫婦"共同作業で切り抜けた。3点リードの6回1死一、二塁。フルカウントの6球目。涌井がクイックモーションを始動すると一、二走はスタート。打者の西武栗山は外角チェンジアップで空振り三振。すかさず捕手太田が三塁へ送球。間一髪で三盗を阻止。併殺を完成させた。「最高の結果になった。太田も素早く三塁へ投げて、思った以上の結果になった」と涌井。右腕が小さくうなずくとサングラス姿の女房役も首を縦に振り、呼応した。 円満の秘けつは密なコミュニケーションにある。この日も含め140個の白星を積み上げた涌井は"妻"へ居心地のよさを求める。「ピッチャーというのは自己中な生き物。ある程度気持ちよく投げさせてもらうことが一番いい」。西武では炭谷、ロッテでは田村と主にバッテリーを組み、あうんの呼吸を重ねた。 16年目で迎えた新居で、正捕手を狙う2年目の太田に巡り合った。心の距離を縮めるために意識付けたのは、あいさつ。「球場に来たらまずは『おはようございます』。朝のあいさつなしに、帰る時に『お疲れさまでした』はないよ」。アスリートである前に、人としての基本を説いた。 この試合、何度もサインに首を振った。「今回は首を振ることも多かったが、お互いにいろんな意見を交換しあっていけば、変わるかなと思う」。太田も「涌井さん自身を生かす組み立て方を今日も首を振って教えてくれる。勉強になります」と理解する。夫婦げんかとなる前に、意見のぶつけ合いを怠らない。 女房役は2回に先制中前適時打、4回に18試合ぶりの1発となる2号2ラン。「涌井さんを援護できて良かった」とバットでもリードした。まだ8試合のバッテリー。手を取り合い、ハッピーエンドへと歩を進める。【桑原幹久】

◆「全力」で乗り切った。楽天涌井秀章投手(34)が12日、西武7回戦(メットライフドーム)で7回途中2失点と好投し、開幕7連勝をつかんだ。最速150キロを計測した力のある直球で西武打線を押し込み、7安打を許しながら要所を締めた。本格化した夏の暑さにも「全力ダッシュ」を調整メニューに組み込むなど、対策は万全。右足をつりかけるアクシデントも早期申告で対処し、大事には至らなかった。全力でねじ伏せた。3点リードの4回2死一塁。涌井は西武中村をこの日最速150キロの外角高め直球で空振り三振に仕留めた。「毎年対戦する中で力と力の勝負をしたいバッターの1人。前回はスライダーが多かったが、今回は真っすぐが多くて、空振りがとれたことは手応え」。7月15日の対戦では計3打席で15球中直球は2球。今回も3打席対戦し11球中7球が直球。力自慢の強打者を球威で抑え込んだ。 日頃から全力を出せなければ、勝負どころでベストは尽くせない。7月下旬から調整メニューに「全力ダッシュ」を加えた。100%を出すために、120%の力で走る。「体を使いこなせないと全力で走れない。ピッチングも体を使いこなさないと、いいフォームでは投げられない」。トレーニング、コンディショニングと投球動作をリンクさせ、好調をキープする。 簡単には崩れない。この日は2回以外で毎回安打を許したが、3併殺を奪うなど、理想の打たせて取る投球で傷口は広げない。6回まで5安打も本塁は踏ませず、7月29日ロッテ戦から続く連続イニング無失点を21まで伸ばした。 だが、異変は7回に起きた。1死から森、メヒアに連続ソロを被弾。その後2死一塁で代打山川への4球目スライダーを投げた直後、右足をつりかけた。捕手からのボールを受けた後、少し間を置いたが、ベンチへ合図。駆け寄った伊藤投手チーフコーチ、トレーナーとともにマウンドを降りた。ただ、大事には至らず。「右足がつりそうだったので、あのまま投げてもいい球を投げられないなと。若い時ならあのまま投げてましたけど、つる前に打たれる前にやめておこうと思って、自分から言いました。今は問題ないです」と自ら説明した。 三木監督も「チームに迷惑をかけないようにできるというのはいい判断。7回のどこで交代しようかと思っていたところなので、いろんな判断にたけている投手だと感心しました」と胸をなで下ろした。常にベスト、最善を尽くす右腕の存在が首位を走るチームに欠かせない。【桑原幹久】

◆楽天涌井秀章投手(34)が自身初の開幕7連勝を果たした。連続無失点は21イニングで途切れたが、安定感は抜群。チームは2連勝で貯金を7とし、ソフトバンクとの同率首位を守った。 ▼涌井が自身初の開幕7連勝。楽天で開幕7連勝以上は09年田中7連勝、09年福盛7連勝、13年田中24連勝に次いで3人、4度目。移籍1年目に開幕7連勝は、49年に南海でプレーした武末が西鉄へ移籍した50年に7連勝して以来、70年ぶり2人目だ。 ▼この日は菅野(巨人)も開幕7連勝。同じ日に開幕7連勝の投手が2人誕生したのは、74年6月16日に小川(巨人)と水谷(阪急)が記録して以来、46年ぶり2度目と珍しい。

◆楽天が快勝した。二回に太田の適時打で先制し、四回は太田が2ラン。七回は茂木の適時打と島内の2点三塁打でリードを広げた。涌井は七回途中まで2失点と好投し、開幕7連勝を飾った。西武は4年ぶりの6連敗。

◆西武が4年ぶりの6連敗を喫した。打線が涌井の術中にはまり、五回まで二塁すら踏めず、走者を出しても3併殺で好機をつぶした。2試合続けて得点は本塁打だけで、辻監督は「なかなか安打が続かないね」と嘆いた。  8月に入って投打がかみ合わず、9試合でわずか1勝と苦しんでいる。辻監督は就任後ワーストの連敗に「ここで消極的になってはいけない。前向きにやるしかないでしょう」と話した。

◆楽天の太田が2安打3打点で勝利に貢献した。二回に中前へ先制適時打を放ち、7月22日以来、16試合ぶりの打点をマーク。1-0の四回1死三塁では中越えへ2号2ランを運んだ。「最近は打撃で貢献できていなかった。後ろにつなぐ気持ちで打席に入った」と喜んだ。  2年目の今季は正捕手を任され、チームの46試合中43試合に出場。涌井を好リードし、バットでも援護した。「自分なりの形を今つくっているところ。毎日反省して次に生かす」と謙虚に話した。

◆西武の森が10試合ぶりの5号ソロを放った。0-6の七回、涌井の内角カットボールを右翼席へ運び「しっかり捉えることができたし、手応えは良かったと思う」と振り返った。  昨季パ・リーグ最優秀選手(MVP)と首位打者に輝いたが、今季は打率2割3分1厘と苦しんでいる。チームは敗れたが、8月初アーチに「一本出てほっとした」と素直に話した。

◆楽天・涌井秀章投手(34)が12日、西武7回戦(メットライフ)に先発し、七回途中2失点で自身初の開幕7連勝を飾った。1シーズンでの7連勝もプロ16年目で初めて。今季加入した新天地で輝きを取り戻した右腕。チームもソフトバンクとの同率首位を守った。  サウナのような蒸し暑さの中で踏ん張ってきた涌井が、自らベンチに降板の合図を送った。7月29日から続いた連続無失点が21イニングで途切れた七回。2死一塁で代打・山川に4球目を投げ終えたところで、右脚がつりそうな兆候を感じた。  「若いときだったら、あのまま投げていたけど...」。コンディション維持を最優先し、救援陣に託した。  前回登板となった5日のソフトバンク戦では九回1死までノーヒットノーラン。この日も序盤からスコアボードに「0」を刻んでいった。  楽天移籍後、初めてとなる古巣メットライフドームのマウンド。捕手のサインに首を振る場面も多く「投手というのは"自己チュー"な生き物なので、気持ち良く投げさせてもらうのが一番」と振り返ったが、五回までは二塁も踏ませない。  そして最高の手応えを感じたのが、四回に中村から150キロで奪った空振り三振だった。「毎年毎年、対戦を重ねても、力と力の勝負をしたくなる一人」。中村に加え、ソフトバンク・柳田、日本ハム・中田の3人には直球で抑えたい衝動に駆られるという。  夏バテ知らず、無尽蔵のスタミナ。「時代には合ってないのかもしれないが、走ることこそが野球の練習の基本」と言う。横浜高時代には真夏に一周400メートルのグラウンドを50周したことも...。100メートルダッシュ×100本も当たり前だった。  プロ16年目。今夏も7月末の千葉遠征からダッシュを取り入れ始め、「全力で走るには体を使いこなせないと走れないし、ピッチングも体を使いこなせないと良いフォームで投げられないからね」と話した。  7勝0敗、防御率2・38。勝率10割と合わせ投手3冠の座を維持。西武、ロッテに続いて、プロ野球史上初となる3球団での最多勝獲得も視野に入る。  幸い、次回登板に影響はなさそうだ。通算140勝右腕は「楽天に来て、すごく必要とされている。やりがいを感じながら投げている」。首位を走るチームの貯金は7。そのまま涌井の貯金でもある。(東山貴実)

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<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
26191 0.578
(↑0.01)
-
(-)
74205
(+6)
173
(-)
50
(-)
29
(+1)
0.246
(↑0.003)
3.500
(↑0.08)
1
(-)
楽天
26191 0.578
(↑0.01)
0
(-)
74254
(+6)
192
(+2)
50
(+1)
34
(-)
0.273
(-)
3.970
(↑0.05)
3
(-)
ロッテ
24211 0.533
(↓0.012)
2
(↓1)
74196
(+4)
207
(+12)
41
(+1)
37
(-)
0.244
(-)
4.380
(↓0.18)
4
(-)
日本ハム
23212 0.523
(↑0.011)
2.5
(-)
74189
(+12)
194
(+4)
40
(+3)
24
(-)
0.239
(↑0.002)
3.880
(-)
5
(-)
西武
18251 0.419
(↓0.01)
7
(↓1)
76184
(+2)
211
(+6)
45
(+2)
25
(-)
0.238
(-)
4.630
(↓0.01)
6
(-)
ORIX
15274 0.357
(↓0.009)
9.5
(↓1)
74167
(-)
218
(+6)
33
(-)
36
(-)
0.243
(↓0.001)
4.480
(↓0.05)