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中日
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阪神
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勝利投手:青柳 晃洋(9勝9敗0S)
(セーブ:藤川 球児(4勝1敗16S))
敗戦投手:三ツ間 卓也(2勝2敗0S)
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◆阪神が6連勝で2年ぶりのクライマックスシリーズ進出を決めた。阪神は4回裏、大山の適時打などで2点を先制する。続く5回には、2死一三塁から相手の暴投の間に走者が生還し、リードを広げた。投げては、先発・青柳が今季9勝目。敗れた中日は、打線がわずか4安打と振るわなかった。なお、現役最終登板となった阪神・高橋聡は、7回に打者1人をサードゴロに打ち取った。

◆今季が5年契約の最終年だった阪神鳥谷敬内野手(38)が8月31日、球団から"引退勧告"を受けたことを認めて今季限りでの退団を表明した。阪神でプレーした16年間を写真で振り返る。

◆阪神は6連勝で2年ぶりにクライマックスシリーズ(CS)進出が決まった。4回に大山の中前適時打などで2点を先制した。さらに5回には暴投でリードを3点に広げた。先発青柳が5回無失点に抑え、現役ラスト登板の高橋聡らを投入するなど6投手で中日打線を無得点に抑えて逃げ切った。中日先発の大野雄は3回3分の1を無得点に抑えて最優秀防御率のタイトルが確定した。

◆中日が今季は5373守備機会で45失策。守備率9割9分2厘は04年中日の9割9分1厘を抜くセ・リーグ新記録となり、シーズン45失策は04年中日に並ぶセ・リーグ最少タイ。 なお、守備率のプロ野球記録は17年ソフトバンクの9割9分3厘。

◆阪神先発の青柳晃洋投手(25)が5回2安打無失点の好投で2番手島本にバトンをつないだ。 逆転でのCS進出へ、勝つしかない大一番のシーズン最終戦。先発を託された右腕は、打たせて取る持ち味を存分に発揮した。5回までに2併殺でピンチをしのぐなど三塁を踏ませない投球で、絶対に落とせない試合の流れを引き寄せ9勝目。降板後は「負けられない試合で、0点で後ろにつなぐことができて良かったです。大事な所でしっかりゲッツーを取ることができましたし、守ってくれた野手の方々に感謝です」とコメントした。 5回を投げきったことで今季投球回は143回1/3に。4年目で自身初の規定投球回(143回)にも到達した。

◆中日のドラフト1位ルーキー根尾昂内野手は財産を得て1年目を終えた。0-3の7回2死一、二塁で投手山本の代打。左腕岩崎のスライダーに食らいついたが、7球目のスライダーを空振りした。1軍は2打席2三振に終わり「チャンスだったのでどうにかして打ちたかった。打てるように練習したい」と悔しがった。 かけがえのない経験ができた。遊撃の守備につくと、その回に代打に出た阪神鳥谷が自分に続くように遊撃に入った。甲子園の大歓声をベンチで聞いた。「テレビで見てきた方と同じグラウンドに立っていると実感しました。(レギュラーシーズンの)甲子園最後の瞬間に立てたのは自分の財産になります」と貴重な時間をかみしめた。 大阪桐蔭で甲子園3度の優勝に輝いた注目新人。ふくらはぎの故障で出遅れたが9月は2軍で3割5分5厘と成長を見せた。与田監督は「これからは実力で1軍を取っていかないといけない。そのために秋から準備に入る」とさらなる成長を求めた。

◆中日大野雄大投手(31)が初タイトルの最優秀防御率をつかんだ。パーフェクトで迎えた4回、先頭近本を一ゴロに抑えた。広島ジョンソンの防御率2・59を抜く2・58とした瞬間、投手交代。「全力で10個のアウトを取りにいきました。すごくうれしい。まさか自分が取れるとは。みんながチャンスを作ってくれました」と感謝の言葉を並べた。 9月27日の広島戦。「大野のためにジョンソンを打とう」と円陣で野手が誓い、自責4をつけた。伝え聞いた大野雄は「絶対にタイトルを取らなあかん」と決意。4年ぶりの2桁勝利は捨て、投手コーチからの3回1/3降板の打診を承諾した。 降板時、9月14日に無安打無得点試合をやられた阪神のファンからも大きな拍手を受けた。結果的に降板によってライバルの逆転CS進出を後押しする格好になった。だが3年間苦しみ、前年は0勝だった元エースの復活は、来年の大きな希望になる。【柏原誠】

◆中日のドラフト1位ルーキー、根尾昂内野手(19)はデビュー2度目の打席も空振り三振だった。第2打席は回って来なかった。 0-3の7回2死一、二塁で投手山本の代打で登場。左腕岩崎の切れ味鋭いスライダーに食らいついてファウルで粘ったが、7球目の低めのスライダーを空振りした。「チャンスだったのでどうにかして打ちたかった。打てるように練習したい」と悔やんだ。 そのまま遊撃の守備についた。8回の最初の守備機会では定位置付近のゴロをさばき、ワンバウンド送球になったがアウトにした。その回に代打に出た阪神鳥谷が、8回からは自分に続いて遊撃に入った。「テレビで見てきた方と同じグラウンドに立っていると実感しました」と貴重な時間をかみしめた。

◆有言実行のタイトル獲得だ! 阪神ドラフト1位の近本光司外野手(24)が今季36盗塁で「盗塁王」に輝いた。 「それ(盗塁王)は一番目標にしていたことなので、(タイトルを)取れたってことは良かったです。ただ数字や目標などで、まだ(達成が)できていない部分もある。来年も(目標を)意識しながらやっていきたい」 ドラフト指名時から「新人王と盗塁王」の獲得を目標としてきた。相手バッテリーの研究を重ね、自慢のスピードにも磨きをかけた。盗塁は36個で盗塁死は15回。プロ1年目の今季は何度も失敗を重ねて、成功をもぎ取ってきた。 スタートは「頭」で切る。投手から野手に転向した関学大時代から体に染みこませたスタートが、近本を加速させる。「足を前に出すというよりは、体を前に倒して。頭を二塁(方向に)持っていく感じ」。倒れ込むように切るロケットスタートで低姿勢を保つから、速さを増している。 チームは6連勝でシーズンフィニッシュ。大逆転でCS出場も決めた。この日は無安打だったが、今季はリーグ新人最多安打記録を更新する159本のヒットを放って、勝利に貢献してきた。「短い調整期間ですけど、しっかり(状態を)合わせたい。こうなれば自分の結果より、チームの結果」。初めて過ごすシーズンを、まだまだ終わらせる気はない。攻めの気持ちで突き進む。【真柴健】 ▼近本が36盗塁で、盗塁王のタイトルを獲得した。新人の盗塁王は01年の赤星(阪神)以来、プロ野球3人目。なお、この日はノーヒットに終わり、159安打で1年目を終えた。新人安打記録はプロ野球3位で確定した。

◆今季限りで引退する高橋聡文投手(36)が古巣中日戦で、現役生活にピリオドを打った。7回先頭で登板すると、両チームのファンから大声援。福田に対して4球全て直球を投じ、最後は134キロ直球で三ゴロに仕留めた。「野球はいいなと本当に思いました。やっぱ、辞めるのやめようかな(笑い)」。古巣からチームメートだった福留、中日大野雄から花束を贈られると、感慨深い表情。渡した福留も目を潤ませていた。 試合前には藤川が中心となり「引退セレモニー」が行われた。高橋聡の登場曲が流れ、バックスクリーンには「聡文さん 中日14年間 阪神4年間 18年間 お疲れさまでした」の文字。「うれしかったです。気付いたらマウンドにいて、うまく誘導されました」。さらに、FA入団当時の金本前監督から送られたメッセージを多田打撃投手が代読。阪神に来てくれた感謝が込められた内容に、思わず感極まった。中日14年、阪神4年の18年間532試合で先発0。ブルペンに欠かせない左腕が、すがすがしくグラブを置いた。【磯綾乃】

◆中日大島洋平外野手(33)が初の打撃タイトルとなる最多安打賞を獲得した。 最終戦は4打数無安打だったが174安打を放って巨人坂本勇人に1本差でシーズンを終えた。 「10年かかってやっと取れたなという気持ちです。最多安打も上位にからんでいながら最後に抜かれたりしてきた。最後に上に立ててよかった。チームはいい順位ではないけど、とにかく試合に出続けることが大事と思ってやってきた。そういう姿を後輩も見ていると思う」と振り返った。 印象に残る安打を聞かれるとニヤリと笑いながら「木下に当たったヒットですね。ヒットになってくれたので木下のおかげです」。8月1日の甲子園。2回無死一塁で一、二塁間に転がした打球が一塁走者の木下拓の足に当たった。守備妨害で走者アウトになったが、大島には安打が記録された。当たらなければ二ゴロの可能性もあった微妙なコース。坂本勇との差を分けた? 貴重な1本になった。 3度目の全試合出場も果たした。「毎日トレーナーの方がグラウンドに立たせてくれて、打撃投手らスタッフの方々もサポートしてくれた。家をいつも笑顔で送り出してくれる妻や子どもたち、みんなの力です。感謝したいです」と頭を下げた。

◆阪神藤川球児投手が9回を締めて今季16セーブ目を挙げた。 1死から福田に中前打を許したが、後続を連続三振に仕留めた。遊撃を守った鳥谷について「ショートゴロを考えたけど(笑い)。打順が自分の中でそんなに得意とする打者たちではなかったので。トリと最後『球児さん、打たせてくれると思ったけど』という話をちょろっとしながら」と笑顔を見せた。最後に6連勝したチームには「この経験は大きいと思う。今までにないタイガースの形じゃないかな。最後にチームとして強くなってきたのは。自分はあまり見たことがないですね」と力強く話した。

◆阪神に球運も味方した。相手先発は14日にノーヒットノーランを喫した大野雄。この日も4回1死まで無安打に封じ込められた。だが最優秀防御率のタイトルを確定させた左腕はここで降板。 代わった2番手三ツ間から2番北條が左前打を放つと、2四球と相手の暴投もあり一気に大山の適時打などで2点を先制。大野雄が続投していれば厳しい展開が予想されただけに、ラッキーを生かした。

◆中日与田剛監督(53)は初の1軍監督1年目を68勝73敗2引き分けの5位で終えた。 「あっという言う間だった。リーグ優勝を目指してやってきたので全く満足していない。私を含めた力不足。その一言です」と口調に力を込めた。 4月には3年ぶりに貯金を作り、7月には球宴休みをはさんで8連勝と見せ場は作った。ただ直後に8連敗して乗り切れなかった。9月も粘り、最後までCS進出の望みをつないだが1歩届かなかった。「相手があること。連勝できる力もあれば、連敗するもろさもあると感じた」。 結果を出せていなかった大野雄、柳がローテの軸になった。昨年、規定投球回に達したのはガルシア(現阪神)1人だけ。「今年は3人を作りたかったが、2人できた。基本というか、骨組みができたことには満足。第1歩を踏み出せた」と手応えも。リリーフ陣の頑張りも光った。 若い選手の台頭もあった。「2軍を含めた首脳陣、選手がしっかりやって、1軍のグラウンドに立てる準備をしてくれた。スタッフもよくサポートしてくれた。彼らは野球人生が終わるまで経験を大事にしてほしい。若手が出てきたのは明るい材料。プロ初とかがたくさんあった。そういう経験をできたのが大きい」 結果としては7年連続のBクラス。足りなかったものは-。指揮官は即答した。「勝負強さですね。投打、走塁も含めて、ここ一番というところの1歩目、スイングであったり。大きな課題です」と指摘した。

◆阪神は今季最終戦で中日に勝って3位を確定させクライマックスシリーズ(CS)進出が決まった。これに伴い、広島の4位が確定した。以下は阪神矢野監督のレギュラーシーズン終了あいさつ 今年も300万人以上の方々が球場に来てくださいました。ありがとうございました。そしてビジター球場でも、たくさんのタイガースファンの人が来てくれて、一緒に戦っていただいたことに心から感謝申し上げます。ありがとうございました。 そして現在、日本では、ラグビーワールドカップで、日本チームが、日本中に大きな感動を与えてくれています。僕たち阪神タイガースも、ファンの皆さんにこれから感動と、そして子供たちに夢を与えられるような、そういうチームになっていきます。そして選手たちが粘りに粘って、3位ではありますが、このつかんだクライマックスシリーズの切符を、皆さんと最後までしっかり、戦っていきたいと思います。1年間どうもありがとうございました。

◆最後は「4番」で決めた。阪神大山悠輔内野手(24)が大一番で先制適時打を放った。 0-0の4回。1死から中日は先発大野雄から2番手三ツ間にスイッチ。すかさず2番北條が左翼前へチーム初安打を放ち、続く福留が四球。1死一、二塁で打席が回ってきた。7球目の内角ツーシームを捉え、中前にはじき返すタイムリー。決勝点となり、チームトップ13度目の勝利打点だ。「大事な試合だったので。あそこで先制点を取ることができて良かった」。塁上で筒井一塁コーチとハイタッチを交わすと、珍しく感情を表に出して喜んだ。 3年目、初の「開幕4番」でスタートした今シーズン。1年を通して、4番の座を守ることはできなかった。打撃不振により、8月10日広島戦で6番に降格。その後は一時期、7番にまで打順を下げて三塁の先発を北條と争う時期もあった。打撃が上向かない中では「スイングの前(フォロー)が小さくなっている」と浜中打撃コーチ指導のもと、普段は行わないロングティーを取り入れることもあった。「いろいろあります...」と多くは語らなかったが、常に理想型を追い求めて続けてきた。マルテの離脱によって9月28日DeNA戦から再び座った「4番」で最高の結果を残した。 CS進出をかけたシーズン最終戦。勝たなければ、先輩鳥谷との時間も終わりだった。「次につながった。これでまた、鳥谷さんと1日でも長く野球ができる。感謝の気持ちを込めて残りの戦い、CSを戦っていきたい」。背番号1との時間をつなぐ、大きな一打にもなった。【奥田隼人】

◆中日大野雄大投手(31)が阪神高橋聡文投手(36)の引退登板に花を添えた。 初タイトルとなる最優秀防御率賞を確定させ、すでに降板していたが、7回に登板した元中日の先輩左腕が打者1人に投げ終えると阪神福留に続いて、大野雄もベンチから花束を持って登場。「お疲れさまでした」と握手を交わした。 高橋聡とは11年に中日に入団して以来、5シーズンをともにした。 「大野雄大の中ではすごくお世話になった、ベスト3に入る師匠です。タイガース移籍後も食事に行ったり、今年も食事に行っていろいろと話をさせていただいた。聡文さんが泣いていたら自分も泣くやろなと思ったけど、泣いていなかったので」とそのシーンを振り返った。 また、防御率のタイトルはチームでは11年に1・65で獲得した吉見一起投手(35)以来。この年18勝3敗で優勝に貢献した右腕のベストシーズンに1年目だった大野雄は、常に偉大な背中を追いかけてきた。「吉見さんは僕のことを育ててくれた。吉見さんあっての僕。これを何年も続けられるようにしたい」と感謝した。

◆今季からキャプテンを務める阪神糸原健斗内野手が2年連続の全試合出場を達成した。 5番二塁で出場し、6回には右前打をマークした。チームを支えた主将は「いろいろあってしんどかったですけど、何とかCSというところにいける。いい雰囲気ですし、チーム一丸でもう少し頑張っていきたい」と表情を引き締めた。

◆阪神2番北條史也内野手が攻撃の起点になった。4回1死から2番手三ツ間の変化球を左前に運び、大山の適時打で先制のホームを踏んだ。 5回にも右前に落ちるヒットでマルチ安打。この日は打席登場曲を今季限りで退団する鳥谷が16年に使用していた「Sexy Papi」に変更。「このメンバーで戦えるのも最後何でいい流れで勝ちたい」とCSを見据えた。

◆今季限りで阪神を退団する鳥谷敬内野手(38)のレギュラーシーズンラスト甲子園は、感動あふれる会心勝利となった。 仲間からのサプライズ、ファンのカーテンコール、そして奇跡のCS進出。日本シリーズで再び聖地に立つ夢が広がった。クールな印象も強かった背番号1だが、ここ数年は苦境から泥臭くはい上がる姿に共感するファンも多い。「虎のレジェンド」の生きざまとは。これが最後の甲子園になるかもしれない。切ない現実を知っているから、虎党は試合後「鳥谷」と叫び続けた。 「今までも、これからも、ずっと『君がヒーローだ。鳥谷敬』」 センター後方の大型スクリーンにサプライズの表示が浮かび上がる。 「せっかく呼んでもらったので...。人生において今までで一番の歓声でした」 背番号1はだいぶ照れくさそうに1人ベンチから飛び出し、大歓声に応えるとすぐさま姿を消した。 1年前の18年秋、酒を断った。酒豪で知られた男が1年間、1滴もアルコールを口にしていない。体調管理だけが理由ではない。弱りかけそうな自分を奮い立たせる意味合いもあった。 「周りから『あいつはもう終わった』と言われ続けると、知らないうちに『自分はダメなんだ』と思うようになる。もう1度、自信を取り戻したかった。お酒に限らず1つ1つ目標をクリアしていけば、自分はダメな人間じゃないと思えるようになるかなって...」 シーズン開幕。結果が出ない。出番が激減。「周りは変えられないけど自分は変えられる」。さらに自分を追い込んだ。「"スマホ断ち"も始めたわ」。夏が近づくころには連絡が来ない限り、携帯電話にも目を通さなくなった。ランニングしながらビジネス書を読むようにもなった。 「自分は走攻守のどれかが突出した選手ではない。代打になれば苦しくなるのは最初から分かっていた」 現状維持では間に合わない。時には電車内の座席でさえ、洞察力を磨く場に変えた。「あの人は今こんなことを考えているんじゃないかなって、ふとした動きから想像したりね」。遠くで立っている男性のしぐさが気になった。そっと立ち上がり、その場から離れた。しばらくして男性がその座席に向かうと、1人納得したりもした。 早朝から自宅で初動負荷トレに励み、甲子園到着後は全体練習前に計2時間走り続けた。いつしか体脂肪は4%も減って1ケタ台に。悔いなき努力を続けた結果、野球の神様は最後の最後、「逆転CS」というご褒美を用意してくれた。 レギュラーシーズン最終戦は3点リードの7回裏、先頭で代打登場。藤嶋の直球で右飛に倒れたが、地鳴りのような大歓声に帽子を取った。8回表からは64日ぶりの遊撃守備にも就き「ショートからの風景も見られて良かった」。試合後は応援歌が鳴り響く中、静かに気持ちを切り替えた。 そう。CSを乗り越え日本シリーズまで勝ち進めば、再び聖地に戻ってこれる。「頑張ります」。倒れるまで全力を尽くすと、背番号1に誓う。【佐井陽介】

◆今季限りで阪神を退団する鳥谷敬内野手(38)のレギュラーシーズンラスト甲子園は、感動あふれる会心勝利となった。仲間からのサプライズ、ファンのカーテンコール、そして奇跡のCS進出。日本シリーズで再び聖地に立つ夢が広がった。クールな印象も強かった背番号1だが、ここ数年は苦境から泥臭くはい上がる姿に共感するファンも多い。「虎のレジェンド」の生きざまとは。長年密着取材を続けてきた遊軍・佐井記者が素顔の一端を紹介する。よく勘違いされがちだが、鳥谷は自分をエリートだと考えたことがない。小学生のころ、ある大型プールで中日のエース格だった山本昌に遭遇。「こんなに大きな体じゃないとプロには行けないんだ」と絶望した。聖望学園時代は「引っ張れない」とレッテルを貼られ、ドラフト指名から漏れた。ようやく全国的に脚光を浴びたのは早大で活躍し始めてからだった。 だからだろうか。いわゆる「エリート街道」にこだわりがない。どん底からはい上がる状況にも抵抗がない。出番が激減したこの数年でさえ「いろんな立場の人の気持ちが分かるようになる。この年齢でこういう人生勉強をできるのはありがたい」と前向きにとらえていた。バックボーンを聞けば聞くほど、苦境に立たされても心折れない姿に驚きはなくなっていく。 「自分は野球をやっているだけで偉いなんて思ったこともない」と真顔で言う。素顔は飾らない38歳だ。後輩と焼き肉屋に行けば、率先してトングを持って話題を振りまき、周りの笑顔を喜ぶ。野球の技術やメンタルからプライベートまで、相談されれば親身になる。もちろん、いつだってストイックにトレーニングに精を出す。16年間スタイルがブレることはなかった。 16年から毎年1月になるとハワイで自主トレに励む。つい南国ムードをイメージしてしまいがちだが、球界屈指のハードメニューはDeNA大和ら参加者が恐怖を抱くほど。中でも鳥谷は朝5時からトレーニングを始め、宿泊先から野球場、ジムを行き来するだけの日々を平然と続けている。 聞けば、この4年間でワイキキビーチに足を踏み入れたのは初年度の1度きり。しかも「たった5分だけ」だったらしい。以来、エメラルドグリーンの海は風景の一部でしかない。 今年のハワイ自主トレ中、あるメンバーの右肩があまりの筋肉痛で上がらなくなったことがあった。次のメニューは一塁送球が必要な内野ノック。鳥谷は「次どうする?」と声をかけ、「とにかくやってみます」と返されると、とびきりの笑顔で声を張り上げた。 「そうだよな!何事もやってみないと分からないよな!」 座右の銘は「向上心」。挑戦が困難であればあるほど心躍る。【07~13年、15~18年阪神担当、遊軍=佐井陽介】

◆阪神が今季初の6連勝で2年ぶり、奇跡のクライマックス・シリーズ(CS)進出を決めた。 矢野燿大監督の一問一答は以下の通り。 -CSが決まった心境 いろんな感情が入っていて、ひと言ではなかなか言い表せない。これを信じて最後は戦ってきた。残り30試合になったあたりから、チームとしては苦しい状況やった。ズルズルいってもおかしくないところやったと思う。そこで踏ん張れたのはすごく価値がある。楽に勝てるシーズンはないと思うけど、苦しんだからこそ価値がある部分はある。 -連勝の要因は 俺はやっぱり気持ちだと思うんだよね。それはみんなには見えないし、気持ちっていろんな部分があると思うけど、30試合になってジャイアンツに大きく開けられて、優勝がもうかすみかけたときにも、野球をやれる幸せというかね。また横田のことも目の当たりにして、みんなもそれを確認し合って。プロとして勝たないとあかんけど。その前に戦う姿勢とあきらめない気持ちを。それは俺らがやれること。勝ち負けはもちろん、勝たなあかんけど結果だから分からない。そういうのが一番大きくみんなの気持ちをつなげた。だから、勝ち方はしんどいけどね。勝ち切れたのはみんなの気持ちのつながりとか粘りが勝因かな。 -青柳が流れを作った 規定イニングもクリアして勝ちも9になったのかな?去年、2軍で最後にちょこっとだけ上がっただけかな。そういう投手が最終戦、こういうふうに締めてくれるのもまた1つ、成長できる投球やったと思うし。規定投球回に行くのもなかなか簡単なことじゃない。 -シーズンは貯金1 数字は出る。失策の数も多かったし、得点もなかなか取れなかった。思うようにいくシーズンじゃなかった。だからこそみんなの1人1人のつながり、粘りっていうか何とかしようという気持ちがなければ、こういうことにはならない。本当に最後にこういう戦いができた部分で、チーム全体として大きく成長できる部分があるんじゃないかな。 -鳥谷に大歓声。やってきたことの偉大さがある それはもう俺もよく分かっている。みんなが見れない、試合までに臨む部分とか。俺も鳥谷の見えていない部分もたくさんある。俺らレベルが見えている部分だけでも、鳥谷は当たり前のレベルがすごく高い選手やったし。いろんな報道が出てからも一切変わることなく、鳥谷自身がやってきてるのはずっと見ていた。最後に打つだけじゃなくてタイガースファンの皆さんにショートで守る姿も、ファンの人も見たいと思ったと思う。トリ自身も守りたいと思ったと思う。もちろん、日本シリーズで帰ってきたらいいだけのことなんだけど。まずはシーズン最後のところで鳥谷のそういう姿をファンの人に見てもらう。チーム内で鳥谷のそういう姿を俺は見て欲しかった。若い選手が感じる部分があったと思うしね。選手たちにとっても大きい。 -選手も鳥谷をCSに連れて行く思いがあった 大げさに思うかもしれないけど、そういうふうに感謝して。当たり前じゃないので。そういう気持ちを持って。かといって、俺らは守りに入るチームじゃない。攻めながら最後まで、もう1回、甲子園に帰ってきて戦えたらなと思います。 -投手の頑張りは特に連勝中、大きかった ホンマに毎日毎日ね。俺ももちろん捕手やから、しんどいやろなとか、張り詰める場面で、点差があるような場面はなかなか少なかった。こっちも自信を持って使えた。それだけのものを見せてくれた。そういう部分があるからこそ、楽な場面じゃないからこそ、投手陣もまた成長できた部分はあった。本当に投手はよく頑張ってくれたな。まあうちの一番の強みなのでね。よくやってくれました。

◆阪神が公式戦最後の6連勝で3位に滑り込み、2年ぶりにCS進出。CSが始まった07年以降、最終戦で逆転CSを決めた連勝では、10年ロッテ、11年西武の各3連勝を上回る最多になる。 チーム最終戦に勝ってCSに進出したのは08年日本ハム、10年ロッテ、11年西武、18年巨人に次いで5度目(他に15年阪神がチーム最終戦終了後、広島の敗戦により3位決定)。過去4チームはすべてCSファーストステージを突破したが、阪神はどうか。リーグ最終日のCS決定は10年ロッテ、15年阪神に次いで3度目。

◆夢じゃない! 阪神が今季初の6連勝で2年ぶり、奇跡のクライマックス・シリーズ(CS)進出を決めた。今季最終戦の中日戦(甲子園)は、今季限りで退団が決まっている鳥谷敬内野手(38)と1日でも長くを合言葉に快勝。負ければBクラス終戦の崖っぷちから勝ち続け、3位広島を逆転した。矢野燿大監督(50)は全身でガッツポーズ連発。去りゆく鳥谷を日本シリーズまでタテジマでプレーさせる夢がつながった。歓喜の輪で鳥谷の笑顔が映えた。ナインがマウンドに集まってハイタッチしていく。藤川、大山、福留、梅野...。阪神が誰も信じられない奇跡を起こした。逆転でのCS進出。矢野監督に笑顔はなく「今日、勝つか負けるかでは、大きな差があるところで勝ち切れた意味、価値はすごくある」と胸をなでおろした。 今季限りでの退団が決まっている鳥谷と1試合でも長く戦う-。その一心でナインは一丸になった。矢野監督も同じ思いだ。7回の代打を終えると、慣れ親しんだ遊撃守備へ。勝利の瞬間まで、グラウンドに立ち続けた。指揮官は「このメンバーで戦えるのは、いつもあることじゃない。やっぱり続けていきたい」と話した。波及効果で、負ければレギュラーシーズン敗退の大一番をしのぎきった。 攻めの継投で今季初の6連勝。貯金1で公式戦を終えた。「ウチは現状はまだ強いチームとは言えない。だからこそ粘りっこく。内面のものが大事になる」。成長途上のチームだからこそ、何より「心」を重んじる。敗戦すればCSへの道が消える28日DeNA戦。指揮官は、試合前ミーティングでナインの輪に進み出て声を張り上げた。 「横田はあきらめない気持ちが、ああいうプレーになった。俺らも最後まであきらめないでやろう」 その2日前だ。26日は練習後に1軍ナインが2軍拠点の鳴尾浜に駆けつけた。脳腫瘍から復活を目指し、志半ばでユニホームを脱ぐ横田の引退試合。中堅から矢のような本塁返球で二塁走者を刺した。横田自身も驚くバックホーム。見守る選手の熱い血はたぎり、横田とともにCSを決めた。 開幕から意識的にガッツポーズを繰り返した。周囲から批判されても「俺は止めない」と信念を貫いた。交流戦明けの6月29日中日戦。ナゴヤドームでナインに問うた。「女性がダイエットできたと一番、感じるのはいつか分かるか?」。口を突いたのは女性の話題だ。矢野監督は言葉を継ぐ。「結婚前の女性はやせたいというよりウエディングドレスを着たい、周りのみんなに喜んでもらいたいと思うから頑張れる」。理想の自分を思い描き続けること-。意表を突く例を挙げて言葉に信念を宿らせた。 強く、たくましく、土壇場の「大まくり」を見せ、143試合目でAクラス入り。2年ぶりのCSだ。指揮官は強気に言い放つ。「日本シリーズで帰ってきたらいいだけのこと」。まだまだ、背番号1を見納めにしない。【酒井俊作】

◆今季限りで阪神を退団する鳥谷敬内野手(38)が、最後まで全力を尽くすことを誓った。 3点リードの7回裏、先頭で代打で登場。藤嶋の直球に右飛に倒れたが、地鳴りのような大歓声にヘルメットを取った。「人生において今までで一番の歓声でした」。8回表からは64日ぶりの遊撃守備にもつき「ショートからの風景も見られて良かった」とうなずいた。 練習前にはチームメートが背番号1のおそろいのTシャツを着用。サプライズに「引退するわけじゃないので何とも言えないが、ありがたい」。引退を勧告した球団側に示した現役への強いこだわりを、あらためて口にした。CSを突破し日本シリーズまで勝ち進めば、再び聖地に戻って来られる。「頑張ります」。短い言葉に覚悟を込めた。

◆阪神は30日、勝てばクライマックスシリーズ(CS)進出する中日戦(甲子園)を前に、今季限りでの引退を表明した高橋聡文投手(36)と今季限りで退団する鳥谷敬内野手(38)にサプライズセレモニーを行った。  試合前練習が始まる前、グラウンドにナインが早々と集結すると、高橋聡がマウンドへ誘導された。バックスクリーンに「聡文さん 中日14年 阪神4年 18年間お疲れ様でした」と掲示されて登場曲のSEKAI NO OWARI『眠り姫』が流れると、矢野監督、ドリス、梅野が花束を持って登場。高橋聡が入団時の金本前監督からのメッセージも渡され、記念撮影して胴上げで祝福された。  さらにその後、選手、コーチ、監督までもが来ていたユニホームを脱ぐと、背中に『TORITANI』と書かれたTシャツが次々と登場。バックスクリーンには「阪神16年 鳥さん ありがとう!」と掲示され、鳥谷は外野に集まっていたナインの輪の中へ。外野芝生で全員で記念が行われ、そのままのTシャツ姿で練習が始まった。

◆阪神・北條史也内野手(25)が30日の中日戦(甲子園)に「2番・遊撃」で先発出場。今季限りでの退団を表明している鳥谷敬内野手(38)が2016年に使用していた「Sexy Papi」に登場曲を変更し、打席に立った。  一回1死での第1打席では見逃し三振に倒れた。

◆阪神・大山悠輔内野手(24)が30日の中日戦(甲子園)の四回1死一、二塁で中前適時打を放ち、1点を先制した。  0-0で迎えた四回。相手先発の大野が先頭の近本を一ゴロに斬ったところで、最優秀防御率のタイトルが確定に。3回1/3を完全投球で降板すると、2番手三ツ間が登場。すると北條がチーム初安打となる左前打、福留が四球で続いて一、二塁の好機を演出した。  絶好の先制機を、4番のバットでものにした。大山が、カウント2-2からの7球目、内より145キロをコンパクトにスイング。打球は中前で弾み、チームに貴重な先制点をもたらした。

◆阪神・青柳晃洋投手(25)が30日の中日戦(甲子園)に先発し、五回無死一塁で遊ゴロ併殺を奪って自身初の規定投球回に到達した。  試合前時点で、あと4回2/3に迫っていた規定投球回。四回までを2安打無失点として、到達まであとアウト2つ。五回先頭の高橋に四球を与えたが、続く阿部をこの日3つ目となる遊ゴロ併殺に仕留めて2死に。これで規定に到達すると、続く平田も一邪飛に仕留めて5回2安打無失点。  勝てばクライマックス・シリーズ進出が決まる大一番で、見事に先発としての役割を果たした。

◆今季限りでの引退を表明していた阪神の高橋聡文投手(36)が30日の中日戦(甲子園)に登板。打者1人を打ち取り、有終の美を飾った。  3-0の七回無死に登板。全て直球で迎えた4球目、134キロ直球で福田を三ゴロに仕留めた。左翼の位置から福留が足を運んで花束を手渡されると、中日ベンチからは先発した大野雄が飛び出して花束を受け取った。中日で14年、阪神で4年。愛され続けた左腕を、ついに休めるときがきた。

◆今季限りでの退団が決定している阪神の鳥谷敬内野手(38)は30日の中日戦(甲子園)の七回先頭で、代打で登場。136キロ直球を打ち上げるも、右飛に倒れた。  2死となると、グラブを持ってベンチを出る。上本とのキャッチボールを終えると、7月28日の巨人戦(東京ドーム)以来の遊撃守備へ。「鳥谷! 鳥谷!」の大歓声が、聖地を包んだ。

◆阪神はホームで中日と対戦し、3-0で6連勝。シーズン最終戦で3位を確定させ、2年ぶりのクライマックスシリーズ(CS)進出を決めた。阪神は横浜スタジアムで行われるCSファーストステージ(10月5日開幕、3試合制)でDeNAと対戦する。昨年までセ・リーグを3連覇していた広島は4年連続のCS進出を逃した。  阪神は今季ここまで8勝の青柳が先発登板。大山を三塁手に、北條を遊撃手にすえ、29日の試合で代打で出場し先制本塁打を放った陽川を「6番・一塁」で起用した。木浪は控えに回った。中日の先発は14日の阪神戦で無安打無得点試合を達成した大野雄。  阪神は青柳が一回一死から京田に四球を与えたものの、続く福田から三振を奪い、4番・ビシエドの打席では梅野が二盗を試みた京田を刺した。二回にも一死から高橋に一、二塁間を鋭く破られ出塁を許すが、次打者・阿部を三振ゲッツーに切って取った。三回は下位打線を相手に三者三振の快投を見せた。  四回、青柳は一死後、京田に右前打を許すと、続く福田のニゴロを糸原がファンブルし、一、二塁のピンチを迎えたが、青柳は続くビシエドを遊ゴロ併殺打に打ち取り虎口を脱した。  中日先発・大野雄の前に打線は三回まで三者凡退が続いていたが、四回一死となったところで、防御率でトップに立った大野雄は一人の走者も許さぬままマウンドを降りた。2番手・三ツ間の代わりばなに北條が三塁手を強襲するヒットを放ち、続く福留も四球で出塁。一死一、二塁のチャンスに4番・大山が二遊間を破る適時打を放ち先制した。その後二死満塁から代打に送られた高山の打席で三ツ間が暴投。福留が生還し2点目を奪った。  青柳は五回も先頭の高橋を歩かせるが、阿部を遊ゴロ併殺打にさばいた。阪神はその裏の攻撃で一死から青柳に代打・上本を送り、この回からマウンドに上った山本から左前打を放ち、二死後、北條の右前に落ちるヒットで一、三塁。続く福留の打席で山本が暴投し1点を加えた。  阪神は六回から島本が登板。走者を背負いながらも無失点に抑えた。その裏の阪神も糸原、高山の安打で好機を作ったが得点できなかった。七回には今季限りの引退を表明している高橋聡が登板。福田を三ゴロに打ち取りマウンドを降りた。後を受けた岩崎が二死から高橋への四球と阿部の右前打で一、二塁とされるが、代打の根尾を空振り三振に切って取りしのいだ。  阪神七回先頭の岩崎のところで鳥谷が代打で登場。中日4番手・藤嶋との対戦は右飛に終わった。この回は三者凡退。鳥谷は引き続き遊撃の守備に就いた。八回のマウンドに上ったジョンソンは2連続三振を含む完璧な投球でセットアッパーの役割を果たした。阪神の八回の攻撃は5番手・岡田の前に三者凡退。  九回のマウンドには7月下旬以降抑えに定着した藤川がマウンドに上がる。先頭の代打・渡辺を打ち取った後、福田に中前打を許したが、堂上、高橋から連続三振を奪った。  阪神は23日に、あと1敗するか広島が1勝すると4位以下が確定する"崖っぷち"に追い込まれたが、そこから3試合白星を重ね、シーズン最終戦を迎えていた。

◆引き分けでもBクラスが決定する阪神は30日、中日最終戦(甲子園)に3-0で勝ち、今季最多の6連勝。広島を抜いて3位となり、2年ぶり8度目のクライマックスシリーズ(CS)進出を決めた。5日に始まるCSファーストステージで2位・DeNAと対戦する。  阪神・矢野燿大監督(50)は試合後、グラウンドで「今年も300万人以上のファンの方々に来ていただいた。心から感謝申し上げる」とあいさつ。「ラグビーのワールドカップで日本代表が日本中に大きな感動を与えている。阪神もファンのみなさまに感動と、子供たちに夢を与えられるチームになっていく。選手たちが粘りに粘ってつかんだCSの切符。最後までしっかり戦っていく」と呼びかけた。

◆引き分けでもBクラスが決定する阪神は30日、中日最終戦(甲子園)に3-0で勝ち、今季最多の6連勝。広島を抜いて3位となり、2年ぶり8度目のクライマックスシリーズ(CS)進出を決めた。5日に始まるCSファーストステージで2位・DeNAと対戦する。  元広島投手の北別府学氏(62)はこの日、ブログで「阪神の勢い 止められません。見事!!! 巨人は、この阪神の勢いが脅威ではないでしょうか まさかの下克上もありではないかと思える程の戦い方、勢いです」とたたえた。  昨年までセ・リーグを3連覇していた広島は4年連続のCS進出を逃した。北別府氏は「カープは残念ながらCS進出はなりませんでしたが、選手たちも今日までの阪神の戦いぶりを観てスポーツマンらしくすっきりと諦めがついているのではないでしょうか。これ程応援してもらったファンの方のためにも来季に向けて気持ちを切り替えて頑張っていかねばです!!」とげきを飛ばした。

◆30日の中日戦(甲子園)に勝ち、6連勝でシーズンを終え、69勝68敗6分けで3位に浮上し、2年ぶりにクライマックスシリーズ(CS)の出場権をつかんだ阪神・矢野燿大監督が試合後、最終戦セレモニーでファンにあいさつした。本拠地主催試合で300万人以上が駆け付けたファンに謝辞を述べた後、ラグビーW杯で26日に強豪アイルランドに勝った日本代表の戦いぶりを持ち出してあいさつ。  「現在日本ではラグビーW杯で日本チームが日本中に大きな感動を与えてくれています。僕たち阪神タイガースもファンの皆さんにこれから感動と子供たちに夢を与えられるようなチームになっていきます。そして選手たちが粘りに粘って3位ではありますが、つかんだクライマックスシリーズのチケットを最後までしっかり戦っていきたいと思います、1年間ありがとうございました」  昨年の最下位からの劇的なレギュラーシーズンのエンディングに、ファンからは矢野コールが起きた。

◆引き分けでもBクラスが決定する阪神は30日、中日最終戦(甲子園)に3-0で勝ち、今季最多の6連勝。広島を抜いて3位となり、2年ぶり8度目のクライマックスシリーズ(CS)進出を決めた。5日に始まるCSファーストステージで2位・DeNAと対戦する。  元日本ハム監督の大島康徳氏(68)はこの日、ブログで中日の先発・大野雄大投手(31)が打者10人を打ち取った時点で降板したことに触れ、「大野雄大投手交代で"ありがとう!"だったでしょうね」と指摘した。  大野雄はレギュラーシーズンの最終戦に先発し、3回1/3を無安打無失点。防御率を2・58とし、広島・ジョンソン(同2・59)を抜いてリーグトップに。試合前の時点で2位だったが、自身初となる最優秀防御率のタイトルを確定させた。

◆今季限りで阪神を退団する鳥谷敬内野手(38)は30日の中日戦(甲子園)後、七回、代打で出場した時の虎党の声援について「人生で一番大きな歓声だったと思います」とファンに感謝した。打席に入った後は、守り慣れた遊撃の守備位置に就き、勝利の瞬間まで守った。「ショートからの光景もみれてよかった」。一度ベンチに引き揚げたが、ファンの鳥谷コールを受けて、もう一度グラウンドに現れた。

◆今季限りで阪神を退団する鳥谷は、CS進出で縦じまのユニホームでプレーできる可能性を残した。この日は3-0の七回に代打で出場。右飛に倒れたが「今までで一番だったんじゃないか」という大歓声に、ヘルメットを取って手を上げた。その裏からは遊撃守備に就き「ショートからの景色も見られて良かった」と笑顔だった。  この日の練習前、チームメートが背番号1が入ったおそろいのTシャツを着用。サプライズに鳥谷は「引退するわけじゃないので何とも言えないが、ありがたい」。引退を勧告した球団側に示した現役への強いこだわりを、あらためて口にした。試合後も「鳥谷」コールを受け、ベンチから再度グラウンドに出て歓声に応えた。

◆大逆転でのクライマックスシリーズ出場を決めた阪神・矢野燿大監督は30日の中日戦後「いろんな感情が入っていて、ひと言というのは、なかなか言い表せない」と話した。  一時は5位に転落し、3位とは最大6・5ゲーム差ついていた。  「残り30試合になったあたりから、チームとしては苦しい状況やった。ズルズルいってもおかしくないようなところやったと思う。そこで踏ん張れたのはすごく価値があると思う。今日、勝つか負けるかでは、大きな差があるところで、勝ち切れた意味、価値はすごくあると思う」と話した。  今季限りで阪神を退団する鳥谷については「当たり前っていうことのレベルがすごく高い選手。いろんな報道が出てからもそれは一切変わることなく、やって来てるっていうのをずっと見ていたから。最後に打つだけじゃなくて、タイガースファンの皆さんにショートで守る姿っていうのも、ファンの人も見たいと思ったと思うし。トリ自身も守りたいと思ったと思うし」と代打から守備に就かせた理由を明かした。  クライマックスシリーズに出場することが決まり、日本一への挑戦権を得た。  「このメンバーで戦えるっていうのはいつもあることじゃないので。それはやっぱり続けていきたいし、大げさに思うかもしれないけど、そういう風に感謝してというか、当たり前じゃないのでね。そういう気持ちを持って。かといって、俺らは守りに入るチームじゃないので、攻めながら最後まで、もう1回甲子園に帰ってきて戦えたらなと思います」と話した。

◆前日デビューした中日のドラフト1位新人、根尾はプロ2打席目も空振り三振に倒れた。7回2死一、二塁でマウンド上は左の岩崎だったが、与田監督は代打に起用。変化球で崩され「チャンスだったのでどうにかして打ちたかった」と悔しさをかみしめた。  そのまま入った遊撃の守りでは、阪神を退団する鳥谷と交互に守備に就くなど、甲子園で貴重な経験を積んだ。来季の1軍定着に向け「もっと練習していきたい」と決意を込めた。 与田監督(大野雄に) 「プレッシャーのかかる登板だったと思う。昨年のことを考えると、いい形で結果を残すことができた」

◆阪神のルーキー近本は4打数無安打で、新人歴代3位の159安打でレギュラーシーズンを終えた。  1958年に長嶋(巨人)がマークしたセ・リーグ新人記録の153安打を更新したが、最後の2試合は無安打。笑顔は見せず「自分の結果ではなくチームの結果が大事」と話した。 糸原(今季から主将を務め、2年連続全試合出場) 「しんどかったけど、何とかCSに行ける。いい雰囲気だし、チーム一丸となってもう少し頑張っていきたい」 北條(四回にチーム初安打で先制点につなげ) 「何とか勝ちたかったので、しっかり塁に出てつなげる意識だった。このメンバーで戦えるのも最後という思いがあった」

◆--CSが決まった  矢野監督「いろんな感情が入って、ひと言では言い表せない。信じて最後は戦ってきた」  --連勝の要因は  「俺は気持ちだと思う。優勝がもうかすみけたときにも、野球をやれる幸せっていうかね。また(引退した)横田のことも目の当たりにして、みんなも...。プロとして勝たなあかんけど、その前に戦う姿勢と諦めない姿勢は、俺らがやれること。みんなの気持ちのつながりが勝因かなと」  --シーズンで貯金1  「失策の数も多かったし得点もなかなか取れなかった。思うようにいくシーズンじゃなかったけど。ウチは現状まだ強いチームと言えない。だからこそ粘りっこく。内面が大事になると思う。最後にこういう戦いができて、チーム全体として大きく成長できる部分があるんじゃないかな」

◆試合開始2時間後までの入場者全員に最終戦プレゼントとして「オリジナルハンドタオル」と「鳥谷敬選手メモリアルポスター」が配られた。A3のメモリアルポスターは片面が04年の入団から今季までの写真。もう片面は試合後に大型ビジョンに映し出された「今までも、これからも、ずっと『君がヒーローだ。鳥谷敬』が印刷された。

◆ウウウ...(涙)。バカヤロー、ダメ虎のくせに、ホントに大逆転CS進出の奇跡を起こしやがって...。崖っぷちからよみがえるなんて、どんだけ虎党を裏切るんだよ。阪神なんて...、阪神なんて...。大・大・大好きやー♪♪♪  帰ってきた4番・大山が先制タイムリー!! 男前や!! 先発の青柳を含めた6人の完封リレーも、しびれたねェ。  高橋聡は中日と阪神で通算18年間の現役生活、お疲れさま!! そして、虎での偉大な16年間、鳥谷に心よりアリガトウー!!  忘れちゃいけないのは『どーせ、一度は死んだ虎♪精神』なのだ(9月27日に広島が中日に勝っていたらTHE ENDだったのだから...)。シーズン最終盤と同じく、次の日のことを考えない一戦必勝の高校野球采配で戦ったれ!!  次から次へと投手をつぎ込み、近本も走れー! 走れー!! スクイズだって、やりまくったれェ!! DeNAとの対戦成績がいいとか、ハマスタは得点が入るとか、心に隙をつくったら『好事魔多し』やでェ!!

◆観戦した阪神・藤原崇起オーナー(電鉄本社会長)も満面の笑み。「ファンのみなさんの『まだシーズンを終わらせるな』というもの凄い大声援が後押しになって選手が頑張ってくれました。真摯な声援でした。涙、涙です」。オーナー就任1年目の優勝こそ逃したが、日本一の可能性は残った。横浜、勝てば東京ドームと続く戦いの観戦を問われると「みなさん、ついてこないで下さいね」。現地に乗り込む可能性を示唆した。

◆藤川が1回1安打2奪三振の無失点で16セーブ目をあげ、大事なシーズン最終戦を締めた。遊撃には今季限りで退団する鳥谷。打球は飛ばなかったが「ショートゴロをね、考えたけど」と笑い「トリに最後、『球児さん、打たせてくれると思ったけど』という話をちょろっとしながら。だけどまだクライマックスもあるし、また、そんな話も50、60歳になったときにできる」と次戦を見据えた。

◆大野雄が一人の走者を許すこともなく四回1死で降板。防御率2.58とし、9年目で初タイトルとなる最優秀防御率に輝いた。「個人記録を取るために、わがままを許してもらって感謝している」。試合前の時点で防御率2.63。同2.59でトップだった広島・ジョンソンとの0.04差をひっくり返した。9月27日の広島戦で味方野手がジョンソンを攻略。「チャンスをくれたみんなに感謝したい。これは取らなあかんなと思った」と喜んだ。 大野雄に中日・与田監督 「プレッシャーのかかる登板だったと思う。(0勝に終わった)昨年のことを考えると、いい形で結果を残すことができた」 七回に代打で空振り三振に倒れた中日D1位・根尾(大阪桐蔭高) 「チャンスだったので、どうにかして打ちたかったと。もっと練習していきたい」

◆今季限りで引退する高橋聡が七回、古巣中日を相手に現役最後のマウンドに上がった。福田に対し全球直球勝負を挑んで4球目、外角134キロで三ゴロに打ち取った。「こんな大事な試合で投げさせてもらえてありがたいです。18年やってきてよかったです」と大歓声のマウンドをかみしめた。練習前には引退セレモニーが行われ、チームメートからの胴上げも。5度宙を舞い「うれしかった。いいチームメートでした」と笑顔だった。

◆セ・リーグの全日程が終了し、阪神のドラフト1位・近本光司外野手(24)=大阪ガス=が36盗塁で、セ・リーグの盗塁王に輝いた。新人の盗塁王は2リーグ分立後、阪神の大先輩で憧れの赤星憲広氏(43、2001年に39盗塁)以来、史上2人目の快挙となった。  プロ1年目を全速力で駆け抜けた。気付けば名だたる先輩たちは全員、後ろにいた。虎のルーキー近本が「36」で盗塁王を獲得。この日は4打数無安打に終わったが、この快挙が、次なる戦いへ力になる。  「(盗塁王は)一番目標としていたところなので、それをとれたというのは良かったかなと思いますけど。その中でも、目標とか数字とかそういうのにまだできていない部分があったので。来年そういうのも意識しながらやっていきたいと思います」  自慢の快足への自信がにじんだ。金屏風の前で行った入団会見で公言した「新人王」&「盗塁王」のタイトル獲得。まずは1つ目の公約を果たしたが、長い球史の中で新人の盗塁王は近本自身があこがれる、2001年の阪神・赤星憲広以来18年ぶり2人目の快挙となった。  最高の"相棒"を見つけて、さらに加速した。シーズン序盤に使用していたスパイクと別で、柔らかい革が足の甲によりフィットするスパイクを球宴用に用意。これがハマッた。すぐさま黒色のシーズン用をオーダーし、装着した。9月は20試合で10盗塁。驚異のペースで走って走って、走りまくった。  「短い調整期間でしっかり合わせて、こうなれば自分の結果ではなくチームの結果になるので。自分がヒットで出るよりも、他にいろんなやり方もあるので。そういうところを意識しながら、しっかりホームにかえっていきたいと思います」  CSファーストステージの地、ハマスタは通算打率・396(48打数19安打)と大得意。ファイナルで待つ巨人には、球団別最多の9盗塁を稼いできた。新人王も現実味を帯びてきた近本が、虎党を夢の続きへと連れていく。

◆大役を全うした。先発した青柳が5回0封。4年目で自身初の規定投球回を達成し、9勝目も手に入れる好投で虎を逆転CSへ導いた。  「勝ってCSも決まってよかったです。いつ代わってもいい、チームが勝てればいいという気持ちでした」  初めて開幕から先発ローテを守り続け、勝てばCS進出が決まる大一番の最終戦を託された。2安打2四球で走者を背負いながらも、持ち味を発揮。要所で3併殺を奪った。あと「4回2/3」としていた規定投球回にも、五回無死一塁から遊ゴロ併殺で到達。「うれしいことですし、そこまで使ってもらった監督と投手コーチに本当に感謝です」と頭を下げた。  今季限りでの退団を表明している鳥谷とは、負ければ最後となる一戦だった。まだ終わらせたくない-。気持ちは投球に乗り移った。もらった"金言"も、背中を押してくれた。この日の試合前、色紙にサインをもらおうと鳥谷のもとを訪れると、ベテランは粋な添え書きをしてくれた。『未来を恐れず、過去に執着せず、今を生きろ!』-。サインの横にしたためられた言葉に、奮い立った。  「本当に1日でも長くやりたい。学ぶことも一日一日あるので、トリさんの背中を見て学んでいきたいと思います」  気持ちを一つに、さらなる下克上へ挑む。 (箭内桃子)

◆今季限りで退団する阪神・鳥谷敬内野手(38)へ-。30日の中日とのレギュラーシーズン最終戦(甲子園)の練習前に、ナインから「サプライズセレモニー」がプレゼントされた。  センターの大型ビジョンに『阪神16年 鳥さん ありがとう!』の文字が映し出され、選手だけでなく矢野監督、コーチまで背番号1『TORITANI』のTシャツを着用。選手会長の梅野、主将の糸原が「どうしてもやりたい」と発案者となり、公式オンラインショップでも購入できるものを1週間前から準備。ビジョンをバックに全員で記念撮影を行うと、さらに鳥谷は、阪神園芸と遊撃の守備位置で記念撮影。"神整備"に助けられた感謝を伝える、逆サプライズも行った。  練習中には鳥谷が使用してきた入場曲がメドレーでかかるなど、鳥谷一色。本人は練習後、「(サプライズは)バレバレだよ」と笑うと「引退するわけではないので何ともいえないですけど、ありがたいですね」。感謝と、改めて現役続行への意欲を語った。  また試合中は、藤浪ら2軍で調整中の選手も甲子園で観戦した。 鳥谷が2016年に使用していた「Sexy Papi」で登場した阪神・北條 「坂本さんに言ってもらって、僕もしたいなと。結構みんなやるんかなと思ったら(他は)誰も...っていう感じでした(笑)」

◆信じてはいたが...信じられない奇跡をやってのけた。1年目の矢野阪神が最後に今季初の6連勝を飾り、大逆転でCS切符をゲット。矢野監督は、優勝候補のアイルランドを撃破するなど日本中を歓喜の渦に巻き込んだ桜のフィフティーンのように、さらなるミラクルを起こすと誓った。  「ラグビーW杯で日本チームが日本中に大きな感動を与えてくれています。僕たち阪神タイガースもファンの皆さんにこれから感動と、そして子供たちに夢を与えられるような、そういうチームになっていきます!!」  興奮冷めやらぬ中、行われた最終戦セレモニー。マイクを握ると、虎党に力強く宣言した。  「残り30試合になったあたりから苦しい状況やった。ズルズルいってもおかしくないようなところやった。そこで踏ん張れたのは、すごく価値があると思う」  波の激しいシーズンだった。4月に最下位に沈み、3位まで最大6・5差をつけられた。7月9日から借金生活。8月18日には最多借金7を背負った。9月15日、残り9試合で3位と4・5差-。しかし勝つしかない状況になると、指揮官もタクトを変えた。  攻めに攻めた。第2先発にガルシアを置き、序盤からチャンスを迎えれば投手に代打を送った。惜しみなく最強のブルペン陣をつぎ込んで勝機をつかみ、8勝1敗で乗り切った。「本当にピッチャーはよく頑張ってくれた。うちの強みなのでね」。最終戦も盤石リレーで完封。勝ち方を完全につかみ、阪神の新人監督では1982年の安藤統男以来の、勝ち越し&Aクラスを決めた。  さらに今季限りでの退団が決まっている鳥谷を七回に代打で送ると、そのまま遊撃につかせた。「最後に打つだけじゃなくて、守る姿っていうのも、ファンの人も見たいと思ったと思うし」と粋な計らい。鳥谷の背中がチームに与える影響の大きさも知っている。「このメンバーで戦えるっていうのは、いつもあることじゃないので。それはやっぱり続けていきたい」と力を込めた。  「俺らは守りに入るチームじゃないので、攻めながら最後まで、もう1回甲子園に帰ってきて戦えたらなと思います」  CSの切符はつかんだが、それだけでは甲子園に戻って来られない。日本シリーズへの出場権をつかんでこそ、本当の奇跡となる。 (大石豊佳) 阪神・揚塩球団社長 「ファンのみなさんにこれだけたくさんの応援をいただいて、お礼申し上げます。何とかCSに行くことができました。これからも声援に応えられるよう、1つ1つ勝って行きたいと思います」 2年連続の全試合出場を達成した阪神・糸原 「いろいろあってしんどかったですが、何とかCSにいける。(主将として)いい雰囲気を出して、チーム一丸となってやっていきたい」 CSに向けて、左足の張りを訴えて離脱中のマルテの状況を問われた阪神・清水ヘッドコーチ 「状態を確認してからです。いる選手でやるしかない」

◆トリと頂点へ-。阪神が30日、中日とのレギュラーシーズン最終戦に3-0で勝利。広島を抜いて3位に浮上し、2年ぶり8度目のクライマックスシリーズ(CS)進出を決めた。今季限りでの退団を明言している鳥谷敬内野手(38)は代打で右飛後、遊撃守備も就いた。10月5日からは2位のDeNAと横浜でCSファーストステージを戦う。勝ち上がり、日本シリーズでまた、甲子園に帰ってくる!  ありがとうを言うのは、まだ早い。虎のレジェンドの物語は、ここから熱いラストを描く。破竹の6連勝で大逆転でのCS出場を決め、さらに先へ-。タテジマでの16年間が詰まった大歓声に、クールに頭を下げる姿が鳥谷らしい。そこに涙は、なかった。  「人生において、一番大きな歓声だったと思います」  勝てばCS、引き分けでも終戦の運命の一戦。3-0の七回先頭、代打で登場した。甲子園が大歓声に包まれる。藤嶋の136キロに右飛も、万雷の拍手を浴びてベンチ前でヘルメットを掲げた。さらに八回から7月28日の巨人戦(東京ドーム)以来の遊撃守備へ-。勝利のハイタッチをマウンド上で交わすのは、実に4月9日のDeNA戦(甲子園)以来だった。  試合後、特別なセレモニーはない。ただ矢野監督の挨拶後、ベンチに戻ると耳をつんざく「鳥谷コール」が聞こえてきた。「せっかく呼んでもらったので...」。すっとベンチから出て、何度もスタンドに頭を下げた。  少しでも長く鳥さんと-。ナインとファンの熱い思いが奇跡の快進撃とリンクした。8月25日、神宮最終戦での「自分も最後かも」に端を発した激動の日々。29日に揚塩球団社長から「ユニホームを脱いでください」と引退勧告を受け、31日に「タイガースのユニホームを着てやるのは今シーズンで最後」と明言。現役続行へこだわり、虎でのカウントダウンが始まる中でも、誰よりも早く球場にくるルーティンは不変だった。誰もが、その背中を見ていた。  球団トップの2085安打や2169試合出場-。しかし数字や記録にはこだわらずに生きてきた。「プロ初安打のボール? どこかに転がっているんじゃない?」。5度のゴールデングラブ賞のトロフィーは全て実家の両親のもとに郵送してきた。そんな男がこだわったのが、ずっと愛してきた遊撃の座だった。  「ショートの練習をもう1回、させてもらいます」。矢野監督が就任した昨年10月に直訴。ベンチを温める日々に「どうしてここにいるんだろう」と思うこともあった。支えは家族だった。  6月26日、38度目の誕生日。家族が用意してくれたアイスケーキをつついた。誕生日は日をずらしてでも必ず毎年、家族が祝ってくれる。「お仕事、頑張ってね」と書かれた手紙を子どもたちから受け取ると、背筋も自然と伸びた。4月には三男の小学校の入学式に出席。「俺だけ私服だったらおかしいでしょ」。正装に身を包む姿は"パパの顔"だ。もう一度かっこいい姿を見せたい。  「ショートからの風景も見られたので、よかったです。(CSに向けて)頑張ります」  まだ見ぬ日本一の景色へ。ともに過ごせる日々の先に鳥谷が必ずまた、甲子園に帰ってくる。 (竹村岳) ★鳥谷の残した記録  ◎...1939試合連続出場は、衣笠祥雄(広島)の2215試合に次ぐ、歴代2位  ◎...13年連続全試合出場も衣笠の17年に次ぐ、歴代2位  ◎...通算2085安打はNPB歴代36位。阪神生え抜きでは藤田平(2064)を超える最多  ◎...通算2169試合出場も、藤田平(2010試合)を超える球団最多  ◎...通算1046四球も掛布雅之(819四球)を超える球団最多で、NPB歴代14位  ◎...667試合連続フルイニング出場は、遊撃手では歴代最長  ◎...2010年のシーズン104打点は、遊撃手の最多記録  ◎...06年のシーズン490補殺はセ・リーグの最多記録

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<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
77642 0.546
(-)
優勝
(-)
0663
(-)
573
(-)
183
(-)
83
(-)
0.257
(-)
3.770
(-)
2
(-)
DeNA
71693 0.507
(-)
5.5
(-)
0596
(-)
611
(-)
163
(-)
40
(-)
0.246
(-)
3.930
(-)
3
(1↑)
阪神
69686 0.504
(↑0.004)
6
(↑0.5)
0538
(+3)
566
(-)
94
(-)
100
(-)
0.251
(-)
3.460
(↑0.03)
4
(1↓)
広島
70703 0.500
(-)
6.5
(-)
0591
(-)
601
(-)
140
(-)
81
(-)
0.254
(-)
3.680
(-)
5
(-)
中日
68732 0.482
(↓0.004)
9
(↓0.5)
0563
(-)
544
(+3)
90
(-)
63
(-)
0.263
(-)
3.720
(↑0.01)
6
(-)
ヤクルト
59822 0.418
(-)
18
(-)
0656
(-)
739
(-)
167
(-)
62
(-)
0.244
(-)
4.780
(-)