阪神(☆6対5★)広島 =リーグ戦21回戦(2019.08.11)・京セラドーム大阪=
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広島
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阪神
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勝利投手:浜地 真澄(2勝1敗0S)
(セーブ:藤川 球児(4勝1敗6S))
敗戦投手:フランスア(6勝5敗6S)
  DAZN
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◆阪神が逆転勝ち。阪神は1-5で迎えた6回裏、梅野の適時打で1点を返す。そのまま迎えた8回には、大山と糸原の適時二塁打などで一挙4点を奪い、試合をひっくり返した。投げては、5番手・藤川が今季6

◆広島会沢翼捕手(31)が同点適時打を放った。1点先制された後の2回無死一、二塁。 阪神先発望月のカウント2-2からの外角スライダーを中前にはじき返し、二塁走者を迎え入れた。「つなぐ気持ちでいきました。上手く拾うことができました」と話した。

◆阪神望月惇志投手(22)は4回2/3を8安打5失点で降板し、プロ初勝利を逃した。 プロ2度目の先発マウンド。1回に1点リードをもらったが、2回6番会沢に同点打を許す。3回は4番鈴木に勝ち越し打を浴び、5回は不運な二塁打から崩れた。 「全体的に変化球の精度が悪く、カウント負けをしてしまい、持ち味の真っ直ぐを生かすピッチングをできませんでした。初回から点を取って盛り立てていただいたのに、すぐに逆転を許してしまい、野手の方々に申し訳ないです」 7月17日中日戦(豊橋)でプロ初先発し、5回4失点で勝ち負けつかず。1カ月ぶりの1軍先発マウンドで記念星を狙ったが、強力カープ打線に打ち崩された。

◆阪神は1回1死三塁で福留の内野ゴロの間に1点先制。広島は2回に会沢の適時打で同点とし、3回は鈴木の適時打で勝ち越した。 広島は5回に松山、会沢の連続適時打と守屋の暴投で3点を追加。阪神は6回、梅野の適時打で1点を返した。阪神は8回に4安打を集めて同点とし、野選で勝ち越して連勝。浜地が2勝目。広島は2試合続けて救援陣が決勝点を献上した。広島フランスア5敗目。

◆阪神が2試合続けて逆転勝ちした。2-5の8回に大山が2点二塁打を放ち、糸原が同点の二塁打。陽川の遊ゴロ野選で勝ち越した。浜地が2勝目。広島は5回に3得点とリードを広げたが、フランスアらが打たれた8回は拙守も絡んだ。

◆阪神浜地真澄投手は2日前の悪夢を払拭(ふっしょく)し、今季2勝目を手にした。3点ビハインドの8回に登板し、1イニングを1安打無失点。直後の逆転劇を呼び込んだ。 「前回登板の時に反撃ムードを壊してしまった。その悔しさ、申し訳なさがあった。チャンスがあったら抑えたいと思っていました」。9日広島戦では1点ビハインドの9回に登板して1回5失点。反省をマウンドで体現した。

◆阪神藤原崇起オーナー(67=電鉄本社会長)は2試合連続の逆転勝ちに「攻撃が一番の防御だというのがよく分かりました。粘って粘って、時期を待つ。そして果敢に攻めた。みんな素晴らしかった」とご満悦だった。 試合前に矢野監督と20~30分間会談したと明かし「みんなで攻撃していこう」と確認し合ったという。言葉通り執念の攻撃力だった。すでに続投を明言している同オーナーは、信頼は変わらないかと聞かれ「もちろん、そうです」と即答した。

◆2夜連続でリリーフ陣が終盤に逆転され、広島が痛恨の連敗を喫した。首位巨人との差が3・5ゲーム差に開く中、その宿敵と12日からマツダスタジアムで直接対決に臨む。第3打席まで10打席連続出塁を続けた4番鈴木誠也外野手(24)は、これまでと変わらぬ意識で臨む構え。逆転4連覇に向けた正念場でも、チームプレーで勝利を目指す。痛恨の2夜連続逆転負けだった。8回表まで5-2と必勝パターン。しかし、8回に今村が3連打で追い上げられ、スクランブル登板のフランスアが糸原に同点二塁打を浴びた。さらに野選で勝ち越され、逃げ切られた。大きなダメージを負う連敗となった。 痛い敗戦の中で、鈴木が必死にチームを支え続けた。2回に右前打で出塁し、会沢の同点打を呼び込んだ。3回は勝ち越しの中前適時打を鋭く放った。5回は四球で出塁し、チャンスメーク。これで9日阪神戦の第3打席から10打席連続出塁。第4打席で記録は途切れたが、勝ちパターンを演出したのは、まぎれもなく4番鈴木だった。 できることすべてに全力を尽くす。試合前の打撃練習中には、右翼の守備位置で打球を追った。京セラドーム大阪は打球が見にくいといわれる。今季公式戦は3戦しかないが、それでも守備感覚を磨くため、前日に続いて確認作業を行った。打つだけではない。走塁も守りもできるだけの準備をする。連続出塁は、そういう姿勢の延長線上で生まれた。 打率を3割3分6厘に上げ、首位打者争いのトップをキープした。球界屈指のパワーを誇るが、本塁打を狙わず、ヒットの延長が本塁打という考え。10打席連続出塁については「どうでもいいです。チームが勝てばいい。僕はそのためにしっかりやれればいい」とそっけなかった。 12日から3・5ゲーム差がついた首位巨人と3連戦を戦う。鈴木は「巨人だからといって(特別な意識はない)。阪神戦も負けようと思ってやっていない」と唇を結んだ。正念場。勝利だけを見据え、チーム打撃に徹する。【村野森】

◆広島フランスア投手が前夜の逆転サヨナラ3ラン被弾に続き、2夜連続で失点した。 5-2の8回に今村が3連打で2点を失い、1死三塁からスクランブル登板。糸原に中前で大きく弾む同点二塁打を打たれ、陽川の遊ゴロが野選となり決勝点を奪われた。「コントロールが悪かった」。佐々岡投手コーチは「(今村には)1イニング投げてもらいたかった。8回は(今後)流動的」と話した。

◆広島野間峻祥外野手が、痛恨の中堅守備を悔やんだ。5-4の8回1死三塁で、糸原の中前で大きく弾んだ当たりに前進して頭上を越され、二塁打とした。 カバーした左翼西川の失策もあり、打者走者を三塁まで進めた。これが決勝点につながり「(前進して)捕りたい思いもあった。(前に)詰めすぎた。ちょっと中途半端になった」と振り返った。

◆阪神は2試合連続で「マルソラ」の4、5番コンビが勝利に貢献した。8回に先頭のジェフリー・マルテ内野手、ヤンハービス・ソラーテ内野手がともに左前打で出塁してチャンスメーク。大山悠輔内野手の2点適時二塁打などこの回一挙4点の逆転劇につながった。 新オーダーが生まれた10日の広島戦でも新4番マルテが中前打、ソラーテが四球を選んだ後、大山の逆転3ランが生まれた。ソラーテの途中加入後、打順とポジションで試行錯誤する矢野監督は「こういういい結果が出ればね、こっちとしては固まりやすくはなってくるし。またバリエーションも増えると思うので。そういう効果は期待したい」と手応えを口にした。 ▽阪神マルテ(8回先頭で左前打を放ちチャンスメーク) 最後のアウトを取られるまでわからない。昨日(10日)と同じで最後まで粘れた。(2安打に)いつも100%全力で。(4番でも)いい意味で変わらないです。 ▽阪神ソラーテ(8回に左前打で出塁し、大山の適時打で一塁から激走しヘッドスライディング生還) 得点につなげたかったので一生懸命に走った。その前の打席で四球を選べていい形で打席に入れた。

◆阪神糸原健斗内野手は意地の同点打を決めた。 途中出場後、1点差に迫った8回1死三塁、フランスアから中前に落とす適時二塁打。6回1死満塁では三振を奪われていただけに「三振もそうですし、最近悔しい思いをしていた。それはグラウンドでしかぶつけられないと思って全部ぶつけました」。ソラーテ加入後はスタメン機会を減らしているが、主将らしく値千金の一打を放った。

◆これが猛虎の、男の意地だ。阪神大山悠輔内野手(24)が3点を追う8回に2点適時二塁打を放ち、連夜のミラクル逆転勝ちを呼び込んだ。今季初めて6番に下がった前日は逆転サヨナラ3ランを放つなど、4番降格後は5安打5打点の大活躍。矢野燿大監督(50)の"奪い返せ指令"に即答して3位広島を連倒し、ゲーム差を4・5に縮めた。思い切って振り抜いた。大山に、もう迷いはない。フェンス直撃の打球を目で追いながら、二塁ベースに到達。一塁側ベンチに向かって右拳を突き上げた。 「狙い球はあった。でも、どっちもいける準備もしていた。甘いところに来たので、それをミスショットせずに打ち返せた。(試合の)流れを持ってこれてよかったです」 3点を追う8回無死一、二塁。ここぞの場面で期待に応えた。今村の2球目、高め126キロスライダーを捉えると打球はグンと加速した。「手応えがあったので、抜けるとは思いました。抜けてくれてよかった」。1点差に迫る右中間フェンス直撃の適時二塁打。「甘いボールは(打席で)1球来るか来ないか。それをファウルにしてしまったら結果も変わってくる」。しっかりコンタクトした打球は、同点3ランかと思わせるような快音だった。 勝負の場面。高鳴る鼓動を抑え、冷静に打席に向かった。「送りバントの作戦も頭にあった。そこで『打て』を出してくれた。結果で応えないと、と思った」。大山執念の一打が糸原の同点打を呼び、陽川の野選で逆転劇を完結させた。 重圧と戦いながら、開幕から105試合「4番大山」として打席に立ってきた。ポップフライを打ち上げても、全力疾走を怠らなかった。だからこそ? 吉兆の予感はあった。10日の9回に劇的サヨナラ弾を放つ直前の打席のこと。7回に右前打を打った際、ユニホームにはトンボが...。それに気がついたのは本人ではなく広島ベンチ。ぴったりとくっついた「幸せのトンボ」が大山に味方をした。 4番を外れてから、2戦連続でミラクル逆転勝ちのヒーローになった。この2日間で5安打5打点。「(4番を)奪い取るべき立場」と再奪取指令を出している矢野監督は「やることは何も変わらない。悠輔自身のバッティングのレベルを上げていくっていうところ」とさらなる奮起を期待した。 勝利打点「9」はセ・リーグ2位。大山が打てば、勝利がグッと近づく。そのバットで3位広島を連倒して4・5ゲーム差。覚悟を決めて、力の限り振るだけだ。【真柴健】

◆阪神近本光司外野手(24)が、また球団史を塗り替えた。初回、フルカウントから九里の143キロ直球を左翼線へ打ち返した。「追い込まれてから自分の打撃がいかに出来るか、どういうふうにされたら嫌かを考えて打席に入ったので、自分の中でもいいポイントで打てたかなと思います」。悠々二塁へ到達すると、クールにガッツポーズ。いきなり先制のチャンスをつくった。 これで今季安打数は120に到達。1953年(昭28)に吉田義男がマークした119安打を抜き、球団新人の歴代単独6位となった。前日10日にレジェンドの安打数に並ぶと、翌日、新たな1ページを記した。 守備でも光った。3点ビハインドの8回1死一塁、中堅へ大きく伸びた小園の打球を、背走しながらキャッチ。抜けていればリードを広げられるピンチを、好守備で救った。直後に大山らが連打して大逆転。ビックプレーを矢野監督も絶賛した。「フェンスの怖さというのもあるだろうし。そういうなかでああいうプレーをしてくれたのは、チームの士気というのが上がったというのはあるだろうし。近本はもちろん、打って走ってというのが魅力ではあるんだけど、もっともっと守備でもいいプレーが出来ると思う」。実力を知るからこそ、さらなる好プレーを期待した。 近本は58年長嶋茂雄のセ・リーグ新人最多安打153本を視野に入れるだけでなく、多くの新人記録を更新する可能性がある。23盗塁もトップの中日大島、ヤクルト山田哲に2差のリーグ3位。盗塁王、そして新人王も射程圏内だ。さらにはゴールデングラブ賞の可能性も。打って走って守って、猛虎の大逆襲を引っ張る。【磯綾乃】

◆阪神藤川球児投手は貫禄の6試合連続セーブを決めた。大逆転で1点リードした9回に登板。 1番西川は直球で詰まらせ右飛、2番菊池も一邪飛。最後は三好に慎重な制球を続け、フルカウントから直球で右飛に仕留めた。「(点差など)場合によって、やることは違う。うまいこと行って良かった。どのチームも救援陣は疲れている。ブルペン同士の戦いもある中、この2試合はそういう戦いができた」と冷静に振り返った。

◆阪神の植田海内野手が好走塁で6点目をもぎとった。 同点に追いついた8回1死三塁で糸原の代走として出場。陽川が遊撃正面へ打球を飛ばした間に本塁に滑り込んだ。「打った瞬間少しはねたのだけ見て、セーフになれるやろと思って走りました」。お立ち台では「糸原さんの代走だったので、帰ってこないと怒られると思って走りました」とにやり。6月5日のロッテ戦では、1点を追う9回1死三塁で、高山の左翼ライナーに走者の植田が飛び出し、併殺でゲームセット。この日は「『頭だけ整理して行けよ』と(三塁ベースコーチの)藤本コーチから言われていたので」と、クリアな思考で走りきった。

◆阪神は2試合連続で「マルソラ」の4、5番コンビが勝利に貢献した。8回に先頭のマルテ、ソラーテがともに左前打で出塁してチャンスメーク。大山の2点適時二塁打などこの回一挙4点の逆転劇につながった。 矢野燿大監督の一問一答は以下の通り。 (テレビ会見) -連日終盤の逆転劇 いやあ、しびれましたね。よくやってくれました。 -8回に大山が打って走者をかえした ヒットでかえしてくれてもチャンスは広がったんですけど、あそこでツーベースでかえしてくれたんで。本当に一気にいけました。ナイスバッティングでした。 -糸原が同点打 (糸原)健斗もスタメンを外れていろいろな思いがある中、しぶといバッティングをしてくれました。その後の植田海のあの走塁っていうのは海にしかできないようなプレー。派手じゃないと思うけど、本当に素晴らしい走塁でした。 -リリーフも踏ん張った ああいう後やっぱり1点、2点いかれてしまうと流れが一気にいってしまうのでね。そういうところでは中継ぎのみんながしっかりやってくれました。 -勢いが出る 勢い出しましょうよ。この2ついい形で勝ったので、明日名古屋に乗り込んで、勢いづいて行ってきます。 (記者囲み) -大山は内容も良化 甘い球を最後しっかり仕留めるっていうことができている。状態をこういう流れの中で上げていってほしいという内容。今後楽しみが増えました。 -植田を代走。勝負にいった? いつも積極的にと言っているんで。思い切って出した時点で勝負というのは自分の中で持っていた。あの打球であれだけ内野も前に来ている中でセーフになれるのは海にしかできない。本当はスタメンでも使いたいけど、ああいう風にいてくれると思い切ってカードを切りやすい。存在感のある選手かなと思う。 -過去の失敗も頭をよぎったはず びびってやっても仕方ない。それは海にも言ってる。失敗から成長してくれたらいい。もしかしたら海の中でそういうのがよぎるかもしれないけど、こうやって海らしい走塁をしたことが成長って言っていいんじゃないか。

◆阪神・望月惇志投手(22)が11日、広島戦(京セラ)に先発し、4回2/38安打5失点で降板。プロ2度目の先発となったが、初勝利をつかむことはできなかった。  1点の援護をもらった直後の二回、先頭の4番・鈴木に右前打。続く松山に四球を与えると、会沢に適時打を許して同点とされた。三回にも2死二塁とされ、鈴木に勝ち越しとなる適時打を打たれた。  五回には安打と四球で2死一、三塁のピンチを招き、松山に低めの135キロを右前に運ばれて、3失点目。なおも一、三塁で会沢にも適時打を許して、マウンドを降りた。  前回プロ初先発した7月17日の中日戦(豊橋)では5回9安打4失点で勝ち負けはつかず。20日に抹消。2軍での調整を経て、再びチャンスが巡ってきたが、五回を投げきることができなかった。

◆阪神・梅野隆太郎捕手(28)が11日、六回に1死満塁で右前適時打を放ち、1点を返した。1-5の六回、1死から連続四球で一、二塁とすると、大山も遊撃内野安打でつないで満塁に。ここで梅野が先発・九里の4球目、高めの142キロを流し打ちして、右前適時打にした。しかし、続く代打・糸原が空振り三振。同じく代打の原口も見逃し三振に凡退し、1得点に終わった。

◆広島には手痛い連敗となった。10日の逆転サヨナラ負けに続き、3点リードの八回にひっくり返された。緒方監督は「また終盤のところでね...」と声を落とした。  5-2のこの回に登板した今村が誤算。先頭から連打を浴び、大山に2点二塁打を許した。犠打による1死で降板。フランスアは糸原に中前に落とされ、前に出たセンターの野間が「捕りたい思いもあった。詰めすぎた」と頭上を越され、西川のカバーも乱れて三塁に進まれたのも痛かった。  12日から首位巨人を3・5ゲーム差で迎える。監督は「連戦が続く中、みんなしんどいが、ここで頑張らないと」と奮起を促した。

◆阪神は八回を抑えた21歳の浜地に2勝目が付いた。9日の前回登板は1回5失点と振るわなかっただけに「前回、反撃ムードを壊してしまった。その悔しさ、申し訳なさがあって、チャンスがあったら抑えようと思っていた」と話した。  先発した22歳の望月は五回途中降板で5失点に「変化球でファウルを取れていれば、もっと自分の投球ができたと思う」と反省を口にした。それでも、2番手で4者連続三振と好救援した25歳の守屋と合わせた若手投手の踏ん張りが、逆転勝利につながった。

◆--連日の終盤の逆転  矢野監督「いやぁ、しびれましたね。よくやってくれました」  --先発の望月は  「ボール自体はいいモノを持っていますし、立ち上がりはすごくいい形で。でも、しっかりカウントを取ってとか、決め球とか。まだもうちょっと、そこの精度が必要かなと思います」  --糸原も意地を  「ソラーテが来たことで、健斗(糸原)もスタメンを外れたりしていることが多くて。でも、ああいう働きをしてくれるとチーム全体としてプラスになるし、健斗自身にとってももちろんプラスになる。これからもいろんな状況があると思いますけど健斗らしいプレーをしてほしい」  --試合前にはオーナーと会話した  「監督の思っている野球を思い切ってやってもらえたらと。(今カード)初戦かな、逆転負けをしたときに、だからこそ胸を張って、元気を出して結果を出そうとミーティングで話をしたんだけど。オーナーの今までやってきた仕事でも、同じようにいいことも悪いこともあったし、でも前を向いて、俺らもやっていくしかないかな、という話を。同じようなことを言ってくれていた」

◆来た! 来た! 来たー!! シーズン終盤になって、やっと勝利の女神が虎に振り向いてくれたのだ!!  しかし、矢野監督も、俺たち虎党も、まさか女神が「ダメンズLOVE♪」とは、ちーとも気付かなかったもんねえ...。  前夜、106試合目にして虎の4番を外れた大山が6番で逆転サヨナラ3ランの大仕事をしたと思ったら、本日も3点を追う八回に2点二塁打を放ち、チームを勢いづけて勝利へと導いたのだ!!  「アラ、6番に下がったのネ。そのダメンズぶりがたまらないわ~♪」と勝利の女神もほほ笑んでいるに違いない。  大山く~ん。近いうちに4番に戻ってガンガンと打ちまくり「何がダメンズや!! 何が勝利の女神や、黙って俺について来いやー!!」と言うぐらいになってほしいのだ。  同点打の糸原も、決勝のホームを踏んだ植田の足も素晴らしかった!! でも正直、なぜ勝てたのかは分からないのだ。思うのは、広島を含めた上位チームは、確たる強さはないのだと思う。さあ虎よ、女神を味方につけて走りまくれー!!

◆よほど編集局が居づらいのか、それとも元トラ番キャップとしてタイガースが気になるのか、はたまた...京セラドームはエアコンが効いているので、涼みがてらにノコノコ出かけていったのか...理由はわからないが、運動部デスク阿部祐亮は前日に続いてこの日も京セラへ出かけました。  なんでやねん...と半分はやっかみで、問いただしてみたら阿部は「夏休み期間中のトラ番たちの助っ人なんです。昨日(10日)みたいに大山選手の逆転サヨナラ本塁打の大ドンデン返しなんかがあると大変なのは先輩だって百も承知でしょ。だから...」とぬかした。  どうせ俺は出るに出られぬ篭の鳥(虎ソナ班)だもんなぁ...と彼岸が近いからヒガンで文句を言ったら(おやじギャグです)、阿部は「あ、そういえば今日は8月11日で『山の日』なんですよ、ヤマの日...」という。そうはいっても阿部は常に虎ソナのネタの一つは用意してくるので思わずウレシクなって思わず「オッ、何かこれぞ! というネタがあるのか...山の日に関連した話題が...」と思わずパクッと食いついた。  すると阿部はこう言うじゃないか。「ですから『山の日』なんで2番高山、6番大山の日ってことです」。さすがに電話代がもったいないのでブチッと切りましたぞな。  でも、電話を切ってから考えた。突然、思い出したくないことを申し上げますが、阪神が吉田監督でバース、掛布、岡田のクリーンアップの豪快な一発攻勢で日本一になったのが1985年です。その年の8月12日に日航機の御巣鷹山墜落事故で当時の阪神球団社長中埜肇氏も亡くなられた。あれからもう34年。しかし、この年に阪神はリーグを制し、日本シリーズで広岡西武を蹴散らし日本一になった。経済波及効果1000億円。道頓堀にダイブした人が61人という年でした。  山の日と、悲しい事故の日はわずか1日違い。ちなみに「山の日」(8月11日)とは「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する日」というレッキとした国民の祝日。要するに「8」はなんとなく山の形を連想する。「11」はなんとなく緑の木々が立ち並ぶのを想像させて8月11日を「山の日」としたのです。  すみません、それとこの日の京セラドームでのなんだかモヤモヤとした試合内容とどんな関係があるのか...といわれたらまったくございません。私めもココまで書きながら心の中では"号泣"しております。  一回に近本の長打から先制点を取った後は...。これじゃあ赤ヘル軍団がせせら笑いでネチネチと点をとっていく展開になるのは自明の理じゃございませんか。このネチャネチャのなかにどれだけ記録に残らないエラーや連係ミスがあったことか...おじさんは悔しいったらありゃしない。  「また最後になって、もつれたら...大変なんスよ。それも勝てばいいけど...ま、イイ味の打撃をみせてくれることを期待してます」とキャップ大石豊佳は試合前に言ってきて、少しホッとさせてくれたが...。  それにしても昨夜もムシ暑い夜でした。阿部のいう「山の日」とは実は「山の神の日」だったのかもしれませんヮ。え、そりゃ...いつも私めをノノシルだけの"山の神"の日...。

◆植田が自慢の俊足で矢野監督の期待に応えた。"当たりゴー"の指示を受け、陽川の遊ゴロで抜群のスタート。決勝のホームを踏んだ(記録は野選)。「打った瞬間(ボールが)はねたのだけ見て、セーフになれるだろうと思って走りました」。今季初のお立ち台へ。連日の逆転勝ちについて「ベンチで僕たち(控え選手)の応援があるのも、そのおかげだと思います」と話し、球場を沸かせた。

◆3試合ぶりにスタメンを外れた主将・糸原が八回に執念の同点打。力強くガッツポーズだ。  「同点になったのがすべて。タイムリーになったのでよかった」  大山の一打で4-5とし、なお1死三塁で打席へ。カウント2-1から左腕・フランスアの高めのスライダーを振り抜いた。高く上がった打球は中堅・野間の前で跳ね、適時二塁打に。カバーした左翼・西川が処理をもたつく間に三進し、勝ち越し点も演出した。  「最近、悔しい思いをしていたので。悔しい思いはグラウンドでしかぶつけられない。全部ぶつけたろと思っていた」。ソラーテ加入で慣れない遊撃を守ったり、スタメンを外れることも。五回1死満塁では代打で空振り三振に倒れていた。  2歳下の大山とは同期入団。お立ち台では「悠輔(大山)もいろいろあると思いますが、2人でチームを引っ張っていけたらいいかなと思う」と力強く宣言した。 (菊地峻太朗)

◆記録にも、記憶にも残るのが、虎の切り込み隊長だ。近本がバットでレジェンド超えを連発すると、中堅守備でも美技を披露。2夜連続の逆転勝利に貢献し、顔をくしゃっとさせて笑った。  「どういう風なバッティングをされたら嫌なのかを考えながら、打席に入った。逆方向のレフト線のヒットになったというのは、自分のなかでもいいポイントで打てたかなと思う」  まずは一回。フルカウントまで粘り、九里の7球目、低め143キロを左翼線へはじき返した。悠々と二塁に到達。2試合連続安打で今季120安打目とし、1953年の"牛若丸"吉田義男を抜いて、球団新人の歴代単独6位に。球団記録(2016年の高山俊の136安打)はもちろん、1958年に長嶋茂雄(巨人)が樹立したセ・リーグ新人最多安打「153」も射程圏のシーズン160安打ペースだ。  さらに続く高山の二ゴロで三進し、福留のゴロの間に先制のホームを踏んだ。今季64得点目。これも1998年の坪井智哉超えで、球団新人単独2位に浮上。記録ずくめのルーキーが、序盤からチームをけん引した。  八回には好守が光った。八回1死一塁で小園の大きな打球を全力疾走で追いかけ、ジャンピングキャッチ。フェンスにぶつかりながらも、しっかりとグラブに収めた。「(捕れて)よかったです」。このビックプレーが、直後の逆転劇の呼び水となった。  「終盤で追いつくこともいいことですけど、中盤で1点でも追いつくことが大事。もう少しできることがあったと思います」  グッと表情を引き締めた。スーパールーキーの際限のない向上心と勝利への飢えがある限り、虎はもっと前へ前へと突き進んでいける。 (織原祥平)

◆豪快な打球の軌道が戻ってきた。思い切りのいいスイングも。甘い球をひと振りで決めきる力強さも。お立ち台で、大山が虎党から連夜の大歓声を浴び続けた。  「すごい(打球に)手応えもあって(外野を)越えると思いました。落としていい試合は1試合もないので、1試合1試合、全力でやるだけです。そこは常に変わらず、試合に入っていけていると思います」  不動の4番から、2試合連続で「6番・三塁」でスタメン。打順降格の悔しさを上回る勝利への執念が前日10日の逆転サヨナラ3ラン、そしてこの日の一打につながった。2-5の八回。マルテ、ソラーテが2者連続の左前打でつないだ無死一、二塁で、背番号3が反撃のひと振りだ。  1ストライクから、今村の甘く入ってきた高め126キロスライダーを捉えた。打球は一直線で中堅フェンスにズドン! 一気に1点差に詰め寄る2点打に、ベンチの指揮官も"矢野ガッツ"を繰り出し「ヒットでかえしてくれても、チャンスは広がったんですけど、あそこでツーベースでかえしてくれたんで。本当に一気にいけました。ナイスバッティングでした」とたたえた。  孤独に4番の重圧と戦っていても、グラウンドを離れれば根は兄貴分で気配り上手。4月19日は、この日"神走塁"を決めた植田の誕生日。人気ブランド「Thom Browne」(トム・ブラウン)の財布をプレゼントしてあげた。若き大砲はオンとオフを切り替えて、日々成長中だ。  四、六回にもHランプを灯して7月17日の中日戦(豊橋)以来、20試合ぶり今季6度目の猛打賞となる3安打2打点。打順降格後の反発力について、指揮官は「それは俺にもわからんけど、(サヨナラ3ランで)変化は絶対あったと思う」と心の成長をみた。  2夜連続で勝利につながる一打に「勝ってよかった」と静かに振り返った大山。まだこんなもんじゃない。打ちまくって、虎の4番へ返り咲く。 (新里公章)

◆総帥の異例ゲキに応えた! 阪神は八回に一挙4点を奪い、6-5で広島に連夜の逆転勝ち。夏の長期ロード初のカード勝ち越しを決めた。矢野燿大監督(50)は試合前、藤原崇起オーナー(67)=電鉄本社会長=から「みんなで攻撃していこう」と直接エールを受け、攻めの采配で勝利をもぎ取った。3位カープとは4・5差。虎の夏は、ここからだ!!  攻めて攻めて、勝利をつかみとった。八回に追いつき、なお1死三塁。矢野監督が勝負に出た。同点打の糸原に代え、植田をコール。そして采配ズバリの決勝ホームイン! 最大4点差をはね返し、連夜のコイ倒だ。  「勝負に出た? もちろんもちろん。頭の中ではいろいろよぎりながらね。いつも(選手には)『積極的に』と言っているんで。俺自身も思いきって(植田)海を出した時点で、勝負というのは自分の中で持っていた」  ゲキに応えた。試合前練習後、藤原オーナーが監督の下を訪れていた。シーズン中では異例。総帥は「みんなで攻撃していこうと。そういうことです」と明かした。4位と苦しむチームへ直々の攻撃指令-。指揮官も攻めのタクトを貫いた。  一回に先制しながら逆転され、突き放された。六回には1点を返し、なお1死満塁から代打攻勢も、糸原&原口が連続三振。終始劣勢だったが、前を向き続けた。  迎えた2-5の八回。大山&糸原の適時二塁打で追いつくと、さらに勝負へ。延長の可能性もある中、三塁走者に13人目の野手、植田を送った。カープ内野陣の前進守備に対して、指示は「阪神・矢野監督、総帥ゲキに応えた攻撃タクト!植田"当たりゴー"でVホームラン」。そして陽川の遊ゴロに迷わずスタートを切った植田が、間一髪、ホームを陥れた。  「あの打球で、あれだけ内野も前に来ている中で、あれをセーフになれるっていうのは海(植田)にしかできない」  今季最大級の"矢野ガッツ"で迎えた。  「野球をやっている以上、失敗したことは頭のどっかに残っているし。でも、びびってやっても仕方ない」-。苦い思いがある。6月5日のロッテ戦(ZOZOマリン)。4-5の九回1死三塁で高山の左直に、当たりゴーでスタートを切っていた三走・植田が戻れず。最悪の併殺で終了した。しかし迷いなし。失敗は恐れなかった。  「粘って粘って時期を待つ。そして果敢に攻めた。素晴らしかった。お盆を前にバンザイです」と藤原オーナー。矢野監督は総帥の激励に「『矢野さんの思うようにやってくれたら』と言ってもらえた」と感謝すると、語気を強めた。  「勢い、出しましょうよ。ね。この2つ、いい形で勝ったのでね。明日名古屋に乗り込んで、勢いづいていってきます」  夏のロード初、3カードぶりの勝ち越しで3位広島と4・5ゲーム差。12日から中日戦に挑む。大山の4番変更に続く、執念タクト。指揮官の決断がチームに大きなうねりを生んでいる。 (大石豊佳)

◆望月は走者を背負ったときにクイックを意識しすぎるあまり、上体で投げていたが、感じとしては悪くはなかった。それよりも、広島の各打者の待ち方が阪神バッテリーを苦しめたといえる。  広島打線は徹底的に逆方向を意識していた。直球を逆方向へ運ぶイメージでスイングすることで、変化球がきても自然と中堅に飛ぶ。二回に変化球を同点中前打し、五回には直球を右前適時打とした会沢の打撃は典型的だった。しかも追い込まれてからではなく、初球から全球種に対応。望月の持ち味である直球を"餌巻き"として積極的に振ることで、しつこい攻撃ができていた。  阪神バッテリーが対抗するためには、五回1死三塁でバティスタを浅い中飛に仕留めたように内角を厳しく突くことや、直球をあえて多投することが挙げられるが、広島の狙いが完全に上回っていた印象だった。  阪神打線は試合序盤、追い込まれるまでは直球一本にしぼっているような打者が多く、九里の得意球の一つであるフォークを気持ちよく投げさせていたように映った。終盤逆転に成功したが、束になってかかるという、この姿勢を改めて貫いてもらいたい。上位進出へまだチャンスはある。 (サンケイスポーツ専属評論家)

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<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
57452 0.559
(↑0.005)
-
(-)
39504
(+7)
424
(+1)
137
(+3)
59
(-)
0.263
(-)
3.800
(↑0.03)
2
(-)
DeNA
56483 0.538
(↓0.006)
2
(↓1)
36453
(+8)
425
(+10)
121
(+3)
31
(-)
0.250
(↑0.001)
3.650
(↓0.06)
3
(-)
広島
55503 0.524
(↓0.005)
3.5
(↓1)
35457
(+5)
432
(+6)
107
(-)
66
(+1)
0.253
(-)
3.430
(↓0.02)
4
(-)
阪神
49535 0.480
(↑0.005)
8
(-)
36396
(+6)
459
(+5)
72
(-)
70
(-)
0.250
(-)
3.660
(↓0.01)
5
(-)
中日
47571 0.452
(↑0.005)
11
(-)
38408
(+10)
430
(+8)
69
(+1)
51
(-)
0.262
(↑0.001)
4.010
(↓0.04)
6
(-)
ヤクルト
41642 0.390
(↓0.004)
17.5
(↓1)
36474
(+1)
549
(+7)
122
(+1)
42
(-)
0.241
(-)
4.660
(↓0.02)