阪神(6対6)DeNA =リーグ戦16回戦(2019.07.23)・阪神甲子園球場=
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DeNA
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阪神
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勝利投手:-
敗戦投手:-

本塁打
【阪神】マルティネス(8号・7回裏ソロ)

  DAZN
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◆阪神は両軍無得点で迎えた5回裏、梅野のスクイズで先制に成功する。対するDeNAは5-6で迎えた9回、2死二塁から筒香が適時二塁打を放ち、土壇場で同点とした。その後試合は延長戦に突入するも、両軍の救援陣が踏ん張り、規定により引き分けに終わった。

◆阪神は、DeNA16回戦(甲子園)で4万4064人を集め、今季の主催試合の観客動員が200万人を超えた。47試合目での到達。 甲子園43試合、地方開催4試合で計204万1416人となった。実数発表を開始した05年以降、最速の到達は07年の46試合目。

◆序盤は両チームともに無得点。DeNAは初回1死から筒香の安打などで一、二塁の先制機をつくるも、4、5番が続けなかった。 阪神が5回に鳥谷の安打などで1死一、三塁とし、梅野のスクイズで先制。6回には糸井の適時打で2点目を追加した。 DeNAは7回に5点を奪い、逆転。阪神は8回に再び逆転したが、9回に追いつかれ延長へ。延長では両軍決め手を欠き、引き分け。

◆阪神が5回に梅野隆太郎捕手(28)のスクイズで先制した。先頭打者の福留が一塁への痛烈なゴロで一塁手ロペスの失策を誘って出塁。 1死一塁から鳥谷の一、二塁間を破る当たりで福留が三塁へ進むと、続く梅野が1ボールからの2球目を一塁線へ転がした。「チームのためにガルシアのためにどんな形でも決めてやる! という気持ちでした」。好投する先発ガルシアを女房役がきっちりバットでもり立てた。

◆27日スタートのテレビ朝日系土曜ナイトドラマ「べしゃり暮らし」に主演する間宮祥太朗(26)が、ファーストピッチセレモニーに登場し、プロ野球始球式での芸能人最速139キロを記録した。 ドラマの放送開始日と番組名「BESHARI 727」と書かれたユニホームでマウンドに登場。豪快なフォームから鋭いボールを投げ込んだ。バックスクリーンに表示されたのは驚きの「139km」。これまでの最速は、ゴールデンボンバーの樽美酒研二が昨年6月27日に計測した135キロで、間宮が一気に4キロ更新した形。仰天の球速に甲子園の観客は大いに沸いたが、間宮は「浮いちゃったなと。ストライクを投げたかったんですけど、久しぶりにマウンドに上がって、ちょっと力んだかなと思います」と反省も口にした。 小学1年から中学3年まで野球をプレーしていた間宮は、幼い頃から阪神ファン。「祖父が熱烈な巨人ファンで、その時の巨人はスター選手だらけですごく強かった。それに対しての反抗心というか、燃えてきて」。あこがれの選手は金本知憲氏で、今でも家にフィギュアを置いているという。 今年は神宮球場や横浜スタジアムなどを訪れ、阪神の試合を5度観戦。球場に行けない時も、中継を見てチェックしている。この日チームに合流したばかりの新外国人、ヤンハービス・ソラーテ内野手(32=マーリンズ傘下)についても「セクシータイムでしたっけ? 注目しています」と話し、熱烈な阪神ファンぶりを見せた。 ドラマ「べしゃり暮らし」では、関西出身の転校生と漫才コンビを組む役柄。「『べしゃり暮らし』の宣伝を甲子園で阪神ファンの自分が出来ていることが、二重にうれしい。ありがたいです」と笑顔を見せていた。

◆DeNAが2番に入る主砲筒香嘉智外野手の一打で試合を延長に持ち込んだ。 1点を追う9回2死二塁。阪神守護神ドリスの直球をはじき返し、起死回生の同点中越え適時二塁打とした。 ラミレス監督が「彼は得点圏打率が良くない。それに比べて、出塁率は高い数字」と判断して2番に置いているが、チャンスでも存在感を見せつけた。

◆阪神が延長12回の死闘の末に、DeNA戦を引き分けた。 鳥谷敬内野手(38)が「7番遊撃」で100日ぶりに先発出場。福留孝介外野手(42)も両ふくらはぎ痛から1軍に復帰した。投手陣がリードを守れなかったが、ベテランコンビがともにマルチ安打を記録し、チームに活気を与えた。投手陣がリードを守れず、勝ちきれなかった。延長12回裏の攻撃は3者凡退で、2位DeNAとの死闘は引き分けに終わった。疲れの残るドローだが、今後に楽しみを残す内容でもあった。 黄色に染まった甲子園で虎のアラフォーコンビが燃え上がった。5回1死一塁の場面。7番鳥谷がDeNA上茶谷の141キロ直球をとらえた。打球が右前に抜ける間に、一塁走者の福留が激走。一気に三塁を陥れた。梅野の先制スクイズをお膳立てした。 5番・福留、7番・鳥谷-。試合前の先発メンバー発表に甲子園がドッと沸いた。鳥谷は4月14日中日戦(甲子園)以来となる100日ぶりの先発出場。両ふくらはぎ痛で2軍調整中だった福留は、この日1軍に合流し即スタメン起用。6月20日楽天戦(甲子園)以来、33日ぶりの1軍戦出場となった。 この日から甲子園では恒例の夏イベント「ウル虎の夏2019」が開催。実に100日ぶりとなる虎の名球会コンビそろい踏みに、4万4000人超の観客が大盛り上がりになった。 ベテランの存在感は際立った。2回には先頭中井の二遊間への痛烈な当たりを、鳥谷が飛びつきキャッチ。ベンチの矢野も思わず笑顔で拍手した。福留は2回の第1打席目にさっそく右前打。5回は一塁への痛烈な打球で相手失策を誘って出塁し、先制の好機をつくった。8回には遊撃内野安打で復帰すぐさまマルチ安打を記録した。 矢野監督は「孝介の勝負強さは欠かせない」と福留の復帰を心待ちにしてきた。鳥谷についても「タイガースの歴代の中で1番ヒット打ってる」と話し、「もちろんトリ自身もこのまま終わっていい、と思っているわけないと思うから」とその力を必要であると力説してきた。新外国人のヤンハービス・ソラーテ内野手(32=マーリンズ傘下)がチームに合流。ベテランの躍動に新戦力。チームに明るい材料が一気に増えた。

◆阪神ラファエル・ドリス投手がまた背信の投球だ。 1点リードの9回、先頭伊藤光に四球を与えた。2死までこぎつけたが、筒香に速球をとらえられて、中越えの同点適時二塁打を浴びた。 20日ヤクルト戦(甲子園)でも1点リードの9回に同点にされるなど、不安定な内容が続く。チーム最多の40試合に投げるなど奮闘するが精彩を欠き、ベンチでも首をかしげていた。

◆DeNAの2番に入る主砲筒香嘉智外野手の一打で延長戦に持ち込んだ。1点を追う9回2死二塁。阪神ドリスの直球をはじき返し、同点の中越え適時二塁打とした。 チームは延長12回に無死一、二塁と攻めたが、ロペスの併殺などで無得点。それでもラミレス監督は「ドリスから今年初めて点が取れた。ウチにとっては勝ちに等しい引き分け。もっと悪い結果になっていてもおかしくなかった」と選手たちの奮闘をたたえた。

◆阪神ジェフリー・マルテ内野手が「イワタニ1号」を放った。 2-5と逆転された7回、先頭でDeNA三嶋の初球、149キロ速球をセンターバックスクリーンへ。甲子園のセ公式戦でバックスクリーン弾を放った阪神選手に対し、岩谷産業から300万円が贈られる「イワタニ バックスクリーンホームラン賞」が今季から制定され、マルテが初受賞者になった。 8回は内野安打で得点機を広げ、梅野の押し出し四球につなげるなど、2度目の猛打賞をマーク。それでもマルテは「勝ちきることができなかったことの方が残念」と結果を悔やんだ。 練習にソラーテが参加。マルテにとっては、並び立つ同僚になるか、1軍の出場枠を争うライバルになるかの新戦力だ。だがマルテは「すごくいい選手だし、彼が加わるのはチームにとっていいこと」と歓迎し「変えることなく、自分のプレーとルーティンでやればいいと伝えたよ」と日本野球への助言も送った。 もちろん、自身も「みんなでいい方向に向ければ」と負けてはいない。「刺激の多いチーム状況になりつつある。マルテもよくつないでくれたし、チャンスメークもしてくれて。いいホームランもあった。よかった」と矢野監督。相乗効果が早くも見えてきた。【堀まどか】

◆DeNA宮崎敏郎内野手の巧みなバットさばきが上茶谷の黒星を防いだ。2点を追う7回無死一、二塁。阪神ガルシアの真ん中137キロ直球を右中間へ運ぶ適時二塁打とし、中井の犠飛、代打神里の中前適時打とつながり一時逆転に成功した。 宮崎は「チャンスの場面だったので、積極的に振っていきました」と振り返った。

◆阪神先発のオネルキ・ガルシア投手は7回途中5失点でKOされた。 6回まで1安打無失点と好投しながら2-0の7回に急変した。先頭に四球を与えると4安打と犠飛で3点を失って逆転され、2死一、三塁で降板。2番手守屋も打たれて残した走者2人の生還を許した。「6回までいいピッチングをしたことは納得しているけど、7回は自分のピッチングではなかった」。今季5度目の甲子園登板でも勝てず。6月2日広島戦での2勝目を最後に7試合も白星から遠ざかる。

◆阪神の福留孝介外野手(42)は両ふくらはぎ痛から1軍復帰即先発してマルチ安打を放った。 「5番左翼」で6月20日楽天戦以来の出場。2回に復帰初安打を強い当たりで右前へ。5回は一塁への再び痛烈な打球で失策を誘って出塁。1死から鳥谷の右前打で三塁へ激走して、梅野のスクイズで先制のホームイン。8回も激走で遊撃内野安打とし「大丈夫ということで来ているわけだから」と足の状態の良さを示した。チーム最年長42歳は試合に負けなかったことに「そうだね」とだけ語った。

◆ベテランの意地がチームに執念をもたらした。阪神鳥谷敬内野手(38)が「7番遊撃」で100日ぶりに先発出場。長い代打生活にも衰えを感じさせることなく、好守を連発。今季初のマルチ安打で得点にも絡んだ。延長12回の死闘の末に、DeNA戦を引き分けたが、鳥谷の奮闘はAクラス浮上を目指すチームにとって、明るい材料になった。黄色く染まった甲子園を鳥谷が熱くした。5回1死一塁の場面。7番鳥谷がDeNA上茶谷の2球目、141キロ直球をとらえた。打球が右前に抜ける間に、一塁走者の福留が激走。一気に三塁を陥れた。梅野の先制スクイズをお膳立てした。「準備は出来ていたんで...」。7回には左前打を放ち、今季初のマルチ安打をマークした。いずれも得点に絡んだ。延長12回の死闘で、ベテランのバットがチームに鼓舞した。 7番、ショート、鳥谷-。試合前の球場に響くアナウンス。先発メンバー発表に甲子園がドッと沸いた。実に4月14日中日戦(甲子園)以来となる100日ぶりの先発出場。契約最終年の今季は3カ月に及ぶ長い代打生活を送っていた。矢野監督はこの日の起用理由を説明した。「いろんなことはあるけど、常にトリのスタメンは頭の中から消したわけではない。自分の中でここやな、という判断の中で戻した」。主にルーキー木浪や北條を遊撃に置いているが、固定するには至っていない。そんな状況で、鳥谷の力を借りる時と判断した。 指揮官の決断に、ベテランも応えた。特に守備が際立っていた。初回1死一、二塁の場面。先発ガルシアがロペスに2ボールを与えると、すぐさまマウンドに駆け寄った。2回には先頭中井の二遊間への痛烈な当たりを横っ跳びでキャッチ。ベンチの矢野も思わず笑顔で拍手した。延長12回に入ってもショートを守り続け、4月13日以来、今季5度目のフル出場だ。 矢野阪神は大きく若返りを図っているが、やはりベテランの存在はチームに刺激を与える。「若い選手もそういう姿を見て、感じるものがすごくあったと思う。ベテランがみんな、背中で引っ張っていってくれたなと思う」。1軍復帰した福留とともにチームに勝負への執念を注入した。今季5試合目の引き分けとなったが、借金3を抱えリーグ4位の苦境であることに間違いない。経験豊富なベテランの力は必ず必要になる。【桝井聡】

◆阪神が5回に鳥谷の安打などで1死一、三塁とし、梅野のスクイズで先制。 6回には糸井の適時打で2点目を追加した。DeNAは7回に5点を奪い逆転。阪神は8回に再び逆転したが、9回に追いつかれた。延長では両軍決め手を欠き引き分け。 矢野燿大監督の一問一答は以下の通り。 ◆試合前練習後 -ソラーテは守備でも内外野をこなしていた こっちもやってくれというのがあったし、本人もどこでもやるという感じで来てくれている。守備の身のこなしはすごくいい。外野は本職ではない。そこはまだ見えない部分。スイッチやし、ポジションも複数やれる。動かすというか、いろんなことを考えられる。 -今後の流れはどうか 見えへんよね、まだ。明日、俺も見に行く。外国人枠もある。見てから判断しようと思っています。 ◆試合後 -引き分けだった 勝ちたかったですね。でも、ある意味、よく粘ってくれたという部分もある。 -鳥谷が堅守連発 守備も本当に軽快。よく足が動いている。最後のバウンドも難しいけど落ち着いて。トリらしさを十分出してくれた。 -今後も先発起用は もちろん、もちろん。 -福留が好プレー (走塁で)三塁に行ったのもそう。ふくらはぎを痛めたなか、孝介も全力でプレーしてくれて、いいヒットも出ている。力もそう。ベテランの孝介やトリにしか出せない雰囲気がある。 -ガルシアは7回だけ乱れた 難しい。球数も少なかったし、状態も良かった。俺の責任もある。続投か、継投も難しかった。しっかり投球してくれた。打たれたところは球が高かったね。

◆阪神・糸井嘉男外野手(37)が23日、DeNA戦(甲子園)に「3番・右翼」で出場し、1-0の六回に追加点となる適時打を放った。  六回1死一塁から先発・上茶谷の7球目、低めの変化球を引っ張り、右翼線適時二塁打。6月に月間MVPに輝き、7月も打率・333、1本塁打、10打点と好調をキープする夏男が貴重な追加点を奪った。

◆阪神のオネルキ・ガルシア投手(29)が23日のDeNA戦(甲子園)で先発。六回まで1安打と好投を見せるが、七回に暗転。4安打1四球を集中され、勝ち越しを許した。  2点リードの七回。先頭のソトに四球を許し、ロペスには中前打。ここで福原投手コーチがマウンドに向かうも、勢いは止められず。宮崎に右中間への適時二塁打を浴び、失点した。  なお無死二、三塁のピンチでは中井に右犠飛を許し同点。1死三塁となり、代打・神里に勝ち越しの中前適時打を浴びた。その後、何とか2死一、三塁までこぎつけたところで矢野監督は交代を告げた。2番手・守屋にバトンを託した。  昨年の中日時代も含めて、つかめていなかった甲子園での白星はまたしてもお預けとなった。

◆6連勝を狙ったDeNAのドラフト1位ルーキー上茶谷は六回途中2失点で降板。七回に味方が逆転して黒星は免れたものの、3試合続けてビハインドでの降板となり「次回登板までに細かなコントロールを修正したい」と唇をかんだ。  「調子自体は良かった」と振り返るように、ストライク先行の投球で四回までは2安打無失点。しかし、五回にロペスの失策から背負ったピンチでスクイズによって先制された。六回は1点を追加されてなお1死一、二塁を招き、苦手の福留を迎えた場面で交代を告げられた。

◆阪神・鳥谷敬内野手(38)が23日のDeNA戦(甲子園)で「7番・遊撃」で先発。90試合目で今季初のマルチ安打を記録した。  五回1死一塁では一、二塁間をゴロで破る右前打。梅野の先制スクイズを呼び込んだ。七回無死ではマルテがバックスクリーンに8号ソロをたたき込んだ直後に打席に立ち、151キロに詰まりながらも左前に落とした。その後、無死一、三塁となり代打・高山の二ゴロ併殺の間にホームを踏んだ。  鳥谷の先発出場は4月14日の中日戦(同)以来、75試合ぶり。遊撃守備も5月3日のDeNA戦(同)以来だったが、二回無死では二遊間の打球に横っ飛び。アウトに仕留めるなど、久々のスタメンに躍動した。

◆阪神の大山悠輔内野手(24)が23日のDeNA戦(甲子園)の八回、同点の適時打。左手を突き上げ、主砲の意地を見せつけた。  1点を追う八回、先頭の糸原が右前打。代走・植田が二盗を決めると、糸井の二ゴロで1死三塁となり大山が打席に立った。エスコバーの内角148キロに詰まりながらも、ふらふらと舞った白球は中前にポトリ。チームトップをひた走る今季54打点目で、試合を振り出しに戻した。

◆阪神は4万4064人の観客を集め、今季主催試合の観客動員数が200万人を超えた。甲子園が43試合で190万3923人を集め、それ以外での4試合で13万7493人。

◆DeNAは自慢の救援陣で逃げ切りに失敗した。ようやく七回にガルシアを攻略し、一挙5得点の猛攻で逆転。すかさず三嶋、エスコバー、パットンと投入したが、相次いで打たれた。  それでも1点を追う九回2死二塁から、筒香がドリスから「強いスイングで、しっかりと捉えることができた」と中越えに運ぶ起死回生の適時二塁打。ラミレス監督は「阪神の救援陣は特にDeNAに強い。勝ちに等しい引き分けだ」と収穫を強調した。

◆阪神はドリスがまたも抑えに失敗した。6-5の九回、先頭の伊藤光に四球を与えると犠打で送られ、2死後に筒香に中越え二塁打を浴びた。20日にもリードを守れなかった守護神は「甘く入ったが、いい打撃をされた」と肩を落とした。  痛打された場面では一塁が空いており、筒香との勝負を避ける選択肢もあったが「気付いていたが、2アウトということもあったので」。裏目に出てしまい、矢野監督は「難しいところ。先頭の四球がどうしても重いし、しんどい」と険しい顔だった。

◆4時間33分の激闘は今季3度目のドローに終わった。5-6の九回2死二塁で2番・筒香が中越えに同点の適時二塁打を放ち、救援陣も無失点で踏ん張った。ラミレス監督は「(九回に)ドリスから初めて点を奪った。(ピンチが多く)負けていてもおかしくない展開だったが負けなかった。勝ちに等しい引き分けです」と選手たちの奮闘をたたえた。 九回に同点二塁打を放つなど2番で2安打3出塁のDeNA・筒香 「(適時打は)強いスイングで、しっかりと捉えることができました。ランナーをかえせてよかった」 六回途中2失点のDeNAのD1位・上茶谷(東洋大) 「ピンチで粘ることができずに先制点を与えてしまった。(六回に)糸井選手に打たれた後、大山選手への四球を反省する必要があります」

◆--引き分けをどう捉える  矢野監督 「勝ちたかったですね。でも、ある意味、よく粘ってくれたという部分もあると思うんでね。両方あります」  --延長ではリリーフ陣がよく粘った  「ランナーなしでも、ある意味ピンチというような気持ちでみんないっていると思うけど、ランナーを出してもよく粘り強く投げてくれた」  --鳥谷が久々の先発  「よく足も動いてるしね。ほんとにトリ(鳥谷)を見ていて気持ちがすごく外に出ているようなものが、すごく見えたんで。俺ももちろんうれしかったし、若い選手もね、そういう姿を見て、感じるものがすごくあったと思うし。いいつなぎもしてくれたし。トリらしさを十分出してくれたと思う」  --福留も久しぶりの1軍復帰で走塁など好プレー  「三塁に行ったのもそうやし、セカンドで走るのもそうやったし。ふくらはぎを痛めたなかで、孝介も全力でプレーしてくれて、実際にいいヒットも出ている。力もそうだし、ベテランの孝介やトリにしか出せない雰囲気がある。孝介もしっかり出してくれた」

◆本日から甲子園は「ウル虎の夏」と称して真っ黄色に染まりました。タイガースはギンギンに燃え上がっていて、トラ番キャップ大石豊佳は「新外国人ソラーテ選手の初練習は明るいし、積極的に内野はあちこち守ってみせるし、ちょうどイイ刺激になります」と声を弾ませていた。  今年から働き方改革の一環で、デスクもどんどん最先端の記者席に出ることになって、この日は堀啓介が登場した。もちろん彼も元トラ番キャップだから特にソラーテには注目した。「ヤル気がみなぎってましたね。ちょっと2軍で身体をなじませてから...なんですが、本人はもう元気いっぱい。守備練習も二塁、遊撃、左翼を守っていました。その姿勢が好印象でした」とのこと。練習を見た矢野監督は「そんなに大きくはないけど、動きはいい」と手応えを語っていたらしい。大石は「身長は180センチなんですが、スパイクをみるとサイズが30センチとデカイんですョ。当たれば飛ぶんじゃないかなぁ...」と言っていた。  「まぁスパイスとしては大いに注目したいです。彼の登場で少しお尻のあたりがモジモジしてきた選手は、みんな目の色を変えるでしょうから...」と新里公章は視点を高くして慎重な感想を伝えてきた。  当然、TV局のカメラもズラリ。初練習なのでDeNAのライバル選手もチラ見はしている。この緊迫感がいいのだ。"与えられた定位置"にはどうしても甘さが漂う。緊迫感がなければ、シビアな競争原理は機能しない。  その点、この日はタイミングよく矢野監督はベテラン鳥谷、福留を投入して、若手をギクリとさせた。いつまでも待っているわけじゃないゾ...という意思表示が匂う。  それが苦戦していたDeNAの先発・上茶谷に無言のプレッシャーとなっていった。捕手出身の監督らしい微妙な心理操作でジリッジリッと上茶谷を追い詰めていく。五回には鳥谷が、八回には福留が得点に絡んだ。  しかし...パンチ力欠乏ウイルスはジリジリとタイガースをむしばんでいった。7月23日といえば24年前の1995年のこの日、長期政権と期待され、6年目を迎えた中村勝広監督(故人)は最下位をはいずり回っていた。そこで、2軍監督藤田平という厳格な指揮官と入れ替えた。"鬼平"と呼ばれた新監督の初日に、なんと主砲の新庄剛志が鳴尾浜の練習に遅刻...藤田監督は新庄にセンター付近で正座を命じた。  ぬるま湯体質の荒療治...といわれたが、虎のぬるま湯は一朝一夕には熱くならなかった...。熱血漢の藤田平監督は急ぎすぎて...苦悩した。  前日まで筒香→ソト→ロペスのトリオだけで65本。糸井→大山→福留で阪神は20本という長打力の格差は何を矢野監督につきつけているのだろうか。それが24年を経過した『7・23』の現実なのか...と涙が一滴。  しかし...だ。ソラーテ加入は虎に活力と粘り腰を加味した。  七回の打者9人のDeNA打線の猛打ぶり。一挙5点。ああまたしても...。その裏にマルテのソロ、鳥谷のヒットがからんで、さらに1点。八回は糸原と福留の渋いヒットも出て...ついに同点だ。そして梅野の押し出しで...勝ち越し!  ところが九回に守護神ドリスが先頭打者に四球を与え、筒香の二塁打で同点に...ああ...酒量が増えるわ!

◆打てば文句なしのヒーローだった。  5-5の八回1死満塁。外野フライでもよかった。しかし、鳥谷は痛恨の二飛...。4月14日の中日戦(甲子園)以来、75試合ぶりのスタメンを笑って終われなかった。  「久しぶりでしたけど、出ることを想定して準備してきたので」  今季得点圏では27打数無安打といまだ結果が出ない。5年契約最終年。現役引退をかけて臨むからこそ、存在価値を示したかったが、インフィールドフライが宣告され、また、悲しさが増した。  五回1死一塁では右前打、七回無死でも左前に落とし、今季初のマルチ安打をマークしていた。二回の守備では二遊間のゴロに横っ飛びし、軽快にアウトにしていたが、汚名返上まではいかず。  「打席には代打で立っていたので」  言い訳はしない。今度こそ、決定力が欲しい。

◆勝てたやろ...。3連勝を狙った阪神はDeNAにドロー。1点リードの九回2死二塁で守護神のラファエル・ドリス投手(31)が筒香に同点二塁打を浴びた。矢野燿大監督(50)は「俺の責任」としたが、ソラーテの1軍昇格に合わせて、2軍に降格させる可能性を示唆した。  虎党のジェット風船がフライングで舞う。九回2死二塁。筒香の大飛球が近本の頭上を越えた。試合はまた、振りだし...。あと1人だった。次打者は今季わずか1安打の関根。一塁も空いていた。矢野監督は目をつぶって、天を仰いでいた。  「外野も前に出さなあかんしね。佐野っていう打者も、(代打要員で)いる中で...。それは出た結果が俺の責任なんで」  2度のリードを守り切れず、痛恨ドロー。ドリスにまた、裏切られた。先頭を歩かせ、詰め切れないという繰り返し。いくら相手ベンチに代打打率・389、代打得点圏打率・462の佐野が残っていようとも、指揮官は守護神を信じていた。  20日のヤクルト戦(甲子園)も自ら勝利投手になったが、1回1失点と崩れていた。残る野手が捕手の坂本1人という総力戦だっただけに「重いし、しんどいし。中盤から後半に入りかけてるところでやっぱり体の疲れとかもね」と吐露する。そして、ついに、不安定なドリスの2軍を視野に入れたことを明かした。  「最近すごく連投してるわけでもないんだけど。まぁまぁ...そういう部分では考える部分も多いなと」  ソラーテの昇格に合わせ、1軍の外国人枠の「4」をどう使うか。これまでマルテやガルシアが降格候補として見込まれていたが、そこにドリスが加わる。金村投手コーチも「疲れていないといったら嘘になる。長いシーズン当然こういうときはある」と近日中のリフレッシュを匂わせた。  先発させたガルシアも七回、先頭ソトに四球を出してから急変。無死一、二塁から宮崎に右中間に適時二塁打を許し、1点差に迫られ、なお無死二、三塁のピンチで右打ちの中井に右犠飛を許し、同点とされた。「難しい。球数も少なかったし、状態的にも良かった」。さらにスイッチさせた守屋もつかまり、1イニング5失点...。  「俺の責任の部分もある。続投させるか、継投のところも難しかったなと思う」  負けなかったが、勝てた試合だった。采配が裏目で、頭を抱えてばかりの助っ人問題-。まず、そこを解決したい。 (大石豊佳)

◆はよ、1軍にきてくれ! メジャー通算75発を誇る阪神の新外国人、ヤンハービス・ソラーテ内野手(32)=前マーリンズ傘下3A=が23日、甲子園での1軍練習に初参加。フリー打撃では柵越えなしも、66スイングで安打性14本をマークした。1軍はDeNAに6-6のドロー。24日、2軍の練習試合(BCL選抜戦、鳴尾浜)でデビューするが待ちきれへん! SOS!  蒸し暑さが増してばかりの夜になった。気持ちよく先制しても、勝ち越しても、追いつかれた。ドリスがまたセーブに失敗し、午後10時33分、今季5度目のドロー。助っ人に頭を抱える中、その8時間半前の午後2時5分にソラーテという唯一の光が差し込んでいた。  「(日本は)厳しい練習や、練習量が多かったりとか、ハードワーキングをすごくするっていうことに対しても尊敬できる。ここ(甲子園)でプレーしていきたいな」  メジャー通算75発のスイッチ打者。前日22日に入団会見を終えたばかりだが、初めて1軍練習に参加した。矢野監督はもちろんフロント陣も集結しての"品評会"。超実戦派を証明してみせた。  まずは左打席に入ると古野打撃投手の球を右足を少し上げ、ミート中心に打ち返した。6スイング目には"来日1号"かという右翼フェンス直撃の鋭い弾道も披露し、24スイングで安打性は8本。右打席に移っても22スイングで5本の安打性を放ち、おかわりで左右10スイングずつ振った。 柔らかい打撃に指揮官もひと安心。「上体だけで打つということもない。ある程度はアベレージを残しながら、自分のしっかりしたスイングを(できる)。ツボに入れば長打も打てるという感じ」とうなずき「ある程度は対応していけそうな打者と思ってたんだけど。きょう見ても、その印象はあまり変わらない」と合格点を出した。  バットだけじゃない。守備練習の時間になると、真っ先に遊撃のポジションに歩を進めた。遊撃で最も多い19本のノックを受けると二塁や一塁、左翼もこなし、これにも将は「身のこなしはすごくいい」と話した。  課題の得点力不足を補うという使命を課された。矢野監督が視察するきょう24日の2軍の練習試合(BCL選抜戦)に出場し、1軍昇格のタイミングをうかがう。時間はあるようでない。時差の影響について「ちょっとキツイかな」と苦笑いしながら1軍の対戦相手であるDeNAのロペスが姿を見せると、あいさつ。「昔、一緒にプレーしていた」。実績十分のロペスは詳細こそ明かさずも「日本でどうやったらいいか、というアドバイスをした」と話した。  打順は2番になるのか、それとも5、6番になるのか。試合後、矢野監督がドリスの2軍降格を示唆したため、マルテとの外国人野手2人制が現実味を帯びてきた。  「(感覚は)本当によかった。(浜風を)気にしないというよりかは、球を強く打つことを意識した」とソラーテは力を込めた。  早く1軍にきてくれ。愛称である「セクシータイム」を見せてくれ。浮き上がっては、また沈む今の虎を激変させるのはソラーテしかいない。請負人は分かっている。 (新里公章) ★ソラーテについて阪神首脳陣、反応 清水ヘッドコーチ 「早く体を慣らしてもらって、ベストな状態で上にこられるのが一番」 浜中打撃コーチ 「左打席は(変な癖は)なさそうだし、パンチ力がありそう」 久慈内野守備走塁コーチ 「外国人選手特有のハンドリングのうまさは感じた」 藤本内野守備走塁コーチ 「ハンドリングが柔らかい。(本人は)どこでも守れると言っている。でもセカンドとサードがなじんでいる」 筒井外野守備走塁コーチ 「どこまで対応できるのか、細かい動きを見させてもらいました」

◆ソラーテはどっしりしていて、構えがいい。右打席でも左打席でも、バットが最短距離で出てきて癖がない。安定して率を残せるのではないか。長距離というよりは中距離ヒッターだが、当たれば飛ぶ。メジャーで結果を出してきたのもうなずける。右打席でいえば、元広島のラロッカが近いタイプか。関係者に聞くと「左打席の方がパワーがある」と話していた。  打順は2番が面白い。スイッチヒッターで、ミート力もあって、はまれば長打もある。相手バッテリーは嫌だし、打線として非常に効果的だ。  問題は、どこを守らせるか。まだ軽めだが、ノックを見た限りハンドリングもうまいし、送球もしっかりしている。二塁がしっくりくるのだろうが遊撃も守れそうだ。一塁か外野が現実的かもしれないが、甲子園の外野は風もあって難しい。  外国人枠(4)の使い方も難しいが、この日はマルテが逆転された直後の七回に、貴重な本塁打を放った。苦しい流れを劇的に変えるのは、やはり長打だ。マルテが6番や7番にいる打線は、捕手目線でも非常に怖い。首脳陣の判断だが、ソラーテ、マルテを併用する形が理想だろう。 (サンケイスポーツ専属評論家)

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<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
51351 0.593
(↑0.005)
-
(-)
56421
(+6)
340
(+5)
116
(-)
53
(-)
0.266
(↑0.001)
3.620
(↓0.01)
2
(-)
DeNA
44433 0.506
(-)
7.5
(↓0.5)
53371
(+6)
366
(+6)
106
(-)
28
(+1)
0.247
(↓0.001)
3.690
(-)
3
(-)
広島
43453 0.489
(↑0.006)
9
(-)
52350
(+6)
371
(+5)
83
(+3)
51
(-)
0.244
(↑0.001)
3.520
(↓0.01)
4
(-)
阪神
41445 0.482
(-)
9.5
(↓0.5)
53336
(+6)
362
(+6)
59
(+1)
63
(+1)
0.249
(↑0.001
3.430
(↓0.01)
5
(-)
中日
41470 0.466
(↓0.005)
11
(↓1)
55340
(+5)
339
(+6)
51
(-)
47
(+3)
0.262
(-)
3.750
(↓0.02)
6
(-)
ヤクルト
35532 0.398
(↓0.004)
17
(↓1)
53390
(+5)
457
(+6)
97
(+2)
35
(-)
0.239
(↓0.001)
4.640
(↓0.02)